JP2011014426A - 非水電解質二次電池用負極および非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】合金系負極活物質を含有する非水電解質二次電池において、充放電サイクル数の増加に伴う電池容量の低下、合金系負極活物質の集電体からの剥離、集電体の変形および電池の膨れなどを抑制する。
【解決手段】負極集電体23と、珪素、錫、珪素酸化物および錫酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1つの合金系負極活物質を含有する複数の柱状体32からなる負極活物質層24とを含む負極12において、第1層35、第2層36および第3層37を順次積層して柱状体32を形成する。第1層35は珪素酸化物または錫酸化物を含有し、前記酸化物の酸素含有量が連続的または段階的に減少する。第2層36は珪素または錫を含有する。第3層37は珪素酸化物または錫酸化物を含有し、前記酸化物の酸素含有量が連続的または段階的に増加する。
【選択図】図3

Description

本発明は、非水電解質二次電池用負極および非水電解質二次電池に関する。さらに詳しくは、本発明は主に、合金系負極活物質を用いる非水電解質二次電池における、負極活物質層の改良に関する。
非水電解質二次電池は、高容量および高エネルギー密度を有し、小型化および軽量化が容易なことから、電子機器などの電源として汎用されている。電子機器には、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、ノート型パーソナルコンピュータ、ビデオカメラ、携帯ゲーム機などがある。また、非水電解質二次電池を電気自動車などの輸送機器の駆動用電源として用いる研究が盛んに行われ、一部実用化されつつある。代表的な非水電解質二次電池は、リチウムコバルト複合酸化物を含有する正極、炭素材料を含有する負極およびポリオレフィン製多孔質膜(セパレータ)を含む。
炭素材料以外の負極活物質として、合金系負極活物質が知られている。合金系負極活物質は、負極電位下でリチウムイオンを可逆的に吸蔵および放出する。合金系負極活物質は、リチウムと合金化することにより、リチウムイオンを吸蔵する。合金系負極活物質には、珪素、錫、珪素酸化物、錫酸化物などがある。合金系負極活物質は、高い放電容量を有している。たとえば、珪素の理論放電容量は約4199mAh/gであり、従来から負極活物質として用いられる黒鉛の理論放電容量の約11倍である。したがって、合金系負極活物質は、非水電解質二次電池の高容量化には有効である。
合金系負極活物質を用いる非水電解質二次電池は、優れた電池性能を有しているが、充放電回数が増加すると、容量低下、変形などが起こり易い。その原因は、合金系負極活物質の体積変化にあると推測されている。合金系負極活物質は、リチウムイオンの吸蔵および放出に伴う体積変化(膨張および収縮)が大きく、体積変化の際に比較的大きな応力を発生する。したがって、合金系負極活物質を用いる非水電解質二次電池の容量低下、変形を防止するために、種々の提案がなされている。
たとえば、集電体の表面に凸部を形成し、合金系負極活物質を含有する柱状体を前記凸部表面に形成した非水電解質二次電池用負極が提案されている(特許文献1参照)。柱状体は凸部表面から集電体の外方に延びるように形成され、その内部には、リチウムイオンの吸蔵および放出による体積変化の小さい箇所を含んでいる。体積変化の小さい箇所は、たとえば、柱状体の長手方向の両端部、柱状体の長手方向の中間部などに設けられている。また、合金系負極活物質にSiOxを用いる場合、体積変化の小さい箇所では、それ以外の部分よりも前記xの値を大きくしている。
特許文献1の負極を用いると、高出力および高容量を有し、出力特性などの電池性能に優れた非水電解質二次電池が得られる。また、合金系負極活物質を含有する柱状体が、それに隣り合う他の柱状体との間に空隙が存在するように形成されているので、柱状体の体積変化に伴って発生する応力がこの空隙によって緩和される。その結果、負極集電体および負極の変形、電池の膨れなどの発生が非常に少なくなる。
ところが、特許文献1の負極を含む電池を長期的に使用し、充放電サイクル数が増加すると、容量の低下が徐々に大きくなり、サイクル特性が劣化する傾向がある。この電池は従来の電池よりも高容量なので、多少の容量低下は、電子機器や電気自動車の電源としての実使用に殆ど支障を来たさない。しかしながら、高出力をさらに長期間にわたって維持し、電池の耐用寿命をさらに延ばすという観点から、特許文献1の負極には改良の余地が残されている。
また、負極集電体と負極活物質層とを含み、負極活物質層が珪素および金属元素を含有しかつ金属元素増減領域を有する負極が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。金属元素増減領域とは、負極活物質層の厚さ方向において金属元素濃度が増加した後に減少する領域である。金属元素としては、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケルおよびジルコニウムが挙げられている。これらの金属元素は、負極電位下でのリチウムイオンの吸蔵および放出にはほとんど関与しない。
特許文献2の技術は、金属元素増減領域を設けることにより、珪素を含有する負極活物質層の体積変化を緩和し、負極集電体の変形、電池の膨れなどを抑制しようとしている。しかしながら、珪素マトリックス中において金属元素を均一に増減させることは、工業的規模での生産では困難であり、金属元素の分布は不均一になり易い。その結果、リチウムイオンの吸蔵に伴う体積変化(膨張)が局所的に起こり、その部分に応力が集中する。このため、負極集電体の変形を十分に抑制できない。また、充放電サイクル特性が顕著に低下する。
特開2008−192594号公報 特開2007−257868号公報
本発明の目的は、合金系負極活物質を含有し、充放電サイクル数が増加しても、集電体の変形および電池の膨れが抑制され、電池の容量低下が非常に少ない非水電解質二次電池用負極および前記負極を含む非水電解質二次電池を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するための研究過程において、特許文献1の負極が充放電サイクル数の増加に伴って電池の容量低下を引き起こす理由について検討した。その結果、次のような知見を得た。
特許文献1の負極において、負極活物質層を構成する柱状体は、その内部に酸素含有量が相対的に高いSiOx層を有している。酸素含有量が相対的に高いSiOx層は、酸素含有量が相対的に低いSiOx層に比べて体積が小さい。したがって、特許文献1の柱状体は、全体が酸素含有量の相対的に低いSiOx層で構成される柱状体に比べて体積が小さい。そして、充電開始時には柱状体はリチウムイオンを放出した状態にあるので、その体積が最も小さくなっている。
このため、負極の正極と対向する部分に、負極の負極集電体が露出する領域が生じる。そして、充電のために正極から放出されるリチウムイオンが、負極集電体が露出する領域にリチウム金属として析出する。これにより、充放電に寄与するリチウムイオン量が減少する。これが、充放電サイクル数の増加に伴って電池容量を低下させる一因になっているものと推測される。
また、特許文献1の柱状体は、酸素含有量が相対的に高いSiOx層と、酸素含有量が相対的に低いSiOx層とを含んでいる。これらの2つの層は体積変化の差が大きい。また、これらの2つの層は、特許文献2の柱状体内において隣接して存在している。すなわち、体積変化の差が大きい2つの層が隣接して存在している。単一層からなる柱状体であれば、体積変化に伴って発生する応力は、柱状体の周囲に存在する空隙によって緩和される。しかしながら、柱状体の内部で発生する、体積変化の差に伴う応力を緩和することは困難である。
このため、充放電サイクル数が増加すると、柱状体表面において合金系負極活物質(SiOx)の部分的な剥離が発生しやすくなる。剥離が発生した箇所では、化学的に活性なSiOx層が露出し、非水電解質と接触して副反応が起こる。その結果、充放電反応に寄与する合金系負極活物質の量が減少し、かつ非水電解質の量も減少する。これが、電池容量の低下やサイクル特性の劣化などの一因になっているものと推測される。
このような知見に基づいて、本発明者らはさらに研究を行った。その結果、合金系負極活物質を含有する負極活物質層を、第1層、第2層および第3層の積層体とする構成を想到するに至った。第1層ではその酸素含有量を厚さ方向に段階的または連続的に減少させ、第2層では酸素含有量を第1層および第3層よりも少なくし、第3層ではその酸素含有量を厚さ方向に段階的または連続的に増加させている。
本発明者らは、上記構成を採ることにより、柱状体内部で発生する応力が緩和され、柱状体表面からの合金系負極活物質の剥離が抑制されることを見出した。また、本発明者らは、中間層である第2層を酸素含有量が最も少ない層とすることにより、負極集電体表面が正極に対して露出するのを防止できることを見出した。その結果、充電時に、負極集電体表面にリチウムイオンがリチウム金属として析出するのを抑制できることを見出した。これらの知見に基づいて、本発明者らは、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、下記の非水電解質二次電池用負極を提供する。
本発明の非水電解質二次電池用負極は、負極集電体と負極活物質層とを含んでいる。
負極活物質層は負極集電体の表面に設けられ、珪素、錫、珪素酸化物および錫酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1つの合金系負極活物質を含有し、かつ、負極集電体の表面から負極活物質層の表面に向かう方向に順次積層される第1層、第2層および第3層を含んでいる。
第1層は珪素酸化物または錫酸化物を含有し、珪素酸化物または錫酸化物の酸素含有量が第2層に向かう方向に連続的または段階的に減少している。第2層は珪素または錫を含有している。第3層は珪素酸化物または錫酸化物を含有し、珪素酸化物または錫酸化物の酸素含有量が第2層から離れる方向に連続的または段階的に増加している。
好ましい形態では、負極活物質層は合金系負極活物質を含有する複数の柱状体の集合体であり、柱状体は互いに離隔して負極集電体表面から外方に延び、第1層、第2層および第3層を含む。
第1層に含有される珪素酸化物または錫酸化物における酸素含有量の変動幅および第3層に含有される珪素酸化物または錫酸化物における酸素含有量の変動幅が10重量%〜45重量%であることが好ましい。
第1層は、珪素酸化物または錫酸化物における酸素含有量が第2層に向かう方向に連続的または段階的に増加する領域を含んでもよい。
第3層は、珪素酸化物または錫酸化物における酸素含有量が第2層から離れる方向に連続的または段階的に減少する領域を含んでもよい。
第1層の酸素含有量は、好ましくは、第1層全量の25重量%〜50重量%である。
第2層は珪素または錫とともに不可避的不純物として酸素を含有することがあり、その酸素含有量が第2層全量の1重量%〜25重量%である。
第3層の酸素含有量は、好ましくは、第3層全量の10重量%〜50重量%である。
第1層の厚さは、好ましくは0.4μm〜7.5μmである。
第2層の厚さは、好ましくは0.85μm〜15.5μmである。
第3層の厚さは、好ましくは0.3μm〜7.5μmである。
また、本発明は、リチウムイオンを吸蔵および放出可能な正極活物質を含有する正極活物質層と正極集電体とを含む正極と、非水電解質二次電池用負極と、前記正極と前記負極との間に介在するように配置されるリチウムイオン透過性のセパレータと、リチウムイオン伝導性非水電解質とを備える非水電解質二次電池を提供する。
本発明の非水電解質二次電池は、本発明の非水電解質二次電池用負極を含むことにより、容量、エネルギー密度および出力が高く、出力特性、レート特性、サイクル特性などの電池性能に優れている。また、本発明の非水電解質二次電池は、充放電サイクル回数が増加しても、容量の低下が非常に少なく、サイクル特性も劣化し難い。これにより、従来の非水電解質二次電池よりも耐用寿命が延び、耐用寿命のほぼ全般にわたって高出力が可能である。したがって、本発明の非水電解質二次電池は、携帯用電子機器などの電源として用いられるだけでなく、電気自動車の駆動用モータの電源などの、瞬間的な高出力を要求される用途にも好適に使用できる。
本発明の実施形態の1つである非水電解質二次電池の構成を模式的に示す縦断面図である。 図1に示す非水電解質二次電池に含まれる負極集電体の構成を模式的に示す上面図である。 図1に示す非水電解質二次電池に含まれる負極の構成を拡大して模式的に示す縦断面図である。 図3に示す負極の負極活物質層に含まれる柱状体の構成を模式的に示す縦断面図である。 図3に示す負極の負極活物質層に含まれる柱状体の製造方法を説明するための縦断面図である。 負極集電体の製造方法を示す縦断面図である。 図6に示す製造方法により得られる負極集電体の要部の構成を模式的に示す上面図である。 図3に示す負極活物質層を形成するための電子ビーム式蒸着装置の構成を模式的に示す側面図である。
図1は、本発明の実施形態の1つである非水電解質二次電池1の構成を模式的に示す縦断面図である。図1では、負極12を簡略化して示している。図2は、図1に示す非水電解質二次電池1に含まれる負極集電体23の構成を模式的に示す上面図である。図3は、図1に示す非水電解質二次電池1に含まれる負極12の構成を拡大して模式的に示す縦断面図である。図4は、図3に示す負極12の負極活物質層24に含まれる柱状体32の構成を模式的に示す縦断面図である。
非水電解質二次電池1は、正極11、負極12、セパレータ13、正極リード14、負極リード15、ガスケット16、外装ケース17および図示しない非水電解質を含んでいる。非水電解質二次電池1では、正極11と負極12とを、これらの間にセパレータ13を介在させて積層した積層型電極群を含んでいる。
正極11は、正極集電体21と正極活物質層22とを含む。
正極集電体21には、導電性基板を使用できる。導電性基板の材質は、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、アルミニウム合金などの金属材料、導電性樹脂などである。また、導電性基板には、多孔性導電性基板および無孔の導電性基板がある。多孔性導電性基板には、メッシュ体、ネット体、パンチングシート、ラス体、多孔質体、発泡体、不織布などがある。無孔の導電性基板には、箔、シート、フィルムなどがある。導電性基板の厚みは、通常1μm〜500μm、好ましくは1μm〜50μmである。
正極活物質層22は、正極集電体21の厚さ方向の片方の表面に設けられ、正極活物質を含有する。正極活物質層22は、正極活物質とともに、導電剤、結着剤などを含有してもよい。本実施形態では、正極活物質層22は、正極集電体21の厚さ方向の片方の表面に設けられているが、それに限定されず、両方の表面に設けられていてもよい。
正極活物質には、正極電位下でリチウムイオンを吸蔵および放出する物質を使用でき、リチウム含有複合酸化物、オリビン型リン酸リチウムなどが好ましい。
リチウム含有複合酸化物は、リチウムと遷移金属元素とを含む金属酸化物または該金属酸化物中の遷移金属元素の一部が異種元素によって置換された酸化物である。遷移金属元素には、Mn、Fe、Co、Ni、Sc、Y、Cu、Crなどがある。これらの中でも、Mn、Fe、Co、Niなどが好ましい。異種元素には、Na、Mg、Zn、Al、Pb、Sb、Bなどがある。これらの中でも、Al、Mgなどが好ましい。遷移金属元素および異種元素は、それぞれ、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
リチウム含有複合酸化物には、LilCoO2、LilNiO2、LilMnO2、LilComNi1-m2、LilCom1-mn、LilNi1-mmn、LilMn24、LilMn2-mm4(前記各式中、AはNa、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、SbおよびBよりなる群から選ばれる少なくとも1つの元素を示す。0<l≦1.2、m=0〜0.9、n=2.0〜2.3である。)などが挙げられる。リチウムのモル比を示す「l」の値は正極活物質作製直後の値であり、充放電により増減する。
また、オリビン型リン酸リチウムには、LiXPO4、Li2XPO4F(式中、XはCo、Ni、MnおよびFeよりなる群から選ばれる少なくとも1つである)などがある。
正極活物質は1種を単独で使用または2種以上を組み合わせて使用できる。
導電剤には、天然黒鉛、人造黒鉛などのグラファイト類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック類、炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維類、フッ化カーボンなどがある。導電剤は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
結着剤には、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリアミドイミド、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ヘキシル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ヘキシル、ポリ酢酸ビニル、ポリエーテル、ポリエーテルサルホン、スチレンブタジエンゴム、変性アクリルゴムなどを使用できる。
結着剤には、2種類以上のモノマー化合物を含有する共重合体も使用できる。モノマー化合物には、テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、エチレン、プロピレン、ヘキサフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、アクリル酸、メタアクリル酸などがある。
結着剤は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
正極活物質層22は、正極合剤スラリーを正極集電体21表面に塗布し、乾燥させ、圧延することにより形成できる。正極合剤スラリーは、正極活物質および導電剤、結着剤などを有機溶媒に溶解または分散させることにより調製できる。有機溶媒には、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアミン、アセトン、シクロヘキサノンなどを使用できる。
負極12は、負極集電体23と負極活物質層24とを含む。
負極集電体23は、図2に示すように、シート部30と複数の凸部31とを含む。負極集電体23は、ステンレス鋼、チタン、ニッケル、銅、銅合金などの金属材料から構成される。
シート部30の厚さは特に制限はないが、通常は1μm〜50μmである。
複数の凸部31は、シート部30の表面30a(以下単に「シート部表面30a」とする)から外方に延び、かつ互いに離隔するように形成されている。1つの凸部31とそれに隣り合う凸部31との間には、空隙が存在する。本実施形態では、凸部31は、シート部表面30aに千鳥配置されているが、それに限定されず、格子状配置、最密充填配置などのように規則的に配列されていてもよい。凸部31は、不規則的に配列されていてもよい。
凸部31は、その延びる方向の先端部分にほぼ平面状の頂部を有する。凸部31の頂部表面は、シート部表面30aにほぼ平行である。本実施形態では凸部31の先端部分は平面状であるが、それに限定されず、ドーム状、先端が尖った形状などでもよい。
凸部31の平均高さは、好ましくは3μm〜20μmである。本明細書において、凸部31の高さは、負極集電体23の厚さ方向の凸部31の断面(以下単に「凸部31の断面」とする)において定義される。負極集電体23の厚さ方向と、シート部30の厚さ方向とは同じである。凸部31の断面は、凸部31の延びる方向における最先端点を含む断面である。
凸部31の高さは、凸部31の断面において、凸部31の延びる方向における最先端点からシート部表面30aに降ろした垂線の長さである。凸部31の平均高さは、たとえば、凸部31の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して100個の凸部31の高さを測定し、得られる測定値の平均値として求められる。
凸部31の平均幅は、好ましくは1μm〜50μmである。凸部31の幅は、凸部31の高さと同様に、凸部31の断面において定義される。凸部31の幅は、凸部31の断面において、シート部表面30aに平行な方向の凸部31の最大長さである。凸部31の平均幅も、100個の凸部31の幅を測定し、測定値の平均値として求められる。
なお、全ての凸部31を同じ高さまたは同じ幅に形成する必要はない。
凸部31の形状は、本実施形態では菱形である。凸部31の形状は、シート部表面30aを水平面に一致させた状態で、凸部31の鉛直方向上方からの正投影図における形状である。凸部31の形状は菱形に限定されず、たとえば、円形、多角形、楕円形、平行四辺形、台形などでもよい。
凸部31の個数、凸部31のピッチ(軸線間距離)などは特に制限されず、凸部31の寸法、後記する柱状体32の寸法などに応じて選択できる。凸部31の個数は、たとえば、1万個/cm2〜1000万個/cm2である。凸部31のピッチは、たとえば、2μm〜100μmである。負極集電体23が帯状の長尺物である場合、幅方向の凸部31のピッチは4μm〜30μm、長さ方向の凸部31のピッチは4μm〜40μmであることがそれぞれ好ましい。
凸部31の軸線は、凸部31の形状が円形である場合は、円の中心を通り、シート部表面30aに垂直な方向に延びる仮想線である。凸部31の軸線は、凸部31の形状が多角形、平行四辺形、台形、菱形などである場合は、対角線の交点を通り、シート部表面30aに垂直な方向に延びる仮想線である。凸部31の軸線は、凸部31の形状が楕円である場合、長軸と短軸との交点を通り、シート部表面30aに垂直な方向に延びる仮想線である。
凸部31は、その表面に図示しない1または2以上の突起を有していてもよい。
負極集電体23は、金属シートに凹凸を形成する技術を利用して製造できる。具体的には、表面に凹部が形成されたローラを利用する方法(以下「ローラ加工法」とする)などが挙げられる。金属シートには、金属箔、金属フィルム、金属板などを使用できる。金属シートの材質は、ステンレス鋼、ニッケル、銅、銅合金などの金属材料である。
金属シートには、凸部31を形成する前に、粗面化処理を施してもよい。粗面化処理方法には、めっき、エッチング、サンドブラストなどがある。粗面化処理後の金属シートをローラ加工法で処理すると、粗面化処理により得られる表面粗さが、そのまま凸部31表面に保持される。
ローラ加工法では、凸部用ローラを用いて金属シートをプレス加工する。凸部用ローラは、その表面に複数の凹部が形成されたローラである。凸部用ローラの使用により、凹部の内部空間の寸法および形状、凹部の個数および配置にほぼ対応する凸部31が形成され、負極集電体23が得られる。
具体的には、まず、2つの凸部用ローラをそれぞれの軸線が平行になるように圧接させ、圧接ニップ部を形成する。この圧接ニップ部に金属シートを通過させると、金属シートにプレス加工が施され、厚さ方向の両方の表面に凸部31が形成された負極集電体23が得られる。また、凸部用ローラと表面が平滑なローラとをそれぞれの軸線が平行になるように圧接させ、圧接ニップ部を形成する。この圧接ニップ部に金属シートを通過させると、厚さ方向の片方の表面に凸部31が形成された負極集電体23が得られる。
ローラの圧接圧は金属シートの材質、厚さ、凸部31の形状、寸法、加圧成形後に得られる負極集電体23(シート部31)の厚さの設定値などに応じて適宜選択される。得られる負極集電体23の表面に、上記と同様の粗面化処理を施しても良い。
凸部用ローラは、たとえば、セラミックローラの表面における所定位置に、レーザ加工により凹部を形成することによって作製できる。セラミックローラには、芯用ローラと、溶射層とを含むものを使用できる。芯用ローラには、鉄製ローラ、ステンレス鋼製ローラなどを使用できる。溶射層は、芯用ローラ表面に、酸化クロムなどのセラミック材料を均一に溶射することによって形成される。溶射層に凹部が形成される。
セラミックローラの代りに、芯用ローラと超硬合金層とを含むローラを使用できる。芯用ローラは上記と同じものである。超硬合金層は芯用ローラの表面に形成され、炭化タングステンなどの超硬合金を含む。超硬合金層は、芯用ローラに、円筒状に形成した超硬合金を焼き嵌めするかまたは冷やし嵌めすることによって形成できる。
また、セラミックローラの代りに、硬質鉄系ローラを使用できる。硬質鉄系ローラには、少なくとも凹部を形成する表面がハイス鋼、鍛鋼などからなるローラを使用できる。
本実施形態では、負極集電体23は一方の表面に複数の凸部31が形成されているが、両方の表面に凸部31が形成されていてもよい。また、負極集電体23は、表面に凸部31が形成されていない、シート状の集電体でもよい。
負極活物質層24は、複数の柱状体32の集合体である。柱状体32は、凸部31表面から外方に延びかつ互いに離隔するように形成されている。1つの柱状体32と、隣り合う柱状体32との間には、空隙が存在する。
柱状体32は、珪素、錫、珪素酸化物および錫酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1つの合金系負極活物質を含有している。合金系負極活物質は、リチウムと合金化してリチウムを吸蔵するとともに、負極電位下でリチウムを吸蔵および放出する物質である。珪素酸化物には、式SiOa(0<a<1.99、好ましくは0.05<a<1.95)で表される酸化珪素などを使用できる。錫酸化物には、式SnOb(0<b<2)で表される酸化錫、二酸化錫(SnO2)などを使用できる。
柱状体32は、第1層35、第2層36および第3層37の積層体である。第1層35、第2層36および第3層37は、この順番で、凸部31表面から負極活物質層24の表面に向かう方向に積層されている。
第1層35は凸部31表面に形成されている。第1層35は、負極12の厚さ方向において、一方の表面が凸部31表面に接し、かつ他方の表面が第2層36に接している。第1層35は、合金系負極活物質として、珪素酸化物または錫酸化物を含有している。第1層35においては、珪素酸化物または錫酸化物の酸素含有量(以下単に「酸素含有量」とする)が、第2層36に向かう方向に段階的に減少している。第2層36に向かう方向は、凸部31表面から負極活物質層24の表面に向かう方向に一致している。
なお、第1層35では酸素含有量が段階的に減少しているが、酸素含有量の段階的な減少にはならない酸素含有量を有する層が部分的に含まれていてもよい。酸素含有量を連続的に減少させる場合も同様である。すなわち、段階的または連続的な減少は、第1層35全体において平均的な傾向であればよい。
第1層35は、より具体的には、図4に示すように薄層60、61、62の積層体として構成されている。薄層60、61、62は、珪素酸化物または錫酸化物を含有している。薄層61中の酸素含有量は同じである。薄層62中の酸素含有量は同じである。薄層63中の酸素含有量は同じである。一方、薄層61中の酸素含有量は、薄層60中の酸素含有量よりも少ない。薄層62中の酸素含有量は、薄層61中の酸素含有量よりも少ない。このように、第1層35では、第2層36に近付くにつれて、酸素含有量が段階的に減少している。
第1層35は、たとえば、凸部31と、リチウム吸蔵能力の高い第2層36とを安定的に接合するために設けられている。一般に、珪素酸化物または錫酸化物を含有する薄膜では、酸素含有量が少ないほど、体積変化およびそれに伴って発生する応力が大きい。第1層35では、酸素含有量を段階的に減少させ、第2層36に接する薄層62の酸素含有量を、第2層36の薄層63の酸素含有量に近づけている。このため、接触する薄層62、63間では体積変化の差が小さくなり、大きな応力が発生し難くなっている。その結果、第2層36および第3層37の第1層35からの剥離が抑制される。
また、第1層35では、凸部31表面に接する薄層61の酸素含有量を多くし、薄層60の体積変化を小さくしている。これにより、柱状体32の凸部31からの剥離が顕著に抑制される。また、柱状体32から凸部31を介して負極集電体23に付加される応力が小さくなる。その結果、負極集電体23の変形(挫屈)が抑制され、非水電解質二次電池1の膨れが抑制される。
第1層35の酸素含有量は、25重量%〜50重量%の範囲から選択するのが好ましい。たとえば、薄層60の酸素含有量を薄層60全量の40重量%〜50重量%とし、薄層61の酸素含有量を薄層61全量の35重量%〜45重量%とし、薄層62の酸素含有量を薄層62全量の30重量%〜40重量%とし、薄層60から薄層62に向けて、酸素含有量を減少させる構成が考えられる。
第1層35の酸素含有量が25重量%未満では、凸部31と第1層35との界面で比較的大きな応力が発生し、柱状体32の凸部31からの剥離などが発生し易くなるおそれがある。その結果、電池容量が低下するおそれがある。また、第1層35の酸素含有量が50重量%を超えると、第1層35と第2層36との体積変化の差が大きくなり、主に第1層35と第2層36との界面およびその周辺において、亀裂や合金系負極活物質の破片の剥落などが発生し易くなるおそれがある。これは、電池容量の低下などを引き起こすおそれがある。
第1層35に含有される珪素酸化物または錫酸化物における酸素含有量の変動幅は、好ましくは10〜45重量%である。変動幅が10重量%未満では、第1層35における酸素含有量の勾配が得られず、凸部31と第2層35とを接合する機能が不十分になるおそれがある。また、変動幅が45重量%を超えると、第1層35における酸素含有量の勾配が急になりすぎ、体積変化に伴って発生する応力が大きくなり、亀裂や剥落が発生し易くなるおそれがある。
第1層35の厚さは、好ましくは0.4μm〜7.5μm、さらに好ましくは3μm〜6μmである。図3および図4に示すように、第1層35の厚さは均一ではない。しかし、第1層35の任意の部分の厚さが前記範囲内にあれば、第2層36の比較的大きな体積変化を緩和することが可能になる。その結果、柱状体32の凸部31からの剥離が抑制される。また、柱状体32表面での亀裂や合金系負極活物質の破片の剥落などの発生が抑制される。
第1層35の厚さが0.4μm未満では、第1層35において酸素含有量を段階的に減少させることが困難になるおそれがある。その結果、第1層35が、第2層36の比較的大きな体積変化を十分に緩和できなくなるおそれがある。一方、第1層35の厚さが7.5μmを超えると、非水電解質二次電池1における負極12の厚さには限度があるので、相対的に第2層36の厚さが小さくなる。第2層36は実質的には酸素を含有せず、リチウム吸蔵量の多い部分であることから、第2層36の厚さが小さくなると、負極12の容量が低下するおそれがある。
第1層35の厚さは、シート部表面30aに垂直な方向における第1層35の幅である。第1層35の厚さは、柱状体32のシート部表面30aに垂直な方向の断面を、走査型電子顕微鏡で観察することにより測定できる。前記断面は、柱状体32の最先端点を含む断面とする。第2層36の厚さおよび第3層37の厚さも、第1層35の厚さと同じである。
第1層35は、その内部に、第1層35における酸素含有量の勾配から外れる酸素含有量を有する薄層(以下「異種薄層A」とする)を含むことができる。異種薄層Aは、たとえば、珪素酸化物または錫酸化物を含有し、酸素含有量が第2層36に向かう方向に連続的または段階的に増加する領域である。異種薄層Aの形成により、第1層35内部での応力の相殺がおこり、第1層35を安定的に維持できる。異種薄層Aの厚さは、第1層35を構成する薄層との応力差が大きくなるのを避けるために、第1層35の最小厚さの10%以下にするのが好ましい。第1層層35は、複数の異種薄層Aを含むことができる。
異種薄層Aは、第1層35のシート部表面30aに平行な方向の断面全域を覆う必要はない。前記断面の数箇所に点在するように設けてもよい。点在する異種薄層Aは、たとえば、真空蒸着装置において所定の形状を有するマスクを利用することにより、容易に形成できる。
本実施形態では、第1層35を3層の薄層の積層体として構成しているが、それに限定されず、2層以上の任意の数の薄層の積層体とすることができる。また、本実施形態では、第1層35における酸素含有量を段階的に減少させているが、それに限定されず、酸素含有量を連続的に減少させてもよい。
第2層36は第1層35の表面に形成されている。第2層36は、負極12の厚さ方向において、一方の表面が第1層35の表面に接し、かつ他方の表面が第3層37に接している。第2層36は、合金系負極活物質として、珪素または錫を含有している。たとえば、珪素は珪素酸化物よりもリチウム吸蔵能力が大きく、リチウム吸蔵時の体積変化が大きい。本実施形態のように、第2層36を直接凸部31表面に形成せず、第1層35を介して形成することにより、柱状体32のリチウム吸蔵能力を向上させつつ、柱状体32の凸部31からの剥離を顕著に抑制できる。
第2層36は、薄層63、64、65、66、67、68、69(以下「薄層63〜69」とする)の積層体である。薄層63〜69は、それぞれ、合金系負極活物質として珪素または錫を含有している。
第2層36は、たとえば、柱状体32のリチウム吸蔵能力を向上させ、負極12の高容量化および高出力化を達成するために設けられている。第2層36は珪素または錫からなり、そのリチウム吸蔵能力は高い。
第2層36は、たとえば、第1層35を形成した後に、第1層35を形成したのと同じ真空蒸着装置を用いて形成される場合がある。したがって、第1層35を成形するのに使用する酸素が真空蒸着装置中に残留し、この残留酸素が不可避的不純物として第2層36中に含有されることがある。真空蒸着装置中の酸素を完全に除去することは困難である。
このため、第2層36は、不可避的不純物として第2層36全量の1〜25重量%の酸素を含有することがある。第2層36の酸素含有量を1重量%未満にするためには、真空蒸着装置中の酸素を完全に除去することが必要になるが、実質的には困難である。第2層36の酸素含有量は、第2層36形成時に酸素を使用しないので、25重量%を超えることはない。また、酸素含有量が25重量%を超えても、第1層35の薄層62の酸素含有量よりも低い値であれば、負極12の容量は実用的な範囲に維持される。
第2層36の厚さは、好ましくは0.85μm〜15.5μm、さらに好ましくは7μm〜12μmである。図3および図4に示すように、第2層35も厚さは均一ではない。しかし、第2層36の任意の部分の厚さが前記範囲にあれば、柱状体32のリチウム吸蔵能力が顕著に向上する。それとともに、第2層36の体積変化に伴って発生する応力が第1層35および第3層37により緩和される。
第2層36の厚さが0.85μm未満では、柱状体32の大部分が、酸素含有量の比較的多い第1層35と第3層37とで構成されることになり、柱状体32のリチウム吸蔵能力が低下するおそれがある。第2層36の厚さが15.5μmを超えると、第2層36を挟むように第1層35と第3層37とを形成しても、第2層36の体積変化に伴って発生する応力が大きくなる。その結果、第1層35と第2層36との界面付近で、亀裂や合金系負極活物質の破片の剥落などが発生し易くなる。また、前記界面付近で、第2層36と第3層37とが、第1層35から剥落するおそれがある。
第2層36は、その内部に、酸素含有量が比較的多い薄層を含んでいてもよい。これにより、第2層36の内部で発生する応力を緩和できる。この薄層における酸素含有量は、たとえば、1重量%〜25重量%である。この薄層の厚さは、第2層36を構成する薄層との応力差が大きくなるのを避けるために、第2層36の最小厚さの10%以下、さらには5%以下にするのが好ましい。第2層36は、複数の、酸素含有量が比較的多い薄層を含むことができる。
第3層37は第2層36表面に形成されている。第3層37は、負極12の厚さ方向において、一方の表面が第2層36表面に接し、かつ他方の表面が負極活物質層24の表面になっている。第3層37は、合金系負極活物質として、珪素酸化物または錫酸化物を含有している。第3層37においては、酸素含有量が、第2層36から離れる方向に段階的に増加している。第2層36から離れる方向は、凸部31表面から負極活物質層24の表面(第3層37表面)に向かう方向に一致している。
なお、第3層37では酸素含有量が段階的に増加しているが、酸素含有量の段階的な増加にはならない酸素含有量を有する層が部分的に含まれていてもよい。酸素含有量を連続的に増加させる場合も同様である。すなわち、段階的または連続的な増加は、第3層37全体において平均的な傾向であればよい。
第3層37は、より具体的には、図4に示すように薄層70、71、72の積層体として構成されている。薄層70、71、72は、珪素酸化物または錫酸化物を含有している。薄層70中の酸素含有量は同じである。薄層71中の酸素含有量は同じである。薄層72中の酸素含有量は同じである。一方、薄層71中の酸素含有量は、薄層70中の酸素含有量よりも多い。薄層72中の酸素含有量は、薄層71中の酸素含有量よりも多い。第3層37では、第2層36から離れるにつれて、酸素含有量が段階的に増加している。
第3層37は、たとえば、第2層36が柱状体32の先端部分に露出するのを防止するために設けられている。柱状体32の側面の周囲には空隙が存在し、珪素または錫の体積変化に伴って発生する応力が緩和される。一方、柱状体32の先端部分にはセパレータ13が近接または接触し、珪素または錫の体積変化に伴って発生する応力を緩和する空間が少ない。このため、体積変化の大きい第2層36が先端部分に露出すると、亀裂や剥落が発生し易くなる。
第2層36が柱状体32の先端部分に露出する場合、第2層36で発生する亀裂は、充放電サイクルの回数が増加するにつれて、柱状体32の表面を伝播して行く。この亀裂は、最終的には、柱状体32と凸部31との界面まで達し、柱状体32が凸部31から剥離し易くなる。
これに対し、第3層37では、酸素含有量が第2層36の酸素含有量と大きく離れていない薄層70を第2層36表面に設けている。このため、薄層70と第2層36との体積変化の差が比較的少なくなり、第2層36で発生する応力を緩和することができる。その結果、薄層70と第2層36との界面において第2層36に亀裂などが発生するのを抑制できる。一方、柱状体32の先端部分に相当する薄層72は、酸素含有量を多くしているので、体積変化およびそれに伴って発生する応力が小さい。したがって、薄層72がセパレータ13に近接または接触していても、薄層72の表面には亀裂などが発生し難い。
第3層37の酸素含有量は、第3層全量の10〜50重量%の範囲から選択するのが好ましい。より具体的には、薄層70の酸素含有量を薄層70全量の20〜35重量%とし、薄層71の酸素含有量を薄層71全量の30〜45重量%とし、薄層72の酸素含有量を薄層72全量の40〜50重量%とし、薄層70から薄層72に向けて、酸素含有量を増加させる構成が考えられる。
第3層37の酸素含有量が10重量%未満であると、第3層37のセパレータ13に接触または近接する部分で亀裂や合金系負極活物質の破片の剥落などが発生し易くなるおそれがある。発生した亀裂は、柱状体32全体に伝播し、柱状体32の凸部31からの剥離などを引き起こすおそれがある。第3層37の酸素含有量が50重量%を超えると、第3層37と第2層36との体積変化の差が大きくなり、主に第3層37と第2層36との界面およびその周辺において、亀裂や合金系負極活物質の破片の剥落などが発生し易くなるおそれがある。これは、電池容量の低下などを引き起こすおそれがある。
第3層37に含有される珪素酸化物または錫酸化物における酸素含有量の変動幅は、好ましくは10重量%〜45重量%である。変動幅が10重量%未満では、酸素含有量の勾配が得られず、第2層35における亀裂や剥落の発生を十分に抑制することが困難になるおそれがある。また、変動幅が45重量%を超えると、酸素含有量の勾配が急になりすぎ、体積変化に伴って発生する応力が大きくなり、第3層37自体に亀裂や剥落が発生し易くなるおそれがある。
第3層37の厚さは、好ましくは0.3μm〜7.5μm、さらに好ましくは1μm〜4μmである。図3および図4に示すように、第3層37の厚さは均一ではない。しかし、第3層37の任意の部分の厚さが前記範囲にあれば、第2層36の比較的大きな体積変化を緩和することが可能になる。その結果、柱状体32の凸部31からの剥離が抑制される。また、柱状体32表面での亀裂や合金系負極活物質の破片の剥落などの発生が抑制される。
第3層37の厚さが0.3μm未満では、第3層37において酸素含有量を段階的に増加させることが困難になるおそれがある。その結果、第3層37が、第2層36の比較的大きな体積変化を十分に緩和できなくなるおそれがある。一方、第3層37の厚さが7.5μmを超えると、非水電解質二次電池1における負極12の厚さには限度があるので、相対的に第2層36の厚さが小さくなる。第2層36は実質的には酸素を含有せず、リチウム吸蔵能力の高い部分であることから、第2層36の厚さが小さくなると、負極12の容量が低下するおそれがある。
第3層37は、その内部に、第3層37における酸素含有量の勾配から外れる酸素含有量を有する薄層(以下「異種薄層B」とする)を含むことができる。異種薄層Bは、たとえば、珪素酸化物または錫酸化物を含有し、酸素含有量が第2層36から離れる方向に連続的または段階的に減少する領域である。異種薄層Bの形成により、第3層37内部での応力の相殺がおこり、第3層37を安定的に維持できる。異種薄層Bの厚さは、第3層37を構成する薄層との応力差が大きくなるのを避けるために、第3層37の最小厚さの10%以下にするのが好ましい。第1層層35は、複数の異種薄層Bを含むことができる。
異種薄層Bは、第3層37のシート部表面30aに平行な方向の断面全域を覆う必要はない。前記断面の数箇所に点在するように設けてもよい。点在する異種薄層Bは、たとえば、真空蒸着装置において所定の形状を有するマスクを利用することにより、容易に形成できる。
本実施形態では、第3層37を3層の薄層の積層体として構成しているが、それに限定されず、2層以上の任意の数の薄層の積層体とすることができる。また、本実施形態では、第3層37における酸素含有量を段階的に減少させているが、それに限定されず、酸素含有量を連続的に減少させてもよい。
また、第1層35が珪素酸化物を含有する場合、第2層36は珪素を含有し、第3層37は珪素酸化物を含有するのが好ましい。第1層35が錫酸化物を含有する場合、第2層36は錫を含有し、第3層37は錫酸化物を含有するのが好ましい。
柱状体32は、たとえば、図8に示す電子ビーム式蒸着装置50を用いて形成できる。図8は、電子ビーム式蒸着装置50(以下単に「蒸着装置50」とする)の構成を模式的に示す側面図である。図8では、蒸着装置50内部も実線で示している。図8では、負極集電体23の表面の凸部31の図示を省略する。蒸着装置50は、電子ビームを用いた真空蒸着装置である。
蒸着装置50は、チャンバー51、第1配管52、固定台53、ノズル54、ターゲット55、図示しない電子ビーム発生装置、電源56および図示しない第2配管を含む。
チャンバー51は耐圧性容器であり、その内部に第1配管52、固定台53、ノズル54およびターゲット55を収容する。
第1配管52は、一端がノズル54に接続され、他端がチャンバー51の外方に延びて図示しないマスフローコントローラを介して図示しない原料ガスボンベまたは原料ガス製造装置に接続されている。原料ガスには酸素を使用する。第1配管52は、ノズル54に原料ガスを供給する。
固定台53は回転自在に支持される板状部材であり、その厚さ方向の一方の面に負極集電体23を固定する。固定台53は、実線の位置と一点鎖線の位置との間で回転する。実線の位置は、固定台53と二点鎖線で示す水平線58とのなす角が(90−ω)°=θ°である位置である。一点鎖線の位置は、固定台53と水平線58とが成す角の角度が(180−θ)°である位置である。角度ωは合金系負極活物質またはその原料の入射角であり、鎖線で示す鉛直線57と鎖線で示す垂直線59とが成す角である。垂直線59は、鉛直線57が固定台53と交わる位置を通り、固定台53表面に対して垂直な方向の直線である。角度ωは柱状体32の寸法などに応じて適宜選択できる。
ノズル54は、鉛直方向において固定台53とターゲット55との間に設けられ、第1配管52の一端に接続されている。ノズル54は、第1配管52から供給される原料ガスをチャンバー51内部に放出する。ターゲット55は合金系負極活物質を収容する。電子ビーム発生装置は、ターゲット55に収容される合金系負極活物質に電子ビームを照射し、蒸気化する。合金系負極活物質には、珪素または錫を使用する。
電源56はチャンバー51の外部に設けられて、電子ビーム発生装置に電圧を印加する。第2配管は、チャンバー51内の雰囲気になるガスを導入する。なお、蒸着装置50と同じ構成を有する電子ビーム式蒸着装置が、たとえば、アルバック(株)から市販されている。
蒸着装置50によれば、まず、負極集電体23を固定台53に固定し、チャンバー51内部に酸素を導入する。この状態で、ターゲット55の合金系負極活物質に電子ビームを照射し、蒸気化する。合金系負極活物質の蒸気は鉛直方向上方に上昇し、ノズル54周辺の空間を通過する際に、原料ガスと混合される。この混合物はさらに上昇し、固定台53に固定された負極集電体23の表面に供給され、図示しない凸部31表面に、珪素と酸素とを含む層が形成される。
蒸着装置50による柱状体32の作製について、図5を参照しながら具体的に説明する。図5は、柱状体32の製造方法を説明するための縦断面図である。
まず、固定台53を実線の位置に配置し、チャンバー51内に酸素を供給しながら、真空蒸着を行い、薄層片60aを形成する。次に、固定台53を一点鎖線の位置に配置し、酸素供給量を同じにして、薄層片60bを形成する。これにより、薄層60が形成される。次に、酸素供給量を減らす以外は、薄層片60a、60bの形成と同様にして、薄層片61a、61bを形成し、薄層61とする。次に、酸素供給量をさらに減らす以外は、薄層片60a、60bの形成と同様にして、薄層片62a、62bを形成し、薄層62とする。こうして、第1層35が形成される。
引き続き、酸素の供給を停止した状態で、固定台53を実線の位置および一点鎖線の位置に交互に配置し、真空蒸着を行い、薄層片63a、63b・・・69a、69bを積層する。具体的には、12個の薄層片を積層する。こうして、第2層36が形成される。
引き続き、酸素の供給を再開し、固定台53を実線の位置に配置して薄層片70aを形成し、固定台53を一点鎖線の位置に配置して薄層片70bを形成し、薄層70とする。次に、酸素供給量を増加する以外は、薄層片70a、70bの形成と同様にして、薄層片71a、71bを形成し、薄層71とする。次に、酸素供給量をさらに増加する以外は、薄層片70a、70bの形成と同様にして、薄層片72a、72bを形成し、薄層72とする。こうして、第3層37が形成され、柱状体32が得られる。
上記の方法では、第1層35および第3層37を形成する際に、2つの薄層片を積層するたびに、酸素供給量を変更している。これにより、本実施形態に示す、酸素含有量が段階的に変化する第1層35および第3層37を含む柱状体32が得られる。これに限定されず、1つの薄層片を形成する間でも酸素供給量を連続的に増減させても良い。これにより、酸素含有量が連続的に変化する第1層35および第3層37を含む柱状体32が得られる。
本実施形態では、気相法の一種である真空蒸着法により柱状体32を形成したが、これに限定されず、真空蒸着法以外の気相法によっても柱状体32を形成できる。真空蒸着法以外の気相法には、スパッタ法、イオンプレーティング法、レーザアブレーション法、化学気相成長(CVD;Chemical Vapor Deposition)法、プラズマ化学気相成長法、溶射法などがある。
また、本実施形態では、凸部31を有する負極集電体23の表面に、柱状体32の集合体である負極活物質層24を形成しているが、これに限定されず、表面に凸部が形成されたまたは形成されていない負極集電体に、薄膜状の負極活物質層を形成してもよい。薄膜状の負極活物質層は、たとえば、蒸着装置50において、固定台53の負極集電体23を固定する面を水平線58に一致させて、真空蒸着を行うことにより形成できる。
図1の説明に戻る。セパレータ13はイオン透過性絶縁層である。セパレータ13は、正極11と負極12との間に配置される。セパレータ13には、所定のイオン透過性、機械的強度、絶縁性などを併せ持つ多孔質シートを使用できる。多孔質シートには、微多孔膜、織布、不織布などがある。微多孔膜は単層膜および多層膜(複合膜)のいずれでもよい。
セパレータ13は主に合成樹脂により作製される。合成樹脂の中でも、耐久性、シャットダウン機能、電池の安全性などを考慮すると、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンが好ましい。セパレータ13の厚さは通常10μm〜300μm、好ましくは10μm〜40μmである。セパレータ13の空孔率は好ましくは30%〜70%、より好ましくは35%〜60%である。
セパレータ13には、リチウムイオン伝導性を有する非水電解質(液状非水電解質)が含浸される。
液状非水電解質は、溶質(支持塩)と非水溶媒とを含み、さらに必要に応じて各種添加剤を含む。溶質は通常非水溶媒中に溶解する。液状非水電解質は、たとえば、セパレータに含浸される。
溶質には、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAlCl4、LiSbF6、LiSCN、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiAsF6、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiCl、LiBr、LiI、LiBCl4、ホウ酸塩類、イミド塩類などを使用できる。溶質は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。溶質の非水溶媒1リットルに対する溶解量は、好ましくは0.5〜2モルである。
非水溶媒には、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、環状カルボン酸エステルなどがある。環状炭酸エステルには、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートなどがある。鎖状炭酸エステルには、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネートなどがある。環状カルボン酸エステルには、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどがある。非水溶媒は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
正極リード14は、一端が正極集電体21に接続され、他端が外装ケース17の開口17aから非水電解質二次電池1の外部に導出されている。正極リード14には、アルミニウム製リードなどを使用できる。負極リード15は、一端が負極集電体23に接続され、他端が外装ケース17の開口17bから非水電解質二次電池1の外部に導出されている。負極リード15には、ニッケル製リード、銅製リードなどを使用できる。
ガスケット16は、外装ケース17の開口17a、17bに溶着され、外装ケース17を封止する。ガスケット16には、たとえば、各種樹脂材料からなるものを使用できる。ガスケット16を使用せずに、開口17a、17bを直接溶着してもよい。開口17a、17bの溶着時には、外装ケース17の内部を減圧状態にしてもよい。
外装ケース17は、両端に開口17a、17bを有する容器部材である。外装ケース17の内部には、電極群および非水電解質を挿入する。外装ケース17には、金属材料製、樹脂材料製、ラミネートフィルム製などがある。
本実施形態では、積層型電極群を含む薄型電池について説明したが、本発明の非水電解質二次電池はこれに限定されない。本発明の非水電解質二次電池は、たとえば、積層型電極群を含むコイン型電池、捲回型電極群を含む円筒型電池、扁平状電極群を含む角型電池、積層型電極群または扁平状電極群を含むラミネートフィルム型電池などの各種形態を採ることができる。捲回型電極群は、正極と負極とを、これらの間にセパレータを介在させて捲回することにより得られる。扁平状電極群は、たとえば、捲回型電極群をプレス成形により扁平状に成形することにより得られる。
以下に実施例および比較例ならびに試験例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
(1)正極活物質の作製
NiSO4水溶液に、Ni:Co=8.5:1.5(モル比)になるように硫酸コバルトを加えて金属イオン濃度2mol/Lの水溶液を調製した。この水溶液に撹拌下、2mol/Lの水酸化ナトリウム溶液を徐々に滴下して中和することにより、Ni0.85Co0.15(OH)2で示される組成を有する二元系の沈殿物を共沈法により生成させた。この沈殿物をろ過により分離し、水洗し、80℃で乾燥し、複合水酸化物を得た。
この複合水酸化物を大気中にて900℃で10時間加熱して熱処理を行い、Ni0.85Co0.15Oで示される組成を有する複合酸化物を得た。ここでNiおよびCoの原子数の和とLiの原子数とが等量になるように水酸化リチウム1水和物を加え、大気中にて800℃で10時間加熱して熱処理を行うことにより、LiNi0.85Co0.152で示される組成を有するリチウムニッケル含有複合酸化物を得た。こうして、二次粒子の平均粒径が10μmの正極活物質を得た。
(2)正極の作製
上記で得られた正極活物質の粉末93g、アセチレンブラック(導電剤)3g、ポリフッ化ビニリデン粉末(結着剤)4gおよびN−メチル−2−ピロリドン(NMP)50mlを充分に混合して正極合剤スラリーを調製した。この正極合剤スラリーを厚み15μmのアルミニウム箔(正極集電体)の両面に塗布し、乾燥し、圧延して、厚さ120μmの正極活物質層を形成した。この正極を30mm×380mmの寸法に裁断し、帯状正極板を作成した。
(3)負極集電体の作製
図6および図7を参照しながら、負極集電体の作製方法を説明する。図6は、負極集電体23の製造方法を示す断面図である。図7は、図6に示す製造方法により得られる負極集電体23の要部の構成を模式的に示す上面図である。
図6に示す負極集電体23の製造方法は、図6(a)に示す工程および図6(b)に示す工程を含む。
図6(a)に示す工程では、厚さ27μmの銅箔(商品名:HCL−02Z、日立電線(株)製)の片面に電解めっきにより粗面化処理を施し、複数の粒径1μmの銅粒子を付着させた。これにより、表面粗さRzが1.5μmの粗化銅箔40を得た。なお、表面粗さRzは日本工業規格(JISB 0601―1994)に定められた十点平均粗さRzを指す。なお、代わりに、プリント配線基板用に市販されている粗面化銅箔を用いてもよい。
図6(b)に示す工程では、鍛鋼ローラ41の表面にレーザ彫刻により複数の凹部42を形成した。複数の凹部42は、鍛鋼ローラ41の表面に垂直な方向からの正投影図において菱形とした。図7に示すように、菱形の対角線のうち、短い方の長さを10μmおよび長い方の長さを20μmとした。また、隣接する凹部42の短い方の対角線に沿う間隔を18μm、長い方の対角線に沿う間隔を20μmとした。凹部42の深さは10μmとした。この鍛鋼ローラ41と、表面の平滑なステンレス鋼製ローラとを、それぞれの軸線が平行になるように圧接させた。2つのローラの圧接部分に粗化銅箔40を線圧1t/cmで通過させることにより、圧延処理を行った。
このようにして、図6(c)に示すように、表面に複数の凸部31を有する負極集電体23を得た。このとき、ローラ間を通過した粗化銅箔40のうち、鍛鋼ローラ41の凹部42以外の部分でプレスされた領域は、図示するように平坦化された。一方、粗化銅箔40のうち凹部42に対応する領域は、平坦化されずに凹部42の内部空間に入り込み、凸部31が形成された。凸部31の高さは、鍛鋼ローラ41の凹部42の深さより小さく、約8μmであった。
図7に示すように、負極集電体23の表面において、ほぼ菱形の形状を有する凸部31が、千鳥格子状に配置されていた。また、凸部31の対角線のうち、対角線の短辺aの長さは約10μm、対角線の長辺bの長さは約20μmであった。また、隣接する凸部31の対角線の短辺aに沿った間隔eは18μm、対角線の長辺bに沿った間隔dは20μmであった。
(4)負極活物質層の形成(負極の作製)
上記で得られた負極集電体23を、2cm×10cmに裁断し、図8に示す電子ビーム式蒸着装置50の真空チャンバー51の内部に配置された固定台53に固定した。そして、純度99.7%の酸素ガスを真空チャンバー51に供給しながら、蒸着ユニット(蒸発源、坩堝、電子ビーム発生装置をユニット化したもの)を用いて珪素を蒸発源とする電子ビーム蒸着を行った。珪素を蒸発させるために、電子ビーム発生装置により発生させた電子ビームを偏向ヨークにより偏向させて蒸発源に照射した。ターゲット55には、半導体ウェハを形成する際に生じる端材(スクラップシリコン、純度:99.999%)を用いた。
固定台53を実線の位置(ω=70°)に配置し、成膜速度約8nm/s、酸素流量1000sccmで蒸着を行い、凸部31の表面に薄層片a1を形成した。続いて、固定台53を一点鎖線の位置(ω=−70°)に回転させ、成膜速度および酸素流量を変更せずに、凸部31の残りの表面に薄層片a2を形成し、1段目の薄層Aを形成した。薄層Aは珪素酸化物を含み、珪素酸化物における酸素含有量は50重量%であった。
次に、固定台を実線の位置(ω=70°)に戻し、酸素流量を1000sccmから800sccmに変更する以外は、上記と同様にして蒸着を行い、薄層片a1の表面に薄層片b1を形成した。続いて、固定台53を一点鎖線の位置(ω=−70°)に回転させ、成膜速度および酸素流量を変更せずに、薄層片a2の表面に薄層片b2を形成し、2段目の薄層Bを形成した。薄層Bは珪素酸化物を含み、珪素酸化物における酸素含有量は40重量%であった。
以後、酸素流量を400sccmに変更する以外は、薄層Aの形成と同様にして、薄層片c1と薄層片c2とからなる3段目の薄層C(珪素酸化物における酸素含有量20重量%)を形成し、第1層を形成した。第1層では、酸素含有量が、凸部31表面から離れるにつれて減少していた。第1層全体としての酸素含有量は第1層全量の36重量%であった。また、第1層の厚さは、4μm〜5μmの範囲であった。
次に、固定台53を実線の位置(ω=70°)に配置し、酸素の供給を停止し、成膜速度約8nm/sで蒸着を行い、薄層片c1表面に薄層片d1を形成した。続いて、固定台53を一点鎖線の位置(ω=−70°)に回転させ、成膜速度を変更せずに、薄層片c2の表面に薄層片d2を形成し、4段目の薄層Dを形成した。以下同様にして、薄層片e1〜j1と薄層片e2〜j2とからなる5〜10段目の薄層E〜Jを形成し、第2層を形成した。第2層は主に珪素を含み、第2層全体としての酸素含有量は第2層全量の5重量%であった。第2層の厚さは、7μm〜8μmの範囲であった。
さらに、固定台53を実線の位置(ω=70°)に配置し、成膜速度約8nm/s、酸素流量400sccmで蒸着を行い、薄層片j1表面に薄層片k1を形成した。続いて、固定台53を一点鎖線の位置(ω=−70°)に回転させ、成膜速度および酸素流量を変更せずに、薄層片j2表面に薄層片k2を形成し、11段目の薄層Kを形成した。薄層Kは珪素酸化物を含み、珪素酸化物における酸素含有量は20重量%であった。
以後、酸素流量を増加させる以外は、薄層Kの形成方法と同様にして、薄層片l1と薄層片l2とからなる12段目の薄層Lを形成し、第3層を形成した。薄層Lの酸素含有量は薄層L全量の40重量%であった。第3層は主に珪素酸化物を含み、第3層全体としての酸素含有量は第3層全量の30重量%であった。第3層の厚さは、2μm〜4μmの範囲であった。
このようにして、負極集電体23の凸部31表面に柱状体32を形成し、本発明の負極を作製した。柱状体32の平均高さは、15μmであった。この負極を31mm×390mmに裁断し、帯状負極板を作製した。
作製した正極および負極との間に、セパレータ(ポリエチレン微多孔膜、商品名:ハイポア、厚さ20μm、旭化成(株)製)を介在させて捲回し、電極群を作製した。このとき、セパレータを介して正極活物質層と負極活物質層とが対向するように配置した。次に、アルミニウム製の正極リードの一端を正極の正極集電体に溶接し、ニッケル製の負極リードの一端を負極の負極集電体に溶接した。
この電極群を、非水電解質とともにアルミニウムラミネートシートからなる外装ケースに挿入した。非水電解質には、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネートおよびジエチルカーボネートを、体積比2:3:5の割合で含む混合溶媒に、LiPF6を1.4mol/Lの濃度で溶解させた非水電解質を用いた。次に、正極リードおよび負極リードを外装ケースの開口部から外部に導出し、内部を真空減圧しながら外装ケースの開口を溶着し、本発明の非水電解質二次電池を得た。
(比較例1)
負極活物質層の形成に際し、第1層形成時の酸素流量を減少させず、720sccmに固定し、かつ第3層形成時の酸素流量を増加させず、600sccmに固定する以外は、実施例1と同様にして、負極を作製した。この負極を用いる以外は、実施例1と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。
なお、第1層は、SiOx(x=1.0)で示される組成を有する珪素酸化物からなっていた。第2層は主に珪素を含有し、酸素含有量が第2層全体の5重量%であった。第3層は、SiOx(x=0.75)で示される組成を有する珪素酸化物からなっていた。
(比較例2)
負極活物質層の形成に際し、第1層〜第3層形成時の酸素流量を一定(500sccm)にする以外は、実施例1と同様にして、負極を作製した。この負極を用いる以外は、実施例1と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。なお、柱状体は、SiOx(x=0.6)で示される組成を有する珪素酸化物からなっていた。
(比較例3)
負極活物質層の形成に際し、第1層〜第3層形成時に酸素を供給しない以外は、実施例1と同様にして、負極を作製した。この負極を用いる以外は、実施例1と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。なお、柱状体は主に珪素からなり、その酸素含有量は5重量%であった。
(試験例1)
実施例1および比較例1〜3で得られた非水電解質二次電池について、下記の評価試験を実施した。結果を表1に示す。
[電池容量評価]
実施例1および比較例1〜3の非水電解質二次電池について、以下の条件で充放電サイクルを3回繰返し、3回目の放電容量を求めた。なお、実施例1および比較例1〜3の非水電解質二次電池では、正極の容量によって電池容量が決まる構成としたので、通常であれば、電池容量はほぼ同じになる。
定電流充電:0.7C、終止電圧4.15V。
定電圧充電:4.15V 0.05C、休止時間20分。
定電流放電:0.2C、終止電圧2.0V、休止時間20分。
[高出力特性評価]
20℃環境下において、0.7Cで4.15Vまで定電流充電した後、終止電流0.05Cまで定電圧充電し、1.0Cで2.0Vまで放電した。そして、0.2C容量に対する1C容量の百分率をレート特性とした。なお、比較例3の電池では、高出力特性を求めるための前記定電流充電、定電圧充電および放電の過程で、電池機能が停止し、高出力特性を求めることが出来なかった。
[充放電サイクル特性評価]
20℃環境下で0.7Cで4.15Vまで定電流充電した後、終止電流0.05Cまで定電流充電し、0.2Cで2.0Vまで定電流放電した。このときの放電容量を初回放電容量とした。次に、放電時の電流値を1Cにして充放電サイクルを繰り返し、100サイクル後に0.2Cで定電流放電を行い、100サイクル後放電容量とした。そして、初回放電容量に対する100サイクル後放電容量の百分率を容量維持率(%)として求めた。
なお、比較例2の電池は、3サイクル経過後の放電容量が、初回放電容量の10%になったので、その時点で充放電サイクル特性評価を中止した。比較例3の電池は、3サイクル経過後に充放電不能になった。これは、充放電に伴う負極活物質の膨張収縮により、負極活物質層の大部分が負極集電体から剥離したことによるものと考えられる。
[電池の膨れ]
充放電サイクル特性評価において、評価前の電極群厚さおよび100サイクル経過後の電極群厚さを測定し、評価前の電極群厚さに対する100サイクル経過後の電極群厚さの百分率を求め、電池の膨れ率とした。この値が大きいほど、電極群の膨れが大きいことになる。なお、比較例2および比較例3の電池の膨れは、充放電サイクル特性評価における3サイクル経過後の値である。結果を表1に示す。
Figure 2011014426
表1から、実施例1の電池は、充放電サイクル回数が増加しても、放電容量が高水準に維持され、充放電サイクル特性に優れていることが判る。また、実施例1の電池は高出力が可能であり、電子機器だけでなく、電気自動車などの輸送機器の電源としても好適に使用できることが明らかである。さらに、実施例1の電池は、100サイクル経過後でも、電池の膨れがほとんどないことから、その内部において負極活物質の体積変化が緩和され、負極の変形が起り難くなっていることが明らかである。
これに対し、比較例1の電池は、高出力特性および電池の膨れに関しては、実施例1の電池とほぼ同等であるが、放電容量が実施例1の電池に比べて低下している。これは、負極活物質層において、酸素含有量の濃度勾配を有する第1層および第3層を形成しなかったため、比較例2および比較例3ほどではないが、負極活物質層の負極集電体からの剥離が発生したためと考えられる。比較例2の電池は、充放電サイクルの3サイクル目で放電容量の著しい低下が起った。比較例3の電池は、充放電サイクルの3サイクル目で電池機能が停止した。
本発明の非水電解質二次電池は、従来の非水電解質二次電池と同様の用途に使用でき、特に、携帯用電子機器の電源として有用である。携帯用電子機器には、パーソナルコンピュータ、携帯電話、モバイル機器、携帯情報端末(PDA)、携帯用ゲーム機器、ビデオカメラなどがある。また、本発明の非水電解質二次電池は、ハイブリッド電気自動車、燃料電池自動車、プラグインHEVなどにおける電気モータ駆動用の主電源または補助電源、電動工具、掃除機、ロボットなどの駆動用電源、電力貯蔵用電源などとしての利用も期待される。
1 非水電解質二次電池
11 正極
12 負極
13 セパレータ
14 正極リード
15 負極リード
16 ガスケット
17 外装ケース
17a、17b 開口
21 正極集電体
22 正極活物質層
23 負極集電体
24 負極活物質層
30 シート部
30a シート部表面
31 凸部
32 柱状体
35 第1層
36 第2層
37 第3層
40 粗化銅箔
41 セラミックローラ
42 凹部
50 電子ビーム式蒸着装置

Claims (12)

  1. 負極集電体と負極活物質層とを含み、
    前記負極活物質層は、前記負極集電体の表面に設けられ、珪素、錫、珪素酸化物および錫酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1つの合金系負極活物質を含有し、かつ前記負極集電体の前記表面から前記負極活物質層の表面に向かう方向に順次積層される第1層、第2層および第3層を含み、
    前記第1層は前記珪素酸化物または前記錫酸化物を含有し、前記珪素酸化物または前記錫酸化物の酸素含有量が、前記第2層に向かう方向に連続的または段階的に減少し、
    前記第2層は前記珪素または前記錫を含有し、
    前記第3層は前記珪素酸化物または前記錫酸化物を含有し、前記珪素酸化物または前記錫酸化物の酸素含有量が、前記第2層から離れる方向に連続的または段階的に増加する非水電解質二次電池用負極。
  2. 前記負極活物質層は、前記合金系負極活物質を含有する複数の柱状体の集合体であり、前記柱状体は互いに離隔して前記負極集電体表面から外方に延び、前記第1層、前記第2層および前記第3層を含む請求項1に記載の非水電解質二次電池用負極。
  3. 前記第1層に含有される前記珪素酸化物または前記錫酸化物における酸素含有量の変動幅および前記第3層に含有される前記珪素酸化物または前記錫酸化物における酸素含有量の変動幅が10重量%〜45重量%である請求項1または2に記載の非水電解質二次電池用負極。
  4. 前記第1層は、前記珪素酸化物または前記錫酸化物における酸素含有量が前記第2層に向かう方向に連続的または段階的に増加する領域を含む請求項1〜3のいずれか1つに記載の非水電解質二次電池用負極。
  5. 前記第3層は、前記珪素酸化物または前記錫酸化物における酸素含有量が前記第2層から離れる方向に連続的または段階的に減少する領域を含む請求項1〜4のいずれか1つに記載の非水電解質二次電池用負極。
  6. 前記第1層の酸素含有量が前記第1層全量の25重量%〜50重量%である請求項1〜5のいずれか1つに記載の非水電解質二次電池用負極。
  7. 前記第2層は前記珪素または前記錫とともに不可避的不純物として酸素を含有し、その酸素含有量が前記第2層全量の1重量%〜25重量%である請求項1〜6のいずれか1つに記載の非水電解質二次電池用負極。
  8. 前記第3層の酸素含有量が前記第3層全量の10重量%〜50重量%である請求項1〜7のいずれか1つに記載の非水電解質二次電池用負極。
  9. 前記第1層の厚さが0.4μm〜7.5μmである請求項1〜8のいずれか1つに記載の非水電解質二次電池用負極。
  10. 前記第2層の厚さが0.85μm〜15.5μmである請求項1〜9のいずれか1つに記載の非水電解質二次電池用負極。
  11. 前記第3層の厚さが0.3μm〜7.5μmである請求項1〜10のいずれか1つに記載の非水電解質二次電池用負極。
  12. リチウムイオンを吸蔵および放出可能な正極活物質を含有する正極活物質層と正極集電体とを含む正極と、請求項1〜11のいずれか1つに記載の非水電解質二次電池用負極と、前記正極と前記負極との間に介在するように配置されるリチウムイオン透過性のセパレータと、リチウムイオン伝導性非水電解質とを備える非水電解質二次電池。
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