JP2011006951A - 浴室出入口用建具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下枠のカバー部材15に端部キャップ18を設け、この端部キャップ18に複数のリブ186、187,188を形成しておくことで、端部キャップ18の位置に達した水がその表面張力によって引き寄せられ、端面部181の浴室側端部から浴室床に戻される。従って、排水空間の水を端部キャップ18のリブ186、187,188で引き寄せて浴室側に誘導することで、下枠本体の上面部に水が残ってしまうことを防止して排水性を向上させることができる。
【選択図】図4
Description
このようなバリアフリータイプの浴室出入口用建具としては、従来は、洗い場から脱衣室側に水が流出することを防止するため、浴室出入口用建具の下枠下側に配水樋や排水管を設け、浴室から流出する水を下枠下側の排水樋等に落として排水する構造のものが用いられていた。
特許文献1に記載の建具では、下枠の脱衣室側端部に立上部を設けるとともに、この立上部および戸(障子)間にその隙間部分を塞ぐシール材を配置し、洗い場から脱衣室側への水の流出を前記立上部およびシール材で防止していた。この際、立上り部および脱衣室の床面と、浴室の洗い場と建具の上面との間に段差が生じることから、下枠の上側にアタッチメントを取り付け、段差部分にスロープを設けることで、浴室への出入りがスムーズにできるようになっている。このような建具によれば、下枠下側の排水樋等をなくすことができて施工性やメンテナンス性を向上できる利点がある。
特許文献2に記載の建具では、スロープ用アタッチメントと下枠の上面部との間に排水空間が形成され、この排水空間に引水部材が設けられることで、下枠上面部上の水を引き寄せて浴室側に誘導することができ、下枠上面に水が残ってしまうことを防止して排水性が向上できるようになっている。
また、本発明では、下枠の上面部は略フラットな面とされているので、カバー部材を取り外すことで、上面部の清掃を容易に行うことができる。
このような構成によれば、カバー部材を複数に分割することで下枠本体から取り外しやすくでき、下枠本体の清掃性を向上させることができる。さらに、分割した複数のカバー部材における両端部に端部キャップを取り付けることで、その引水部を下枠長手方向に沿った途中位置にも設けることができ、排水性をより一層向上させることができる。
このような構成によれば、複数のリブによって引水部の表面積が拡大されているので、下枠本体の上面部に滞留しようとする水の表面張力を壊しやすくでき、この水を確実に誘導することができる。
このような構成によれば、見付けリブによって下枠本体の長手方向内方から水を引き寄せ、引き寄せた水を見込みリブによって浴室床側に排水することで、さらに残水を少なくすることができる。
このような構成によれば、少なくとも各1つずつの見込みリブと見付けリブとが接続されていることで、見付けリブで引き寄せた水を見込みリブにスムーズに受け渡して排水することができ、排水性を向上させることができる。
このような構成によれば、各傾斜リブが下枠本体の長手方向内方から水を引き寄せつつ浴室床側に排水することで、水の引き寄せ効果を高めて排水性を向上させることができる。
なお、第2実施形態以降において、次の第1実施形態で説明する構成部材と同じ構成部材、および同様な機能を有する構成部材には、第1実施形態の構成部材と同じ符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。また、各図においては、図面を見やすくするために、主要な構成部材については、その断面部分のハッチングを省略することがある。
本発明の第1実施形態に係る浴室出入口用建具としての三枚建て引戸1について、図1〜図7に基づいて説明する。
図1および図2に示すように、三枚建て引戸1は、浴室床2の床面2Aと、脱衣室床(不図示)の床面および建具枠10の下枠12上面との段差が約10〜15mm程度以下とされた低段差構造の出入り口である。
この浴室は、浴槽(不図示)や浴室床(防水パン)2等がFRP(Fiber-Reinforced Plastics :繊維強化プラスチック)等から一体に形成され、あるいは別体で製造した部材を組み合わせてユニット化されたもので、図示しない躯体上に載置されている。
建具枠10は、それぞれアルミ押出形材製の上枠11、下枠12の下枠本体14および左右の縦枠13を四周枠組みして形成されている。そして、浴室側において、浴室床2の端部に形成された支持部2Bに下枠本体14が載置されて支持されている。
カバー部材15は、下枠12の長手方向の中間位置で分割された2つのカバー部材本体17と、これら各々のカバー部材本体17の両端部に取り付けられる樹脂製の端部キャップ18とを備えて構成されている。カバー部材本体17は、アルミ押出形材製で長尺状の部材であって、下枠本体14の上面部141を覆う水平面部171と、水平面部171の浴室側に連続して浴室床2の床面2Aを覆う傾斜面部172とを備えて形成されている。水平面部171と傾斜面部172とが連続する位置の下側には、取付部材16に係止される係止突起173が形成されている。
前述のように、カバー部材本体17の長手方向両端部に端部キャップ18を取り付け、このカバー部材15を下枠本体14に取り付けることで、カバー部材本体17の水平面部171および傾斜面部172の各下面と、下枠本体14の上面部141および浴室床2の床面2Aとの間には、排水空間Sが形成される。この取付状態において、カバー部材15の端部キャップ18におけるリブ186,187,188は、排水空間Sに位置して、かつ、下枠本体14の上面部141および浴室床2の床面2Aに所定間隔(0.2〜1mm程度)を介して対向するようになっている。
以上の下枠12に対して、浴室からカバー部材15部分に流れ込んだ水は、傾斜面部172を介して浴室側に戻される。また、カバー部材15部分に流れ込む水が多い場合、あるいは勢いよく流れ込んだ場合には、脱衣室側の止水材144によって堰き止められて脱衣室へ水が流れ出ることが防止され、この水は、カバー部材15の脱衣室側端部や長手方向端部あるいはカバー部材15中間の分割位置から下枠本体14の上面部141、つまり排水空間Sに流れ落ちる。
図7において、端部キャップ19は、前記端部キャップ18と略同様に、端面部191と、この端面部191から延びる引水部としての2つの挿入部192,193と、これら2つの挿入部192,193間の挿通溝194とを有するとともに、挿入部192には、弾性変形可能な2つの押圧片部195が形成されている。端部キャップ19の下面側には、下方に突出する複数のリブ196が設けられている。これらのリブ196は、脱衣室側から浴室側に向かうにしたがい、端面部191から離れて下枠12の長手方向内側に傾斜して延びる傾斜リブとして形成されている。また、押圧片部195の下面にも、リブ196と並んでリブ198が形成されている。以上の端部キャップ19においても、前記端部キャップ18と同様に、排水空間Sにおける上面部141上の水を各リブ196,198で引き寄せて浴室側に誘導することで、上面部141に水が残ってしまうことを防止して排水性を向上させることができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る浴室出入口用建具としての開き戸1Aについて、図8に基づいて説明する。
開き戸1Aは、建具枠10内に開閉自在に設けられた開き戸形式の障子(戸)20を備えて構成され、障子20は、一方の縦框側が建具枠10に回動自在に支持されている。障子20の下框22には、止水部品220が取り付けられ、この止水部品220から延びる2本の止水ヒレ221,222がそれぞれ下枠12のカバー部材35および止水材144に当接することで、障子20を閉じた際に浴室の水が脱衣室側に流れ出さないように構成されている。
次に、本発明の第3実施形態に係る浴室出入口用建具としての折れ戸1Bについて、図9に基づいて説明する。
折れ戸1Bは、建具枠10内にスライド自在かつ互いに屈伸自在に設けられた折れ戸形式の障子(戸)20を備えて構成されている。下枠12は、前記第1、2実施形態と略同様の下枠本体14と、この下枠本体14の上面側に取り付けられるカバー部材45とを備えて構成されている。なお、本実施形態では、下枠本体14に障子20を案内する下レール12Aが一体に形成され、この下レール12Aの基端部に立上部142および係合凹部146が形成されている。
次に、本発明の第4実施形態に係る浴室出入口用建具としての片引き戸1Cについて、図10に基づいて説明する。
片引き戸1Cは、建具枠10と、この建具枠10内に開閉自在に設けられた片引き戸形式の障子(戸)20とを備えて構成されている。下枠12は、前記第3実施形態と略同様の下枠本体14と、この下枠本体14の上面側に取り付けられるカバー部材45とを備えて構成され、障子20の戸車を案内する下レール12Aが下枠本体14に一体に形成されている。カバー部材45は、前記第3実施形態と同様のカバー部材本体47と係合部材49とを備えて構成され、その長手方向両端部に前記第1実施形態の端部キャップ18,19と略同様の端部キャップが取り付けられることで、上面部141に水が残ってしまうことを防止して排水性が向上できるように構成されている。
例えば、前記実施形態では、カバー部材15を下枠12の長手方向中間位置で2分割したが、これに限らず、下枠12の長手方向略全長に渡って1本のカバー部材で構成してもよく、またカバー部材を3分割以上に分割してもよい。
また、端部キャップ18,19の形状は、前記実施形態で説明したものに限らず、引水部の表面に適宜な凹凸が形成されたものや、複数のリブの高さ寸法が相違するもの、あるいは各リブが細かく分割されたものなど、適宜な形状の端部キャップが利用可能である。
また、前記各実施形態では、三枚建て引戸1、開き戸1A、折れ戸1Bおよび片引き戸1Cにについて説明したが、本発明の浴室出入口用建具における開閉形式は、特に限定されるものではなく、両開き形式や、二枚建ての引き戸形式、左右引き分け形式など、任意の開閉形式のものが利用可能である。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (6)
- 浴室出入口に取り付けられる建具枠と、この建具枠に対して開閉可能に設けられた戸とを備える浴室出入口用建具であって、
前記建具枠の下枠は、略フラットな上面部を有する下枠本体と、前記上面部の少なくとも一部を覆いかつ浴室床の上方に跨って延びるカバー部材とを備え、
前記カバー部材と前記下枠本体の上面部および前記浴室床との間には、当該上面部上に流出した水を浴室側に戻す排水空間が形成され、
前記カバー部材の長手方向における少なくとも一方の端部には、端部キャップが取り付けられ、この端部キャップには、前記排水空間に延びて前記上面部上の水を引き寄せる引水部が設けられている浴室出入口用建具。 - 前記カバー部材は、その長手方向の途中少なくとも1箇所で分割された複数で構成され、これら複数のカバー部材における両端部に各々前記端部キャップが取り付けられている請求項1に記載の浴室出入口用建具。
- 前記引水部には、下方に突出するとともに前記下枠本体の上面部および前記浴室床と所定の間隔を有して対向する複数のリブが形成されている請求項1または請求項2に記載の浴室出入口用建具。
- 前記リブは、前記下枠の見込み方向に延びる複数の見込みリブと、これら複数の見込みリブよりも見付け方向内側にて前記カバー部材の長手方向に延びる複数の見付けリブとを備えて構成されている請求項3に記載の浴室出入口用建具。
- 少なくとも1つの前記見込みリブと少なくとも1つの見付けリブとが接続されて平面略L字状の折曲リブが形成されている請求項4に記載の浴室出入口用建具。
- 前記リブは、前記下枠の見込み方向浴室側に向かって前記カバー部材の長手方向内側に傾斜する複数の傾斜リブを備えて構成されている請求項3に記載の浴室出入口用建具。
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