JP2011012015A - 貼付剤 - Google Patents

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大輔 金島
Shinya Taguchi
伸哉 田口
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Abstract

【課題】粘着剤層の保形性を維持したまま、香料でマスキングすることなく、基剤臭の低減が図れる貼付剤。
【解決手段】不織布等の支持体と、該支持体の一方の面に設けられた粘着剤層を有し、前記粘着剤層は、(A)成分:薬用炭と、(B)成分:ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸の部分中和物のいずれか1種以上と、(C)成分:架橋剤と、D)成分:水とを含有する粘着剤組成物からなり、前記粘着剤層の含水率を60〜85質量%とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、貼付剤に関する。
従来、消炎、鎮痛、冷却等を目的とした貼付剤がある。貼付剤は、消炎鎮痛剤、血流促進剤、冷感剤等の薬剤を配合した基剤(粘着剤組成物)が不織布等のシート状の支持体に塗布され、粘着剤層が形成されたものである。貼付剤は、粘着剤層面を患部に貼付することで、患部を冷却したり、薬剤を経皮吸収させたりして、肩こりや発熱等の症状を緩和・治療するものである。このような貼付剤としては、インドメタシンやフェルビナク等の薬剤を配合したものが知られている。
多くの貼付剤の粘着剤層は、水溶性高分子化合物を含有する粘着剤組成物により形成された含水ゲルである。貼付剤は、この含水ゲルにより、皮膚等の被着対象への貼付が容易とされている。粘着剤組成物に用いられる水溶性高分子化合物としては、ゼラチン、カンテン、カラギーナン等の高分子物質、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム等のポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸の部分中和物(以下、総じてポリアクリル酸(塩)ということがある)等が用いられている(例えば、特許文献1)。中でも、ポリアクリル酸(塩)は、優れた粘着性を発揮すると共に、高い含水率でも保形性を維持できるという利点を有する。
特開2001−64161号公報
ところで、水溶性高分子化合物を用いると、特有の臭い(基剤臭)が生じるという問題がある。この基剤臭の問題は、水溶性高分子化合物としてポリアクリル酸(塩)を選択した場合に顕著となる。基剤臭は、貼付剤を長期間保存した場合に、さらに強く感じられるようになる。
この基剤臭を低減するための措置としては、粘着剤組成物中の水溶性高分子化合物の含有量の低減が挙げられる。しかしながら、水溶性高分子化合物の含有量を低減すると粘着剤層の保形性が低下し、剥離時に被着対象に粘着剤組成物が残存する等の問題がある。
また、多量の香料等により基剤臭をマスキングする措置が考えられる。多量の香料成分を含水ゲルに配合するためには、溶剤としての油溶成分を多量に加える必要がある。多量の油溶成分を加えると、シート状基材の表面に染み出たり(裏染み)、含水ゲルの不安定化による粘着剤層の保形性の低下等という問題がある。
加えて、近年では、基剤や香料による臭気のない、無臭タイプの貼付剤が求められている。
そこで、本発明は、粘着剤層の保形性を維持したまま、香料でマスキングすることなく、基剤臭が低減された貼付剤を目的とする。
本発明の貼付剤は、支持体と、該支持体の一方の面に設けられた粘着剤層とを有し、前記粘着剤層は、(A)成分:薬用炭と、(B)成分:ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸の部分中和物のいずれか1種以上と、(C)成分:架橋剤と、(D)成分:水とを含有する粘着剤組成物からなり、含水率が60〜85質量%であることを特徴とする。前記粘着剤組成物は、前記(A)成分の配合量が前記(B)成分100質量部に対して0.5質量部以上3.0質量部未満であることが好ましい。
本発明によれば、粘着剤層の保形性を維持したまま、香料でマスキングすることなく、基剤臭の低減が図れる。
本発明の貼付剤は、シート状の支持体と、該支持体の一方の面に設けられた粘着剤層とを有し、該粘着剤層が、(A)成分:薬用炭と、(B)成分:ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸の部分中和物のいずれか1種以上と、(C)成分:架橋剤と、(D)成分:水とを含有する粘着剤組成物からなり、含水率60〜85質量%のものである。
(支持体)
支持体は、特に限定されず、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、レーヨン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン・塩化ビニル共重合体及びポリウレタンから選ばれる少なくとも1種の樹脂からなるフィルム、不織布、布、編布等の繊維等が挙げられる。繊維の材質は、ポリエステル、レーヨン、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリウレタン等が用いられる。不織布を用いる場合、ニードルパンチ法、スパンレース法、スパンボンド法、ステッチボンド法、メルトブローン法等で製造したものが挙げられる。編布の形式は、特に限定されず、例えば、経編み(トリコット編み、デンビートリコット編み、サテン編み、アトラス編み、平編み、リム編み、パール編み)、丸編み(両面メリヤス編み、片面メリヤス編み、フライスメリヤス編み)、横編み、マルチフィラメント糸により編成された丸編み、複数段の両面メリヤス編み、ニットミス編み、クロスインレイ編み、インレイ編み等が挙げられる。好ましくは、トリコット編み、両面メリヤス編み、片面メリヤス編み、フライスメリヤス編み、マルチフィラメント糸により編成された丸編み、複数段の両面メリヤス編みである。また、樹脂製の前記フィルムと不織布、布又は編布等とが一体成形されたものを用いることもできる。
支持体の厚さは、特に限定されないが、例えば、0.5〜2.0mm程度とされる。
また、支持体の坪量は、特に限定されないが、50〜150g/m程度である。
(粘着剤層)
粘着剤層の厚さは、特に限定されないが、例えば、0.5〜2.0mm程度とされる。
粘着剤層の含水率は、60〜85質量%であり、60〜80質量%がより好ましい。含水率が60質量%以上であれば、被着対象に十分な冷却効果を与えることができる。含水率が85質量%以下であれば、粘着剤層の保形性が良好であり、支持体への裏染みを防止できる。加えて、他の成分との配合バランスが取れ、(A)成分の分散性の向上が図れる。
なお、含水率は、赤外線水分計(株式会社ケット科学研究所製)を用いて、試料表面温度165℃、20分間の測定条件により測定される。
[粘着剤組成物]
粘着剤組成物は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分からなる含水性ゲルである。
粘着剤組成物のpHは、特に限定されないが、3.5〜6.0が好ましい。上記範囲内であれば、被着対象への皮膚刺激性が少なく、好ましい。
<(A)成分:薬用炭>
(A)成分は薬用炭である。薬用炭とは、活性炭の試験方法の1つである第15改正日本薬局方による試験に合格したものであり、通常、安定剤、吸着剤、光沢化剤、コーティング剤、着色剤、賦形剤等の用途として用いられるものである。(A)成分を用いることで、(B)成分に由来する臭気を抑制できる。加えて、(A)成分は、医薬品に用いることができ、皮膚刺激性が低く、使用感が良好であり、安定性にも優れるため、貼付剤へ良好に適用できる。
(A)成分の種類は、例えば、木炭、竹炭、ヤシ殻炭等が挙げられる。中でも、木炭が好ましい。
(A)成分の形態は、粘着剤組成物への分散性等を考慮して決定でき、例えば、平均粒子径が10〜1000μmの粉末が好ましく、平均粒子径30〜800μmの粉末がより好ましい。平均粒子径は、重量平均粒子径を意味し、分篩し測定した値である。
このような(A)成分としては、例えば、薬用炭(オリエンタル薬品工業株式会社製)を用いることが望ましい。
粘着剤組成物中の(A)成分の配合量は、(B)成分の配合量等を勘案して決定でき、0.05〜0.25質量%が好ましく、0.1〜0.25質量%がより望ましい。0.05質量%未満であると基剤臭を抑える効果が弱く、貼付時に不快感がある。また、0.25質量%を超えると、粘着剤層の凝集力が低下し、貼付剤を剥離した際に粘着剤組成物が被着対象に残留するおそれがある。加えて、製造時の粘着剤組成物の安定性が悪くなる。
また、粘着剤組成物中の(A)成分の配合量は、(B)成分100質量部に対して0.5質量部以上3.0質量部未満が好ましく、0.5〜2.5質量部がより好ましく、0.8〜2.5質量部がさらに好ましい。上記範囲内であれば、基剤臭が抑制され、かつ粘着剤層の保形性が良好である。
<(B)成分:ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸の部分中和物のいずれか1種以上>
(B)成分は、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸の部分中和物のいずれか1種以上である。
ポリアクリル酸としては、重量平均分子量1万〜1000万のものを用いることが好ましく、特に重量平均分子量1万以上50万未満のポリアクリル酸、50万以上200万未満のポリアクリル酸、重量平均分子量200万〜400万のポリアクリル酸から選択される2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。かかる組み合わせとすることで、適度な粘着性が得られ、使用感の向上が図れる。なお、ポリアクリル酸は、通常のアクリル酸を重合して得られた重合体のほか、カルボキシビニルポリマー、カーボポール(商品名、米国グッドリッチ社製)等のアクリル酸重合体を一部架橋したものを好適に使用できる。
ポリアクリル酸塩としては、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム等のポリアクリル酸の一価金属塩、ポリアクリル酸モノエタノールアミン、ポリアクリル酸ジエタノールアミン、ポリアクリル酸トリエタノールアミン等のポリアクリル酸のアミン塩、ポリアクリル酸のアンモニウム塩等の1種又は2種以上が好適に使用し得る。
ポリアクリル酸の部分中和物は、アクリル酸を部分的に中和し重合したものであり、中和度としては70モル%以下が好ましく、60モル%以下がより好ましく、50モル%以下がさらに好ましい。また、中和度の下限値は、10モル%以上が好ましい。
(B)成分の市販品は、ポリアクリル酸として、ジュリマーAC−108H(日本純薬株式会社製、13.3質量%水溶液、重量平均分子量:130万)、ポリアクリル酸ナトリウムとして、アロンビスS(日本純薬株式会社製、重量平均分子量:400万〜500万)、ポリアクリル酸の部分中和物としてアロンビスAH−106X(日本純薬株式会社製、重量平均分子量:400万〜500万、中和度:40モル%)、アロンビスAH−105X(日本純薬株式会社製、重量平均分子量:400万〜500万、中和度:50モル%)等が挙げられる。
粘着剤組成物中の(B)成分の配合量は、粘着剤層の含水率や、物性等を勘案して決定でき、例えば、0.5〜20質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましい。0.5質量%未満では、粘着剤層の粘着力が不足する場合があり、20質量%を超えると粘度が高くなり、支持体への展延性が低下し、粘着剤層の形成が困難となるおそれがある。
ポリアクリル酸とポリアクリル酸塩とを併用する場合、その配合比(質量比)は、ポリアクリル酸:ポリアクリル酸塩=1:0.1〜1:10が好ましく、1:1〜1:9がより好ましい。また、ポリアクリル酸とポリアクリル酸塩とが、上記比率になるように調整したポリアクリル酸の部分中和物を用いることもできる。中でも、好ましくは、ポリアクリル酸とポリアクリル酸塩とを併用することが好ましい。
(B)成分としてポリアクリル酸の部分中和物を用いる場合、粘着剤組成物中のポリアクリル酸の部分中和物の配合量は、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。ポリアクリル酸の部分中和物の配合量が20質量%を超えると、粘着剤層が凝集し、粘着力が低下する場合がある。また、配合量が0.1質量%未満の場合には、粘着剤層の保形性が低下したり、被着対象への接着性が悪くなるおそれがある。
<(C)成分:架橋剤>
(C)成分は、架橋剤である。(C)成分の種類は、上記(B)成分を架橋し得る限り特に限定されないが、特に、多価金属化合物が好適に使用される。多価金属化合物としてはマグネシウム化合物、カルシウム化合物、亜鉛化合物、カドミウム化合物、アルミニウム化合物、チタン化合物、錫化合物、鉄化合物、クロム化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、ニッケル化合物等が使用し得るが、皮膚に対する安全性を考慮するならば、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物等を用いることが好ましい。
中でも、(C)成分としては、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物又はカルシウム化合物が好ましく、例えば、カリウムミョウバン、アンモニウムミョウバン、鉄ミョウバン等のミョウバン類、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムアンモニウム、硫酸アルミニウムカリウム、塩化アルミニウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、酢酸アルミニウム、酸化アルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、酸化カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミナ・マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト及びこれらの金属を含む複塩等の水溶性化合物、水難溶性化合物のうちの1種又は2種以上を使用し得る。
粘着剤組成物中の(C)成分の配合量は、その種類や、(B)成分の種類に応じて決定でき、例えば、上記多価金属化合物を使用する場合、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましい。0.001質量%未満では組成物の凝集力が低下する場合があり、10質量%を超えると粘着力が低下する場合がある。
<(D)成分:水>
(D)成分は、水である。(D)成分は、特に限定されないが、(D)成分中の不純物による影響を避けるため、例えば、脱イオン水、純水、超純水等の精製水を用いることが好ましい。
粘着剤組成物中の(D)成分の配合量は、粘着剤層に求める含水率に応じて決定でき、例えば、60〜85質量%が好ましく、65〜80質量%がより好ましい。
<その他の成分>
粘着剤組成物には、上述した(A)〜(D)成分の他、必要に応じて(B)成分以外の水溶性高分子化合物、多価アルコール、架橋調整剤、油性成分、界面活性剤等の粘着基剤成分、薬効成分、香料、色素、保存剤等を配合することができる。
≪多価アルコール≫
多価アルコールとしては、例えば、1,3−ブタンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、イソプレングリコール、アミレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール類、ソルビトール等が挙げられる。中でも、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン等が好ましく、特に好ましくはジエチレングリコールモノアルキルエーテル、イソプレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリンである。このような多価アルコールを配合することで、粘着剤層の保形性の向上が図れると共に、粘着剤層の乾燥を防止できる。加えて、粘着剤組成物の調製持に、(A)〜(C)成分等の分散性が高められ、製造性の面でも有用である。このような理由から、粘着剤組成物には多価アルコールを配合することが好ましい。
粘着剤組成物中の多価アルコールの配合量は、0.1〜30質量%が好ましく、4〜25質量%がより好ましく、5〜20質量%がさらに好ましい。上記範囲内であれば、(A)〜(C)成分等の粘着剤組成物中での分散性が高まると共に、粘着剤層の保形性の向上が図れる。
≪(B)成分を除く水溶性高分子化合物≫
(B)成分を除く水溶性高分子化合物は、特に限定されず、粘着剤層に求める物性等を勘案して決定でき、例えば、カルボキシメチルセルロース又はその塩、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、ペクチン、キサンタンガム、トラガント等が挙げられる。
≪架橋調整剤≫
架橋調整剤としては、主にエデト酸ナトリウム、クエン酸等を使用することができる。これらを使用することにより、架橋速度を調整することができる。
粘着剤組成物中の架橋調製剤の配合量は、特に限定されないが、例えば、0.01〜1.0質量%が好ましい。
≪油性成分≫
粘着剤組成物には、油性成分を配合することができる。油性成分を配合することで、気泡がない粘着剤層が得られる。
油性成分としては、例えば、ヒマシ油、オリーブ油、ヒマワリ油、マカデミアナッツ油、ホホバ油、ラノリン、硬化油、レシチン、プラスチベース、流動パラフィン、オレイン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ミツロウ、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、セバスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、スクワラン、スクワレン、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ヘキサデシルアルコール、シリコン油等があげられる。中でも、ヒマシ油、オリーブ油、ヒマワリ油、マカデミアナッツ油、ホホバ油が気泡抑制に効果が高く、特にヒマシ油、マカデミアナッツ油、ホホバ油が好ましい。
油性成分の含有量は、粘着剤組成物中、0.1〜5質量%、好ましくは0.5〜3質量%である。
≪界面活性剤≫
界面活性剤は、特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロール、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等を配合することができる。
≪薬効成分≫
薬効成分としては、例えば、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、インドメタシン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム、メフェナム酸とその誘導体、フルフェナム酸とその誘導体、ブフェキサマック、イブフェナック、アルクロフェナック、プレドニゾロン、酢酸ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、l−メントール、dl−カンフル、クロタミトン、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、チモール、酢酸トコフェロール、ノニル酸ワニリルアミド、ナプロキセン、ピロキシカム、カプサイシン、オオバク等の生薬末、トウガラシエキス等の生薬軟エキス、オオバク乾燥エキス等の生薬乾燥エキス、センブリ流エキス等の生薬流エキス、アルニカチンキ等の生薬チンキ、ハッカ油、ケイ皮油等の精油等が挙げられる。
(製造方法)
本発明の貼付剤の製造方法は、支持体の一方の面に粘着剤組成物からなる粘着剤層を形成するものである。例えば、支持体上に粘着剤組成物を厚さ0.5〜2.0mm程度に塗工した後、所望する寸法に裁断することにより貼付剤を得ることができる。
粘着剤組成物を支持体に塗工する方法としては、ロールサンド法等が挙げられる。また、支持体への粘着剤組成物の塗工量は、300〜1500g/m程度である。
本発明の貼付剤は、支持体上に設けられた粘着剤層の表面をライナー(膏面被覆物)で被覆してもよい。ライナー(膏面被覆物)としては、塩化ビニル製フィルム、ポリエチレン製フィルム、ポリプロピレン製フィルム、ポリエステル製フィルム、ポリエチレンテレフタレート製セパレータ、剥離紙(離型紙)等が好ましく用いられる。
得られた貼付剤は、所定の枚数毎に包装体に収納される。包装体は、通気性・透湿性が低い素材で、熱融着等により密封収納できるものが好ましい。包装体としては、アルミニウム、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の単層体シート又はこれらを積層した積層体シートからなる袋体が挙げられる。中でも、エチレン−メタクリル酸共重合体/アルミニウムの積層体シートが、エチレン−メタクリル酸共重合体を内側として熱融着等によって三方シール又は四方シールされたものが挙げられる。
上述の通り、本発明によれば、粘着剤組成物に(A)成分を配合することで、(A)成分が粘着剤層を構成する(B)成分由来の臭気を吸着し、長期にわたって基剤臭を抑制できる。加えて、比較的少量の(A)成分により、基剤臭を抑制できるため、(A)成分を含有することによる粘着剤層への影響が生じることがない。さらに、基剤臭を抑える目的で(B)成分の配合量を減量する必要がない。このため、比較的高い含水率の粘着剤層であっても、その保形性を維持できる。
ここで、基剤臭は、ポリアクリル酸(塩)に含まれる未反応のモノマーに由来すると考えられる。本発明の貼付剤は、粘着剤層の含水率が60〜85質量%であるため、粘着剤層中において、前記未反応のモノマーに由来する臭い成分が自由に移動できると考えられる。このため、粘着剤層中に分散している(A)成分は、(B)成分100質量部に対して0.5質量部以上3.0質量部未満という比較的少ない配合量であっても、効率的に臭い成分を吸着し、基剤臭を抑制できる。
以下に実施例を示して、本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(使用原料)
[(A)成分:薬用炭]
・薬用炭:平均粒子径;50μm、オリエンタル薬品工業株式会社製
[(B)成分:ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸の部分中和物のいずれか1種以上]
・ポリアクリル酸:ジュリマーAC−108H(商品名)、13.3質量%水溶液、重量平均分子量;130万、日本純薬株式会社製(表中、ポリアクリル酸の配合量は純分で表し、(D)成分の配合量には溶媒の水が含まれる。)
・ポリアクリル酸の部分中和物:アロンビスAH−106X(商品名)、日本純薬株式会社製
・ポリアクリル酸ナトリウム:アロンビスS(商品名)、日本純薬株式会社製
[(C)成分:架橋剤]
・ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート:協和化学工業株式会社製
・合成ヒドロタルサイト:アルカマック(商品名)、協和化学工業株式会社製
[(D)成分:水]
・精製水:脱イオン水
[その他成分]
・水溶性高分子化合物:カルメロースナトリウム(カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩)、2質量%水溶液粘度;20000mPa・s、ダイセル化学工業株式会社製
・多価アルコール:濃グリセリン
・薬効成分:フェルビナク
・薬効成分:l−メントール
・薬効成分:インドメタシン
・薬効成分:サリチル酸グリコール
・界面活性剤:ポリソルベート80
・可溶化剤:N−メチル−2−ピロリドン
・賦形剤:ベントナイト
・架橋調整剤:エデト酸ナトリウム
・架橋調整剤:酒石酸
・架橋調整剤:メタリン酸ナトリウム
・架橋調整剤:エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(EDTA)
・油性成分:メチルパラベン
・油性成分:プロピルパラベン
(評価方法)
[基剤臭評価]
5名のパネラーが、各例の貼付剤(10×14cm)を肩に3時間貼付し、その際に感じる基剤臭を評価し、平均点を求めた。評価の平均点が3点以下で良好と判断した。
(基剤臭の評価指標)
5:非常に強い臭いを感じ、臭いが気になる
4:強い臭いを感じ、臭いが気になる
3:臭いを感じるが、臭いは気にならない
2:やや臭いを感じるが、臭いは気にならない
1:臭いを感じない
<保形性評価>
5名のパネラーが、各例の貼付剤(10×14cm)を1分間肘に貼付した後に剥離し、皮膚に残存した粘着層の面積を測定した(残存面積)。下記(1)式により、貼付前の粘着剤層の面積(全面積)に対する残存面積の割合(残存率(%))を求めた。この残存率の5人の平均値が5%以下のものを保形性良好とした。
残存率(%)=残存面積(cm)÷全面積(140cm)×100・・・(1)
(実施例1〜11、比較例1〜3)
表1〜3の組成に従い、各成分をヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)で練合し、粘着剤組成物を得た。得られた粘着剤組成物を塗工機でポリエステル製不織布(厚さ:0.9mm)に展延(0.08g/cm)し粘着剤層を形成した。この粘着剤層の表面にポリプロピレン製の剥離フィルムを載置し、貼付剤シートとした。この貼付剤シートを10×14cmに裁断し、貼付剤を得た。
Figure 2011012015
Figure 2011012015
Figure 2011012015
表1〜3に示すとおり、本発明の貼付剤である実施例1〜11は、基剤臭評価が3.0未満、保形性評価が2.0%以下であった。一方、粘着剤組成物に薬用炭を配合しなかった比較例1は、保形性評価が0%であったものの、基剤臭評価が4.6であった。このことから、本発明の貼付剤は、粘着剤層が(A)成分を含有することで、基剤臭を低減させていることが判った。
また、粘着剤層の含水率を60質量%未満とした比較例2では、(A)成分を粘着剤組成物中に均一に分散できなかった。さらに塗工時に塗工ムラが発生し、しわ、よれ等が発生した。このため、比較例2については、基剤臭評価と保形性評価を行わなかった。
また、粘着剤層の含水率を85質量%超とした比較例3は、保形性が悪く、裏染みが生じた。加えて、基剤臭低減効果が弱かった。
以上の結果から、実施例1〜11においては、基剤臭の低減が認められ、粘着剤層の保形性も良好であった。一方、比較例2、3は工業的応用性の面で問題があった。

Claims (2)

  1. 支持体と、該支持体の一方の面に設けられた粘着剤層とを有し、
    前記粘着剤層は、(A)成分:薬用炭と、(B)成分:ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸の部分中和物のいずれか1種以上と、(C)成分:架橋剤と、(D)成分:水とを含有する粘着剤組成物からなり、含水率が60〜85質量%であることを特徴とする貼付剤。
  2. 前記粘着剤組成物は、前記(A)成分の配合量が前記(B)成分100質量部に対して0.5質量部以上3.0質量部未満であることを特徴とする、請求項1に記載の貼付剤。
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