JP2011029172A - 有機el装置及びその設計方法 - Google Patents

有機el装置及びその設計方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011029172A
JP2011029172A JP2010147753A JP2010147753A JP2011029172A JP 2011029172 A JP2011029172 A JP 2011029172A JP 2010147753 A JP2010147753 A JP 2010147753A JP 2010147753 A JP2010147753 A JP 2010147753A JP 2011029172 A JP2011029172 A JP 2011029172A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic
light extraction
lens
light
ratio
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010147753A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichiro Sonoda
慎一郎 園田
Toshiaki Takahashi
俊朗 高橋
Manabu Hise
学 飛世
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2010147753A priority Critical patent/JP2011029172A/ja
Publication of JP2011029172A publication Critical patent/JP2011029172A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/80Constructional details
    • H10K59/875Arrangements for extracting light from the devices
    • H10K59/876Arrangements for extracting light from the devices comprising a resonant cavity structure, e.g. Bragg reflector pair
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/80Constructional details
    • H10K50/85Arrangements for extracting light from the devices
    • H10K50/858Arrangements for extracting light from the devices comprising refractive means, e.g. lenses
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/80Constructional details
    • H10K50/85Arrangements for extracting light from the devices
    • H10K50/852Arrangements for extracting light from the devices comprising a resonant cavity structure, e.g. Bragg reflector pair
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/80Constructional details
    • H10K59/875Arrangements for extracting light from the devices
    • H10K59/879Arrangements for extracting light from the devices comprising refractive means, e.g. lenses

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

【課題】光取出し効率が高く、かつ画像のにじみが少ない有機EL装置及び有機EL装置の設計方法の提供。
【解決手段】陽極と陰極の間に少なくとも発光層を含む有機EL表示部と、光取り出し面に設けられ前記発光層から発光される光の光路を制御するレンズと、を少なくとも有し、前記レンズを前記光取り出し面に設けたときの正面輝度での光取り出し効率Aと、前記レンズを前記光取り出し面に設けないときの正面輝度での光取り出し効率Bとの比(A/B)が1を超え、かつ前記発光層の1辺の最大長さaと、前記レンズの有効直径φとの比(φ/a)が1.0以上である有機EL装置とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、光取出し効率が高く、かつ画像のにじみが少ない有機EL装置及び有機EL装置の設計方法に関する。
有機EL装置(有機電界発光装置)は自発光型の表示装置であり、ディスプレイや照明の用途に用いられる。有機ELディスプレイは、従来のCRTやLCDと比較して視認性が高い、視野角依存性がないといった表示性能の利点を有する。また、ディスプレイを軽量化、薄層化できるといった利点もある。また、有機EL照明は、軽量化、薄層化という利点に加え、フレキシブル基板を用いることで、これまで実現できなかった形状の照明を実現できる可能性を持っている。
このように有機EL装置は、優れた特徴を有するが、一般に、発光層を含め表示装置を構成する各層の屈折率は空気より高い。例えば、有機EL装置では、発光層などの有機薄膜層の屈折率は1.6〜2.1である。このため、発光した光は界面で全反射しやすく、その光取出し効率は20%に満たず、大部分の光を損失している。
例えば、一般的に知られる有機EL装置における有機EL表示部は、基板上に、一対の電極層の間に配される有機化合物層を備えて構成されている。該有機化合物層は、発光層を含み、有機EL装置は、該発光層から発光される光を光取出し面側から出射させている。この場合、光取出し面や電極層と有機化合物層の界面において、臨界角以上の光である全反射成分を取出すことができないため、光の取出し効率が低いという問題がある。
このようなことから、光取出し効率を向上させるため、発光層から発光される光の光路を制御し、該発光層から発光される光を光取出し面側から出射させるレンズ等の光取り出し部材を、光路上に配する有機EL装置が種々提案されている。
例えば特許文献1には、基板上に形成された反射層と、前記反射層上に形成された陽極と、前記陽極上に形成された有機ELからなる発光層と、光を透過する厚みの金属薄膜で形成され、一面を前記発光層に被着し他面に半透明反射層が形成された陰極とを有し、前記反射層と半透明反射層で微小光共振器(マイクロキャビティ)を構成し、前記半透明反射層の外側にマイクロレンズを形成した有機ELヘッドが提案されている。
この提案は、有機ELヘッドを画像形成装置の書き込み手段として用いるものである。
また、特許文献2には、電極間に発光素子が配置され、前記電極間に印加される電圧により前記発光素子が発光する発光層と、前記発光素子からの光が出力される射出方向の前記電極の上の少なくとも発光素子の1辺の長さ以内の位置に、少なくとも1つのマイクロレンズが形成されたレンズ層とを有し、前記マイクロレンズの径が、前記発光素子の径よりも大きい表示体が提案されている。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、後述するように、有機EL装置は、その素子設計により配光分布(光の角度分布)が大きく変化すること、その配光分布によって光取り出しに適した光取り出し部材であるレンズの構造が変わることを知見した。
しかしながら、従来技術においては、このことが全く考慮されておらず、そのため、光取り出し効率の最適化が図れていなかった。即ち、有機EL表示部の構造に応じて、該有機EL表示部と組み合わせる最適なレンズの直径は異なり、有機EL表示部の構造とレンズとの組み合わせを適正化する設計が行われておらず、その結果、十分な光取り出し効率が得られなかったり、また、レンズと発光層の間に光が導波した場合に、画像ボケが生じてしまうという問題があった。
特開2003−272873号公報 特開2004−227940号公報
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、画像ボケがなく、高い光取り出し効率を有し、低消費電力を図れる有機EL装置、及び該有機EL装置の設計方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 陽極と陰極の間に少なくとも発光層を含む有機EL表示部と、前記発光層から発光される光の光路を制御するレンズと、を少なくとも有し、
前記レンズを光取り出し面に設けたときの正面輝度での光取り出し効率Aと、前記レンズを光取り出し面に設けないときの正面輝度での光取り出し効率Bとの比(A/B)が1を超え、かつ前記発光層の1辺の最大長さaと、前記レンズの有効直径φとの比(φ/a)が1.0以上であることを特徴とする有機EL装置である。
<2> 有機EL表示部が、光学長L(λ)が1λ(ただし、λは発光波長を表す)である1次のマイクロキャビティ構造を有し、
レンズを光取り出し面に設けたときの正面輝度での光取り出し効率Aと、レンズを光取り出し面に設けないときの正面輝度での光取り出し効率Bとの比(A/B)が1を超え、かつ前記発光層の1辺の最大長さaと、前記レンズの有効直径φとの比(φ/a)が1.2以上である前記<1>に記載の有機EL装置である。
<3> 有機EL表示部が、光学長L(λ)が2λ(ただし、λは発光波長を表す)である2次のマイクロキャビティ構造を有し、
レンズを光取り出し面に設けたときの正面輝度での光取り出し効率Aと、レンズを光取り出し面に設けないときの正面輝度での光取り出し効率Bとの比(A/B)が1を超え、かつ前記発光層の1辺の最大長さaと、前記レンズの有効直径φとの比(φ/a)が1.4以上である前記<1>に記載の有機EL装置である。
<4> 有機EL表示部が、光学長L(λ)が3λ(ただし、λは発光波長を表す)である3次のマイクロキャビティ構造を有し、
レンズを光取り出し面に設けたときの正面輝度での光取り出し効率Aと、レンズを光取り出し面に設けないときの正面輝度での光取り出し効率Bとの比(A/B)が1を超え、かつ前記発光層の1辺の最大長さaとし、前記レンズの有効直径をφとすると、光取り出し効率の正面輝度における比(φ/a)が1.5以上である前記<1>に記載の有機EL装置である。
<5> 有機EL表示部の陽極が、発光層からみた反射率が10%以下の透明電極であり、
レンズを光取り出し面に設けたときの正面輝度での光取り出し効率Aと、レンズを光取り出し面に設けないときの正面輝度での光取り出し効率Bとの比(A/B)が1を超え、かつ前記発光層の1辺の最大長さaと、前記レンズの有効直径φとの比(φ/a)が1.0以上である前記<1>に記載の有機EL装置である。
<6> 比(φ/a)が2.5以上である前記<1>から<5>のいずれかに記載の有機EL装置である。
<7> 比(φ/a)が4.47以下である前記<1>から<6>のいずれかに記載の有機EL装置である。
<8> 発光層とレンズとの距離dと、レンズの有効直径φとの比(d/φ)が0.1以下である前記<1>から<7>のいずれかに記載の有機EL装置である。
<9> 陽極と陰極の間に少なくとも発光層を含む有機EL表示部と、前記発光層から発光される光の光路を制御するレンズと、を少なくとも有する有機EL装置の設計方法であって、
前記レンズを光取り出し面に設けたときの正面輝度での光取り出し効率Aと、前記レンズを光取り出し面に設けないときの正面輝度での光取り出し効率Bとの比(A/B)が1を超え、かつ前記発光層の1辺の最大長さaと、前記レンズの有効直径φとの比(φ/a)が1.0以上を満たすように設計することを特徴とする有機EL装置の設計方法である。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、画像ボケがなく、高い光取り出し効率を有し、低消費電力である有機EL装置、及び該有機EL装置の設計方法を提供することができる。
図1は、開口率と比(φ/a)の関係を説明するための図である。 図2は、本発明の有機EL装置の一例を示す概略断面図である。 図3は、本発明の有機EL装置の他の一例を示す概略断面図である。 図4は、有機EL素子の配光分布の一例を示す図である。 図5は、有機EL素子の配光分布の一例を示す図である。 図6は、有機EL素子の配光分布の一例を示す図である。 図7は、有機EL素子の配光分布の一例を示す図である。 図8は、発光部分がレンズの中心に配置している場合の光の放射状態を示す図である。 図9は、発光部分がレンズの中心から外れて配置している場合の光の放射状態を示す図である。 図10は、実施例1の光取り出し効率の評価実験に用いた有機EL装置の概略図である。 図11は、実施例1の光取り出し効率の評価実験に用いた有機EL装置の上面図である。 図12は、実施例1の正面輝度での光取り出し効率とレンズの有効直径の関係を示すグラフである。 図13は、実施例1の積分強度での光取り出し効率とレンズの有効直径の関係を示すグラフである。 図14は、実施例2の光取り出し効率の評価実験に用いた有機EL装置の概略図である。 図15は、実施例2の光取り出し効率の評価実験に用いた有機EL装置の概略図である。 図16は、実施例2の正面輝度での光取り出し効率とレンズの有効直径の関係を示すグラフである。 図17は、実施例2の積分強度での光取り出し効率とレンズの有効直径の関係を示すグラフである。 図18は、RGB3画素にレンズを配置した状態を示す図である。 図19は、RGB3画素にレンズを配置した状態を示す図である。 図20は、画素が長方形の場合の1辺の最大長さaの求め方を示す図である。 図21は、正方形状の画素にレンズを配置した状態を示す図である。 図22は、長方形状の画素にレンズを配置した状態を示す図である。 図23は、円形状の画素にレンズを配置した状態を示す図である。 図24は、三角形状の画素にレンズを配置した状態を示す図である。
(有機EL装置及び有機EL装置の設計方法)
本発明の有機EL装置は、有機EL表示部と、光取り出し面に設けられるレンズとを少なくとも有し、基板、バリア層、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
本発明の有機EL装置の設計方法は、本発明の前記有機EL装置を設計する方法であって、
前記レンズを光取り出し面に設けたときの正面輝度での光取り出し効率Aと、前記レンズを光取り出し面に設けないときの正面輝度での光取り出し効率Bとの比(A/B)が1を超え、かつ前記発光層の1辺の最大長さaと、前記レンズの有効直径φとの比(φ/a)が1.0以上を満たすように設計するものである。
以下、本発明の有機EL装置及び有機EL装置の設計方法について詳細に説明する。
本発明においては、第1に、前記レンズを光取り出し面に設けたときの正面輝度での光取り出し効率Aと、前記レンズを光取り出し面に設けないときの正面輝度での光取り出し効率Bとの比(A/B)が1を超えることを特徴とする。
前記比(A/B)が1を超えるとは、レンズを光取り出し面に取り付けたときの正面輝度での光取り出し効率Aが、レンズを光取り出し面に取り付けないときの正面輝度での光取出し効率Bよりも高いことを意味し、レンズを光取り出し面に取り付けたことにより、正面輝度での光取り出し効率が向上し、正面から見たときの明るさが向上する。
ここで、光取り出し効率について積分強度ではなく正面輝度を採用したのは、有機ELディスプレイへの適用を考慮すると、消費電力の定義として一定の正面輝度が得られる電力が定義されるため消費電力の指標という観点から、積分強度よりも正面輝度が重要となるからである。
前記比(A/B)は、1を超えていれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.5以上が好ましく、2.0以上がより好ましい。前記比(A/B)が1以下であると、光取り出し部材としてのレンズを設けたことの効果がなく、本発明の目的を達成することができないことがある。
ここで、前記正面輝度での光取り出し効率は、例えば分光放射輝度計(トプコン社製、SR−3)などにより測定することができる。
本発明においては、第2に、正面輝度での光取り出し効率において、前記発光層の1辺の最大長さaと、前記レンズの有効直径φとの比(φ/a)が1.0以上である。
前記正面輝度での光取り出し効率において、前記比(φ/a)が1.0以上であるとは、レンズの有効直径φが発光層の1辺の最大長さa以上であり、レンズの大きさ(面積)が発光層の大きさ(面積)以上であることを意味する。
ここで、前記発光層の1辺の最大長さは、発光層の形状などに応じて異なり適宜選択することができ、例えば1辺の長さが等しい場合(例えば正方形)にはいずれの1辺であってもよいが、1辺の長さが異なる場合(例えば長方形)には最も長い辺を採用する。
前記レンズの有効直径とは、レンズとして有効に機能する部分の直径を意味し、レンズ全体がレンズとして有効に機能する場合には、レンズ直径と同意である。
前記正面輝度での光取り出し効率において、前記発光層の1辺の最大長さaと、前記レンズの有効直径φとの比(φ/a)が1.0以上であり、1.2以上が好ましく、レンズの有効直径の増加による光取出し効率の向上効果がほぼ収束することから2.5以上がより好ましい。
前記比(φ/a)が、1.0未満であると、レンズのない面積が多くなるため、取り出し効率が上がらない。
レンズの有効直径φが、発光層の1辺の最大長さaよりも大きすぎると、有機ELディスプレイとしたときの開口率が低下してしまうので、図1に示すように、公知の一般的な有機ELディスプレイの開口率(B/A)が約5%であり、該開口率が5%でガラス基板上に正方格子状にレンズを配置した場合の前記比(φ/a)が4.47であることから、上限値は4.47以下であることが好ましい。前記比(φ/a)が4.47を超えると、最低必要な明るさを確保できなくなることがある。
−積分強度での光取り出し効率−
本発明においては、前記比(A/B)が1を超え、かつ前記正面輝度での光取り出し効率において、前記比(φ/a)が1.0以上であることを満たした上で、更に、レンズを光取り出し面に取り付けたときの積分強度での光取り出し効率Cと、レンズを光取り出し面に取り付けないときの積分強度での光取り出し効率Dとの比(C/D)が1を超え、かつ前記積分強度での光取り出し効率において、前記発光層の1辺の最大長さaと、レンズの有効直径φとの比(φ/a)1.5以上であることが好ましく、2.0以上がより好ましい。前記比(φ/a)の上限値は、4.47以下であることが好ましい。
前記比(C/D)が1を超えるとは、レンズを取り付けたことにより積分強度での光取り出し効率が向上したことを意味する。正面輝度での光取り出し効率が高くても積分強度での光取り出し効率が低ければ斜め方向から見たときの明るさが十分でないことがある。
ここで、前記積分強度での光取り出し効率は、例えばレンズを取り付けた場合の光強度とレンズを取り付けない場合の光強度を積分球により測定し、比較することにより求めることができる。
前記正面輝度及び積分強度での光取り出し効率についての比(φ/a)は、有機EL表示部(有機EL素子)の構造、レンズの有効直径などに応じて異なり、本発明においては、有機EL表示部の構造に合ったレンズを組み合わせることで、光取り出し効率の最適化を図ることができる。
ここで、前記有機EL表示部の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば(1)有機EL表示部における光出射側の電極(陽極)の反射率、(2)マイクロキャビティ構造の光学長、(3)ボトムエミッション型又はトップエミッション型、などが挙げられる。
前記(1)の有機EL表示部の光出射側の電極(陽極)としては、ボトムエミッション型では、発光層からみた反射率が10%以下である透明電極(例えばITO)、又は発光層からみた反射率が10%を超える半透過電極(例えばAg電極)を用いることができる。前記陽極として透明電極を用いると、光の反射が弱いので、マイクロキャビティ構造を形成できない。前記陽極として半透過電極を用いると、マイクロキャビティ構造を形成できる。
トップエミッション型では、光出射側の電極(陽極)として、発光層からみた反射率が10%を超える半透過電極を用い、マイクロキャビティ構造を形成する。
前記(2)のマイクロキャビティ構造の光学長は、有機EL表示部を構成する陽極と陰極の間の有機化合物層の厚みを変えることにより適宜調整することができる。ここで、前記有機化合物層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばホール輸送層、ホール注入層、発光層、電子輸送層、電子注入層、などが挙げられる。
ここで、前記マクロキャビティ構造とは、光出射側の半透過反射層と光出射と逆側の反射層とが干渉する構造を意味する。
前記マイクロキャビティ構造の光学長(光学距離)Lは、L=2×Σn(ただし、iは積層数で1〜iまでの整数を表す)及び反射による位相シフトで表され、陽極と陰極の間に形成される各層の厚みdとその層の屈折率nの積の和で表される。
前記光学長Lは、発光波長λに対し、光学長L(λ)=mλ(m=1:1次、m=2:2次、m=3:3次)に示す関係があり、光学長L(λ)は、下記数式で表される。
ただし、式中、L(λ)は光学長〔=2Σnjj+ΣABS(φmiλ/2π)〕、λは、発光波長、iは、金属反射層を示すサフィックス、jは、金属反射層以外の金属層間の層(有機層や誘電体層等)を示すサフィックスを表す。
前記マイクロキャビティ構造が1次であるとは、光学長L(λ)が1λ(ただし、λは発光波長を表す)であり、金属反射層間をラウンドトリップする光が強めあう条件となる最小の光学長であることを意味する。
前記マイクロキャビティ構造が2次であるとは、光学長L(λ)が2λ(ただし、λは発光波長を表す)であり、金属反射層間をラウンドトリップする光が強めあう条件となる最小の光学長から2番目に短い光学長であることを意味する。
前記マイクロキャビティ構造が3次であるとは、光学長L(λ)が3λ(ただし、λは発光波長を表す)であり、金属反射層間をラウンドトリップする光が強めあう条件となる最小の光学長から3番目に短い光学長であることを意味する。
<第1の実施形態>
前記第1の実施形態では、有機EL表示部は、光学長L(λ)が1λ(ただし、λは発光波長を表す)である1次のマイクロキャビティ構造を有し、ボトムエミッション型及びトップエミッション型のいずれであってもよい。
この第1の実施形態では、レンズを光取り出し面に設けたときの正面輝度での光取り出し効率Aと、レンズを光取り出し面に設けたときの正面輝度での光取り出し効率Bとの比(A/B)が1を超え、かつ発光層の1辺の最大長さaと、レンズの有効直径φとの比(φ/a)が1.2以上であることが好ましく、1.6以上がより好ましく、2.5以上が更に好ましい。なお、上限値は、4.47以下であることが好ましい。
また、レンズを光取り出し面に設けたときの積分強度での光取り出し効率Cと、レンズを光取り出し面に設けないときの積分強度での光取り出し効率Dとの比(C/D)が1を超え、かつ前記積分強度での光取り出し効率において、発光層の1辺の最大長さaと、レンズの有効直径φとの比(φ/a)が1.6以上であることが好ましく、2.0以上が更に好ましい。なお、上限値は、4.47以下であることが好ましい。
<第2の実施形態>
前記第2の実施形態では、有機EL表示部は、光学長L(λ)が2λ(ただし、λは発光波長を表す)である2次のマイクロキャビティ構造を有し、ボトムエミッション型及びトップエミッション型のいずれであってもよい。
この第2の実施形態では、レンズを光取り出し面に設けたときの正面輝度での光取り出し効率Aと、レンズを光取り出し面に設けないときの正面輝度での光取り出し効率Bとの比(A/B)が1を超え、かつ発光層の1辺の最大長さaと、レンズの有効直径φとの比(φ/a)が1.4以上であることが好ましく、1.8以上がより好ましく、2.5以上が更に好ましい。なお、上限値は、4.47以下であることが好ましい。
また、レンズを光取り出し面に設けたときの積分強度での光取り出し効率Cと、レンズを光取り出し面に設けないときの積分強度での光取り出し効率Dとの比(C/D)が1を超え、かつ前記積分強度での光取り出し効率において、発光層の1辺の最大長さaと、レンズの有効直径φとの比(φ/a)が1.2以上であることが好ましく、1.6以上がより好ましく、2.0以上が更に好ましい。なお、上限値は、4.47以下であることが好ましい。
<第3の実施形態>
前記第3の実施形態では、有機EL表示部は、光学長L(λ)が3λ(ただし、λは発光波長を表す)である3次のマイクロキャビティ構造を有し、ボトムエミッション型及びトップエミッション型のいずれであってもよい。
この第3の実施形態では、レンズを光取り出し面に設けたときの正面輝度での光取り出し効率Aと、レンズを光取り出し面に設けないときの正面輝度での光取り出し効率Bとの比(A/B)が1を超え、かつ発光層の1辺の最大長さaと、レンズの有効直径φとの比(φ/a)が1.5以上であることが好ましく、2.0以上がより好ましく、2.5以上が更に好ましい。なお、上限値は、4.47以下であることが好ましい。
また、レンズを光取り出し面に設けたときの積分強度での光取り出し効率Cと、レンズを光取り出し面に設けないときの積分強度での光取り出し効率Dとの比(C/D)が1を超え、かつ前記積分強度での光取り出し効率において、発光層の1辺の最大長さaと、レンズの有効直径φとの比(φ/a)が1.3以上であることが好ましく、2.0以上が更に好ましい。なお、上限値は、4.47以下であることが好ましい。
<第4の実施形態>
前記第4の実施形態では、有機EL表示部の陽極が、発光層からみて反射率が10%以下の透明電極(例えばITO)であり、ボトムエミッション型である。
この第4の実施形態では、レンズを光取り出し面に設けたときの正面輝度での光取り出し効率Aと、レンズを光取り出し面に設けないときの正面輝度での光取り出し効率Bとの比(A/B)が1を超え、かつ発光層の1辺の最大長さaと、レンズの直径φとの比(φ/a)が1.0以上であることが好ましく、1.5以上がより好ましく、2.5以上が更に好ましい。なお、上限値は、4.47以下であることが好ましい。
また、レンズを光取り出し面に設けたときの積分強度での光取り出し効率Cと、レンズを光取り出し面に設けないときの積分強度での光取り出し効率Dとの比(C/D)が1を超え、かつ前記積分強度での光取り出し効率において、発光層の1辺の最大長さaと、レンズの有効直径φとの比(φ/a)が1.2以上であることが好ましく、2.0以上が更に好ましい。なお、上限値は、4.47以下であることが好ましい。
本発明においては、発光層とレンズまでの距離dと、レンズの有効直径φとの比(d/φ)は0.1以下であることが好ましく、0.05以下がより好ましい。前記比(d/φ)が、0.1を超えると、画像ボケが生じることがある。
<有機EL表示部>
前記有機EL表示部(有機EL素子)は、陽極と陰極の間に少なくとも発光層を有し、必要に応じて正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層などを有してもよく、またこれらの各層はそれぞれ他の機能を備えたものであってもよい。各層の形成にはそれぞれ種々の材料を用いることができる。
前記有機EL表示部は、赤(R)、緑(B)及び青(B)のいずれかを含む画素として構成される。
このような画素の構成としては、例えば「月刊ディスプレイ」、2000年9月号、33〜37ページに記載されているように、前記発光層を、赤色、緑色、又は青色に対応する光をそれぞれ発光する発光層とした画素を形成し、これら赤色、緑色、及び青色のいずれかの画素を配する3色発光法など、公知の構成を適用することができる。
−陽極−
前記陽極は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層などに正孔を供給するものであり、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、又はこれらの混合物などを用いることができ、好ましくは仕事関数が4eV以上の材料である。具体例としては、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性金属酸化物;金、銀、クロム、ニッケル等の金属;更にこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物;ヨウ化銅、硫化銅等の無機導電性物質;ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール等の有機導電性材料、又はこれらとITOとの積層物などが挙げられる。これらの中でも、導電性金属酸化物が好ましく、生産性、高導電性、透明性等の点からITOが特に好ましい。
前記陽極の厚みは、特に制限はなく、材料により適宜選択可能であるが、10nm〜5μmが好ましく、50nm〜1μmがより好ましく、100nm〜500nmが更に好ましい。
前記陽極としては、通常、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、透明樹脂基板などの上に層形成したものが用いられる。ガラスを用いる場合、その材質については、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アルカリガラスを用いることが好ましい。また、ソーダライムガラスを用いる場合、シリカ等のバリアコートを施したものを使用することが好ましい。
前記基板の厚みは、機械的強度を保つのに十分であれば特に制限はないが、ガラスを用いる場合には、0.2mm以上が好ましく、0.7mm以上がより好ましい。
前記透明樹脂基板としては、バリアフィルムを用いることもできる。該バリアフィルムとは、プラスチック支持体上にガス不透過性のバリア層を設置したフィルムである。バリアフィルムとしては、酸化ケイ素や酸化アルミニウムを蒸着したもの(特公昭53−12953号公報、特開昭58−217344号公報)、有機無機ハイブリッドコーティング層を有するもの(特開2000−323273号公報、特開2004−25732号公報)、無機層状化合物を有するもの(特開2001−205743号公報)、無機材料を積層したもの(特開2003−206361号公報、特開2006−263989号公報)、有機層と無機層を交互に積層したもの(特開2007−30387号公報、米国特許第6413645号明細書、Affinitoら著 Thin Solid Films 1996年 290-291頁)、有機層と無機層を連続的に積層したもの(米国特許出願公開公報2004−46497号明細書)などが挙げられる。
前記陽極の作製には、材料によって種々の方法が用いられるが、例えばITOの場合、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、化学反応法(ゾル−ゲル法など)、酸化インジウムスズの分散物の塗布などの方法で膜形成される。陽極は洗浄その他の処理により、表示装置の駆動電圧を下げたり、発光効率を高めることも可能である。例えばITOの場合、UV−オゾン処理などが効果的である。
−陰極−
前記陰極は、電子注入層、電子輸送層、発光層などに電子を供給するものであり、電子注入層、電子輸送層、発光層などの陰極と隣接する層との密着性やイオン化ポテンシャル、安定性等を考慮して選ばれる。
前記陰極の材料としては、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、又はこれらの混合物を用いることができ、具体例としてはアルカリ金属(例えばLi、Na、K等)又はそのフッ化物、アルカリ土類金属(例えばMg、Ca等)又はそのフッ化物、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金又はそれらの混合金属、リチウム−アルミニウム合金又はそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金又はそれらの混合金属、インジウム、イッテリビウム等の希土類金属などが挙げられる。これらの中でも、仕事関数が4eV以下の材料が好ましく、アルミニウム、リチウム−アルミニウム合金又はそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金又はそれらの混合金属が特に好ましい。
前記陰極の厚みは、特に制限はなく、材料により適宜選択可能であるが、10nm〜5μmが好ましく、50nm〜1μmがより好ましく、100nm〜1μmが更に好ましい。
前記陰極の作製には、例えば電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、コーティング法などの方法が用いられ、金属を単体で蒸着することも、二成分以上を同時に蒸着することもできる。更に、複数の金属を同時に蒸着して合金電極を形成することも可能であり、またあらかじめ調整した合金を蒸着させてもよい。
前記陽極及び陰極のシート抵抗は、低い方が好ましく、数百Ω/□以下が好ましい。
−発光層−
前記発光層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、電界印加時に陽極又は正孔注入層、正孔輸送層から正孔を注入することができると共に、陰極又は電子注入層、電子輸送層から電子を注入することができる機能や、注入された電荷を移動させる機能、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層を形成することができるものなどを用いることができる。
前記発光層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、スチリルベンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ナフタルイミド誘導体、クマリン誘導体、ペリレン誘導体、ペリノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アルダジン誘導体、ピラリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体、キナクリドン誘導体、ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、スチリルアミン誘導体、芳香族ジメチリディン化合物、8−キノリノール誘導体の金属錯体や希土類錯体に代表される各種金属錯体;ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記発光層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1nm〜5μmが好ましく、5nm〜1μmがより好ましく、10nm〜500nmが更に好ましい。
前記発光層の形成方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば抵抗加熱蒸着、電子ビーム、スパッタリング、分子積層法、コーティング法(スピンコート法、キャスト法、ディップコート法など)、LB法などの方法が挙げられる。これらの中でも、抵抗加熱蒸着、コーティング法が特に好ましい。
−正孔注入層、正孔輸送層−
前記正孔注入層又は正孔輸送層の材料としては、陽極から正孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、陰極から注入された電子を障壁する機能のいずれかを有しているものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記正孔注入層又は正孔輸送層の材料としては、例えばカルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記正孔注入層及び正孔輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
前記正孔注入層及び正孔輸送層の形成方法としては、例えば真空蒸着法、LB法、前記正孔注入輸送剤を溶媒に溶解又は分散させてコーティングする方法(スピンコート法、キャスト法、ディップコート法など)が用いられる。コーティング法の場合、樹脂成分と共に溶解乃至分散することができる。
前記樹脂成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリブタジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)樹脂、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、エチルセルロース、酢酸ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記正孔注入層及び正孔輸送層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば1nm〜5μmが好ましく、5nm〜1μmがより好ましく、10nm〜500nmが更に好ましい。
−電子注入層、電子輸送層−
前記電子注入層及び電子輸送層の材料としては、陰極から電子を注入する機能、電子を輸送する機能、陽極から注入された正孔を障壁する機能のいずれか有しているものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記電子注入層及び電子輸送層の材料としては、例えばトリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電子注入層及び電子輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
前記電子注入層及び電子輸送層の形成方法としては、例えば真空蒸着法やLB法、前記電子注入輸送剤を溶媒に溶解乃至分散させてコーティングする方法(スピンコート法、キャスト法、ディップコート法など)などが用いられる。コーティング法の場合、樹脂成分と共に溶解乃至分散することができ、前記樹脂成分としては、例えば、正孔注入輸送層の場合に例示したものが適用できる。
前記電子注入層又は電子輸送層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1nm〜5μmが好ましく、5nm〜1μmがより好ましく、10nm〜500nmが更に好ましい。
<レンズ>
前記レンズは、光取り出し面に設けられ発光層から発光される光の光路を制御する機能を有する。
前記光取り出し面としては、ボトムエミッション型ではガラス基板などが挙げられる。トップエミッション型ではバリア層などが挙げられる。
前記レンズとしては、その形状、配列、大きさ、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば球状、半球状、楕円状、台形状などが挙げられる。これらの中でも、半球状レンズが正面輝度の向上率の点で特に好ましい。
前記レンズの配列としては、例えば正方格子状、ハニカム状などが挙げられる。
前記レンズの材質としては、例えば透明樹脂、ガラス、透明結晶、透明セラミックなどが挙げられる。
前記レンズの大きさとしては、半球状レンズの場合には、その有効直径が10μm〜1,000μmが好ましく、20μm〜200μmがより好ましい。
前記レンズの作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばインクジェット法、インプリント法、フォトリソグラフィ法、などが挙げられる。
前記インプリント法では、例えば離型剤及びUV硬化樹脂を含む組成物を透明なモールド上に塗布した後に、該透明なモールドを有機EL素子上に圧着し、UV光を照射した後、離型することによって、有機EL素子上にレンズを形成することができる。
−バリア層−
前記バリア層としては、大気中の酸素、水分、窒素酸化物、硫黄酸化物、オゾン等の透過を防ぐという機能を有する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記バリア層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、SiN、SiON、などが挙げられる。
前記バリア層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5nm〜1,000nmが好ましく、7nm〜750nmがより好ましく、10nm〜500nmが特に好ましい。前記バリア層の厚みが、5nm未満であると、大気中の酸素及び水分の透過を防ぐバリア機能が不充分であることがあり、1,000nmを超えると、光線透過率が低下し、透明性を損なうことがある。
前記バリア層の光学的性質は、光線透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上がより好ましく、90%以上が更に好ましい。
前記バリア層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、CVD法、真空蒸着法、などが挙げられる。
−基板−
前記基板としては、その形状、構造、大きさ等を適宜選択すればよく、一般的には、基板の形状としては、板状であることが好ましい。基板の構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、また、単一部材で形成されていてもよいし、2以上の部材で形成されていてもよい。前記基板は、無色透明であっても、有色透明であってもよいが、発光層から発せられる光を散乱又は減衰等させることがない点で、無色透明であることが好ましい。
前記基板の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばイットリア安定化ジルコニア(YSZ)、ガラス等の無機材料;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)樹脂等の有機材料、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記基板としてガラスを用いる場合には、その材質については、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アルカリガラスを用いることが好ましい。また、ソーダライムガラスを用いる場合には、シリカなどのバリアコートを施したもの(例えば、バリアフィルム基板)を使用することが好ましい。有機材料の場合には、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、及び加工性に優れていることが好ましい。
前記熱可塑性樹脂からなる基板を用いる場合には、更に必要に応じて、ハードコート層、アンダーコート層などを設けてもよい。
ここで、図2は、本発明の有機EL装置の一例であるボトムエミッション型の有機EL装置を示す概略断面図である。図3は、本発明の有機EL装置の一例であるトップエミッション型の有機EL装置を示す概略断面図である。
図2のボトムエミッション型の有機EL装置100は、ガラス基板1上に、有機EL表示部101(陽極2、ホール注入層3、ホール輸送層4、発光層5、電子輸送層6、電子注入層7、陰極8)を有し、光取り出し面としてのガラス基板1上にレンズ9が形成されている。
図3のトップエミッション型の有機EL装置200は、ガラス基板1上に、有機EL表示部201(陽極8、ホール注入層3、ホール輸送層4、発光層5、電子輸送層6、電子注入層7、陰極2)を有し、陰極2上にガスバリア層10が形成され、光取り出し面としてのガスバリア層10上にレンズ9が形成されている。
なお、「光出射方向」は、発光層からの光が、光取り出し面から有機EL装置の外部に出射される方向を示す。図2に示すボトムエミッション型の有機EL装置100の場合、矢印で示した通り、発光層5からみて図面に平行に下方に向かう方向を示す。図3に示すトップエミッション型の有機EL装置200の場合、矢印で示した通り、発光層5からみて図面に平行に上方に向かう方向を示す。
本発明の有機EL装置は、フルカラーで表示し得る装置として構成されてもよい。本発明の有機EL装置をフルカラータイプのものとする方法としては、例えば「月刊ディスプレイ」、2000年9月号、33〜37ページに記載されているように、色の3原色(青色(B)、緑色(G)、赤色(R))に対応する光をそれぞれ発光する層構造を基板上に配置する3色発光法、白色発光用の層構造による白色発光をカラーフィルタを通して3原色に分ける白色法、青色発光用の層構造による青色発光を蛍光色素層を通して赤色(R)及び緑色(G)に変換する色変換法、などが知られている。
また、上記方法により得られる異なる発光色の層構造を複数組み合わせて用いることにより、所望の発光色の平面型光源を得ることができる。例えば、青色及び黄色の発光素子を組み合わせた白色発光光源、青色、緑色、赤色の発光素子を組み合わせた白色発光光源、等である。
本発明の有機EL装置は、例えば、コンピュータ、車載用表示器、野外表示器、家庭用機器、業務用機器、家電用機器、交通関係表示器、時計表示器、カレンダ表示器、ルミネッセントスクリーン、音響機器等をはじめとする各種分野において好適に使用することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
ボトムエミッション型の下記4種類の有機EL素子(1)〜(4)を、以下のようにして、それぞれ作製した。
<有機EL素子(1)(wm=2)の作製;陽極が透明電極(ITO)である場合>
ガラス基板として、厚みが0.2mm、屈折率が1.8のS−TIH6(オハラ社製)を用いた。
次に、ガラス基板上に、陽極としてITOを、厚みが100nmとなるように、真空蒸着により形成した。作製したITO膜の発光層からみた反射率は2%、透過率は97%であった。
次に、ITO膜上に、ホール注入層として2−TNATA〔4,4’,4”−トリス(2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン〕とMnOを7:3(質量比)の割合で、厚みが20nmとなるように、真空蒸着により形成した。
次に、ホール注入層上に、第1のホール輸送層として2−TNATAにF4−TCNQ(2,3,5,6−tetrafluoro−7,7,8,8tetracyanoquinodimethane)を1.0質量%ドープして141nmの厚みとなるように、真空蒸着により形成した。
次に、第1のホール輸送層上に、第2のホール輸送層としてα−NPD〔N,N’−(ジナフチルフェニルアミノ)ピレン〕を、厚みが10nmとなるように、真空蒸着により形成した。
次に、第2のホール輸送層上に、第3のホール輸送層として下記構造式で表されるホール輸送材料Aを、厚みが3nmとなるように、真空蒸着により形成した。
次に、第3のホール輸送層上に、ホスト材料としてCBP(4,4’−ジカルバゾール−ビフェニル)と、発光材料として下記構造式で表される発光材料Aとを、85:15(質量比)の割合で、厚みが20nmとなるように、発光層を真空共蒸着により形成した。
次に、発光層上に、第1の電子輸送層としてBAlq(Aluminum(III)bis(2-methyl-8-quinolinato)-4-phenylphenolate)を、厚みが39nmとなるように、真空蒸着により形成した。
次に、第1の電子輸送層上に、第2の電子輸送層としてBCP(2,9-dimethyl-4,7-diphenyl-1,10-phenanthrolin)を、厚みが1nmとなるように、真空蒸着により形成した。
次に、第2の電子輸送層上に、電子注入層としてLiFを、厚みが1nmとなるように、真空蒸着により形成した。
次に、電子注入層上に、陰極としてアルミニウム(Al)を、厚みが100nmとなるように、真空蒸着により形成した。
以上により、有機EL素子(1)を作製した。
<有機EL素子(2)(sm=1)の作製;光学長が1次のマイクロキャビティ構造である場合>
有機EL素子(1)の作製において、陽極として厚み100nmのITO膜の変わりに厚み20nmのAg膜を形成し、第1のホール輸送層の厚みを141nmから11nmに変えた以外は、有機EL素子(1)の作製と同様にして、有機EL素子(2)を作製した。作製したAg膜の発光層からみた反射率は47%、透過率は45%であった。
得られた有機EL素子(2)は、光学長L(λ)が1λ(ただし、λは発光波長を表す)である1次のマイクロキャビティ構造を有していた。
<有機EL素子(3)(sm=2)の作製;光学長が2次のマイクロキャビティ構造である場合>
有機EL素子(1)の作製において、陽極として厚み100nmのITO膜の変わりに厚み20nmのAg膜を形成した以外は、有機EL素子(1)の作製と同様にして、有機EL素子(3)を作製した。作製したAg膜の発光層からみた反射率は47%、透過率は45%であった。
得られた有機EL素子(3)は、光学長L(λ)が2λ(ただし、λは発光波長を表す)である2次のマイクロキャビティ構造を有していた。
<有機EL素子(4)(sm=3)の作製;光学長が3次のマイクロキャビティ構造である場合>
有機EL素子(1)の作製において、陽極として厚み100nmのITO膜の変わりに厚み20nmのAg膜を形成し、第1のホール輸送層の厚みを141nmから271nmに変えた以外は、有機EL素子(1)の作製と同様にして、有機EL素子(4)を作製した。作製したAg膜の発光層からみた反射率は47%、透過率は45%であった。
得られた有機EL素子(4)は、光学長L(λ)が3λ(ただし、λは発光波長を表す)である3次のマイクロキャビティ構造を有していた。
作製した各有機EL素子は、緑(約530nm)の発光に最適化したものであり、各有機EL素子の発光部分(発光層)は1辺の最大長さaが2mmであった。
次に、作製した各有機EL素子について、その光取り出し面としてのガラス基板上に、十分に径の大きい(半径10mm)、屈折率1.8のシリンダーレンズをマッチングオイル(屈折率=1.8)で装着した。各有機EL素子について、以下のようにして、配光分布を測定した。この評価により、ガラス内での光の角度分布を知ることができる。
有機EL素子(1)の配光分布の結果を図4、有機EL素子(2)の配光分布の結果を図5、有機EL素子(3)の配光分布の結果を図6、及び有機EL素子(4)の配光分布の結果を図7にそれぞれ示す。
<配光分布の測定方法>
シリコンディテクターをゴニオメータに装着し、各有機EL素子を発光させて、ゴニオメータの角度と、ディテクターからの光強度に対応する電圧信号との関係を測定し、配光分布を求めた。
図4〜図7の結果から、各有機EL素子におけるガラス内での配光分布(光の角度分布)が、有機EL素子の構造によって大きく変化することが分かった。即ち、図4の有機EL素子(1)と図6の有機EL素子(3)は、陽極が透明電極(ITO)であるか、半透過電極(Ag電極)であるかの点でのみ相違するが、図4と図6に示すように、ガラス内での配光分布が大きく異なることが分かった。
また、図5の有機EL素子(2)、図6の有機EL素子(3)、及び図7の有機EL素子(4)は、ホール輸送層の厚みが異なり、マイクロキャビティ構造の光学長が異なるものである。図5、図6、及び図7の結果から、マイクロキャビティ構造の光学長が1次、2次、及び3次と異なることにより、配光分布(光の角度分布)も異なることが分かった。
ここで、各有機EL素子の光取り出し面に、光取り出し部材としてのレンズが装着されていない場合は、ガラスと空気の界面の全反射角度は±33°であり、この角度より大きい角度に光は空気中に放射されない。
次に、各有機EL素子において、光取り出し部材としてのレンズを装着した場合について検討する。
図8に示すように、発光部分(発光層)21がレンズ22の中心に近い場合には、ほとんどの光は空気中に放射される。一方、図9に示すように、発光部分(発光層)21がレンズ22の中心から外れる場合には、ほとんどの光は空気中に放射されずレンズ内で全反射を繰り返す。
したがってガラス中に正面に向く光が多いほどレンズの中心から反れた場合の全反射光量が増えるので光取り出し効率は下がる傾向がある。
また、レンズの有効直径φと、発光部分(発光層)の1辺の最大長さaとの比(φ/a)が十分大きいと、ほとんどの光は放射されるが、前記比(φ/a)が1に近づくと、放射される光が減少してしまうことが予測される。
しかし、有機EL素子の配光分布を考慮した場合の定量的な振る舞いは予測が困難である。実際、各有機EL素子の構成において振る舞いは異なる。特に、前記比(φ/a)が1に近い領域での予測は極めて困難であるため、以下のようにして、光取り出し効率の評価実験を行った。
<光取り出し効率の評価実験>
図10及び図11に示すように、有機EL素子の光取り出し面となるガラス基板23上に、屈折率が1.8の半球レンズ22をマッチングオイル(屈折率=1.8)により装着し、各有機EL装置を作製した。そして、レンズの有効直径φを0mm〜8mmに変化させた。
各有機EL装置において、発光層21とレンズまでの距離dと、レンズの有効直径φとの比(d/φ)は0.1であった。
作製した各有機EL装置について、以下のようにして、光取り出し効率を測定した。なお、光取り出し効率は、積分強度と正面輝度の両方を測定した。結果を図12(正面輝度)及び図13(積分強度)に示す。
<光取り出し効率>
レンズを装着した有機EL素子の積分強度と正面輝度を、レンズを装着せずに測定した積分強度と正面輝度の値で割った値を光取り出し効率と定義した。
なお、積分強度と正面輝度は、分光放射輝度計(トプコン社製、SR−3)で測定した。
図12及び図13の結果から、光取り出し効率の積分強度及び正面輝度は、半球レンズの有効直径φ、及び比(φ/a)が大きくなるほど増加し、その増加率は、有機EL素子の構成により異なることが分かった。以下、有機EL素子ごとに説明する。
<有機EL素子(1)(wm=2):有機EL素子の陽極が透明電極(ITO)である場合>
有機EL素子(1)は、図12に示すように、正面輝度については、比(φ/a)が1.0までは光取り出し効率はほとんど変化がなかったが、比(φ/a)が1.0を超えると光取り出し効率が急激に増加し、有機EL素子(2)〜(4)よりも増加率が高いことが分かった。
また、図13に示すように、積分強度については、比(φ/a)が0から光取り出し効率は徐々に増加しており、比(φ/a)が1.0を超えると、光取り出し効率は急激に増加し、有機EL素子(2)〜(4)よりも増加率が高いことが分かった。
したがって有機EL素子(1)において、レンズを光取り出し面に設けたときの正面輝度での光取り出し効率Aと、レンズを光取り出し面に設けないときの正面輝度での光取り出し効率Bとの比(A/B)が1を超えるのは、光取り出し効率の正面輝度についての比(φ/a)が1.0以上であることが分かった。
また、レンズを光取り出し面に設けたときの積分強度での光取り出し効率Cと、レンズを光取り出し面に設けないときの積分強度での光取り出し効率Dとの比(C/D)が1を超えるのは、光取り出し効率の積分強度についての比(φ/a)が1.0以上であることが分かった。
<有機EL素子(2)(sm=1):光学長が1次のマイクロキャビティ構造である場合>
有機EL素子(2)は、図12に示すように、正面輝度については、比(φ/a)が1.0までは光取り出し効率は緩やかに減少し、比(φ/a)が1.0を超えると、光取り出し効率が急激に増加し、有機EL素子(3)及び(4)よりも増加率が高いことが分かった。
また、図13に示すように、積分強度については、比(φ/a)が1.0まで光取り出し効率は減少し、比(φ/a)が1.0を超えると、光取り出し効率は増加し、有機EL素子(3)及び(4)よりも増加率が低いことが分かった。
したがって有機EL素子(2)において、レンズを光取り出し面に設けたときの正面輝度での光取り出し効率Aと、レンズを光取り出し面に設けないときの正面輝度での光取り出し効率Bとの比(A/B)が1を超えるのは、光取り出し効率の正面輝度についての比(φ/a)が1.2以上であることが分かった。
また、レンズを光取り出し面に設けたときの積分強度での光取り出し効率Cと、レンズを光取り出し面に設けないときの積分強度での光取り出し効率Dとの比(C/D)が1を超えるのは、光取り出し効率の積分強度についての比(φ/a)が1.6以上であることが分かった。
<有機EL素子(3)(sm=2):光学長が2次のマイクロキャビティ構造である場合>
有機EL素子(3)は、図12に示すように、正面輝度については、比(φ/a)が1.0まで光取り出し効率は減少し、比(φ/a)が1.0を超えると、光取り出し効率は増加し、有機EL素子(2)よりも増加率が低いことが分かった。
また、図13に示すように、積分強度については、比(φ/a)が1.0までは光取り出し効率はほとんど変化なく、比(φ/a)が1.0を超えると、光取り出し効率は増加し、有機EL素子(2)よりも増加率が高く、有機EL素子(4)よりも増加率が低いことが分かった。
したがって有機EL素子(3)において、レンズを光取り出し面に設けたときの正面輝度での光取り出し効率Aと、レンズを光取り出し面に設けないときの正面輝度での光取り出し効率Bとの比(A/B)が1を超えるのは、光取り出し効率の正面輝度についての比(φ/a)が1.4以上であることが分かった。
また、レンズを光取り出し面に設けたときの積分強度での光取り出し効率Cと、レンズを光取り出し面に設けないときの積分強度での光取り出し効率Dとの比(C/D)が1を超えるのは、光取り出し効率の積分強度についての比(φ/a)が1.1以上であることが分かった。
<有機EL素子(4)(sm=3):光学長が3次のマイクロキャビティ構造である場合>
有機EL素子(4)は、図12に示すように、正面輝度については、比(φ/a)が1.0までは光取り出し効率は減少し、比(φ/a)が1.0を超えると、光取り出し効率は増加し、有機EL素子(2)及び(3)よりも増加率が低いことが分かった。
また、図13に示すように、積分強度については、比(φ/a)が0から徐々に光取り出し効率は増加し、比(φ/a)が1.0を超えると、光取り出し効率は急激に増加し、有機EL素子(2)及び(3)よりも増加率が高いことが分かった。
したがって有機EL素子(4)において、レンズを光取り出し面に設けたときの正面輝度での光取り出し効率Aと、レンズを光取り出し面に設けないときの正面輝度での光取り出し効率Bとの比(A/B)が1を超えるのは、光取り出し効率の正面輝度についての比(φ/a)が1.5以上であることが分かった。
また、レンズを光取り出し面に設けたときの積分強度での光取り出し効率Cと、レンズを光取り出し面に設けないときの積分強度での光取り出し効率Dとの比(C/D)が1を超えるのは、光取り出し効率の積分強度についての比(φ/a)が1.0以上であることが分かった。
(実施例2)
トップエミッション型の3種類の有機EL素子(5)〜(7)を、以下のようにして、それぞれ作製した。
<有機EL素子(5)(sm=1)の作製;光学長が1次のマイクロキャビティ構造である場合>
ガラス基板として、厚みが0.7mm、屈折率が1.5のイーグル2000(コーニング社製)を用いた。
次に、ガラス基板上に、陽極としてアルミニウム(Al)を、厚みが100nmとなるように、真空蒸着により形成した。
次に、Al膜上に、ホール注入層として2−TNATA〔4,4’,4”−トリス(2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン〕とMnOを7:3(質量比)の割合で、厚みが20nmとなるように、真空蒸着により形成した。
次に、ホール注入層上に、第1のホール輸送層として2−TNATAにF4−TCNQ(2,3,5,6−tetrafluoro−7,7,8,8tetracyanoquinodimethane)を1.0質量%ドープして11nmの厚みとなるように、真空蒸着により形成した。
次に、第1のホール輸送層上に、第2のホール輸送層としてα−NPD〔N,N’−(ジナフチルフェニルアミノ)ピレン〕を、厚みが10nmとなるように、真空蒸着により形成した。
次に、第2のホール輸送層上に、第3のホール輸送層材料として下記構造式で表されるホール輸送材料Aを、厚みが3nmとなるように、真空蒸着により形成した。
次に、第3のホール輸送層上に、ホスト材料としてCBP(4,4’−ジカルバゾール−ビフェニル)と、発光材料として下記構造式で表される発光材料Aとを、85:15(質量比)の割合で、厚みが20nmとなるように発光層を、真空共蒸着により形成した。
次に、発光層上に、第1の電子輸送層としてBAlq(Aluminum(III)bis(2-methyl-8-quinolinato)-4-phenylphenolate)を、厚みが39nmとなるように、真空蒸着により形成した。
次に、第1の電子輸送層上に、第2の電子輸送層としてBCP(2,9-dimethyl-4,7-diphenyl-1,10-phenanthrolin)を、厚みが1nmとなるように、真空蒸着により形成した。
次に、第2の電子輸送層上に、電子注入層としてLiFを、厚みが1nmとなるように、真空蒸着により形成した。
次に、電子注入層上に、陰極として、Agを、厚みが20nmとなるように、真空蒸着により形成した。作製したAg膜の発光層からみた反射率は47%、透過率は45%であった。
以上により、有機EL素子(5)を作製した。
得られた有機EL素子(5)は、光学長L(λ)が1λ(ただし、λは発光波長を表す)である1次のマイクロキャビティ構造を有していた。
<有機EL素子(6)(sm=2)の作製;光学長が2次のマイクロキャビティ構造である場合>
有機EL素子(5)の作製において、第1のホール輸送層の厚みを11nmから141nmに変えた以外は、有機EL素子(5)の作製と同様にして、有機EL素子(6)を作製した。
得られた有機EL素子(6)は、光学長L(λ)が2λ(ただし、λは発光波長を表す)である2次のマイクロキャビティ構造を有していた。
<有機EL素子(7)(sm=3)の作製;光学長が3次のマイクロキャビティ構造である場合>
有機EL素子(5)の作製において、第1のホール輸送層の厚みを11nmから271nmに変えた以外は、有機EL素子(5)の作製と同様にして、有機EL素子(7)を作製した。
得られた有機EL素子(7)は、光学長L(λ)が3λ(ただし、λは発光波長を表す)である3次のマイクロキャビティ構造を有していた。
作製した各有機EL素子は、緑(約530nm)の発光に最適化したものであり、各有機EL素子の発光部分(発光層)の1辺は、最大長さaが2mmであった。
次に、作製した各有機EL素子について、実施例1と同様にして、配光分布を測定した。この評価により、ガラス内での光の角度分布を知ることができる。有機EL素子(5)の配光分布の結果を図5、有機EL素子(6)の配光分布の結果を図6、及び有機EL素子(7)の配光分布の結果を図7にそれぞれ示す。
図5〜図7の結果から、各有機EL素子におけるガラス内での配光分布(光の角度分布)は、有機EL素子の構造によって大きく変化することが分かった。
即ち、図5の有機EL素子(5)、図6の有機EL素子(6)、及び図7の有機EL素子(7)は、ホール輸送層の厚みが異なり、マイクロキャビティ構造の光学長が異なるものである。図5、図6、及び図7の結果から、マイクロキャビティ構造の光学長が1次、2次、及び3次と異なることにより、配光分布(光の角度分布)も異なることが分かった。
次に、各有機EL素子について、以下のようにして、光取り出し効率の評価を行った。
<光取り出し効率の評価実験>
図14及び図15に示すように、有機EL素子の光取り出し面に、切削加工により作製した屈折率が1.8の半球レンズ22を、高屈折率の無機微粒子(TiO)を分散した樹脂で貼り付けて、有機EL装置を作製した。そして、レンズの有効直径φを0mm〜8mmに変化させた。
各有機EL装置において、発光層とレンズまでの距離dと、レンズの有効直径φとの比(d/φ)は0.1であった。
作製した各有機EL装置について、実施例1と同様にして、光取り出し効率を測定した。なお、光取り出し効率は、積分強度と正面輝度の両方を測定した。結果を図16(正面輝度)及び図17(積分強度)に示す。
図16及び図17の結果から、光取り出し効率の積分強度及び正面輝度は、レンズの有効直径φ、及び比(φ/a)が大きくなるほど増加し、その増加率は、有機EL素子の構成により異なることが分かった。以下、有機EL素子ごとに説明する。
<有機EL素子(5)(sm=1):光学長が1次のマイクロキャビティ構造である場合>
有機EL素子(5)は、図16に示すように、正面輝度については、比(φ/a)が1.0までは光取り出し効率は緩やかに減少し、比(φ/a)が1.0を超えると、光取り出し効率が急激に増加し、有機EL素子(6)及び(7)よりも増加率が高いことが分かった。
また、図17に示すように、積分強度については、比(φ/a)が1.0まで光取り出し効率は減少し、比(φ/a)が1.0を超えると、光取り出し効率は増加し、有機EL素子(6)及び(7)よりも増加率が低いことが分かった。
したがって有機EL素子(5)において、レンズを光取り出し面に設けたときの正面輝度での光取り出し効率Aと、レンズを光取り出し面に設けないときの正面輝度での光取り出し効率Bとの比(A/B)が1を超えるのは、光取り出し効率の正面輝度についての比(φ/a)が1.2以上であることが分かった。
また、レンズを光取り出し面に設けたときの積分強度での光取り出し効率Cと、レンズを光取り出し面に設けないときの積分強度での光取り出し効率Dとの比(C/D)が1を超えるのは、光取り出し効率の積分強度についての比(φ/a)が1.6以上であることが分かった。
<有機EL素子(6)(sm=2):光学長が2次のマイクロキャビティ構造である場合>
有機EL素子(6)は、図16に示すように、正面輝度については、比(φ/a)が1.0まで光取り出し効率は減少し、比(φ/a)が1.0を超えると、光取り出し効率は増加し、有機EL素子(2)よりも増加率が低いことが分かった。
また、図17に示すように、積分強度については、比(φ/a)が1.0までは光取り出し効率はほとんど変化なく、比(φ/a)が1.0を超えると、光取り出し効率は増加し、有機EL素子(2)よりも増加率が高く、有機EL素子(4)よりも増加率が低いことが分かった。
したがって有機EL素子(6)において、レンズを光取り出し面に設けたときの正面輝度での光取り出し効率Aと、レンズを光取り出し面に設けないときの正面輝度での光取り出し効率Bとの比(A/B)が1を超えるのは、光取り出し効率の正面輝度についての比(φ/a)が1.4以上であることが分かった。
また、レンズを光取り出し面に設けたときの積分強度での光取り出し効率Cと、レンズを光取り出し面に設けないときの積分強度での光取り出し効率Dとの比(C/D)が1を超えるのは、光取り出し効率の積分強度についての比(φ/a)が1.1以上であることが分かった。
<有機EL素子(7)(sm=3):光学長が3次のマイクロキャビティ構造である場合>
有機EL素子(7)は、図16に示すように、正面輝度については、比(φ/a)が1.0までは光取り出し効率は減少し、比(φ/a)が1.0を超えると、光取り出し効率は増加し、有機EL素子(2)及び(3)よりも増加率が低いことが分かった。
また、図17に示すように、積分強度については、比(φ/a)が0から徐々に光取り出し効率は増加し、比(φ/a)が1.0を超えると、光取り出し効率は急激に増加し、有機EL素子(2)及び(3)よりも増加率が高いことが分かった。
したがって有機EL素子(7)において、レンズを光取り出し面に設けたときの正面輝度での光取り出し効率Aと、レンズを光取り出し面に設けないときの正面輝度での光取り出し効率Bとの比(A/B)が1を超えるのは、光取り出し効率の正面輝度についての比(φ/a)が1.5以上であることが分かった。
また、レンズを光取り出し面に設けたときの積分強度での光取り出し効率Cと、レンズを光取り出し面に設けないときの積分強度での光取り出し効率Dとの比(C/D)が1を超えるのは、光取り出し効率の積分強度についての比(φ/a)が1.0以上であることが分かった。
図12及び図16の光取り出し効率の結果から、比(φ/a)が2.5以上になると、レンズ直径の増加による光取出し効率の向上効果がほぼ収束することが分かった。
また、レンズの有効直径φが、発光層の1辺の最大長さaよりも大きすぎるとディスプレイとしたときの開口率が低下してしまうので、図1に示すように、公知の一般的な有機ELディスプレイの開口率(B/A)が約5%であり、該開口率が5%でガラス基板上に正方格子状にレンズを配置した場合の比(φ/a)が4.47であることから、比(φ/a)の上限値は4.47以下となる。
以上説明した実施例1及び2の結果から、有機EL素子の構成に応じて、組み合わせる最適なレンズの有効直径が異なり、有機EL素子の構成とレンズとの組み合わせを適正化しないと、十分な光取り出し効率が得られない領域があることが分かった。
以上説明した実施例1及び2の結果は、緑色(約530nm)1画素について行ったものであるが、青色(約470nm)及び赤色(約630nm)についても同様の結果が得られた。
即ち、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)のRGBの3画素を有するデバイスを作製した場合、RGB3画素についてレンズを配置する場合は、図18に示すように、RGB3画素の一つ一つの各画素をレンズで取り囲んでもよく、図19に示すように、RGB3画素を一単位としてレンズで取り囲んでもよい。また、図20に示すように、画素が正方形でなく、辺の長さが異なる長方形の場合には長い方の辺を発光部分(発光層)の1辺の最大長さaとして採用する。
また、画素の形状については、特に制限はなく、目的に応じて適宜変更することができ、図21に示すように、正方形状の画素21にレンズ22を配置する態様、図22に示すように、長方形状の画素21にレンズ22を配置する態様、図23に示すように、円形状の画素21にレンズ22を配置する態様、図24に示すように、三角形状の画素21にレンズ22を配置する態様、などが挙げられる。
また、実施例1及び2では、発光部分(発光層)の1辺の最大長さaが2mmの有機EL素子を作製して評価を行ったが、前記比(φ/a)が維持されていれば光学的性質は等価である。
実際、発光部分(発光層)の1辺の最大長さaが2μmの有機EL素子を作製し、同様に評価した。なお、この際、厚み(d)が20μmのガラス基板を用いて実験を行った。その結果、発光部分(発光層)の1辺の最大長さaが2mmの場合と同様な光学的性質が得られた。
本発明の有機EL装置は、光取出し効率が高く、かつ画像のにじみが少ないので、ボトムエミッション型有機EL表示装置、及びトップエミッション型有機EL表示装置のいずれにも好適に用いられ、例えば、コンピュータ、車載用表示器、野外表示器、家庭用機器、業務用機器、家電用機器、交通関係表示器、時計表示器、カレンダ表示器、ルミネッセントスクリーン、音響機器等をはじめとする各種分野において好適に使用することができる。
1 ガラス基板
2 陽極
3 ホール注入層
4 ホール輸送層
5 発光層
6 電子輸送層
7 電子注入層
8 陰極
9 レンズ
10 バリア層
21 画素
22 レンズ
23 ガラス基板
100 有機EL装置
101 有機EL素子(有機EL表示部)
200 有機EL装置
201 有機EL素子(有機EL表示部)

Claims (9)

  1. 陽極と陰極の間に少なくとも発光層を含む有機EL表示部と、前記発光層から発光される光の光路を制御するレンズと、を少なくとも有し、
    前記レンズを光取り出し面に設けたときの正面輝度での光取り出し効率Aと、前記レンズを光取り出し面に設けないときの正面輝度での光取り出し効率Bとの比(A/B)が1を超え、かつ前記発光層の1辺の最大長さaと、前記レンズの有効直径φとの比(φ/a)が1.0以上であることを特徴とする有機EL装置。
  2. 有機EL表示部が、光学長L(λ)が1λ(ただし、λは発光波長を表す)である1次のマイクロキャビティ構造を有し、
    レンズを光取り出し面に設けたときの正面輝度での光取り出し効率Aと、レンズを光取り出し面に設けないときの正面輝度での光取り出し効率Bとの比(A/B)が1を超え、かつ前記発光層の1辺の最大長さaと、前記レンズの有効直径φとの比(φ/a)が1.2以上である請求項1に記載の有機EL装置。
  3. 有機EL表示部が、光学長L(λ)が2λ(ただし、λは発光波長を表す)である2次のマイクロキャビティ構造を有し、
    レンズを光取り出し面に設けたときの正面輝度での光取り出し効率Aと、レンズを光取り出し面に設けないときの正面輝度での光取り出し効率Bとの比(A/B)が1を超え、かつ前記発光層の1辺の最大長さaと、前記レンズの有効直径φとの比(φ/a)が1.4以上である請求項1に記載の有機EL装置。
  4. 有機EL表示部が、光学長L(λ)が3λ(ただし、λは発光波長を表す)である3次のマイクロキャビティ構造を有し、
    レンズを光取り出し面に設けたときの正面輝度での光取り出し効率Aと、レンズを光取り出し面に設けないときの正面輝度での光取り出し効率Bとの比(A/B)が1を超え、かつ前記発光層の1辺の最大長さaとし、前記レンズの有効直径をφとすると、光取り出し効率の正面輝度における比(φ/a)が1.5以上である請求項1に記載の有機EL装置。
  5. 有機EL表示部の陽極が、発光層からみた反射率が10%以下の透明電極であり、
    レンズを光取り出し面に設けたときの正面輝度での光取り出し効率Aと、レンズを光取り出し面に設けないときの正面輝度での光取り出し効率Bとの比(A/B)が1を超え、かつ前記発光層の1辺の最大長さaと、前記レンズの有効直径φとの比(φ/a)が1.0以上である請求項1に記載の有機EL装置。
  6. 比(φ/a)が2.5以上である請求項1から5のいずれかに記載の有機EL装置。
  7. 比(φ/a)が4.47以下である請求項1から6のいずれかに記載の有機EL装置。
  8. 発光層とレンズとの距離dと、レンズの有効直径φとの比(d/φ)が0.1以下である請求項1から7のいずれかに記載の有機EL装置。
  9. 陽極と陰極の間に少なくとも発光層を含む有機EL表示部と、前記発光層から発光される光の光路を制御するレンズと、を少なくとも有する有機EL装置の設計方法であって、
    前記レンズを光取り出し面に設けたときの正面輝度での光取り出し効率Aと、前記レンズを光取り出し面に設けないときの正面輝度での光取り出し効率Bとの比(A/B)が1を超え、かつ前記発光層の1辺の最大長さaと、前記レンズの有効直径φとの比(φ/a)が1.0以上を満たすように設計することを特徴とする有機EL装置の設計方法。
JP2010147753A 2009-06-30 2010-06-29 有機el装置及びその設計方法 Pending JP2011029172A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010147753A JP2011029172A (ja) 2009-06-30 2010-06-29 有機el装置及びその設計方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009156351 2009-06-30
JP2010147753A JP2011029172A (ja) 2009-06-30 2010-06-29 有機el装置及びその設計方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011029172A true JP2011029172A (ja) 2011-02-10

Family

ID=43379713

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010147753A Pending JP2011029172A (ja) 2009-06-30 2010-06-29 有機el装置及びその設計方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20100327304A1 (ja)
JP (1) JP2011029172A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013016271A (ja) * 2011-06-30 2013-01-24 Canon Inc 表示装置
JP2013016272A (ja) * 2011-06-30 2013-01-24 Canon Inc 表示装置
JP2013179026A (ja) * 2011-08-12 2013-09-09 Canon Inc 有機el素子、及びこれを用いた発光装置、画像形成装置、発光素子アレイ、撮像装置、表示装置
JP2013235028A (ja) * 2012-05-02 2013-11-21 Mitsubishi Rayon Co Ltd 光学フィルムを用いた光学装置
KR20140027349A (ko) * 2011-05-31 2014-03-06 오스람 옵토 세미컨덕터스 게엠베하 유기 전계 발광 소자
KR20160086398A (ko) * 2013-12-27 2016-07-19 제이엑스 에네루기 가부시키가이샤 발광 소자

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102138213B1 (ko) * 2010-11-24 2020-07-27 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 유기 광 디바이스 및 유기 광 디바이스의 보호 부재
US20130306951A1 (en) * 2011-03-22 2013-11-21 Ocean's King Lighting Science & Technology Co Ltd. Organic electroluminescent device and conductive substrate thereof
KR20130015099A (ko) * 2011-08-02 2013-02-13 한국전자통신연구원 유기 발광 소자
KR20140018548A (ko) * 2012-08-02 2014-02-13 삼성디스플레이 주식회사 광효율이 향상된 유기발광 표시장치 및 그 제조방법
CN107845668B (zh) * 2017-11-14 2020-04-24 京东方科技集团股份有限公司 一种有机电致发光显示面板及其制备方法和显示装置
CN110473974B (zh) * 2018-05-11 2021-12-24 株式会社日本有机雷特显示器 发光装置
KR102262683B1 (ko) 2019-12-30 2021-06-08 엘지디스플레이 주식회사 터치 표시 장치

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003513423A (ja) * 1999-10-29 2003-04-08 トラスティーズ・オヴ・プリンストン・ユニヴァーシティ 球形構造を有する有機発光ダイオード
JP2003272873A (ja) * 2002-03-20 2003-09-26 Seiko Epson Corp 有機elヘッドとその作製方法及びそれを用いた画像形成装置
JP2006263935A (ja) * 2005-03-22 2006-10-05 Seiko Epson Corp 露光ヘッドの駆動方法及び画像形成装置の駆動方法
JP2009123404A (ja) * 2007-11-13 2009-06-04 Sony Corp 表示装置

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2846148A1 (fr) * 2002-10-17 2004-04-23 Thomson Licensing Sa Encapsulation des panneaux oled a emission vers le haut
EP1589785B1 (en) * 2003-01-24 2014-10-15 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Light-emitting device, method for manufacturing same and electric apparatus using such light-emitting device
JP2005175417A (ja) * 2003-07-28 2005-06-30 Ricoh Co Ltd 発光素子アレイ、光書込ユニットおよび画像形成装置
KR100730114B1 (ko) * 2004-04-19 2007-06-19 삼성에스디아이 주식회사 평판표시장치
US7247394B2 (en) * 2004-05-04 2007-07-24 Eastman Kodak Company Tuned microcavity color OLED display
TWI300436B (en) * 2005-05-20 2008-09-01 Eternal Chemical Co Ltd Organic light emitting materials and use thereof
EP1770676B1 (en) * 2005-09-30 2017-05-03 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Display device and electronic device

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003513423A (ja) * 1999-10-29 2003-04-08 トラスティーズ・オヴ・プリンストン・ユニヴァーシティ 球形構造を有する有機発光ダイオード
JP2003272873A (ja) * 2002-03-20 2003-09-26 Seiko Epson Corp 有機elヘッドとその作製方法及びそれを用いた画像形成装置
JP2006263935A (ja) * 2005-03-22 2006-10-05 Seiko Epson Corp 露光ヘッドの駆動方法及び画像形成装置の駆動方法
JP2009123404A (ja) * 2007-11-13 2009-06-04 Sony Corp 表示装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140027349A (ko) * 2011-05-31 2014-03-06 오스람 옵토 세미컨덕터스 게엠베하 유기 전계 발광 소자
JP2013016271A (ja) * 2011-06-30 2013-01-24 Canon Inc 表示装置
JP2013016272A (ja) * 2011-06-30 2013-01-24 Canon Inc 表示装置
JP2013179026A (ja) * 2011-08-12 2013-09-09 Canon Inc 有機el素子、及びこれを用いた発光装置、画像形成装置、発光素子アレイ、撮像装置、表示装置
JP2013235028A (ja) * 2012-05-02 2013-11-21 Mitsubishi Rayon Co Ltd 光学フィルムを用いた光学装置
KR20160086398A (ko) * 2013-12-27 2016-07-19 제이엑스 에네루기 가부시키가이샤 발광 소자
KR101894342B1 (ko) * 2013-12-27 2018-09-03 제이엑스티지 에네루기 가부시키가이샤 발광 소자

Also Published As

Publication number Publication date
US20100327304A1 (en) 2010-12-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5210267B2 (ja) 有機電界発光装置及びその製造方法
JP2011029172A (ja) 有機el装置及びその設計方法
US20110057210A1 (en) Organic electroluminescence device and method for producing the same
CN101997024B (zh) 显示设备
TWI527211B (zh) 有機發光顯示裝置及其製造方法
JP5117326B2 (ja) カラー表示装置及びその製造方法
JP5918340B2 (ja) カラー表示装置及びその製造方法
WO2018179914A1 (ja) 表示装置、および電子機器
JP2010080423A (ja) カラー表示装置及びその製造方法
JP2008108439A (ja) 電界発光素子および電界発光パネル
JP2011065773A (ja) 有機電界発光装置
JP2009205928A (ja) 微小共振器色変換el素子およびそれを用いた有機elディスプレイ
JP2010056016A (ja) カラー表示装置及びその製造方法
CN105576136A (zh) 有机发光器件及其制造方法
WO2016084759A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス装置、照明装置および表示装置
JP2011076799A (ja) 有機電界発光表示装置
JP5558064B2 (ja) 有機電界発光表示装置
JP2011210677A (ja) 有機電界発光装置
JP2013012493A (ja) カラー表示装置及びその製造方法
JP2011065943A (ja) 有機電界発光素子
JP5566069B2 (ja) 有機電界発光表示装置
JP2011210678A (ja) 有機電界発光装置
JP2011018583A (ja) 有機el装置及びその設計方法
JP5295913B2 (ja) 有機電界発光装置及びその製造方法
JP5306949B2 (ja) 有機電界発光装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20121214

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130412

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140204

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140701