JP2010252576A - 電流制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置コストを低減しつつスイッチング素子の故障を検出すること。
【解決手段】スイッチング素子のON/OFFを指示する指示信号の更新間隔を計測するタイマを用いることとしたうえで、電圧検出部が、スイッチング素子に印加された電圧を2値化電圧として検出し、変動間隔計測部が、検出された2値化電圧の変動間隔を、かかるタイマを用いて計測し、故障判定部が、指示信号の更新間隔と、検出された変動間隔との対比に基づいてスイッチング素子が故障であるか否かを判定するように電流制御装置を構成する。
【選択図】 図3
【解決手段】スイッチング素子のON/OFFを指示する指示信号の更新間隔を計測するタイマを用いることとしたうえで、電圧検出部が、スイッチング素子に印加された電圧を2値化電圧として検出し、変動間隔計測部が、検出された2値化電圧の変動間隔を、かかるタイマを用いて計測し、故障判定部が、指示信号の更新間隔と、検出された変動間隔との対比に基づいてスイッチング素子が故障であるか否かを判定するように電流制御装置を構成する。
【選択図】 図3
Description
この発明は、スイッチング素子を用いて制御対象に流す電流を制御する電流制御装置に関し、特に、装置コストを低減しつつスイッチング素子の故障を検出することができる電流制御装置に関する。
従来から、三相モータの各相に流す電流を制御する電流制御装置が知られている。かかる電流制御装置では、6個のスイッチング素子を含んだブリッジ回路を用いて電流のON/OFFを繰り返す制御を行うことで、擬似的に三相交流を作り出している(たとえば、特許文献1参照)。
ここで、スイッチング素子が短絡(ショート)などの故障を起こすと、モータに対して過電流を供給してしまい、モータの破損や、回路自体の破損を引き起こすこともある。したがって、モータや回路の破損を防止するためには、過電流の原因となるスイッチング素子の故障を早期に検出する必要がある。
このため、ブリッジ回路に電流計測用のシャント抵抗(電流センサ)を付加し、シャント抵抗両端の電圧差に基づいてスイッチング素子の故障を検出する技術が提案されている。ここで、シャント抵抗とは、大電流が流れる回路の電流計測に用いられる抵抗器であり、抵抗値が小さく高精度な抵抗器のことを指す。
しかしながら、シャント抵抗を用いてスイッチング素子の故障を検出する場合、シャント抵抗が高価であるため、電流制御装置の装置価格が高価となってしまうという問題があった。また、シャント抵抗の実装によって、消費電力が増大したり、回路の実装面積が増大したり、といった問題も発生していた。
このため、シャント抵抗を使用せず、各種制御量から推定した推定電流を利用した推定電流センサレス制御手法が提案されている。しかし、この推定電流を用いる手法では、上記した過電流の検知を行うことができないため、スイッチング素子の故障を検出することができない。
これらのことから、装置コストを低減しつつスイッチング素子の故障を検出することができる電流制御装置をいかにして実現するかが大きな課題となっている。なお、かかる課題は、三相モータを制御対象とする場合に限らず、ブラシ付きモータなどの他の制御対象をスイッチング素子のON/OFFによって制御する場合にも同様に発生する課題である。
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであって、装置コストを低減しつつスイッチング素子の故障を検出することができる電流制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、スイッチング素子を用いて制御対象に流す電流を制御する電流制御装置であって、前記スイッチング素子のON/OFFを指示する指示信号の更新間隔を計測するタイマ手段と、前記スイッチング素子に印加された電圧を2値化電圧として検出する電圧検出手段と、前電圧検出手段によって検出された前記2値化電圧の変動間隔を、前記タイマ手段を用いて計測する変動間隔計測手段と、前記指示信号の前記更新間隔と、前記変動間隔計測手段によって検出された前記変動間隔との対比に基づいて前記スイッチング素子が故障であるか否かを判定する故障判定手段とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、スイッチング素子のON/OFFを指示する指示信号の更新間隔を計測するタイマを用いることとしたうえで、スイッチング素子に印加された電圧を2値化電圧として検出し、検出された2値化電圧の変動間隔を、かかるタイマを用いて計測し、指示信号の更新間隔と、検出された変動間隔との対比に基づいてスイッチング素子が故障であるか否かを判定することとしたので、シャント抵抗を用いることなくスイッチング素子の故障を検出することができる。また、スイッチング素子に対する指示信号のタイミング制御に用いられていたタイマをそのまま用いることができる。したがって、装置コストを低減しつつスイッチング素子の故障を検出することができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る電流制御装置の実施例を詳細に説明する。なお、以下の説明では、従来技術に係る電流制御装置の概要について図1を、本発明に係る電流制御手法の概要について図2を、それぞれ用いて説明した後に、本発明に係る電流制御手法を適用した電流制御装置の実施例について説明することとする。
まず、従来技術に係る電流制御装置の概要について図1を用いて説明する。図1は、従来技術に係る電流制御装置200の構成を示すブロック図である。なお、以下の説明では、スイッチング素子として電界効果トランジスタ(FET)の一種であるMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を用いた場合について説明する。
図1に示したように、従来技術に係る電流制御装置200は、マイコンなどで構成される制御部210が、ブリッジ回路に含まれる6個のスイッチング素子のON/OFFを制御することで、モータ600に流す電流を制御する。
具体的には、ブリッジ回路は、モータ600のU相、V相およびW相ごとに、MOSFET300およびMOSFET310を有している。ここで、MOSFET300は、高電圧側(同図のD参照)に配置されており、MOSFET310は、低電圧側(同図のGND参照)に配置されている。
なお、以下では、U相に対応するMOSFET300をMOSFET300U、V相に対応するMOSFET300をMOSFET300Vのように記載することとする。また、同図に示したAはU相のモータ端子電圧を、BはV相のモータ端子電圧を、CはW相のモータ端子電圧を、それぞれ指している。
また、図1に示したように、ブリッジ回路の低電圧側(同図のGND参照)には、電流取得部400が設けられており、ブリッジ回路の各相に流れる電流を検知する。具体的には、U相には、シャント抵抗410Uが、V相には、シャント抵抗410Vが、W相には、シャント抵抗410Wがそれぞれ設けられており、スイッチング素子のショート故障時に発生する過電流を検出する。
たとえば、制御部210の電流制御部211が、高電圧側に設けられたMOSFET300(300U、300Vおよび300W)に対してONとなる指示を、低電圧側に設けられたMOSFET310(310U、310Vおよび310W)に対してOFFになる指示を行っている状態で、MOSFET310Uがショート故障を起こした場合について説明する。
MOSFET310Uがショート故障を起こすと、同図のA−R1−R2区間には過電流が発生する。ここで、シャント抵抗410Uの両端(R1およびR2)の電圧差は、増幅アンプ500Uで増幅され、制御部210へ入力されている。
増幅アンプ500Uからの信号を受け取ったA/Dコンバータ(アナログデジタルコンバータ)212では、アナログ信号をデジタル信号へ変換したうえで、電圧/電流変換部213へ渡す。そして、電圧/電流変換部213では、電圧(R1とR2との電圧差)をシャント抵抗410の抵抗値を用いて電流値へ変換する。
つづいて、故障検知部214は、電圧/電流変換部213から受け取った電流値と所定の閾値との比較などによって過電流を検出した場合に、MOSFET310Uの故障を検知する。
なお、上述した説明では、U相の低電圧側に設けられたMOSFET310Uがショート故障を起こした場合を例示したが、V相の低電圧側に設けられたMOSFET310Vのショート故障については、シャント抵抗410Vの両端(S1およびS2)の電圧差を、増幅アンプ500V経由で制御部210へ渡すことで同様に処理することができる。
また、W相の低電圧側に設けられたMOSFET310Wのショート故障については、シャント抵抗410Wの両端(T1およびT2)の電圧差を、増幅アンプ500W経由で制御部210へ渡すことで同様に処理することができる。
このように、シャント抵抗410を用いることとすれば、ブリッジ回路の各相における過電流を検出することができるので、これにより、低電圧側に設けられたMOSFET310のショート故障を検出することができる。
しかし、シャント抵抗410は高価であるため、電流制御装置200の装置コストが高くなってしまうという問題があった。また、シャント抵抗410を実装するスペースを確保するために回路の実装面積が増大したり、シャント抵抗410の発熱によって消費電力が増大したり、といった問題もあった。
そこで、本発明に係る電流制御手法では、シャント抵抗410を用いることなくブリッジ回路に発生する過電流を検出する仕組みを提供することで、装置コストを低減しつつスイッチング素子の故障を検出することができるようにした。以下では、本発明に係る電流制御手法の概要について図2を用いて説明する。
図2は、本発明に係る電流制御手法の概要を示す図である。なお、同図に示す「タイマ」は、図1に示した従来技術に係る電流制御装置200の電流制御部211が、各スイッチング素子に対するON/OFF指示のタイミング制御に用いていたタイマのことを指す。
また、同図に示す「下MOSFET」とは、低電圧側のMOSFET(図1では、MOSFET310U、MOSFET310VあるいはMOSFET310W)のことを指す。そして、同図に示す「G−S」は、MOSFETにおけるG(ゲート)/S(ソース)間電圧を、「D−S」は、MOSFETにおけるD(ドレイン)/S(ソース)間電圧を、それぞれ指している。
図2に示したように、タイマが刻む時間間隔に従って各スイッチング素子に対するON/OFF指示が行われ、「G−S」は、タイマの周期に従って変動する。また、「G−S」の変動による結果として「D−S」も変動する。具体的には、「G−S」が0Vである場合に、「D−S」は所定の電圧値をとり、「G−S」が0Vではない場合に、「D−S」は0Vとなる。なお、実際には、「D−S」の変動は「G−S」の変動から若干遅れることになる。
本発明に係る電流制御手法では、モータ端子電圧(図1のA、BあるいはC参照)が、「G−S」の変動、すなわち、タイマが刻む時間間隔と連動して変動することに着目し、モータ端子電圧をMOSFETゲート制御タイマを用いて監視することとした(同図の(A)参照)。
具体的には、MOSFETが正常である場合には、モータ端子電圧の変動は、タイマが刻む時間間隔で規則的に変動する。しかし、MOSFETにショート故障が発生した後においては、モータ端子電圧は0Vとなる。これは、下MOSFET(図1における310U、310Vあるいは310W参照)がショート故障を起こすと、モータ端子電圧(図1におけるA、BあるいはC参照)がGNDと同値となるためである。
そこで、本発明に係る電流制御手法では、上記したタイマによるモータ端子電圧の監視結果が、「OK」であるか「NGであるか」に基づき、MOSFETの故障を検知することとした(同図の(B)参照)。
このようにすることで、MOSFETのショート故障後に発生するモータ相電流の上昇を早期に検出することができる。なお、本発明に係る電流制御手法では、MOSFET故障の誤検知を防止する処理を併せて行うが、この点については後述することとする。
また、図2では、下MOSFET(低電圧側に設けられたMOSFET)の故障を検出する場合について示したが、上MOSFET(高電圧側に設けられたMOSFET)の故障を検出することもできる。この場合、図1におけるD−A間、D−B間あるいはD−C間の電圧差を、図2におけるモータ端子電圧の代わりに用いることとすればよい。
以下では、かかる電流制御手法を適用した電流制御装置についての実施例を詳細に説明する。
図3は、本実施例に係る電流制御装置10の構成を示すブロック図である。なお、ブリッジ回路における各MOSFETおよびモータについては、図1に示した従来技術に係る電流制御装置200の場合と同様であるので、図1と同一の符号を付している。
図3に示したように、電流制御装置10は、制御部11と、分圧抵抗12と、ブリッジ回路とを備えており、ブリッジ回路の高電圧側には、MOSFET300U、MOSFET300VおよびMOSFET300Wが、低電圧側には、MOSFET310U、MOSFET310VおよびMOSFET310Wが、それぞれ設けられている。
また、制御部11は、ON/OFF指示部11aと、タイマ部11bと、変動間隔計測部11dと、故障判定部11eとを備えている。ON/OFF指示部11aは、各MOSFETのG(ゲート)に対して回路をON/OFFする指示を行う処理部である。具体的には、このON/OFF指示部11aは、タイマ部11bが刻むタイマの時間間隔に従ってON/OFF指示を行う。
タイマ部11bは、ON/OFF指示部11aおよび変動間隔計測部11dに対し、時間軸に沿って規則的に変動する信号を送出する処理を行う処理部である。たとえば、このタイマ部11bは、図2の「タイマ」に示したように、所定の閾値に達するまでは線形に増加し、所定の閾値に達すると0にリセットされる信号(鋸歯状波形)を送出する。
なお、本実施では、タイマ部11bが送出する信号の波形を、図2に示した鋸歯状波形とした場合について説明するが、タイマ部11bが送出する信号の波形については、他の波形とすることとしてもよい。たとえば、かかる信号を、パルス波や三角波とすることができる。
電圧検出部11cは、ブリッジ回路の各相におけるモータ端子電圧(同図に示すA、BおよびC参照)を検出する処理を行う処理部である。なお、この電圧検出部11cは、分圧抵抗12(同図に示す12U、12Vおよび12W)経由で低電圧化されたモータ端子電圧を受け取り、検出したモータ端子電圧を変動間隔計測部11dへ渡す。
変動間隔計測部11dは、タイマ部11bが刻むタイマの時間間隔に基づき、電圧検出部11cから受け取ったモータ端子電圧における変動間隔を計測する処理を行う処理部である。そして、この変動間隔計測部11dは、計測した変動間隔を、タイマ部11bが刻む時間間隔とともに故障判定部11eへ通知する処理を併せて行う。
故障判定部11eは、変動間隔計測部11dから受け取ったモータ端子電圧の変動間隔と、タイマ部11bが刻む時間間隔とを対比することで、MOSFET300あるいはMOSFET310が故障しているか否かを判定する処理を行う処理部である。なお、故障判定部11eが行う判定処理の詳細については、図5を用いて後述する。
次に、故障判定部11eが行う故障判定処理の詳細な内容について図4および図5を用いて説明する。図4は、スイッチング素子の状態の一例を示す図であり、図5は、正常時および異常時における各信号の変動タイミングを示す図である。なお、図4に示した回路は、図3と同一である。また、以下では、図4に示したスイッチング素子の状態を前提として故障判定処理を説明することとする。
図4に示したように、高電圧側のMOSFET300(300U、300Vおよび300W)は、すべてONであり、低電圧側のMOSFET310(310U、310Vおよび310W)は、すべてOFFであるとする。かかる前提において、低電圧側のU相に対応するMOSFET310Uがショート故障を起こす場合の故障判定処理について図5を用いて説明する。
図5の(A)に示したのは、MOSFET310Uが正常である場合の各信号の変動タイミングであり、同図の(B)に示したのは、MOSFET310Uが異常である場合の各信号の変動タイミングである。
図5の(A)に示したように、タイマ部11bによるタイマは、鋸歯状波形であり、2つの山が、1サイクルに対応している。なお、1サイクルの最初の山の時間間隔(α)および次の山の時間間隔(β)については、それぞれ異なる間隔とすることができる。
かかるタイマによってON/OFF制御されるMOSFET310UのG(ゲート)/S(ソース)間電圧(G−S)は、タイマの周期と同調して、同図に示すように変動する。ここで、モータ端子電圧(図4のA−GND間の電圧差)は、タイマの周期と略同調して、同図に示すように変動する。
故障判定部11eは、図5の(A)に示したように、タイマ値が0から増加して再び0になるまでの時間間隔と、モータ端子電圧の各エッジ(立ち上がりエッジあるいは立ち下がりエッジ)間の時間間隔とのずれが所定の閾値以内である場合に、MOSFET310Uの状態が正常であると判定する(同図に示す「OK」参照)。
なお、モータ端子電圧のエッジ間隔を使用する代わりに、タイマ値が0となるタイミングの近傍にモータ端子電圧のパルス波のエッジが現れた場合に、MOSFET310Uの状態が正常であると判定することとしてもよい。また、図5の(A)では、1サイクルを基準として、すなわち、タイマ2回分ごとにモータ端子電圧を監視する場合について示しているが、タイマ1回ごとにモータ端子電圧を監視することとしてもよい。
一方、MOSFET310Uにショート故障が発生した場合には、図5の(B)に示したように、ショート故障発生後のモータ端子電圧は0Vとなるので、タイマとの同調がみられない。これは、MOSFET310Uのショートによって、U相におけるモータ端子電圧(図4のA参照)が、GNDと同値となるためである。
このように、モータ端子電圧のパルス波にエッジが現れない場合には、故障判定部11eは、MOSFET310Uの状態が異常であると判定する(同図に示す「NG1」、「NG2」等を参照)。なお、タイマ値が0となるタイミングの近傍にモータ端子電圧のパルス波のエッジが現れないことをもって異常であると判定することとしてもよい。
さらに、故障判定部11eは、連続して異常と判定した回数(連続異常回数)をカウントアップし、連続異常回数、あるいは、この連続異常回数にタイマの周期を乗算することによって得られる連続異常時間が、所定の閾値を超えた場合に、MOSFET310Uが故障したと判定する。なお、図5の(B)に示した「NGn」は、異常(NG)が連続してn回発生したことを示している。
ここで、スイッチング素子の異常が所定回数連続して発生した場合に、スイッチング素子を故障と判定するのは、故障の誤検出を防止するためである。具体的には、ノイズ等の影響によって、スイッチング素子が正常であるにも関わらず異常であると検出する場合も想定されることから、連続異常回数が所定の閾値を超えたことをもってはじめてスイッチング素子を故障と判定することとした。
なお、連続異常回数あるいは連続異常回数と対比される閾値については、故障の誤検出を防止することができ、かつ、故障検知の遅れによる部品等の破損を防止することができる値に調整されるものとする。すなわち、最初の異常を検出してから故障判定を行うまでの時間は、誤検出を防止でき、かつ、故障検知の遅れによる部品等の破損を防止することができる値に調整される。
なお、本実施例では、スイッチング素子の異常が連続して検出された回数に基づいて故障判定を行う場合について説明するが、所定時間内に取得された総検出回数に対する異常検出回数の割合に基づいて故障判定を行うこととしてもよい。
また、図5では、下MOSFET(低電圧側に設けられたMOSFET310)の故障を検出する場合について示したが、上MOSFET(高電圧側に設けられたMOSFET300)の故障についても検出することができる。
たとえば、U相に対応するMOSFET300Uがショートすると、U相におけるモータ端子電圧(図4のA参照)は図4のDにおける電圧と同値となる。したがって、上MOSFETの故障を検出する場合には、図4におけるD−A間、D−B間あるいはD−C間の電圧差をモータ端子電圧として用いることとすればよい。
ところで、これまでは、三相モータであるモータ600を制御対象とする場合について説明してきたが、ブラシ付きモータを制御対象とすることとしてもよい。図6は、制御対象をブラシ付きモータとした場合を説明するための図である。なお、この場合、図3に示したブリッジ回路の代わりに、図6に示したハーフブリッジ回路を用いることとすればよい。
図6に示したハーフブリッジ回路では、高電圧側(同図に示すC参照)にMOSFET320およびMOSFET321が、低電圧側(同図に示すGND参照)にMOSFET322およびMOSFET323が、それぞれ設けられている。また、ブラシ付きモータのロータ700は、同図に示すAおよびBでハーフブリッジ回路に接続される。
ここで、MOSFET322にショート故障が発生した場合には、同図のAにおける電圧は、同図のGNDと等値(すなわち0V)となる。したがって、図3に示した場合と同様に、同図のAにおける電圧を分圧抵抗12Xで低電圧化したうえで制御部11へ入力させることとすれば、MOSFET322の故障を検出することができる。
また、MOSFET321にショート故障が発生した場合には、同図のBにおける電圧は、同図のCにおける電圧と等値となる。したがって、図3に示した場合と同様に、同図のBとCとの電圧差を分圧抵抗12Xで低電圧化したうえで制御部11へ入力させることとすれば、MOSFET321の故障を検出することができる。
次に、本実施例に係る電流制御装置10が実行する処理手順について図7を用いて説明する。図7は、電流制御装置10が実行する処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、変動間隔計測部11dは、モータ端子電圧の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジを検出し(ステップS101)、ON/OFF信号切替用タイマ(タイマ部11b)を用いてエッジ間の時間を計測する(ステップS102)。
つづいて、故障判定部11eは、ステップS102で計測されたエッジ間の時間と、ON/OFF信号によるゲート駆動時間とを対比し(ステップS103)、ステップS103における両時間の差分が閾値(α)を超えたか否かを判定する(ステップS104)。そして、両時間の差分が閾値(α)を超えた場合には(ステップS104,Yes)、異常として検出する(ステップS105)。
そして、故障判定部11eは、異常の連続数が閾値(β)を超えたか否かを判定し(ステップS106)、異常の連続数が閾値(β)を超えた場合には(ステップS106,Yes)、故障と判定する(ステップS108)。なお、ステップS104の判定条件を満たさなかった場合(ステップS104,No)、および、ステップS106の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS106,No)、検知対象信号を次のサイクルへ変更したうえで(ステップS107)、ステップS101以降の処理を繰り返す。
ステップS108につづき、制御部11は、制御対象に対する電流制御を停止するとともに(ステップS109)、故障が発生した旨の報知処理を行い(ステップS110)、処理を終了する。なお、ステップS110の報知処理は、図示しないワーニングランプを点灯させたり、図示しないスピーカーから警報音を発したりすることによって行うことができる。
上述してきたように、本実施例では、スイッチング素子のON/OFFを指示する指示信号の更新間隔を計測するタイマを用いることとしたうえで、電圧検出部が、スイッチング素子に印加された電圧を2値化電圧として検出し、変動間隔計測部が、検出された2値化電圧の変動間隔を、かかるタイマを用いて計測し、故障判定部が、指示信号の更新間隔と、検出された変動間隔との対比に基づいてスイッチング素子が故障であるか否かを判定するように電流制御装置を構成した。したがって、シャント抵抗を用いることなくスイッチング素子の故障を検出することができる。また、スイッチング素子に対する指示信号のタイミング制御に用いられていたタイマをそのまま用いることができる。これにより、装置コストを低減しつつスイッチング素子の故障を検出することができる。
以上のように、本発明に係る電流制御装置は、装置コストを低減しつつスイッチング素子の故障を検出したい場合に有用であり、特に、車両などに用いられるモータの故障検知のように安全性の観点から確実な故障検知を行いたい場合に適している。
10 電流制御装置
11 制御部
11a ON/OFF指示部
11b タイマ部
11c 電圧検出部
11d 変動間隔計測部
11e 故障判定部
12 分圧抵抗
300、310 MOSFET
600 モータ
320、321、322、323 MOSFET
11 制御部
11a ON/OFF指示部
11b タイマ部
11c 電圧検出部
11d 変動間隔計測部
11e 故障判定部
12 分圧抵抗
300、310 MOSFET
600 モータ
320、321、322、323 MOSFET
Claims (5)
- スイッチング素子を用いて制御対象に流す電流を制御する電流制御装置であって、
前記スイッチング素子のON/OFFを指示する指示信号の更新間隔を計測するタイマ手段と、
前記スイッチング素子に印加された電圧を2値化電圧として検出する電圧検出手段と、
前電圧検出手段によって検出された前記2値化電圧の変動間隔を、前記タイマ手段を用いて計測する変動間隔計測手段と、
前記指示信号の前記更新間隔と、前記変動間隔計測手段によって検出された前記変動間隔との対比に基づいて前記スイッチング素子が故障であるか否かを判定する故障判定手段と
を備えたことを特徴とする電流制御装置。 - 前記故障判定手段は、
前記変動間隔計測手段によって計測された前記2値化電圧の変動間隔と、前記指示信号の更新間隔との差分が所定の閾値を超えた場合に、前記スイッチング素子の状態を異常として検出し、該異常の回数に基づいて前記スイッチング素子が故障であるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の電流制御装置。 - 前記故障判定手段は、
1組の前記指示信号ごとに前記スイッチング素子の状態を検出し、所定組の前記指示信号にわたって前記スイッチング素子の状態が連続して異常である場合に、前記スイッチング素子が故障であると判定することを特徴とする請求項2に記載の電流制御装置。 - 前記指示信号の更新間隔は、
該指示信号における立ち上がりから立ち下がりまでの時間間隔または立ち下がりから立ち上がりまでの時間間隔であり、
前記2値化電圧の変動間隔は、
該2値化電圧における立ち上がりから立ち下がりまでの時間間隔または立ち下がりから立ち上がりまでの時間間隔であることを特徴とする請求項1、2または3に記載の電流制御装置。 - 前記電圧検出手段は、
前記スイッチング素子に印加された電圧を分圧抵抗によって低電圧化したうえで前記2値化電圧として検出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の電流制御装置。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009101075A Withdrawn JP2010252576A (ja) | 2009-04-17 | 2009-04-17 | 電流制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010252576A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017130859A (ja) * | 2016-01-22 | 2017-07-27 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 負荷駆動装置 |
JP2017163655A (ja) * | 2016-03-08 | 2017-09-14 | 株式会社デンソー | スイッチング素子の故障検出回路 |
WO2021196314A1 (zh) * | 2020-03-31 | 2021-10-07 | 厦门邑通软件科技有限公司 | 设备健康监控预警方法、***、储存介质和设备 |
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2009
- 2009-04-17 JP JP2009101075A patent/JP2010252576A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017130859A (ja) * | 2016-01-22 | 2017-07-27 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 負荷駆動装置 |
JP2017163655A (ja) * | 2016-03-08 | 2017-09-14 | 株式会社デンソー | スイッチング素子の故障検出回路 |
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