JP4117942B2 - 紙塗工用組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙塗工用組成物に関する。さらに詳しくは、接着強度、耐ブリスター性、印刷光沢、耐ブロッキング性に優れる紙塗工用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、塗工紙はその印刷効果が高い等の理由から、非常に多くの印刷物に利用されている。季刊、月間紙等の定期刊行物の中にも全ての頁に塗工紙が使用される場合も増えてきている。特にメールオーダービジネスにおけるダイレクトメールや商品カタログ等においてはそのほとんどが全ての頁に塗工紙を使用している。
【0003】
塗工紙は非塗工紙と比べ、白色度、光沢度、平滑度、印刷適性等において優れた点を有しているが、原紙を抄造した後に紙塗工用組成物をブレードコーターやロールコーターを用いて塗工する工程を必要とする。紙塗工用組成物の性能が塗工紙製品の性能に大きな影響を与える。さらに近年の塗工の高速化に伴い、高いレベルの耐ブロッキング性、機械的安定性、流動性等が紙塗工用組成物の性能として求められてきている。
【0004】
一般的に紙塗工用組成物は、クレーや炭酸カルシウム等の白色顔料を水に分散した顔料分散液、顔料同士及び顔料を原紙に接着固定するためのバインダー、及びその他の添加剤によって構成される水性の塗料である。バインダーとしてはスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスに代表される合成エマルションバインダーや澱粉、カゼインに代表される天然バインダーが使用される。中でもスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスは、品質設計の自由度が大きく、今日では紙塗工用組成物に最も適したバインダーとして広く使用されている。その性能が紙塗工組用成物の塗工適性あるいは塗工紙製品の性能である表面強度、耐ブリスター性、印刷光沢に大きく影響すると言われている。
【0005】
例えば、特許公報第2555294号には特定の化合物の存在下で重合を行うことによって得られた共重合体ラテックスを含む紙塗工用組成物を用いることで接着強度、耐ブリスター性が改良されることが示されている。
【0006】
また、特開平5−171096号公報には連鎖移動剤の添加方法に特徴を持たせて得られた共重合体ラテックスを含む紙塗工用組成物を用いることで耐ブリスター性とべた付き性が改良されることが示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の場合には特定の化合物、後者の場合には連鎖移動剤の紙塗工用組成物中の残存量が多くなり、臭気面で問題があった。また接着強度、耐ブリスター性、印刷光沢、耐ブロッキング性のバランスにおいても満足出来るレベルになかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述の問題点を解決するために鋭意検討した結果、特定の添加方法で単量体を添加する製造方法によって得られた共重合体ラテックスを紙塗工用組成物に用いることで、接着強度、耐ブリスター性、印刷光沢、耐ブロッキング性に優れる塗工紙を得ることが出来るという事実を見いだし本発明に到達した。
【0009】
すなわち、本発明は、脂肪族共役ジエン系単量体20〜60重量部、シアン化ビニル系単量体3〜30重量部、エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.5〜10重量部及びその他の共重合可能な単量体0〜76.5重量部からなる単量体(合計100重量部)を連続添加あるいは分割添加して乳化重合を行うに際し(ただし、全単量体に対して50重量部を挟む範囲の単量体の分割添加を除く)脂肪族共役ジエン系単量体を10〜40重量%含む単量体1〜30重量部(a)を重合反応槽に添加し乳化重合し、単量体(a)の重合転化率が20〜90重量%に達した時点で、脂肪族共役ジエン系単量体を10〜40重量%含む単量体10〜60重量部(b)を重合反応槽に添加し、単量体(a)及び(b)の重合転化率が60〜90重量%に達した時点で、脂肪族共役ジエン系単量体を30〜70重量%含む単量体10〜89重量部(c)を乳化重合する(ただし(a)+(b)+(c)=100重量部)ことにより、前半に重合反応槽に添加する単量体50重量部中に含まれる脂肪族共役ジエン系単量体のA重量部と後半に重合反応槽に添加する50重量部中に含まれる脂肪族共役ジエン系単量体のB重量部が1.2<B/A<2.5の条件を満足する製造方法で得られた共重合体ラテックスを含有することを特徴とする紙塗工用組成物を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における脂肪族共役ジエン系単量体の使用量は、20〜60重量部である。20重量部未満では、接着強度が低下する。60重量部を超えると耐ブロッキング性が低下する。好ましくは30〜50重量部である。
【0011】
本発明において使用される脂肪族共役ジエン系単量体としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、置換および側鎖共役ヘキサジエン類などが挙げられ、1種または2種以上用いることができる。特に1,3−ブタジエンが好ましい。
【0012】
本発明におけるシアン化ビニル系単量体の使用量は3〜30重量部である。3重量部未満では印刷光沢が低下する。30重量部を超えると耐黄変性が低下するため好ましくない。好ましくは、10〜20重量部である。
【0013】
本発明において使用されるシアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリルなどが挙げられ、1種または2種以上用いることができる。特にアクリロニトリル、メタクリロニトリルが好ましい。
【0014】
本発明におけるエチレン系不飽和カルボン酸単量体の使用量は、0.5〜10重量部である。エチレン系不飽和カルボン酸単量体の使用量が0.5重量部未満では重合安定性が低下し、10重量部を超えるとラテックスの粘度が高くなり過ぎ好ましくない。好ましくは、1〜5重量部である。
【0015】
本発明において使用されるエチレン系不飽和カルボン酸単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などのモノまたはジカルボン酸が挙げられ、1種または2種以上用いることができる。
【0016】
本発明におけるその他の共重合可能な単量体の使用量は、0〜76.5重量部である。74.5重量部を超えると接着強度が低下する。好ましくは20〜70重量部である。
【0017】
本発明において使用できるその他の共重合可能な単量体としては、芳香族ビニル系単量体、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体、ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体、不飽和カルボン酸アミド単量体等が挙げられる。
【0018】
芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルα−メチルスチレン、ビニルトルエンおよびジビニルベンゼン等が挙げられ、1種または2種以上用いることができる。特にスチレンが好ましい。
【0019】
不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、ジメチルマレエート、ジエチルマレエート、ジメチルイタコネート、モノメチルフマレート、モノエチルフマレート、2−エチルヘキシルアクリレート、等が挙げられ、1種または2種以上用いることができる。特にメチルメタクリレートが好ましい。
【0020】
ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体としては、β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジ−(エチレングリコール)マレエート、ジ−(エチレングリコール)イタコネート、2−ヒドロキシエチルマレエート、ビス(2−ヒドロキシエチル)マレエート、2−ヒドロキシエチルメチルフマレートなどが挙げられ、1種または2種以上用いることができる。特にβ−ヒドロキシエチルアクリレートが好ましい。
【0021】
不飽和カルボン酸アミド単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等が挙げられ、1種または2種以上用いることができる。特にアクリルアミドが好ましい。
【0022】
さらに、上記の単量体のほかに、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステル類等を使用することができる。
【0023】
単量体の添加方法については次の通り行う。単量体は、連続添加あるいは分割添加し、前半に重合反応槽に添加される単量体50重量部(即ち、重合反応槽に単量体の添加を開始してから、単量体の添加量が50重量部に達するまでに添加された単量体50重量部)中に含まれる脂肪族共役ジエン系単量体の割合A重量部と後半の50重量部(即ち、重合反応槽に添加された単量体が50重量部に達した後、全単量体の添加が終了するまでに添加された単量体50重量部)中に含まれる脂肪族共役ジエン系単量体の割合B重量部が下記の条件を満足するようにする。
条件:1.2<B/A<2.5
この範囲以外では、接着強度、耐ブリスター性、耐ブロッキング性が劣る。
【0024】
また、単量体の添加方法としては全量を一括添加する方法以外の方法であれば特に制限はなく、単量体を二段階で重合反応槽に連続添加、あるいは分割添加する二段重合、又は単量体を多段階で重合反応槽に連続添加あるいは分割添加する多段階重合、単量体の組成を連続的に変えながら添加するいわゆるパワーフィード重合等何れでも採用することができる。またシード粒子の存在化で単量体を添加するシード重合法を採ることも出来る。
【0025】
本発明の効果をよりいっそう高めるためには、脂肪族共役ジエン系単量体を10〜40重量%含む単量体1〜30重量部(a)を重合反応槽に添加し乳化重合し、単量体(a)の重合転化率が20〜90重量%に達した時点で、脂肪族共役ジエン系単量体を10〜40重量%含む単量体10〜60重量部(b)を重合反応槽に添加し乳化重合し、単量体(a)及び(b)の重合転化率が60〜90重量%に達した時点で、脂肪族共役ジエン系単量体を30〜70重量%含む単量体10〜89重量部(c)を乳化重合する(ただし(a)+(b)+(c)=100重量部)ことが好ましい。
【0026】
本発明において乳化重合時の連鎖移動剤としてアルキルメルカプタンを使用することが好ましい。添加方法は次の通り行うことが好ましい。前半に重合反応槽に添加する単量体50重量部の添加終了までに重合反応槽に添加するアルキルメルカプタン量X重量部と全アルキルメルカプタン量Y重量部が下記の条件を満足するように添加することが好ましい。
条件:0.8<(Y−X)/X<5
この範囲以外では、目的とする効果、即ち、接着強度、耐ブリスター性、耐ブロッキング性の改良効果が小さくなる。
【0027】
本発明で使用されるアルキルメルカプタンとしては、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ステアリルメルカプタン等が挙げられる。
【0028】
本発明の効果をよりいっそう高めるためには、脂肪族共役ジエン系単量体を10〜40重量%含む単量体1〜30重量部(a)およびアルキルメルカプタン(α)重量部を重合反応槽に添加し乳化重合し、単量体(a)の重合転化率が20〜90重量%に達した時点で、脂肪族共役ジエン系単量体を10〜40重量%含む単量体10〜60重量部(b)およびアルキルメルカプタン(β)重量部を重合反応槽に添加し乳化重合し、単量体(a)及び(b)の重合転化率が60〜90重量%に達した時点で、脂肪族共役ジエン系単量体を30〜70重量%含む単量体10〜89重量部(c)およびアルキルメルカプタン(γ)重量部を添加し乳化重合する(ただし(a)+(b)+(c)=100重量部)に際し、下記条件3および4を満足する共重合体ラテックスの製造方法採用することが好ましい。
条件3:0.05≦(α)+(β)+(γ)≦10
条件4:0.5≦(γ)/[(α)+(β)]≦10
【0029】
本発明においては、アルキルメルカプタン以外の連鎖移動剤も使用することが出来、その添加方法については特に制限はない。それらの連鎖移動剤としてはジメチルキサントゲンサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイドなどのキサントゲン化合物、α−メチルスチレンダイマー、ターピノーレンなどの化合物や、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラム系化合物、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のフェノール系化合物、アリルアルコール等のアリル化合物、ジクロルメタン、ジブロモメタン、四塩化炭素、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素化合物、α−ベンジルオキシスチレン、α−ベンジルオキシアクリロニトリル、α−ベンジルオキシアクリルアミド等のビニルエーテル、トリフェニルエタン、ペンタフェニルエタン、アクロレイン、メタアクロレイン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、2−エチルヘキシルチオグリコレート等が挙げられる。
【0030】
これら連鎖移動剤の使用量については何ら制限はなく、共重合体ラテックスに求められる性能に応じて適宜調整することができるが、好ましくは単量体100重量部に対して0.05〜10重量部である。
【0031】
本発明においては環内に二重結合を1つ有する環状不飽和炭化水素を用いることも可能である。該炭化水素の添加方法については特に制限はなく、一括添加方法、連続添加方法、分割添加方法いずれの方法を採ることも出来る。環内に二重結合を1つ有する環状不飽和炭化水素としてはシクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、4−メチルシクロヘキセン、1−メチルシクロヘキセンを挙げることが出来る。
【0032】
本発明における単量体、連鎖移動剤以外の各種成分の添加方法については特に制限するものではなく、一括添加方法、分割添加方法、連続添加方法の何れでも採用することができる。更に、本発明における乳化重合において、常用の重合開始剤、電解質、重合促進剤、キレート剤等を使用することができる。
【0033】
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の水溶性開始剤、あるいはレドックス系開始剤あるいは、過酸化ベンゾイル等の油溶性開始剤が使用できる。
【0034】
また、上記乳化重合における水の使用量は単量体100重量部に対して、80〜300重量部であることが重合安定性の面で好ましい。
【0035】
本発明によって製造された共重合体ラテックスを紙塗工用組成物の一成分として用いる場合としては、例えば分散剤を溶解させた水中に、顔料、水溶性高分子、各種添加剤とともに該共重合体ラテックスを添加して混合し、均質な分散液として用いる方法を採用できる。そして、この紙塗工用組成物は、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーターなどを用いる通常の方法で原紙に塗工し、乾燥後、カレンダー処理等を必要に応じて行い、塗工紙を得ることが出来る。
【0036】
この際、固形分換算で顔料100重量部に対し、好ましくは本発明の共重合体ラテックスが2〜100重量部、さらに好ましくは5〜30重量部、その他の結合剤が0〜30重量部使用できる。
【0037】
ここで、分散剤としては、ピロリン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等を挙げることが出来る。
【0038】
また、顔料としては、カオリンクレー、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、サチンホワイトなどの無機顔料、あるいはポリスチレンラテックスのような有機顔料が挙げられ、これらは単独または混合して使用される。
【0039】
また、水溶性高分子としては、澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉等の変性澱粉、大豆蛋白、カゼインなどの天然バインダー、あるいはポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
【0040】
また、各種添加剤としては、例えば消泡剤(ポリグリコール、脂肪酸エステル、リン酸エステル、シリコーンオイルなど)、レベリング剤(ロート油、ジシアンジアミド、尿素など)、防腐剤、耐水化剤、離型剤(ステアリン酸カルシウム、パラフィンエマルジョンなど)、蛍光染料等が挙げられ、必要に応じて添加される。
【0041】
【実施例】
以下、実施例を挙げ本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。なお実施例中、割合を示す部および%は重量基準によるものである。また実施例における諸物性の測定は次の方法に拠った。
【0042】
重合転化率の測定
共重合体ラテックス約1.0gを正確に秤量し、150℃オーブンにて60分乾燥後残留量を測定し、以下の計算によって重合転化率を算出する。
固形分率=乾燥後重量(g)/乾燥前重量(g)
重合転化率=(固形分率×仕込み重量(g)―仕込み不揮発分重量(g))÷仕込み揮発性単量体重量(g)×100
【0043】
表面強度
RI印刷機で各塗工紙試料を同時に印刷した際のピッキングの程度を肉眼で判定し、5級から1級まで相対的に評価した。点数の高いものほど良好である。
【0044】
耐ブリスター性
両面印刷した各塗工紙試料を調湿(6%)し、加熱したオイルバス中に投げ込みブリスターが発生する時の最低温度(℃)を求めた。最低温度が高いほど耐ブリスター性が良好である。
【0045】
印刷光沢
RI印刷機で各塗工紙試料を同一の条件で印刷した後、一昼夜放置し、印刷面の光沢度をJIS.P−8143に従い測定した。数値が大きいほど印刷光沢が良い。
【0046】
耐ブロッキング性
各塗工紙試料を3cm幅に短冊状に切り、台紙上に4種の塗工紙を並べて貼り付ける。この上にろ紙を重ねてRI印刷機を用いロール間を通し圧着する。その後、ろ紙を剥がした後の濾紙の繊維の各塗工紙表面への付着状態を見て、各塗工紙の耐ブロッキング性を比較する。付着の少なく耐ブロッキング性の高いものを〇とし、付着が多く耐ブロッキング性が低下するにつれて△、×と目視にてランク付けした。
【0047】
耐黄変性
各塗工紙試料を市販のギアオーブンに吊るし、140℃で10時間熱処理したものを黄変度の測定試料にする。ハンター白色度試験機を用いて、JIS P−8123に準じた操作により、各黄変度測定サンプル表面の標準酸化マグネシウム板に対する比反射率をブルー、アンバー、グリーンの各フィルターについて測定し、各フィルターについて得られた比反射率を各々B(ブルー)、A(アンバー)、G(グリーン)とする。各サンプルの黄変度YをY=(A−B)/Gによって計算する。黄変度Yの値が小さいほど耐黄変性に優れる。
【0048】
共重合体ラテックスの作製
100リットルのオートクレーブに、水150重量部、炭酸水素ナトリウム0.4部、過硫酸カリウム1.0部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.3部及び表1、2に示す、1段目の単量体、連鎖移動剤及び環内に2重結合を1つ有する環状不飽和炭化水素を仕込だ後、72℃に昇温して重合を行った。単量体の重合転化率が表1、2に示した時点から表1、2に示す各時間で第2段目の各単量体等を一定速度で添加して重合を継続した。続けて、表1、2に示す各時間で3段目の単量体等を一定速度で添加して重合転化率が98%になるまで重合を継続し重合を終了した。得られた共重合体ラテックスを水酸化ナトリウムを用いてPH8に調整した後、水蒸気蒸留で未反応単量体等を除去し、共重合体ラテックス1〜12を得た。13については重合安定性が劣り、共重合体ラテックスを得ることが出来なかった。
各共重合体ラテックスにおいて、前半に重合反応槽に添加した単量体50重量部中に含まれる脂肪族共役ジエン系単量体のA重量部と後半に重合反応槽に添加した50重量部中に含まれる脂肪族共役ジエン系単量体のB重量部との比率(B/A)、前半に重合反応槽に添加する単量体50重量部の添加終了までに重合反応槽に添加したアルキルメルカプタン量X重量部と全アルキルメルカプタン量Y重量部との関係((Y−X)/X)については、表1、2に示した。
【0049】
【表1】
Figure 0004117942
【0050】
【表2】
Figure 0004117942
【0051】
紙塗工用組成物の調整
共重合体ラテックス1〜12を用いて、それぞれ下記の処方に基づき固形分濃度が62%となるよう純水を用いて調整し、紙塗工用組成物を得た。
【0052】
(処方)
カオリンクレー 80部
炭酸カルシウム 20部
変成デンプン 8部
共重合体ラテックス 12部(固形分)
【0053】
また、市販の上質紙(64g/m2)に上記紙塗工用組成物の塗被量が片面10g/m2となるようにコーティングバーを用いて塗工・乾燥した後、ロール温度50℃、線圧70〜80kg/cmの条件でスーパーカレンダー処理を行い塗工紙を得た。得られた塗工紙については接着強度、耐ブリスター性、印刷光沢、耐ブロッキング性、耐黄変性を測定した。結果を表3、4に示した。
【0054】
【表3】
Figure 0004117942
【0055】
【表4】
Figure 0004117942
【0056】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明による紙塗工用組成物を用いることにより接着強度、耐ブリスター性、印刷光沢、耐ブロッキング性に優れる塗工紙が得られる。

Claims (3)

  1. 脂肪族共役ジエン系単量体20〜60重量部、シアン化ビニル系単量体3〜30重量部、エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.5〜10重量部及びその他の共重合可能な単量体0〜76.5重量部からなる単量体(合計100重量部)を連続添加あるいは分割添加して乳化重合を行うに際し(ただし、全単量体に対して50重量部を挟む範囲の単量体の分割添加を除く)脂肪族共役ジエン系単量体を10〜40重量%含む単量体1〜30重量部(a)を重合反応槽に添加し乳化重合し、単量体(a)の重合転化率が20〜90重量%に達した時点で、脂肪族共役ジエン系単量体を10〜40重量%含む単量体10〜60重量部(b)を重合反応槽に添加し、単量体(a)及び(b)の重合転化率が60〜90重量%に達した時点で、脂肪族共役ジエン系単量体を30〜70重量%含む単量体10〜89重量部(c)を乳化重合する(ただし(a)+(b)+(c)=100重量部)ことにより、前半に重合反応槽に添加する単量体50重量部中に含まれる脂肪族共役ジエン系単量体のA重量部と後半に重合反応槽に添加する50重量部中に含まれる脂肪族共役ジエン系単量体のB重量部が下記の条件1を満足する製造方法で得られた共重合体ラテックスを含有することを特徴とする紙塗工用組成物。
    条件1:1.2<B/A<2.5
  2. 乳化重合時の連鎖移動剤としてアルキルメルカプタンを用い、前半に重合反応槽に添加する単量体50重量部の添加終了までに重合反応槽に添加するアルキルメルカプタン量X重量部と全アルキルメルカプタン量Y重量部が下記の条件2を満足する請求項1に記載の製造方法で得られた共重合体ラテックスを含有することを特徴とする紙塗工用組成物。
    条件2:0.8<(Y−X)/X<5
  3. 脂肪族共役ジエン系単量体を10〜40重量%含む単量体1〜30重量部(a)およびアルキルメルカプタン(α)重量部を重合反応槽に添加し乳化重合し、単量体(a)の重合転化率が20〜90重量%に達した時点で、脂肪族共役ジエン系単量体を10〜40重量%含む単量体10〜60重量部(b)およびアルキルメルカプタン(β)重量部を重合反応槽に添加し、単量体(a)及び(b)の重合転化率が60〜90重量%に達した時点で、脂肪族共役ジエン系単量体を30〜70重量%含む単量体10〜89重量部(c)およびアルキルメルカプタン(γ)重量部を添加し乳化重合する(ただし(a)+(b)+(c)=100重量部)に際し、下記条件3および4を満足する請求項1、2に記載の製造方法で得られた共重合体ラテックスを含有する紙塗工用組成物。
    条件3:0.05≦(α)+(β)+(γ)≦10条件4:0.5≦(γ)/[(α)+(β)]≦10
JP17399298A 1998-06-05 1998-06-05 紙塗工用組成物 Expired - Fee Related JP4117942B2 (ja)

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