JP2010280225A - インクジェットヘッド - Google Patents
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Abstract
【解決手段】静電駆動式のインクジェットヘッド1において、第2ノズル11bの中心に
対するインクノズル11aの中心を相対的にインクが供給される側の位置に形成している
。個別インク室5を結晶面方位(110)のシリコンに異方性エッチングで形成した場合
でも、インク液滴はノズル面3aに対して鉛直方向に真っ直ぐ吐出するので、印字品質が
よく、かつ、応答速度の速いインクジェットヘッドを実現することが可能になる。
【選択図】図2
Description
角であるフェイスイジェクトタイプのインクジェットヘッドに関するものである。
多くのインクジェットヘッドが提案されている。これらのインクジェットヘッドのノズル
部の穴形状は図5に示されるような円錐台あるいは円筒形であった。
コンに異方性エッチングで個別インク室を作成し、個別インク室を構成する傾斜面に対峙
する位置にノズル部を配置した場合、個別インク室を構成する傾斜面に沿って流線はノズ
ル部近傍まで達するので、ノズル部において流線をノズル面に対して鉛直方向とすること
ができなかった。その結果、インク液滴はノズル面に対して鉛直方向に真っ直ぐに吐出せ
ず、所望の印字品質を満足できないという問題があった。
個別インク室を構成する傾斜面に対峙しない位置にノズル部を配置した場合、インクタン
ク等から流入してくる気泡がこの傾斜面の先端の位置に停留してしまうので、この気泡を
除去することができなかった。そのため、個別インク室で吐出するために必要な十分な圧
力を発生することができず、所望の印字品質を満足できないという問題があった。
、ノズル部での流路抵抗が増加することによりメニスカスの復帰速度が低下してしまい、
インクジェットヘッドの応答周波数が向上しないという問題もあった。
よく、しかも応答速度が速いインクジェットヘッドを実現することにある。
室とを有し、前記個別インク室の容積変動による個別インク室の流線を概直角に曲げてイ
ンクノズルからインク液滴を吐出させるインクジェットヘッドにおいて、前記第2ノズル
の中心に対する前記インクノズルの中心が相対的にインクが供給される側に位置すること
を特徴としている。
成したことを特徴としている。
する。
1は、キャビティ基板2を挟み、上側にシリコン製のノズル基板3が積層され、下側にガ
ラス製の電極基板4が積層された3層構造となっている。
らエッチングを施すことにより、独立した複数の細長い個別インク室5と、1つの共通イ
ンク室6と、この共通インク室6を各個別インク室5に連通させている複数のインク供給
口部7としてそれぞれ機能する溝が形成されている。これらの溝がノズル基板3によって
塞がれて、各部分5、6、7が区画形成されている。
いる。インクは、外部のインクタンク(図示せず)から、インク取り入れ口12を通って
共通インク室6に供給され、ここから各インク供給口部7を通って、独立した個別インク
室5に供給される。
ク供給口部7とは反対側となる位置に、ノズル部11が形成されており、各ノズル部11
は対応する個別インク室5に連通している。個別インク室5の底面には、薄肉で、面外方
向(図において上下方向)に弾性変位可能な振動板51として機能する部分が形成されて
いる。
る位置に、浅くエッチングされた凹部41が形成されている。この凹部41の底面には、
振動板51に対峙する個別電極10が形成されている。個別電極10は、ITOからなる
セグメント電極部分10aと、外部に露出している電極端子部10bを有している。
している振動板51と個別電極10のセグメント電極部分10aとが、非常に狭い隙間で
対峙する。この隙間は封止剤60によって封止され、密閉状態とされている。
に、電圧印加手段21によって駆動電圧が印加される。キャビティ基板2は導電性である
ので、各振動板51は共通電極として機能する。
る静電気力により、振動板51を個別電極側に吸引すると、振動板51が弾性変形してセ
グメント電極10aの側に撓み、当該セグメント電極10aの表面に吸着する。この結果
、個別インク室5の容積が増加して、インク供給口部7を介して共通インク室6の側から
インクが個別インク室5に流入する。
aの表面から離れて初期状態に復帰する。この結果、個別インク室5の容積が急激に減少
する。この時に発生する個別インク室内のインク圧力振動によって、個別インク室内のイ
ンクの一部が、ノズル部11からインク液滴として吐出される。
図2(a)は、ノズル基板3におけるノズル部11とキャビティ基板2における個別イ
ンク室5を中心に示す上面図であり、図2(b)はそのb−b線で切断した部分の部分断
面図である。
斜面54、傾斜面55で区画形成されている。底面51aと傾斜面54は入り隅56で交
差しており、傾斜面54とキャビティ基板2の表面は、入り隅57、入り隅58で交差し
ている。単結晶シリコンにおいては、周知のごとく、水酸化カリウム水溶液やヒドラジン
等のアルカリでエッチングする場合、結晶面によるエッチング速度の差が大きいため、異
方性エッチングが可能となる。
と共に(111)面が平滑面として残留する構造が得られる。側壁面52、側壁面53、
傾斜面54、傾斜面55は(111)面で構成されており、側壁面52と側壁面53はキ
ャビティ基板2の表面に対して垂直な面であり、キャビティ基板2に対する傾斜面54の
角度Θ4と、キャビティ基板2に対する傾斜面55の角度Θ5は共に30°である。また
、入り隅57と側壁面52の角度Θ1と、入り隅56と側壁面52の角度Θ2は共に約1
25°であり、入り隅58と側壁面53の角度Θ3は約109°である。
をなくすこともできるし、入り隅57を側壁面53に延ばすことで、入り隅58をなくす
こともできる。
された第2ノズル11bが形成され、第2ノズル11bの中心は、入り隅57と入り隅5
8と側壁面52と側壁面53との距離がほぼ等しい位置にある。インクノズル11aは第
2ノズルよりも小さい直径の円筒形であり、その中心が第2ノズルの中心に対してインク
が供給されてくる側(インク供給口部7の側)の位置に形成してある。
により、インク室5では、図のような矢印の流線が発生する。この流線は、傾斜面54で
は傾斜面に沿って約15°の流線となり(図中Θ6参照)、第2ノズル11bの近傍まで
達する。インクノズル11aから吐出するインク液滴がノズル面3aに対して鉛直方向に
真っ直ぐに吐出するためには、第2ノズル11bとインクノズル11aにて、傾斜面に沿
った約15°の流線を吐出方向と同じように、ノズル面3aに対して鉛直方向にする必要
がある。つまり、第2ノズル11bとインクノズル11aにて、個別インク室の流線に対
して90°にする必要がある。
断面図であり、それぞれ第2ノズル11bの中心とインクノズル11aの中心との偏心量
が異なっている。図3を参照して、この偏心量とインク液滴13の吐出方向を説明する。
図3(a)は、インクノズル11aの中心と第2ノズル11bの中心を同じにした場合で
ある。この場合、個別インク室5を構成する傾斜面54に沿った流線は第2ノズル11b
の近傍まで達するので、第2ノズル11bとインクノズル11aでの流線は図に示すよう
になり、ノズル面3aに対して鉛直方向にすることはできない。実際に、本発明者等の実
験によれば、インクノズル11aの直径を25μm、長さを25μm、第2ノズル11b
の直径を66μm、長さを55μmとし、第2ノズル11bの中心とインクノズル11a
の中心を同じにした場合、インク液滴は13aに示すように、ノズル面3aの鉛直方向に
対して供給口部7の側と反対の側に約2°の傾きをもって吐出した。
7の側に3μm偏心させた場合である。本発明者等の実験によれば、例えば、インクノズ
ル11aの直径を25μm、長さを25μm、第2ノズル11bの直径を66μm、長さ
を55μmとし、第2ノズル11bの中心に対してインクノズル11aの中心を供給口部
7の側に3μm偏心させた場合、インク液滴は図3(b)の13bのように、ノズル面3
aの鉛直方向に吐出することが確認された。このように、個別インク室5を構成する傾斜
面54に沿い、第2ノズル11bの近傍まで達する流線を第2ノズル11bとインクノズ
ル11aで、ノズル面3aに対して鉛直方向にすることができた。
心との偏心量によりインク液滴の吐出方向が変化し、第2ノズル11bの中心に対してイ
ンクノズル11aの中心をインク供給口部7の側に3μm偏心させた場合が適しているこ
とを実験で確認した。
00μm、第2ノズル11bの直径を66μm、長さを55μmとした場合には、第2ノ
ズル11bの中心とインクノズル11aの中心が同じでも、インクノズル11aから吐出
するインク液滴は、ノズル面3aに対して鉛直方向に真っ直ぐ吐出することが確認された
。しかしながら、ノズル部での流路抵抗が増加することによりメニスカスの復帰速度が低
下し、その結果、インクジェットヘッドの応答周波数が低下してしまい、インクジェット
ヘッドとして適していなかった。
を形成し、インクノズル11aの中心を第2ノズル11bの中心とした場合には、インク
ノズル11aから吐出するインク液滴は、ノズル面3aに対して鉛直方向に真っ直ぐ吐出
することが確認された。しかしながら、インクタンク等から流入してくる気泡が、入り隅
57と入り隅58(図2(a)参照)の近傍の位置に停留してしまうので、この気泡を除
去することができなかった。その結果、個別インク室で吐出するために必要な十分な圧力
を発生することができず、所望の印字品質を満足できなかった。
ンク供給口部7の側に3μm偏心させたが、これに限定されるものではなく、インクノズ
ルの長さ、第2ノズルの長さ、個別インク室の深さ等の流路寸法に応じて適宜選択すれば
良い。また、インクノズル11a及び第2ノズル11bの断面形状は円形としたが、例え
ば三角形、四角形等の多角形、星形等適宜選択できる。
図4にはノズル部11の別の例を示してある。図4(a)では、第2ノズル11bを円
錐台に形成し、インクノズル11aを円筒形に形成したものである。
形成したものである。
面で切断した部分の部分断面図である。これらの図にあるように、第2ノズル11bを四
角錐台に形成し、インクノズル11aを円筒形に形成したものである。
11aと第2ノズル11bの形状の組み合せ等は、個々のインクジェットヘッドに応じて
適宜設定すべき性質のものである。従って、インクノズル11aの形状、第2ノズル11
bの形状は円筒形、円錐台、四角錐台に限定されるものではなく、例えば、断面形状が三
角形、六角形等の多角形や星形等の角柱、断面形状が三角形、六角形等の多角形や星形等
の角錐台等適宜選択できる。
上記の各例は静電駆動式のインクジェットヘッドに関するものであるが、圧電式のイン
クジェットヘッド、熱エネルギーを利用したインクジェットヘッドについても、本発明を
同様に適用できる。
以上説明したように、本発明のインクジェットヘッドでは、第2ノズルの中心に対する
インクノズルの中心を相対的にインクが供給される側の位置に形成している。このように
することで、個別インク室を結晶面方位(110)のシリコンに異方性エッチングで形成
しても、印字品質がよく、しかも応答速度が速いインクジェットヘッドを実現することが
できる。
個別インク室、6 共通インク室、7 インク供給口部、11 ノズル部、11a イ
ンクノズル、11b 第2ノズル、51 振動板、52,53 側壁面、54,55 傾
斜面、56,57,58 入り隅。
Claims (3)
- インクノズルと、第2ノズルと、個別インク室とを有し、前記個別インク室の容積変動
による個別インク室の流線を概直角に曲げてインクノズルからインク液滴を吐出させるイ
ンクジェットヘッドにおいて、
前記第2ノズルの中心に対する前記インクノズルの中心が相対的にインクが供給される
側に位置することを特徴とするインクジェットヘッド。 - 請求項1において、
前記個別インク室は、結晶面方位(110)のシリコンに異方性エッチングで形成した
ことを特徴とするインクジェットヘッド。 - 請求項1または2のいずれかの項において、
対向電極の間に電圧を印加することにより発生する静電気力によって、前記個別インク
室に容積変動を発生させて、前記インクノズルからインク液滴を吐出させることを特徴と
する静電駆動式のインクジェットヘッド。
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