JP2011047005A - 軸受スリーブの製造方法及び流体軸受装置 - Google Patents

軸受スリーブの製造方法及び流体軸受装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011047005A
JP2011047005A JP2009196798A JP2009196798A JP2011047005A JP 2011047005 A JP2011047005 A JP 2011047005A JP 2009196798 A JP2009196798 A JP 2009196798A JP 2009196798 A JP2009196798 A JP 2009196798A JP 2011047005 A JP2011047005 A JP 2011047005A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
punch
sintered material
die
bearing
manufacturing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009196798A
Other languages
English (en)
Inventor
Fuyuki Ito
冬木 伊藤
Kazuo Okamura
一男 岡村
Kenji Hibi
建治 日比
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2009196798A priority Critical patent/JP2011047005A/ja
Priority to US13/255,058 priority patent/US8992658B2/en
Priority to KR1020117023658A priority patent/KR101615147B1/ko
Priority to PCT/JP2010/053320 priority patent/WO2010106909A1/ja
Priority to CN201080012437.7A priority patent/CN102356249B/zh
Publication of JP2011047005A publication Critical patent/JP2011047005A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
  • Forging (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)

Abstract

【課題】焼結素材の軸方向両端部における内径寸法差を低減して回転精度を向上することのできる動圧軸受の製造方法を提供する。
【解決手段】焼結工程で形成された焼結素材11を、ダイ13および一対のパンチ14、15を用いてサイジングすることにより、軸部材2に外挿され、内周面が軸部材2の外周面との間にラジアル軸受隙間を形成する円筒状の軸受スリーブの製造方法である。サイジング工程において、一方のパンチ14からの加圧力で焼結素材11をダイ13に圧入した後、他方のパンチ15を一方のパンチ14側に移動させることで、焼結素材11を軸方向に圧縮する。
【選択図】図6

Description

本発明は軸受スリーブの製造方法及び流体軸受装置に関する。
流体軸受装置は、軸受隙間に生じる潤滑油等の動圧作用で軸部材を回転自在に非接触支持する軸受装置である。この軸受装置は、高速回転、高回転精度、低騒音等の特徴を有するものであり、近年ではその特徴を活かして、情報機器をはじめ種々の電気機器に搭載されるモータ用の軸受装置として、より具体的には、HDD等の磁気ディスク装置、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM/RAM等の光ディスク装置、MD、MO等の光磁気ディスク装置等のスピンドルモータ、レーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータ、ファンモータなどのモータ用軸受装置として好適に使用されている。
上記各種モータには、高回転精度の向上が求められる。この要求性能を決定づける構成要素の1つに当該モータのスピンドルを支持する軸受があり、近年では、前記要求性能に優れた特性を有する流体軸受の使用が検討され、あるいは実際に使用されている。
この種の流体軸受は、軸受隙間内の潤滑流体に動圧を発生させるための動圧発生部を備えた動圧軸受と、動圧発生部を備えていない、いわゆる真円軸受(軸受断面が真円形状である軸受)とに大別される。
例えば、HDD等のディスク駆動装置のスピンドルモータに組み込まれる流体軸受装置では、軸部材をラジアル方向に支持するラジアル軸受部およびスラスト方向に支持するスラスト軸受部の双方を動圧軸受で構成する場合がある。この種の流体軸受装置(動圧軸受装置)におけるラジアル軸受部としては、例えば焼結金属製のスリーブの内径面に、動圧発生部として、複数の動圧溝を配列した領域を形成すると共に、この動圧発生部を形成した面と、これに対向する軸部材の外径面との間にラジアル軸受隙間を形成するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
通常、焼結金属製のスリーブは、Cu粉末又はFe粉末、あるいは両者を含む金属粉末を金型で所定形状に圧縮成形し、圧縮成形体を焼結した後、この焼結素材をサイジングすることにより形成される(特許文献2、特許文献3)。
図11〜図13は、サイジング装置の概略構造を例示している。この装置は、焼結素材111の外径面111bを圧入する円筒状のダイ113、焼結素材111の内径面111bを成形するサイジングピン112、焼結素材111の両端面を上下方向から押さえる上下のパンチ114、115を主要な要素としている。サイジングピン112の外周面には、完成品の軸受面の形状に対応した凹凸状の成形型が設けられている。成形型の凸部は軸受面における動圧溝の領域を成形し、凹部は動圧溝以外の領域を成形する。
サイジングは、まず、図11に示すように、焼結素材111をダイ113の上面に位置合わせをして配置する。この場合、焼結素材111の外径面111bと、圧入すべきダイ113の内径面との間には所定の圧入代D101が確保されており、ダイ113への圧入前の状態において、焼結素材111の内径面111aとサイジングピン112の成形型(凸部)との間には内径すきまD102がある。
その後、上パンチ114およびサイジングピン112を降下させ、焼結素材111をダイ113に圧入する。図12に示すように、上パンチ114を下死点まで押し込んで、焼結素材111を下パンチ115の上面に押し付けて上下方向から加圧する。焼結素材111はダイ113と上下パンチ114、115から圧迫力を受けて変形を起こし、内径面111aがサイジングピン112の成形型に加圧される。内径面111aの加圧量は、圧入代D101と内径すきまD102との差に略等しく、内径面111aから所定深さまでの表層部分がサイジングピン112の成形型に加圧され、塑性流動を起こして成形型に食い付く。これにより、成形型の形状が焼結素材111の内径面111aに転写され、軸受面が成形される(同時に焼結素材111の外径面111bもサイジングされる)。この場合、上パンチ114をダイ113に挿入してから、上パンチ114が下死点に到達して焼結素材111を圧縮するまでの間、下パンチ115はダイ112の内部で待機しており、その位置を維持している。
その後、図13に示すように、成形型と焼結素材111の位置関係を維持しながら、サイジングピン112と上下のパンチ114、115とを上昇させて、焼結素材111をダイ113から抜く。焼結素材111をダイ113から抜くと、焼結素材111にスプリングバックが生じ、その内径寸法が拡大する。これにより動圧発生部の形状を崩すことなく焼結素材をサイジングピンから抜くことができる。
特開2003−239951号公報 特開2002−178089号公報 特開2002−206534号公報
前記のような方法により成形された焼結素材111は、図14に示すように、焼結素材の軸方向両端部111c、111dにおいて内径寸法に差が生じる場合がある。これは、焼結素材111の一端部111cの圧縮量が、他端部111dの圧縮量よりも大となり、焼結素材111の一端部111cの密度が、他端部111dの密度よりも大となること等が影響している。つまり、焼結素材111の一端部111cと他端部111dとで密度差が生じると、スプリングバック量の大小に影響を与える等により、焼結素材の軸方向両端部111c、111dの内径寸法に差が生じる一因となる。
このようにして、焼結素材111の一端部111cでは内径寸法d1が小さくなり、他端部111dでは内径寸法d2が大きくなる。これにより、焼結素材111の内径面111aは、上パンチ114側から下パンチ115側に向かって拡径するテーパ形状となって、回転精度の不良を招くことになる。
本発明は、上記課題に鑑みて、焼結素材の軸方向両端部における内径寸法差を低減して回転精度を向上することのできる軸受スリーブの製造方法及び流体軸受装置を提供することである。
本発明の軸受スリーブの製造方法は、焼結工程で形成された焼結素材を、ダイおよび一対のパンチを用いてサイジングすることにより、軸部材に外挿され、内周面が軸部材の外周面との間にラジアル軸受隙間を形成する円筒状の軸受スリーブを製造するに際し、サイジング工程において、一方のパンチからの加圧力で焼結素材をダイに圧入した後、他方のパンチを一方のパンチ側に移動させることで、焼結素材を軸方向に圧縮するものである。
本発明の軸受スリーブの製造方法によれば、焼結素材の全長がダイに圧入されて一方のパンチで焼結素材が圧縮される状態で他方のパンチを押し上げるため、一方のパンチが下死点に到達した状態で、軸方向両端部から焼結素材を加圧することができる。このため、他方のパンチ近傍の焼結素材も、他方のパンチ側から一方のパンチ側に向かって押圧力が付与されて圧縮される。
他方のパンチを、焼結素材の全体がダイに圧入されてから、他方のパンチを一方のパンチ側に移動させることができる。また、焼結素材をダイに圧入するまでの間、他方のパンチを待機させることや、焼結素材を、一方のパンチと他方のパンチとで拘束しつつダイに圧入することができる。
他方のパンチの一方のパンチ側への移動量を、一方のパンチでダイに圧入した時に生じる焼結素材の軸方向の伸び量よりも大きくすることができる。これにより、焼結素材が軸方向に延びる前の軸方向寸法よりも焼結素材を圧縮できるため、確実に他方のパンチ近傍の焼結素材を圧縮することができる。
本発明の流体軸受装置は、前記本発明に係る軸受スリーブと、軸受スリーブの内周に挿入された軸部材と、軸受スリーブの内周面と軸部材の外周面との間に形成されたラジアル軸受隙間を有し、ラジアル軸受隙間に形成した潤滑流体の膜で軸部材をラジアル方向に支持するラジアル軸受部とを有するものである。
以上より、本発明によれば、他方のパンチ近傍の焼結素材も、他方のパンチ側から一方のパンチ側に向かって押圧力が付与されて圧縮されるため、軸方向両端の密度差を小さくして焼結素材の軸方向両端部における内径寸法差を低減し、回転精度の向上を図ることができる。
本発明に係る流体軸受装置を組み込んだ情報機器用スピンドルモータの断面図である。 流体軸受装置の縦断面図である。 それぞれ軸受スリーブの(a)縦断面図、(b)下端面である。 本発明の第1実施形態の軸受スリーブの製造方法において、スリーブのサイジング工程の一例を概念的に示す図である。 本発明の第1実施形態の軸受スリーブの製造方法において、スリーブのサイジング工程の一例を概念的に示す図である。 本発明の第1実施形態の軸受スリーブの製造方法において、スリーブのサイジング工程の一例を概念的に示す図である。 本発明の第1実施形態の軸受スリーブの製造方法において、スリーブのサイジング工程の一例を概念的に示す図である。 本発明の第1実施形態の軸受スリーブの製造方法に用いられる上下のパンチの位置関係を示す図である。 本発明の第2実施形態の軸受スリーブの製造方法に用いられる上下のパンチの位置関係を示す図である。 本発明の第4実施形態〜第5実施形態の流体軸受装置の製造方法において、スリーブのサイジング工程の一例を概念的に示す図である。 従来の軸受スリーブの製造方法において、スリーブのサイジング工程の一例を概念的に示す図である。 従来の軸受スリーブの製造方法において、スリーブのサイジング工程の一例を概念的に示す図である。 従来の軸受スリーブの製造方法において、スリーブのサイジング工程の一例を概念的に示す図である。 従来の軸受スリーブの製造方法により製造した焼結素材を示す拡大断面図である。
本発明に係る軸受スリーブの製造方法及び流体軸受装置の実施形態を図1〜図10に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る軸受スリーブの製造方法により製造したスリーブを有する流体軸受装置(動圧軸受装置)1を組込んだ情報機器用スピンドルモータの一構成例を概念的に示している。このスピンドルモータは、HDD等のディスク駆動装置に用いられるもので、軸部材2を回転自在に非接触支持する流体軸受装置1と、軸部材2に装着されたディスクハブ3と、例えば半径方向のギャップを介して対向させたステータコイル4およびロータマグネット5とを備えている。ステータコイル4はブラケット6の外周に取付けられ、ロータマグネット5は、ディスクハブ3の内周に取付けられている。また、流体軸受装置1のハウジング7の外周面は、ブラケット6の内周面に、接着又は圧入等の手段で固定される。ディスクハブ3は、その外周に磁気ディスク等のディスク状情報記憶媒体(以下、単にディスクという。)Dを一枚または複数枚保持している。このように構成されたスピンドルモータにおいて、ステータコイル4に通電すると、ステータコイル4とロータマグネット5との間に発生する電磁力でロータマグネット5が回転し、これに伴って、ディスクハブ3およびディスクハブ3に保持されたディスクDが軸部材2と一体に回転する。
図2は、流体軸受装置1を示している。この流体軸受装置1は、軸部材2と、ハウジング7と、ハウジング7に固定されたスリーブ8およびスラスト部材10と、シール部材9とを主な構成要素として構成されている。なお、説明の便宜上、ハウジング7のスラスト部材10固定側を下側、スラスト部材10の固定側と反対の側を上側として以下説明する。
軸部材2は、例えばステンレス鋼等の金属材料で形成され、あるいは、金属材料と樹脂材料とのハイブリッド構造とされ、軸部2aと、軸部2aの下端に一体または別体に設けられたフランジ部2bを備えている。なお、ハイブリッド構造をなす軸部材2としては、軸部2aの芯部あるいはフランジ部2b、もしくはその双方を樹脂材料で形成したものが使用可能である。
スリーブ8は、焼結金属からなる多孔質体、例えば銅を主成分とする焼結金属の多孔質体で円筒状に形成される。このスリーブ8は、スラスト部材10の当接部10bに当接させた状態で、ハウジング7の内周面7aの所定位置に圧入固定される。なお、スリーブ8の外径は、ハウジング7の内径に比べて、後述するスリーブ8の外周面8dのハウジング7の内周面7aに対する所定の圧入代の分だけ大径に形成されている。
スリーブ8の内周面8aの全面又は一部円筒領域には、ラジアル動圧発生部としての動圧溝が形成される。この実施形態では、例えば図3(a)に示すように、複数の動圧溝8a1、8a2をへリングボーン形状に配列した領域が軸方向に離隔して2箇所形成される。上側の動圧溝8a1の形成領域では、動圧溝8a1が、軸方向中心m(上下の傾斜溝間領域の軸方向中央)に対して軸方向非対称に形成されており、軸方向中心mより上側領域の軸方向寸法X1が下側領域の軸方向寸法X2よりも大きくなっている。
スリーブ8の外周面8dには、1又は複数本の軸方向溝8d1が軸方向全長に亘って形成される。この実施形態では、3本の軸方向溝8d1が円周方向等間隔に形成されている。
スリーブ8の下端面8cの全面または一部環状領域には、スラスト動圧発生部として、例えば図3(b)に示すように、複数の動圧溝8c1をスパイラル形状に配列した領域が形成される。
シール部材9は、例えば樹脂材料又は軟質金属材料で環状に形成され、ハウジング7の内周面7a上端に配設される。シール部材9の内周面9aは、軸部2aの外周に設けられたテーパ面2a2と所定のシール空間S1を介して対向する。なお、軸部2aのテーパ面2a2は上側(ハウジング7に対して外部側)に向かって漸次縮径し、軸部材2の回転時には毛細管力シールおよび遠心力シールとして機能する。また、シール部材9の下端面9bは、その外径側領域9b1を内径側領域に比べて軸方向上方に後退させた形態をなす。
スラスト部材10は、例えば、樹脂材料又は金属材料で形成され、ハウジング7の内周面7a下端に配設される。スラスト部材10の端面10aの一部環状領域または全面には、スラスト動圧発生部として、例えば図3(b)に示す動圧溝8c1と同様の動圧溝をスパイラル形状に複数配列(スパイラルの回転方向は逆)した領域が形成される。この動圧溝形成領域は、フランジ部2bの下端面2b2と対向し、軸部材2の回転時には、動圧溝形成領域と下端面2b2の間に第二スラスト軸受部T2のスラスト軸受隙間を形成する(図2を参照)。また、この実施形態において、スラスト部材10は、端面10aの外周縁部から上方に延びた環状の当接部10bを一体に備えている。当接部10bの上側端面はスリーブ8の下端面8cと当接し、当接部10bの内周面はフランジ部2bの外周面と径方向の隙間を介して対向する。
図4〜図7、及び図10は、圧粉成形後、焼結工程を経た段階のスリーブ(以後、焼結素材11という。)をサイジングする工程に用いる加工装置を概略的に示している。この加工装置は、円筒形状の焼結素材11の内径面11aを成形するサイジングピン12と、焼結素材11の外径面11bを成形するダイ13と、焼結素材11の軸方向両端面を上下方向(軸方向)から拘束する第一パンチ(上パンチ)14および第二パンチ(下パンチ)15とを主要な要素として構成される。
サイジングピン12の外周には、上パンチ14がサイジングピン12に対して上下方向に摺動自在に外挿されている。サイジングピン12および上パンチ14は、それぞれ独立の駆動源で昇降運動を行う。
サイジングピン12の外周面には、完成品の軸受面の形状に対応した凹凸状の成形型が設けられている。成形型の凸部は軸受面における動圧溝の領域を成形し、凹部は動圧溝以外の領域を成形する。
図4に示すように、ダイ13への圧入前の状態において、焼結素材11の内径面11aとサイジングピン12の外径面との間には内径すきまD2がある。内径すきまD2の大きさは、例えば、60μmである。焼結素材11の外径面11bのダイ13に対する圧入代D1は、例えば200μmである。
次に、本発明の第1実施形態に係る流体軸受装置1の製造方法、つまりスリーブを成形する方法を図4〜図8に基づいて説明する。図8は、上パンチ14と下パンチ15の各加圧面の上下動の状況を示し、横軸が時間を示し、縦軸が上下移動量を示している。図8における(A)の範囲は、初期状態、つまり上パンチ14及び下パンチ15が図4で示される状態であり、焼結工程を経た焼結素材11はダイ13の上端面に配置される。サイジングピン12および上パンチ14は、焼結素材11に対して軸方向上方に配置される。この図示例では、サイジングピン12と共に上パンチ14を下降させ、上パンチ14を焼結素材11の上端面に押し当てる。下パンチ15は、ダイ12の内部で待機している。
上述の初期状態から、図8の範囲(B)で示すように、上パンチ14およびサイジングピン12を降下させ、上パンチ14にて焼結素材11の一端部11c(上パンチ近傍の焼結素材)を押圧して焼結素材11をダイ12に圧入する。この場合、焼結素材11はダイ12に圧入されることにより、図5に示すように軸方向に伸びる。この伸び量をXとする。なお、図5の仮想線は、ダイ13に圧入する前の焼結素材11の他端面を示す。
図8の範囲(C)に示すように、上パンチ14を下死点まで押し込む(図6(a)参照)。焼結素材11の全長がダイ13に圧入(上パンチ14が下死点に到達)された状態で、図8の範囲(D)に示すように、図6(b)の矢印の向きに下パンチ15を押し上げる。そして、図8の範囲(E)で示すように、焼結素材11を下パンチ側から加圧する。つまり、焼結素材11の他端部11dを下パンチ15の上面に押し付けて、焼結素材11を上下方向から加圧する。これにより、図6(c)に示すように、下パンチ15の上パンチ側への移動量はP1となって、焼結素材11の他端部11dはP1だけ圧縮される。
このとき、焼結素材11はダイ13と上下パンチ14、15から圧迫力を受けて変形を起こし、内径面11aがサイジングピン12の成形型に加圧される。内径面11aの加圧量は、圧入代(外径しめしろ)D1(半径量100μm)と内径すきまD2(半径量30μm)との差70μm(半径量)に略等しく、内径面11aから深さ5μmまでの表層部分がサイジングピン12の成形型に加圧され、塑性流動を起こして成形型に食い付く。これにより、成形型の形状が焼結素材11の内径面11aに転写され、軸受面が成形される。成形時、焼結素材11の外径面11bはダイ13によって、両端面11c、11dは上下パンチ14、15によってそれぞれ加圧される。外径面の加圧量は200μm、両端面の加圧量は片側200μm程度である。
ところで、下パンチ15の上パンチ側への移動量P1を、一方のパンチでダイに圧入した時に生じる焼結素材11の軸方向の伸び量Xよりも大きくしている。これにより、焼結素材11が軸方向に延びる前の軸方向寸法(つまり、初期状態における焼結素材11の軸方向寸法)よりも焼結素材11を圧縮することになる。
上記工程が完了した後、図8の範囲(F)で示すように、上パンチ14及びサイジングピン12を一体に上昇させるとともに、下パンチ15から焼結素材11を押圧してダイ13の上端面と同じ高さとなる位置まで上昇させる(図7参照)。これにより、焼結素材11の内径方向への圧迫力を解除して焼結素材11をダイ13から抜くことができる。焼結素材11をダイ13から抜くと、焼結素材11にスプリングバックが生じ、その内径寸法が拡大する。これにより動圧発生部の形状を崩すことなく焼結素材をサイジングピンから抜くことができる。
このように本発明では、焼結素材11の全長がダイ13に圧入されて焼結素材11が圧縮される状態で下パンチ15を押し上げるため、上パンチ14が下死点に到達した状態で、軸方向両端部から焼結素材11を加圧する。このため、焼結素材11の他端部11dも、下パンチ側から上パンチ側に向かって押圧力が付与されて圧縮される。これにより、焼結素材11の軸方向両端部11c、11dにおける内径寸法差を低減することができる。
下パンチ15の上パンチ側への移動量P1を、上パンチ14でダイ13に圧入した時に生じる焼結素材11の軸方向の伸び量Xよりも大きくしている。これにより、焼結素材11が軸方向に延びる前の軸方向寸法よりも焼結素材11を圧縮できるため、確実に下パンチ近傍の焼結素材11を圧縮することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る流体軸受装置1の製造方法について説明する。この場合、下パンチ15を、上パンチ14が下死点に到達するより前に、上パンチ側に移動させている。つまり、図9の範囲(A)の初期状態から、図9の範囲(B)で示すように、上パンチ14およびサイジングピン12を降下させ、上パンチ14にて焼結素材11の一端部11c(上パンチ近傍の焼結素材)を押圧して焼結素材11をダイ13に圧入する。そして、図9の範囲(D´)において、上パンチ14が下死点に到達するより前の状態で、下パンチ15を押し上げて焼結素材11を下パンチ側から加圧する。以下、前記第1実施形態と同様の方法により、焼結素材11をダイ13から抜く。
第3実施形態として、下パンチ15を、上パンチ14が下死点に到達するのとほぼ同時に上パンチ側に移動させることもできる。
第4実施形態として、焼結素材11をダイ13に圧入する際、焼結素材11を上パンチ14と下パンチ15とで拘束しつつダイ13に圧入することができる。この場合、図10(a)に示すように、サイジングピン12および上パンチ14は、焼結素材11に対して軸方向上方に配置されるとともに、下パンチ15は、ダイ13の成形孔の上端で待機して焼結素材11の下面を受ける。この状態から図10(b)に示すように、上パンチ14およびサイジングピン12を降下させて、上パンチ14が焼結素材11の一端部11cに当接し、焼結素材11が上下のパンチで軸方向両側から拘束された状態でダイ12に圧入される。上パンチ14を下死点まで押し込むと、図10(c)の矢印の向きに下パンチ15を押し上げて焼結素材11を下パンチ側から加圧する。つまり、焼結素材11の他端部11dを下パンチ15の上面に押し付けて、焼結素材11を上下方向から加圧する。この場合、図10(d)に示すように、下パンチ15の上パンチ側への移動量はP1となって、焼結素材11の他端部11dはP1だけ圧縮される。
上記工程が完了した後、上パンチ14及びサイジングピン12を一体に上昇させるとともに、下パンチ15から焼結素材11を押圧してダイ13の上端面と同じ高さとなる位置まで上昇させる(図7参照)。その後、前記第1実施形態〜第3実施形態と同様の方法にて焼結素材11をダイ13から抜く。
第5実施形態として、前記第4実施形態と同様の方法にて焼結素材11をダイ13に圧入し、上パンチ14が下死点に到達するより前の状態で、下パンチ15を押し上げて焼結素材11を下パンチ側から加圧する。
第6実施形態として、前記第4実施形態や第5実施形態と同様の方法にて焼結素材11をダイ13に圧入し、下パンチ15を、上パンチ14が下死点に到達するのとほぼ同時に上パンチ側に移動させることもできる。
なお、図10に示す軸受スリーブの製造方法において、図1〜図9に示す軸受スリーブの製造方法と同様の構成については、図1〜図9と同一符号を付してその説明を省略する。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、スリーブとなる焼結素材11に、スラスト動圧発生部を形成することもできる。その場合、例えば上パンチ14の下端面、あるいは下パンチ15の上端面にスラスト動圧発生部に対応した形状の型を予め設けておき、これでもって、焼結素材11を軸方向両側から拘束することで、軸方向のサイジングと同時にスラスト動圧発生部を形成することができる。また、加圧後における焼結素材11の取り出しにおいて、下パンチ15の上昇と上パンチ14の上昇とを同時に行わなくてもよく、上パンチ14を上昇させた後に下パンチ15を上昇させてもよい。
また、以上の実施形態では、スリーブ8の外径面8aに、複数の動圧溝8a1、8a2をヘリングボーン形状に配列した領域を形成した場合を説明したが、本発明は、上記構成に限らず他構成の動圧発生部に対しても同様に適用することができる。
1 流体軸受装置
2 軸部材
3 ディスクハブ
4 ステータコイル
5 ロータマグネット
6 ブラケット
7 ハウジング
8 スリーブ
8a1、8a2 動圧溝
8c1 動圧溝
9 シール部材
10 スラスト部材
11 焼結素材
11a 内径面
11b 外径面
11c 一端部
11d 他端部
12 サイジングピン
13 ダイ
14 上パンチ
15 下パンチ
d1、d2 内径寸法
D1 内径すきま
D2 圧入代
S1 シール空間
R1、R2 ラジアル軸受部
T1、T2 スラスト軸受部

Claims (6)

  1. 焼結工程で形成された焼結素材を、ダイおよび一対のパンチを用いてサイジングすることにより、軸部材に外挿され、内周面が軸部材の外周面との間にラジアル軸受隙間を形成する円筒状の軸受スリーブを製造するに際し、
    サイジング工程において、一方のパンチからの加圧力で焼結素材をダイに圧入した後、他方のパンチを一方のパンチ側に移動させることで、焼結素材を軸方向に圧縮することを特徴とする軸受スリーブの製造方法。
  2. 他方のパンチを、焼結素材の全体がダイに圧入されてから、他方のパンチを一方のパンチ側に移動させることを特徴とする請求項1の軸受スリーブの製造方法。
  3. 焼結素材をダイに圧入するまでの間、他方のパンチを待機させることを特徴とする請求項1又は請求項2の軸受スリーブの製造方法。
  4. 焼結素材を、一方のパンチと他方のパンチとで拘束しつつダイに圧入することを特徴とすることを特徴とする請求項1又は請求項2の軸受スリーブの製造方法。
  5. 他方のパンチの一方のパンチ側への移動量を、一方のパンチでダイに圧入した時に生じる焼結素材の軸方向の伸び量よりも大きくしたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項の軸受スリーブの製造方法。
  6. 請求項1〜請求項5の何れかに記載された方法で製造された軸受スリーブと、軸受スリーブの内周に挿入された軸部材と、軸受スリーブの内周面と軸部材の外周面との間に形成されたラジアル軸受隙間を有し、ラジアル軸受隙間に形成した潤滑流体の膜で軸部材をラジアル方向に支持するラジアル軸受部とを有する流体軸受装置。
JP2009196798A 2009-03-19 2009-08-27 軸受スリーブの製造方法及び流体軸受装置 Pending JP2011047005A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009196798A JP2011047005A (ja) 2009-08-27 2009-08-27 軸受スリーブの製造方法及び流体軸受装置
US13/255,058 US8992658B2 (en) 2009-03-19 2010-03-02 Sintered metallic bearing and fluid dynamic bearing device equipped with the bearing
KR1020117023658A KR101615147B1 (ko) 2009-03-19 2010-03-02 소결 금속 베어링 및 이 베어링을 구비한 유체 동압 베어링 장치
PCT/JP2010/053320 WO2010106909A1 (ja) 2009-03-19 2010-03-02 焼結金属軸受、およびこの軸受を備えた流体動圧軸受装置
CN201080012437.7A CN102356249B (zh) 2009-03-19 2010-03-02 烧结金属轴承及具备该轴承的流体动压轴承装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009196798A JP2011047005A (ja) 2009-08-27 2009-08-27 軸受スリーブの製造方法及び流体軸受装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011047005A true JP2011047005A (ja) 2011-03-10

Family

ID=43833626

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009196798A Pending JP2011047005A (ja) 2009-03-19 2009-08-27 軸受スリーブの製造方法及び流体軸受装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011047005A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015137059A1 (ja) * 2014-03-11 2015-09-17 Ntn株式会社 焼結軸受とこれを備えた流体動圧軸受装置及びモータ、並びに焼結軸受の製造方法
WO2016158316A1 (ja) * 2015-03-31 2016-10-06 株式会社ダイヤメット 焼結体表面緻密化用サイジング金型とその製造方法及び製造物
CN107369532A (zh) * 2016-05-13 2017-11-21 株式会社村田制作所 陶瓷芯体、绕线式电子部件以及陶瓷芯体的制造方法
WO2018186221A1 (ja) * 2017-04-03 2018-10-11 Ntn株式会社 多孔質動圧軸受、流体動圧軸受装置、及びモータ

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015137059A1 (ja) * 2014-03-11 2015-09-17 Ntn株式会社 焼結軸受とこれを備えた流体動圧軸受装置及びモータ、並びに焼結軸受の製造方法
WO2016158316A1 (ja) * 2015-03-31 2016-10-06 株式会社ダイヤメット 焼結体表面緻密化用サイジング金型とその製造方法及び製造物
JP2016191133A (ja) * 2015-03-31 2016-11-10 株式会社ダイヤメット 焼結体表面緻密化用サイジング金型とその製造方法及び製造物
US10618099B2 (en) 2015-03-31 2020-04-14 Diamet Corporation Sizing die for densifying surface of sintered body, production method using same, and product obtained therefrom
CN107369532A (zh) * 2016-05-13 2017-11-21 株式会社村田制作所 陶瓷芯体、绕线式电子部件以及陶瓷芯体的制造方法
WO2018186221A1 (ja) * 2017-04-03 2018-10-11 Ntn株式会社 多孔質動圧軸受、流体動圧軸受装置、及びモータ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8756816B2 (en) Method for producing a housing for a fluid bearing apparatus
US8876385B2 (en) Bearing member and fluid dynamic bearing device using same
JP4245897B2 (ja) 動圧軸受装置の製造方法
JP2011047005A (ja) 軸受スリーブの製造方法及び流体軸受装置
WO2018037822A1 (ja) 動圧軸受およびその製造方法
US10167899B2 (en) Sintered bearing, fluid dynamic bearing device provided with same, and sintered bearing manufacturing method
EP3051159B1 (en) Sintered metal bearing and method for producing same
JP4573349B2 (ja) 動圧軸受の製造方法
JP2006316896A (ja) 焼結含油軸受の製造方法および焼結含油軸受
JP4172944B2 (ja) 動圧軸受装置およびその製造方法
US7789565B2 (en) Fluid dynamic bearing apparatus
WO2017159345A1 (ja) 動圧軸受及びその製造方法
JP2006207787A (ja) 動圧軸受装置用ハウジングおよびその製造方法
WO2015137059A1 (ja) 焼結軸受とこれを備えた流体動圧軸受装置及びモータ、並びに焼結軸受の製造方法
JP2016180427A (ja) 流体動圧軸受装置用軸受部材及びその製造方法
JP4738831B2 (ja) 流体軸受装置
JP4420339B2 (ja) 動圧軸受の製造方法
JP5606831B2 (ja) 軸受部材及びその製造方法
WO2016152474A1 (ja) 軸受部材、これを備えた流体動圧軸受装置、及び軸受部材の製造方法
JP2007100803A (ja) 含油焼結軸受の製造方法およびこの方法に使用されるサイジングピン
JP2016180496A (ja) 軸受部材及びその製造方法
JP2010091004A (ja) 流体動圧軸受装置及びその製造方法
JP3625637B2 (ja) 動圧型軸受の製造方法
JP4451409B2 (ja) 動圧型焼結含油軸受ユニットの製造方法
JP2006105331A (ja) 軸受スリーブおよびその製造方法