JP2011029534A - 多層配線基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造コストの増加を伴うことなく、高密度に接続パッドが設けられた場合においても隣接する半田接合部の接触が抑制された多層配線基板を提供する。
【解決手段】第1のガラスセラミック絶縁層および第2のガラスセラミック絶縁層が積層されてなる絶縁基体10と、絶縁基体の主面に設けられた複数の接続パッド3と、絶縁基体10中に設けられ、接続パッド3と電気的に接続された貫通導体とを含む多層配線基板であって、絶縁基体の主面には複数の接続パッド3のそれぞれの周縁に沿って溝7が形成されており、断面視したときに接続パッド3の側面と溝7の内壁面71とが連続しているとともに、溝7の内壁面71が焼き肌面になっていることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体素子収納用パッケージ、混成集積回路装置等に好適に使用できる多層配線基板に関するものである。
従来より、ICやLSI等の半導体素子を搭載する半導体素子収納用パッケージや各種電子部品が搭載される混成集積回路装置等に適用される多層配線基板として、絶縁基体がアルミナ質焼結体からなるものが多く用いられてきた。
しかし、近年においては、低抵抗の配線層を具備する多層配線基板、具体的には1050℃程度で溶融するCu、Ag、Au等の低抵抗導体を主成分とする配線層を具備する多層配線基板が要求され、絶縁基体として1050℃以下の低温での焼結が可能なガラスセラミック焼結体が用いられるようになってきている。
ここで、ガラスセラミック焼結体を絶縁基体とする多層配線基板は、焼成により体積が40〜50%程度収縮し、多層配線基板の主面と平行な方向(X−Y方向)には1方向につき平均15〜20%程度収縮するようになっている。このとき、X−Y方向における収縮率は最大1%程度ばらついてしまい、この収縮率のばらつきが配線層の位置ばらつきにつながり、配線層の寸法精度を悪化させてしまっている。なお、ここでいう収縮率は、焼成前の寸法から焼成後の寸法を減じた値を焼成前の寸法で除した値で定義されるものである。
これに対し、多層配線基板の寸法精度を向上させる方法として、焼成収縮開始温度の異なる2種のガラスセラミックグリーンシートを積層して焼成することにより、X−Y方向の収縮を抑制し、主に積層方向(Z方向)に収縮させる方法が提案されている(特許文献1を参照。)。
この方法によれば、第1のガラスセラミックグリーンシートが焼成収縮を開始する際には、焼成収縮を開始していない第2のガラスセラミックグリーンシートにより第1のガラスセラミックグリーンシートが拘束され、第2のガラスセラミックグリーンシートが焼成収縮を開始する際には、すでに焼成収縮を終了(焼結)している第1のガラスセラミック絶縁層(第1のガラスセラミックグリーンシートの焼結後の状態)により拘束されるため、結果として焼成によるX−Y方向の収縮が抑制され、配線層の位置ばらつきが抑制される。
一方、多層配線基板(絶縁基体)の主面には、半導体素子などの表面実装部品を搭載する際に、表面実装部品の接続端子と半田接合部を介して電気的に接続される接続パッドが複数設けられている。
ここで、絶縁基体の主面に設けられた接続パッドと表面実装部品の接続端子とは半田リフローによって半田バンプを溶融させることによって接合されるが、接続端子および接続パッドが高密度に設けられるようになると、溶融した半田が拡がって隣接する半田接合部が接触するおそれがあるという問題がある。
この問題を解決する方法として、絶縁基体の主面に半田レジストを形成し、この半田レジストに溝を形成する方法が提案されている(特許文献2を参照。)。
特開2001−97767号公報 特開2004−47637号公報
しかしながら、上述のように溝を多層配線基板(絶縁基体)の主面に形成するには、そのための追加加工が必要になり、製造コストが増加してしまう。
本発明は、上述したような問題を解決するべく、製造コストの増加を伴うことなく、高密度に接続パッドが設けられた場合においても隣接する半田接合部の接触が抑制された多層配線基板を提供することを目的とする。
本発明は、第1のガラスセラミック絶縁層と、該第1のガラスセラミック絶縁層の焼成収縮終了温度よりも焼成収縮開始温度が高い第2のガラスセラミック絶縁層とが積層されてなる絶縁基体と、該絶縁基体の主面に設けられた複数の接続パッドと、前記絶縁基体中に設けられ、前記接続パッドと電気的に接続された貫通導体とを含む多層配線基板であって、前記絶縁基体の主面には前記複数の接続パッドのそれぞれの周縁に沿って溝が形成されており、断面視したときに前記接続パッドの側面と前記溝の内壁面とが連続しているとともに、該溝の内壁面が焼き肌面であることを特徴とするものである。
本発明によれば、絶縁基体の主面に複数の接続パッドのそれぞれの周縁に沿って溝が形成されており、断面視したときに前記接続パッドの側面と前記溝の内壁面とが連続しているとともに、該溝の内壁面が焼き肌面であることによって、半田接合(リフロー)時の半田の拡がりを抑制できる。したがって、高密度に接続パッドが設けられた場合においても隣接する半田接合部の接触が抑制された多層配線基板を実現することができる。
本発明の多層配線基板に表面実装部品を搭載した状態を示す概略断面図である。 図1に示す接続パッドおよび溝の説明図である。 図1に示す多層配線基板の一部拡大平面図である。
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明の多層配線基板は、図1に示すように、第1のガラスセラミック絶縁層1a、1b、1c、1dおよび第2のガラスセラミック絶縁層2a、2b、2c、2d、2eが積層されてなる絶縁基体10と、絶縁基体10の主面に設けられた複数の接続パッド3と、絶縁基体10中に設けられ、接続パッド3と電気的に接続された貫通導体4とを含んでいる。
第1のガラスセラミック絶縁層1a、1b、1c、1dおよび第2のガラスセラミック絶縁層2a、2b、2c、2d、2eはガラスセラミック焼結体で形成されていて、これにより、銅、銀、金等を主成分とする低融点の低抵抗導体からなる接続パッド3や貫通導体4との同時焼成により形成することが可能なものである。
第1のガラスセラミック絶縁層1a、1b、1c、1dおよび第2のガラスセラミック絶縁層2a、2b、2c、2d、2eは交互に積層されていて、図1では第1のガラスセラミック絶縁層1a、1b、1c、1dが4層、第2のガラスセラミック絶縁層2a、2b、2c、2d、2eが5層で、最上層および最下層に第2のガラスセラミック絶縁層2a、2eが配置された構成となっている。
そして、第1のガラスセラミック絶縁層1a、1b、1c、1dと第2のガラスセラミック絶縁層2a、2b、2c、2d、2eとは、焼成時の焼成収縮開始温度が異なっている。具体的には、第2のガラスセラミック絶縁層2a、2b、2c、2d、2eを形成するための第2のガラスセラミックグリーンシートの焼成収縮開始温度は、第1のガラスセラミック絶縁層1a、1b、1c、1dを形成するための第1のガラスセラミックグリーンシートの焼成収縮終了温度よりも高くなっていて、第1のガラスセラミックグリーンシートの焼成収縮終了後に第2のガラスセラミックグリーンシートが焼成収縮を開始するようになっている。
これにより、第1のガラスセラミックグリーンシートが焼成収縮を開始する際には、まだ焼成収縮を開始していない第2のガラスセラミックグリーンシートにより拘束され、第2のガラスセラミックグリーンシートが焼成収縮を開始する際には、すでに焼成収縮を終了している第1のガラスセラミック絶縁層により拘束されるため、結果として焼成によるX−Y方向の収縮が抑制される。
絶縁基体10の主面には、複数の接続パッド3が設けられている。この接続パッド3は、半導体素子などの表面実装部品の搭載部として機能するもので、銅、銀、金等を主成分とする低抵抗導体で形成されている。ここで、高密度に形成された場合、例えば接続パッド3の直径は、90〜250μm、特に90〜150μmに形成され、隣接する接続パッド3の間隔(端と端との間の距離)は、60〜250μm、特に60〜150μmに形成される。
また、絶縁基体10中には、第1のガラスセラミック絶縁層1a、1b、1c、1dおよび第2のガラスセラミック絶縁層2a、2b、2c、2d、2eをそれぞれ貫通する貫通導体4が設けられていて、接続パッド3と電気的に接続されている。貫通導体4も接続パッド3と同様に、銅、銀、金等を主成分とする低抵抗導体で形成されている。
なお、絶縁基体10の主面には接続パッド3の他に表面配線層5が設けられ、絶縁基体10の内部には内部配線層6が設けられている。これらは、インダクタ、キャパシタ等の回路素子または各回路素子を電気的に接続する配線として機能するもので、銅、銀、金等を主成分とする低抵抗導体で形成されている。
そして、図2および図3に示すように、絶縁基体10の主面には複数の接続パッド3のそれぞれの周縁に沿って溝7が形成されており、断面視したときに接続パッド3の側面と溝7の内壁面71とが連続しているとともに、溝7の内壁面71が焼き肌面となっている。
この溝7は、接続パッド3と最上層に配置された第2のガラスセラミック絶縁層2aとの焼成時のX−Y方向の収縮率の差を利用して形成されたものである。
前述の通り、第2のガラスセラミック絶縁層2aを形成するための第2のガラスセラミックグリーンシートは、焼成時に第1のガラスセラミック絶縁層1aに拘束されるため、焼成によるX−Y方向の収縮が抑制される。一方、接続パッド3を形成するために第2のガラスセラミックグリーンシート上に塗布される後述する接続パッド用導体ペーストにも拘束力は及ぶが、通常は第2のガラスセラミックグリーンシートよりもX−Y方向の収縮量が大きくなる。ここで、後述するように、接続パッド用導体ペーストにおける無機成分の充填率を通常よりも少なくすることで、さらに接続パッド用導体ペーストのX−Y方向の収縮量が増加し、接続パッド3とガラスセラミック絶縁層2aとのX−Y方向の収縮率の差がより大きくなる。
その結果、絶縁基体10(第2のガラスセラミック絶縁層2a)の主面には、複数の接続パッド3のそれぞれの周縁に沿って内側に引っ張られる応力が生じ、複数の接続パッド3のそれぞれの周縁に沿って溝7が形成され、断面視したときに接続パッド3の側面と溝7の内壁面71とが連続している。ここで、溝7の幅および深さは、半田の拡がりの抑制効果の点で20μm以上であるのが好ましい。幅および深さの上限値はおよそ40μm程度となる。
このように形成された溝7は、その内壁面71が焼き肌面となっていて、所望の幅および深さの溝が形成されたことによる半田を流れ難くする効果に加え、その表面状態により半田を流れ難くする効果も備えている。また、溝7の内壁面71が焼き肌面であることは焼成後にレーザ照射などの追加加工で形成されたものではないことを意味している。
焼成前のガラスセラミックグリーンシートにプレス等によって機械的に溝を形成した後に焼成するという方法では、金型の位置ずれまたは接続パッド用導体ペーストの印刷ずれにより、複数の接続パッド3のそれぞれの周縁に沿って、内壁面71が焼き肌面である溝7を形成することが困難である。すなわち、金型の位置ずれまたは接続パッド用導体ペーストの印刷ずれにより、溝7の内壁面71に接続パッド3の一部がかかってしまい、実装信頼性が低下してしまう。一方、溝7の内壁面71に接続パッド3の一部がかからないように複数の接続パッド3の周縁から距離をおいて溝を形成した場合には、断面視したときに接続パッド3の側面と溝7の内壁面71とが連続しておらず、また配線の高密度化には対応できなくなってしまう。
なお、本発明における絶縁基体10の主面には複数の接続パッド3のそれぞれの周縁に沿って溝7が形成され、断面視したときに接続パッド3の側面と溝7の内壁面71とが連続しているとは、溝7に接続パッド3の側面(端面)が入り込んでおらず、溝7の内壁面71が一周に亘って露出した状態となっていることを意味する。
本発明においては、第1のガラスセラミック絶縁層1a、1b、1c、1dと第2のガラスセラミック絶縁層2a、2b、2c、2d、2eとが交互に積層されるのではなく、第2のガラスセラミック絶縁層が2層や3層連続して積層されてもよい。また、第1のガラスセラミック絶縁層1a、1b、1c、1dおよび第2のガラスセラミック絶縁層2a、2b、2c、2d、2eの積層形態は、図1に示すものに限定されず、第1のガラスセラミック絶縁層と第2のガラスセラミック絶縁層とを入れ替えて第1のガラスセラミック絶縁層を最上層および最下層に配置してもよい。ただし、接続パッド3と最上層に配置されたガラスセラミック絶縁層との収縮率差の点からは、最上層に第2のガラスセラミック絶縁層が配置されるのが好ましい。
また、図1乃至図3においては、多層配線基板の上面に表面実装部品としての半導体素子8が搭載された状態を示していて、半導体素子8の接続端子81と接続パッド3とは、半田9によって接合されている。
次に、本発明の多層配線基板の製造方法について説明する。
第1のガラスセラミック絶縁層1a、1b、1c、1dを形成するための第1のガラスセラミックグリーンシートを用意するとともに、第2のガラスセラミック絶縁層2a、2b、2c、2d、2eを形成するための第2のガラスセラミックグリーンシートを用意する。
まず、それぞれのガラスセラミックグリーンシートを作製するための原料粉末として、ガラス粉末およびセラミックフィラー粉末を準備する。
第1のガラスセラミックグリーンシート用の原料粉末としては、SiをSiO換算で10〜30質量%、AlをAl換算で1〜9質量%、MgをMgO換算で5〜30質量%、BaをBaO換算で21〜35質量%、BをB換算で10〜30質量%、YO、CaO、SrO、ZnO、TiO、NaO、SnO、PO、ZrOおよびLiOの群から選ばれる少なくとも1種を0〜20質量%とからなる40〜90質量%のガラス粉末と、Al、SiO、MgTiO、CaZrO、CaTiO、BaTi、SrTiO、ZrO、TiO、AlNおよびSiの群から選ばれる少なくとも1種を含む10〜60質量%のセラミックフィラー粉末とから構成される材料が好ましく採用される。
ここで、上記のガラス粉末は、焼成処理によって結晶が析出するガラスであり、第2のガラスセラミックグリーンシートの焼成前に結晶が析出するガラスである。
ガラスセラミックスにおいては、ガラスから結晶が析出し始めると、ガラスセラミックスの焼結の駆動力となる液相量が減少するため、焼成収縮量が極端に少なくなる。第2のガラスセラミックグリーンシートが焼成収縮を開始する温度において、第1のガラスセラミックグリーンシートにおいてすでに結晶が析出していると、第2のガラスセラミックグリーンシートのX−Y方向の焼成収縮を抑制する効果が高くなる。
したがって、このガラス粉末を用いることにより、第1のガラスセラミックグリーンシートの焼成収縮開始温度を低温化させることができ、さらに第2のガラスセラミックグリーンシートが焼成収縮を開始する前にガラスから結晶が析出することによって、絶縁基体10のX−Y方向の焼成収縮を効果的に抑制することが可能となる。
一方、第2のガラスセラミックグリーンシート用の原料粉末としては、SiをSiO換算で20〜60質量%、AlをAl換算で10〜25質量%、MgをMgO換算で8〜35質量%、BaをBaO換算で10〜20質量%、B、YO、CaO、SrO、NaO、SnO、PO、ZrOおよびLiOの群から選ばれる少なくとも1種を0〜20質量%とからなる30〜100質量%のガラス粉末と、Al、SiO、MgTiO、CaZrO、CaTiO、BaTi、SrTiO、ZrO、TiO、AlNおよびSiの群から選ばれる少なくとも1種を含む0〜70質量%のセラミックフィラー粉末とから構成される材料が採用される。
なお、ガラス粉末としては、焼成処理によって、リチウムシリケート、クォーツ、クリストバライト、エンスタタイト、コ−ジェライト、ムライト、アノ−サイト、セルジアン、スピネル、ガ−ナイト、ウイレマイト、ドロマイト、ペタライト、ディオプサイドやその置換誘導体の結晶を析出するガラスであってもよく、焼成処理することによっても結晶を析出しない非晶質ガラスであってもよい。
上記の原料粉末を所定量秤量し、さらに有機バインダー、有機溶剤、および所望により可塑剤等を加えてスラリーを調製した後、ドクターブレード法、圧延法、プレス法等の周知の成形法によりシート状に成形して厚さ10〜500μmの第1のガラスセラミックグリーンシートおよび第2のガラスセラミックグリーンシートを作製する。
ここで、第1のガラスセラミックグリーンシートおよび第2のガラスセラミックグリーンシートを圧着するか、あるいは第1のガラスセラミックグリーンシートを成形した後その表面に直接第2のガラスセラミックグリーンシートを成形して(順序は入れ替わっても良い)ガラスセラミックグリーンシート複合体を作製しておいてもよい。
次に、第1のガラスセラミックグリーンシートおよび第2のガラスセラミックグリーンシートに、レーザやマイクロドリル、パンチングなどにより直径60〜200μmの貫通孔を形成する。
続いて、第1のガラスセラミックグリーンシートおよび第2のガラスセラミックグリーンシートに形成された貫通孔に充填する貫通導体用導体ペーストを作製する。
原料粉末として、金属粉末およびガラス粉末を準備する。
金属粉末としては、銅、銀、金が低抵抗という点で好ましい。また、金属粉末の焼結開始温度を調節する目的で、アルミナ、シリカ等の無機酸化物でコーティングされた金属粉末を使用してもよい。また、ガラス粉末は、焼結挙動の調整、ガラスセラミックグリーンシートとの接着強度の向上および貫通導体とガラスセラミック絶縁層との熱膨張差の低減の目的で添加され、ホウケイ酸系ガラス、ホウケイ酸亜鉛系ガラス、およびホウケイ酸鉛系ガラス等を例示できるが、特に800〜1100℃での金属粉末との同時焼成性に優れ、ガラスセラミックグリーンシートとの接着強度を向上させることができるという点で、SiO−Al−BaO−CaO−B系ガラスが好ましい。
これ以外にも、アルミナ、シリカ等のフィラー成分、樹脂ビーズ等の有機成分を添加することにより、焼結挙動を調整することも可能である。
そして、上記の金属粉末およびガラス粉末、有機バインダー、有機溶剤、所望により分散剤を混合して貫通導体用導体ペーストを作製し、スクリーン印刷等により貫通孔に貫通導体用導体ペーストを充填する。なお、貫通導体用導体ペーストの粘度としては、貫通孔への充填性を考慮して、100〜350Pa・sであることが好ましい。
次に、内部配線層用導体ペーストを作製する。原料粉末としては、金属粉末のみでもよく、焼結挙動の調整やガラスセラミックグリーンシートとの接着強度の向上のために、ガラス粉末やフィラー成分等を添加してもよい。また、金属粉末の粒径は5μm以下であることが好ましい。また、内部配線層用導体ペーストの粘度としては、印刷性、レベリング性、および薄く塗布するという観点から、60〜100Pa・sが好ましい。なお、作製法は貫通導体用導体ペーストと同様である。
そして、内部配線層用導体ペーストを第1のガラスセラミックグリーンシートおよび第2のガラスセラミックグリーンシートの表面に、スクリーン印刷等により塗布し、配線パターンを形成する。
次に、接続パッド用導体ペーストを作製する。作製法は内部配線層用導体ペーストと同様である。
ただし、接続パッド用導体ペーストにおいては、無機成分の充填率を小さくすることが重要である。ここで、接続パッド用導体ペースト中の無機成分の充填率とは、接続パッド用導体ペーストに含有される金属粉末、ガラス粉末、無機フィラー等の無機成分と、有機バインダー、有機溶剤および分散剤等の有機成分とを含めた接続パッド用導体ペースト全体積中に占める、無機成分の体積の割合のことを指している。無機成分の充填率を小さくする方法としては、接続パッド用導体ペースト中の金属粉末、ガラス粉末およびフィラー成分等の粒径を小さくする方法、接続パッド用導体ペースト中の有機バインダー、有機溶剤および分散剤等の有機成分の量を多くする方法、樹脂ビーズ等の固形有機成分を添加する方法等が挙げられる。そして、接続パッド用導体ペースト中の無機成分の充填率としては、50%以下である必要があり、特に45%以下であることが好ましい。接続パッド用導体ペーストの粘度としては、印刷性、レベリング性、および薄く塗布するという観点から、10〜50Pa・sであることが好ましい。
なお、充填率は、ピクノメーターに接続パッド用導体ペーストを充填して接続パッド用導体ペーストの質量を測定した後、ピクノメーターに蒸留水を入れて容積を求め、金属粉末の密度10.49g/cmとし、有機成分の密度を1g/cmとして、無機成分の体積割合を算出したものである。
そして、接続パッド用導体ペーストを、積層した際に最上層に配置される第2のガラスセラミックグリーンシートの表面に、スクリーン印刷等により塗布し、配線パターンを形成する。
なお、表面配線層用導体ペーストは、内部配線層用導体ペーストと同じものであってもよく、接続パッド用導体ペーストと同じものであってもよいが、製造コストの点からは、接続パッド用導体ペーストと同じものであり、接続パッド用導体ペーストの印刷と同時に印刷するのが好ましい。
このようにして得られた各ガラスセラミックグリーンシートまたはガラスセラミックグリーンシート複合体を所定の積層順序に応じて積層してガラスセラミックグリーンシート積層体を作製する。
ガラスセラミックグリーンシートの積層には、積み重ねられたガラスセラミックグリーンシートに熱と圧力を加えて熱圧着する方法、有機バインダー、可塑剤、有機溶剤等からなる接着剤をシート間に塗布して熱圧着する方法等が採用可能である。
次に、800〜1000℃、特に850〜950℃でガラスセラミックグリーンシート積層体を焼成する。なお、焼成に先立って、所望によりガラスセラミックグリーンシート積層体を100〜800℃、特に400〜750℃で加熱処理して、有機成分を分解除去することもできる。このとき、各導体ペースト中の金属粉末として銅を用いる場合は、酸化を防止するという観点から、窒素雰囲気中で焼成するのが好ましい。
また、焼成にあたっては、第1のガラスセラミック絶縁層の焼成収縮開始温度に到達後、徐々に最高温度まで昇温してもよく、第1のガラスセラミックグリーンシートの焼成収縮終了温度より高く、第2のガラスセラミックグリーンシートの焼成収縮開始温度よりも低い温度で一旦保持してから、最高温度まで昇温してもよい。
このようにして作製された多層配線基板は、第1のガラスセラミック絶縁層および第2のガラスセラミック絶縁層の互いのX−Y方向の焼成収縮を抑制した寸法精度に優れたものとなり、溝を形成するための追加加工を必要とせず、製造コストを抑えて得られた隣接する半田接合部の接触が抑制されたものとなる。
本発明の多層配線基板について、評価基板を以下のようにして作製した。
まず、第1のガラスセラミックグリーンシートを作製した。具体的には、SiO2が23.8質量%、Bが17.9質量%、Al23が8.4質量%、MgOが15.4質量%、BaOが26.5質量%、SnOが1.0質量%、CaOが4.9質量%、SrOが0.4質量%、ZrOが1.7質量%を含むガラス粉末60質量%と、Al23粉末40質量%とからなる原料粉末を用意した。そして、この原料粉末に、有機バインダーとしてアクリル樹脂、可塑剤としてジオクチルフタレート、溶媒としてトルエンを加えて調製したスラリーを用いて、ドクターブレード法により成形し、200mmSQ、厚さ84μmの第1のガラスセラミックグリーンシートを作製した。
続いて、第2のガラスセラミックグリーンシートを作製した。具体的には、SiO2が43.3質量%、Bが7.5質量%、Al23が12.9質量%、MgOが18.0質量%、CaOが1.7質量%、BaOが14.1質量%、Y23が1.0重量%、SrOが0.5質量%、ZrOが1.0質量%を含むガラス粉末60質量%と、Al23粉末40質量%とからなる原料粉末を用意した。そして、この原料粉末に、有機バインダーとしてアクリル樹脂、可塑剤としてジオクチルフタレート、溶媒としてトルエンを加えて調製したスラリーを用いて、ドクターブレード法により成形し、200mmSQ、厚さ84μmの第2のガラスセラミックグリーンシートを作製した。
次に、得られた第1のガラスセラミックグリーンシートおよび第2のガラスセラミックグリーンシートに、パンチングにより直径100μmの貫通孔を設け、この貫通孔に貫通導体用導体ペーストをスクリーン印刷法により充填した。なお、貫通導体用導体ペーストは、平均粒径5μmの銀粉末100質量部に対して、SiO−Al−BaO−CaO−B系ガラスを10質量部添加し、また有機バインダーとしてアクリル樹脂を、溶媒としてテルピネオールとジブチルフタレートの混合溶液(質量比で80:20)を添加、混練して得られたものである。
続いて、内部配線層用導体ペーストを作製した。具体的には、平均粒径2.5μmの銀粉末100質量部に対して、SiO−Al−BaO−CaO−B系ガラスを0.5質量部添加し、また有機バインダーとしてアクリル樹脂を2.6質量部、溶媒としてテルピネオールとジブチルフタレートの混合溶液(質量比で80:20)を5.3質量部添加し、混練した。
続いて、接続パッド用導体ペーストおよび表面配線層用導体ペーストを作製した。具体的には、平均粒径2.5μmの銀粉末を用意し、銀粉末に対して有機バインダーとしてアクリル樹脂を、溶媒としてテルピネオールとジブチルフタレートの混合溶液(重量比で80:20)を表1に示す割合で添加し、またはさらにアクリルの樹脂ビーズを添加し、混練した。なお、表1に示す充填率は、ピクノメーターに接続パッド用導体ペーストを充填して接続パッド用導体ペーストの質量を測定した後、ピクノメーターに蒸留水を入れて容積を求め、金属粉末の密度10.49g/cmとし、有機成分の密度を1g/cmとして、無機成分の体積割合を算出した。
次に、第2のガラスセラミックグリーンシートのうちの後述するガラスセラミックグリーンシート積層体を作製した際に最上層に配置される第2のガラスセラミックグリーンシートに、接続パッド用導体ペーストを焼成後に直径100μm、隣接する接続パッド3の間隔(端と端との間の距離)が100μmとなるようなパターンでスクリーン印刷法により印刷した。また、内部配線層用導体ペーストおよび表面配線層用導体ペーストは、半導体素子を半田接合にて実装したときの隣接する接続パッド間でショート発生の有無が判断できるよう、パターニングした。
このようにして作製した第1のガラスセラミックグリーンシート4枚および第2のガラスセラミックグリーンシート5枚を用意し、接続パッド用導体ペーストの塗布された第2のガラスセラミックグリーンシートが最上層になるよう、第1のガラスセラミックグリーンシートと第2のガラスセラミックグリーンシートとを交互に配置し、各ガラスセラミックグリーンシート間に接着剤を均一に塗布し、45℃、4MPaの条件で加圧積層を行って、ガラスセラミックグリーンシート積層体を作製した。
続いて、ガラスセラミックグリーンシート積層体を30mm×30mmのサイズに切断し、得られたガラスセラミックグリーンシート積層体をAlの台板上に載置して、大気中、400℃で加熱処理して有機バインダー等の有機成分を分解除去した後、910℃で1時間焼成を行った。
次に、得られた基板の接続パッドにNi−Auめっきを施し、評価基板を作製した。
その後、接続パッドに低融点半田(Sn:Pb重量比=63:37)を塗布した。
次に、Siからなり、下面に半田バンプからなる接続端子が形成された5mm×5mmのサイズのフリップチップ型の半導体素子を準備し、直径120μmの半田ボール(Sn:Pb=10:90)を用いて、評価基板の接続パッドに搭載し、その後220℃に加熱することにより半導体素子を評価基板に実装した。
そして、得られた評価基板について、半田拡がりの有無を評価した。具体的には、カスタム社製デジタルマルチメーター、CDM−2000Dを用いて、各接続パッドから引き回した評価パッド(表面配線層)にプローブをあて、ショートの有無を測定した。ショートがない場合は良とし、ショートが発生していた場合は不良とした。
また、評価基板を切断して断面を研磨し、走査型電子顕微鏡SEM(Scanning Electron Microscope)の2000倍の画像にて断面を観察し、接続パッドの周縁に沿って形成された溝の幅と深さを測定した。
これらの結果を表1に示す。
本発明の試料No.2、3および4は、接続パッド用導体ペーストの充填率が低く、接続パッドの周縁に沿って溝が形成されていることから、半田の拡がりがなく、ショートが発生しないことが確認できた。
これに対し、本発明範囲外の試料No.1は、接続パッド用導体ペーストの充填率が高く、接続パッドの周縁に沿って溝が形成されず、半田が拡がってショートが確認された。
なお、試料No.5は、評価基板作製後(焼成後)にYAGレーザを用いて接続パッド周辺に溝を形成したものであり、半田の拡がりがなく、ショートは発生しなかったが、追加加工が必要となり、追加コストがかかった。
10・・・絶縁基体
1a、1b、1c、1d・・・第1のガラスセラミック絶縁層
2a、2b、2c、2d、2e・・・第2のガラスセラミック絶縁層
3・・・接続パッド
4・・・貫通導体
5・・・表面配線層
6・・・内部配線層
7・・・溝
71・・・内壁面
8・・・半導体素子
81・・・接続パッド
9・・・半田

Claims (1)

  1. 第1のガラスセラミック絶縁層と、該第1のガラスセラミック絶縁層の焼成収縮終了温度よりも焼成収縮開始温度が高い第2のガラスセラミック絶縁層とが積層されてなる絶縁基体と、該絶縁基体の主面に設けられた複数の接続パッドと、前記絶縁基体中に設けられ、前記接続パッドと電気的に接続された貫通導体とを含む多層配線基板であって、
    前記絶縁基体の主面には前記複数の接続パッドのそれぞれの周縁に沿って溝が形成されており、断面視したときに前記接続パッドの側面と前記溝の内壁面とが連続しているとともに、該溝の内壁面が焼き肌面であることを特徴とする多層配線基板。
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