JP2011007902A - 光スキャナ - Google Patents

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和浩 中嶋
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Abstract

【課題】小さな駆動電圧で、光スキャナの大きな光学振れ角を得られる光スキャナを提供する。
【解決手段】光スキャナ1は、ミラー部2と、可動梁3と、一対の駆動部4a、4bと、固定部5とを備えている。ミラー部2は、揺動軸線SWの回りに揺動可能で、入射した光束を反射して、走査する反射面6を備える。可動梁3は、一対の支持梁7a、7bと、一対の延出梁8a、8bと、4つの連結梁9a〜9dとを備える。一対の支持梁7a、7bは、X軸方向に、即ち揺動軸線SWに平行な方向にミラー部2の両側から延出する。駆動部4a、4bは、各々、一対の連結梁9a、9bと固定部5とに跨って設けられる。ミラー部2の重心GCは、延長線XTに対して、駆動部4a、4bとは反対の側CSに位置する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レーザプリンタや投影型表示装置などに用いられる光スキャナに関する。
従来よりレーザプリンタや投影型表示装置等には光スキャナが使用されている。この光スキャナとして、一般に、ポリゴンミラーを用いるものや、MEMS(Micro−Electro−Mechanical Systems)ミラーを用いるものがある。このうち、MEMSミラーを用いた光スキャナは、ミラー部と、ミラー部を支持し、ミラー部に駆動力を伝達する梁と、梁に連結し、ミラー部と梁とを囲う固定枠との一体成形により製造されることなどから、ポリゴンミラーと比較して、軽量・小型の光スキャナに適している。
図9は、特許文献1に開示されているMEMSミラーを用いた光スキャナ101の分解斜視図である。光スキャナ101は、ベース台102と振動体105とを備える。ベース台102は、一対の支持部103a、103bと、一対の凹部104a、104bと、中間凹部104cと、を備える。支持部103aと支持部103bとは、ベース台102の上面に形成されている。凹部104a、104bは支持部103aと支持部103bとの間に形成されている。中間凹部104cは、凹部104aと凹部104bとの間に形成されている。凹部104aと凹部104bとは、各々支持部103a、103bに隣接するように形成されている。振動体105は、このようにして構成されたベース台102上に配置されている。
振動体105は、ミラー部106と、支持梁107a、107bと、延出梁108a、108bと、連結梁109a、109b、109c、109dと、固定部110と、駆動部111a、111bと、を備える。ミラー部106は反射面106aを有する。支持梁107aと支持梁107bとは、ミラー部106に連結し、ミラー部106を挟んで互いに対向している。延出梁108aは、支持梁107aに連結し、支持梁107aの両側に延出している。延出梁108bは、支持梁107bに連結し、支持梁107bの両側に延出している。連結梁109a、109cは、延出梁108aの両端に連結し、固定部110に向けて延出し、固定部110に連結する。連結梁109b、109dは、延出梁108a、108bに連結し、固定部110に向けて延出し、固定部110に連結する。固定部110は、ミラー部106と、支持梁107a、107bと、延出梁108a、108bと、連結梁109a〜109dとの外周を囲う外枠である。固定部100は、ベース台102の支持部103a、103b上に配置される。駆動部111aは、連結梁109aと固定部110とに跨って備えられる。駆動部111bは、連結梁109bと固定部110とに跨って備えられる。
駆動部111a、111bは、圧電体と圧電体を挟む2枚の電極とから構成される。駆動部111a、111bの圧電体は、各々、駆動部111a、111bの電極に電圧が印加されることで分極する。駆動部111a、111bの分極した圧電体は、各々、連結梁109a、109bの長手方向に伸縮する。駆動部111a、111bに供給された駆動信号の波形に応じた大きさ、及び極性を持った駆動電圧が駆動部111a、111bの電極に印加される。即ち、例えば、駆動部111a、111bに同位相の駆動信号が供給された場合、同じ極性をもった駆動電圧が、駆動部111a、111bの電極に印加される。駆動部111a、111bの電極に同じ極性をもった駆動電圧が印加されると、駆動部111a、111bの圧電体は、一方がミラー部106に向かって伸びた場合は他方も伸び、一方がミラー部106から遠ざかるように縮んだ場合は他方も縮むように伸縮する。駆動部111a、111bの圧電体が伸縮することで、連結梁109a、109bが、各々、連結梁109a、109bの厚み方向に上下に屈曲する。連結梁109a、109bの屈曲が、延出梁108a、108b、支持梁107a、107b、及びミラー部106の揺動を引き起こす。ミラー部106が揺動することで、反射面106aが揺動し、反射面106aは、揺動しながら入射した光束を反射する。以上のようにして、光スキャナ101は反射面106aに入射した光束を走査する。
上記のような光スキャナ101において、大きな光学振れ角を得る方法として、駆動部111a、111bの圧電体の伸縮を大きくすることが挙げられる。圧電体の伸縮量は、駆動部111a、111bの電極に印加される電圧の大きさに依存するので、大きな光学振れ角を得るには、大きな駆動電圧が駆動部111a、111bの電極に印加される必要がある。従って、駆動部111a、111bの圧電体の伸縮を大きくするという方法では、小さな駆動電圧で駆動部111a、111bを駆動させることができないという問題がある。
特開2003−57586号公報
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、入射した光束を反射して、走査する光スキャナであって、揺動軸線の回りに揺動可能な反射面を有するミラー部と、前記揺動軸線に平行な方向に前記ミラー部の両側から延出する一対のミラー支持梁と、前記一対のミラー支持梁の各々に連結する一対の第1連結部を有し、前記反射面に平行な面上で、且つ前記揺動軸線に垂直な方向において、前記第1連結部から前記ミラー支持梁の両側に延出する一対の延出梁と、前記一対の延出梁の両端の各々に連結する4つの第2連結部を有し、前記揺動軸線に平行に前記ミラー部から離れる方向に、前記第2連結部から延出する4つの連結梁と、を有する可動梁と、前記4つの連結梁に連結する固定部と、前記4つの連結梁のうち前記一対のミラー支持梁を結ぶ延長線に対して片側に位置する一対の連結梁と前記固定部とに跨って設けられ、前記可動梁を駆動するための一対の駆動部と、を備える光スキャナの大きな光学振れ角を小さな駆動電圧で得ることを目的とするものである。
上記目的を達成するために、請求項1記載の本発明は、入射した光束を反射して、走査する光スキャナであって、揺動軸線の回りに揺動可能な反射面を有するミラー部と、前記揺動軸線に平行な方向に前記ミラー部の両側から延出する一対のミラー支持梁と、前記一対のミラー支持梁の各々に連結する一対の第1連結部を有し、前記反射面に平行な面上で、且つ前記揺動軸線に垂直な方向において、前記第1連結部から前記ミラー支持梁の両側に延出する一対の延出梁と、前記一対の延出梁の両端の各々に連結する4つの第2連結部を有し、前記揺動軸線に平行に前記ミラー部から離れる方向に、前記第2連結部から延出する4つの連結梁と、を有する可動梁と、前記4つの連結梁に連結する固定部と、前記4つの連結梁のうち前記一対のミラー支持梁を結ぶ延長線に対して片側に位置する一対の連結梁と前記固定部とに跨って設けられ、前記可動梁を駆動するための一対の駆動部と、を備え、前記ミラー部の重心は、前記延長線に対して、前記一対の駆動部とは反対側に位置することを特徴とするものである。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の発明において、前記一対の駆動部は、各々、前記反射面に平行な面上で、且つ前記揺動軸線に平行に伸縮する圧電体と前記圧電体を挟んだ両側に設けられた一対の電極と、を備え、前記一対の駆動部の前記圧電体が、前記反射面に平行な面上で、且つ前記揺動軸線に平行な方向において、共に伸び、または縮むように、前記一対の駆動部に対し同位相の駆動信号を供給する駆動制御部を備えることを特徴とするものである。
請求項3記載の本発明では、請求項1または2に記載の発明において、前記延長線を挟んで対向する一対の前記連結梁間の分岐幅は、前記ミラー部の、前記反射面に平行な面上で、且つ前記揺動軸線に垂直な方向のミラー幅の半分より小さく、前記ミラー部の重心と前記延長線との間の距離は、前記分岐幅の半分の長さを前記ミラー幅の半分から減じた長さであることを特徴とするものである。
請求項4記載の本発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記延長線に対して、前記一対の駆動部とは反対側に位置する前記ミラー部の一側端と前記延長線との間の距離が、前記延長線に対して、前記一対の駆動部と同じ側に位置する前記ミラー部の他側端と前記延長線との間の距離とは異なることで、前記ミラー部の重心は、前記延長線に対して、前記一対の駆動部とは反対側に位置することを特徴とするものである。
請求項5記載の本発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記ミラー部が穴、溝、または重りを有することにより、前記ミラー部の重心は、前記延長線に対して、前記一対の駆動部とは反対側に位置することを特徴とするものである。
本発明者らは、以下に説明する光スキャナを開発し改良を重ねてきた。その光スキャナは、入射した光束を反射して、走査する光スキャナであって、揺動軸線の回りに揺動可能な反射面を有するミラー部と、前記揺動軸線に平行な方向に前記ミラー部の両側から延出する一対のミラー支持梁と、前記一対のミラー支持梁の各々に連結する一対の第1連結部を有し、前記反射面に平行な面上で、且つ前記揺動軸線に垂直な方向において、前記第1連結部から前記ミラー支持梁の両側に延出する一対の延出梁と、前記一対の延出梁の両端の各々に連結する4つの第2連結部を有し、前記揺動軸線に平行に前記ミラー部から離れる方向に、前記第2連結部から延出する4つの連結梁と、を有する可動梁と、前記4つの連結梁に連結する固定部と、前記4つの連結梁のうち前記一対のミラー支持梁を結ぶ延長線に対して片側に位置する一対の連結梁と前記固定部とに跨って設けられ、前記可動梁を駆動するための一対の駆動部と、を備える。上記光スキャナを、以後、「二股光スキャナ」と記す。本発明者は、この二股光スキャナに対し、数値解析を行うことにより、ミラー部の重心を、延長線に対して、一対の駆動部とは反対側に位置させることで、一定の振れ角を得るのに必要とされる駆動電圧が低減されることを確認した。また、本発明者は、二股光スキャナに対し、ミラー部の重心を、延長線に対して、一対の駆動部と同じ側に位置させた場合、ミラー部の重心が延長線上にある場合と比較して、一定の振れ角を得るのに、より大きな駆動電圧が必要とされることも確認した。
請求項1記載の光スキャナによれば、二股光スキャナのミラー部の重心を、延長線に対して、一対の駆動部とは反対側に位置させることで、大きな駆動電圧を印加しなくとも、上記光スキャナの大きな光学振れ角を得ることができる。従って、二股光スキャナの大きな光学振れ角を小さな駆動電圧で得ることができる。
請求項2記載の光スキャナによれば、一対の駆動部に対し同位相の駆動信号を供給するという二股光スキャナに最適な同位相の駆動制御方式を採用するとともに、二股光スキャナのミラー部の重心を、延長線に対して、一対の駆動部とは反対側に位置させることで、大きな駆動電圧を印加しなくとも、上記光スキャナの大きな光学振れ角を得ることができる。従って、二股光スキャナの大きな光学振れ角を小さな駆動電圧で得ることができる。
本発明者が数値解析を行うことにより、二股光スキャナのミラー部の重心と延長線との間の距離を大きくしていくと、一定の振れ角を得るために必要とされる駆動電圧が次第に下がり、ある極小値に達した後、上がるか、またはある最小の収束値に収束することが確認された。
上記駆動電圧の変化が確認されたことを基に、請求項3記載の光スキャナによれば、ミラー部の重心と延長線との間の距離を、分岐幅の半分の長さをミラー幅の半分から減じた長さとすることで、一定の振れ角を得るために必要とされる駆動電圧が極小値、または最小の収束値近傍の値となり、上記光スキャナの大きな光学振れ角を可及的に小さな駆動電圧で得ることができる。
請求項4記載の光スキャナによれば、二股光スキャナのミラー部の重心を、延長線に対して、一対の駆動部とは反対側に位置させることで、大きな駆動電圧を印加しなくとも、上記光スキャナの大きな光学振れ角を得ることができる。従って、二股光スキャナの大きな光学振れ角を小さな駆動電圧で得ることができる。
請求項5記載の光スキャナによれば、二股光スキャナのミラー部の重心を、延長線に対して、一対の駆動部とは反対側に位置させることで、大きな駆動電圧を印加しなくとも、上記光スキャナの大きな光学振れ角を得ることができる。従って、二股光スキャナの大きな光学振れ角を小さな駆動電圧で得ることができる。
本発明の一実施形態に係る光スキャナ1の部分上面図である。 上記光スキャナ1の部分拡大上面図である。 本実施形態に係る駆動部4aの構成を説明するための説明図である。 本実施形態に係る駆動信号DSを説明するための説明図である。 本実施形態に係るミラー部2の揺動を説明するための説明図である。 連結梁9aと連結梁9cとの間の分岐幅WD=200μmとした場合における本実施形態に係るオフセット量OSと駆動電圧との関係を示す図である。 上記分岐幅WD=300、400、500μmとした場合における本実施形態に係るオフセット量OSと駆動電圧との関係を示す図である。 本実施形態に係る構造体の製造工程を示す図である。 上記光スキャナ1の網膜走査ディスプレイ201における使用例を示す図である。 従来の光スキャナ101を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して具体的に説明する。
[光スキャナ外観]
図1は、本実施形態の光スキャナ1の外観を示す部分上面図である。図1は簡略化のため、光スキャナ1の一部を省略して示している。光スキャナ1は、共振型の光スキャナである。図1に示すように、光スキャナ1は、ミラー部2と、可動梁3と、一対の駆動部4a、4bと、固定部5とを備えている。本実施形態におけるミラー部2が、本発明のミラー部の一例である。本実施形態における可動梁3が、本発明の可動梁の一例である。本実施形態における駆動部4a、4bが、本発明の駆動部の一例である。本実施形態における固定部5が、本発明の固定部の一例である。固定部5は、特開2003−57586号公報に開示されているような、ミラー部2と可動梁3とを囲う外枠であるが、図1は簡略化のため、可動梁3と固定部5との連結部近傍の固定部5のみを示している。なお、ミラー部2と、可動梁3と、駆動部4a、4bと、固定部5とは、図示しないベース台上に配置される。
ミラー部2は、揺動軸線SWの回りに揺動可能で、入射した光束を反射して、走査する反射面6を備える。以後、簡略化のため、図1に示すように、光スキャナ1の静止時の、揺動軸線SWに平行な方向をX軸とし、反射面6に平行な面上で、且つ揺動軸線SWに垂直な方向をY軸とし、反射面6に垂直な方向をZ軸として定義する。X軸、Y軸、Z軸の方向の定義は、他の図面においても共通のものとする。本実施形態における反射面6が、本発明の反射面の一例である。
可動梁3は、図1に示すように、X軸方向にミラー部2の両側から延出する。可動梁3は、図1に示すように、一対の支持梁7a、7bと、一対の延出梁8a、8bと、4つの連結梁9a〜9dとを備える。一対の支持梁7a、7bは、X軸方向に、即ち揺動軸線SWに平行な方向にミラー部2の両側から延出する。4つの連結梁9a〜9dのうち、一対の連結梁9a、9bは、一対の支持梁7a、7bを結ぶ延長線XTに対して一方の側SSに位置する。一対の連結梁9c、9dは、延長線XTに対して他方の側CSに位置する。駆動部4a、4bは、各々、一対の連結梁9a、9bと固定部5とに跨って設けられる。本実施形態における支持梁7a、7bが、本発明のミラー支持梁の一例である。本実施形態における延出梁8a、8bが、本発明の延出梁の一例である。本実施形態における連結梁9a〜9dが、本発明の連結梁の一例である。
ミラー部2のXY平面に対する質量分布はほぼ一様である。本実施形態において重心GCとは、ミラー部2のように、空間的広がりをもって質量が分布するような系において、その質量に対して働く重力の合力の作用点、即ち、質量中心である。図1に示すように、延長線XTに対して、駆動部4a、4bとは反対の側CSに位置するミラー部2の一側端CEと延長線XTとの間の距離CDは、延長線XTに対して、駆動部4a、4bと同じ側SSに位置するミラー部2の他側端SEと延長線XTとの間の距離SDより大きい。このようにして、オフセット量OS=CD−SDが図1に示すY軸方向の正の値に設定されていることにより、ミラー部2の重心GCは、図1に示すように、延長線XTに対して、駆動部4a、4bとは反対の側CSに位置する。なお、揺動軸線SWは、重心GCの近傍を通過し、オフセット量OS=0μmの場合、揺動軸線SWと延長線XTとは略一致し、共に、重心GC近傍を通過する。本実施形態における一側端CEが、本発明の一側端の一例である。本実施形態における他側端SEが、本発明の他側端の一例である。
図2を用いて、光スキャナ1の構造について詳細に説明する。図2は、光スキャナ1の部分拡大上面図である。図2には簡略化のため、支持梁7a、延出梁8a、連結梁9a、9c、駆動部4aのみが示されているが、支持梁7b、延出梁8b、連結梁9b、9d、駆動部4bも、各々、支持梁7a、延出梁8a、連結梁9a、9c、駆動部4aと同一の構成を有する。図2に示すように、支持梁7aは、X軸方向に、ミラー部2の一側面から延出する。図2に示すように、延出梁8aは、支持梁7aに連結する第1連結部CP1を有し、Y軸方向において、第1連結部CP1から支持梁7aの両側に延出する。図2に示すように、連結梁9a、9cは、延出梁8aの両端の各々に連結する一対の第2連結部CP2を有する。また、図2に示すように、連結梁9a、9cは、固定部5に連結する一対の第3連結部CP3を有する。連結梁9a、9cは、X方向にミラー部2から離れる方向に、第2連結部CP2から第3連結部CP3に向けて延出する。本実施形態における第1連結部CP1、第2連結部CP2が、各々、本発明の第1連結部、第2連結部の一例である。
[駆動部の構造]
図3を用いて、駆動部4a、4bの構造について詳細に説明する。図3では代表して、駆動部4aのみが示されているが、駆動部4bも駆動部4aと同一の構成を有する。駆動部4aは、図3に示すように、薄板状の圧電体10aが、上部電極11aと下部電極12aとに挟まれた積層体である。圧電体10aは、電圧印加により変形するチタン酸ジルコン酸鉛(以後、「PZT」と記す。)から構成される。駆動部4bも、駆動部4aと同様に、図示しない圧電体10bと、上部電極11bと下部電極12bとを備える。本実施形態における圧電体10a、10bが、本発明の圧電体の一例である。本実施形態における上部電極11a、11bと下部電極12a、12bとが、本発明の電極の一例である。
上部電極11a、11bと下部電極12a、12bは、リード線50により、駆動制御部60に接続されている。駆動制御部60から、リード線50を介して、同位相の駆動信号が駆動部4a、4bに供給される。駆動制御部60から、駆動部4a、4bに同位相の駆動信号が供給されることにより、上部電極11aと下部電極12aとの間、及び上部電極11bと下部電極12bとの間に同じ極性を持った電圧が印加される。このように電圧が印加されることにより、圧電体10a、10bがX軸方向に共に伸び、または縮む。本実施形態における駆動制御部60が、本発明の駆動制御部の一例である。
[光スキャナの駆動]
図4、図5を用いて、光スキャナ1の駆動について説明する。図4は、駆動制御部60から駆動部4a、4bに供給される同位相の駆動信号DSを示す図である。図4において、縦軸は駆動部4a、4bの上部電極11a、11bと下部電極12a、12bとの間に印加される電圧Vtであり、横軸は時間Tmである。駆動制御部60は、駆動部4a、4bを駆動するための駆動信号DSを生成し、駆動信号DSを駆動部4a、4bに供給する。駆動部4aと駆動部4bとに供給される駆動信号DSは少なくとも同じ位相を有していればよいが、本実施形態においては、駆動部4aと駆動部4bとに供給される駆動信号DSは、同じ振幅と同じ位相とを有している。駆動信号DSの周期性により、駆動部4a、4bの圧電体10a、10bは、X軸方向に共に伸び、または縮む。即ち、例えば、図4において破線と矢印とで示した時間Tm1〜Tm2においては、上部電極11a、11bと下部電極12a、12bとに印加される電圧Vtが徐々に大きくなる。電圧Vtが徐々に大きくなると、圧電体10a、10bは、共にX軸方向に縮む。また、図4において一点鎖線と矢印とで示した時間Tm3〜Tm4においては、上部電極11a、11bと下部電極12a、12bとに印加される電圧Vtが徐々に小さくなる。電圧Vtが徐々に小さくなると、圧電体10a、10bは、共にX軸方向に伸びる。このようにして、駆動信号DSの周期性により、駆動部4a、4bの圧電体10a、10bは、X軸方向に共に伸び、または縮む。
図5は、光スキャナ1が駆動され、ミラー部2が揺動軸線SWの回りに揺動する様子を示す図である。図5は、簡略化のため、ミラー部2と可動梁3のみを示している。また、図5は、簡略化のため、オフセット量OSが0μmに近い光スキャナ1を示している。図5において、二点鎖線により示された光スキャナ1は静止時の光スキャナ1を示している。また、実線により示された光スキャナ1は、光スキャナ1が駆動され、ミラー部2がある揺動角度Φに達した際の光スキャナ1を示している。なお、ミラー部2の揺動角度は、周知のように、光スキャナ1の光学振れ角に相当するものである。可動梁3は構造を簡略化し、示されている。図4に示された同位相の駆動信号DSが駆動制御部60から駆動部4a、4bに供給されることにより、駆動部4a、4bが駆動され、圧電体10a、10bがX軸方向に共に伸び、または縮む。この圧電体10a、10bの伸び縮みの結果、連結梁9a、9bの駆動部4a、4b近傍の部分がZ軸方向の上側、または下側に屈曲する。図5に示した同位相の駆動信号DSの周期性により、上部電極11aと下部電極12aとの間、及び上部電極11bと下部電極12bとの間に印加される電圧が周期的に変化する。この周期的な電圧の変化は、連結梁9a、9bの駆動部4a、4b近傍の部分に、Z軸方向の上側、または下側への周期的な屈曲をもたらす。連結梁9a、9bの駆動部4a、4b近傍の部分における周期的な屈曲により、可動梁3が揺動軸線SWを中心に捻れ振動する。可動梁3の捻れ振動により、ミラー部2は、揺動軸線SWを中心に揺動する。ミラー部2の反射面6は、揺動軸線SWを中心に揺動しながら、入射した光束を反射する。このように光束が反射面6により反射されることで、光束が走査される。以上のようにして、同位相の駆動信号DSが駆動制御部60から駆動部4a、4bに供給されることにより、光スキャナ1が駆動され、光スキャナ1は、反射面6に入射した光束を反射して走査する。なお、Z軸方向の上側、下側とは、各々、Z軸の正の領域側、負の領域側であり、厳密にZ軸方向に平行な方向に限定される意味ではない。
[解析結果]
オフセット量OSを変化させた際の、光スキャナ1の駆動電圧の変化等についてのシミュレーションによる解析結果を説明する。先ず、図1を用いて、シミュレーションに際して設定した光スキャナ1の各部の寸法について説明する。Y軸方向のミラー部2の幅MRは、幅MR=1000μmである。延長線XTを挟んで対向する一対の連結梁9aと連結梁9cとの間の分岐幅WDは、分岐幅WD=200μm、300μm、400μm、及び500μmの4通りの設定値でシミュレーションを行った。なお、一対の連結梁9bと連結梁9dとの間の幅も、一対の連結梁9aと連結梁9cとの間の分岐幅WDと同じ分岐幅WDである。また、図1に示すように、Y軸方向のミラー部2の幅MRは、距離CDと距離SDとの和である。オフセット量OSの正負は、図1に示したY軸方向の正負に従う。即ち、ミラー部2の重心GCが、延長線XTに対して、一対の駆動部4a、4bとは反対側CSに位置する場合、オフセット量OS>0μmであり、一対の駆動部4a、4bと同じ側SSに位置する場合、オフセット量OS<0μmである。また、図1に示すように、オフセット量OSの絶対値は、Y軸方向のミラー部2の幅MRの半分以下である必要があるため、オフセット量OSは、−500μm以上、500μm以下である必要がある。
図6A、図6B、及び表を用いて、解析結果を説明する。図6A、図6B、及び表に記載されている、駆動電圧や共振周波数等の数値は、全て光スキャナ1の光学振れ角、即ち、ミラー部2の揺動角度を25度と設定した際の数値である。表1に、分岐幅WD=200μmと設定した際の、オフセット量OSと、駆動電圧、及び共振周波数との関係を示す。表1、及び図6Aに示すように、オフセット量OS>0μmの場合、オフセット量OS=0μmの場合と比較して、駆動電圧が低減されることがわかる。また、オフセット量OS>0μmの場合、オフセット量OSが大きいほど、駆動電圧が小さく抑えられることがわかる。一方、表1に示すように、オフセット量OS<0μmの場合、オフセット量OS=0μmの場合と比較して、非常に大きな駆動電圧がかかることがわかる。従って、ミラー部の重心GCが、延長線XTに対して、一対の駆動部4a、4bとは反対側CSに位置する場合に限り、ミラー部の重心GCが延長線XT上に位置する従来の光スキャナと比較して、小さな駆動電圧で、光スキャナ1の大きな光学振れ角を得ることができることがわかる。一方、ミラー部の重心GCが、延長線XTに対して、一対の駆動部4a、4bと同じ側SSに位置する場合、ミラー部の重心GCが延長線XT上に位置する従来の光スキャナと比較して、光スキャナ1の大きな光学振れ角を得るには、大きな駆動電圧が必要とされることがわかる。
表1に示すように、オフセット量OS>0μmの場合、光スキャナ1の共振周波数は、オフセット量OSが0μmから大きくなるほど次第に大きくなり、オフセット量OS=400μm近傍で極大値に達し、オフセット量OS=400μm近傍を超える領域で次第に小さくなる。表1、及び図6Aに示したように、オフセット量OS=400μm近傍を超える領域において、オフセット量OSを大きくしても、駆動電圧はそれほど低減されない。また、共振周波数が小さくなると、光スキャナ1を網膜走査ディスプレイ等の画像表示装置に適用した際に、画像の解像度が低下する。従って、光スキャナ1の駆動電圧を最大限低減しつつ、一定の共振周波数を保つためにも、オフセット量OSを、分岐幅WD=200μmの半分である100μmをミラー部2の幅MR=1000μmの半分である500μmから減じた長さ、即ち400μm近傍の値に設定することが望ましい。
表2、表3、及び表4に、各々、分岐幅WD=300、400、500μmと設定した際の、オフセット量OSと、駆動電圧、及び共振周波数との関係を示す。表2、及び図6Bに示すように、分岐幅WD=300μmと設定した場合、光スキャナ1の駆動電圧は、オフセット量OSが0μmから大きくなるほど次第に小さくなり、オフセット量OS=350μm近傍で極小値に達し、オフセット量OS=350μm近傍を超える領域で次第に大きくなる。しかし、オフセット量OS=450μmにおける駆動電圧は、オフセット量OS=0μmと比較して小さい。従って、オフセット量OS>0μmの場合、オフセット量OS=0μmの場合と比較して、駆動電圧が低減されることがわかる。
表3、及び図6Bに示すように、分岐幅WD=400μmと設定した場合、光スキャナ1の駆動電圧は、オフセット量OSが0μmから大きくなるほど次第に小さくなり、オフセット量OS=300μm近傍で極小値に達し、オフセット量OS=300μm近傍を超える領域で次第に大きくなる。しかし、オフセット量OS=450μmにおける駆動電圧は、オフセット量OS=0μmと比較して小さい。従って、オフセット量OS>0μmの場合、オフセット量OS=0μmの場合と比較して、駆動電圧が低減されることがわかる。
表4、及び図6Bに示すように、分岐幅WD=500μmと設定した場合、光スキャナ1の駆動電圧は、オフセット量OSが0μmから大きくなるほど次第に小さくなり、オフセット量OS=200μm近傍で極小値に達し、オフセット量OS=200μm近傍を超える領域で次第に大きくなる。オフセット量OS=450μmにおける駆動電圧は、オフセット量OS=0μmと比較して大きいが、オフセット量OS>0μmの場合、オフセット量OS<400μm程度の範囲であれば、オフセット量OS=0μmの場合と比較して、駆動電圧が低減されることがわかる。
表2、表3、及び表4に示すように、オフセット量OS<0μmの場合、オフセット量OS=0μmの場合と比較して、大きな駆動電圧がかかることがわかる。従って、分岐幅WD=300、400、500μmと設定した場合も、分岐幅WD=200μmと設定した場合と同様に、ミラー部の重心GCが、延長線XTに対して、一対の駆動部4a、4bとは反対側CSに位置する場合に限り、ミラー部の重心GCが延長線XT上に位置する従来の光スキャナと比較して、小さな駆動電圧で、光スキャナ1の大きな光学振れ角を得ることができることがわかる。一方、ミラー部の重心GCが、延長線XTに対して、一対の駆動部4a、4bと同じ側SSに位置する場合、ミラー部の重心GCが延長線XT上に位置する従来の光スキャナと比較して、光スキャナ1の大きな光学振れ角を得るには、大きな駆動電圧が必要とされることがわかる。
表2に示したように、分岐幅WD=300μmと設定した場合、オフセット量OS>0μmであれば、光スキャナ1の共振周波数は、オフセット量OSが0μmから大きくなるほど次第に大きくなり、オフセット量OS=350μm近傍で極大値に達し、オフセット量OS=350μm近傍を超える領域で次第に小さくなる。また、表3、表4に示したように、分岐幅WD=400、500μmと設定した場合、オフセット量OS>0μmであれば、光スキャナ1の共振周波数は、オフセット量OSが0μmから大きくなるほど次第に小さくなる。表2、表3、表4、及び図6Bに示したように、分岐幅WD=300、400、及び500μmと設定した場合、各々、オフセット量OS=350、300、250μm近傍を超える領域において、オフセット量OSを大きくしていくと、駆動電圧は次第に大きくなる。従って、光スキャナ1の駆動電圧を最大限低減しつつ、一定の共振周波数を保つためにも、オフセット量OSを、分岐幅WDの半分の長さをミラー部2の幅MRの半分の長さから減じた長さ、即ち、各々、350、300、250μmに設定することが望ましい。
[構造体の製造方法]
図7を用いて、本実施形態における構造体の製造方法について説明する。構造体とは、ミラー部2の基板と可動梁3と固定部5とを指す。反射面6は、通常、ミラー部2の基板上に金等から成る金属膜が成膜されることにより形成される。
まず、図7に示すように、弾性を有する板状のシリコン基板が被エッチング材として準備される(ステップS1、以下S1と記す)。次に、シリコン基板の両面にフォトレジストが塗布され、シリコン基板の両面にレジスト膜が形成される。(S2)。レジスト膜が形成されると、フォトリソグラフィ技術が用いられ、レジスト膜に対して、所定のパターン光が露光される。所定のパターン光が露光されることにより、レジスト膜のうち不要な部分が除去される。これにより、シリコン基板の両面上に、各々、マスクパターンが形成される(S3)。マスクパターンが形成されると、シリコン基板とマスクパターンとの積層体が、エッチング溶液を収容しているエッチング槽に浸漬され、ウェットエッチングが施される(S4)。ウェットエッチングが施されると、シリコン基板とマスクパターンとの積層体が、エッチング槽から取り出され(S5)、続いて、マスクパターンがシリコン基板の両面から剥離される(S6)。以上の製造方法により、所定の形状をした構造体が製造される。
[光スキャナ使用例]
本実施形態に係る光スキャナ1の網膜走査ディスプレイ201における使用例について、図8を用いて説明する。網膜走査ディスプレイ201とは、ヘッドマウントディスプレイ装置(以後、「HMD」と記す。)の一形態である。網膜走査ディスプレイ201は、装着者の頭部およびその近辺に装着され、画像光を装着者の眼に導き、装着者の網膜上で2次元方向に走査することにより、画像情報に対応する画像が装着者により視認されるように構成されたものである。本実施形態に係る光スキャナ1は、図8に示した共振型偏向素子261と偏向素子281とに用いられる。ただし、駆動制御部60は、水平走査制御回路262と垂直走査制御回路282とに対応するものである。
網膜走査ディスプレイ201は、光束生成部220と、水平走査部260と、垂直走査部280とを備えている。
光束生成部220は、外部から供給される画像情報Sに基づいて画像光を生成し、生成された画像光を水平走査部260に供給する。水平走査部260は、光束生成部220により生成された画像光を水平方向に走査し、水平方向に走査された画像光をリレー光学系270を介して、垂直走査部280に供給する。垂直走査部280は、リレー光学系270を介して、水平走査部260から供給された画像光を垂直方向に走査し、垂直方向に走査された画像光をリレー光学系290を介して、装着者の瞳孔Eaに供給する。
光束生成部220は、信号処理回路221と、光源部230と、光合成部240と、を備えている。
信号処理回路221は、外部から供給された画像データSを受信する。信号処理回路221は、画像データSに基づいて、画像を合成するための要素となる青、赤、緑の各画像信号、B映像信号、R映像信号、G映像信号を生成し、光源部230に供給する。信号処理回路221は、水平走査部260を駆動するための水平同期信号を水平走査部260に供給し、垂直走査部280を駆動するための垂直同期信号を垂直走査部280に供給する。
光源部230は、信号処理回路221から供給されるB映像信号、R映像信号、G映像信号をそれぞれ画像光にする画像光出力部として機能する。光源部230は、青色の画像光を発生するBレーザ234及びBレーザ234を駆動するBレーザドライバ231と、赤色の画像光を発生するRレーザ235及びRレーザ235を駆動するRレーザドライバ232と、緑色の画像光を発生するGレーザ236及びGレーザ236を駆動するGレーザドライバ233と、を備えている。
光合成部240は、光源部230から出力された3つの画像光を供給され、3つの画像光を1つの画像光に合成して任意の画像光を生成する。光合成部240は、コリメート光学系241、242、243と、このコリメートされた画像光を合成するためのダイクロイックミラー244、245、246と、合成された画像光を伝送ケーブル250に導く結合光学系247とを備えている。各レーザ234、235、236から出射したレーザ光は、コリメート光学系241、242、243によってそれぞれ平行光化された後に、ダイクロイックミラー244、245、246に入射される。その後、これらのダイクロイックミラー244、245、246により、各画像光が波長に関して選択的に反射または透過される。コリメート光学系251は、伝送ケーブル250を介して出射される画像光を平行光化し、水平走査部260に導く。
平行光化された画像光は、水平走査部260、リレー光学系270、垂直走査部280、及びリレー光学系290により、2次元的に走査された画像光に変換される。水平走査部260は、コリメート光学系251で平行光化された画像光を画像表示のために水平方向に往復走査する。リレー光学系270は、水平走査部260と垂直走査部280との間に設けられ、水平走査部260により走査された画像光を、垂直走査部280に導く。垂直走査部280は、水平走査部260で水平方向に走査された画像光を垂直方向に往復走査する。リレー光学系290は、水平方向と垂直方向とに走査(2次元的に走査)された画像光を瞳孔Eaへ出射する。
水平走査部260は、共振型偏向素子261と、水平走査制御回路262と、を備えている。本実施形態に係る光スキャナ1は、共振型偏向素子261に用いられる。共振型偏向素子261は、画像光を水平方向に走査するための反射面を有する。水平走査制御回路262は、信号処理回路221から供給される水平同期信号に基づいて、共振型偏向素子261を共振させる。リレー光学系270は、水平走査部260と垂直走査部280との間で画像光を中継する。共振型偏向素子261によって水平方向に走査された光は、リレー光学系270によって垂直走査部280内の偏向素子281の反射面に収束される。
垂直走査部280は、偏向素子281と、垂直走査制御回路282と、を備えている。本実施形態に係る光スキャナ1は、偏向素子281に用いられる。偏向素子281は、リレー光学系270により導かれた画像光を垂直方向に走査する。垂直走査制御回路282は、信号処理回路221から供給される垂直同期信号に基づいて、偏向素子281を揺動させる。共振型偏向素子261により水平方向に走査され、偏向素子281によって垂直方向に走査された画像光は、2次元的に走査された走査画像光としてリレー光学系290へ出射される。
リレー光学系290は、垂直走査部280と装着者の瞳孔Eaとの間で画像光を中継する。共振型偏向素子261により水平方向に走査され、偏向素子281によって垂直方向に走査された画像光は、リレー光学系290によって装着者の瞳孔Eaに収束される。このようにして、装着者は画像情報に対応する画像を視認することができる。
(変形例)
本実施形態において、延長線XTに対して、駆動部4a、4bとは反対の側CSに位置するミラー部2の一側端CEと延長線XTとの間の距離CDは、延長線XTに対して、駆動部4a、4bと同じ側SSに位置するミラー部2の他側端SEと延長線XTとの間の距離SDより大きい。これにより、ミラー部2の重心GCは、延長線XTに対して、駆動部4a、4bとは反対の側CSに位置していた。しかし、これに限らず、ミラー部2に穴、溝、または重りを設けることにより、ミラー部2の重心GCが、延長線XTに対して、駆動部4a、4bとは反対の側CSに位置するように構成してもよい。
本実施形態において、構造体は、ウェットエッチングを用いた手法により形成されていたが、これに限らず、例えば、ドライエッチングにより形成されてもよい。
本実施形態において、構造体は、図7に示したように一度のマスクパターン形成と、一度のウェットエッチングにより製造されていたが、これに限らず、これらの製造工程は複数回行われてもよい。
本実施形態において、構造体を製造する際のマスクパターンは、シリコン基板に直接フォトレジストを塗布し、その後所定のパターン光を露光することで形成されていたが、これに限らず、例えば、シリコン基板を熱し、シリコン基板の両面にシリコン熱酸化膜を形成した後、シリコン熱酸化膜上にレジストを塗布し、その後所定のパターン光を露光することで所定の形状をしたレジスト膜を形成し、フッ酸等を用いて、シリコン熱酸化膜のうちの余分な部分を除去することで、マスクパターンを形成してもよい。
本実施形態において、光スキャナ1の使用例として、網膜走査ディスプレイ201を示したが、これに限らず、電子写真式複合機や、レーザプリンタ、バーコードリーダ等に用いられてもよい。
1 光スキャナ
2 ミラー部
3 可動梁
4a、4b 駆動部
5 固定部
6 反射面
7a、7b 支持梁
8a、8b 延出梁
9a〜9d 連結梁
10a、10b 圧電体
11a、11b 上部電極
12a、12b 下部電極
60 駆動制御部
SW 揺動軸線
XT 延長線
OS オフセット量

Claims (5)

  1. 入射した光束を反射して、走査する光スキャナであって、
    揺動軸線の回りに揺動可能な反射面を有するミラー部と、
    前記揺動軸線に平行な方向に前記ミラー部の両側から延出する一対のミラー支持梁と、前記一対のミラー支持梁の各々に連結する一対の第1連結部を有し、前記反射面に平行な面上で、且つ前記揺動軸線に垂直な方向において、前記第1連結部から前記ミラー支持梁の両側に延出する一対の延出梁と、前記一対の延出梁の両端の各々に連結する4つの第2連結部を有し、前記揺動軸線に平行に前記ミラー部から離れる方向に、前記第2連結部から延出する4つの連結梁と、を有する可動梁と、
    前記4つの連結梁に連結する固定部と、
    前記4つの連結梁のうち前記一対のミラー支持梁を結ぶ延長線に対して片側に位置する一対の連結梁と前記固定部とに跨って設けられ、前記可動梁を駆動するための一対の駆動部と、を備え、
    前記ミラー部の重心は、前記延長線に対して、前記一対の駆動部とは反対側に位置することを特徴とする光スキャナ。
  2. 前記一対の駆動部は、各々、前記反射面に平行な面上で、且つ前記揺動軸線に平行に伸縮する圧電体と前記圧電体を挟んだ両側に設けられた一対の電極と、を備え、
    前記一対の駆動部の前記圧電体が、前記反射面に平行な面上で、且つ前記揺動軸線に平行な方向において、共に伸び、または縮むように、前記一対の駆動部に対し同位相の駆動信号を供給する駆動制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載の光スキャナ。
  3. 前記延長線を挟んで対向する一対の前記連結梁間の分岐幅は、前記ミラー部の、前記反射面に平行な面上で、且つ前記揺動軸線に垂直な方向のミラー幅の半分より小さく、
    前記ミラー部の重心と前記延長線との間の距離は、前記分岐幅の半分の長さを前記ミラー幅の半分から減じた長さであることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の光スキャナ。
  4. 前記延長線に対して、前記一対の駆動部とは反対側に位置する前記ミラー部の一側端と前記延長線との間の距離が、前記延長線に対して、前記一対の駆動部と同じ側に位置する前記ミラー部の他側端と前記延長線との間の距離とは異なることで、前記ミラー部の重心は、前記延長線に対して、前記一対の駆動部とは反対側に位置することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光スキャナ。
  5. 前記ミラー部が穴、溝、または重りを有することにより、前記ミラー部の重心は、前記延長線に対して、前記一対の駆動部とは反対側に位置することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光スキャナ。
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