JP2011038213A - 製紙用フェルト - Google Patents

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Shigeru Tamura
茂 田村
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Abstract

【課題】ポリアセタール短繊維は、湿潤条件下での圧縮回復性の持続と耐摩擦摩耗性は良いが、耐脱毛性が悪く、製紙用フェルトには適さなかったので、製紙用フェルトとして使用できるように、耐脱毛性を付与する。
【解決手段】製紙機械のプレスパートに設けられたプレス装置に配置される製紙用フェルト10は、基層20と、前記基層20の湿紙側の表面に形成された第1バット層30と、前記基層のロール側またはシュー側の表面に形成された第2バット層31とを備え、前記第1バット層30および/または第2バット層31がポリアセタール短繊維40を含むことを特徴とする製紙用フェルト。
【選択図】図1

Description

本発明は、製紙用フェルト(以下、単にフェルトということがある)に係り、特に耐脱毛性に優れたものに関する。
従来から、製紙機械のプレスパートには、湿紙の水分を搾水する製紙用フェルトが使用されている。製紙用フェルトは、基層と、該基層にニードルパンチングにより絡合一体化された短繊維からなるバット層とにより構成されている。
そして、該短繊維の素材としては、従来から耐疲労性、耐摩耗性及びフェルトの圧縮回復性の面で優れているため、ポリアミド繊維(ナイロン6繊維或いはナイロン66繊維)が主に使用されてきた。
然しながら、最近の製紙機械においては、生産性の向上等の要因により、フェルトの高速走行、フェルトに対するニップ圧の高圧化は勿論のこと、さらに湿紙の搾水性を向上させるため製紙温度を高めて操業するなどの手段が採用されている。従って、フェルトへの影響は益々過酷になってきている。
このような状況により、従来のナイロン繊維素材では圧縮回復性の持続、耐摩耗性の面で操業性が悪くなってきている。すなわち、ナイロンは高分子鎖中にアミド基、アミノ基などの水素結合性を有するために、湿潤条件下でナイロンが吸水してしまう。その結果、圧縮回復性が落ちるばかりではなく、特に高速・高加圧・高温状態では徐々にその繊維形状を維持できなくなり、ついには繊維間の空隙がつぶれ、遂にはフェルトの「扁平化」が早期に起きてしまっていた。この結果、フェルトの寿命が短くなっていた。
一方、これとは反対に、殆ど吸水しないポリエステル繊維やコーネックス繊維(メタ系芳香族ポリアミド)等を製紙用フェルトの短繊維素材として採用しようとしても、湿潤条件下での圧縮回復性の持続はよいが、耐摩耗性が著しく悪い欠点を有しており、満足した結果を得ることができなかった。このように、フェルトの使用初期から長期にわたり圧縮回復性と耐摩耗性を、フェルトの使用期間末期まで維持することが求められている。
近年、高結晶性で弾性率の高いポリアセタール(別名:ポリオキシメチレン)を繊維化する技術が発展して、例えば特許文献1や特許文献2、および非特許文献1等に開示されており、すでに周知となっている。
ポリアセタール繊維は、殆ど吸水しないポリアセタール樹脂を汎用的なモノフィラメントまたは短繊維の製造設備で紡糸、延伸と捲縮付与の工程を経て作成されたもので、強度・伸度特性については、ナイロン繊維やポリエステル繊維に比べて特段に優位な特性は具備しないものの、ポリアセタール特有の耐摩擦摩耗特性に優れた繊維であることが知られている。
そこで、本発明者らは前記ポリアセタール短繊維を製紙用フェルトに採用すべく実験を試みたが、従来のポリアセタール短繊維をそのまま使用すると、湿潤条件下での圧縮回復性の持続はよいが、耐脱毛性が悪く製紙用フェルトには適さないことが判明した。
すなわち、従来のポリアセタール繊維は、繊維表面の伸張方向に働く摩擦係数が非常に小さいため、ポリアセタール繊維をニードルパンチングでバット層を形成しても、短繊維間の摩擦が小さく繊維絡合性が弱いため、バット層から抜け毛として突出することが分かった。
つまり、周知のポリアセタール繊維を使用して製紙用フェルトを作成したとしても、摩擦係数が小さいポリアセタール繊維がバット層から抜け毛として突出し離脱し易いから、フェルトとして脱毛問題が顕著となり、ポリアセタールが本来有する耐摩擦摩耗性を、製紙用フェルトとして有効に利用できないことが分かった。
特開平8−113823号公報 特開2003−89925号公報 繊維と工業 第65巻4号(2009)P−134
この発明は上記した欠点に鑑み、従来の製紙用フェルトに優れた耐脱毛性を付与することを目的とする。
本発明は、製紙機械のプレスパートに設けられたプレス装置に配置される製紙用フェルトであって、基層と、前記基層の湿紙側に形成された第1バット層と、前記基層のロール側またはシュー側に形成された第2バット層とを備え、前記第1バット層および/または第2バット層がポリアセタール短繊維を含むことを特徴とする製紙用フェルトである。
また、本発明では前記ポリアセタール短繊維が、前記第1バット層および/または第2バット層に10重量%〜100重量%含まれることを特徴とする製紙用フェルトである。
更に、本発明では前記ポリアセタール短繊維の捲縮数が10山/5cmから40山/5cmの範囲であることを特徴とする製紙用フェルトである。
また、前記ポリアセタール短繊維を含むバット層が樹脂で含浸されていることを特徴とする製紙用フェルトである。
本発明の製紙用フェルトは、基層の湿紙側にポリアセタール短繊維を含む第1バット層を形成し、および/または基層のロール側(またはシュー側)にポリアセタール短繊維を含む第2バット層を形成することで、ポリアセタールが本来有する耐摩擦摩耗性を、製紙用フェルトとして有効に利用し、かつ脱毛性の問題を解決することができる。
本発明の製紙用フェルトの断面拡大図である。 本発明の実験結果。
図1は本発明に係る製紙用フェルトの側面図である。
製紙用フェルト10は、基層20と、前記基層20にニードルパンチングにより短繊維40を絡合一体化することにより得られた第1バット層30および第2バット層31とからなる。なお、本発明の製紙用フェルト10は第1バット層30、または第2バット層31のみからなるものであってもよい。
また、基層20は糸材と織製して得られた基布、経糸と緯糸を織製せずに得られた布体、細い帯状体をらせん状に巻回して得られたもの等、従来から提案されている種々の構成を選択することができる。
本発明の第1バット層30および第2バット層31を構成する短繊維40として、ポリアセタール短繊維を含む構成とし、かつニードルパンチで基層と短繊維とを絡合一体化して第1バット層30を形成することで、本発明から奏せられる効果を完全に得ることができる。本発明では、第1バット層30または第2バット層31を構成する短繊維40の少なくとも一方を、ポリアセタール短繊維を含む構成にすると、ポリアセタールが本来有する耐摩擦摩耗性を、製紙用フェルトとして有効に利用し、かつ脱毛性の問題を解決した製紙用フェルトにすることができる。
更に、本発明ではポリアセタール短繊維を含むバット層を、樹脂で含浸することができる。樹脂の含浸によって前記バット層内の短繊維間は固着が強化され、短繊維の抜け落ちが抑制できる。前記樹脂としては、水系または溶剤系樹脂が使用できる。樹脂の成分としては、ポリウレタンやポリアミド、アクリル、ポリエステル、エポキシなどの樹脂が使用できる。
本発明では、前記ポリアセタール短繊維と一般的なナイロン繊維等とを配合することができる。つまり、バット層30、31を構成する短繊維40の一部に前記ポリアセタール短繊維を使用した場合、少なからずその効果を享受することができる。例えば、本発明では前記ポリアセタール短繊維が、前記第1バット層および/または第2バット層に10重量%〜100重量%含まれることで、ポリアセタールが本来有する耐摩擦摩耗性を、製紙用フェルトとして有効に利用し、かつ脱毛性の問題を解決することができる。前記ポリアセタール短繊維の配合が、10重量%以下の場合は、前記ポリアセタール短繊維固有の耐摩擦磨耗性が得られない。
ここにおいて、本発明の製紙用フェルトに使用されるポリアセタール短繊維の捲縮数が10山/5cmから40山/5cmの範囲であるものが使用できる。この範囲の捲縮数であると、ニードルパンチで基層と短繊維とを十分に絡合一体化することができる。しかし、ポリアセタール短繊維の捲縮数が10山/5cm以下である場合、ニードルパンチによる基層と短繊維との絡合が弱くなるから、このような場合は、ポリアセタール短繊維を含むバット層を樹脂で含浸して、バット層内の短繊維間を固着強化することが好ましい。
ここで、前記ポリアセタール短繊維を得るための方法を説明する。
まず、公知の溶融紡糸法により、ポリアセタールの未延伸繊維(自然延伸比1)を得る。そして、該未延伸繊維を基準として、全延伸倍率が5倍となるように延伸する。この後、スタッファボックスにて捲縮を付与するが、得られたポリアセタール短繊維の捲縮数が10山/5cmから40山/5cmの範囲となるよう捲縮条件を設定する。
上記条件のポリアセタール繊維により製紙用フェルト10のバット層30、31を構成し、実験した結果、フェルトとして優れた耐摩擦摩耗性を有することが確認された。
一方、本発明では前記基層20の糸材として、モノフィラメントの単糸または撚糸、マルチフィラメントなどの繊維素材としてポリアセタールを使用することもできる。
本発明の効果を確認すべく、実験を行った。
この場合、製紙用フェルトとしての構造的な条件として、以下の事項をすべての製造例において共通とした。
・ポリアセタール短繊維:周知のポリアセタール繊維の製造方法に準じて、溶融紡糸法でまず未延伸繊維をトウの状態で得た。これらを収束してから短繊維の製造機械に仕掛け、一次延伸及び二次延伸による延伸倍率を5倍とし、その後に捲縮を付与し、更に定長(75mm)にカットして、繊度17dtexのポリアセタール短繊維を得た。
・ナイロン短繊維:市販のナイロン66短繊維(東レ製タイプ1903、繊度17dtex、カット長75mm)を使用した。
・基層20:ナイロンモノフィラメントの撚糸を平織りした製織布で、坪量300g/mのものを使用した。
・第1バット層30の形成:ポリアセタール短繊維とナイロン66短繊維とを当量ずつ混交(混綿)した後、針打ち密度400回/cmでニードルパンチして基層の湿紙側の表面にポリアセタール短繊維を含む第1バット層を形成した。第1バット層の総坪量は400g/mとした。
・第2バット層31の形成:ポリアセタール短繊維とナイロン66短繊維とを当量ずつ混交(混綿)した後、針打ち密度300回/cmでニードルパンチして基層のロール側(またはシュー側)の表面にポリアセタール短繊維を含む第2バット層を形成した。第2バット層の総坪量は200g/mとした。
なお、ポリアセタール短繊維の捲縮数としては、下記のものを使用して本発明のフェルトを適宜製造し、耐摩擦摩耗性の実験を行った。
(実施例1)
ポリアセタール短繊維の捲縮数が5山/5cmから10山/5cmの範囲で、平均捲縮数が8山/5cmの短繊維1を使用した。
この短繊維1を第1バット層30、第2バット層31に使用し、実施例1に係るフェルト試験片を得た。
(実施例2)
ポリアセタール短繊維の捲縮数が10山/5cmから20山/5cmの範囲で、平均捲縮数が15山/5cmの短繊維2を使用した。
この短繊維2を第1バット層30、第2バット層31に使用し、実施例2に係るフェルト試験片を得た。
(実施例3)
ポリアセタール短繊維の捲縮数が20山/5cmから40山/5cmの範囲で、平均捲縮数が30山/5cmの短繊維3を使用した。
この短繊維3を第1バット層30、第2バット層31に使用し、実施例3に係るフェルト試験片を得た。
(比較例)
ナイロン66短繊維の捲縮数が10山/5cmから20山/5cmの範囲で、平均捲縮数が15山/5cmの短繊維4を使用した。
この短繊維4からなる第1バット層30、第2バット層31で比較例に係るフェルト試験片を得た。
そして、これらのフェルト試験片に水溶性ポリウレタン樹脂を、フェルト全体に含浸するように塗布(フェルト重量に対して、樹脂の乾燥固形分で5重量%を付着させた)して、バット層内の短繊維間を固着強化したフェルト試験片を得た。
そして、これらの製紙用フェルトを使用し、以下の耐摩擦摩耗性の実験を行った。
(実験)
JIS L0849−2004に基づく摩擦試験機により、製紙用フェルトから脱落した繊維量を測ることにより、耐摩擦摩耗性試験を行った。
該試験機は、往復運動する試験片台上に矩形のフェルト試験片を載置し、該フェルト試験片上から耐水研磨紙(JIS R6253に規定するC−P320)を当接させて、摩擦摩耗する繊維の脱落量を測るものである。本試験においては該試験片台を1000回、往復運動させた後の、脱落繊維量を計測した。
なお、耐摩耗性試験の評価方法においては、脱落繊維量は50mg以下を「優秀」、50mgから100mgの範囲を「良好」、100mgから150mgの範囲を「普通」、150mg以上を「不良」とした。
実験の結果を、図2にて示す。これから明らかな通り、本発明に係る製紙用フェルトは、優れた耐摩擦磨耗性を発揮できることが確認される。
本発明の製紙用フェルトはポリアセタールが本来有する耐摩擦摩耗性を有効に利用し、かつ脱毛性の問題を解決することができるから、高速・高加圧・高温状態の製紙機械のプレスパートに設けられたプレス装置に使用することができる。
10:製紙用フェルト
20:基層
30:第1バット層
31:第2バット層
40:ポリアセタール短繊維

Claims (4)

  1. 製紙機械のプレスパートに設けられたプレス装置に配置される製紙用フェルトであって、基層と、前記基層の湿紙側に形成された第1バット層と、前記基層のロール側またはシュー側に形成された第2バット層とを備え、前記第1バット層および/または第2バット層がポリアセタール短繊維を含むことを特徴とする製紙用フェルト。
  2. 前記第1バット層および/または第2バット層が、前記ポリアセタール短繊維を10重量%〜100重量%含むことを特徴とする請求項1記載の製紙用フェルト。
  3. 前記ポリアセタール短繊維の捲縮数が10山/5cmから40山/5cmの範囲であることを特徴とする、請求項1から請求項2に記載の抄紙用フェルト。
  4. 前記ポリアセタール短繊維を含むバット層が樹脂で含浸されていることを特徴とする請求項1または2記載の製紙用フェルト。
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