JP2010274842A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構成にて、トルクセンサ異常時の代替的なアシスト制御時においても安定的にアシスト力付与を継続することのできる電動パワーステアリングを提供すること。
【解決手段】セルフステア抑制制御部52は、モータ21の回転角速度ωmに基づいてセ
ルフステアの発生を判定するセルフステア判定部53を備え、相セルフステアが発生したと判定した場合には、操舵系に付与するアシスト力を低減するセルフステア抑制制御を実行する。また、セルフステア抑制制御部52は、運転者によるステアリング操作の状態が保舵状態であるか否かを判定してその継続時間Tstbを測定する保舵継続時間測定部57
と、当該継続時間Tstbに基づいて、上記セルフステア判定に用いる閾値ωthを演算する
閾値演算部58とを備える。そして、閾値演算部58は、その保舵状態の継続時間Tstb
の増大に従って低下する閾値ωthを演算する。
【選択図】図2

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置に関するものである。
従来、車両用のパワーステアリング装置には、モータを駆動源とする電動パワーステアリング装置(EPS)がある。通常、このようなEPSでは、ステアリングシャフトの途中にトルクセンサが設けられており、操舵系に付与するアシスト力の制御は、その検出される操舵トルクに基づいて行なわれる。そのため、トルクセンサに何らかの異常が生じた場合、何の手立てもないとすれば、そのパワーアシスト制御を停止せざるを得なくなる。
そこで、従来、このようにトルクセンサに異常が生じた場合には、ステアリングセンサにより検出される操舵角に基づいて、代替的なアシスト制御を実行する様々な方法が提案されている。
例えば、特許文献1に記載のEPSは、操舵角及び操舵速度に基づいて操舵トルクに代替する制御目標値を演算する。また、特許文献2には、操舵角及びモータ角からトーションバーの捻れ角を演算することにより代替的に操舵トルクを検出する構成が開示されている。そして、このような操舵角に基づく代替アシスト制御を実行することにより、トルクセンサ異常時においても、継続して操舵系にアシスト力を付与することが可能となっている。
特開2004−338562号公報 特開2005−219573号公報 特開2009−12511号公報
ところで、通常、ステアリングセンサによる操舵角の検出精度は、トルクセンサを構成する各回転角センサの検出精度と比較して著しく粗いものとなっている。これは、操舵角の微小変化が車両の走行状態に与える影響は極めて限定的であるため、一般的な車両制御においては、その検出精度が問題となることは極めて稀だからである。従って、上記特許文献2のように操舵角からトーションバーの捻れ角を演算しようとすれば、そのステアリングセンサに、通常時には過剰ともいえる検出精度を求めざるをえないことになる。
一方、上記特許文献1のように操舵角に基づいて代替的な制御目標値を演算する構成では、その制御目標値の演算は、主として、操舵角(及び操舵速度、並びにこれらの変化)に示される操舵状態を推定することにより行なわれる。このため、上記一般的な車両制御の場合と同様、そのステアリングセンサに過度の検出精度を必要とせず、その結果、検出精度を確保するためのコスト増を回避することができるという利点がある。
しかしながら、このような操舵状態の推定による制御目標値を用いた代替アシスト制御では、操舵系に付与したアシスト力が制御にフィードバックされないため、そのアシスト力に過不足が生ずる場合がある。そして、特に、アシスト力が過剰である場合には、転舵がステアリング操作に先行する所謂セルフステアの発生により、運転者に不安を与えてしまうおそれがある。
そこで、例えば、駆動源であるモータに設けられた回転角センサ等を利用して、トーションバーよりも転舵輪側の回転角を検出する。そして、当該回転角の変化が操舵角の変化よりも先行する場合には、上記セルフステアが発生したものと判定して、その操舵系に付与するアシスト力を低減する方法が考えられる。
しかし、上記のように、ステアリングセンサにより検出される操舵角は、モータの回転角センサ(主にレゾルバ)により検出される転舵輪側の回転角との比較において、その検出精度が粗い。更に、その要求される検出精度の粗さから、多く場合、ステアリングセンサを構成する回転角センサの回転子(例えば、磁気式では突極や磁石、光学式ではスリット板等)とステアリングシャフトとの間には周方向の隙間があり、回転角検出においては、それにより生ずる回転ガタが、立ち上がりの遅れとして顕在化することになる。そのため、セルフステアの発生を早期に検知し及び速やかに抑制して安定的にアシスト力付与を継続するためには、やはりステアリングセンサの高精度化が避けられないという問題があり、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
尚、上記特許文献2には、トルクセンサの正常時に、操舵角及び転舵輪側の回転角の基準位置を演算する構成が開示されている。また、特許文献3には、その代替的な操舵トルクの演算において、ギヤバックラッシュ及びダンパ機構で生ずる弾性変形量を角度に置き換えた量を補正値として用いる構成が開示されている。
しかしながら、上記特許文献2に開示された従来技術は、あくまでトーションバーの捻れ角を演算する上での基準位置を確認するものであり、また上記特許文献3に開示された従来技術は、EPSを構成するアクチュエータの変速機構に存在する問題を解決しようとするものである。従って、これらの従来技術は、何れも上記のようなステアリングセンサの検出精度の粗さや回転ガタの存在に起因する問題については何ら解決するものとはなっていない。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、簡素な構成にて、トルクセンサ異常時の代替的なアシスト制御時においても安定的にアシスト力付与を継続することのできる電動パワーステアリングを提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ステアリングシャフトの途中に設けられたトーションバーの捻れに基づき操舵トルクを検出するトルクセンサと、前記トーションバーよりも転舵輪側において操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置と、検出される操舵トルクに基づいて前記操舵力補助装置の作動を制御する制御手段と、前記トルクセンサの異常を検出する異常検出手段と、ステアリングの回転角を検出するステアリングセンサとを備え、前記制御手段は、前記トルクセンサの異常が検出された場合には、前記ステアリングの回転角に基づく代替アシスト制御を実行する電動パワーステアリング装置において、前記操舵力補助装置の駆動源であるモータの回転角速度を検出する回転角速度検出手段と、前記ステアリングの回転状態に基づき前記ステアリング操作の状態が保舵状態であるか否かを判定する判定手段とを備え、前記制御手段は、前記ステアリング操作の状態が保舵状態であるにも関わらず、前記モータの回転角速度が所定の閾値を超える場合には、前記操舵系に付与するアシスト力を低減すること、を要旨とする。
即ち、セルフステアは、モータ駆動による転舵がステアリング操作に先行する状況を運転者が認識することにより顕在化する。そして、運転者は、とりわけ、そのステアリングの回転角(操舵角)を一定に保持した状態、即ちステアリング操作の状態が保舵状態にあ
る場合に、そのセルフステアを感じやすい傾向がある。従って、上記構成のように、そのステアリング操作の状態が保舵状態にある場合に注目することで、ステアリングセンサの検出精度が低い場合であっても、精度よく、セルフステアの発生を検知することができる。その結果、簡素な構成にて、トルクセンサ異常時の代替的なアシスト制御時においても安定的にアシスト力付与を継続することができるようになる。
請求項2に記載の発明は、前記保舵状態の継続時間を測定する測定手段と、前記継続時間の長さに応じて低下する閾値を演算する演算手段とを備え、前記制御手段は、前記演算手段の演算する閾値を用いて前記モータの回転角速度の比較を行なうこと、を要旨とする。
即ち、運転者が保舵時にセルフステアを感じやすいという傾向は、その保舵状態が長く継続した場合ほど、より顕著なものとなる。この点、上記構成によれば、その保舵状態が継続するほど、セルフステアが発生したものと判定されやすくなり、その結果、より精度よく、セルフステアの発生を検知することができる。
請求項3に記載の発明は、ステアリングシャフトの途中に設けられたトーションバーの捻れに基づき操舵トルクを検出するトルクセンサと、前記トーションバーよりも転舵輪側において操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置と、検出される操舵トルクに基づいて前記操舵力補助装置の作動を制御する制御手段と、前記トルクセンサの異常を検出する異常検出手段と、ステアリングの回転角を検出するステアリングセンサとを備え、前記制御手段は、前記トルクセンサの異常が検出された場合には、前記ステアリングの回転角に基づく代替アシスト制御を実行する電動パワーステアリング装置において、前記操舵力補助装置の駆動源であるモータの回転角速度を検出する回転角速度検出手段と、前記ステアリングの回転状態に基づき前記ステアリング操作の状態が保舵状態であるか否かを判定して該保舵状態の継続時間を測定する測定手段とを備え、前記制御手段は、前記継続時間の長さに応じて、前記操舵系に付与するアシスト力を低減すること、を要旨とする。
即ち、運転者は、保舵状態が長く継続した場合ほど、より強くセルフステアを感じやすい傾向がある。従って、上記構成のように、そのセルフステアが発生する可能性の高さ、つまり保舵状態の継続時間の長さに応じて、予め操舵系に付与するアシスト力を低減することにより、効果的にセルフステアの抑制を図ることができる。その結果、構成簡素、且つより安定的に、トルクセンサ異常時の代替的なアシスト制御時においてもアシスト力付与を継続することができるようになる。
請求項4に記載の発明は、前記制御手段は、前記ステアリングが中立位置に近づくに従って、前記操舵系に付与するアシスト力を低減すること、を要旨とする。
即ち、ステアリングがその中立位置に近づくほど転舵輪に作用する路面反力は小さくなり、そのアシスト力要求もまた低くなる。従って、上記構成によれば、操舵フィーリングを損なうことなく、より効果的にセルフステアを抑制することができる。
請求項5に記載の発明は、前記制御手段は、前記継続時間の長さに応じた前記アシスト力の低減程度と前記ステアリングの中立位置への近接状態に応じたアシスト力の低減程度とを比較し、その低減程度の小さな方を選択して実行すること、を要旨とする。
即ち、転舵輪に作用する路面反力は、その転舵角が大舵角であるほど、つまりステアリングの回転角(の絶対値)が大きいほど大となる。そのため、保舵状態の継続時間が長くなるに従って無条件にアシスト力を低減するとすれば、例えば、定常旋回時、特にその旋回半径が小さい場合には、そのアシスト力の不足により運転者の負担が増大するおそれが
ある。しかしながら、上記構成によれば、こうしたアシスト力不足の発生を抑制することができる。その結果、セルフステア抑制制御の有効性を高めることができる。
本発明によれば、簡素な構成にて、トルクセンサ異常時の代替的なアシスト制御時においても安定的にアシスト力付与を継続することが可能な電動パワーステアリングを提供することができる。
電動パワーステアリング装置(EPS)の概略構成図。 第1の実施形態におけるEPSの制御ブロック図。 保舵状態継続時間測定の処理手順を示すフローチャート。 保舵状態継続時間とモータ回転角速度閾値との関係を示す説明図。 セルフステア判定の処理手順を示すフローチャート。 第2の実施形態におけるEPSの制御ブロック図。 保舵状態継続時間と抑制ゲインとの関係を示す説明図。 操舵角と舵角ゲインとの関係を示す説明図。 別例のセルフステア抑制制御部の構成を示すブロック図。 別例のセルフステア抑制制御部の構成を示すブロック図。 車速と車速ゲインとの関係を示す説明図。
[第1の実施形態]
以下、本発明をコラム型の電動パワーステアリング装置(EPS)に具体化した第1の実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の電動パワーステアリング装置(EPS)1において、ステアリング2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック軸5と連結されており、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック軸5の往復直線運動に変換される。尚、本実施形態のステアリングシャフト3は、コラムシャフト8、インターミディエイトシャフト9、及びピニオンシャフト10を連結してなる。そして、このステアリングシャフト3の回転に伴うラック軸5の往復直線運動が、同ラック軸5の両端に連結されたタイロッド11を介して図示しないナックルに伝達されることにより、転舵輪12の舵角が変更されるようになっている。
また、EPS1は、モータ21を駆動源として操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置としてのEPSアクチュエータ22と、該EPSアクチュエータ22の作動を制御する制御手段としてのECU23とを備えている。
本実施形態のEPSアクチュエータ22は、所謂コラム型のEPSアクチュエータであり、その駆動源であるモータ21は、減速機構24を介してコラムシャフト8と駆動連結されている。そして、同モータ21の回転を減速機構24により減速してコラムシャフト8に伝達することによって、そのモータトルクをアシスト力として操舵系に付与する構成となっている。
一方、ECU23には、車速センサ27、トルクセンサ28、及びステアリングセンサ(操舵角センサ)29が接続されており、ECU23は、これら各センサの出力信号に基づいて、車速V、操舵トルクτ及びステアリング2の回転角、即ち操舵角θsを検出する
詳述すると、本実施形態では、コラムシャフト8の途中、詳しくは、その上記減速機構24よりもステアリング2側には、トーションバー30が設けられている。そして、本実施形態のトルクセンサ28は、このトーションバー30の両端に設けられた一対の回転角センサ(レゾルバ)31,32を備えた所謂ツインレゾルバ型のトルクセンサとして構成されている。
即ち、ECU23は、トルクセンサ28を構成するこれらの各回転角センサ31,32の出力信号Sa,Sbに基づいて、トーションバー30の両端における各回転角を検出する。そして、その両回転角の差分、即ちトーションバー30の捻れ角に基づいて、操舵トルクτを検出する。
また、本実施形態のステアリングセンサ29は、トルクセンサ28よりもステアリング2側においてコラムシャフト8に固定された回転子33と、該回転子33の回転に伴う磁束変化を検出するホールIC34とを備えた磁気式の回転角センサにより構成されている。尚、本実施形態のステアリングセンサ29では、その回転子33には、複数の突極が設けられている。
そして、ECU23は、これら検出される各状態量に基づいて目標アシスト力を演算し、当該目標アシスト力をEPSアクチュエータ22に発生させるべく、その駆動源であるモータ21への駆動電力の供給を通じて、該EPSアクチュエータ22の作動、即ち操舵系に付与するアシスト力を制御する構成となっている。
次に、本実施形態のEPSにおけるアシスト制御の態様について説明する。
図2に示すように、ECU23は、モータ制御信号を出力するマイコン41と、そのモータ制御信号に基づいて、EPSアクチュエータ22の駆動源であるモータ21に駆動電力を供給する駆動回路42とを備えて構成されている。
本実施形態では、ECU23には、モータ21に通電される実電流値Iを検出するための電流センサ43、及びモータ21の回転角θmを検出するための回転角センサ44(図
1参照)が接続されている。そして、マイコン41は、上記各車両状態量、並びにこれら電流センサ43及び回転角センサ44の出力信号に基づき検出されたモータ21の実電流値I及び回転角θmに基づいて、駆動回路42に出力するモータ制御信号を生成する。
尚、以下に示す各制御ブロックは、マイコン41が実行するコンピュータプログラムにより実現されるものである。そして、同マイコン41は、所定のサンプリング周期で上記各状態量を検出し、所定周期毎に以下の各制御ブロックに示される各演算処理を実行することにより、モータ制御信号を生成する。
詳述すると、マイコン41は、モータ21に対する電力供給の目標値である電流指令値Iq*を演算する電流指令値演算部45と、電流指令値演算部45により算出された電流指令値Iq*に基づいてモータ制御信号を出力するモータ制御信号出力部46とを備えている。
電流指令値演算部45には、上記アシスト力目標値の基礎成分としての基本アシスト制御量Ias*を演算する基本アシスト制御部47が設けられており、本実施形態では、この
基本アシスト制御部47には、車速V及び操舵トルクτが入力されるようになっている。
ここで、本実施形態では、トルクセンサ28の出力信号Sa,Sbは、マイコン41に設けられた操舵トルク検出部49に入力されるようになっており、基本アシスト制御部47
には、同操舵トルク検出部49において各出力信号Sa,Sbに基づき検出される操舵トルクτが入力されるようになっている。そして、基本アシスト制御部47は、当該操舵トルクτの絶対値が大きいほど、また車速Vが小さいほど、より大きなアシスト力を付与すべき旨の基本アシスト制御量Ias*を演算する構成となっている。
また、本実施形態では、上記操舵トルク検出部49には、トルクセンサ28の出力信号Sa,Sbに基づき同トルクセンサ28の異常を検出する異常検出手段としての機能が備えられており、同操舵トルク検出部49は、その検出結果を示す異常検出信号Strを電流指令値演算部45に出力する。そして、電流指令値演算部45は、その入力される異常検出信号Strが正常である旨を示すものである場合、即ちトルクセンサ28が正常に作動している通常時には、この基本アシスト制御量Ias*に基づく値を上記電流指令値Iq*として
、モータ制御信号出力部46に出力する構成となっている。
一方、モータ制御信号出力部46には、この電流指令値演算部45が出力する電流指令値Iq*とともに、電流センサ43により検出された実電流値I、及び回転角センサ44により検出されたモータ21の回転角θmが入力される。そして、モータ制御信号出力部4
6は、この電流指令値Iq*に実電流値Iを追従させるべくフィードバック制御を実行することによりモータ制御信号を演算する。
具体的には、本実施形態では、モータ21には、三相(U,V,W)の駆動電力の供給により回転するブラシレスモータが用いられている。そして、モータ制御信号出力部46は、実電流値Iとして検出されたモータ21の相電流値(Iu,Iv,Iw)をd/q座標
系のd,q軸電流値に変換(d/q変換)することにより、上記電流フィードバック制御を行う。
即ち、電流指令値Iq*は、q軸電流指令値としてモータ制御信号出力部46に入力され、モータ制御信号出力部46は、回転角センサ44により検出された回転角θmに基づい
て相電流値(Iu,Iv,Iw)をd/q変換する。また、モータ制御信号出力部46は、
そのd,q軸電流値及びq軸電流指令値に基づいてd,q軸電圧指令値を演算する。そして、そのd,q軸電圧指令値をd/q逆変換することにより相電圧指令値(Vu*,Vv*,Vw*)を演算し、当該相電圧指令値に基づいてモータ制御信号を生成する。
このようにして生成されたモータ制御信号は、マイコン41から駆動回路42へと出力され、同駆動回路42により当該モータ制御信号に基づく三相の駆動電力がモータ21へと供給される。そして、その操舵トルクτに基づくアシスト力目標値としての電流指令値Iq*に相当するモータトルクが発生することにより、当該アシスト力目標値に対応するアシスト力が操舵系に付与される構成となっている。
また、本実施形態では、上記電流指令値演算部45には、ステアリングセンサ29により検出される操舵角θsに基づいて代替アシスト制御量Isb*を演算する代替アシスト制御部50が設けられている。そして、本実施形態の電流指令値演算部45は、トルクセンサ28に何らかの異常が発生した場合には、この代替アシスト制御部50が演算する代替アシスト制御量Isb*に基づく値を、上記電流指令値Iq*としてモータ制御信号出力部46
に出力する構成となっている。
詳述すると、本実施形態の代替アシスト制御部50には、操舵角θsに加え、操舵速度
ωs及び車速Vが入力されるようになっている。尚、本実施形態では、操舵速度ωsは、ステアリングセンサ29により検出された操舵角θsを微分することにより算出される。そ
して、代替アシスト制御部50は、これらの各状態量に基づいて、その代替アシスト制御量Isb*の演算を実行する。尚、この代替アシスト制御量Isb*の演算の詳細については、
例えば上記特許文献1に記載の内容を参照されたい。
また、本実施形態の電流指令値演算部45には、切替制御部51が設けられており、代替アシスト制御部50において演算された代替アシスト制御量Isb*は、上記基本アシス
ト制御部47において演算された基本アシスト制御量Ias*及び上記操舵トルク検出部4
9の出力する異常検出信号Strとともに、この切替制御部51に入力される。そして、同切替制御部51は、その入力される異常検出信号Strがトルクセンサ28の異常を示すものである場合には、上記基本アシスト制御量Ias*に代えて、代替アシスト制御量Isb*を出力する構成となっている。
ここで、上述のように、この操舵角θsに基づく代替アシスト制御量Isb*の演算は、基本的に当該操舵角θsを介した操舵状態の推定によるものである。このため、操舵系に付
与したアシスト力が当該代替アシスト制御にフィードバックされず、その結果、過剰なアシスト力付与により、即ち所謂セルフステアが発生してしまうおそれがある。
そこで、本実施形態の電流指令値演算部45には、このようなセルフステアの発生を抑制すべくセルフステア抑制制御部52が設けられている。そして、セルフステアの発生時には、このセルフステア抑制制御部52の実行するセルフステア抑制制御により、操舵系に付与するアシスト力を低減することによって、そのセルフステアの発生を抑制する構成となっている。
詳述すると、本実施形態のセルフステア抑制制御部52は、セルフステアの発生判定を行なうセルフステア判定部53と、そのセルフステア判定の結果に応じた抑制ゲインKslfを演算する抑制ゲイン演算部54とを備えている。そして、セルフステア抑制制御部5
2は、その抑制ゲインKslfを乗算器56に出力し、上記代替アシスト制御部50の出力
する代替アシスト制御量Isb*に乗ずることにより、そのセルフステア抑制制御を実行す
る構成となっている。
さらに詳述すると、本実施形態では、上記セルフステア判定部53には、モータ21の回転角速度ωmが入力されるようになっている。尚、本実施形態では、この回転角速度ωmは、上記回転角センサ44により検出されたモータ21の回転角θmを微分することによ
り求められる。即ち、本実施形態では、回転角速度検出手段は、マイコン41に形成されている。そして、セルフステア判定部53は、この回転角速度ωmに基づいて、そのセル
フステア判定を実行する。
また、本実施形態のセルフステア抑制制御部52には、運転者によるステアリング操作の状態(操舵状態)が保舵状態であるか否かを判定してその継続時間Tstbを測定する保
舵継続時間測定部57と、当該継続時間Tstbに基づいて、上記セルフステア判定に用い
る閾値ωthを演算する演算手段としての閾値演算部58とを備えている。
具体的には、図3のフローチャートに示すように、判定手段及び測定手段を構成する本実施形態の保舵継続時間測定部57は、ステアリング2の回転状態を示す信号として操舵速度ωsを取得すると(ステップ101、図1参照)、その絶対値(|ωs|)が所定の閾値ω0よりも小さいか否かを判定する(ステップ102)。
次に、操舵速度ωsの絶対値が所定の閾値ω0よりも小さい場合(|ωs|<ω0、ステップ102:YES)には、続いて、既に保舵フラグがセットされているか否かを判定する(ステップ103)。そして、まだ保舵フラグがセットされていない場合(ステップ103:NO)には、保舵フラグをセットして(ステップ104)、その保舵状態の継続時間Tstbを計測するカウンタのインクリメントを実行する(Tstb=Tstb+1、ステップ1
05)。尚、上記ステップ103において、既に保舵フラグがセットされていると判定した場合(ステップ103:YES)、即ち、既にその継続時間Tstbの計測中である場合
には、上記ステップ104の処理を実行することなく、ステップ105においてカウンタをインクリメントする。
一方、上記ステップ102において、操舵速度ωsの絶対値が閾値ω0以上である場合
(|ωs|≧ω0、ステップ102:NO)には、上記保舵フラグのリセット(ステップ1
06)、及びカウンタのクリア(Tstb=0、ステップ107)を実行する。
そして、保舵継続時間測定部57は、上記ステップ105又はステップ107の実行により更新されたカウンタ値を、保舵状態の継続時間Tstbとして、閾値演算部58に出力
する(ステップ108)。
また、本実施形態の閾値演算部58は、上記のように保舵継続時間測定部57により測定された保舵状態の継続時間Tstbに基づくマップ演算の実行により、その継続時間Tstbの長さに応じて低下する閾値ωthを演算する。尚、本実施形態では、この閾値演算部58の演算する閾値ωthは、上記保舵状態への移行後、急速に低下するとともに、その後、継続時間Tstbが長くなるに従って、その値の低下幅が小さくなるように設定されている(
図4参照)。
そして、本実施形態のセルフステア判定部53は、このようにして演算された閾値ωthとモータ21の回転角速度ωmとの比較に基づいて、上記セルフステア判定を実行する。
即ち、セルフステアは、モータ駆動による転舵がステアリング操作に先行する状況を運転者が認識することにより顕在化する。そして、運転者は、その操舵角θsを一定に保持
した状態、即ちステアリング操作の状態が保舵状態にある場合に、そのセルフステアを感じやすく、且つその傾向は保舵状態が長く継続した場合ほど、より顕著なものとなる。
この点を踏まえ、本実施形態のセルフステア判定部53は、そのステアリング操作の状態が保舵状態である(ステアリング2の回転状態が略停止している)にも関わらずモータ21が回転している場合に、セルフステアが発生したものと判定する。そして、そのセルフステア判定に用いる閾値ωthを、保舵状態の継続時間Tstbが長いほど小さな値に変更
することで、その判定精度の向上を図る構成となっている。
具体的には、図5のフローチャートに示すように、セルフステア判定部53は、モータ21の回転角速度ωm、及び上記保舵状態の継続時間Tstbに応じて演算された閾値ωthを取得すると(ステップ201,202)、その回転角速度ωm(の絶対値)が閾値ωthを
超えるか否かを判定する(ステップ203)。そして、その回転角速度ωmの絶対値(|ωm|)が閾値ωthを超える場合(|ωm|>ωth、ステップ203:YES)には、セルフス
テアが発生したものと判定し(ステップ204)、閾値ωth以下である場合(|ωm|≦ωth、ステップ203:NO)には、セルフステアは発生していないものと判定する(ステ
ップ205)。
図2に示すように、本実施形態では、セルフステア判定部53による判定結果は、判定信号Sslfとして抑制ゲイン演算部54に入力される。そして、抑制ゲイン演算部54は
、その入力される判定信号Sslfがセルフステアの発生を示す場合には、抑制ゲインKslfとして「0」を演算し、セルフステアは発生していない旨を示すものである場合には、抑制ゲインKslfとして「1」を演算する。
尚、本実施形態では、セルフステア抑制制御部52には、上記操舵トルク検出部49の出力する異常検出信号Strが入力されるようになっている。そして、セルフステア抑制制
御部52は、同異常検出信号Strがトルクセンサの異常を示すものでない場合には、抑制ゲインKslfとして「1」を出力する構成となっている。
このように構成することで、セルフステアの発生時には、当該抑制ゲインKslfを乗じ
た後の代替アシスト制御量Isb*は「0」となり、その結果、電流指令値演算部45の出
力する電流指令値Iq*もまた、基本的には「0」となる。つまり、モータ21に供給される駆動電力が停止することで、そのアシスト付与は停止される。そして、本実施形態では、これにより、トルクセンサ異常時においても、セルフステアの発生を抑えて、安定的なアシスト力付与を継続することが可能な構成となっている。
以上、本実施形態によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
(1)セルフステア抑制制御部52は、モータ21の回転角速度ωmに基づいてセルフ
ステアの発生を判定するセルフステア判定部53を備え、セルフステアが発生したと判定した場合には、操舵系に付与するアシスト力を低減するセルフステア抑制制御を実行する。また、セルフステア抑制制御部52は、運転者によるステアリング操作の状態が保舵状態であるか否かを判定してその継続時間Tstbを測定する保舵継続時間測定部57と、当
該継続時間Tstbに基づいて、上記セルフステア判定に用いる閾値ωthを演算する閾値演
算部58とを備える。そして、閾値演算部58は、その保舵状態の継続時間Tstbが長く
なるに従って低下する閾値ωthを演算する。
即ち、セルフステアは、モータ駆動による転舵がステアリング操作に先行する状況を運転者が認識することにより顕在化する。そして、運転者は、とりわけ、その操舵角θsを
一定に保持した状態、即ちステアリング操作の状態が保舵状態にある場合に、そのセルフステアを感じやすい傾向がある。従って、上記構成のように、その保舵状態にある場合に注目することにより、ステアリングセンサ29による操舵角θsの検出精度が低い場合で
あっても、精度よく、セルフステアの発生を検知することができる。その結果、簡素な構成にて、トルクセンサ異常時の代替的なアシスト制御時においても安定的にアシスト力付与を継続することができるようになる。
(2)また、このような保舵時に運転者がセルフステアを感じやすい傾向は、その保舵状態が長く継続した場合ほど、より顕著なものとなる。この点、上記構成によれば、その保舵状態が継続するほど、セルフステアが発生したものと判定されやすくなり、その結果、より精度よく、セルフステアの発生を検知することができる。
[第2の実施形態]
以下、本発明を具体化した第2の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付すこととして、その説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態のセルフステア抑制制御部62には、上記第1の実施形態のセルフステア抑制制御部52に見られたようなセルフステア判定部53及び閾値演算部58は設けられておらず、その抑制ゲイン演算部64に対しては、保舵継続時間測定部57において測定された保舵状態の継続時間Tstbが、直接に入力されるようになってい
る。そして、本実施形態の抑制ゲイン演算部64は、その入力される継続時間Tstbの長
さに応じて、そのセルフステア抑制制御を強化、即ち操舵系に付与するアシスト力をより大きく低減するような抑制ゲインKslfを演算する構成となっている。
具体的には、図7に示すように、本実施形態の抑制ゲイン演算部64は、継続時間Tstbが「0」である場合、即ちそのステアリング操作の状態が保舵状態ではない場合には、
抑制ゲインKslfとして「1」を演算する。そして、その値は、継続時間Tstbが長くなる
に従って、徐々に低下、詳しくは加速度的にその低下幅が増大して最終的には「0」となるように設定されている。
即ち、上述のように、運転者は、保舵状態が長く継続した場合ほど、より強くセルフステアを感じやすい傾向がある。本実施形態では、この点に着目して、そのセルフステアが発生する可能性の高さ、つまり保舵状態の継続時間Tstbの長さに応じて、予め操舵系に
付与するアシスト力を低減する。そして、これにより、効果的にセルフステアの抑制を図る構成となっている。
また、図2に示すように、本実施形態のセルフステア抑制制御部62は、操舵角θs(
の絶対値)に応じた舵角ゲインKstrを演算する舵角ゲイン演算部65と、その舵角ゲイ
ンKstrと上記抑制ゲインKslfとを比較して、これらの何れか一方を出力する比較出力部66とを備えている。
具体的には、図8に示すように、本実施形態の舵角ゲイン演算部65は、その値が「1」以下、即ち上記抑制ゲインKslfと同様に、代替アシスト制御量Isb*に乗ずることにより操舵系に付与するアシスト力を低減することが可能な舵角ゲインKstrを演算する。そ
して、当該舵角ゲインKstrは、検出される操舵角θsの絶対値(|θs|)が大きいほど、
より大きな値となるように設定されている。換言すると、本実施形態の舵角ゲイン演算部65は、ステアリング2が中立位置(θs=0)に近づくに従って、その操舵系に付与す
るアシスト力を、より大きく低減するような舵角ゲインKstrを演算する。
また、比較出力部66は、舵角ゲインKstr及び上記抑制ゲインKslfの値の大きさ、即ちそのアシスト力の低減程度を比較し、その値の大きい方、即ちアシスト力の低減程度の小さな方を選択して出力する。そして、本実施形態のセルフステア抑制制御部62は、この比較出力部66の出力に基づいて、そのセルフステア抑制制御を実行、即ち上記乗算器56に出力する構成となっている。
以上、本実施形態によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
(1)抑制ゲイン演算部64には、保舵継続時間測定部57において測定された保舵状態の継続時間Tstbが入力される。そして、抑制ゲイン演算部64は、その入力される継
続時間Tstbの長さに応じてセルフステア抑制制御を強化、即ち同継続時間Tstbが長くなるに従って、操舵系に付与するアシスト力をより大きく低減するような抑制ゲインKslf
を演算する。
即ち、運転者は、保舵状態が長く継続した場合ほど、より強くセルフステアを感じやすい傾向がある。従って、上記構成のように、そのセルフステアが発生する可能性の高さ、つまり保舵状態の継続時間Tstbの長さに応じて、予め操舵系に付与するアシスト力を低
減することにより、効果的にセルフステアの抑制を図ることができる。その結果、構成簡素、且つより安定的に、トルクセンサ異常時の代替的なアシスト制御時においてもアシスト力付与を継続することができるようになる。
(2)セルフステア抑制制御部62は、ステアリング2が中立位置(θs=0)に近づ
くに従って、より大きく、その操舵系に付与するアシスト力を低減するような舵角ゲインKstrを演算する舵角ゲイン演算部65を備える。また、セルフステア抑制制御部62は
、舵角ゲインKstr及び上記抑制ゲインKslfの値の大きさ、即ちそのアシスト力の低減程度を比較し、その値の大きい方、即ちアシスト力の低減程度の小さな方を選択して出力する比較出力部66を備える。そして、セルフステア抑制制御部62は、この比較出力部66の出力に基づいて、そのセルフステア抑制制御を実行する。
即ち、転舵輪12に作用する路面反力は、その転舵角が大舵角であるほど、即ち操舵角θs(の絶対値)が大きいほど大となる。そのため、保舵状態の継続時間Tstbが長くなるに従って無条件にアシスト力を低減するとすれば、例えば、定常旋回時、特にその旋回半径が小さい場合には、そのアシスト力の不足により運転者の負担が増大するおそれがある。しかしながら、上記構成によれば、こうしたアシスト力不足の発生を抑制することができる。その結果、セルフステア抑制制御の有効性を高めることができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態では、本発明を所謂コラム型のEPS1に具体化したが、本発明は、所謂ピニオン型やラックアシスト型のEPSに適用してもよい。
・上記各実施形態では、ステアリングセンサ29には、ホールIC34を用いた磁気式の回転角センサを用いることとしたが、光学式等、その他の方式の回転角センサを用いる構成であってもよい。
・上記第1の実施形態では、セルフステア抑制制御部52は、運転者によるステアリング操作の状態が保舵状態であるか否かを判定してその継続時間Tstbを測定する保舵継続
時間測定部57と、当該継続時間Tstbが長くなるに従って低下する閾値ωthを演算する
閾値演算部58とを備える。そして、セルフステア判定部53は、その閾値ωthとモータ21の回転角速度ωmとの比較に基づいてセルフステアの発生を判定することとした。
しかし、これに限らず、図9に示すセルフステア抑制制御部70のように、そのステアリング操作の状態が保舵状態であるか否かを判定する保舵状態判定部71を設け、セルフステア判定部72には、その判定結果(を示す信号Sstb)を入力する。そして、セルフ
ステア判定部72は、当該判定結果が保舵状態である場合に、モータ21の回転角速度ωmと所定の閾値との比較に基づいてセルフステアの発生を判定する構成としてもよい。こ
れにより、更に簡素な構成にて、ステアリングセンサ29による操舵角θsの検出精度が
低い場合であっても、セルフステアの発生を検知することができる。
・上記第2の実施形態では、セルフステア抑制制御部62は、抑制ゲインKslfと舵角
ゲインKstrとを比較してそのアシスト力の低減程度の小さな方を選択して出力する比較
出力部66を備え、同比較出力部66の出力に基づいてセルフステア抑制制御を実行することとした。しかし、これに限らず、図10に示すセルフステア抑制制御部74のように、乗算器75において抑制ゲインKslf及び舵角ゲインKstrを乗じて出力する構成としてもよい。尚、この場合、舵角ゲインKstrの大きさ(図8に示されるようなマップのスケ
ール)については、適宜、最適化を図ることが望ましいことはいうまでもない。
・更に、舵角ゲインKstrに加えて、図11に示されるように、車速Vの上昇に応じて
増大する車速ゲインKvを演算する構成としてもよい。即ち、転舵輪12に作用する路面
反力は、車速Vの上昇によっても増大する。従って、このような構成とすれば、セルフステア抑制制御の有効性を更に高めることができる。
・上記各実施形態では、ステアリング2の回転状態を示す信号として操舵速度ωsを用
いたが、操舵角θsを用いて、その変化を監視することにより、ステアリング操作の状態
が保舵状態であるか否かを判定してもよい。
・保舵状態の継続時間Tstbとモータ21の回転角速度ωmに関する閾値ωthとの関係、継続時間Tstbと抑制ゲインKslfとの関係、並びに操舵角θs(車速V)と舵角ゲインKstr(車速ゲインKv)との関係は、必ずしも、上記各実施形態の説明において用いた各図
(図4,7,8(,11))中に示される曲線形状に変化するものでなくともよい。即ち
、例えば、直線状に変化するものであっても、ステップ状に変化するもの等としてもよい。
次に、以上の実施形態から把握することのできる技術的思想を効果とともに記載する。
(イ)請求項4に記載の電動パワーステアリング装置において、前記継続時間の長さに応じて前記アシスト力の低減程度が増大する抑制ゲインを演算する抑制ゲイン演算手段と、前記ステアリングが中立位置に近づくに従って前記アシスト力の低減程度が増大する舵角ゲインを演算する舵角ゲイン演算手段とを備え、前記制御手段は、前記継続ゲイン及び前記舵角ゲインの少なくとも何れか一方を前記代替アシスト制御の制御目標値に乗ずることにより前記アシスト力の低減を実行すること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。これにより、構成簡素、且つより安定的に、トルクセンサ異常時の代替的なアシスト制御時においてもアシスト力付与を継続することができるようになる。
1…電動パワーステアリング装置(EPS)、2…ステアリング、3…ステアリングシャフト、8…コラムシャフト、12…転舵輪、21…モータ、22…EPSアクチュエータ、23…ECU、28…トルクセンサ、29…ステアリングセンサ、30…トーションバー、41…マイコン、42…駆動回路、45…電流指令値演算部、46…モータ制御信号出力部、47…基本アシスト制御部、49…操舵トルク検出部、50…代替アシスト制御部、51…切換制御部、52,62,70,74…セルフステア抑制制御部、53,72…セルフステア判定部、54,64…抑制ゲイン演算部、56…乗算器、57…保舵継続時間測定部、58…閾値演算部、65…舵角ゲイン演算部、66…比較出力部、71…保舵状態判定部、75…乗算器、Iq*…電流指令値、Ias*…基本アシスト制御量、Isb*…代替アシスト制御量、Kslf…抑制ゲイン、Kstr…舵角ゲイン、Kv…車速ゲイン、θs…操舵角、ωs…操舵速度、ω0…閾値、θm…モータ回転角、ωm…回転角速度、ωth…
閾値、τ…操舵トルク、Sa,Sb…出力信号、Str…異常検出信号、Tstb…継続時間、
Sslf…判定信号。

Claims (5)

  1. ステアリングシャフトの途中に設けられたトーションバーの捻れに基づき操舵トルクを検出するトルクセンサと、前記トーションバーよりも転舵輪側において操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置と、検出される操舵トルクに基づいて前記操舵力補助装置の作動を制御する制御手段と、前記トルクセンサの異常を検出する異常検出手段と、ステアリングの回転角を検出するステアリングセンサとを備え、前記制御手段は、前記トルクセンサの異常が検出された場合には、前記ステアリングの回転角に基づく代替アシスト制御を実行する電動パワーステアリング装置において、
    前記操舵力補助装置の駆動源であるモータの回転角速度を検出する回転角速度検出手段と、
    前記ステアリングの回転状態に基づき前記ステアリング操作の状態が保舵状態であるか否かを判定する判定手段とを備え、
    前記制御手段は、前記ステアリング操作の状態が保舵状態であるにも関わらず、前記モータの回転角速度が所定の閾値を超える場合には、前記操舵系に付与するアシスト力を低減すること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記保舵状態の継続時間を測定する測定手段と、
    前記継続時間の長さに応じて低下する閾値を演算する演算手段とを備え、
    前記制御手段は、前記演算手段の演算する閾値を用いて前記モータの回転角速度の比較を行なうこと、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  3. ステアリングシャフトの途中に設けられたトーションバーの捻れに基づき操舵トルクを検出するトルクセンサと、前記トーションバーよりも転舵輪側において操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置と、検出される操舵トルクに基づいて前記操舵力補助装置の作動を制御する制御手段と、前記トルクセンサの異常を検出する異常検出手段と、ステアリングの回転角を検出するステアリングセンサとを備え、前記制御手段は、前記トルクセンサの異常が検出された場合には、前記ステアリングの回転角に基づく代替アシスト制御を実行する電動パワーステアリング装置において、
    前記操舵力補助装置の駆動源であるモータの回転角速度を検出する回転角速度検出手段と、
    前記ステアリングの回転状態に基づき前記ステアリング操作の状態が保舵状態であるか否かを判定して該保舵状態の継続時間を測定する測定手段とを備え、
    前記制御手段は、前記継続時間の長さに応じて、前記操舵系に付与するアシスト力を低減すること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  4. 請求項3に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記制御手段は、前記ステアリングが中立位置に近づくに従って、前記操舵系に付与するアシスト力を低減すること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  5. 請求項4に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記制御手段は、前記継続時間の長さに応じた前記アシスト力の低減程度と前記ステアリングの中立位置への近接状態に応じたアシスト力の低減程度とを比較し、その低減程度の小さな方を選択して実行すること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
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