JP2010520236A - リソフィリンアナログとその使用法 - Google Patents

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Abstract

リソフィリン(LSF)のアナログと、そうしたアナログの調製のための合成法とが提供される。提供されるLSFのアナログは、細胞生存能を保護する能力、特に膵臓β細胞を保護する能力を持つ。

Description

[政府財政支援]
本明細書に記載の発明は、国立衛生研究所に認定された認可番号DK 63521の下に政府支援を受けてなされたものである。米国政府は本発明に一定の権利を有する。
1型糖尿病は、膵島のインスリン産生β細胞の免疫介在性の炎症性破壊に起因する自己免疫疾患である。1型糖尿病における具体的な発症機序はわかっていないが、活性化されたT細胞とマクロファージが発症に必要であると考えられている。活性化されたマクロファージは、インターロイキン1β(IL-1β)、インターロイキン12(IL-12)、腫瘍壊死因子α(TNF-α)などの数種の炎症性サイトカインを分泌し、活性化T細胞からのインターフェロン-γ(IFN-γ)産生を誘発する(Z. D.Yang, M. Chen, R. Wu, M. McDuffie, J. L. Nadler, Diabetologia, 2002, 45, 1307-1314参照)。これらのサイトカインはβ細胞に対して細胞毒性であり、β細胞破壊に関与していると考えられているTh-1介在性炎症反応を増進することが報告されている(M. Chen, Z. D. Yang, R. Wu, J. L. Nadler, Endocrinology, 2002, 143(6), 2341-2348参照)。
抗炎症化合物リソフィリン(LSF;1-(5-R-ヒドロキシ-ヘキシル)-3,7-ジメチルキサンチン)は、インスリン分泌能と細胞生存能を維持する能力により、多数の炎症性サイトカイン介在性損傷からβ細胞を保護できることが示されている。
リソフィリンのような薬剤は、1型糖尿病の進行中にβ細胞損傷を予防する上で臨床的有用性を持ち得る。この仮説は、非肥満性糖尿病(NOD)マウスでの自然発症1型糖尿病の進行が、リソフィリンにより有意に軽減されたことを示す研究によって裏付けられる(Yang参照)。しかしながら、リソフィリンは経口投与が不可能であり、比較的効能が弱いという欠点を持つため、その臨床開発は制限され得る。LSFの構造は構造式Iである。
現在、増強された効能、選択性、経口バイオアベイラビリティを持つ、リソフィリン骨格に基づく新規の強力な選択的薬剤が必要とされている。
本発明は、リソフィリン(LSF)のアナログと、そのアナログの調製のための合成法とを提供する。このアナログはLSFよりも高い効能と経口バイオアベイラビリティを持ち得る。アナログはLSFの活性側鎖部分(5-R-ヒドロキシヘキシル)を持つ。本発明はLSFの誘導体もまた含む。LSFは構造式Iを持つ。
開示された化合物は、様々な窒素含有複素環化合物で置換することができ、もしくはその側鎖上で置換することができる。従って、本発明は構造式IIを持つ化合物、もしくはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
R2は以下から成る群から選択される。nは1もしくは2である。
別の実施形態では、本発明は構造式IIIを持つアナログとその薬学的に許容可能な塩を提供する。
R3はそれぞれ独立に、水素、C1-22アルキル、C2-22アルケニル、もしくはC2-22アルキニルである。ただし少なくとも一つのR3基は水素ではない。
別の実施形態では、本発明は、細胞生存能を保護する能力、特に膵臓β細胞を保護する能力を持つ、LSFのアナログを提供する。従って、本発明のアナログは膵臓がインスリン分泌能を維持できるようにする。
別の実施形態では、本発明は1型糖尿病の処置に有用なLSFのアナログを提供する。別の実施形態では、本発明は1型糖尿病の進行を抑制し得るLSFのアナログを提供する。
別の実施形態では、本発明は1型糖尿病の処置に有用なLSFのアナログを提供する。別の実施形態では、本発明は、身体がβ細胞を再生できるようにすることで、1型糖尿病の改善をもたらし得るLSFのアナログを提供する。
別の態様では、本発明は以下のものも提供する。
構造式II、構造式IIIの化合物、もしくはその薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容可能な担体もしくは添加剤と、を含む薬学的組成物(組成物は有効量の化合物もしくは塩を含むことが好ましい)。
1型糖尿病を処置もしくは予防する方法であって、そうした処置を必要とする哺乳類(ヒトなど)に、構造式II、構造式IIIの化合物、もしくはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む、方法。
構造式II、構造式IIIの化合物、もしくはその薬学的に許容可能な塩の、保護に有効な量を、(in vitroもしくはin vivoで)細胞に接触させることを含む、細胞生存能、特に膵臓β細胞を保護する能力を保護するための方法。
医療処置(1型糖尿病の処置など)で使用するための、構造式II、構造式IIIの化合物、もしくはその薬学的に許容可能な塩。
哺乳類(ヒトなど)の1型糖尿病を処置するための薬剤を調製するための、構造式II、構造式IIIの化合物、もしくはその薬学的に許容可能な塩の使用方法。
開示された化合物は、炎症性疾患および自己免疫疾患の処置に有用であり得る。そうした疾患の限定されない例としては、アテローム性動脈硬化症、2型糖尿病、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)などの内蔵型肥満関連疾患、多発性硬化症、炎症性腸疾患、乾癬、関節リウマチ、アルツハイマー病などを含む。
本発明は、開示された化合物の活性を試験する方法もまた提供する。開示されていない方法は当業者に知られている。当業者は、開示された化合物が所望の結果をもたらすかどうかを決定するために多くの技術が利用可能であることを理解するだろう。
本発明は開示された化合物を投与するためのキットも提供する。
本発明は、構造式IIもしくは構造式IIIのアナログを調製するために有用な、本明細書で開示される新規の中間体とプロセスもまた提供し、総括的な中間体と具体的な中間体、および本明細書の図表と実施例に記載された合成プロセスが含まれる。
開示された化合物の具体例を図示する。
本発明を記載し請求するにあたり、特に他に定めない限り、本明細書で使用される全ての技術用語と科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に共通に理解されている意味と同じ意味を持つ。本明細書に記載の物質および方法と類似するかもしくは同等である任意の物質および方法を、本発明の実践もしくは試験において使用することができるが、本明細書では好ましい物質と方法について記載してある。下記の用語の各々は、それぞれに付随する意味を本明細書において持つ。ラジカル、置換基、および範囲について下記に挙げた特定値や好ましい値は例示に過ぎない。すなわち、これらはラジカルおよび置換基について、他の規定値もしくは規定範囲内の他の値を除外するものではない。
「一つ」(“a”、“an”、“the”)、「少なくとも一つ」(“at least one”)、および「一つ以上」(“one or more”)という用語は同義的に使用される。従って、例えば一つの要素を含む組成物とは、一つの要素もしくは一つよりも多くの要素を意味する。
「病的細胞」(“affected cell”)という用語は、疾病もしくは障害に罹患した被験体の細胞をあらわし、病的細胞は、疾病もしくは障害に罹患していない被験体と比べて変化した表現型を持つ。
細胞もしくは組織が、疾病もしくは障害に罹患していない被験体の同じ細胞もしくは組織と比べて変化した表現型を持つ場合、その細胞もしくは組織は疾病もしくは障害に「罹患している」(“affected”)という。
疾病もしくは障害の症状の重篤度、そうした症状を患者が経験する頻度、もしくはその両方が軽減する場合、その疾病もしくは障害は「緩和された」(“alleviated”)という。
「化合物」(“compound”)という用語は、一般に薬物と見なされる任意の種類の物質もしくは薬剤、または、薬物として使用される候補、およびこれらの組み合わせや混合物、ならびに、開示された化合物のポリペプチドおよび抗体をあらわす。
化学化合物の「アナログ」(“analog”)とは、例として、構造は類似するが必ずしも異性体ではないような化合物もまた含んでもよい(例えば5-フルオロウラシルはチミンのアナログである)。
「細胞」(“cell”)、「細胞株」(“cell line”)、「細胞培養」(“cell culture”)という用語は同義的に使用されてもよい。
「対照」(“control”)用の細胞、組織、試料、もしくは被験体は、試験用の細胞、組織、試料、もしくは被験体と同じ種類の細胞、組織、試料、もしくは被験体である。例えば対照は、試験用の細胞、組織、試料、もしくは被験体を試験する時と正確に同じ時間に、もしくはほぼ同じ時間に実験してもよい。例えば対照はまた、試験用の細胞、組織、試料、もしくは被験体が実験される時から離れた時間に実験されてもよく、対照実験の結果を記録して、記録した結果を、試験用の細胞、組織、試料、もしくは被験体の実験によって得られる結果と比較できるようにしてもよい。また、試験を行う目的とする疾病もしくは障害を持つ疑いのある被験体から試験試料を得る場合、対照は、試験群もしくは試験被験体以外の別の供給源もしくは類似する供給源から得てもよい。
「試験」(“test”)用の細胞、組織、試料、もしくは被験体とは、実験もしくは処置されるもののことである。
「病徴」を示す(“pathoindicative”)細胞、組織、もしくは試料とは、それらが存在するとき、その細胞、組織、もしくは試料を持つ動物(または、その組織が得られた動物)が、疾病もしくは障害に罹患していることを示す細胞、組織、もしくは試料のことである。例として、動物の肺組織に一つ以上の乳腺細胞が存在することは、その動物が転移性乳癌に罹患していることを示す。
細胞のうちの一つ以上が、疾病もしくは障害に罹患していない動物の組織内に存在する場合、その組織はその細胞を「正常に含む」(“normally comprises”)という。
化合物の「誘導体」(“derivative”)とは、アルキル基、アシル基、もしくはアミノ基による水素の置換といった一つ以上のステップを経て、類似する構造を持つ別の化合物から作られ得る化学化合物をあらわす。
「疾病」(“disease”)とは、恒常性を維持できないような動物の健康状態のことであり、その疾病が改善しない場合、動物の健康は悪化し続ける。
対照的に、動物における「障害」(“disorder”)とは、恒常性を維持することはできるが、障害がなかった場合に比べ動物の健康状態が好ましくないような健康状態のことである。処置されないままでも、障害は動物の健康状態を必ずしもさらに悪化させるとは限らない。
「検出」(“detect”)という用語とその文法的変形を使用する場合は、定量化を伴わない化学種の評価をあらわすことを意味し、一方「計測」(“determine”)もしくは「測定」(“measure”)という用語とそれらの文法的変形を使用する場合は、定量化を伴う化学種の評価をあらわすことを意味する。「検出」(“detect”)と「同定」(“identify”)という用語は本明細書では同義的に使用される。
「機能的」(“functional”)分子(例えば化合物もしくはアナログ)とは、特徴的な性質をあらわす形態の分子のことである。例として、機能酵素とは、その酵素に特徴的な特有の触媒活性をあらわすものである。
「阻害」(“inhibit”)という用語は、開示された化合物が、記載された機能を低減もしくは妨害する能力をあらわす。好ましくは、阻害は少なくとも10%、より好ましくは少なくとも25%、さらに好ましくは少なくとも50%であり、最も好ましくは少なくとも75%で機能が阻害される。
「説明書」(“instructional material”)とは、本明細書で挙げた様々な疾病もしくは障害の軽減効果を発揮するためのキットにおいて、開示された化合物の有用性を伝えるために使用され得る、出版物、記録、図、もしくは任意の他の表現媒体を含む。随意に、もしくはその代わりに、説明書は、哺乳類の細胞もしくは組織において疾病もしくは障害を軽減する一つ以上の方法を説明してもよい。キットの説明書は、例えば開示された化合物を含む容器に添付してもよいし、もしくは、同定された化合物を含む容器と共に出荷されてもよい。あるいは、説明書と化合物が受取人によって併せて使用されるという意図を持って、説明書が容器と別々に出荷されてもよい。
「非経口」(“parenteral”)という用語は、消化管を通らずに、皮下、筋肉内、髄腔内、もしくは静脈内といった他の経路によることを意味する。
「薬学的に許容可能な担体」(“pharmaceutically acceptable carrier”)という用語は、リン酸緩衝生理食塩水、水、および乳濁液(油/水もしくは水/油の乳濁液など)、ならびに様々な種類の湿潤剤といった、任意の標準的な薬学的担体を含む。この用語はまた、米国連邦政府の規制当局によって認可されている薬剤、もしくは米国薬局方でヒトを含む動物での使用用として挙げられている薬剤の任意のものも含む。これらの、およびその他の薬学的に許容可能な担体の例は、Remington's Pharmaceutical Sciences(1991、Mack Publication Co., New Jersey)に記載されている。
「精製した」(“purified”)という用語およびその類似語は、自然環境において分子もしくは化合物に通常付随する他の構成要素を、実質的に含まない(少なくとも75%含まない、好ましくは90%含まない、最も好ましくは少なくとも95%含まない)形態でその分子もしくは化合物を分離することに関する。「精製した」(“purified”)という用語は、処理過程中に得られる特定分子の純度が完全であることを必ずしも示すとは限らない。「非常に純粋な」(“very pure”)化合物とは、純度が90%よりも高い化合物をあらわす。「高度に精製した」(“highly purified”)化合物とは、純度が95%よりも高い化合物をあらわす。
「試料」(“sample”)という用語は、好ましくは被験体由来の生物学的試料をあらわし、正常組織試料、罹患組織試料、生検試料、血液、唾液、***物、***、涙液、および尿を含むが、これらに限定はされない。試料はまた、目的の細胞、組織、もしくは流体を含む、被験体から得られる物質の任意の他の供給源であってもよい。試料は、細胞培養もしくは組織培養からも得ることができる。
「標準」(“standard”)という用語は、比較のために使用されるものをあらわす。例えば標準とは、対照試料に投与もしくは加えられる既知の標準剤もしくは標準化合物であってよく、試験試料においてその化合物を測定する際に結果を比較するために使用される。標準とはまた、試料に既知量の薬剤もしくは化合物を加えるといった「内部標準」(“internal standard”)もあらわしてもよく、目的のマーカーが測定される前に、試料が処理されたり、または精製もしくは抽出手順に供されるときに、精製率もしくは回収率といったことを計測するために有用である。
分析、診断、もしくは処置の「被験体」(“subject”)は動物である。そうした動物としては哺乳類を含み、好ましくはヒトである。
「治療上の」(“therapeutic”)処置とは、病変の兆候を示す被験体へ、そうした兆候を軽減もしくは除去する目的で施す処置である。
化合物の「治療上有効量」(“therapeutically effective amount”)とは、その化合物が投与される被験体に対して有益な効果をもたらすために充分な化合物の量である。
「処置する」(“treating”)もしくは「処置」(“treatment”)という用語は、特定の障害もしくは病状の予防、または、特定の障害もしくは病状に伴う症状の軽減、または、前述の症状の予防もしくは除去を含む。
「予防的」(“prophylactic”)処置とは、疾病の兆候を示していない、もしくは疾病の初期兆候のみしか示していない被験体に、そうした疾病に伴う病変が進行するリスクを軽減させる目的で施す処置である。
「治療上の」(“therapeutic”)処置とは、病変の兆候を示す被験体へ、そうした兆候を軽減もしくは除去する目的で施す処置である。
「有効量」(“effective amount”)とは、選択された効果を生じるために充分な量を意味する。
本明細書で使用される、化合物もしくはアナログの「治療有効量」(“therapeutically effective amount”)とは、その化合物が投与される被験体に対して有益な効果をもたらすために充分な化合物の量である。
ラジカル、置換基、および範囲について下記に挙げた値は例示に過ぎない。すなわち、これらはラジカルおよび置換基について、他の規定値もしくは規定範囲内の他の値を除外するものではない。開示された化合物は、ある値、具体的な値、より具体的な値、および本明細書に記載の好ましい値の任意の組み合わせを持つ、構造式IIもしくは構造式IIIの化合物を含む。
本明細書で使用される「ハロゲン」(“halogen”)もしくは「ハロ」(“halo”)という用語は、ブロモ、クロロ、フルオロ、およびヨードを含む。本明細書で使用される「ハロアルキル」(“haloalkyl”)という用語は、例えばクロロメチル、フルオロエチル、もしくはトリフルオロメチルなどの少なくとも一つのハロゲン置換基を持つアルキルラジカルをあらわす。
「ハロゲン」(“halogen”)もしくは「ハロ」(“halo”)という用語は、ブロモ、クロロ、フルオロ、およびヨードを含む。「ハロアルキル」(“haloalkyl”)という用語は少なくとも一つのハロゲン置換基を持つアルキルラジカルをあらわし、限定されない例としては、クロロメチル、フルオロエチル、もしくはトリフルオロメチルなどを含むが、これらに限定はされない。
「(C1-C22)アルキル」という用語は、1から22の炭素を持つ分岐アルキル基もしくは直鎖アルキル基をあらわす。限定されない例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどを含むが、これらに限定はされない。「低級アルキル」(“lower alkyl”)という用語は、1から6の炭素原子を持つアルキル基をあらわす。典型的には、C1-C6アルキル基は、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなどを含むが、これらに限定はされない。
「(C2-C22)アルケニル」という用語は、2から22の炭素原子と少なくとも一つの二重結合を持つ、オレフィン系不飽和の分岐基もしくは直鎖基をあらわす。典型的には、(C2-C22)アルケニル基は、1-プロペニル、2-プロペニル、1,3-ブタジエニル、1-ブテニル、ヘキセニル、ペンテニル、ヘキセニルなどを含むが、これらに限定はされない。同様に、(C2-C22)アルキニルは、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル、もしくは5-ヘキシニルであってよい。多重結合していないアルケニル基もしくはアルキニル基の炭素原子は、置換(substitutionもしくはreplacement)のためのアルキル炭素原子と見なされる。
不斉中心を持つ開示された化合物は、光学活性体およびラセミ体で存在し、分離され得ることが当業者に理解されるだろう。当然のことながら、開示された化合物は、記載された有用な特性を有する化合物の、任意のラセミ体、光学活性体もしくは立体異性体、またはこれらの混合物、例えばS,R;S,S;R,RもしくはR,Sジアステレオマーなどを包含する。そうした光学活性体を調製する方法(例えば、再結晶法によるラセミ体の分解、光学活性出発物質からの合成、不斉合成、もしくは不斉固定相を用いるクロマトグラフィー分離による)、ならびに、本明細書に記載の標準試験を用いる、あるいは当該技術分野で周知の他の類似試験を用いる、cADPRアゴニストもしくはアンタゴニスト活性を計測する方法は、当該技術分野でよく知られている。加えて、いくつかの化合物は多形(polymorphism)を示し得る。
開示された化合物は互変異性体で存在してもよく、本発明は互変異性体の混合物、および別個の独立した互変異性体の両方を含む。例えば、以下の構造
は、次の構造の混合物をあらわすものと理解される。
16:0、18:0、18:1、20:4、もしくは22:6の炭化水素という用語は、分岐もしくは直鎖のアルキル基もしくはアルケニル基をあらわし、一つ目の整数は基内の炭素の総数をあらわし、二つ目の整数は基内の二重結合の数をあらわす。
「薬学的に許容可能な塩」(“pharmaceutically acceptable salt”)という用語は、開示された化合物の生物学的効果および特性を保持し、かつ、生物学的にもしくはその他の点で有害ではないような塩をあらわす。多くの場合、開示された化合物は、アミノ基もしくはそれに類似する基の存在のために、酸性塩もしくは塩基性塩を形成することができる。
開示された化合物が、安定な非毒性の酸性塩もしくは塩基性塩を形成するために充分に塩基性もしくは酸性である場合には、薬学的に許容可能な塩として化合物を調製および投与することが適切であり得る。薬学的に許容可能な塩の例としては、生理学的に許容可能なアニオンをつくる酸で形成される有機酸付加塩があり、例えば、トシル酸塩、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、α-ケトグルタル酸塩、およびα-グリセロリン酸塩などがある。また、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、重炭酸塩、炭酸塩を含む無機塩も形成されてもよい。
薬学的に許容可能な塩は、当該技術分野で周知の標準的な手順を用いて得られてもよく、例えば、アミンなどの充分に塩基性の化合物を、生理学的に許容可能なアニオンをもたらす酸と反応させることによって得られてもよい。また、カルボン酸のアルカリ金属塩(例えばナトリウム、カリウムもしくはリチウム)またはカルボン酸のアルカリ土類金属塩(例えばカルシウム)が作られてもよい。
薬学的に許容可能な塩基付加塩は、無機塩基および有機塩基から調製することができる。無機塩基由来の塩は、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、およびマグネシウムの塩を含むが、これらに限定はされない。有機塩基由来の塩は、例えば、アルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、置換アルキルアミン、ジ(置換アルキル)アミン、トリ(置換アルキル)アミン、アルケニルアミン、ジアルケニルアミン、トリアルケニルアミン、置換アルケニルアミン、ジ(置換アルケニル)アミン、トリ(置換アルケニル)アミン、シクロアルキルアミン、ジ(シクロアルキル)アミン、トリ(シクロアルキル)アミン、置換シクロアルキルアミン、二置換シクロアルキルアミン、三置換シクロアルキルアミン、シクロアルケニルアミン、ジ(シクロアルケニル)アミン、トリ(シクロアルケニル)アミン、置換シクロアルケニルアミン、二置換シクロアルケニルアミン、三置換シクロアルケニルアミン、アリールアミン、ジアリールアミン、トリアリールアミン、ヘテロアリールアミン、ジヘテロアリールアミン、トリヘテロアリールアミン、複素環アミン、二複素環アミン、三複素環アミン、ならびに、アミンの置換基のうち少なくとも二つが異なり、かつそれらがアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、シクロアルケニル基、置換シクロアルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、もしくは複素環などである、ジ-アミンとトリ-アミンの混合物、などの一級アミン、二級アミン、および三級アミンの塩を含むが、これらに限定はされない。また、二個もしくは三個の置換基が、アミノ窒素と共に、複素環もしくはヘテロアリール基を形成するようなアミンも含まれる。限定されないアミンの例としては、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリ(イソ-プロピル)アミン、トリ(n-プロピル)アミン、エタノールアミン、2-ジメチルアミノエタノール、トロメタミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、N-アルキルグルカミン類、テオブロミン、プリン類、ピペラジン、ピペリジン、モルフォリン、N-エチルピペリジンなどを含む。また、例えば、カルボキサミド、低級アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミドなどを含むカルボン酸アミドなど、その他のカルボン酸誘導体も有用であろうことも理解すべきである。
薬学的に許容可能な酸付加塩は、有機酸および無機酸から調製されてもよい。無機酸由来の塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などを含む。有機酸由来の塩は、酢酸塩、プロピオン酸塩、グリコール酸塩、ピルビン酸塩、シュウ酸塩、リンゴ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、サリチル酸塩などを含む。
本発明はまた、開示された化合物を含む薬学的組成物も含む。より具体的には、そうした化合物は、当業者に知られている標準的な薬学的に許容可能な担体、賦形剤、可溶化剤、および安定剤を用いて、薬学的組成物として処方され得る。例えば、本明細書に記載の化合物、またはそのアナログ、誘導体、もしくは改変体を含む薬学的組成物は、被験体に適切な化合物を投与するために使用される。
開示された化合物は、疾病もしくは障害の処置にとって有用であり、それを必要とする被験体に、治療上許容可能な量の化合物、もしくは、治療有効量の化合物と薬学的に許容可能な担体とを含む薬学的組成物を投与することを含む。
別の実施形態では、本発明は開示された化合物を投与もしくは使用する上での使用用キットを提供する。
ラジカル、置換基、および範囲について下記に挙げた特定値や好ましい値は例示に過ぎない。すなわち、これらはラジカルおよび置換基について、他の規定値もしくは規定範囲内の他の値を除外するものではない。
開示された化合物は、IUPAC命名法もしくはCAS命名法に従って一般に命名される。当業者に周知の略語を使用している場合もある(例えば、フェニル基は“Ph”、メチル基は“Me”、エチル基は“Et”、時間は“h”、室温は“rt”、ラセミ混合物は“rac”)。
本発明は、薬物治療で使用するための構造式IIもしくは構造式IIIの化合物もまた提供する。
R3の好ましい値は、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、3-ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、もしくはヘキサデシル、および、2-メチル-ヘキシル、3-メチル-ヘキシル、4-メチル-オクチル、5-エチル-オクチル、5-フェニル-オクチルなどの分岐鎖、および、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニルなどの不飽和鎖である。
R3のより好ましい値は、水素、エチル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、もしくはヘキサデシルである。一部の化合物では、R3基はメチルで置換され得る。
R3のさらにより好ましい値は、水素、エチル、ブチル、ヘキシル、もしくはオクチルである。
好ましいR2は下記の通りである。
一態様では、開示された化合物は、図1に図示される構造式を持つ化合物とその薬学的に許容可能な塩であってもよい。
水酸化ナトリウム(約1.2 eq.)を、無水DMFに溶解したフタルヒドラジド溶液(約1.0 eq.)に加える。0℃で30分間撹拌した後、ハロゲン化アルキルもしくはハロゲン化アルケニル(約0.9 eq.)と、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(約0.1 eq.)を加える。混合物を室温もしくは約70〜80℃で一晩撹拌する。反応物に水を加えて急冷し、酢酸エチルで抽出する。混合抽出物を水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥させる。減圧下で溶媒を除去する。生成物はカラムクロマトグラフィー(例えばシリカ、酢酸エチル)で精製することができる。構造式IIIを持つ開示された化合物を調製するための一般的スキームは、下記のスキーム1で提供される。
構造式IIIのアナログを調製するためのプロセスはさらなる実施形態として提供され、以下の手順によって説明される。その手順においては、総称的なラジカルの意味は、他の条件付けがない限り上記の通りである。
開示された化合物は、医薬組成物として処方され、例えば経口もしくは非経口、静脈内、筋肉内、局所もしくは皮下の経路といった、選択された投与経路に適した様々な形態で、ヒトの患者など、哺乳類宿主に投与され得る。
従って、開示された化合物は、不活性希釈剤もしくは同化性可食担体などの薬学的に許容可能な媒体と組み合わせて、例えば経口で全身投与され得る。それらは、ハードシェルもしくはソフトシェルのゼラチンカプセルに封入されてもよく、または打錠されてもよく、または患者の食事の食物に直接加えられてもよい。経口治療投与では、活性化合物は一種以上の添加剤と組み合わされ、摂取可能な錠剤、口内錠、トローチ、カプセル、エリキシル剤、懸濁液、シロップ、ウェハースなどといった形態で使用されてもよい。そうした組成物および製剤は、活性化合物を少なくとも0.1%含むべきである。組成物の比率や製剤の比率は当然のことながら変更されてもよく、所定の剤形単位の重量の約2%から約60%の範囲とするのが好ましい。そのような治療上有用な組成物中の活性化合物の量は、有効な投与量レベルが得られるようなものとする。
錠剤、トローチ、丸薬、カプセルなどは、以下のものも含んでもよい。すなわち、トラガカントゴム、アラビアゴム、コーンスターチ、もしくはゼラチンなどの結合剤;リン酸水素カルシウムなどの添加剤;コーンスターチ、ジャガイモ澱粉、アルギン酸などの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤;スクロース、フルクトース、ラクトース、もしくはアスパルテームなどの甘味料、または、ペパーミント、冬緑油、もしくはチェリーフレーバーなどの香味料を加えてもよい。剤形単位がカプセルである場合には、前述の種類の物質に加えて、植物油もしくはポリエチエレングリコールといった液状担体を含んでもよい。その他様々な物質を、コーティングとして、もしくは別の方法で固体の剤形単位の物理的形状を改変するために使用してもよい。例えば、錠剤、丸薬、もしくはカプセルを、ゼラチン、ワックス、セラック(shellac)、もしくは糖などでコーティングしてもよい。シロップ剤もしくはエリキシル剤は、活性化合物、甘味剤としてスクロースもしくはフルクトース、保存料としてメチルパラベンおよびプロピルパラベン、着色料、チェリーフレーバーもしくはオレンジフレーバーなどの香味料を含んでもよい。当然のことながら、いかなる剤形単位の調製に用いられるいかなる物質も、薬学的に許容可能で、かつ、用いられる量において実質的に非毒性でなければならない。加えて、活性化合物は徐放性の製剤および装置に組み込まれてもよい。
活性化合物はまた、注入もしくは注射によって、静脈内もしくは腹腔内に投与されてもよい。活性化合物もしくはその塩の溶液は水で調製してもよく、随意に非毒性の界面活性剤と混合してもよい。また、分散液をグリセロール、液体ポリエチレングリコール、トリアセチン、およびこれらの混合物の中で調製しもよいし、油中で調製してもよい。通常の条件下での保管および使用の場合には、これらの製剤は、微生物の増殖を防ぐための保存料を含む。
注射もしくは注入のための薬学的剤形の例としては、活性成分を含む滅菌水溶液もしくは分散液(懸濁液)、または滅菌粉末を含んでもよく、これらは滅菌済の注射可能もしくは注入可能な溶液もしくは分散液の即時調製に適しており、随意にリポソーム内に封入してもよい。全ての場合において、最終的な剤形は、製造および保管の条件下において、滅菌、流動性、かつ安定であるべきである。このような分散液もしくは溶液は公知技術に従って処方されてもよく、また、活性成分に加えて、分散剤、湿潤剤、もしくは懸濁剤といった追加成分を含んでもよい。液状担体もしくは媒体としては、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール類など)、植物油、非毒性グリセリルエステル類、ならびにこれらの混合物を含む、溶媒もしくは液体分散媒であってもよい。その他の許容可能な希釈剤および溶媒としては、Ringer(リンゲル)溶液、等張塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)、ならびに不揮発性油(合成モノグリセリドもしくは合成ジグリセリドなど)を含むが、これらに限定はされない。例えば、リポソームの形成によって、分散液の場合に必要な粒子径を維持することによって、もしくは、界面活性剤の使用によって、適切な流動性を保つことができる。例えば、パラベン類、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどの、種々の抗菌剤ならびに抗真菌剤によって、微生物の活動を抑えることができる。多くの場合には、例えば糖類、緩衝剤、もしくは塩化ナトリウムといった等張剤を含むことが好ましい。例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンといった吸収遅延剤を組成物中で用いることによって、注射可能な組成物の吸収を引き延ばすことが可能である。
滅菌溶液は、適切な溶媒中の必要量の活性化合物を、上記で列挙した種々の他の成分と併せることによって調製され、その後、必要であれば濾過滅菌される。滅菌溶液の調製用に滅菌粉末を用いる場合、好ましい調製法は真空乾燥法および凍結乾燥法であり、この方法により、活性成分の粉末に、予め滅菌濾過した溶液に含まれる所望の任意の追加成分を足したものが得られる。滅菌溶液もしくは滅菌粉末は、担体と組み合わせて、注射によって投与することができる。加えて、滅菌溶液もしくは滅菌粉末を、担体もしくは推進剤と組み合わせて、吸入によって投与することができる。
局所投与の場合、本発明の化合物を、例えば液体である場合には、純粋な形態で利用してもよい。しかしながら、皮膚科学的に許容可能な担体(固体でも液体でもよい)と組み合わせた組成物もしくは製剤として皮膚に投与することが一般的には望ましい。
有用な固体担体としては、滑石(タルク)、粘土、微結晶セルロース、シリカ、アルミナなどの微粒子固体を含む。有用な液体担体としては、水、アルコール類もしくはグリコール類、または水-アルコール/グリコール混合液を含み、これには、随意に非毒性界面活性剤を用いて、本発明の化合物の有効量を溶解するかもしくは分散することができる。香料などの佐剤、および追加の抗微生物剤を、所定の使用方法のための特性を最適化するために加えてもよい。結果として得られる液体組成物は、吸収性パッドから投与したり、包帯および他の手当用品に含浸させるために使用したり、あるいは、ポンプ型スプレーもしくはエアロゾルスプレーを用いて、患部に噴霧してもよい。
合成ポリマー、脂肪酸、脂肪酸塩および脂肪酸エステル、脂肪アルコール、修飾セルロース、または修飾無機物質などの増粘剤を液状担体と併せて用いることで、使用者の皮膚に直接塗布するための、薄く塗り拡げることができるようなペースト、ゲル、軟膏、石鹸などを形成することもできる。
構造式IIもしくは構造式IIIの化合物の有用な投与量は、in vitro活性と、動物モデルでのin vivo活性とを比較することで計測できる。マウスおよび他の動物での有効投与量をヒトへと外挿する方法は当該技術分野において公知であり、例えば、U.S. Pat. No. 4,938,949を参照のこと。
溶液もしくは懸濁液などの液状組成物における、構造式IIもしくは構造式IIIの化合物(群)の濃度は、一般的には約0.1〜25 wt%であり、好ましくは約0.5〜10 wt%である。ゲルもしくは粉末といった半固体もしくは固体の組成物における濃度は、約0.1〜5 wt%であり、好ましくは約0.5〜2.5 wt%である。
化合物、またはその活性塩もしくは誘導体の、処置で使用するために必要な量は、選択した特定の塩によって異なるだけでなく、投与経路、処置される病状の性質、ならびに患者の年齢および体調によっても異なり、最終的にはかかりつけの医師もしくは臨床医の裁量で決められる。
しかしながら一般的に、投与量は約0.5 mg/kgから約20 mg/kgの範囲であり得、例えば、体重に対して一日あたり約1 mg/kgから約18 mg/kgの範囲、例えば受容者の体重に対して一日あたり3 mg/kgから約16 mg/kgの範囲、好ましくは6〜14 mg/kg/dayの範囲、最も好ましくは9〜11 mg/kg/dayの範囲であり得る。
化合物は、例えば、剤形単位あたり活性成分が5〜1000 mg、好ましくは10〜750 mg、最も好ましくは50〜500 mgの範囲で含まれる剤形単位で投与されることが好ましい。
理想的には、活性成分は、活性化合物の血漿濃度のピークが約100 nMから約50 μM、好ましくは約90 nMから約60 μM、最も好ましくは約70 μMから約80 nMの範囲となるように投与されるべきである。これは例えば、活性成分の0.05〜5%溶液を、随意に生理食塩水に溶解させて、静脈注射によって実現してもよいし、あるいは、約1〜100 mgの活性成分を含むボーラス(bolus)として経口投与してもよい。約0.01〜5.0 mg/kg/hrの活性成分(群)を与える持続注入によって、あるいは、約0.4〜15 mg/kgの活性成分(群)を含む間欠的注入によって、所望の血中濃度を維持してもよい。
所望の投与量は、単回投与、または、例えば一日につき二回、三回、もしくは四回以上の部分投与といった、適切な間隔で投与される分割投与で行われることが好ましい。部分投与自体をさらに分割してもよく、例えば、吸入器からの複数回の吸入、もしくは複数の錠剤の投与といった、大まかに間隔のあいた多数の不連続な投与に分割してもよい。
下記の方法のいずれかを用いて同定される化合物を、上記の疾病および障害のいずれかの処置のために、被験体に処方し投与してもよい。しかしながら、開示される化合物の使用方法は、記載された疾病および障害のみを含むものと解釈されるべきではない。被験体は、ヒトであることが好ましい。
記載された薬学的組成物の処方は、薬理学分野で既知の、もしくは今後開発される任意の方法によって調製され得る。一般的に、こうした調製方法としては、活性成分を、担体もしくは一種以上の他の補助成分と併せてから、必要であるかもしくは好ましい場合は、所望の単回投与もしくは複数回投与の剤形単位へと、製品を成形もしくは包装するステップを含む。
提供される薬学的組成物の記載は、主として、ヒトへの医療上の投与に適した薬学的組成物に向けられるものであるが、当業者には、こうした組成物が大概にして、あらゆる種類の動物への投与にも適するということが理解されるだろう。
ヒトへの投与用の薬学的組成物を、種々の動物への投与に適した組成物にするために改変することはよく知られており、通常の知識を有する獣医薬理学者は、こうした改変の設計および実施を、例えあったとしても通常の実験のみで行うことができる。薬学的組成物の投与が想定される被験体としては、ヒトおよび他の霊長類ならびに哺乳類を含むが、これらに限定はされない。こうした哺乳類としては、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ネコ、およびイヌなどの市販の関連する哺乳類が含まれる。
薬学的組成物は、一つの単回投与剤形単位、もしくは複数の単回投与剤形単位として、バルクで調製、包装、もしくは販売されてもよい。「剤形単位」(“unit dose”)とは、所定量の活性成分を含む薬学的組成物の個別の量のことである。活性成分の量は、被験体へ投与され得る活性成分の投与量とほぼ等しいか、あるいはそうした投与量を便利なように分割したもの、例えばそうした一投与量の半分もしくは三分の一などである。
薬学的組成物中の、活性成分と、薬学的に許容可能な担体と、任意の追加成分の相対量は、処置される被験体の体質、体格、および体調によって異なり、さらには組成物を投与しようとする経路によっても異なる。一例として、組成物は0.1%から100%(w/w)の範囲で活性成分を含んでもよい。
活性成分に加えて、薬学的組成物は、一種以上の付加的な薬学的活性薬剤をさらに含んでもよい。特に想定される付加的な薬剤としては、制吐剤ならびに捕捉剤(シアン化物捕捉剤およびシアン酸塩捕捉剤など)を含む。
開示された化合物の薬学的組成物の制御放出処方もしくは持続放出処方は、従来技術を用いて作成され得る。
場合によっては、例えばヒドロプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリクス、ゲル、透過性膜、浸透性系、多層コーティング、微粒子、リポソーム、もしくはマイクロスフィア、または、所望の放出特性を得るために様々な割合でこれらを組み合わせたものなどを用いて、剤形中の一種以上の活性成分が徐放もしくは制御放出されるように、使用される剤形を提供することができる。徐放処方の例は当業者に知られており、それらは下記のものを含み、開示された化合物の薬学的組成物と併用するために容易に選択することができる。徐放に適した、錠剤、カプセル、ジェルカプ(gelcaps)、およびカプレット(caplets)などの、経口投与用の単回投与剤形単位の例が包含され、意図される。
多くの徐放処方の設計に際しては、所望の治療効果を迅速にもたらすような薬剤の量を最初に放出し、それから、長時間にわたり、この治療効果のレベルを維持するように、薬剤の他の量を徐々に継続して放出するようにする。体内で薬剤をこの一定レベルに維持するためには、身体が代謝し排出する薬剤の量を補う速度で、剤形から薬剤が放出されなければならない。
活性成分の徐放は、例えば、pH、温度、酵素、水、または、他の生理学的条件もしくは化合物など、種々の誘導因子によって刺激することができる。
開示された化合物の薬学的調剤の粉末処方および粒状処方は、既知の方法を用いて調製され得る。こうした処方は、例えば錠剤を作るため、カプセルに詰めるため、または、その処方に水性媒体もしくは油性媒体を足すことで水性もしくは油性の懸濁液もしくは溶液を調製するために使用され、被験体に直接投与されてもよい。こうした処方の各々は、一種以上の分散剤もしくは湿潤剤、懸濁剤、ならびに保存料をさらに含んでもよい。また、賦形剤、ならびに、甘味料、香味料、もしくは着色料などの付加的な添加剤が、こうした処方に含まれてもよい。
経口投与に適した薬学的組成物の処方は、個別の固体剤形単位として、調製、包装、もしくは販売されてもよい。そうした固体剤形単位としては、錠剤、ハードカプセルもしくはソフトカプセル、包(cachet)、トローチ、または薬用錠剤(lozenge)(いずれも所定量の活性成分を含む)、といったものを含むが、これらに限定はされない。経口投与用の他の処方例としては、粉末処方もしくは粒状処方、水性懸濁液もしくは油性懸濁液、水性溶液もしくは油性溶液、ペースト、ゲル、歯磨き粉、洗口液、コーティング、含嗽液、または乳濁液を含むが、これらに限定はされない。洗口液と含嗽液という用語は同義的に使用される。
活性成分を含む錠剤は例えば、随意に一種以上の追加成分を伴って、活性成分を圧縮もしくは湿製することで作られてもよい。適切な装置で、粉末状もしくは粒状の調剤といった自由流動形態の活性成分を、随意に一種以上の結合剤、滑沢剤、添加剤、界面活性剤、および分散剤と混合して、圧縮することで、圧縮錠を調製してもよい。湿製錠(molded tablets)は、適切な装置で、活性成分と、薬学的に許容可能な担体と、混合物を湿らせるために少なくとも充分な液体との混合物を成形することで作られてもよい。錠剤製造に使用される薬学的に許容可能な添加剤としては、不活性希釈剤、整粒剤および崩壊剤、結合剤、ならびに滑沢剤を含むがこれらに限定はされない。既知の分散剤としては、ジャガイモ澱粉、および澱粉グリコール酸ナトリウムを含むがこれらに限定はされない。既知の界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムを含むがこれに限定はされない。既知の希釈剤としては、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、微結晶セルロース、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、およびリン酸ナトリウムを含むがこれらに限定はされない。既知の整粒剤および崩壊剤としては、コーンスターチおよびアルギン酸を含むがこれらに限定はされない。既知の結合剤としては、ゼラチン、アラビアゴム、アルファ化トウモロコシ澱粉、ポリビニルピロリドン、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むがこれらに限定はされない。既知の滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、シリカ、および滑石(タルク)、を含むがこれらに限定はされない。
錠剤はコーティングされていなくてもよく、あるいは、被験体の消化管内でゆっくりと崩壊するようにすることで活性成分の持続的な放出と吸収をもたらすような、既知の方法を使ってコーティングされてもよい。一例として、モノステアリン酸グリセリルもしくはジステアリン酸グリセリルなどの物質が、錠剤をコーティングするために使用され得る。さらなる例として、U.S. Patent No. 4,256,108、No. 4,160,452、およびNo. 4,265,874に記載の方法を用いて錠剤をコーティングし、浸透圧による徐放錠剤を形成してもよい。薬学的に洗練された口あたりのよい製剤を提供するために、錠剤はさらに、甘味料、香味料、着色料、保存料、もしくはこれらの組み合わせを含んでもよい。
活性成分を含むハードカプセルは、ゼラチンなどの生理学的に分解可能な組成物を使って作られてもよい。こうしたハードカプセルは活性成分を含み、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、もしくはカオリンなどの不活性固体希釈剤を含む追加成分をさらに含んでもよい。
活性成分を含むソフトゼラチンカプセルは、ゼラチンなどの生理学的に分解可能な組成物を使って作られてもよい。こうしたソフトカプセルは活性成分を含み、活性成分は水または油媒体(ピーナツ油、液体パラフィン、もしくはオリーブ油など)と混合されてもよい。
経口投与用の薬学的組成物の液状処方の例としては、液状の形態として、あるいは、使用前に水もしくは別の適切な媒体で再構成するよう企図された乾燥物の形態として、調製、包装、販売されてもよい。
注射可能な処方は、アンプルなどに封入した剤形単位、もしくは保存料を含む複数回投与の容器に入れた剤形単位として、調製、包装、もしくは販売されてもよい。非経口投与用の処方としては、懸濁液、溶液、油性媒体もしくは水性媒体の乳濁液、ペースト、ならびに、埋め込み可能な徐放処方もしくは生分解性処方を含むが、これらに限定はされない。こういった処方は、懸濁剤、安定剤、もしくは分散剤を含むがこれらに限定されない一種以上の追加成分をさらに含んでもよい。非経口投与用の処方の一実施形態においては、非経口投与の前に、適切な媒体(例えば滅菌パイロジェンフリー水)で組成物を再構成するために、活性成分は乾燥状態(例えば、粉末もしくは顆粒)で提供される。
薬学的組成物は、口腔投与用の処方として、調製、包装、もしくは販売されてもよい。こうした処方は、例えば従来の方法を使って錠剤の形態もしくは薬用錠剤(lozenge)の形態として作られてもよく、例えば、0.1〜20%(w/w)の活性成分と、その残りとして経口で溶解もしくは崩壊する組成物を含んでもよく、また随意に上記の一種以上の追加成分を含んでもよい。あるいは、口腔投与用の処方としては、活性成分を含む粉末、または、活性成分を含むエアロゾル化したもしくは噴霧状の溶液もしくは懸濁液を含んでもよい。こうした粉末化した処方、エアロゾル化した処方、もしくはエアロゾル化した処方は、分散させた際に、平均粒子径もしくは平均液滴径が、約0.1ナノメートルから約200ナノメートルの範囲であることが好ましく、これらは開示された一種以上の追加成分をさらに含んでもよい。
「追加成分」(“additional ingredients”)という用語は、以下に挙げるもののうちの一つ以上を含むが、これらに限定はされない。すなわち、添加剤、界面活性剤、分散剤、不活性希釈剤、整粒剤および崩壊剤、結合剤、滑沢剤、甘味料、香味料、着色料、保存料、ゼラチンなど生理学的に分解する組成物、水性媒体および溶液、油性媒体および溶液、懸濁剤、分散剤もしくは湿潤剤、乳化剤、粘滑剤、緩衝剤、塩、増粘剤、賦形剤、乳化剤、酸化防止剤、抗生物質、抗真菌剤、安定剤、ならびに、薬学的に許容可能なポリマーもしくは疎水性の物質、である。Genaro, ed., 1985, Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, PAを参照のこと。これは引用により本明細書に組み込まれる。
化合物は、毎日数回の頻度で被験体に投与されてもよく、あるいは、それよりも少ない頻度で、例えば一日一回、一週間に一回、二週間に一回、一ヶ月に一回、またはさらに少ない頻度で、例えば数ヶ月に一回、もしくは一年に一回、もしくはそれよりも少ない頻度で、被験体に投与されてもよい。投薬回数は、当業者には容易にわかるものであって、処置される疾病の種類と重篤度、型、被験体の年齢、などであるがこれらに限定はされない、様々な因子によって決まる。
また本発明は、薬学的組成物のうちの一種以上の成分を詰めた一つ以上の容器を含む、薬学的なパックもしくはキットも提供する。一実施形態に従って、免疫修飾を必要とする被験体を処置するためのキットが提供される。被験体はヒトであることが好ましい。一実施形態では、キットは、細胞生存能を保護することができる、特に膵臓β細胞を保護することができる、開示された化合物のうちの一種以上を含む。これらの調合薬は、例えばバイアル、管、マイクロタイターウェルプレート、瓶など、様々な容器に詰めることができる。また、例えば陽性対照試料、陰性対照試料、緩衝剤、細胞培地などの他の試薬を別の容器に入れ、キットに提供することができる。また、キットは使用説明書も含むことが好ましい。
本明細書に記載の方法および物質と類似するかもしくは同等である任意の方法および物質を、開示された化合物の実践もしくは試験において使用することができるが、本明細書では好ましい方法と物質について記載してある。
本発明に従って、上述したように、もしくは以下の実施例で述べるように、当業者に知られている従来の臨床技術、化学技術、細胞学技術、組織化学技術、生化学技術、分子生物学技術、微生物学技術、組み換えDNA技術を利用することができる。こうした技術については文献に充分に説明されている。
[実施例]
本発明を、以下の実施例および実施形態を参照して説明する。さらなる記載を必要とすること無く、当業者は、前述の記載および以下の実施例を用いて、開示された化合物を作成および利用し、請求された方法を実践することができると考えられる。従って、後述の実施可能な実施例は例示のために提供されるに過ぎず、いくつかの実施形態を具体的に指摘するものであって、本開示のそれ以外の部分をいかなる意味でも限定しようとするものではない。よって、これらの実施例は、下記で提供される教示の結果明らかとなるであろう、任意の全ての変形例を包含すると解釈されるべきである。
[実施例1:4-ブトキシ-2H-フタラジン-1-オン(CPW29)および4-ブトキシ-2-ブチル2H-フタラジン-1-オン(CPW30)の合成]
塩化ナトリウム(60 mg, 95%, 2.4 mmol)を、10 mlの無水DMFに溶解したフタルヒドラジド(330 mg, 2.0 mmol)溶液に加えた。0℃で30分間撹拌した後、1-ブロモブタン(0.2 ml, 1.8 mmol)および触媒量のヨウ化テトラブチルアンモニウムを加え、混合物を室温で一晩撹拌した。反応物質に水を加えて急冷し、反応混合物を酢酸エチルで抽出した。混合抽出物を水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。減圧下で溶媒を除去した。生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル)で精製し、CPW29(30 mg)とCPW30(25 mg)を得た。
CPW29:1H NMR(300MHz, CDCl3)δ1.01 (t, 3H), 1.53 (sextet, 2H), 1.84 (p, 2H), 4.32 (t, 2H), 7.81 (m, 2H), 8.02 (m, 1H), 8.42 (m, 1H), 10.85 (s, 1H)
MS(ESI) m/z 218.3 [MH]+
CPW30:1H NMR(300MHz, CDCl3)δ0.97 (t, 3H), 1.01 (t, 3H), 1.41 (sextet, 2H), 1.54 (sextet, 2H), 1.81 (m, 4H), 4.12 (t, 2H), 4.31 (t, 2H), 7.76 (m, 2H), 7.96 (m, 1H), 8.40 (m, 1H)
[実施例2:4-エトキシ-2H-フタラジン-1-オン(CPW27)および4-エトキシ-2-エチル-2H-フタラジン-1-オン(CPW28)の合成]
表題の化合物は、ブロモエタン(0.9 mmol)を用いて実施例1の手順により合成した。収率:CPW27(25 mg)およびCPW28(30 mg)
CPW27:1H NMR(300MHz, CDCl3)δ1.48 (t, 3H), 4.38 (q, 2H), 7.02 (m, 2H), 8.03 (m, 1H), 8.43 (m, 1H), 11.01 (s, 1H)
MS(ESI) m/z 190.3 [MH]+
CPW28:1.39 (t, 3H), 1.48 (t, 3H), 4.18 (q, 2H), 4.38 (q, 2H), 7.75 (m, 2H), 7.99 (m, 1H), 8.40 (m, 1H)
[実施例3:4-ヘキシルオキシ-2H-フタラジン-1-オン(CPW31)および2-ヘキシル-4-ヘキシルオキシ-2H-フタラジン-1-オン(CPW32)の合成]
表題の化合物は、1-クロロへキサン(1.8 mmol)を用いて実施例1の手順により合成した。収率:CPW31(25 mg)およびCPW32(27 mg)
CPW31:1H NMR(300MHz, CDCl3)δ0.91 (t, 3H), 1.37 (m, 4H), 1.49 (p, 2H), 1.84 (p, 2H), 4.31 (t, 2H), 7.81 (m, 2H), 8.02 (m, 1H), 8.43 (m, 1H), 11.11 (s, 1H)
CPW32:δ0.87 (t, 3H), 0.91 (t, 3H), 1.32 (m, 8H), 1.46 (m, 4H), 1.81 (m, 4H), 4.10 (t, 2H), 4.28 (t, 2H), 7.74 (m, 2H), 7.94 (m, 1H), 8.38 (m, 1H)
[実施例4:4-オクチルオキシ-2H-フタラジン-1-オン(CPW33)の合成]
表題の化合物は、1-ブロモオクタン(0.9 mmol)を用いて実施例1の手順により合成した。収率:CPW33(40 mg)
CPW33:1H NMR(300MHz, CDCl3)δ0.88 (t, 3H), 1.29 (m, 8H), 1.49 (p, 2H), 1.85 (p, 2H), 4.31 (t, 2H), 7.81 (m, 2H), 8.02 (m, 1H), 8.42 (m, 1H), 11.19 (s, 1H)
MS(ESI) m/z 274.5 [MH]+
[実施例5:4-デシルオキシ-2H-フタラジン-1-オン(CPW34)の合成]
表題の化合物は、1-ブロモデカン(0.9 mmol)を用いて実施例1の手順により合成した。収率:CPW34(50 mg)
CPW34:1H NMR(300MHz, CDCl3)δ0.88 (t, 3H), 1.28 (s, 12H), 1.50 (p, 2H), 1.85 (p, 2H), 4.31 (t, 2H), 7.82 (m, 2H), 8.02 (m, 1H), 8.42 (m, 1H), 11.05 (s, 1H)
MS(ESI) m/z 302.5 [MH]+
[実施例6:4-ドデシルオキシ-2H-フタラジン-1-オン(CPW35)の合成]
表題の化合物は、1-ブロモドデカン(0.9 mmol)を用いて実施例1の手順により合成した。収率:CPW35(67 mg)
CPW35:1H NMR(300MHz, CDCl3)δ0.88 (t, 3H), 1.26 (s, 16H), 1.49 (p, 2H), 1.85 (p 2H), 4.31 (t, 2H), 7.81 (m, 2H), 8.02 (m, 1H), 8.43 (m, 1H), 10.95 (s, 1H)
MS(ESI) m/z 330.5 [MH]+
[実施例7:4-ヘキサデシルオキシ-2H-フタラジン-1-オン(CPW36)の合成]
表題の化合物は、1-ブロモヘキサデカン(0.9 mmol)を用いて実施例1の手順により合成した。収率:CPW36(110 mg)
CPW36:1H NMR(300MHz, CDCl3)δ0.87 (t, 3H), 1.25 (s, 24H), 1.46 (p, 2H), 1.84 (p, 2H), 4.29 (t, 2H), 7.81 (m, 2H), 8.03 (m, 1H), 8.41 (m, 1H), 10.19 (s, 1H)
MS(ESI) m/z 386.8 [MH]+
[実施例8:4-エイコシルオキシ-2H-フタラジン-1-オン(CPW37)および2-エイコシル-4-エイコシルオキシ-2H-フタラジン-1-オン(CPW39)の合成]
表題の化合物は、1-クロロへキサン(0.9 mmol)を用いて実施例1の手順により合成した。収率:CPW37(82 mg)およびCPW39(115 mg)
CPW37:1H NMR(300MHz, CDCl3)δ0.88 (t, 3H), 1.26 (s, 32H), 1.49 (p, 2H), 1.85 (p, 2H), 4.29 (t, 2H), 7.82 (m, 2H), 8.04 (m, 1H), 8.43 (m, 1H), 10.02 (s, 1H)
MS(ESI) m/z 443.0 [MH]+
CPW39:1H NMR(300MHz, CDCl3)δ0.88 (t, 6H), 1.26 (s, 62H), 1.50 (p, 4H), 1.85 (p, 4H), 4.11 (t, 2H), 4.30 (t, 2H), 7.76 (m, 2H), 7.99 (m, 1H), 8.42 (m, 1H)
[実施例9:4-ドコシルオキシ-2H-フタラジン-1-オン(CPW38)の合成]
表題の化合物は、1-ブロモドコサン(0.9 mmol)を用いて実施例1の手順により合成した。収率:CPW38(146 mg)
CPW38:1H NMR(300MHz, CDCl3)δ0.88 (t, 3H), 1.26 (s, 36H), 1.50 (p, 2H), 1.85 (p, 2H), 4.29 (t, 2H), 7.83 (m, 2H), 8.04 (m, 1H), 8.41 (m, 1H), 9.97 (s, 1H)
MS(ESI) m/z 471.9 [MH]+
[実施例10:開示された化合物の生物的評価]
開示された化合物(CPW27-39)を、炎症性サイトカインで処理した後のアポトーシス保護(OD450の減少に反映される)、およびインスリン放出について、膵臓β細胞株で評価する。β細胞の保護効果について、いくつかの化合物はLSFに比肩する効能を示し、さらにアナログは低濃度(nm以下)で細胞を保護することができる。インスリン放出試験では、いくつかの化合物はグルコースに反応してLSFと同様の効果を示し得る。
[実施例11:ヒト膵島でのLSFアナログの生物的評価]
開示された化合物は、インスリン分泌の誘導、細胞内ATP濃度、およびサイトカイン(ヒトIL-1β、IFN-γ、およびTNF-αの組み合わせ)暴露下での細胞死の低減効果について、ヒト膵島で評価することができる。
[実施例12:β細胞へのLSFおよびアナログの効果]
マウスインスリン分泌INS-1細胞株において、β細胞に対する開示された化合物の効果が研究され得る。細胞を、10% 熱失活FBS、10 mm HEPES、200 μm L-グルタミン、1 mm ピルビン酸ナトリウム、5 nm 2-メルカプトエタノール、50 U/ml ペニシリン、および50 μg/ml ストレプトマイシンを添加したpH 7.4のRPMI 1640培地(Life Technologies, Inc., Gaithersburg, MD)に保持する。加湿培養器に5% 二酸化炭素を供給して37℃で細胞を培養する。二日毎に新鮮な培地に交換する。細胞の播種密度は105/cm2とする。播種した細胞数が、全ての処理条件後の実際の細胞数を反映するよう、剥離して死んだ細胞を保持するために、培養容器をポリ-D-リジンおよびゼラチン(Sigma, St. Louis, MO)で覆う。組み換えマウスIL-1β(5 ng/ml)、IFNγ(100 ng/ml)、およびTNFα(10 ng/ml;R&D Systems, Inc., Minneapolis, MN)を併せて完全RPMI培地に懸濁させたものを用いて、INS-1細胞を処理する。LSF(Cell Therapeutics, Inc., Seattle, WAから提供)および試験化合物が、サイトカインと同時に、完全RPMI培地に加えられ得る。処理は18時間にわたって実施される。
[実施例13:インスリン分泌とアポトーシスに対するLSFおよびアナログの効果]
炎症性サイトカインを含む場合と含まない場合で、INS-1細胞におけるインスリン分泌へのLSFアナログの効果が計測され得る。β細胞を、室温で2〜3時間にわたりアポトーシス検出色素で処理する。アポトーシス細胞は、顕微鏡下で赤紫色で認識され得る。結合していない色素を除去するために洗浄し、色素解離剤を加えた後、OD 450 nMで読み取って色濃度が定量化される。処理の終了時に、134 mm NaCl、4.7 mm KCl、1.2 mm KH2PO4、1.2 mm MgSO4、1.0 mm CaCl2、10 mm HEPES、0.1% BSAを含む、37℃、pH 7.4のKrebs-Ringer-bicarbonate-HEPES緩衝液(KRB)で細胞を洗浄する。細胞を同じ緩衝液中で30分間にわたって前培養した後、15 mM D-グルコースを添加したKRB中で60分間培養する(J. T. Baker, Phillipsburg, NJ)。上清を回収し、遠心して残存細胞を除去する。上清中に分泌されたインスリンは、マウスインスリンを標準として用いて、RIAで測定され得る。細胞は基底状態(3 mM)、およびグルコース刺激状態(28 mM)に保持される。
[実施例14:マウスインスリン分泌細胞株β-TC6]
<細胞調製>
β-TC6細胞株を、10% 熱失活ウシ胎児血清、10 mM HEPES、200 pM L-グルタミン、50 units/ml ペニシリン、および50 μg/ml ストレプトマイシンを添加したpH 7.4のRPMI 1640培地(Life Technologies, Rockville, MD)に保持する。細胞は、37℃で5% 二酸化炭素を供給した加湿培養器で培養する。二日毎に新鮮な培地に交換する。細胞の播種密度は105/cm2とする。播種した細胞数が、全ての処理条件後に実際の細胞数を反映するよう、剥離して死んだ細胞を保持するために、実験に用いる培養容器(ディッシュおよびチャンバースライド)をポリ-D-リジンおよびゼラチン(Sigma, St. Louis, MO)で覆う。
<サイトカインおよびLSFアナログによるβ-TC6細胞の処理>
β-TC6細胞を、媒体のみで処理するか、あるいは、組み換えマウスIL-1β(5 ng/ml)、IFN-γ(100 ng/ml)、TNF-α(10 ng/ml)(R&D Systems, Minneapolis, MN)を併せて完全RPMI培地に懸濁させたもので処理する。LSF(Cell Therapeutics, Inc., Seattle, WA)もしくはアナログを、サイトカインと同時に、完全RPMI培地に、1 nMから20 pMの範囲の濃度で加える。全ての処理は18時間にわたって行われる。
[実施例15:静的インスリン分泌]
処理の終了時に、134 mM NaCl、4.7 mM KCl、1.2 mM KH2PO4、1.2 mM MgSO4、1.0 mM CaCl2、10 mM HEPES、0.1% ウシ血清アルブミンを含む、37℃、pH 7.4のKrebs-Ringer-bicarbonate-HEPES緩衝液(KRB)で細胞を洗浄する。細胞を同じ緩衝液中で30分間にわたって前培養した後、15 mM D-グルコースを添加したKRB中で60分間培養する(J. T. Baker, Phillipsburg, NJ)。上清を回収し、遠心して残存細胞を除去する。上清中に分泌されたインスリンは、マウスインスリンを標準として、EIAを用いて測定される。
[実施例16:STAT4リン酸化]
マウス脾細胞を96-wellプレートに均等に播種して、LSFもしくは一連の試験化合物を添加したLPS(1.0 ng/ml)を使用して、もしくは使用せずに、18時間処理する。タンパク質溶解物をHybond-P膜に転写し、続いてリン酸化STAT4に対するポリクローナル抗体でプローブする。ハイブリダイゼーションした膜を、ECLおよびオートラジオグラフィーにかける。試料は三回繰り返す。
本明細書中で使用される略語は、化学分野および生物学分野におけるそれらの従来の意味を有している。本明細書で参照した出版物、特許、および特許文献の全ては、引用により個別に組み込まれるかのように、本明細書に引用により組み込まれる。何らかの矛盾がある場合には、本開示、および本開示に含まれる定義の全てが優先することになる。本発明は、種々の具体的な好ましい実施形態および技法に関して記載されている。しかしながら、本発明の趣旨と本質の範囲内で、数多の変更および変形がなされてもよいことを理解すべきである。

Claims (24)

  1. 構造式III:
    を持つ化合物であって、
    R3はそれぞれ独立に、水素、C1-22アルキル、C2-22アルケニル、もしくはC2-22アルキニルであり、ただし少なくとも一つのR3基は水素ではない、化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩。
  2. R3はそれぞれ独立に、水素、エチル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、2-メチル-ヘキシル、3-メチル-ヘキシル、4-メチル-オクチル、5-エチル-オクチル、5-フェニル-オクチル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、2-ヘキシニル、もしくは3-ヘキシニルである、請求項1に記載の化合物。
  3. R3はそれぞれ独立に、水素、エチル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、もしくはヘキサデシルである、請求項2に記載の化合物。
  4. R3はそれぞれ独立に、水素、エチル、ブチル、ヘキシル、もしくはオクチルである、請求項3に記載の化合物。
  5. 次の構造式を持つ、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物、およびその薬学的に許容可能な塩。
  6. 薬学的に許容可能な担体と組み合わせて、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物を含む、薬学的組成物。
  7. 哺乳類の病状もしくは症状を予防もしくは処置するための方法であって、
    Th1サイトカイン誘導性機能障害もしくは1型糖尿病の発病からのβ細胞の保護が低減する可能性があり、そうした活性が望まれる場合に、
    前記哺乳類へ、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩の有効量を投与するステップを含む、方法。
  8. 前記病状もしくは症状は1型糖尿病である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記哺乳類はヒトである、請求項7に記載の方法。
  10. 哺乳類の病状もしくは症状を予防もしくは処置するための方法であって、
    膵臓β細胞の保護が望まれる場合に、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩の、保護に有効な量を、前記細胞に接触させるステップを含む、方法。
  11. 前記哺乳類はヒトである、請求項10に記載の方法。
  12. 哺乳類の病状もしくは症状を予防もしくは処置するための方法であって、
    炎症性疾患および自己免疫疾患の処置が望まれる場合に、
    前記哺乳類へ、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩の有効量を投与するステップを含む、方法。
  13. 前記炎症性疾患もしくは自己免疫疾患は、アテローム性動脈硬化症、2型糖尿病、内臓型肥満関連疾患、多発性硬化症、炎症性腸疾患、乾癬、関節リウマチ、もしくはアルツハイマー病である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記哺乳類はヒトである、請求項13に記載の方法。
  15. 薬物療法で使用するための、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
  16. 前記薬物療法は1型糖尿病の予防もしくは処置である、請求項15に記載の化合物。
  17. 1型糖尿病の予防もしくは処置用の薬剤を調製するための、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物の使用方法。
  18. 前記薬剤は生理学的に許容可能な担体を含む、請求項17に記載の使用方法。
  19. 前記薬剤は液体担体を含む、請求項18に記載の使用方法。
  20. 前記薬剤は固体担体を含む、請求項18に記載の使用方法。
  21. 哺乳類の病状もしくは症状の予防もしくは処置に有用な薬剤を調製するための、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物の使用方法であって、前記病状もしくは症状は炎症性疾患もしくは自己免疫疾患である、使用方法。
  22. 前記薬剤は生理学的に許容可能な担体を含む、請求項21に記載の使用方法。
  23. 前記薬剤は液体担体を含む、請求項22に記載の使用方法。
  24. 前記薬剤は固体担体を含む、請求項22に記載の使用方法。
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