JP2011017653A - 角度検出装置の誤差算出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】角度検出装置1は、円盤状に形成されるとともに、中心から円周に向かって放射状に設けられる複数の目盛線を有する目盛盤11と、目盛盤11の円周に沿って配設されるとともに、径方向に対向するように配設され、目盛線を検出する2つの検出器12とを備える。そして、各検出器12による検出角度に基づいて、中心誤差δを算出する。
【選択図】図1
Description
特許文献1に記載のエンコーダ装置(角度検出装置)は、被検知部(目盛線)を有する円板(目盛盤)と、2つのセンサ部材(検出器)とを備え、各センサ部材は、円板の回転中心に対して対称となる位置に配置されている。そして、エンコーダ装置は、各センサ部材にて検出される角度の平均値を算出することで円板の回転角度を算出している。
角度検出装置10は、図8、及び図9に示すように、複数の目盛線101Aを有する目盛盤101と、目盛盤101の円周に沿って配設され、目盛線101Aを検出する2つの検出器102とを備え、各検出器102による検出角度に基づいて、目盛盤101の回転角度を検出するものである。
特許文献1に記載のエンコーダ装置では、各センサ部材にて検出される角度の平均値を算出することで円板の回転角度を算出しているので、角度誤差を低減させることができる。
しかしながら、このような場合には、特許文献1に記載のエンコーダ装置では、角度誤差を低減させることができないという問題がある。
シミュレーションは、各検出器102を結ぶ直線の中点を各検出器102の中心Oとし、目盛盤101の中心O´は目盛盤101の回転によって中心誤差δを半径とする円の円周上を移動するものとし、角度検出装置10には、中心誤差δ以外の誤差はないものとして行った。
角度検出装置10における検出角度は、中心誤差δがない場合には、図10(A)に破線で示すように、目盛盤101の回転角度と一致する。しかしながら、中心誤差δがある場合には、図10(A)に実線で示すように、検出角度と、目盛盤101の回転角度との間に角度誤差が生じることとなる。具体的に、図10(B)に示すように、目盛盤101の回転と同じ周波数で角度誤差が生じることとなる。
また、図11における右側の検出器102を102A1とし、左側の検出器102を102A2とする。
各検出器102A1,102A2の検出角度θA1,θA2は、中心誤差δに起因する角度誤差ΔθA1,ΔθA2を含んでいるので、以下の式(1)で表すことができる。
このため、目盛盤101の中心O´が目盛盤101の回転によって回転する場合には、中心誤差δを算出しなければ角度誤差を低減させることができないという問題がある。
したがって、中心算出ステップは、第1角度算出ステップ、及び第2角度算出ステップにて算出される角度に基づいて、第1直線、及び第2直線の式を導出し、第1直線、及び第2直線の式を連立させて目盛盤の回転後における目盛盤の中心位置を算出することができる。
すなわち、本発明によれば、複数の検出器による検出角度に基づいて、中心誤差を算出することができ、角度誤差を低減させることができる。
そして、減算ステップは、第1角度変化算出ステップにて算出される角度の変化から一方の検出器による検出角度の平均値を減算し、第2角度変化算出ステップにて算出される角度の変化から他方の検出器による検出角度の平均値を減算する。ここで、第1角度変化算出ステップ、及び第2角度変化算出ステップにて算出される角度の変化は、目盛盤の回転角度における初期値の分だけオフセットされている。したがって、各検出器による検出角度の平均値を減算することで、オフセットを除去することができる。
したがって、本発明によれば、目盛盤の中心が目盛盤の回転前には座標軸上に存在していない場合であっても、複数の検出器による検出角度に基づいて、中心誤差を算出することができ、角度誤差を低減させることができる。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る角度検出装置1を示す図である。
角度検出装置1は、図1に示すように、円盤状に形成されるとともに、中心から円周に向かって放射状に設けられる複数の目盛線を有する目盛盤11と、目盛盤11の円周に沿って配設されるとともに、径方向に対向するように配設され、目盛線を検出する2つの検出器12とを備え、各検出器12による検出角度に基づいて、目盛盤11の回転角度を検出するものである。
また、目盛盤11の中心O´は目盛盤11の回転によって中心誤差δを半径とする円の円周上を移動する(図2中破線参照)。
以下、角度検出装置1には、中心誤差δ以外の誤差はないものとして、角度検出装置1の中心誤差δを算出する方法について説明する。なお、中心誤差δは、各検出器12の中心Oから各検出器12までの距離を1とする。
まず、図2に示すように、各検出器12の中心Oを原点とする直交座標系を定義し、各検出器12を結ぶ軸をX軸(座標軸)とし、このX軸と直交する軸をY軸とする。そして、目盛盤11の中心O´は、目盛盤11の回転前にはX軸上に存在し、目盛盤11は、回転角度θだけ回転したものとする。
なお、回転角度θは、例えば、各検出器12による検出角度と、各検出器12の間に配設された他の検出器(図示略)とに基づいて、特許第3826207号に記載の方法によって算出することができる。
次に、X軸と、目盛盤11の回転後における目盛盤11の中心O´、及び他方の検出器12A2を結ぶ第2直線L2とのなす角の角度、すなわち角度誤差ΔθA2を、目盛盤11の回転角度θ、及び他方の検出器12A2による検出角度θA2に基づいて算出する(第2角度算出ステップ)。
具体的に、第1角度算出ステップ、及び第2角度算出ステップでは、以下の式(4)に基づいて、角度誤差ΔθA1,ΔθA2を算出する。
具体的に、中心算出ステップでは、第1角度算出ステップにて算出される角度誤差ΔθA1に基づいて、以下の第1直線L1の式(5)を導出する。
(1)X軸と、第1直線L1とのなす角の角度は、検出器12A1における角度誤差ΔθA1に相当し、X軸と、第2直線L2とのなす角の角度は、検出器12A2における角度誤差ΔθA2に相当する。また、第1直線L1、及び第2直線L2は、それぞれ回転後における目盛盤11の中心O´を通る直線であるので、第1直線L1、及び第2直線L2の交点は、目盛盤11の中心O´となる。したがって、第1角度算出ステップ、第2角度算出ステップ、及び中心算出ステップを実行することによって、各検出器12による検出角度θA1,θA2に基づいて、中心誤差δを算出することができ、角度誤差を低減させることができる。
以下、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
前記第1実施形態では、第1角度算出ステップ、第2角度算出ステップ、及び中心算出ステップを実行することによって、中心誤差δを算出していた。これに対して、本実施形態では、第1角度変化算出ステップ、第2角度変化算出ステップ、減算ステップ、及び中心変化算出ステップを実行することによって、中心誤差δを算出している点で異なる。
前記第1実施形態における第1角度算出ステップ、及び第2角度算出ステップを実行することで角度誤差を算出すると、本実施形態では、図4に示すように、ΔθAB1,ΔθAB2を算出することとなる。したがって、第1直線L1、及び第2直線L2の式を導出することはできない。
X軸と、目盛盤11の中心O´、及び他方の検出器12A2を結ぶ第2直線L2とのなす角の目盛盤11を一回転させたときの角度の変化、すなわち角度誤差の変化ΔθAC2を、目盛盤11の回転角度θ、及び一方の検出器12A2による検出角度θA2に基づいて算出する(第2角度変化算出ステップ)。
具体的に、減算ステップでは、以下の式(9)に基づいて、各角度誤差の変化ΔθAD1,ΔθAD2を算出する。
具体的に、中心変化算出ステップでは、以下の式(10)に基づいて、目盛盤11の中心位置(O´X,O´Y)の変化を算出する。
なお、図5(A)は、各角度誤差の変化ΔθAC1,ΔθAC2を示す図であり、角度誤差を縦軸とし、目盛盤11の回転角度を横軸とした図である。図5(B)は、各角度誤差の変化ΔθAD1,ΔθAD2を示す図であり、角度誤差を縦軸とし、目盛盤11の回転角度を横軸とした図である。さらに、図5(C)は、各検出器12の中心Oを原点とする直交座標系における目盛盤11の中心位置の変化を示す図である。
まず、第1角度変化算出ステップ、第2角度変化算出ステップを実行することで、図5(A)に示すように、角度誤差の変化ΔθAC1(図5(A)中実線)、及び角度誤差の変化ΔθAC2(図5(A)中破線)を得ることができる。
次に、減算ステップを実行することで、図5(B)に示すように、角度誤差の変化ΔθAD1(図5(B)中実線)、及び角度誤差の変化ΔθAD2(図5(B)中破線)を得ることができる。
そして、中心変化算出ステップを実行することで、図5(C)に示すように、目盛盤11の中心位置の変化を得ることができる。
すなわち、本実施形態では、第1角度変化算出ステップ、第2角度変化算出ステップ、減算ステップ、及び中心変化算出ステップを実行することによって、目盛盤11の中心O´と、各検出器12の中心Oとの中心誤差δを算出することができる。
(2)第1角度変化算出ステップ、第2角度変化算出ステップ、減算ステップ、及び中心変化算出ステップを実行することによって、目盛盤11の中心が目盛盤11の回転前にはX軸上に存在していない場合であっても、各検出器12による検出角度θA1,θA2に基づいて、中心誤差δを算出することができ、角度誤差を低減させることができる。
以下、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
図6は、本発明の第3実施形態に係る角度検出装置1Bを示す図である。なお、図6では、右側の検出器12を12A1とし、左側の検出器12を12A2とし、上側の検出器12を12A3とし、下側の検出器12を12A4とし、各検出器12A2,12A3の間の検出器12を12A5とし、各検出器12A1,12A4の間の検出器12を12A6とする。
前記各実施形態では、角度検出装置1は、2つの検出器12を備えていた。これに対して、本実施形態では、角度検出装置1Bは、4つ以上の偶数個の検出器12を備えている点で異なる。
各検出器12は、各検出器12A1,12A2の組と、各検出器12A3,12A4の組と、各検出器12A5,12A6の組との3つの組となるように配設されている。
以下、角度検出装置1Bの中心誤差δを算出する方法について説明する。
そして、各検出器12の各組における2つの検出器12による検出角度に基づいて、前記第1実施形態、または前記第2実施形態における角度検出装置1の誤差算出方法にて目盛盤11の中心位置、または目盛盤11の中心位置の変化をそれぞれ算出して平均する。
具体的に、各検出器12A1,12A2、各検出器12A3,12A4、及び各検出器12A5,12A6による検出角度に基づいて算出される目盛盤11の中心位置、または目盛盤11の中心位置の変化をO1´、O2´、及びO3´とすれば、O1´、O2´、及びO3´は、以下の式(11)によって、平均することができる。
シミュレーションは、図7(A)に示すように、各検出器12の間隔を等間隔(π/5)とし、中心誤差δ=0.3とし、目盛盤11を一回転させることで行った。
ここで、目盛盤11の中心位置の変化は、図7(B)に示すように、半径0.3の円となっているので、中心誤差δが算出されていることが確認できる。
(3)各検出器12の各組における目盛盤11の中心位置、または目盛盤11の中心位置の変化を平均することで中心誤差δを算出するので、中心誤差δを高精度に算出することができ、角度誤差を更に低減することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、角度検出装置1,1Bは、目盛盤11の円周に沿って配設されるとともに、径方向に対向するように配設される2つ以上の偶数個の検出器12を備えていた。これに対して、角度検出装置は、目盛盤の円周に沿って配設される複数の検出器を備えていればよい。
11…目盛盤
12…検出器
Claims (4)
- 円盤状に形成されるとともに、中心から円周に向かって放射状に設けられる複数の目盛線を有する目盛盤と、前記目盛線を検出する検出器とを備え、前記検出器による検出角度に基づいて、前記目盛盤の回転角度を検出する角度検出装置の誤差算出方法であって、
前記角度検出装置は、前記目盛盤の円周に沿って配設される複数の前記検出器を備え、
前記各検出器による検出角度に基づいて、前記目盛盤の中心と、前記各検出器の中心との誤差を算出することを特徴とする角度検出装置の誤差算出方法。 - 請求項1に記載の角度検出装置の誤差算出方法において、
前記複数の検出器は、径方向に対向する2つの検出器とされ、
前記各検出器を結ぶ軸を直交座標系における座標軸とし、前記目盛盤の中心は、前記目盛盤の回転前には前記座標軸上に存在するとしたときに、
前記座標軸と、前記目盛盤の回転後における前記目盛盤の中心、及び一方の前記検出器を結ぶ第1直線とのなす角の角度を、前記目盛盤の回転角度、及び前記一方の検出器による検出角度に基づいて算出する第1角度算出ステップと、
前記座標軸と、前記目盛盤の回転後における前記目盛盤の中心、及び他方の前記検出器を結ぶ第2直線とのなす角の角度を、前記目盛盤の回転角度、及び前記他方の検出器による検出角度に基づいて算出する第2角度算出ステップと、
前記第1角度算出ステップ、及び前記第2角度算出ステップにて算出される角度に基づいて、前記第1直線、及び前記第2直線の式を導出し、前記第1直線、及び前記第2直線の式を連立させて前記目盛盤の回転後における前記目盛盤の中心位置を算出する中心算出ステップとを備え、
前記目盛盤の中心と、前記各検出器の中心との誤差を算出することを特徴とする角度検出装置の誤差算出方法。 - 請求項1に記載の角度検出装置の誤差算出方法において、
前記複数の検出器は、径方向に対向する2つの検出器とされ、
前記各検出器を結ぶ軸を直交座標系における座標軸としたときに、
前記座標軸と、前記目盛盤の中心、及び一方の前記検出器を結ぶ第1直線とのなす角の前記目盛盤を一回転させたときの角度の変化を、前記目盛盤の回転角度、及び前記一方の検出器による検出角度に基づいて算出する第1角度変化算出ステップと、
前記座標軸と、前記目盛盤の中心、及び他方の前記検出器を結ぶ第2直線とのなす角の前記目盛盤を一回転させたときの角度の変化を、前記目盛盤の回転角度、及び前記他方の検出器による検出角度に基づいて算出する第2角度変化算出ステップと、
前記第1角度変化算出ステップにて算出される角度の変化から前記一方の検出器による検出角度の平均値を減算し、前記第2角度変化算出ステップにて算出される角度の変化から前記他方の検出器による検出角度の平均値を減算する減算ステップと、
前記減算ステップにて算出される各角度の変化に基づいて、前記第1直線、及び前記第2直線の式を導出し、前記第1直線、及び前記第2直線の式を連立させて前記目盛盤の中心位置の変化を算出する中心変化算出ステップとを備え、
前記目盛盤の中心と、前記各検出器の中心との誤差を算出することを特徴とする角度検出装置の誤差算出方法。 - 請求項1に記載の角度検出装置の誤差算出方法において、
前記複数の検出器は、4つ以上の偶数個の検出器とされ、
前記各検出器は、径方向に対向する組となるように配設され、
前記各組のうち、いずれか1組の検出器を結ぶ軸を直交座標系における座標軸としたときに、
前記各組における2つの検出器による検出角度に基づいて、請求項2または請求項3に記載の角度検出装置の誤差算出方法にて前記目盛盤の中心位置、または前記目盛盤の中心位置の変化をそれぞれ算出して平均することで前記目盛盤の中心と、前記各検出器の中心との誤差を算出することを特徴とする角度検出装置の誤差算出方法。
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