JP2010267941A - インゴット切断装置及びインゴット切断方法 - Google Patents

インゴット切断装置及びインゴット切断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インゴットの切り終わり時の座り状態を安定化して維持し、インゴットの切断の際のカケやチップの発生を抑制することで製品歩留りを向上させることができるインゴット切断装置及びインゴットの切断方法を提供することを目的とする。
【解決手段】少なくとも、切断テーブルの上面に設置され、該切断テーブル上に載置される前記インゴットとの間に介在するVプロセスパッドを有し、該Vプロセスパッドは、パッド本体内に粉粒体を封入し、前記パッド本体の供給部から供給されたエアーを吸引部から吸引して減圧し、前記粉粒体を硬化させることによって表面形状を造形可能なものであり、前記Vプロセスパッドを減圧して前記Vプロセスパッドの載置面の表面形状を該載置されたインゴットの表面形状に沿うように造形して前記インゴットと前記Vプロセスパッドとを密着させて前記インゴットを切断するものであることを特徴とするインゴット切断装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インゴット、特にはチョクラルスキー法(CZ法)等により引き上げられたシリコンインゴットを切断するインゴット切断装置及びインゴットの切断方法に関する。
CZ法等によって製造されたシリコンインゴット等のインゴットは円柱状の胴体部にコーン状の端部(トップ部およびテイル部)を有している。このインゴットの加工において、これらコーン状の端部を切り離し円柱状の胴体部のみとし、胴体部を必要に応じて複数のブロックに切断する。次いでそのブロックをウェーハとするための加工を行うことになる。
このようなコーン状の端部の切断加工や胴体部を複数のブロックに切断加工する場合には、内周刃スライサー、外周刃スライサーなどが多く用いられてきた。近年のウェーハの大口径化に伴ってバンドソーやワイヤソーも多く使用されるようになってきた。
ここで、図6にインゴット切断装置のブレードをバンドソーとした場合のブロックの切断方法についての概要を示す。
図6に示すように、インゴット切断装置101には切断時にインゴット104を支持するための上面がV字形状に形成された切断テーブル105が設置されている。この切断テーブル105のV字形状の上面はその材質として、主にSUS系の金属が用いられている。
また、インゴット切断装置101は、薄いブレード台金の端部にダイヤモンドの砥粒を糊着してなるブレード砥粒部で構成されるエンドレスベルト状のブレード(バンドソー)102がプーリー103、103’間に張設されている。
そして、切断前において、インゴット104を切断テーブル105上に水平に配置する。この切断テーブル105にはインゴット104を切断するためのブレード102が切断テーブル105に接触しないようにするための隙間108が設けられている。そして、インゴット104の切断位置をこの隙間108に合わせるようにインゴット104の載置位置を調整する。
このブレード102がプーリー103、103’の回転により周回駆動され、該ブレード102を切断テーブル105の隙間108の位置で相対的に上方から下方に送り出すことによってインゴット104を切断する。
ところで、切断テーブル105の載置面上に載置するインゴット104の座り精度が悪化していると、上記のようなインゴット104の切断時において、インゴット104の切断端面、特に切り終わり部分にカケ、チップ等が発生することがあった。
従来では、インゴット104のブロック切断前にインゴット104の外周面を研磨し、切断テーブル105のインゴット104を載置する載置面の面精度がある程度確保された状態で行われていた。このようにすることでインゴット104の切断時に載置面上のインゴットのズレが抑えられてカケ、チップの発生をある程度抑制でき、製品ロスが多少軽減される。
しかし、近年、工程時間を短縮してコストを削減するためなどの理由により、インゴット104の外周面を研磨せず、未加工の状態でブロックに切断する要求が増加する傾向にある。このような引上げ後の外周面が未加工のインゴットの形状は外周面が凹凸及び突起している形状であり、切断テーブル105の載置面の面精度を精度出ししても、切断テーブル105上にインゴット104を安定して載置することができず、このようなインゴット104はたとえクランプされても安定しないのが現状である。
例えば、被加工物の片端部の形状が複雑である場合の切断方法に関する従来技術として、硬脆性材料からなる被加工物の片端部をセメント硬化体で被覆した後、そのセメント硬化体を保持して被加工物を切断することで、割れが発生することなく被加工物を切断することができるとされる方法が開示されている(特許文献1参照)。
特開2005−238578号公報
上記したような外周面が凹凸の形状のインゴットを切断する際に、エアーシリンダー等で切断テーブル上のインゴットを浮上させて、エアーシリンダーとインゴットが接触する部分にパッドを接触させた状態で、エアーシリンダーをロックさせてインゴットを保持するという方法が用いられることがあったが、このような方法では未加工のインゴットの凹凸形状を追従出来ずに、カケ、チップの発生が多大であった。
また、インゴット104の長さが例えば60cm程度以下の場合には、作業者の手作業により、インゴット104と切断テーブル105との隙間にシム(くさび)を入れてインゴット104の切断テーブル105との座りを調整して切断する方法もある。このような方法によってインゴット104の切断時のカケ、チップの発生をある程度抑制することができるものの、このような調整は作業上困難で熟練者が行う必要があり、作業者によってばらつきがあるため安定してカケ、チップの発生を抑制することができず、発生率も十分に抑えることができなかった。また、インゴット104の長さが例えば60cm程度以上の場合には、熟練者によってでも行うことが困難であった。
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、切断テーブル上に載置するインゴットの座りを改善し、特に引上げ直後の外周面が凹凸の形状のインゴットの切断においても、インゴットの座り状態を安定化して維持し、インゴットの切断の際のカケやチップの発生を抑制することで製品歩留りを向上させることができるインゴット切断装置及びインゴットの切断方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、上面がV字形状に形成され、インゴットが水平に載置される切断テーブルと、前記インゴットを切断するためのブレードとを有し、前記ブレードを相対的に上方から下方に送り出すことによって前記インゴットを切断するインゴット切断装置であって、少なくとも、前記切断テーブルの上面に設置され、該切断テーブル上に載置される前記インゴットとの間に介在するVプロセスパッドを有し、該Vプロセスパッドは、パッド本体と、該パッド本体内に封入される粉粒体と、前記パッド本体内へ供給部からエアーを供給する供給手段と、前記パッド本体内のエアーを吸引部から吸引する吸引手段とを有し、前記吸引手段により前記パッド本体内のエアーを吸引して減圧し、前記粉粒体を硬化させることによって表面形状を造形可能なものであり、前記Vプロセスパッドのパッド本体内を前記吸引手段により減圧して前記Vプロセスパッドの前記インゴットを載置する載置面の表面形状を該載置面上に載置された前記インゴットの表面形状に沿うように造形して前記インゴットと前記Vプロセスパッドとを密着させて前記インゴットを切断するものであることを特徴とするインゴット切断装置が提供される。
このように、少なくとも、前記切断テーブルの上面に設置され、該切断テーブル上に載置される前記インゴットとの間に介在するVプロセスパッドを有し、該Vプロセスパッドは、パッド本体と、該パッド本体内に封入される粉粒体と、前記パッド本体内へ供給部からエアーを供給する供給手段と、前記パッド本体内のエアーを吸引部から吸引する吸引手段とを有し、前記吸引手段により前記パッド本体内のエアーを吸引して減圧し、前記粉粒体を硬化させることによって表面形状を造形可能なものであり、前記Vプロセスパッドのパッド本体内を前記吸引手段により減圧して前記Vプロセスパッドの前記インゴットを載置する載置面の表面形状を該載置面上に載置された前記インゴットの表面形状に沿うように造形して前記インゴットと前記Vプロセスパッドとを密着させて前記インゴットを切断するものであれば、切断テーブルとインゴットとの間に介在するVプロセスパッドによってインゴットの外周面の凸凹の形状が吸収され、インゴットの座りが安定化した状態でインゴットとVプロセスパッドとを密着させてインゴットを切断することができ、インゴットの切断時のカケやチップの発生を抑制することができるものとなる。
このとき、前記Vプロセスパッドは前記供給部及び吸引部が前記切断テーブルの上面のV字底部側に位置するように設置され、前記供給部からエアーを供給することによって前記粉粒体をパッド本体内の上方に移動させ、前記吸引部からエアーを吸引することによって前記上方に移動した粉粒体をパッド本体内の下方に移動させて硬化させ、前記インゴットと前記Vプロセスパッドとを密着させるものであることが好ましい。
このように、前記Vプロセスパッドが前記供給部及び吸引部が前記切断テーブルの上面のV字底部側に位置するように設置され、前記供給部からエアーを供給することによって前記粉粒体をパッド本体内の上方に移動させ、前記吸引部からエアーを吸引することによって前記上方に移動した粉粒体をパッド本体内の下方に移動させて硬化させ、前記インゴットと前記Vプロセスパッドとを密着させるものであれば、インゴットを載置するVプロセスパッドの載置面全体に粉粒体を行き渡らせて、より効果的にインゴットの表面形状に沿うように造形することができ、インゴットの座りを安定させて切断時のカケやチップの発生をより確実に抑制することができるものとなる。
またこのとき、前記切断テーブルの上面のV字底部に設置され、前記インゴットを下方から支持する支持体をさらに具備するものとすることができる。
このように、前記切断テーブルの上面のV字底部に設置され、前記インゴットを下方から支持する支持体をさらに具備するものであれば、Vプロセスパッドを造形する際に、支持体によりインゴットを下方から支持して安定して水平に保つことができ、支持体の上面を基準面としてVプロセスパッドの造形を容易に、より精度良く行うことができるものとなる。
またこのとき、前記切断テーブルはインゴットを切断するためのブレードが前記切断テーブルに接触しないようにするための隙間を有し、該隙間に配置され、前記インゴットの切り終わり部分を下方から支持する支え治具を具備するものとすることができる。
このように、前記切断テーブルがインゴットを切断するためのブレードが前記切断テーブルに接触しないようにするための隙間を有し、該隙間に配置され、前記インゴットの切り終わり部分を下方から支持する支え治具を具備するものであれば、ブレードが切断テーブルに接触するのを防止しつつ、支え治具を切断時の支点として切断テーブルの隙間部分の段差による影響を抑えることができ、カケやチップの発生をより確実に抑制することができるものとなる。また、支え治具が、Vプロセスパッドが切断テーブルの隙間にはみ出さないようにするための仕切りとなるので、Vプロセスパッドがブレードにより破損するのを抑制することができるものとなる。
またこのとき、前記粉粒体は、砂、セラミックビーズ、アルミナビーズのいずれかであることが好ましい。
このように、前記粉粒体が、砂、セラミックビーズ、アルミナビーズのいずれかであれば、低コストなものを容易に入手することができるし、粒度の細かいものとして微細な凸凹形状に形成できるものとなる。
また、本発明によれば、上面がV字形状に形成された切断テーブルにインゴットを水平に載置し、前記インゴットを切断するためのブレードを相対的に上方から下方に送り出すことによって前記インゴットを切断するインゴット切断方法であって、少なくとも、パッド本体内に粉粒体を封入し、前記パッド本体の供給部から供給されたエアーを吸引部から吸引して減圧し、前記粉粒体を硬化させることによって表面形状を造形可能なVプロセスパッドを前記切断テーブルの上面に設置し、前記インゴットを前記切断テーブル上に前記Vプロセスパッドを介して載置し、前記Vプロセスパッドのパッド本体内を減圧して前記Vプロセスパッドの前記インゴットを載置した載置面の表面形状を前記載置したインゴットの表面形状に沿うように造形して前記インゴットと前記Vプロセスパッドとを密着させた後、前記インゴットを切断することを特徴とするインゴット切断方法が提供される。
このように、少なくとも、パッド本体内に粉粒体を封入し、前記パッド本体の供給部から供給されたエアーを吸引部から吸引して減圧し、前記粉粒体を硬化させることによって表面形状を造形可能なVプロセスパッドを前記切断テーブルの上面に設置し、前記インゴットを前記切断テーブル上に前記Vプロセスパッドを介して載置し、前記Vプロセスパッドのパッド本体内を減圧して前記Vプロセスパッドの前記インゴットを載置した載置面の表面形状を前記載置したインゴットの表面形状に沿うように造形して前記インゴットと前記Vプロセスパッドとを密着させた後、前記インゴットを切断すれば、切断テーブルとインゴットとの間のVプロセスパッドによってインゴットの外周面の凸凹の形状を吸収し、インゴットの座りが安定化した状態でインゴットとVプロセスパッドとを密着させてインゴットを切断することができ、インゴットの切断時のカケやチップの発生を抑制することができる。
このとき、前記Vプロセスパッドを前記供給部及び吸引部が前記切断テーブルの上面のV字底部側に位置するように設置し、前記インゴットを前記Vプロセスパッド上に載置する前に、前記供給部からエアーを供給することによって前記粉粒体をパッド本体内の上方に移動させ、前記インゴットを載置した後の前記Vプロセスパッドの前記吸引部からエアーを吸引することによって前記上方に移動した粉粒体をパッド本体内の下方に移動させて硬化させ、前記インゴットと前記Vプロセスパッドとを密着させることが好ましい。
このように、前記Vプロセスパッドを前記供給部及び吸引部が前記切断テーブルの上面のV字底部側に位置するように設置し、前記インゴットを前記Vプロセスパッド上に載置する前に、前記供給部からエアーを供給することによって前記粉粒体をパッド本体内の上方に移動させ、前記インゴットを載置した後の前記Vプロセスパッドの前記吸引部からエアーを吸引することによって前記上方に移動した粉粒体をパッド本体内の下方に移動させて硬化させ、前記インゴットと前記Vプロセスパッドとを密着させれば、インゴットを載置するVプロセスパッドの載置面全体に粉粒体を行き渡らせて、より効果的にインゴットの表面形状に沿うように造形することができ、インゴットの切断時のカケやチップの発生をより確実に抑制することができる。
またこのとき、前記インゴットを下方から支持する支持体を前記切断テーブルの上面のV字底部に設置し、前記支持体の上面を基準面として前記インゴットを下方から支持しつつ、前記インゴットと前記Vプロセスパッドとを密着させることができる。
このように、前記インゴットを下方から支持する支持体を前記切断テーブルの上面のV字底部に設置し、一旦、前記支持体の上面を基準面として前記インゴットを下方から支持し、その後、Vプロセスパッドにエアーを供給後、Vプロセスパッド内のエアーを吸引することによって前記インゴットと前記Vプロセスパッドとを密着させれば、Vプロセスパッドを造形後に、Vプロセスパッドによりインゴットを下方から支持して安定して水平に保つことができ、支持体の上面を基準面としてVプロセスパッドの造形を容易に、より精度良く行うことができる。
またこのとき、前記切断テーブルにインゴットを切断するためのブレードが前記切断テーブルに接触しないようにするための隙間を設け、該隙間に設けた支え治具により前記インゴットの切り終わり部分を下方から支持することができる。
このように、前記切断テーブルにインゴットを切断するためのブレードが前記切断テーブルに接触しないようにするための隙間を設け、該隙間に設けた支え治具により前記インゴットの切り終わり部分を下方から支持すれば、ブレードが切断テーブルに接触するのを防止しつつ、支え治具を切断時の支点として切断テーブルの隙間部分の段差による影響を抑えることができ、カケやチップの発生を抑制することができる。また、支え治具をVプロセスパッドが切断テーブルの隙間にはみ出さないようにするための仕切りとすることができるので、Vプロセスパッドがブレードにより破損するのを抑制することができる。
またこのとき、前記粉粒体として、砂、セラミックビーズ、アルミナビーズのいずれかを用いることができる。
このように、前記粉粒体として、砂、セラミックビーズ、アルミナビーズのいずれかを用いれば、低コストで実施することができるし、粒度の細かいものを用いて微細な凸凹形状に形成することができる。
本発明では、インゴット切断装置において、切断テーブルの上面に設置され、該切断テーブル上に載置されるインゴットとの間に介在するVプロセスパッドを有し、該Vプロセスパッドは、パッド本体と、該パッド本体内に封入される粉粒体と、前記パッド本体内へ供給部からエアーを供給する供給手段と、前記パッド本体内のエアーを吸引部から吸引する吸引手段とを有し、前記吸引手段により前記パッド本体内のエアーを吸引して減圧し、前記粉粒体を硬化させることによって表面形状を造形可能なものであり、前記Vプロセスパッドのパッド本体内を前記吸引手段により減圧して前記Vプロセスパッドの前記インゴットを載置する載置面の表面形状を該載置面上に載置された前記インゴットの表面形状に沿うように造形して前記インゴットと前記Vプロセスパッドとを密着させて前記インゴットを切断するので、切断テーブルとインゴットとの間に介在するVプロセスパッドによってインゴットの外周面の凸凹の形状が吸収され、インゴットの座りが安定化した状態でインゴットとVプロセスパッドとを密着させてインゴットを切断することができ、インゴットの切断時のカケやチップの発生を抑制し、製品歩留りを向上することができる。
本発明のインゴット切断装置の一例を示す概略図である。 インゴットが載置された状態の切断テーブルを長手方向の正面から見た概略図である。 本発明のインゴット切断装置で使用することができるVプロセスパッドの一例を示す概略図である。 Vプロセスパッドを造形する前後の様子を説明する説明図である。(A)インゴットを載置する前にVプロセスパッドにエアーを供給する様子を示す概略図。(B)インゴットを載置した状態でVプロセスパッドからエアーを吸引する様子を示す概略図。(C)支持体にインゴットを仮置きする様子を示めす概略図。 本発明のインゴット切断装置の別の一例を示す概略図である。(A)インゴット切断装置の側面概略図。(B)支え治具の正面概略図。 従来のインゴット切断装置の一例を示す概略図である。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
近年、例えば工程時間を短縮してコストを削減するためなどの理由により、引上げ直後のインゴットの外周面を研磨せず、未加工の状態でブロックに切断する要求が増加する傾向にある。このような引上げ直後の外周面が未加工のインゴットの外周面の形状は凹凸及び突起している形状であり、たとえ切断テーブルの載置面の面精度を精度出ししても、切断テーブル上に安定して載置することができず、インゴットの切断端面、特に切り終わり部分にカケ、チップ等が発生することがあった。
このような外周面が凹凸の形状のインゴットを切断する際、従来、例えばインゴットがある程度短いものであれば、作業者の手作業によりインゴットと切断テーブルの隙間にシムを入れてインゴットの切断テーブルとの座りを調整して切断することによって、カケ、チップの発生をある程度抑制することができたが、このような調整は作業上困難で熟練を必要とし、作業者によってばらつきがあるため安定してカケ、チップの発生を抑制することができず、また、カケ、チップの発生率も十分に抑えることができなかった。また、インゴットの長さによってはこのような調整作業は熟練者によってでも行うことが困難であった。
そこで、本発明者等はこのような問題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、流動性のあるものでインゴットと切断テーブルとの隙間を埋め、その状態を維持してインゴットを切断すれば良いことを発想した。そして、本発明者等はさらに検討、実験等を重ね、インゴットを内部に粉粒体が封入されたVプロセスパッドを介して切断テーブル上に載置するようにし、そのVプロセスパッド内を減圧してインゴットの表面形状に沿うようにVプロセスパッドの表面形状をならした状態とすれば、インゴットの外周面の凸凹の形状をVプロセスパッドにより吸収し、インゴットの座りを安定化した状態とすることができ、インゴットの切断においてカケやチップの発生を抑制できることに想到し、本発明を完成させた。
図1は、本発明のインゴット切断装置の一例を示す概略図である。
図1に示すように、本発明のインゴット切断装置1のブレードを例えばバンドソーとすることができる。
このインゴット切断装置1には切断時にインゴット4を載置するための切断テーブル5が設置されている。そして、この切断テーブル5にインゴット4が水平に載置される。
また、インゴット切断装置1は、薄いブレード台金の端部にダイヤモンドの砥粒を糊着してなるブレード砥粒部で構成されるエンドレスベルト状のブレード(バンドソー)2がプーリー3、3’間に張設されている。ここで、切断テーブル5の材質として、例えばSUS系の金属を用いることができる。
図2はインゴット4が載置された状態の切断テーブル5を長手方向の正面から見た概略図である。図2に示すように、切断テーブル5の上面はV字形状に形成され、このV字形状の角度θは本発明において特に限定されることはないが、例えば25〜30°の角度を設けるようにすることができる。また、この切断テーブル5の上面にVプロセスパッド6が配置される。そして、インゴット4はこの切断テーブル5の上面に設けられたVプロセスパッド6を介して切断テーブル5上に載置される。
ここで、本発明のインゴット切断装置1で用いることができるVプロセスパッド6の一例を図3を用いて説明する。
図3はVプロセスパッド6を側面から見た概略図である。図3に示すように、Vプロセスパッド6はパッド本体9、パッド本体9内へ供給部11からエアーを供給する供給手段12、パッド本体9内のエアーを吸引部13から吸引する吸引手段14を有している。また、パッド本体9内に粉粒体10が封入されている。また、このパッド本体9内の粉粒体10が外部に漏れないように吸引部13にはフィルターが設けられている。
ここで、供給手段12を、例えばエアーポンプを供給配管に接続し、その供給配管にノズル形状の供給部11を接続するような構成とすることができる。また、吸引手段14を、例えばバキュームポンプを吸引配管に接続し、その吸引配管にノズル形状の吸引部13を接続する構成とすることができる。しかし、本発明においては特にこれらに限定されることはない。また、供給部11と吸引部13は、例えば同一の形状のノズルとすることもできるし、供給部11と吸引部13を同一のノズルとして構成し、供給と吸引を切り替えて行うものとすることもできる。
また、図3に示すように、Vプロセスパッド6には、供給部11から供給されたエアーを外部に排出しつつ、粉粒体10が外部に漏れないようにするための逆止弁付きのフィルター17が設けられている。この逆止弁によってフィルター17からエアーが内部に流入するのを防止している。
そして、Vプロセスパッド6は、供給部11から供給されたエアーを吸引部13から吸引してパッド本体9の内部を減圧し、粉粒体10を硬化させることによって表面形状を造形可能なものとなっている。
ここで、パッド本体9の材質は、例えば塩化ビニルとすることができる。また、パッド本体9内に封入する粉粒体10は、粒度の細かいものを使用すれば微細な凸凹形状に形成できるので好ましく、例えば36〜56μmのものを用いることができるが、特にこれに限定されることはない。また、粉粒体10が、砂、セラミックビーズ、アルミナビーズのいずれかであれば、低コストなものを容易に入手することができるので好ましい。
このように構成されたインゴット切断装置1でインゴット4を切断する際には、上記したようにVプロセスパッド6のパッド本体9内に供給手段12により供給されたエアーを吸引手段14により吸引して減圧し、Vプロセスパッド6のインゴット4を載置する載置面の表面形状を、その載置面上に載置されたインゴット4の表面形状に沿うように粉粒体10を硬化させて造形する。このようにしてインゴット4とVプロセスパッド6とを密着させた状態で、図1に示すように、ブレード2がプーリー3、3’の回転により周回駆動され、そのブレード2を相対的に上方から下方に送り出すことによってインゴット4を切断するようになっている。
ここで、Vプロセスパッド6のパッド本体9内に供給するエアーの流量などは、特に限定されることはなく、例えば圧力0.5MPa程度の圧縮空気を、10L/min程度の流量で供給するようにすることができる。
このように本発明のインゴット切断装置1を用いて上記のようにしてインゴット4を切断すれば、切断テーブル5とインゴット4との間に介在するVプロセスパッド6によってインゴット4の外周面の凸凹の形状が吸収され、インゴット4の座りを安定化した状態でインゴット4とVプロセスパッド6とを密着させてインゴット4を切断することができる。その結果、たとえインゴット4に凸凹があったとしても、インゴット4の切断時のカケやチップの発生を抑制し、製品歩留りを向上することができる。
また、本発明のVプロセスパッド6を用いた表面形状の造形は、その造形速度が速く、吸引を開始してからおよそ10秒程度以内で造形を行うことができ、製造工程の工程時間が長くなるのを抑えることができる。
また、図2に示すように、Vプロセスパッド6は供給部11及び吸引部13がパッド本体9の下方の部分、すなわち切断テーブル5の上面のV字底部側に位置するように設置することができる。このようにすれば、図4(A)に示すように、Vプロセスパッド6のパッド本体9の下方の部分に設置された供給部11からエアーをパッド本体9の上方へ向けて供給することができ、これによって粉粒体10をパッド本体9内の上方に移動させることができる。そして、その状態でエアーの供給を止め、図4(B)に示すように、パッド本体9の下方の部分に設置された吸引部13からエアーを吸引すれば、上方に移動した粉粒体10をパッド本体9内の下方に移動させて硬化させることができる。
すなわち、インゴット4を載置するVプロセスパッド6の載置面全体に粉粒体10を行き渡らせて、より効果的にインゴット4の表面形状に沿うように造形してインゴット4とVプロセスパッド6とを密着させることができるものとなる。その結果、インゴット4の切り終わり時のカケやチップの発生をより確実に抑制することができるものとなる。
またこのとき、図4(C)に示すように、切断テーブル5の上面のV字底部に設置され、インゴット4を下方から支持する支持体7をさらに具備するものとすることができる。
このように、切断テーブル5の上面のV字底部に設置され、インゴット4を下方から支持する支持体7をさらに具備するものであれば、インゴット4を載置してVプロセスパッド6の表面形状を造形する際に、一旦、インゴット4を支持体7に載置し、その後、Vプロセスパッド6にエアーを供給後、Vプロセスパッド6内のエアーを吸引することによりインゴット4とVプロセスパッド6とを密着させれば、Vプロセスパッド造形後にVプロセスパッド6によりインゴット4を下方から支持して安定して水平に保つことができ、支持体7の上面を基準面としてVプロセスパッド6の造形を容易に、またより精度良く行うことができるものとなる。
またこのとき、図5(A)に示すように、切断テーブル5はインゴット4を切断するためのブレード2が切断テーブル5に接触しないようにするための隙間8を有するものであっても良い。そして、この隙間8の位置でブレード2を相対的に上方から下方に送り出すことによってインゴット4を切断するものとすることができる。
この場合、図5(A)に示すような、インゴット4の切り終わり部分を下方から支持する支え治具15を隙間8に配置するものとすることができる。そして、支え治具15のインゴット4を支持する部分の形状を図5(B)に示すように、曲線状に凹んだ形状とすることができる。
このように、切断テーブル5がインゴット4を切断するためのブレード2が切断テーブル5に接触しないようにするための隙間8を有し、該隙間8に配置され、インゴット4の切り終わり部分を下方から支持する支え治具15を具備するものであれば、ブレード2が切断テーブル5に接触するのを防止しつつ、支え治具15を切断時の支点として切断テーブル5の隙間8の部分の段差による影響を抑えることができ、カケやチップの発生をより確実に抑制することができるものとなる。また、支え治具15が、Vプロセスパッド6が切断テーブル5の隙間8にはみ出さないようにするための仕切りとなり、Vプロセスパッド6がブレード2により破損するのを抑制することができるものとなる。この場合、支え治具15の幅を隙間8の幅と略同一か若干小さくなるようにすれば良い。
さらに、この支え治具15をバネやエアー圧によって上面の高さを微調整できるものとしても良い。
このとき、支え治具15の材質を合成樹脂とすることにより、インゴット4の切断時にブレード2が支え治具15と接触してもブレード2の摩耗や変形に影響を与えることがなく、切断することができる。
次に本発明のインゴット切断方法について説明する。
ここでは、図1に示すようなインゴット切断装置1を用いた場合について説明する。
まず、図3に示すような、パッド本体9内に粉粒体10を封入し、パッド本体9内の供給部11から供給されたエアーを吸引部13から吸引して減圧し、粉粒体10を硬化させることによって表面形状を造形可能なVプロセスパッド6を、切断テーブル5の上面に設置する。
次に、図4(C)に示すように、例えばローダ16を用いる等してインゴット4を切断テーブル5上にVプロセスパッド6を介して載置する。
そして、Vプロセスパッド6のパッド本体9内のエアーを吸引部13から吸引して減圧し、Vプロセスパッド6のインゴット4を載置した載置面の表面形状を、その載置したインゴット4の表面形状に沿うように造形してインゴット4とVプロセスパッド6とを密着させる。その後、インゴット4とVプロセスパッド6とを密着させた状態で、図1に示すように、ブレード2をプーリー3、3’の回転により周回駆動し、そのブレード2を相対的に上方から下方に送り出すことによってインゴット4を切断する。
このようにしてインゴット4の切断を行えば、切断テーブル5とインゴット4の間のVプロセスパッド6によってインゴット4の外周面の凸凹の形状を吸収し、インゴット4の座りを安定化した状態でインゴット4とVプロセスパッド6とを密着させてインゴット4を切断することができる。その結果、インゴット4の切断時のカケやチップの発生を抑制でき、製品歩留りを向上することができる。
このとき、図2に示すように、Vプロセスパッド6を供給部11及び吸引部13がパッド本体9の下方の部分、すなわち切断テーブル5の上面のV字底部側に位置するように設置し、インゴット4をVプロセスパッド6上に載置する前に、図4(A)に示すように、パッド本体9の下方の部分に設置した供給部11からエアーをパッド本体9の上方へ向けて供給することによって粉粒体10をパッド本体9内の上方に移動させ、インゴット4を載置した後、図4(B)に示すように、Vプロセスパッド6のパッド本体9の下方の部分に設置された吸引部13からエアーを吸引することによって、その上方に移動した粉粒体10をパッド本体9内の下方に移動させて硬化させ、インゴット4とVプロセスパッド6とを密着させることが好ましい。
こうすることで、インゴット4を載置するVプロセスパッド6の載置面全体に粉粒体10を行き渡らせて、より効果的にインゴット4の表面形状に沿うように造形することができ、より確実にインゴット4の切断時のカケやチップの発生を抑制することができる。
ここで、パッド本体9へのエアーの供給は、例えば、図4(C)に示すように、インゴット4をローダ16等によって載置する途中のインゴット4が切断テーブル5の所定の距離、例えば5cm程度上方の位置になった時点から開始するようにすることができるが、特にこれに限定されることはない。
またこのとき、図2及び図4(C)に示すように、インゴット4を下方から支持する支持体7を切断テーブル5の上面のV字底部に設置し、一旦、支持体7の上面を基準面としてインゴット4を下方から支持し、その後、Vプロセスパッド6にエアーを供給後、Vプロセスパッド6内のエアーを吸引することによって、インゴット4とVプロセスパッド6とを密着させることができる。
この場合、まず、例えばローダ16を用いる等してインゴット4を支持体7上に仮置きし、インゴット4の長手方向の切断テーブル5との平行を取るようにする。そして、支持体7によってインゴット4を下方から支持し、その後、上記のようにしてVプロセスパッド6の載置面の表面形状をインゴット4の表面形状に沿うように造形する。
こうすることで、Vプロセスパッド6の造形をする際に、支持体7によりインゴット4を下方から支持して安定して水平に保ちながら造形を行うことができるし、支持体7の上面を基準面としてVプロセスパッド6の造形を行うことで、造形を容易に、より精度良く行うことができる。
またこのとき、図5(A)に示すように、切断テーブル5にインゴット4を切断するためのブレード2が切断テーブル5に接触しないようにするための隙間8を設け、該隙間8に設けた支え治具15によりインゴット4の切り終わり部分を下方から支持するようにしても良い。
このように、切断テーブル5にインゴット4を切断するためのブレード2が切断テーブル5に接触しないようにするための隙間8を設け、該隙間8に設けた支え治具15によりインゴット4の切り終わり部分を下方から支持すれば、ブレード2が切断テーブル5に接触するのを防止しつつ、支え治具15を切断時の支点として切断テーブル5の隙間8の部分の段差による影響を抑えることができ、カケやチップの発生をより確実に抑制することができる。また、支え治具15をVプロセスパッド6が切断テーブル5の隙間8にはみ出さないようにするための仕切りとすることができるので、Vプロセスパッド6がブレード2により破損するのを抑制することができる。この場合、支え治具15の幅を隙間8の幅と略同一か若干小さくなるようにすれば良い。
さらに、この支え治具15の上面の高さをバネやエアー圧によって微調整しても良い。
このとき、支え治具15の材質を合成樹脂とすることにより、インゴット4の切断時にブレード2が支え治具15と接触してもブレード2の摩耗や変形に影響を与えることがなく、切断することができる。
またこのとき、粉粒体10としては特に限定されないが、砂、セラミックビーズ、アルミナビーズのいずれかを用いることができる。
このように、粉粒体10として、砂、セラミックビーズ、アルミナビーズのいずれかを用いれば、低コストで実施することができるし、粒度の細かいものを用いて微細な凸凹形状に形成することができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
図3に示すようなVプロセスパッドを切断テーブル上に載置した図1に示すような本発明のインゴット切断装置を用い、本発明のインゴット切断方法に従って、引上げ直後の外周面が未加工の直径300mmのシリコン単結晶インゴットをブロックに切断し、インゴットを載置した際のインゴットと切断テーブル間の最大隙間、切断によるインゴットのカケの長さ及びカケの発生率を評価した。切断回数は100回とした。ここで、インゴットと切断テーブル間の最大隙間はシグネスゲージを用いて測定し、インゴットのカケの長さは、インゴットの長手方向のカケの長さを直尺定規を用いて測定しその平均値を求めた。
また、図2に示すように、Vプロセスパッドを、供給部及び吸引部がパッド本体の下方の部分に位置するように配設したものを用いた。
結果を表1に示す。表1に示すように、最大隙間は0.01mmであった。また、カケの長さの平均値は0.2mm、カケの発生率は6%であり、後述する比較例の結果と比較すると大幅に改善されていることが分かった。また、これにより製品歩留りロスが後述する比較例の結果の約15%から約0.5%に改善することができることが分かった。
このことにより、本発明のインゴット切断装置及びインゴットの切断方法は、インゴットの切断時の座りを安定化して維持し、凸凹のあるインゴットの切断の際のカケやチップの発生を抑制でき、製品歩留りを向上させることができることが確認できた。
(比較例)
図6に示すような、本発明のVプロセスパッドを具備していないインゴット切断装置を用い、実施例と同様の条件でシリコン単結晶インゴットをブロックに切断し、実施例1と同様に評価した。
結果を表1に示す。表1に示すように、最大隙間は2.1mm、カケの長さの平均値は8.2mm、カケの発生率は76%であり、実施例と比べ大幅に悪化していることが分かった。また、比較例1でのカケの発生による製品歩留りロスは約15%という結果であることが分かった。また、熟練者によって、インゴットと切断テーブルとの隙間にシムを入れ、インゴットの座りを調整しようと試みたが、困難であるため調整できなかった。
Figure 2010267941
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
例えば、上記ではインゴット切断装置のブレードとしてバンドソーを具体的に挙げて示したが、本発明はこれに限定されない。インゴットをテーブル上に水平に置きブレードを相対的に上方から下方に送り出して切断する切断装置におけるブレードは同様に適用することができる。すなわち、いわゆる外周刃、内周刃、あるいはワイヤソーであっても、本発明を適用でき、凸凹のあるインゴットを水平に安定させて保持して切断することができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
1…インゴット切断装置、2…ブレード、3、3’…プーリー、
4…インゴット、5…切断テーブル、6…Vプロセスパッド、7…支持体、
8…切断テーブルの隙間、9…パッド本体、10…粉粒体、11…供給部、
12…供給手段、13…吸引部、14…吸引手段、15…支え治具、
16…ローダ、17…逆止弁付きフィルター。

Claims (10)

  1. 上面がV字形状に形成され、インゴットが水平に載置される切断テーブルと、前記インゴットを切断するためのブレードとを有し、前記ブレードを相対的に上方から下方に送り出すことによって前記インゴットを切断するインゴット切断装置であって、少なくとも、
    前記切断テーブルの上面に設置され、該切断テーブル上に載置される前記インゴットとの間に介在するVプロセスパッドを有し、該Vプロセスパッドは、パッド本体と、該パッド本体内に封入される粉粒体と、前記パッド本体内へ供給部からエアーを供給する供給手段と、前記パッド本体内のエアーを吸引部から吸引する吸引手段とを有し、前記吸引手段により前記パッド本体内のエアーを吸引して減圧し、前記粉粒体を硬化させることによって表面形状を造形可能なものであり、
    前記Vプロセスパッドのパッド本体内を前記吸引手段により減圧して前記Vプロセスパッドの前記インゴットを載置する載置面の表面形状を該載置面上に載置された前記インゴットの表面形状に沿うように造形して前記インゴットと前記Vプロセスパッドとを密着させて前記インゴットを切断するものであることを特徴とするインゴット切断装置。
  2. 前記Vプロセスパッドは前記供給部及び吸引部が前記切断テーブルの上面のV字底部側に位置するように設置され、前記供給部からエアーを供給することによって前記粉粒体をパッド本体内の上方に移動させ、前記吸引部からエアーを吸引することによって前記上方に移動した粉粒体をパッド本体内の下方に移動させて硬化させ、前記インゴットと前記Vプロセスパッドとを密着させるものであることを特徴とする請求項1に記載のインゴット切断装置。
  3. 前記切断テーブルの上面のV字底部に設置され、前記インゴットを下方から支持する支持体をさらに具備するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインゴット切断装置。
  4. 前記切断テーブルはインゴットを切断するためのブレードが前記切断テーブルに接触しないようにするための隙間を有し、該隙間に配置され、前記インゴットの切り終わり部分を下方から支持する支え治具を具備することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のインゴット切断装置。
  5. 前記粉粒体は、砂、セラミックビーズ、アルミナビーズのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のインゴット切断装置。
  6. 上面がV字形状に形成された切断テーブルにインゴットを水平に載置し、前記インゴットを切断するためのブレードを相対的に上方から下方に送り出すことによって前記インゴットを切断するインゴット切断方法であって、少なくとも、
    パッド本体内に粉粒体を封入し、前記パッド本体内の供給部から供給されたエアーを吸引部から吸引して減圧し、前記粉粒体を硬化させることによって表面形状を造形可能なVプロセスパッドを前記切断テーブルの上面に設置し、
    前記インゴットを前記切断テーブル上に前記Vプロセスパッドを介して載置し、前記Vプロセスパッドのパッド本体内を減圧して前記Vプロセスパッドの前記インゴットを載置した載置面の表面形状を前記載置したインゴットの表面形状に沿うように造形して前記インゴットと前記Vプロセスパッドとを密着させた後、前記インゴットを切断することを特徴とするインゴット切断方法。
  7. 前記Vプロセスパッドを前記供給部及び吸引部が前記切断テーブルの上面のV字底部側に位置するように設置し、前記インゴットを前記Vプロセスパッド上に載置する前に、前記供給部からエアーを供給することによって前記粉粒体をパッド本体内の上方に移動させ、前記インゴットを載置した後の前記Vプロセスパッドの前記吸引部からエアーを吸引することによって前記上方に移動した粉粒体をパッド本体内の下方に移動させて硬化させ、前記インゴットと前記Vプロセスパッドとを密着させることを特徴とする請求項6に記載のインゴット切断方法。
  8. 前記インゴットを下方から支持する支持体を前記切断テーブルの上面のV字底部に設置し、前記支持体の上面を基準面として前記インゴットを下方から支持しつつ、前記インゴットと前記Vプロセスパッドとを密着させることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のインゴット切断方法。
  9. 前記切断テーブルにインゴットを切断するためのブレードが前記切断テーブルに接触しないようにするための隙間を設け、該隙間に設けた支え治具により前記インゴットの切り終わり部分を下方から支持することを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載のインゴット切断方法。
  10. 前記粉粒体として、砂、セラミックビーズ、アルミナビーズのいずれかを用いることを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれか1項に記載のインゴット切断方法。
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