JP2010261730A - 光ファイバの観察方法および観察装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光ファイバと観察のための光学系の光路中に光学部材を挿入配置する場合にも、撮像装置を機構的に調整することなく輝度プロファイルを補正して、コントラストを向上させることが可能な光ファイバの観察方法と観察装置を提供する。
【解決手段】光ファイバ2の側面に光を照射し、該光ファイバを透過してくる光を撮像装置7で受光して光ファイバの輝度プロファイルLを観察する光ファイバの観察方法で、光ファイバ2と撮像装置7との間に、光学部材8を挿入して光学特性を変えた際に、光ファイバ2に照射する光の波長を変化させて、光ファイバの輝度プロファイルLを補正する。なお、前記の輝度プロファイルLの補正は、光ファイバ2のコア部のコントラストの補正であり、光学部材には平板状ガラスが用いられる。
【選択図】図1
【解決手段】光ファイバ2の側面に光を照射し、該光ファイバを透過してくる光を撮像装置7で受光して光ファイバの輝度プロファイルLを観察する光ファイバの観察方法で、光ファイバ2と撮像装置7との間に、光学部材8を挿入して光学特性を変えた際に、光ファイバ2に照射する光の波長を変化させて、光ファイバの輝度プロファイルLを補正する。なお、前記の輝度プロファイルLの補正は、光ファイバ2のコア部のコントラストの補正であり、光学部材には平板状ガラスが用いられる。
【選択図】図1
Description
本発明は、光ファイバの融着接続機でコア検出等に用いられる光ファイバの観察方法および観察装置に関する。
光ファイバを融着接続する場合、接続される光ファイバの双方の端面を対向するように保持し、光ファイバの双方のコア部が一致するように調心して行なわれる。コア部の検出は、通常、光ファイバの側面に光を照射し、その透過光をレンズで拡大してコア像を観察し、コア径あるいはコアの軸ずれ等を検出している。なお、光ファイバの観察は、光ファイバの軸に直交する2方向から行なわれる。
光ファイバの観察は、光ファイバの側面に照射された光が、空気−クラッド部−コア部をスネルの法則にしたがって屈折し、拡大レンズにより拡大された画像として結像させ、これを画像処理により輝度プロファイル(光強度分布)とすることができる。この輝度プロファイルを解析することにより、コア部の外径や軸ずれ量を求めて、接続損失の少ない光ファイバの融着接続することが知られている。また、係る光ファイバの観察方法で接続結果の良否も検査することが可能とされている(例えば、特許文献1参照)。
また、多心の光ファイバの融着接続等で、高倍率のレンズを用いて観察すると、観察面(撮像素子)には、多心光ファイバの一部しか観察することができない場合がある。これに対応するためには、光源や観察面を移動する必要があるが、調整操作に時間を要するなどの問題がある。これを改善する方法として、光源に波長可変型のものを用い、レンズと観察面との間に分光器(プリズム)を配して、光源の波長を変えることにより観察光の光路を変えることが知られている(例えば、特許文献2参照)。
光ファイバの融着接続は、上記の特許文献1,2に開示のように、光ファイバのコア部を観察し、コアの位置を調心することにより接続損失の少ない光ファイバ接続を実現することができる。しかし、これには、精度の高い観察の光学系と焦点位置の管理、画像処理技術が必要とされる。また、光ファイバの接続は、野外で作業することも多く外部環境の影響を受けやすい。このため、防水や耐風、砂塵対策などについても考慮する必要があり、稼動部の開口や隙間を極力減らした構成が要求される。
このような要求の1つに、光ファイバのコア部を観察する光学系について、光の受光口をカバーガラスで覆い、耐環境性を高める方法が考えられる。しかしながら、光学系にカバーガラスのような光学部品を介在させると、光ファイバのコア部を観察するに際して、焦点距離の変動、光学収差特性が変わり、観察する光ファイバ画像の輝度プロファイルが変化し、コントラストが低下して観察精度が悪くなる。この場合、撮像の焦点位置を替えるなどの調整作業が必要で、機構的にも複雑な構成となる。
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたもので、光ファイバと観察のための光学系の光路中に光学部材を挿入配置する場合にも、撮像装置を機構的に調整することなく輝度プロファイルを補正して、コントラストを向上させることが可能な光ファイバの観察方法と観察装置の提供を目的とする。
本発明による光ファイバの観察方法および観察装置は、光ファイバの側面に光を照射し、該光ファイバを透過してくる光を撮像装置で受光して光ファイバの輝度プロファイルを観察する光ファイバの観察方法で、光ファイバと撮像装置との間に、光学部材を挿入して光学特性を変えた際に、光ファイバに照射する光の波長を変化させて、光ファイバの輝度プロファイルを補正する。なお、前記の輝度プロファイルの補正は、光ファイバのコア部のコントラストの補正であり、光学部材には平板状ガラスが用いられる。
本発明によれば、観察装置のレンズ機構を調整することなく、光源の波長を変化させるだけで、光ファイバのコア部の輝度プロファイルを簡単に変化させ、コア部検出のためのコントラストを向上させることができる。この結果、撮像装置に複雑なズームレンズ機構を備えていないものを用いることができ、コストの低減をはかることが可能となる。
図1により本発明の概略を説明する。図中、1は融着接続機、2は光ファイバ、2aは光ファイバの接続端、2bはファイバ被覆、3は放電電極、4はV溝クランプ、5は被覆クランプ、6は波長可変光源、7は撮像装置、7aはレンズ、7bは結像面、8は光学部材を示す。
図に示すように、光ファイバの融着接続機1は、一対の光ファイバ2の接続端2aを互いに対向するように支持し、放電電極3で接続端2aを加熱溶融させて融着接続する。この融着接続に際しては、光ファイバ2の端部領域のファイバ被覆2bを除去してガラスの裸ファイバ部を露出させ、双方の光ファイバのファイバ被覆2bの際部分を被覆クランプ5で固定し、裸ファイバ部をV溝クランプ4で保持して位置決めされる。
双方の光ファイバの接続端2aは、軸方向に対して直角にカットするか又は信号光の反射防止のために所定の角度でカットして対向配置される。また、光ファイバの接続端2aの位置及び端面状態は、光源6と撮像装置7を用いた画像観察装置により監視される。なお、融着接続に先立って、例えば、双方の光ファイバの接続端2aを、それぞれ個別に放電電極3によりスパッタリング放電等を行ない、端面処理する。この後、光源6と撮像装置7による画像観察機構により、被覆クランプ5及びV溝クランプ4を駆動機構(図示省略)により調整して、双方の光ファイバの光軸及び接続端2aの位置等を調整して互いに突き合わせる。
画像観察装置は、光ファイバ2のファイバ被覆2bが除去された裸ファイバ部を照射する光源6と、光ファイバの側面を透過する光を受光して撮像する撮像装置(撮像カメラ)7からなる。光源6は、光の波長を可変することが可能な光波長可変光源が用いられ、必要に応じ、光源の波長を変化させることが可能とされている。撮像装置7は、光ファイバの側面の形状を撮像して、光ファイバ2の側面を透過する光の量に基づいた光ファイバ画像Pを結像する。この結像された光ファイバ画像Pを画像処理することにより、光ファイバの輝度プロファイルLを取得することができる。この輝度プロファイルLから、光ファイバ2のコア部の外径や軸ずれ等の検出が可能となる。
光ファイバ2の輝度プロファイルLは、光ファイバの種類や、焦点位置によって異なるが、通常、縦軸に輝度、横軸に光ファイバの径方向断面をとると、コア部を通る光により生じる輝度の大きい山形のプロファイルM1の両側に、クラッド部を通る光により生じる山形のプロファイルM2を有した形となる。このうち、中央の山形プロファイルM1と両側の山形プロファイルM2の間の谷部の距離S1と谷の深さS2等を解析することにより、光ファイバのコア径、軸ずれ等を算定することができる。
融着接続機1において、撮像装置7のレンズ7aと観察する光ファイバ2との間の光路中に、何もない状態で観測する場合と、前記の光路中に光学部材8が入る場合がある。光学部材8が観察光路中に入れるケースとしては、撮像装置7を外部環境から保護するために、例えば、撮像装置7のレンズ7aを光学的に透過なガラスカバーで覆うような場合がある。このガラスカバーとしては、耐磨耗性と化学的安定性のある石英ガラスなどで形成された平板状のものが用いられる。
図2は、このようなガラスカバー(光学部材)8が、撮像装置7のレンズ面7aと光ファイバ2の光路中に、無い場合と有る場合における光ファイバの画像観察の状態を示した模式図である。波長可変光源6からの光を光ファイバ2の側面に照射し、光ファイバ2のコア部およびクラッド部を透過する光を受光し、撮像装置のレンズ7aを介して結像面7bに、光ファイバ画像として結像させる。また、結像された光ファイバ画像は、上記したように画像処理することにより、光ファイバの断面形状を輝度プロファイルで表わすことができる。
図2(A)は、撮像装置7のレンズ7aと観察する光ファイバ2との間の光路中に何もない場合を示している。この場合、光源6から所定の波長の光が照射され、光ファイバ2の画像がレンズ7aにより、結像面7bに結像される。なお、図中、光ファイバ2からレンズ7aを経て結像面7bに至る線は、透過光線を模式的に示したものである。この結果得られる光ファイバ2の輝度プロファイルLaは、谷部の距離S1、谷部の深さS2を容易に判別して検出できるように、焦点位置やコントラストが調整されているものとする。得られた輝度プロファイルをもとに、接続すべき光ファイバ同士の軸ずれを修正し、光ファイバの融着接続の接続損失を小さく抑えることが可能となる。
図2(B)は、撮像装置7のレンズ面7aと観察する光ファイバ2との間の光路中にガラスカバー8を入れた場合を示している。この場合、所定の波長を有する光源6から照射される光で、光ファイバ2の画像がレンズ7aにより、結像面7bに結像されるが、ガラスカバー8が光路中に入ったことで焦点位置が変わり、このため結像面7bでの結像がボケたりする。このため、光ファイバの輝度プロファイルLbは、谷部のコントラストが劣化し距離S1、谷部の深さS2が判別しにくくなる。この結果、光ファイバのコア径や軸ずれの検出精度が低下することとなり、光ファイバの融着接続の損失増加が生じる。
図2(C)は、撮像装置7のレンズ7aと観察する光ファイバ2との間の光路中にガラスカバー8を入れて、波長可変光源6の波長を調整した場合を示している。この場合、波長が変更された光源6から照射される光で、光ファイバ2の画像がレンズ7aにより、結像面7bに結像される。ガラスカバー8が光路中に入ったことにより、焦点位置が変化し、また光収差も変化するが、光の波長を変えることで補正され、このため、結像面7bでの結像は、再び図2(A)の状態に戻すことができる。
この場合、さらに、焦点位置を微調整するため光ファイバ2と撮像装置7の相対位置を変化させてもよい。これによる光ファイバの輝度プロファイルLcは、谷部のコントラストが向上して距離S1および谷部の深さS2も判別しやすい状態となる。これにより、光ファイバの軸ずれを精度良く修正することが可能となり、光ファイバの融着接続の接続損失を小さく抑えることができる。
なお、図2(B)の状態のときに、レンズ7aと結像面7bの相対位置を調節可能なズーム機構を用いることによって、焦点位置を変えることも可能であるが、精密で複雑なズーム機構を要するため、調整も大変であるがコストも大きくなる。本発明においては、波長可変光源6の波長を変えることで、複雑な機械的機構を用いないため、その調整が簡単で撮像装置にズーム機構を有しないものを用いることができるので、コストの低減化をはかることが可能となる。
1…融着接続機、2…光ファイバ、2a…光ファイバの接続端、2b…ファイバ被覆、3…放電電極、4…V溝クランプ、5…被覆クランプ、6…光源(波長可変)、7…撮像装置、7a…レンズ、7b…結像面、8…光学部材(ガラスカバー)。
Claims (4)
- 光ファイバの側面に光を照射し、該光ファイバを透過してくる光を撮像装置で受光して前記光ファイバの輝度プロファイルを観察する光ファイバの観察方法であって、
前記光ファイバと前記撮像装置との間に、光学部材を挿入して光学特性を変えた際に、前記光ファイバに照射する光の波長を変化させて、前記光ファイバの輝度プロファイルを補正することを特徴とする光ファイバの観察方法。 - 前記輝度プロファイルの補正は、光ファイバのコア部のコントラストの補正であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバの観察方法。
- 前記光学部材は平板状ガラスであることを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバの観察方法。
- 光ファイバの側面に光を照射する波長可変光源と、該光ファイバを透過してくる光を受光する撮像装置を備え、前記光ファイバの輝度プロファイルを観察する光ファイバの観察装置であって、
前記光ファイバと前記撮像装置との間に、光学部材を挿入して光学特性を変えた際に、前記波長可変光源の波長を変化させて、前記光ファイバの輝度プロファイルを補正して観察することを特徴とする光ファイバの観察装置。
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