JP2010284254A - 車両用シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両用シートを構成するシートバック10はシートの幅方向の両側が中央部位置の着座接触面に対して着座者の着座姿勢位置方向に向けて突出して形成される土手部を有する構成である。この土手部を形成する土手部形成部位30はシートバック10の基本外郭構成をなすシート本体部20とは別構成部材として形成されており、シート本体部20の構成部材である樹脂枠体24の土手部配置位置との間に設けられた着脱可能とする結合手段40により着脱可能に取り付けられて構成される。
【選択図】図1
Description
しかし、上述した従来のシートは、いずれも土手部はシート本体部と取外すことを考慮されない一体的形態として構成されているため、土手部は当初の形態のままで、着座者の好みに応じてその高さを変えたり、表皮の模様を変えたりすることはできなかった。もし、好みに応じて変えようとすれば車両に搭載するシート全体を取り替える必要があった。
すなわち、本発明に係る車両用シートは、シートの幅方向の両側が中央部位置の着座接触面に対して着座者の着座姿勢位置方向に向けて突出して形成される土手部を有する車両用シートであって、前記土手部を形成する土手部形成部位はシートの基本外郭構成をなすシート本体部とは別構成部材として形成されており、シート本体部の土手部配置位置との間に設けられた着脱可能とする結合手段により着脱可能に取り付けられて構成される。
なお、上記手段において、着脱可能とする結合手段が設けられた土手部形成部位とシート本体部との間の結合箇所における幅方向の中途位置に脆弱構成部が設けた場合には、着座者の着座に伴い着座者の着座箇所は一緒に追従変形するため着座者は違和感の無い着座を得ることができる。
図1は車両用シートのシートバックに本発明を適用した実施の形態の実施例を概念的に示す。図1(A)はシートバックの斜視図を示す。図1(B)は前記図1(A)におけるB―B矢視断面図を示す。図1(C)は異なる形態の土手部形成部位の斜視図を示す。
図1に示されるシートバック10は、シートバック10の基本外郭構成をなすシート本体部20がネットシートとして構成されている。勿論、ネットシートではなくウレタンシートとすることもできる。シート本体部20は幅方向の中央部位置の着座接触面がネット22で形成されており、このネット22の周囲が樹脂枠体24に固着されて張設された状態で樹脂枠体24に取付けられている。樹脂枠体24はシートバック10の基本外郭に沿って配設されたシートフレーム26に取付けられている。これらネット22、樹脂枠体24、シートフレーム26が組立体として構成されてシート本体部20を構成している。
また、同様に、図示は省略したが、図1(A)の土手部形成部位30と外形上の形態や模様も同じであるが、土手部形成部位30の内部のパッドの特性を異なったものとして着座者に対する保持性能を変えたものとすることもできる。勿論、以上の述べた各種内容を組合わせて土手部形成部位30を構成して取り替えることもできる。
なお、以後の実施例の説明においてシートバック10の右側に存在する部位を特定して示す場合には、当該部位を示す符号にRを付して示し、左側に存在する部位を特定して示す場合には、当該部位を示す符号にRを付して示すことがある。この場合における左右とは、シートバック10に着座者が着座した場合における姿勢状態での着座者から見た位置関係である。例えば右側の土手部形成部位を30Rとし、左側の土手部形成部位を30Lとして示すことがある。
雄形係合部位42は、2個の部位が一組として形成されており、第1雄形係合部位42Aと第2雄形係合部位42Bとが軸方向に離間して一直線上に配置されて一組として形成されている。この第1雄形係合部位42Aと第2雄形係合部位42Bとは共に断面形状がΩ形状の中実突起形状として形成されており、スライド嵌合方向に所定の軸長さで形成されている。第2雄形係合部位42Bには、後で詳述する第2雌形係合部位50Bに形成される突起部52(図2(C)参照)が嵌合する溝44が形成されている。
図3(B)に良く示されるように、第1雄形係合部位42Aと第2雄形係合部位42Bとが離間形成された離間部の位置の樹脂枠体24の下面部は上方に欠肉46とされて形成されて、いわゆる脆弱構成とされている。欠肉時の厚みは0.5mm程度とするのが良い。これにより第1雄形係合部位42Aは第2雄形係合部位42Bに対して図で見て上下方向に撓み易くなっており、インテグラルヒンジ構成となっている。なお、この欠肉46が形成されるのは、図3(A)に示されるように、第1雄形係合部42Aを形成するために樹脂枠体24の内側を内方に延設形成した延設部位24Aに対して周方向に形成されるものである。延設部位24Aは第1雄形係合部42Aの2個当てに形成されており、延設部位24A間の樹脂枠体24箇所は欠肉28とされており、当該欠肉28箇所には脆弱構成が形成されていない。
図3(B)及び図3(C)に仮想線で示すように、第2雄形係合部位42Bの樹脂枠体24の裏面側(図で見て下側)にはシートフレーム26が位置して取付けられている。なお、図3(C)及び図3(D)に示されるように第1雄形係合部位42Aと第2雄形係合部位42Bの断面形状は、前述もしたように共に同じ断面形状のΩ形状の中実の突起形状として形成されている。
なお、雌形係合部位50の土手部形成部位30の裏面への取付け配置は、一組の第1雌形係合部位50Aと第2雌形係合部位50Bの軸方向外端部が土手部形成部位30の裏面の外方端近くとなる配置状態とされて取付けられているのが良い。この様な配置状態とされていると、その取付けられた状態で土手部形成部位30がシート本体部20から浮き上がることが防止され、また、両者30,20間に手の指等が入るのを阻止することができる。更には、着座者の着座時におけるシート本体部20と土手部形成部位30との追従変形において両者30,20の端部が離れることなく一体的に追従変形することが容易に可能な構成となる。
先ず、シートバック10を形成するために着座者の好みや自動車等車両の用途に応じた所定の形態の土手部形成部位30を選択する。そして選択した土手部形成部位30を、図6に示すように、シート本体部20を構成する樹脂枠体24の幅方向中央部位置から外方向の樹脂枠体24に向けて移動させて取付ける。図6では左側の樹脂枠体24Lに対して左側に配置される土手部形成部位30Lを組み付ける場合を図示してあるが、右側の樹脂枠体24Rに対して左側に配置される土手部形成部位30Rを組み付ける場合は図示とは逆方向に向けて同様に取付けるものである。この移動の際に、図7に示すように、土手部形成部位30に形成した雌形係合部位50がシート本体部20側に形成された雄形係合部位42に対してスライド嵌合して取付けられる。
図7(B)の状態は、第2雌形係合部位50Bが第2雄形係合部位42Bに嵌合する状態までスライド移動した状態である。このスライド移動状態で分かる様に、第2雌形係合部位50Bは図示状態では第2雄形係合部位42Bと第1雄形係合部位42Aの両方に嵌合した位置状態にある。すなわち、離間した空間部を跨いで両雄形係合部42A、42Bの両方に嵌合した状態にある。これは前述した寸法関係がa<cであることによる。また、この状態で第1雌形係合部位42Aに第1雌形係合部位50Aも嵌合した状態となっている。これは前述した寸法関係がb>dであることによるものである。この寸法関係により、第2雌形係合部位50Bがスライド移動により第1雄形係合部位42Aをいわゆる渡り切る前に第1雌型係合部位50Aを第1雄形係合部位42Aに嵌合させた状態として、両者の嵌合のスライド移動をスムースに行わせるものである。
図7(C)の状態は、更にスライド移動が進んだ状態で、第2雌形係合部位50Bが第2雄型係合部位に、第1雌形係合部位50Aが第1雄形係合部位42Aにそれぞれ単独で嵌合した状態を示しており、スライド移動が終了する少し前の状態である。
図7(D)の状態は、スライド移動が終了し、土手部形成部位30の雌形係合部位50がシート本体部20の雄形係合部位42に対してロックされて取付けられた状態を示している。この状態では、第1雌形係合部位50Aのストッパ部片54が第1雄形係合部位42Aの図で見て左端部に当接して移動が阻止された状態となっている。そして、この状態では第2雌形係合部位50Bの突起部52が第2雄形係合部位42Bに形成された溝44に係合した状態にあり、これにより雌形係合部位42の当該位置での位置決めとしている。
図7(E)は上記スライド移動時における雄形係合部位42と雌形係合部位50との嵌合状態を示す。この図示状態から分かるように、両部位42、50とも前述もしたように断面形状がΩ形状のいわゆる楔嵌合形状とされており、スライド移動方向へのスライドは可能であるが、径方向へは外れない嵌合となっている。これによりこの両者の嵌合状態では土手部形成部位30はシート本体部20から通常の着座状態では外れることはなく取り付けられているものである。
なお、他の形態の土手部形成部位30と取替えるために、現在、取付けられている土手部形成部位30を取外して場合には、上記組み付けとは逆に行うことにより取外すことが可能なものである。
例えば、上記実施例では、シートバックに本発明を適用した場合について説明したが、シートを構成するシートクッションにも適用することができる。
また、上記実施例は、樹脂枠体24にいわゆる脆弱構成を形成する構成のものであった。しかし、脆弱構成は本発明においては必ずしも必要とするものではない。しかし、脆弱構成を積極的にとることにより前述したように着座者の着座時における背凭れ荷重に対する追従変形が容易に行われ、良好な着座姿勢をとることができるものである。
また、土手部形成部位をシート本体部に着脱可能に取付ける結合手段としては、上記実施例の構成の他に、面ファスナによる方法、ボルト・ナット等による締着手段による方式等各種の手段が考えられる。
20 シート本体部
22 ネット
24 樹脂枠体
24A 延設部位
26 シートフレーム
28 欠肉
30 土手部形成部位
40 結合手段
42 雄形係合部位
42A 第1雄形係合部位
42B 第2雄形係合部位
44 溝
46 欠肉
50 雌形係合部位
50A 第1雌形係合部位
50B 第2雌形係合部位
52 突起部
54 ストッパ部片
60 パッド
62 表皮
Claims (2)
- シートの幅方向の両側が中央部位置の着座接触面に対して着座者の着座姿勢位置方向に向けて突出して形成される土手部を有する車両用シートであって、
前記土手部を形成する土手部形成部位はシートの基本外郭構成をなすシート本体部とは別構成部材として形成されており、シート本体部の土手部配置位置との間に設けられた着脱可能とする結合手段により着脱可能に取り付けられて構成されていることを特徴とする車両用シート。 - 請求項1に記載の車両用シートであって、
前記着脱可能とする結合手段が設けられた前記土手部形成部位とシート本体部との間の結合箇所における幅方向の中途位置には脆弱構成部が設けられており、該脆弱構成部の形成位置より着座者の着座位置方向の土手部形成部位箇所は該脆弱構成部がヒンジとなって着座者の着座によるシート本体部の変形に伴い一緒に追従変形する構成とされていることを特徴とする車両用シート。
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