JP2010266591A - 表示素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】高コントラストな表示が可能な半透過型の表示素子を提供する。
【解決手段】コレステリック液晶層28と、第1、第2円偏光板22a,22bと、第1円偏光板22aに照明光を入射させる照明部20と、照明部20の第1円偏光板22aとは反対側に設けられた反射板18と、を備え、第1、第2円偏光板22a,22bを、左右異なる方向の円偏光成分を通過する円偏光板とし、フォーカルコニック状態にあるコレステリック液晶層28のリタデーションを、照明光の中心波長の1/2の奇数倍に設定する。これにより、第2円偏光板22b側から入射する外光を用いた表示を行う場合の、プレーナ状態、フォーカルコニック状態の画素における明暗関係と、照明光を用いた表示を行う場合の明暗関係を同一にすることができるので、外光や照明光の使用状況にかかわらず、高コントラストを実現することができる。
【選択図】図1
【解決手段】コレステリック液晶層28と、第1、第2円偏光板22a,22bと、第1円偏光板22aに照明光を入射させる照明部20と、照明部20の第1円偏光板22aとは反対側に設けられた反射板18と、を備え、第1、第2円偏光板22a,22bを、左右異なる方向の円偏光成分を通過する円偏光板とし、フォーカルコニック状態にあるコレステリック液晶層28のリタデーションを、照明光の中心波長の1/2の奇数倍に設定する。これにより、第2円偏光板22b側から入射する外光を用いた表示を行う場合の、プレーナ状態、フォーカルコニック状態の画素における明暗関係と、照明光を用いた表示を行う場合の明暗関係を同一にすることができるので、外光や照明光の使用状況にかかわらず、高コントラストを実現することができる。
【選択図】図1
Description
本件は、表示素子に関し、特にコレステリック液晶層を有する半透過型の表示素子に関する。
近年、各企業・大学等では、電子ペーパーの開発が盛んに進められている。電子ペーパーは、電子書籍を筆頭に、モバイル端末機器のサブディスプレイやICカードの表示部等、多用な応用方法が提案されている。電子ペーパーの表示方式の1つに、コレステリック相が形成される液晶組成物を用いるもの(コレステリック液晶)がある。コレステリック液晶は、カイラルネマティック液晶とも呼ばれ、ネマティック液晶にキラル性の添加剤(カイラル材)を比較的多く、例えば数十%程度、添加することにより、ネマティック液晶の分子が螺旋状のコレステリック相を形成する液晶である。このコレステリック液晶は、半永久的に表示を保持する特性(メモリ性)、鮮やかなカラー表示特性、高コントラスト特性、及び高解像度特性等の優れた特徴を有する。
より詳細には、コレステリック液晶はメモリ性、すなわち双安定性を有し、液晶に印加する電界強度の調節によりプレーナ状態、フォーカルコニック状態、又はプレーナ状態とフォーカルコニック状態とが混在した中間的状態のいずれかとなる。このコレステリック液晶では、一旦プレーナ状態又はフォーカルコニック状態になると、その後は無電力下でも安定してその状態を保持する。
このようなコレステリック液晶を用い、外光の反射と、光源からの光の透過の両方を表示に利用する半透過型メモリ性液晶表示素子として、図9のような構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この図9の表示素子200は、コレステリック液晶層28、このコレステリック液晶層28を上下から挟む、透明電極のパターンが形成された基板24a,24b、基板24aの下側に設けられた、円偏光板22、照明部20及び光吸収層17、を備える。照明部20は、LED14と、導光板12とを有する。LED14から出射される照明光は、中心波長が550nmに設定されているものとする。コレステリック液晶層28は、マトリクス状に分割された複数の画素(図9では、画素1、2のみ図示)を有している。これら複数の画素のうち、プレーナ状態に設定された画素では、所定の波長帯域の所定の円偏光成分を反射し、それ以外を透過する。ここでは、例えば、中心波長を550nmとする所定の波長帯域の左円偏光成分を反射するものとする。また、フォーカルコニック状態に設定された画素では、入射光の全てを透過する。円偏光板22は、所定の円偏光成分を吸収する。ここでは、例えば、右円偏光成分を吸収するものとする。
図10は、図9の表示素子200を分解した状態を示すとともに、外光の透過・反射の状態を模式的に示した図である。この図10では、画素1がプレーナ状態(PL)、画素2がフォーカルコニック状態(FC)に設定されている。この図10に示すように、外光(無偏光)が、画素1(PL)に入射すると、中心波長を550nmとする所定の波長帯域の左円偏光成分が画素1にて反射される。また、それ以外の成分、例えば中心波長550nmの右円偏光成分は、画素1を透過するが、円偏光板22にて吸収される。
一方、外光(無偏光)が、画素2(FC)に入射すると、画素2をそのまま透過し、右円偏光成分は円偏光板22で吸収され、左円偏光成分は円偏光板22を透過して直線偏光となった後、光吸収層17にて吸収される。すなわち、表示素子200において、外光を利用した表示を行う場合、プレーナ状態の画素での表示が明状態となり、フォーカルコニック状態の画素での表示が暗状態となる。
これに対し、照明部20から照明光を照明する場合、図11に示すように、照明光(無偏光)は、円偏光板22にて左円偏光成分のみ透過する。そして、左円偏光成分は、画素1(PL)で反射され、円偏光板を透過して直線偏光となった後、光吸収層17にて吸収される。一方、円偏光板22を透過した左円偏光成分が、画素2(FC)に入射すると、画素2(FC)をそのまま透過する。すなわち、表示素子200において、照明光を利用した表示を行う場合、プレーナ状態の画素での表示が暗状態となり、フォーカルコニック状態の画素での明状態となる。
上述したように、図9の構成を採用した場合、外光を利用した場合と照明光を利用した場合とでは、プレーナ状態の画素とフォーカルコニック状態の画素における明暗が反転する(図10、図11参照)。この場合、例えば、図12(a)に示すように、外光(明るさ100)のみを用いて表示した場合と、図12(d)に示すように、照明光(明るさ50)のみを用いて表示した場合とで、明暗反転してしまうことになる。更に、外光と照明光を併用してしまうと、図12(b)、図12(c)に示すように、コントラストが低下し、表示が見えにくくなる。
なお、コレステリック液晶以外では、外光反射を利用した表示における明・暗と、照明光の光を利用した表示における明・暗を一致させる半透過型メモリ性液晶表示素子として、カイラルネマティック液晶を用いたものが提案されている(特開2001−272701号公報)。しかし、この表示モードで実用化されている駆動方法(例えば、特開平6−230751及び特開平6−235920など)では、表示のメモリ性が長くても数秒程度であるため、コレステリック液晶のような数日以上にわたる長時間のメモリ性を実現することはできない。
そこで本件は上記の課題に鑑みてなされたものであり、外光を用いた表示と照明光を用いた表示との間で明暗が反転せず、高コントラストを実現することが可能な表示素子を提供することを目的とする。
本明細書に記載の表示素子は、コレステリック液晶層と、前記コレステリック液晶層の一側に設けられた第1円偏光板と、前記コレステリック液晶層の他側に設けられた第2円偏光板と、前記第1円偏光板の前記コレステリック液晶層とは反対側に設けられた導光板を有し、該導光板を介して前記第1円偏光板に照明光を入射させる照明部と、前記導光板の前記第1円偏光板とは反対側に設けられた反射板と、を備え、前記第1、第2円偏光板は、左右異なる方向の円偏光成分を通過させ、かつ、フォーカルコニック状態にある前記コレステリック液晶層のリタデーションが、前記照明光の中心波長の1/2の奇数倍に設定されている表示素子である。
本明細書に記載の表示素子は、外光を用いた表示と照明光を用いた表示との間で明暗が反転せず、高コントラストを実現することができるという効果を奏する。
以下、表示素子の一実施形態について、図1〜図7に基づいて詳細に説明する。
図1には、一実施形態に係る表示素子100の構成が概略的に示されている。この図1に示すように、表示素子100は、図1の紙面下方から順次積層された、反射板18と、導光板12と、第1円偏光板22aと、第1透明基板24aと、コレステリック液晶層28と、第2透明基板24bと、第2円偏光板22bと、を備える。本実施形態の表示素子100は、図1における上側から入射する光(外光)と、導光板12から照射される照明光(バックライト)の少なくとも一方を用いた表示が可能な、半透過型表示素子である。
反射板18は、その上面が鏡面加工された板状部材である。導光板12には、LED14が接続されている。このLED14は、例えば、中心波長が550nmの照明光を照射するLEDである。導光板12は、例えば、透明プラスチックを材料とし、LED14から照射された照明光を平面状にして、第1円偏光板22aのコレステリック液晶層28とは反対側の面に入射させる機能を有している。なお、本実施形態では、導光板12とLED14とを含む機構を、照明部20と呼ぶものとする。
第1円偏光板22aは、直線偏光板とλ/4板とが積層されたものであり、図4に示すように、上方から入射する右円偏光を吸収し、上方から入射する左円偏光を直線偏光とする。また、図4に示すように、第1円偏光板22aは、下方から入射する直線偏光を左円偏光とし、図5に示すように、下方から入射する無偏光を、左円偏光とする。
第2円偏光板22bも直線偏光板とλ/4板とが積層されたものであり、図4に示すように、上方から入射する無偏光を右円偏光とし、図5に示すように、下方から入射する左円偏光を吸収し、下方から入射する右円偏光を直線偏光とする。すなわち、第2円偏光板22bと、上述した第1円偏光板22aとは、左右異なる方向の円偏光成分を通過させる性質を有している。
図1に戻り、第1、第2透明基板24a,24bは、いずれも透光性を有している。これら第1、第2透明基板24a,24bの材料としては、ガラス基板を用いることができるが、これに限らず、例えば、PET(Polyethylene Terephthalate)やPC(Polycarbonate)などのフィルム基板を使用することもできる。第1透明基板24aの上面には、第1透明電極が設けられ、第2透明基板24bの下面には、第2透明電極が設けられている。これら第1透明電極及び第2透明電極は、複数の帯状の電極から成り、互いに90°の角度で交差している。第1、第2透明電極の材料としては、例えば、Indium Tin Oxide(ITO:インジウム錫酸化物)を用いることができる。ただし、これに代えて、Indium Zinc Oxide(IZO:インジウム亜鉛酸化物)等の透明導電膜などを用いた電極を採用することとしても良い。本実施形態では、これら第1、第2透明電極が交差する各部分に位置するコレステリック液晶層28それぞれが、1画素を構成することになる。
コレステリック液晶層28は、ネマティック液晶混合物にカイラル材を10〜40wt%添加したものである。なお、カイラル材の添加量は、ネマティック液晶成分とカイラル材の合計量を100wt%としたときの値である。このコレステリック液晶層28は、プレーナ状態で、可視光以外の所定の波長帯域の左円偏光成分を反射するように、液晶分子の螺旋ピッチが調整されている。
このコレステリック液晶層28においては、例えば、特定画素の初期状態がプレーナ状態の場合、第1、第2透明電極を用いて、特定画素のパルス電圧をある範囲に上げるとフォーカルコニック状態への駆動帯域となる。また、パルス電圧を更に上げると再度プレーナ状態への駆動帯域となる。一方、初期状態がフォーカルコニック状態の場合、特定画素のパルス電圧を上げるにつれて次第にプレーナ状態への駆動帯域になる。
図2(a)は、コレステリック液晶層28の液晶自体を、第1、第2透明基板24a、24bの上面(及び下面)に平行な方向から見た状態を示す。また、図2(b)は、コレステリック液晶層28の液晶自体を、第1、第2透明基板24a、24bの上面(及び下面)に垂直な方向から見た状態を示す。これら図2(a)、図2(b)に示すように、コレステリック液晶は、棒状の液晶分子が層状に積み重なった構造をしている。また、特定の分子の長軸方向は、隣接する分子の長軸方向から一定の回転方向にずれている。これにより、全体として、螺旋構造をとる。
プレーナ状態では、螺旋軸が第1、第2透明基板24a,24bに対して垂直になっており、第1、第2透明基板24a,24bに対して垂直な方向から見ると、点対称になっている。すなわち、プレーナ状態では、複屈折を有さないことを意味する。一方、フォーカルコニック状態では、螺旋軸が第1、第2透明基板24a,24bと平行になっており、第1、第2透明基板24a,24bに対して垂直な方向から見ると、線対称構造で、螺旋軸の方向(y方向)とこれに直角な方向(x方向)とで屈折率が異なる。すなわち、フォーカルコニック状態では、複屈折を有することを意味する。
図3は、コレステリック液晶のフォーカルコニック状態が複屈折率を有することを確認した実験の結果である。この場合、液晶としては、単分子状態で常光の屈折率が1.52、異常光の屈折率が1.75であるものを使用した。様々な厚さにおいて、複屈折率を計測した結果、図3に示すように、厚さによって若干複屈折率が変化するものの、ほぼ安定した複屈折率を示すことがわかった。なお、この実験では、フォーカルコニック状態のコレステリック液晶の平均複屈折率は、0.157であった。
本実施形態では、フォーカルコニック状態での複屈折を利用して、フォーカルコニック状態のコレステリック液晶のリタデーションを光源の中心波長の1/2の奇数倍とする。このようにすることで、フォーカルコニック状態のコレステリック液晶層28を、LED14の中心波長と同じ波長の円偏光が通過した際に、その円偏光の方向を反転させることができる。この場合、リタデーションRを次式(1)で示す値に設定すれば良い。なお、次式(1)におけるmは整数(m=1,2,3,4,…)を意味する。
R=λ×(1/2)×(2m−1)
=(m−0.5)×λ …(1)
R=λ×(1/2)×(2m−1)
=(m−0.5)×λ …(1)
この場合、フォーカルコニック状態の複屈折率をδn、コレステリック液晶層の厚さをdとすると、厚さdを次式(2)で表される値に設定することで、リタデーションを上式(1)の値Rに設定することができる。
d=(m−0.5)×λ/δn …(2)
d=(m−0.5)×λ/δn …(2)
なお、λは、LED14の中心波長(ここでは、550nm)である。なお、LED14として白色光を想定するならば、赤、青、緑の波長のうち、人の感度が高い緑色の中心波長(550nm)をλに設定すれば良い。したがって、本実施形態では、コレステリック液晶層28に用いる材料を決定した後、コレステリック液晶層28の厚さdを設定することで、リタデーションの値をRに設定することができる。なお、上記に限らず、コレステリック液晶層28の厚さdを設定した後に、コレステリック液晶層28の材料(複屈折率δn)を決定することとしても良い。
次に、上記のように構成される表示素子100における外光の経路、すなわち透過・反射状態について、図4に基づいて説明する。図4は、図1の表示素子100を分解した状態を示すとともに、外光の透過・反射の状態を模式的に示した図である。なお、図4では、外光のうち、人による感度の高い波長550nmの光のみを図示しているものとする。
図4に示すように、プレーナ状態の画素1(PL)に入射する前の無偏光L1が第2円偏光板22bに入射すると、第2円偏光板22bでは、右円偏光成分のみを透過する。次いで、第2円偏光板22bを透過した右円偏光成分が第2透明基板24bを介して画素1(PL)に入射すると、プレーナ状態のコレステリック液晶は複屈折を有していないため、円偏光はそのまま通り抜け、第1円偏光板22aに到達する。ここで、第1円偏光板22aにおいて透過する円偏光成分は左円偏光成分である。したがって、第1円偏光板22aに到達した右円偏光成分は、第1円偏光板22aにて吸収されることになる。そのため、プレーナ状態の画素からは観察者に向けて光が出射されないので、プレーナ状態の画素は観察者によって暗く観察されることになる。
一方、フォーカルコニック状態の画素2(FC)に入射する前の無偏光L2が第2円偏光板22bに入射すると、第2円偏光板22bでは、右円偏光成分のみを透過する。次いで、右円偏光成分が第2透明基板24bを介して画素2(FC)に入射すると、リタデーションRの影響により、円偏光が反転する。すなわち、画素2(FC)からは左円偏光成分が出射され、当該左円偏光成分は、第1円偏光板22aに到達する。第1円偏光板22aでは、左円偏光成分が直線偏光となり、この直線偏光は、導光板12を介して、反射板18の上面にて反射し、第1円偏光板22aに戻る。次いで、第1円偏光板22aでは、下側から入射した直線偏光を左円偏光成分に変換して出射し、この左円偏光成分が画素2(FC)に入射する。ここで、画素2(FC)では、前述したように、リタデーションRの影響により、円偏光を反転する。すなわち、画素2(FC)からは右円偏光成分が出射され、当該右円偏光成分は、第2円偏光板22bにて直線偏光となって、外部に出射する。そのため、フォーカルコニック状態の画素からは観察者の目に向けて光が出射されるので、フォーカルコニック状態の画素は観察者によって明るく観察されることになる。
このように、外光がコレステリック液晶層28に入射する場合には、プレーナ状態の画素における表示が暗状態となり、フォーカルコニック状態の画素における表示が明状態となる。
これに対し、図5に示すように、プレーナ状態の画素1(PL)に向けて照明部20から照射された照明光(無偏光)L3が、第1円偏光板22aに入射すると、第1円偏光板22aを通ることにより、左円偏光成分のみとなる。この左円偏光成分のうち、可視光以外の所定の波長帯域の左円偏光成分は、画素1(PL)において反射するが、それ以外の左円偏光成分は、第1透明基板24a、画素1、第2透明基板24bを透過する。ただし、第2透明基板24bから出射された左円偏光成分は、第2円偏光板22bにおいて吸収されるようになっている。そのため、プレーナ状態の画素からは観察者に向けて光が出射されないので、プレーナ状態の画素は観察者によって暗く観察されることになる。
一方、フォーカルコニック状態の画素2(FC)に向けて照明部20から照射された照明光(無偏光)L4が、第1円偏光板22aに入射すると、第1円偏光板22aを通ることにより左円偏光成分のみとなる。この左円偏光成分が、画素2(FC)に入射すると、画素2のリタデーションの影響により右円偏光成分となって、第2円偏光板22bに向けて出射される。そして、第2円偏光板22bに入射した右円偏光成分は、第2円偏光板22bにおいて直線偏光となって外部に出射する。そのため、フォーカルコニック状態の画素からは観察者の目に向けて光が出射されるので、フォーカルコニック状態の画素は観察者によって明るく観察されることになる。
このように、照明光がコレステリック液晶層28に入射する場合にも、外光がコレステリック液晶層28に入射する場合(図4)と同様、プレーナ状態の画素の表示が暗状態となり、フォーカルコニック状態の画素の表示が明状態となる。
したがって、本実施形態の表示素子100では、図6(a)に示すように、外光(明るさ100)のみを用いて画像を表示した場合と、図6(d)に示すように、照明光(明るさ50)のみを用いて画像を表示した場合のいずれにおいても、明暗反転することなく画像を表示することができる。すなわち、従来の表示素子(図12(a)、図12(d))のような、表示の反転は生じない。また、外光を用いた場合と照明光を用いた場合において明暗反転しないことから、図6(b)、図6(c)に示すように、外光と照明光を併用した場合であっても、図12(b)、図12(c)のようなコントラストの低下が引き起こされず、高コントラストな表示を実現することが可能である。
図7(a)には、本実施形態の表示素子100の使用例が示されている。この図7(a)の使用例では、表示素子100を携帯電話機1000のディスプレイとして用いている。この携帯電話機1000の側面部には、照明部20(LED14)からの発光をユーザが操作するためのスイッチ50が設けられている。このスイッチ50は、図7(b)の制御ブロック図に示すように、携帯電話機1000に内蔵された制御部60に接続されている。制御部60は、スイッチ50がユーザによって押下されたか否かに応じて、LED14のON/OFFを制御する。このような構成を採用することにより、ユーザは、外光下の明るい環境下では、スイッチ50を押さずに、表示素子100の表示を確認することができる(図6(a))。また、夜間や室内など、外光が少ない暗い環境下では、スイッチ50を押すことにより、LED14からの照明光を利用して、表示素子100の表示を確認することができる(図6(c),図6(d))。この場合、暗い環境下でのみ照明光を利用するので、表示素子100における省電力化を図ることができるとともに、使用環境を問わず、高コントラストな表示を実現できる。
なお、上記においては、ユーザが表示状態を確認して、スイッチ50を操作して、LED14のON/OFFをコントロールする場合について説明したが、これに限られるものではない。例えばディスプレイ及びその近傍に照射されている外光の光量を検出するセンサを携帯電話機1000に設け、制御部60が当該センサの検出結果に基づいて、自動で、LED14のON/OFFを制御することとしても良い。具体的には、制御部60は、センサによる検出結果が所定の閾値よりも小さい場合にLED14をONにし、センサによる検出結果が所定の閾値よりも大きい場合にLED14をOFFする制御をすることができる。なお、図7(a)、図7(b)においては、本実施形態の表示素子100を携帯電話機1000のディスプレイとして採用した場合について説明したが、これに限らず、その他の装置のディスプレイに用いることとしても良い。
以上、詳細に説明したように、本実施形態の表示素子100によると、コレステリック液晶層28、第1円偏光板22a及び第2円偏光板22bと、第1円偏光板22aに照明光を入射させる照明部20と、導光板12の第1円偏光板22aとは反対側に設けられた反射板18と、を備え、第1、第2円偏光板22a,22bを、左右異なる方向の円偏光成分を通過させるものとし、フォーカルコニック状態のコレステリック液晶層28のリタデーションRを、照明光の中心波長の1/2の奇数倍としているので、図4、図5のような光の透過・反射を実現できる。すなわち、第2円偏光板22b側から入射する外光を用いた表示を行う場合の、プレーナ状態とフォーカルコニック状態の画素における明暗関係と、第1円偏光板22a側から入射する照明光を用いた表示を行う場合の、プレーナ状態とフォーカルコニック状態の画素における明暗関係を同一にすることができる。したがって、外光を用いる場合、照明光を用いる場合、又はこれらを併用する場合のいずれにおいても明暗状態を一致させることができる。これにより、外光と照明光を併用する状況下でも高コントラストを実現することができる。また、本実施形態では、コレステリック液晶を用いているので、表示状態の保持に電力を必要とせず、省電力が期待できる。
また、本実施形態では、コレステリック液晶層28は、プレーナ状態にあるときの選択反射波長が可視光以外の波長とされているので、プレーナ状態の画素において反射した光が、他の画素の明るさに影響を与えるのを防止することができる。これにより、高コントラストな表示が可能である。
なお、上記実施形態では、図8(a)に示すように、コレステリック液晶層28の照明部20側に、入射光の角度を制限する構造(入射光限定機構)としてのルーバー構造を有するルーバー部材29を設けることとしても良い。ルーバー部材29は、図8(b)に一部拡大して示すように、透明基材の中に複数の平板状の遮光体29aを設けた構造物であり、斜め方向から入射した光の透過を抑制する。このルーバー部材29としては、例えば、ライトコントロールフィルム(住友スリーエム株式会社の商品名)を用いることができる。このようなルーバー部材29を用いることで、コレステリック液晶層28に対する斜め方向からの光の入射が抑制されるので、外光又は照明光がコレステリック液晶層28を通過する際の通過距離をほぼ一定に保つことができる。これにより、リタデーションRの変化を抑制することができるので、更なる高コントラストな表示を実現することが可能となる。
なお、上記実施形態では、第1円偏光板22aが左円偏光成分を透過し、第2円偏光板22bが右円偏光成分を透過し、プレーナ状態のコレステリック液晶層が左円偏光成分を反射する場合について説明したが、これに限られるものではない。第1円偏光板22aと第2円偏光板22bの偏光方向が異なっていれば良く、プレーナ状態のコレステリック液晶層が反射する円偏光成分と、第2円偏光板22aが透過する円偏光成分とを、一致させても良い。
なお、上記実施形態では、プレーナ状態のコレステリック液晶層28が、可視光以外の波長帯域の光を反射する性質を有する場合について説明したが、これに限られるものではない。すなわち、コントラストの低下が多少許容できる場合には、プレーナ状態のコレステリック液晶層が可視光を含む波長帯域の光を反射する性質を有していても良い。
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
12 導光板
18 反射板
20 照明部
22a 第1円偏光板
22b 第2円偏光板
28 コレステリック液晶層
29 ルーバー部材(入射光限定機構)
18 反射板
20 照明部
22a 第1円偏光板
22b 第2円偏光板
28 コレステリック液晶層
29 ルーバー部材(入射光限定機構)
Claims (4)
- コレステリック液晶層と、
前記コレステリック液晶層の一側に設けられた第1円偏光板と、
前記コレステリック液晶層の他側に設けられた第2円偏光板と、
前記第1円偏光板の前記コレステリック液晶層とは反対側に設けられた導光板を有し、該導光板を介して前記第1円偏光板に照明光を入射させる照明部と、
前記導光板の前記第1円偏光板とは反対側に設けられた反射板と、を備え、
前記第1、第2円偏光板は、左右異なる方向の円偏光成分を通過させ、かつ、フォーカルコニック状態にある前記コレステリック液晶層のリタデーションが、前記照明光の中心波長の1/2の奇数倍に設定されていることを特徴とする表示素子。 - 前記コレステリック液晶層は、プレーナ状態にあるときの選択反射波長が可視光以外の波長であることを特徴とする請求項1に記載の表示素子。
- 前記コレステリック液晶層と前記導光板との間に設けられ、前記導光板側から前記コレステリック液晶層に入射する光の角度を限定する入射光限定機構を更に備える請求項1又は2に記載の表示素子。
- 前記入射光限定機構は、ルーバー構造を有することを特徴とする請求項3に記載の表示素子。
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