JP2010254828A - 紙塗工用共重合体ラテックスおよび紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法 - Google Patents

紙塗工用共重合体ラテックスおよび紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ドライピック強度およびウェットピック強度、印刷光沢に優れ、かつ、ラテックスの粘着性(ベタツキ性)の少ない紙塗工用共重合体ラテックスを提供すること。
【解決手段】脂肪族共役ジエン系単量体30〜70重量部、エチレン系不飽和カルボン酸単量体1〜10重量部およびその他の共重合可能な単量体20〜69重量部からなる単量体(合計100重量部)を、α−メチルスチレンダイマー0.1〜4.5重量部の存在下で乳化重合してなる共重合体ラテックスであり、かつ共重合体ラテックス中に残留する2,4ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンが、該共重合体ラテックスの固形分に対して780ppm以下であり、残留する2,4ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンと2,4ジフェニル−4−メチル−2−ペンテンの重量比が0.6〜6.5であることを特徴とする紙塗工用共重合体ラテックス。
【選択図】 なし

Description

本発明は、紙塗工用共重合体ラテックス、および、該共重合体ラテックスを用いた紙塗工用組成物に関するものである。詳しくは、塗工操業性に優れ、ドライ強度、ウェット強度、印刷光沢に優れたオフセット印刷用塗工紙に用いられる紙塗工用共重合体ラテックス、および、その製造方法に関するものである。
近年、塗工紙は、その印刷効果が高い等の理由から、非常に数多くの印刷物に利用されている。季刊、月間紙等の定期刊行物の中にも、全ての項に塗工紙が使用される場合もかなり増えている。特に、メールオーダービジネスにおけるダイレクトメールや商品カタログ等においては、そのほとんどが全ての項に塗工紙を使用している。
一般的に紙塗工用組成物は、クレーや炭酸カルシウムなどの白色顔料を水に分散した顔料分散液、顔料同士および顔料を原紙に接着固定するためのバインダー、およびその他の添加剤によって構成される水性塗料である。バインダーとしてはスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスに代表されるような合成エマルションバインダーやデンプン、カゼインに代表されるような天然バインダーが使用される。その中でもスチレンーブタジエン系共重合体ラテックスは、品質設計の自由度が大きく、今日では紙塗工用組成物に最も適したバインダーとして広く使用されており、スチレンーブタジエン系共重合体ラテックスの性能が紙塗工用組成物の性能あるいは最終的な塗工紙製品のドライピック強度、ウェットピック強度、印刷光沢などの品質に大きく影響すると言われている。
そのため、紙塗工用スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスの品質設計や製造方法に関しては従来から実に様々な改良技術が紹介されており、それらのいくつかを例示する。
α−メチルスチレンダイマーの存在下で重合することによって、重合中の微細凝固物を低減したり、共重合体ラテックスの機械的安定性、高速塗工適性や接着性を向上させる技術が特開平3−109450、特開平3−109451、特開平3−109470に紹介されている。
特開平3−113096には、α−メチルスチレンダイマーと他の連鎖移動剤の存在下で重合した共重合体ラテックスを用いることによって、接着強度と耐ブリスター性に優れる紙塗工用組成物が得られるとの技術開示がある。
環内に1個の不飽和結合を持つ炭化水素の存在下で重合することによって、重合中の微細凝固物を低減したり、共重合体ラテックスの機械的安定性、接着性、塗工紙の臭気を改良する技術が特開平5−279406、特開平5−209399、特開平5−214166等に紹介されている。
一方、特開2003−277545には共重合体ラテックス中のα−メチルスチレンダイマーの残留量を少なくすることで塗工紙の臭気が少なく、接着強度、印刷光沢に優れるラテックスの記述がある。
特開平3−109450号公報
特開平3−109451号公報
特開平3−109470号公報
特開平3−113096号公報
特開平5−279406号公報
特開平5−209399号公報
特開平5−214166号公報
特開2003−277545号公報
しかし、これらの様々な改良技術は、未だ紙塗工用共重合体ラテックスに要求される性能を十分に満足するレベルには至っておらず、特に近年は塗工紙の印刷速度の向上に伴い、更なる塗工紙の表面強度の改良が強く求められていた。また、塗工紙の生産性の観点からは、共重合体ラテックスの粘着性(ベタツキ性)が高いと塗工機への塗料や共重合体ラテックスの付着による汚れが増大し塗工操業性を損なうため、粘着性の少ない共重合体ラテックスが求められている。
本発明の目的は、前述の諸事情に鑑み現状の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、ドライピック強度およびウェットピック強度、印刷光沢に優れ、かつ、ラテックスの粘着性(ベタツキ性)の少ない紙塗工用共重合体ラテックスを提供することにある。
すなわち本発明は、下記の共重合体ラテックスおよび、その製造方法を提供するものである。
脂肪族共役ジエン系単量体30〜70重量部、エチレン系不飽和カルボン酸単量体1〜10重量部およびその他の共重合可能な単量体20〜69重量部からなる単量体(合計100重量部)を、α−メチルスチレンダイマー0.1〜4.5部の存在下で乳化重合してなる共重合体ラテックスであり、かつ共重合体ラテックス中に残留する2,4ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンが、該共重合体ラテックスの固形分に対して780ppm以下であり、残留する2,4ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンと2,4ジフェニル−4−メチル−2−ペンテンの重量比が0.6〜6.5であることを特徴とする紙塗工用共重合体ラテックス。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明における脂肪族共役ジエン系単量体としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、置換および側鎖共役ヘキサジエン類などが挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特に1,3−ブタジエンの使用が好ましい。
エチレン系不飽和カルボン酸単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などのモノまたはジカルボン酸(無水物)を挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。
上記脂肪族共役ジエン系単量体およびエチレン系不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な他の単量体としては、芳香族ビニル系単量体、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体、ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体、シアン化ビニル単量体、不飽和カルボン酸アミド単量体等が挙げられる。
芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルα−メチルスチレン、ビニルトルエンおよびジビニルベンゼン等が挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特にスチレンの使用が好ましい。
不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、ジメチルマレエート、ジエチルマルエート、ジメチルイタコネート、モノメチルフマレート、モノエチルフマレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特にメチルメタクリレートの使用が好ましい。
ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体としては、β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジ−(エチレングリコール)マレエート、ジ−(エチレングリコール)イタコネート、2−ヒドロキシエチルマレエート、ビス(2−ヒドロキシエチル)マレエート、2−ヒドロキシエチルメチルフマレートなどが挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特にβ−ヒドロキシエチルアクリレートの使用が好ましい。
シアン化ビニル単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリルなどが挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特にアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの使用が好ましい。
不飽和カルボン酸アミド単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどが挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特にアクリルアミドまたはメタクリルアミドの使用が好ましい。
上記の単量体組成は、脂肪族共役ジエン系単量体30〜70重量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体1〜10重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体20〜69重量%である。
脂肪族共役ジエン系単量体が30重量%未満では印刷時に必要とされるドライピック強度などの接着性が、また70重量%を超えると印刷時に必要とされるウェットピック強度などの湿潤接着性が劣り、好ましくない。さらに好ましくは35〜65重量%である。
エチレン系不飽和カルボン酸単量体が1重量%未満では共重合体ラテックス自身および紙塗工用組成物の機械的安定性が劣り、また10重量%を超えるとラテックスの粘度が高くなり共重合体ラテックス自身の取り扱い上の問題を生じる可能性があるため、好ましくない。
共重合可能な他の単量体が20重量%未満では前述の湿潤接着性が、また69重量%を超えるとドライピック強度などの接着性が劣り、好ましくない。
α−メチルスチレンダイマーは2,4ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンが主成分であり、異性体として少量の2,4ジフェニル−4−メチル−2−ペンテンを含有する連鎖移動剤であるが、α−メチルスチレンダイマーの使用量については、共重合体ラテックスに求められる性能に応じて、単量体100重量部に対して0.1〜4.5重量部が使用される。α−メチルスチレンダイマーが0.1重量部以下では印刷時に必要とされるドライピック強度などの接着性が劣り、4.5重量部を超えると重合時の粒子の安定性が劣り、好ましくない。さらに好ましくは0.5〜4.0重量部である。
重合体ラテックス中に残留する2,4ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンが、該共重合体ラテックスの固形分に対して780ppmを超えるとラテックスのベタツキ性が悪化するため好ましくない。
残留する2,4ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンと2,4ジフェニル−4−メチル−2−ペンテンとの重量比が0.6未満では塗工紙に必要とされるドライピック強度や印刷光沢が劣り、6.5を越えるとラテックスのベタツキ性や塗工紙のウェットピック強度が劣り好ましくない。
本発明における共重合体ラテックス中に残留する2,4ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンは共重合体ラテックスの単量体の組成や重合温度や重合時間、重合終了した後の熟成時の温度条件や時間、および還元剤の併用などによって適宜調整可能である。また、重合時に使用する炭化水素化合物の量、添加方法によっても調整が可能である。
一方、2,4ジフェニル−4−メチル−2−ペンテンの残留量は重合時に使用するα−メチルスチレンダイマーの種類や使用量、添加方法によって調整が可能である。
本発明においてはα−メチルスチレンダイマーと共に他の連鎖移動剤を使用することも可能である。
他の連鎖移動剤としては、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ステアリルメルカプタン等のアルキルメルカプタン、ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイド等のキサントゲン化合物、ターピノレンや、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラム系化合物、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のフェノール系化合物、アリルアルコール等のアリル化合物、ジクロルメタン、ジブロモメタン、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素化合物、α−ベンジルオキシスチレン、α−ベンジルオキシアクリロニトリル、α−ベンジルオキシアクリルアミド等のビニルエーテル、トリフェニルエタン、ペンタフェニルエタン、アクロレイン、メタアクロレイン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、2−エチルヘキシルチオグリコレート等が挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。
これら他の連鎖移動剤は、通常、単量体100重量部に対して0〜10重量部にて使用される。
本発明における各種成分の添加方法については特に制限するものではなく、一括添加方法、分割添加方法、連続添加方法の何れでも採用することができる。更に、乳化重合において、常用の乳化剤、重合開始剤、炭化水素系溶剤、電解質、重合促進剤、キレート剤等を使用することができる。
本発明においては、一段重合、二段重合、多段階重合、シード重合、パワーフィード重合法等何れを採用してもよい。
乳化剤としては高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、脂肪族カルボン酸塩、非イオン性界面活性剤の硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤あるいはポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルフェニルエーテル型、アルキルエーテル型等のノニオン性界面活性剤が挙げられ、これらを1種又は2種以上使用することができる。
熱、または、還元性物質の存在下でラジカルを生じる重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性重合開始剤、レドックス系重合開始剤、過酸化ベンゾイル等の油溶性重合開始剤を適宜用いることができる。また、還元性物質としては、エルソルビン酸、アスコルビン酸、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムなど公知の化合物が使用できる。
重合に際しては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和炭化水素、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、4−メチルシクロヘキセン、1−メチルシクロヘキセン等の不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などの炭化水素化合物の内の1種又は2種以上を使用することができる。
本発明にて製造された共重合体ラテックスが使用される紙塗工用組成物の顔料としては、例えば、カオリンクレー、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、サチンホワイトなどの無機顔料、あるいはポリスチレンラテックスのような有機顔料が挙げられ、これらは単独または混合して使用される。
また、必要に応じて澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉等の変性澱粉、大豆蛋白、カゼインなどの天然バインダー、あるいはポリビニルアルコールなどの水溶性合成バインダーなどを使用しても差し支えない。さらに、ポリ酢酸ビニルラテックス、アクリル系ラテックスなどの合成ラテックス等を本発明の共重合体ラテックスと併用してもよい。
本発明の共重合体ラテックスを用いて紙塗工用組成物を調整する際に、さらにその他の助剤、例えば分散剤(ピロリン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなど)、消泡剤(ポリグリコール、脂肪酸エステル、リン酸エステル、シリコーンオイルなど)、レベリング剤(ロート油、ジシアンジアミド、尿素など)、防腐剤、離型剤(ステアリン酸カルシウム、パラフィンエマルジョンなど)、蛍光染料、カラー保水性向上剤(カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなど)を必要に応じて添加しても良い。
紙塗工用組成物を塗工用紙へ塗布する方法には、公知の技術、例えばエアナイフコーター、ブレードコーター、ロールコーター、バーコーターなどのいずれの塗工機を使用しても差し支えない。また、塗工後、表面を乾燥し、カレンダーリングなどにより仕上げる。
以下、実施例を挙げ本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。なお実施例中、割合を示す部および%は特に断りのない限り重量基準によるものである。また実施例における諸物性の評価は次の方法に拠った。
共重合体ラテックス中に残留する2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンと2,4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテンの測定
共重合体ラテックス中に残留する2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンと2,4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテンは島津製作所社製ガスクロマトグラフGC−14Aを用いて以下の方法で行った。
(1)サンプルの作成
共重合体ラテックス1g(wet)を精秤し、N,N−ジメチルホルムアミド20mlに溶解し24時間放置後、これを測定試料とした。
(2)ガスクロマトグラフ測定条件
サンプル量:2μl
検出器:FID
Inj/Det温度:190℃
カラム温度:180℃
カラム:ガラスカラム1.6m×2.6mmφ
担体:ChromosorbWAW DMCS(粒度80/100)
液相:SiliconeOV−17
キャリアーガス:窒素、25ml/min
(3)定量方法
既知濃度の2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンを用いて作成した検量線を用いて、得られたガスクロマトグラフより共重合体ラテックスの固形分に対する2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンを求めた。
同様に、2,4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテンを用いて作成した検量線を用いて、得られたガスクロマトグラフより共重合体ラテックスの固形分に対する2,4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテンを求めた。
同一試料について3回測定し平均値をppm単位で表した。
ラテックスフィルムのベタツキ性
PETフィルム上にワイヤーバー#10を用いてラテックスフィルムを作成し、熱風循環式オーブン中で110℃×1分間乾燥してフィルムを得た。フィルムサンプルの上にNo.5のろ紙を置き、加圧式熱ロール装置にて圧着した後、ろ紙をはずして、フィルム上に付着したろ紙の状態を肉眼で判定し、以下に示す
◎(最も良い)から×(最も悪い)までを相対的に評価した。
(優)◎ > ○ > △ > ×(劣)
塗工紙のドライピック強度の評価
RI印刷機で各塗工紙試料を同時に印刷した際のピッキングの程度を肉眼で判定し、5級(優)から1級(劣)まで相対的に評価した。
塗工紙のウェットピック強度の評価
RI印刷機を用いてモルトンロールにより各塗工紙試料に同時に湿し水を付与し、その直後に、インキロールにより各塗工紙試料を同時に印刷した際のピッキングの程度を肉眼で判定し、5級(優)から1級(劣)まで相対的に評価した。
共重合体ラテックスのゲル含有量の測定
室温雰囲気にてラテックスフィルムを作成する。その後ラテックスフィルムを
約1g秤量し、これを400ccのトルエンに入れ48時間膨張溶解させる。そ
の後、これを300メッシュの金網で濾過し、金網に捕捉されたトルエン不溶部
を乾燥後秤量し、この重量のはじめのラテックスフィルムの重量に占める割合を
ゲル含有量として重量%で算出した。
塗工紙の印刷光沢の評価
RI印刷機で各塗工紙試料をプロセスインキ(0.5g)で印刷した後、一昼夜放置し、印刷面の光沢感を目視により判定した。
(優)◎ > ○ > △ > ×(劣)
以下に重合した共重合体ラテックスの作成方法を述べるが、共重合体ラテックスの作成時に使用したα−メチルスチレンダイマーは五井化成製のα−メチルスチレンダイマーでAMSD−GRHを使用した。AMSD−GRHは2,4ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンを97.0〜98.0%含有している。
共重合体ラテックス(A)の作製
耐圧性の重合反応機に、重合水150部、表1に示す乳化剤、過硫酸カリウムおよび炭酸ナトリウム0.2部を仕込み、十分攪拌した後、表1に示す1段目の各単量体および他の化合物を加えて所定の重合温度および重合時間にて重合行い、その後、記載の条件にて熟成を行った。重合終了時の重合転化率は95%を越えていた。次いで、得られた共重合体ラテックスにつき苛性ソーダ水溶液でpHを7に調整して、共重合体ラテックスAを得た。
共重合体ラテックス(B〜G)の作製
耐圧性の重合反応機に、重合水150部、炭酸ナトリウム0.2部、および、表1に示す乳化剤、過硫酸カリウムを仕込み、十分攪拌した後、表1記載の重合温度・重合時間にて1段目の各単量体および他の化合物を加えて重合を行い、その後、表1に示す2段目の重合温度まで昇温したのち2段目の各単量体を加えてさらに重合を継続したのちに熟成を行った。重合終了時の重合転化率は95%を越えていた。次いで、これらそれぞれの共重合体ラテックスにつき苛性ソーダ水溶液でpHを7に調整して、共重合体ラテックスB〜Gを得た。
共重合体ラテックス(H〜O)の作製
耐圧性の重合反応機に、重合水150部、炭酸ナトリウム0.2部、および、表2に示す乳化剤、過硫酸カリウムもしくは過硫酸ナトリウムを仕込み、十分攪拌した後、表2に示す1段目の各単量体および他の化合物を加えて所定の重合温度・重合時間にて重合を行い、その後、2段目の重合温度まで昇温したのち2段目の各単量体を加えてさらに重合を継続したのち、熟成を行った。重合終了時の重合転化率は95%を越えていた。次いで、これらそれぞれの共重合体ラテックスにつき苛性ソーダ水溶液でpHを7に調整して、共重合体ラテックスH〜Oを得た。
紙塗工用組成物の作製と評価
下記に示した配合処方に従って、共重合体ラテックスA〜Gおよび共重合体ラテックスH〜Oを用いて、紙塗工用組成物を作製した。各紙塗工用組成物の評価結果を表1および表2に示した。
(紙塗工用組成物の配合処方)
カオリンクレー 40部
重質炭酸カルシウム 60部
酸化デンプン 3部
共重合体ラテックス 8部
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
固形分濃度 65%
塗工紙の作製と評価
塗工原紙(坪量55g/m)に、上記の紙塗工用組成物を片面あたりの塗被量が12g/mとなるようにワイヤーバーを用いて塗工し乾燥した後、線圧60kg/cm、温度50℃の条件でスーパーカレンダー処理を行い塗工紙を得た。得られた塗工紙を各試験に供して評価し、その結果を表1、表2に示した。
[比較例1]は実施例4と比較して重合時の温度、熟成時温度が低く2,4ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンの残留量が780ppmよりも多く、さらに2,4ジフェニル−4−メチル−2−ペンテンとの重量比が6.5を越えるため共重合体ラテックスのベタツキ性や塗工紙のウェットピック強度が劣る。
[比較例2]は実施例4と比較して重合時の温度、熟成時温度が低く、残留する2,4ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン成分が780ppmよりも多いため、ベタツキ性が劣る。
[比較例3]は実施例3と比較して残留する2,4ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンと2,4ジフェニル−4−メチル−2−ペンテンとの成分比が0.6より小さくドライピック強度と印刷光沢が劣る。
同様に、[比較例4]は実施例4と比較して重合時間が長く、残留する2,4ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンと2,4ジフェニル−4−メチル−2−ペンテンとの重量比が0.6より小さいためドライピック強度と印刷光沢が劣る。
[比較例5]は実施例7と比較して重合時間が短く、残留する2,4ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンが780ppmよりも多いため、ベタツキ性が劣る。
[比較例6]は使用するαメチルスチレンダイマーが4.5重量部よりも多いため、ベタツキ性とウェットピック強度が劣る。
[比較例7]は脂肪族共役ジエン系単量体の使用量が72重量部であり、特許請求の範囲外であるためウェットピック強度が劣る。
[比較例8]は重合温度が低く、残留する2,4ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンと2,4ジフェニル−4−メチル−2−ペンテンとの重量比が6.5を越えるためベタツキ性と塗工紙のウェットピック強度が劣る。
本発明の共重合体ラテックスを用いることで、塗工操業性に優れ、ドライピック強度、ウェットピック強度、印刷光沢に優れたオフセット印刷用塗工紙を提供することができる。

Claims (2)

  1. 脂肪族共役ジエン系単量体30〜70重量部、エチレン系不飽和カルボン酸単量体1〜10重量部およびその他の共重合可能な単量体20〜69重量部からなる単量体(合計100重量部)を、α−メチルスチレンダイマー0.1〜4.5重量部の存在下で乳化重合してなる共重合体ラテックスであり、かつ共重合体ラテックス中に残留する2,4ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンが、該共重合体ラテックスの固形分に対して780ppm以下であり、残留する2,4ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンと2,4ジフェニル−4−メチル−2−ペンテンの重量比が0.6〜6.5であることを特徴とする紙塗工用共重合体ラテックス。
  2. 請求項1に記載の共重合体ラテックスを含有する紙被覆用組成物。
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