JP2010252414A - エコラン制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両のアイドリングストップ実施履歴に基づいてバッテリの強制充電の実行とアイドリングストップの実施とを最適に制御することで、車両のバッテリ劣化を効果的に抑制しつつ燃費を向上させることができるエコラン制御装置を提供する。
【解決手段】エコランECU10は、強制充電実行手段、強制充電実行時間検出手段、アイドリングストップ実施履歴検出手段、強制充電実行判断手段によってアイドリングストップ実施履歴に基づいて、車両のアイドリングストップ実施と鉛バッテリ30へのリフレッシュ充電実行との優先度を判断し、その時点においてより優先度の高い方の処理を実行する制御を行うことができる。よって、エコラン制御を実施する車両のバッテリ劣化を効果的に抑制しつつ、燃費を向上させることができる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、エコラン制御装置に関する。特に、車両に搭載されるバッテリの劣化を抑制する技術に関する。
車両の燃費改善、および排気ガスの排出量を抑制することを目的として、所定のエンジン停止条件が成立するとエンジンを停止し、その後、所定のエンジン始動条件が成立するとエンジンを再始動させるエコラン制御が広く適用されている。
エコラン制御を実施する車両として、エンジン全般の制御を司るエンジンECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)と、エコラン制御を司るエコランECUとを備えたものが知られている。エコランECUは、車両が停止し、エコラン制御可能な状態になると、エンジンECUに対してエコラン要求を出力する。エンジンECUは、エコラン要求を受け付けると、燃料カットを実施し、エンジンを停止させる。
また、エンジンの始動時には、エコランECUがドライバの始動操作(シフト操作、ブレーキ操作、クラッチ操作など)を検出し、エンジンの始動要求をエンジンECUに送信する。エンジンECUは、エンジンの回転数などの情報から、スタータモータによるエンジン駆動が必要であるか否かを判定する。スタータモータによるエンジン始動が必要であると判定すると、エンジンECUはエコランECUに対してスタータ駆動許可信号を出力する。エンジンECUからスタータ駆動許可信号を入力したエコランECUは、スタータモータを駆動してエンジンを始動させる。
ところで、車両に搭載されるバッテリは、車両の各電装品へ供給する電力がオルタネータおよび回生モータの発電する電力を超えた場合に、不足分の電力を車両の各電装品へと供給する役割を担っている。しかしながら、エコラン制御を実施する車両のオルタネータおよび回生モータは、車両のエコラン制御中はエンジンが停止するために発電することができずに、電装品やバッテリへ電力を供給することができない。一方、エコラン制御中においてもエンジンECU、エアコン等の電装品は電力を消費しており、特にアイドリングストップ中からエンジンを再始動させる際のスタータ駆動は大電力を消費する。このように、各電装品やスタータがエコラン制御中に消費する電力を供給するために、バッテリはアイドリングストップのたびに深い放電(過放電)を繰り返すことになり、その結果、通常の車両よりもバッテリの放電量が増加することになる。
車両用に一般的に用いられる鉛バッテリは、正極に二酸化鉛(PbO)、負極に海綿状鉛(Pb)、電解液として希硫酸(HSO)を用いた二次電池である。鉛バッテリの放電時および充電時の化学反応は以下のとおりである。
[放電時]
正極:PbO+4H+SO 2− +2e → PbSO+2H
負極:Pb+SO 2− → PbSO+2e
[充電時]
正極:PbSO+2HO → PbO+4H+SO 2−
負極:PbSO+2e → Pb+SO 2−
上記のように、鉛バッテリの放電時には正極および負極に硫酸鉛(PbSO)が発生する。これを放置すると、バッテリの正極板および負極板に硫酸鉛の結晶が析出するサルフェーション(白色硫酸鉛化)が発生し、バッテリ極板の表面積が減少し、かつバッテリ内部抵抗が増加することでバッテリの絶対容量が著しく低下する。このように、サルフェーションが発生した鉛バッテリは、極板に析出した硫酸鉛が電気を通さないために充放電のサイクルを実施できず、よってバッテリの性能が劣化してしまう。特に、サルフェーションはバッテリが過放電を繰り返すことで発生し易くなる。
そのため、エコラン制御を実施する車両のバッテリは、通常の車両のバッテリよりも過放電を繰り返すことから、よりサルフェーションが発生し易いといった問題点がある。
このようなエコラン制御を実施する車両のバッテリ性能劣化を抑制するために、定期的にバッテリを高電圧、長時間で強制的に充電させるリフレッシュ充電を実行することで、正極および負極板やバッテリ内部に析出した硫酸鉛の結晶を分解除去する技術が特許文献1に開示されている。
また、アイドリングストップ直前の所定期間だけバッテリの充電強化または放電量低減を強制実行することで、エンジン停止中のバッテリ過放電を抑制しサルフェーションの発生を予防する技術が特許文献2に開示されている。
そして、補機のオン/オフ信号とエンジン停止時間率との対応関係からバッテリの充電状態を予測することで、アイドリングストップ中のバッテリの過放電を抑制するバッテリ制御方法についての技術が特許文献3に開示されている。
更に、バッテリ充電電力の積算値が消費電力の積算値を上回っている場合であっても、エンジン停止時間が所定値以上になるとエンジンを始動させてバッテリ充電を実行することで、バッテリの過放電を抑制してサルフェーションの発生を予防することができるバッテリ制御方法についての技術が特許文献4に開示されている。
また、長期間エンジンを始動させなかった車両を始動させるときにバッテリへの充電を優先させることで、バッテリの過放電を抑制することができる技術が特許文献5に開示されている。
そして、バッテリのSOC(State Of Charge)が所定の下限値に達したときに、アイドリングストップを解除してバッテリ充電を開始させる制御方法についての技術が特許文献6に開示されている。
特開平5−316666号公報 特開2003−269213号公報 特開2002−155775号公報 特開2002−004910号公報 特開2006−177173号公報 特開2004−166350号公報
ここで、サルフェーションが発生したバッテリの機能を回復させるためには、バッテリに低電流、高電圧で長時間のリフレッシュ充電を行う必要がある。しかしながら、特許文献1のリフレッシュ充電は、強制充電の実行中にアイドリングストップ条件がそろうと強制充電が中断され、アイドリングストップ終了後に再び最初から強制充電を行わなければならないため、強制充電を効率よく行うことが困難であるといった問題点がある。また、特許文献2の技術の場合、アイドリングストップ直前の所定期間のみバッテリの充電強化または放電量低減を強制実行する制御を行うために、アイドリングストップ中のバッテリ過放電によるバッテリ性能劣化を抑制することが困難である、といった問題点がある。そして、特許文献3のエンジン自動制御装置の場合、バッテリ充電状態の予測精度が高くないために、バッテリ充電率が高い場合に不要なアイドリングストップの禁止を指示することで、車両の燃費が悪化することや、バッテリ充電率が低い場合にアイドリングストップの実施を許可することで、バッテリ上がりなどの路上故障を引き起こすことが懸念される。
更に、特許文献4〜6の技術の場合、バッテリへの強制充電を優先するために、アイドリングストップを途中で停止したり制御を禁止したりすることから、車両の燃費改善効果が低下する、といった問題点がある。このように、従来の技術では、アイドリングストップ制御を実施する車両のバッテリ性能を効率よく回復させつつ、車両の燃費を向上させるための最適なエコラン制御を行うことが困難である、といった問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、車両のアイドリングストップ実施履歴に基づいてバッテリの強制充電の実行とアイドリングストップの実施とを最適に制御することで、車両のバッテリ劣化を効果的に抑制しつつ燃費を向上させることができるエコラン制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のエコラン制御装置は、所定の停止条件が成立するとエンジンを自動で停止するとともに、所定の再始動条件が成立すると停止した前記エンジンを再始動するアイドリングストップ制御を行うエコラン制御装置であって、所定の充電条件が成立すると車両の走行中に充電可能な電圧値よりも高い電圧値にてバッテリを強制充電する強制充電実行手段と、前記強制充電の実行が開始されてからの時間を検出する強制充電実行時間検出手段と、前記アイドリングストップ制御の実施履歴を検出するアイドリングストップ実施履歴検出手段と、前記強制充電の実行中に前記エンジンの停止条件が成立したときに、前記強制充電の実行を継続するか否かを判断する強制充電実行判断手段とを備え、前記強制充電実行判断手段は、前記アイドリングストップ実施履歴検出手段の検出結果に基づいて第1しきい値を設定し、前記強制充電実行時間検出手段の検出結果が第1しきい値よりも小さいときはアイドリングストップの実施を優先させ、前記検出結果が第1しきい値以上であるときは前記強制充電の実行を優先させることを特徴とする。
特に、本発明のエコラン制御装置は、前記強制充電実行判断手段が、前記バッテリの内部抵抗値と、前記バッテリの電圧値と、前記バッテリのSOC(State Of Charge)との少なくとも1つに基づいて、前記第1しきい値を補正することを特徴とすることができる。
また、本発明のエコラン制御装置は、前記強制充電実行判断手段が、前記車両がアイドリングストップを実施していない場合で、かつ前記バッテリの強制充電が実行されていないときに、前記強制充電を実行するか否かの判断を、前記アイドリングストップ実施履歴検出手段の検出結果に基づいて判断することを特徴とすることができる。
そして、本発明のエコラン制御装置は、所定の停止条件が成立するとエンジンを自動で停止するとともに、所定の再始動条件が成立すると停止した前記エンジンを再始動するアイドリングストップ制御を行うエコラン制御装置であって、所定の充電条件が成立すると車両の走行中に充電可能な電圧値よりも高い電圧値にてバッテリを強制充電する強制充電実行手段と、前記アイドリングストップ制御の実施履歴を検出するアイドリングストップ実施履歴検出手段と、前記車両がアイドリングストップを実施していない場合で、かつ前記バッテリの強制充電が実行されていないときに、前記強制充電を実行するか否かを判断する強制充電実行判断手段とを備え、前記強制充電実行判断手段は、前記アイドリングストップ実施履歴検出手段の検出結果が第2しきい値よりも小さいときはアイドリングストップの実施を優先させ、前記検出結果が第2しきい値以上であるときは前記強制充電の実行を優先させることを特徴とする。
更に、本発明のエコラン制御装置は、前記強制充電実行判断手段が、前記車両の電装品の駆動状況に応じて前記第2しきい値を変更することを特徴とすることができる。
また、本発明のエコラン制御装置は、前記強制充電実行判断手段が、前記バッテリの内部抵抗値が第3しきい値以上である場合と、前記バッテリの電圧値が第4しきい値よりも小さい場合と、前記バッテリのSOC(State Of Charge)が第5しきい値よりも小さい場合との少なくとも1つを満たすときは、前記強制充電の実行を優先させることを特徴とすることができる。
そして、本発明のエコラン制御装置は、前記アイドリングストップ実施履歴検出手段が、前記車両のアイドリングストップ率と、アイドリングストップ積算時間と、バッテリ放電量積算値との少なくとも1つを検出することを特徴とすることができる。
更に、本発明のエコラン制御装置は、前記車両の外部から提供される情報を受信し、当該受信結果に基づいて前記車両が実施するアイドリングストップ時間を予想するアイドリングストップ予想時間算出手段を備え、前記強制充電実行判断手段が、前記アイドリングストップ予想時間算出手段の算出結果が第6しきい値以上であるときは、前記アイドリングストップの実施を優先することを特徴とすることができる。
また、本発明のエコラン制御装置は、前記車両の停止時に前記アイドリングストップ制御を実施するか否かを判定するアイドリングストップ制御判定手段と、前記強制充電の実行が成功したか失敗したかを判定する強制充電成否判定手段とを備え、前記アイドリングストップ制御判定手段が、前記強制充電成否判定手段の判定結果が失敗であるときに、前記車両のアイドリングストップの実施を禁止することを特徴とすることができる。
そして、本発明のエコラン制御装置は、前記強制充電実行判断手段が、前記強制充電が実行されて、かつ前記強制充電成否判定手段の判定結果が成功であるときに、前記アイドリングストップ実施履歴検出手段の検出結果をキャンセルすることを特徴とすることができる。
本発明のエコラン制御装置によれば、車両のアイドリングストップ実施履歴に基づいて、バッテリの強制充電の実行と、アイドリングストップの実施とを最適に制御することができるため、エコラン制御装置を搭載する車両のバッテリ性能劣化の抑制と、燃費の向上とを両立することができる。
車両制御システムの概略構成を示した説明図である。 エコランECUのマイコンのハードウェア構成を示した説明図である。 エコランECUが指示するリフレッシュ充電の概略を示した説明図である。 実施例1のエコランECUが行う制御のフローを示している。 制御の優先度を判断するしきい値の一例を示している。 鉛バッテリの経時劣化に基づくしきい値の補正の一例を示している。 実施例1のエコランECUが行う制御のフローを示している。 実施例2のエコランECUが行う制御のフローを示している。 バッテリ放電量に基づくアイドリングストップ率の補正の一例を示している。 鉛バッテリサイズに基づく放電量の補正の一例を示している。 車両制御システムの概略構成の一部を示した説明図である。 実施例3のエコランECUが行う制御のフローを示している。 実施例3のエコランECUが行う制御のフローを示している。
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。
なお、本明細書におけるエコの定義として、エコノミーとエコロジーの両方、又はいずれか一方の意味を持つものとする。エコノミーとは、燃料の消費を抑えて燃料を節約(省燃費)することを意味する。また、エコロジーとは、化石燃料の消費を抑えたり、又は化石燃料の燃焼などによって生じる有害物質や二酸化炭素の発生および排出を抑えたりすることを意味する。
本発明の実施例1について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明のエコラン制御装置を組み込んだ車両制御システム1の概略構成を示した説明図である。
図1に示す車両制御システム1は、エコランECU(Electronic Control Unit)10、エンジンECU21、メータECU22、ボディECU23、ブレーキECU24、電動パワーステアリングECU25、エアコンECU26、オーディオECU27、ライトECU28等の複数のECUが通信バスに接続されている。これら複数のECUは、オルタネータ18および鉛バッテリ30からの電力を受けて稼動し、CAN(Controller Area Network)等の通信プロトコルに従って通信を行う。また、上記複数のECUは、キースイッチ14、ニュートラルスイッチ15、スタータリレー16、およびスタータモータ17とともに配線13によって鉛バッテリ30に接続している。また、鉛バッテリ30は、バッテリの電圧、放電量を検出する電圧計31および電流計32を備えている。
エンジンECU21は、エンジンへの燃料噴射量を電子的に制御するEFI(Electronic Fuel Injection)に接続してエンジン出力を制御し、車両の走行スピードを調整する。また、エンジンECU21は、エンジンの回転数がアイドル回転であった場合には、エコランECU10にエンジン停止許可信号を出力する。そして、エンジンECU21は、エコランECU10からの燃料カット要求に応じて、エンジンへの燃料供給をカットする。更に、エコランECU10から燃料カット解除要求が出力されると、この要求に応じてエンジンに燃料を供給する。
メータECU22は、各種センサ(図示しない)からの検出信号を受け取り、各種演算等を実行することで車速表示、エンジン回転数表示、シフト位置表示、燃料残量表示、水温表示等の表示を行うための出力を発生させる。
ボディECU23は、ドアロック機構やパワーウィンドウ機構等の車両に搭載された機構を制御する。
ブレーキECU24は、ディスクブレーキやドラムブレーキ等のブレーキを作動させて、車両の減速や停止などを電子的に制御する。
電動パワーステアリングECU25は、回転角センサから送られる操作レバーの回転角の量に応じて操舵装置の駆動モータを駆動制御する。
エアコンECU26は、ドライバの要求や車両の走行状態等に基づいてコンプレッサを駆動して車内の空調制御を実施する。
オーディオECU27は、搭乗者の要求や車両の騒音等に基づき、搭乗者が音声を聴き易いようにオーディオ機器の制御を実施する。
ライトECU28は、ドライバの要求や車両の走行状態等に基づいてライトの点灯および消灯や照射強度、角度の制御を実施する。
エコランECU10は、エンジンECU21や図示しない他の各種センサ等からエンジン停止条件及びエンジン始動条件を判断するための情報を受け取り、エンジンの運転時にエンジン停止条件が成立するとエンジンを自動停止させ、エンジンの停止時にエンジン始動条件が満たされるとスタータモータ17を起動させてエンジンを始動させるエコラン制御を実行する。また、エコランECU10は、各種センサからの信号を入力する入力端子を備え、この入力端子からブレーキが作動状態であることを示すブレーキ信号、変速機のシフトポジションを示すシフト信号、車速を示す車速信号、アクセルの開度を示すアクセル開度信号、エンジンの回転数を示すエンジン回転数信号、エンジンの冷却水の温度を示すエンジン水温信号、外気温センサによって測定された外気温等を入力する。
エコランECU10は、エンジンの再始動が必要であると判定すると、エンジンECU21にスタータモータ17によるエンジンの駆動を要求する。エンジンECU21は、エンジンの回転数に応じて、エコランECU10からのスタータ駆動要求を許可するか否かを判定する。エコランECU10は、エンジンECU21からスタータ駆動を許可する許可信号を受信すると、トランジスタ12をオンさせる。キースイッチ(以下、キーSWと略記する)14、ニュートラルスイッチ(以下、ニュートラルSWと略記する)15、スタータリレー16が接続された配線13には、トランジスタ12を介してバッテリからの電源ライン11が接続されている。エコランECU10のマイコン70によってトランジスタ12がオンされると、スタータリレー16のコイルが通電し、スタータリレー16がオンする。スタータリレー16がオンするとスタータモータ17にバッテリからの電力が供給され、スタータモータ17の作動によりエンジンが始動する。
更に、エコランECU10は、電圧計31、電流計32等の各検出手段の検出結果に基づき、鉛バッテリ30が過放電によって劣化しないようなバッテリ制御、およびエコラン制御中の過放電によるバッテリ性能劣化を回復させるための強制充電(リフレッシュ充電)の制御を実行する。また、エコランECU10は、車両が実施するアイドリングストップの実施履歴を検出し、車両のアイドリングストップ率、アイドリングストップ積算時間、バッテリ放電量積算値などからバッテリ性能の劣化具合を認識することで、エコラン制御とリフレッシュ充電制御とをバランスよく実施することができる。なお、エコランECU10は、鉛バッテリ30にリフレッシュ充電を実行させる強制充電実行手段、リフレッシュ充電が開始されてからの時間を検出する強制充電実行時間検出手段、車両のアイドリングストップの実施履歴を検出するアイドリングストップ実施履歴検出手段、およびリフレッシュ充電の実行・停止を判断する強制充電実行判断手段に相当する。
図2に、エコランECU10のマイコン70のハードウェア構成を示す。マイコン70は、CPU71、ROM72、RAM73、NVRAM(Non Volatile RAM)74、入出力部75等を有している。CPU71は、ROM72に格納したプログラムを読み込んで、このプログラムに従った演算を行う。すなわち、ROM72に格納されたプログラムをCPU71が読み込むことで、鉛バッテリ30が過放電によって劣化しないようなバッテリ制御、およびエコラン制御を実施する。また、RAM73には、演算結果のデータが書き込まれ、NVRAM74は、RAM73に書き込まれていたデータで、車両のアイドリングストップ率、アイドリングストップ積算時間、鉛バッテリ30の放電量積算値など、イグニッションOFF時に保存の必要なデータが書き込まれる。
図1に示すオルタネータ18は、ベルト等によりエンジンの回転と同期することで、機械的運動エネルギーを電気エネルギーに変換する。オルタネータ18は三相交流発電機と整流器からなり、三相交流発電機で発電された交流電力が整流器によって直流電力へと変換され、車両の各電装品および鉛バッテリ30へと供給される。
鉛バッテリ30は、正極に二酸化鉛(PbO)、負極に海綿状鉛(Pb)、電解液として希硫酸(HSO)を用いた二次電池であり、それらの化学反応によって充放電サイクルを実施する。鉛バッテリ30は、オルタネータ18の発電量が各電装品の電力使用量を超える場合に、超えた分の電力を充電してバッテリ内部に蓄電する。そして、鉛バッテリ30は、エンジンのアイドリングストップ中か、または車両の各電装品の電力使用量がオルタネータ18の発電量を超える場合に、各電装品を適切に稼動させるためにバッテリ内部に蓄電した電力を放電する。また、鉛バッテリ30は、エコランECU10の指示に基づき、バッテリSOC(State Of Charge)が低下した場合に補充電を実行することでバッテリ充電率を回復させることができる。更に、鉛バッテリ30は、エコランECU10の指示に基づき、バッテリ性能の劣化を抑制するためにリフレッシュ充電を実行することでバッテリ性能を回復させることができる。鉛バッテリ30としては、例えば12[V]システムを適用することができるが、42[V]システム等の高電圧仕様を適用することもできる。
ここで、エコランECU10の指示に基づき鉛バッテリ30が実行するリフレッシュ充電について図面を参照しつつ説明する。図3は、エコランECU10が指示するリフレッシュ充電の概略を示した説明図である。エコランECU10からリフレッシュ充電の実行が指示されると、オルタネータ18は、車両の通常の走行中に実行するバッテリ充電圧(12[V])よりも高い電圧、例えば13.8[V]にて鉛バッテリ30のリフレッシュ充電を開始する(図3(A))。リフレッシュ充電の開始から終了までの間、電圧計31は、鉛バッテリ30の実電圧を検出し(図3(B))、電流計32は、鉛バッテリ30の実電流を検出する(図3(C))。そしてこれら電圧計31および電流計32の検出結果から、エコランECU10は鉛バッテリ30の充電率(SOC)を算出する。リフレッシュ充電が開始されてから、電流計32の検出結果が±5[A]以内になった時点で、そこから更に電圧13.8[V]、電流±5[A]以内で30分間、鉛バッテリ30の充電を継続し、これをもってリフレッシュ充電の1サイクルとする。エコランECU10は、鉛バッテリ30の性能が充分に回復したと考えられるバッテリ充電率(例えばSOC=94%)に到達するまで上記の処理を実行する。
なお、エコランECU10は、リフレッシュ充電の開始から終了までの間は車両のアイドリングストップを禁止する。エンジンがストップすることでオルタネータ18の発電が停止すると、鉛バッテリ30が放電モードに移行してしまうため、電圧13.8[V]、電流±5[A]以内による充電を30分間維持することができないからである。
つづいて、鉛バッテリ30が実行する補充電について説明する。補充電とは、車両の運転中に所定時間が経過した際に、または鉛バッテリ30が放電することで充電率が所定の値を下回った際に、バッテリ充電率を回復させるために強制的にバッテリ充電を実行させる制御である。リフレッシュ充電と同様に高電圧(例えば13.8[V])で充電するが、リフレッシュ充電が長時間(たとえば30分以上)かけて高いバッテリ充電率(例えばSOC=94%以上)まで充電するのに対し、補充電は短時間(例えば5分間)でリフレッシュ充電より低い充電率(例えばSOC=92%以上)まで充電する点でリフレッシュ充電と相違している。鉛バッテリ30の放電量が大きい場合は、すぐに充電率が低下するために補充電が頻繁に行われることから、補充電の実行回数から鉛バッテリ30の劣化具合を認識することができる。
電圧計31および電流計32は、鉛バッテリ30の電圧、および放電量を検出し、それら検出結果をエコランECU10へと送信する。そして、エコランECU10は、送信された検出結果からバッテリ電圧値を認識し、更にバッテリ放電量積算値、バッテリSOCおよび内部抵抗値を算出することで、車両のエコラン制御中における鉛バッテリ30の性能劣化具合を認識することができる。
つづいて、エコランECU10の制御の流れに沿って、車両制御システム1の動作を説明する。図4はエコランECU10の処理の一例を示すフローチャートである。本実施例の車両制御システム1は、強制充電実行手段により鉛バッテリ30にリフレッシュ充電を実行し、鉛バッテリ30の性能を回復させる。また、車両制御システム1は、強制充電実行時間検出手段によりリフレッシュ充電が開始されてからの時間を検出する。そして、車両制御システム1は、アイドリングストップ実施履歴検出手段により車両が実施したアイドリングストップの実施履歴を検出する。更に、車両制御システム1は、強制充電実行判断手段によりアイドリングストップ実施履歴検出手段の検出結果に基づいて、アイドリングストップ実施と鉛バッテリ30へのリフレッシュ充電実行との優先度を判断する制御を実行する。
更に、本実施例の車両制御システム1は、リフレッシュ充電の実行が成功したか失敗したかを判定する強制充電成否判定手段により、実行されたリフレッシュ充電が成功と判定されたときに、アイドリングストップ実施履歴検出手段の検出結果をキャンセルする制御を実行する。
エコランECU10の制御は、エンジンの始動要求がされると、すなわちイグニッションスイッチがONにされると開始する。まず、エコランECU10はステップS1で、鉛バッテリ30の状態を検出する。ここで、エコランECU10は、電圧計31から検出したバッテリ電圧値、電流計32から検出したバッテリ放電量積算値、電圧計31および電流計32の検出結果から算出したバッテリSOCおよび内部抵抗値などを鉛バッテリ30の状態として検出することができる。エコランECU10はステップS1の処理を終えると、つづいてステップS2へ進む。
ステップS2で、エコランECU10は、ステップS1で検出したバッテリ状態に基づいて、鉛バッテリ30のリフレッシュ充電条件が成立したか否かを判断する。ここで、リフレッシュ充電条件が成立した場合とは、鉛バッテリ30の劣化が懸念されるバッテリ状態であることをいい、例えばバッテリSOC75%未満の状態をいう。鉛バッテリ30のリフレッシュ充電条件が成立した場合(ステップS2/YES)、エコランECU10は次のステップS3へ進む。鉛バッテリ30のリフレッシュ充電条件が成立していない場合(ステップS2/NO)は、エコランECU10はリフレッシュ充電条件が成立するまでステップS2の処理を繰り返す。
ステップS3で、エコランECU10は、鉛バッテリ30に対してリフレッシュ充電の実行を指示し、そして鉛バッテリ30は、エコランECU10の指示に基づきリフレッシュ充電を実行する。なお、エコランECU10が鉛バッテリ30に対して指示するリフレッシュ充電の制御は上述したために、その詳細な説明は省略する。エコランECU10はステップS3の処理を終えると、つづいてステップS4へ進む。
ステップS4で、エコランECU10は、車両のアイドリングストップ実施履歴を検出する。ここで、エコランECU10は、車両のイグニッションスイッチがONされている時間のうちアイドリングストップが実施された時間の比率を求めたアイドリングストップ率と、車両のアイドリングストップが実施された時間を積算したアイドリングストップ積算時間と、鉛バッテリ30が放電した電流を積算したバッテリ放電量積算値との少なくとも1つをアイドリングストップ実施履歴として検出することができる。エコランECU10はステップS4の処理を終えると、つづいてステップS5へ進む。
ステップS5で、エコランECU10は、ステップS4の検出結果に基づいてリフレッシュ充電の実行時間の第1しきい値を設定する。ここで、第1しきい値は、リフレッシュ充電の実行開始からの経過時間であって、リフレッシュ充電の実行中にアイドリングストップ条件が成立した場合に、その時点における鉛バッテリ30の性能回復と車両の燃費向上とのどちらの優先度が高いかを判断するためのしきい値であり、例えば0から30分の間で設定することができる。図5は、制御の優先度を判断するしきい値の一例を示している。アイドリングストップ率が0の場合、エコランECU10は車両のアイドリングストップ実施を優先させるために、リフレッシュ充電の実行時間が30分以上であるときにリフレッシュ充電の実行を継続させる。また、リフレッシュ充電の実行時間が30分未満のときはリフレッシュ充電を中断してアイドリングストップを実施する制御を行う。逆に、アイドリングストップ率が100%の場合は、エコランECU10は鉛バッテリ30へのリフレッシュ充電実行を優先させるために、リフレッシュ充電が開始された直後であってもアイドリングストップを実施せずにリフレッシュ充電の実行を継続させる制御を行う。このように、車両のアイドリングストップ実施履歴に基づいてリフレッシュ充電実行時間の第1しきい値を設定することで、その時点における鉛バッテリ30の性能回復と車両の燃費向上とのどちらの優先度が高いかを適確に判断することができる。エコランECU10は、ステップS5の処理を終えると次のステップS6へ進む。
ステップS6で、エコランECU10は、ステップS1の検出結果に基づいてステップS5で求めた第1しきい値を補正する。鉛バッテリ30は、例えば長期間使用したり、多数のリフレッシュ充電が実行されたりすることで、バッテリ性能が徐々に経時劣化する。そのため、第1しきい値をより低い値に補正して、バッテリ経時劣化が進行した鉛バッテリ30に対してリフレッシュ充電を実行する頻度を高くすることができる。このように、ステップS5の処理を行うことにより、バッテリの経時劣化を考慮してリフレッシュ充電とアイドリングストップとの優先度を決定できる第1しきい値を設定することができる。この場合、例えば電圧計31および電流計32より検出されるバッテリ電圧、放電量から算出されたバッテリ内部抵抗、およびバッテリSOCによって鉛バッテリ30の経時劣化を確認し、その劣化具合によって第1しきい値に補正係数を乗ずることができる(図6参照)。エコランECU10は、ステップS6の処理を終えると次のステップS7へ進む。
ステップS7で、エコランECU10は、リフレッシュ充電の実行中に車両のアイドリングストップ条件が成立したか否かを判断する。車両のアイドリングストップ条件が成立していない場合(ステップS7/NO)、エコランECU10は必要な情報をNVRAM74に保存して、制御の処理を終了する。車両のアイドリングストップ条件が成立した場合(ステップS7/YES)は、エコランECU10は次のステップS8へ進む。
ステップS8で、エコランECU10は、ステップS3で開始した鉛バッテリ30のリフレッシュ充電の実行時間が補正後の第1しきい値未満であるか否かを判断する。リフレッシュ充電の実行時間が補正後の第1しきい値未満でない場合(ステップS8/NO)、エコランECU10はリフレッシュ充電実行の優先度が高いと判断し、リフレッシュ充電を継続させて、必要な情報をNVRAM74に保存して制御の処理を終了する。リフレッシュ充電の実行時間が補正後の第1しきい値未満である場合(ステップS8/YES)は、エコランECU10はアイドリングストップ実施の優先度が高いと判断し、次のステップS9へ進む。
ステップS9で、エコランECU10は、ステップS3で鉛バッテリ30に対して指示したリフレッシュ充電の実行をキャンセルし、リフレッシュ充電を中断させる。エコランECU10は、ステップS9の処理を終えると次のステップS10へ進む。
ステップS10で、エコランECU10は、車両のアイドリングストップの実施を許可し、アイドリングストップを実施させる。ステップS10の処理を終えると、エコランECU10は必要な情報をNVRAM74に保存して、制御の処理を終了する。
次に、リフレッシュ充電の実行が成功したときにアイドリングストップ実施履歴検出手段の検出結果をキャンセルするフローを説明する。図7はエコランECU10の処理の一例を示すフローチャートである。エコランECU10の制御は、鉛バッテリ30のリフレッシュ充電が実行されると開始する。
まず、エコランECU10はステップS11で、ステップS3で実行された鉛バッテリ30のリフレッシュ充電が成功したか否かを判断する。ここで、リフレッシュ充電が成功しなかった場合とは、リフレッシュ充電の実行を開始してから所定時間(1時間)内にバッテリ電流値が±5[A]の状態にならないことを言う。鉛バッテリ30のリフレッシュ充電が成功した場合(ステップS11/YES)、エコランECU10はステップS13へ進む。鉛バッテリ30のリフレッシュ充電が成功しなかった場合(ステップS11/NO)は、エコランECU10は次のステップS12へ進む。
ステップS12で、エコランECU10は、ふたたび鉛バッテリ30に対してリフレッシュ充電の実行を指示する。ステップS12の処理を終えると、エコランECU10はステップS11に戻り、リフレッシュ充電の実行が成功するまで上記の処理を繰り返す。
ステップS13で、エコランECU10は、ステップS4で検出したアイドリングストップ実施履歴を初期化する。この処理を実行することにより、鉛バッテリ30がリフレッシュ充電を実行した直後から新たにアイドリングストップ実施履歴を検出することができ、バッテリ性能の回復後からの鉛バッテリ30の劣化具合をより正確に認識することができる。ステップS13の処理を終えると、エコランECU10は必要な情報をNVRAM74に保存して、制御の処理を終了する。
以上のように、本実施例1の車両制御システム1は、鉛バッテリ30のリフレッシュ充電の実行中に、鉛バッテリ30のリフレッシュ充電実行時間および車両のアイドリングストップ実施履歴に基づいて、リフレッシュ充電の実行とアイドリングストップの実施との優先度を判断し、その時点においてより優先度の高い方の処理を実行することができる。よって、エコラン制御を実施する車両のバッテリ劣化を効果的に抑制しつつ燃費を向上させることができる。
また、本実施例1の車両制御システム1は、鉛バッテリ30の状態に基づいて、リフレッシュ充電とアイドリングストップとの優先度を決定する第1しきい値を補正することができる。よって、バッテリの経時劣化を考慮してリフレッシュ充電の優先度を決定できるために、バッテリ経時劣化が進行した鉛バッテリ30に対してリフレッシュ充電を実行する頻度を高くすることができる。
そして、本実施例1の車両制御システム1は、鉛バッテリ30のリフレッシュ充電の実行が成功したときに、これまでに検出したアイドリングストップ実施履歴の検出結果を初期化することができる。よって、鉛バッテリ30がリフレッシュ充電を実行した直後から新たにアイドリングストップ実施履歴を検出することができ、バッテリ性能の回復後からの鉛バッテリ30の劣化具合をより正確に認識することができる。
更に、本実施例1のエコランECU10は、アイドリングストップ実施履歴検出手段により、車両のアイドリングストップ率と、アイドリングストップ積算時間と、バッテリ放電量積算値との少なくとも1つを検出することができる。これにより、車両のアイドリングストップ実施履歴、および鉛バッテリ30の劣化具合を認識することができ、その時点におけるアイドリングストップ実施とリフレッシュ充電実行との優先度を判断し、より優先度の高い方の処理を指示することができる。
次に、本発明の実施例2について説明する。本実施例の車両制御システム2は、実施例1の車両制御システム1とほぼ同様の構成となっているが、車両制御システム2は、車両のアイドリングストップ実施中にバッテリのリフレッシュ充電条件が成立したときに、アイドリングストップ実施履歴検出手段の検出結果に基づいてアイドリングストップ実施とリフレッシュ充電実行との優先度を判断する制御を実行する点で車両制御システム1と相違している。
本実施例の車両制御システム2は、実施例1と同様に車両内部にエコランECU10を備えている。このエコランECU10が、車両のアイドリングストップ実施中に鉛バッテリ30のリフレッシュ充電条件が成立したときに、アイドリングストップ実施履歴検出手段の検出結果に基づいてアイドリングストップ実施とリフレッシュ充電実行との優先度を判断する。車両制御システム2は、強制充電実行手段により鉛バッテリ30にリフレッシュ充電を実行し、鉛バッテリ30の性能を回復させる。また、車両制御システム2は、アイドリングストップ実施履歴検出手段により車両が実施したアイドリングストップの実施履歴を検出する。そして、車両制御システム2は、強制充電実行判断手段によりアイドリングストップ実施履歴検出手段の検出結果に基づいて、アイドリングストップ実施と鉛バッテリ30へのリフレッシュ充電実行との優先度を判断する制御を実行する。
つづいて、エコランECU10の制御の流れに沿って、車両制御システム2の動作を説明する。図8は、エコランECU10の処理の一例を示すフローチャートである。なお、実施例1と同様の処理については、その詳細な説明は省略する。実施例1と同様に、エコランECU10の制御は、エンジンの始動要求がされると、すなわちイグニッションスイッチがONにされると開始する。
まず、エコランECU10はステップS14で、鉛バッテリ30の状態を検出する。ここで、エコランECU10は、電圧計31から検出したバッテリ電圧値、電流計32から検出したバッテリ放電量積算値、電圧計31および電流計32の検出結果から算出したバッテリSOCおよび内部抵抗値などを鉛バッテリ30の状態として検出することができる。エコランECU10はステップS14の処理を終えると、つづいてステップS15へ進む。
ステップS15で、エコランECU10は、車両のアイドリングストップ条件が成立したか否かを判断する。ここで、アイドリングストップ条件が成立した場合とは、運転者がブレーキを踏み車両が停止状態となること等をいう。車両のアイドリングストップ条件が成立した場合(ステップS15/YES)、エコランECU10は次のステップS16へ進む。車両のアイドリングストップ条件が成立していない場合(ステップS15/NO)は、エコランECU10はアイドリングストップ条件が成立するまでステップS15の処理を繰り返す。
ステップS16で、エコランECU10は、車両のエンジンを自動停止させてアイドリングストップを実施する。エコランECU10はステップS16の処理を終えると、つづいてステップS17へ進む。
ステップS17で、エコランECU10は、車両のアイドリングストップ実施履歴を検出する。ここで、エコランECU10は、車両のイグニッションスイッチがONされている時間のうちアイドリングストップが実施された時間の比率を求めたアイドリングストップ率をアイドリングストップ実施履歴として検出する。また、実施例1と同様に、車両のアイドリングストップが実施された時間を積算したアイドリングストップ積算時間と、鉛バッテリ30が放電した電流を積算したバッテリ放電量積算値との少なくとも1つを検出し、アイドリングストップ実施履歴とすることもできる。
ここで、エコランECU10は、車両のアイドリングストップ実施中に検出されたバッテリ放電量積算値をアイドリングストップ率に変換し、ステップS17で検出されたアイドリングストップ率に加算してゆくことで、車両のアイドリングストップ率を求めることもできる(図9参照)。また、エコランECU10は、検出されたバッテリ放電量積算値に鉛バッテリ30のサイズに応じて所定の補正係数を乗することで、バッテリ放電量積算値を補正することもできる(図10参照)。エコランECU10はステップS17の処理を終えると、つづいてステップS18へ進む。
ステップS18で、エコランECU10は、ステップS14の検出結果に基づいてアイドリングストップ率の第2しきい値を補正する。このように、ステップS18の処理を行うことにより、バッテリの経時劣化を考慮してリフレッシュ充電とアイドリングストップとの優先度を決定できる第2しきい値を設定することができる。ここで、第2しきい値は、車両のアイドリングストップの実施中に鉛バッテリ30のリフレッシュ充電の実行条件が成立した場合に、鉛バッテリ30の状態およびアイドリングストップ実施履歴から、その時点における鉛バッテリ30の性能回復と車両の燃費向上とのどちらの優先度が高いかを判断するためのしきい値である。例えば、検出されたアイドリングストップ実施履歴がアイドリングストップ率の場合は25[%]から27[%]の間で設定することができ、アイドリングストップ積算時間の場合は3[時間]から6[時間]の間で設定することができ、バッテリ放電量積算値の場合は27000[A・sec]から54000[A・sec]の間で設定することができる。
ステップS18の処理を行う場合、例えば電圧計31および電流計32より検出されるバッテリ電圧、放電量から算出されたバッテリ内部抵抗、およびバッテリSOCによって鉛バッテリ30の経時劣化を確認し、その劣化具合によって第2しきい値に補正係数を乗することができる(図5参照)。エコランECU10は、ステップS18の処理を終えると次のステップS19へ進む。
ステップS19で、エコランECU10は、車両のアイドリングストップ実施中に鉛バッテリ30のリフレッシュ充電の実行条件が成立したか否かを判断する。鉛バッテリ30のリフレッシュ充電の実行条件が成立していない場合(ステップS19/NO)、エコランECU10は必要な情報をNVRAM74に保存して、制御の処理を終了する。鉛バッテリ30のリフレッシュ充電の実行条件が成立した場合(ステップS19/YES)は、エコランECU10は次のステップS20へ進む。
ステップS20で、エコランECU10は、ステップS17で検出した車両のアイドリングストップ率が補正後の第2しきい値以上であるか否かを判断する。アイドリングストップ率が補正後の第2しきい値以上でない場合(ステップS20/NO)、エコランECU10は車両のアイドリングストップ実施の優先度が高いと判断し、アイドリングストップを継続させて、必要な情報をNVRAM74に保存して制御の処理を終了する。アイドリングストップ率が補正後の第2しきい値以上である場合(ステップS20/YES)は、エコランECU10は鉛バッテリ30へのリフレッシュ充電実行の優先度が高いと判断し、次のステップS21へ進む。
ステップS21で、エコランECU10は、ステップS16で車両に対して実施したアイドリングストップを中断させる。エコランECU10は、ステップS21の処理を終えると次のステップS22へ進む。
ステップS22で、エコランECU10は、鉛バッテリ30に対してリフレッシュ充電の実行を指示し、そして鉛バッテリ30は、エコランECU10の指示に基づきリフレッシュ充電を実行する。なお、エコランECU10が鉛バッテリ30に対して指示するリフレッシュ充電の制御は上述したために、その詳細な説明は省略する。ステップS22の処理を終えると、エコランECU10は必要な情報をNVRAM74に保存して、制御の処理を終了する。
以上のように、本実施例2の車両制御システム2は、車両のアイドリングストップの実施中に、鉛バッテリ30のリフレッシュ充電実行時間および車両のアイドリングストップ実施履歴に基づいて、リフレッシュ充電の実行とアイドリングストップの実施との優先度を判断することで、その時点においてより優先度の高い方の処理を実行することができる。よって、エコラン制御を実施する車両のバッテリ劣化を効果的に抑制しつつ燃費を向上させることができる。
また、本実施例2の車両制御システム2は、鉛バッテリ30の状態に基づいて、リフレッシュ充電とアイドリングストップとの優先度を決定する第2しきい値を補正することができる。よって、バッテリの経時劣化を考慮してリフレッシュ充電の優先度を決定できるために、バッテリ経時劣化が進行した鉛バッテリ30に対してリフレッシュ充電を実行する頻度を高くすることができる。
更に、本実施例2のエコランECU10は、アイドリングストップ実施履歴検出手段により、車両のアイドリングストップ率を検出することができる。これにより、車両のアイドリングストップ率を認識し、その時点におけるアイドリングストップ実施とリフレッシュ充電実行との優先度を判断し、より優先度の高い方の処理を指示することができる。また、実施例1と同様に、エコランECU10は、アイドリングストップ実施履歴検出手段によりアイドリングストップ積算時間と、バッテリ放電量積算値との少なくとも1つを検出することもできる。
なお、本実施例2の車両制御システム2は、実施例1と同様に、鉛バッテリ30のリフレッシュ充電の実行が成功したときに、これまでに検出したアイドリングストップ実施履歴の検出結果を初期化することもできる。よって、鉛バッテリ30がリフレッシュ充電を実行した直後から新たにアイドリングストップ実施履歴を検出することができ、バッテリ性能の回復後からの鉛バッテリ30の劣化具合をより正確に認識することができる。
続いて、本発明の実施例3について説明する。本実施例の車両制御システム3は、実施例1の車両制御システム1とほぼ同様の構成となっているが、車両制御システム3は、車両がアイドリングストップを実施していない場合で、かつ鉛バッテリ30へのリフレッシュ充電が実行されていないときに、アイドリングストップ実施履歴に基づいて、リフレッシュ充電実行とアイドリングストップ実施との優先度を判断し、その時点でより優先度の高い方の処理を実行させる処理を行う点で車両制御システム1と相違している。
本発明の実施例3について図面を参照しつつ説明する。図11は、本発明のエコラン制御装置を組み込んだ車両制御システム3の概略構成の一部を示した説明図である。本実施例の車両制御システム3は、実施例1と同様に車両内部にエコランECU10を備えている。このエコランECU10が、車両がアイドリングストップを実施していない場合で、かつバッテリの強制充電が実行されていないときに、アイドリングストップ実施履歴に基づいて、リフレッシュ充電実行とアイドリングストップ実施との優先度を判断し、その時点でより優先度の高い方の処理を実行させる。また、車両制御システム3は、充電制御装置40を備えている。この充電制御装置40が、エコランECU10の指示によって鉛バッテリ30へのリフレッシュ充電の実行を制御する。車両制御システム3は、強制充電実行手段により鉛バッテリ30にリフレッシュ充電を実行し、鉛バッテリ30の性能を回復させる。そして、車両制御システム3は、アイドリングストップ実施履歴検出手段により車両が実施したアイドリングストップの実施履歴を検出する。更に、車両制御システム3は、強制充電実行判断手段によりアイドリングストップ実施履歴検出手段の検出結果に基づいて、アイドリングストップ実施と鉛バッテリ30へのリフレッシュ充電実行との優先度を判断する制御を実行する。
また、本実施例の車両制御システム3は、車両内部にトランシーバ41を備えている。このトランシーバ41が外部インフラからの情報を受信することで、エコランECU10は車両のエコラン予想時間を求めることができる。
更に、本実施例の車両制御システム3は、車両内部に表示媒体42を備えている。そして、エコランECU10はアイドリングストップ制御判定手段、強制充電成否判定手段を備えている。これによって、実行されたリフレッシュ充電が強制充電成否判定手段によって失敗であると判定された場合に、アイドリングストップ制御判定手段により車両のアイドリングストップを禁止しつつ、表示媒体42にバッテリ異常の警告を表示することで運転者に鉛バッテリ30の異常を報知することができる。
つづいて、エコランECU10の制御の流れに沿って、車両制御システム3の動作を説明する。図12は、エコランECU10の処理の一例を示すフローチャートである。なお、実施例1と同様の処理については、その詳細な説明は省略する。実施例1と同様に、エコランECU10の制御は、エンジンの始動要求がされると、すなわちイグニッションスイッチがONにされると開始する。
まず、エコランECU10はステップS23で、トランシーバ41が受信した信号や踏切などの外部インフラからの情報を受け取ることで、車両がどのくらい停車するかを算出してエコラン予想時間を求める。エコランECU10はステップS23の処理を終えると、つづいてステップS24へ進む。
ステップS24で、エコランECU10は、鉛バッテリ30の状態および車両のアイドリングストップ実施履歴を検出する。ここで、エコランECU10は、実施例1と同様に、電圧計31から検出したバッテリ電圧値、電流計32から検出したバッテリ放電量積算値、電圧計31および電流計32の検出結果から算出したバッテリSOCおよび内部抵抗値などを鉛バッテリ30の状態として検出することができる。また、エコランECU10は、車両のイグニッションスイッチがONされている時間のうちアイドリングストップが実施された時間の比率を求めたアイドリングストップ率をアイドリングストップ実施履歴として検出する。更に、実施例1と同様に、車両のアイドリングストップが実施された時間を積算したアイドリングストップ積算時間と、鉛バッテリ30が放電した電流を積算したバッテリ放電量積算値との少なくとも1つを検出し、アイドリングストップ実施履歴とすることもできる。
ここで、アイドリングストップ実施履歴の検出においてバッテリ放電量積算値が検出された場合、エコランECU10は、検出されたバッテリ放電量積算値をアイドリングストップ率に変換することもできる(図9参照)。また、エコランECU10は、検出されたバッテリ放電量積算値に鉛バッテリ30のサイズに応じて所定の補正係数を乗することで、バッテリ放電量積算値を補正することもできる(図10参照)。エコランECU10はステップS24の処理を終えると、次のステップS25へ進む。
ステップS25で、エコランECU10は、車両の各電装品の駆動状況に基づいて、各しきい値を補正する。ここで、各しきい値とは、鉛バッテリ30の内部抵抗値の第3しきい値と、バッテリ電圧値の第4しきい値と、バッテリSOCの第5しきい値と、車両のエコラン予想時間の第6しきい値と、アイドリングストップ実施履歴の第2しきい値および第7しきい値とを言う。ステップS25の処理を実行することにより、電装品への鉛バッテリ30の放電量を考慮して、リフレッシュ充電とアイドリングストップとの優先度を判断することができる。
上記の第3しきい値、第4しきい値、第5しきい値は、それぞれ鉛バッテリ30の劣化が懸念される内部抵抗値、バッテリ電圧値、バッテリSOCを適用することができる。また、車両のエコラン予想時間の第6しきい値は、アイドリングストップ実施中の鉛バッテリ30の放電量が過放電とならないアイドリングストップ時間に設定することができ、例えば3[min]に設定することができる。
アイドリングストップ実施履歴の第2しきい値は、実施例2と同様に、鉛バッテリ30の状態およびアイドリングストップ実施履歴から、その時点における鉛バッテリ30の性能回復と車両の燃費向上とのどちらの優先度が高いかを判断するためのしきい値である。例えば、検出されたアイドリングストップ実施履歴がアイドリングストップ率の場合は27[%]前後に設定することができ、アイドリングストップ積算時間の場合は6[時間]前後に設定することができ、バッテリ放電量積算値の場合は54000[A・sec]前後に設定することができる。また、アイドリングストップ実施履歴の第7しきい値は、第2しきい値と同様に、その時点における鉛バッテリ30の性能回復と車両の燃費向上とのどちらの優先度が高いかを判断するためのしきい値であって第2しきい値より小さい値である。例えば、検出されたアイドリングストップ実施履歴がアイドリングストップ率の場合は25[%]前後に設定することができ、アイドリングストップ積算時間の場合は3[時間]前後に設定することができ、バッテリ放電量積算値の場合は27000[A・sec]前後に設定することができる。車両のアイドリングストップ率、アイドリングストップ積算時間、バッテリ放電量積算値は、それぞれ時間毎に変化するものであるから、上記のようにしきい値を大小2つ設けることによって、これらの変化に影響を受けずにリフレッシュ充電とアイドリングストップとの優先度を判断することができる。エコランECU10はステップS25の処理を終えると、つづいてステップS26へ進む。
ステップS26で、エコランECU10は、ステップS24で検出されたバッテリ状態に基づいて、鉛バッテリ30が劣化傾向にあるか否かを判断する。ここで、鉛バッテリ30が劣化傾向にある場合とは、鉛バッテリ30の内部抵抗値が補正後の第3しきい値以上にある場合と、バッテリ電圧値が補正後の第4しきい値未満にある場合と、バッテリSOCが補正後の第5しきい値未満にある場合とをいう。鉛バッテリ30が劣化傾向にない場合(ステップS26/NO)、エコランECU10はステップS29へ進む。鉛バッテリ30が劣化傾向にある場合(ステップS26/YES)は、エコランECU10は次のステップS27へ進む。
ステップS27で、エコランECU10は、車両のアイドリングストップの実施を禁止する。続いて、エコランECU10はステップS28で、充電制御装置40へリフレッシュ充電の実行を指示し、鉛バッテリ30にリフレッシュ充電を実行させる。なお、エコランECU10が充電制御装置40に対して指示するリフレッシュ充電の制御は、実施例1の車両制御システム1と同一であるため、その詳細な説明は省略する。ステップS28の処理を終えると、エコランECU10は必要な情報をNVRAM74に保存して、制御の処理を終了する。
ステップS26の判断がNOであると、エコランECU10はステップS29へ進む。ステップS29で、エコランECU10は、鉛バッテリ30のリフレッシュ充電の実行が失敗したか否かを判断する。ここで、リフレッシュ充電の実行が失敗するとは、リフレッシュ充電の実行を開始してから所定時間(例えば1時間)内にバッテリ電流値が±5[A]の状態にならないことを言う。鉛バッテリ30のリフレッシュ充電の実行が失敗した場合(ステップS29/YES)、エコランECU10はステップS27に戻り、車両のアイドリングストップの実施を禁止して鉛バッテリ30にリフレッシュ充電を実行する。進む。鉛バッテリ30のリフレッシュ充電の実行が失敗していない場合(ステップS29/NO)は、エコランECU10は次のステップS30へ進む。
ステップS30で、エコランECU10は、ステップS23で求めたエコラン予想時間が補正後の第6しきい値以上であるか否かを判断する。ここで、第6しきい値については上述したためその詳細な説明は省略する。エコラン予想時間が補正後の第6しきい値以上でない場合(ステップS30/NO)、エコランECU10はステップS32へ進む。エコラン予想時間が補正後の第6しきい値以上である場合(ステップS30/YES)は、エコランECU10は次のステップS31へ進む。
ステップS31で、エコランECU10は、車両のアイドリングストップの実施を優先させる制御を実行し、アイドリングストップ条件が成立した際にエンジンを自動停止させてアイドリングストップを実施する。ステップS31の処理を終えると、エコランECU10は必要な情報をNVRAM74に保存して、制御の処理を終了する。
ステップS30の判断がNOであると、エコランECU10はステップS32へ進む。ステップS32で、エコランECU10は、ステップS24で検出したアイドリングストップ率が補正後の第7しきい値未満であるか否かを判断する。ここで、第7しきい値とは、鉛バッテリ30の状態およびアイドリングストップ実施履歴から、その時点における鉛バッテリ30の性能回復と車両の燃費向上とのどちらの優先度が高いかを判断するためのしきい値であり、例えば、アイドリングストップ率の場合は25[%]前後に設定することができる。アイドリングストップ率が補正後の第7しきい値未満である場合(ステップS32/YES)、エコランECU10はアイドリングストップ実施の優先度が高いと判断し、ステップS31へ戻り上記の処理を実行する。アイドリングストップ率が補正後の第7しきい値未満でない場合(ステップS32/NO)は、エコランECU10は次のステップS33へ進む。
ステップS33で、エコランECU10は、ステップS24で検出したアイドリングストップ率が補正後の第2しきい値以上であるか否かを判断する。ここで、第2しきい値とは、鉛バッテリ30の状態およびアイドリングストップ実施履歴から、その時点における鉛バッテリ30の性能回復と車両の燃費向上とのどちらの優先度が高いかを判断するためのしきい値であって第7しきい値よりも大きい値であり、例えば、アイドリングストップ率の場合は27[%]前後に設定することができる。アイドリングストップ率が補正後の第2しきい値以上でない場合(ステップS33/NO)、エコランECU10はアイドリングストップ実施とリフレッシュ充電実行との優先度に差がないと判断し、どちらの制御も優先させずに必要な情報をNVRAM74に保存して、制御の処理を終了する。アイドリングストップ率が補正後の第2しきい値以上である場合(ステップS33/YES)は、エコランECU10はリフレッシュ充電実行の優先度が高いと判断し、次のステップS34へ進む。
ステップS34で、エコランECU10は、鉛バッテリ30へのリフレッシュ充電の実行を優先させる制御を実行し、リフレッシュ充電条件が成立した際に充電制御装置40へリフレッシュ充電の実行を指示し、鉛バッテリ30にリフレッシュ充電を実行させる。なお、エコランECU10が鉛バッテリ30に対して指示するリフレッシュ充電の制御は上述したために、その詳細な説明は省略する。ステップS34の処理を終えると、エコランECU10は必要な情報をNVRAM74に保存して、制御の処理を終了する。
次に、リフレッシュ充電の実行が失敗したときにアイドリングストップを禁止して運転者にバッテリ異常を報知するフローを説明する。図13はエコランECU10の処理の一例を示すフローチャートである。エコランECU10の制御は、鉛バッテリ30のリフレッシュ充電が実行されると開始する。
まず、エコランECU10はステップS35で、ステップS30またはステップS34で実行された鉛バッテリ30のリフレッシュ充電が成功したか否かを判断する。ここで、リフレッシュ充電が成功しなかった場合とは、リフレッシュ充電の実行を開始してから所定時間(1時間)内にバッテリ電流値が±5[A]の状態にならないことを言う。鉛バッテリ30のリフレッシュ充電が成功しなかった場合(ステップS35/NO)、エコランECU10はステップS37へ進む。鉛バッテリ30のリフレッシュ充電が成功した場合(ステップS35/YES)は、エコランECU10は次のステップS36へ進む。
ステップS36で、エコランECU10は、ステップS24で検出したアイドリングストップ実施履歴を初期化する。この処理を実行することにより、鉛バッテリ30がリフレッシュ充電を実行した直後から新たにアイドリングストップ実施履歴を検出することができ、バッテリ性能の回復後からの鉛バッテリ30の劣化具合をより正確に認識することができる。ステップS24の処理を終えると、エコランECU10は必要な情報をNVRAM74に保存して、制御の処理を終了する。
ステップS35の判断がNOである場合、エコランECU10はステップS37へ進む。ステップS37で、エコランECU10は、鉛バッテリ30のリフレッシュ充電の失敗数が所定数以上であるか否かを判断する。ここで、所定数は、鉛バッテリ30に異常が発生し、リフレッシュ充電が実行できない状態と判断できる失敗数を適用することができる。リフレッシュ充電の失敗数が所定数以上でない場合(ステップS37/NO)、エコランECU10は鉛バッテリ30に異常が発生していないと判断し、必要な情報をNVRAM74に保存して制御の処理を終了する。リフレッシュ充電の失敗数が所定数以上である場合(ステップS37/YES)は、エコランECU10は鉛バッテリ30に異常が発生していると判断し、次のステップS38へ進む。
ステップS38で、エコランECU10は、車両のアイドリングストップの実施を禁止する。続いて、エコランECU10はステップS39で、表示媒体42に警告表示し、運転者等へ鉛バッテリ30の異常を報知する。なお、表示媒体42への警告表示は、正常なバッテリと交換されるまで継続させることができる。ステップS39の処理を終えると、エコランECU10は必要な情報をNVRAM74に保存して、制御の処理を終了する。
以上のように、本実施例3の車両制御システム3は、車両がアイドリングストップを実施していない場合で、かつ鉛バッテリ30へのリフレッシュ充電が実行されていないときに、アイドリングストップ実施履歴に基づいて、リフレッシュ充電実行とアイドリングストップ実施との優先度を判断し、その時点でより優先度の高い方の処理を実行することができる。よって、エコラン制御を実施する車両のバッテリ劣化を効果的に抑制しつつ燃費を向上させることができる。
また、本実施例3の車両制御システム3は、トランシーバ41が外部インフラからの情報を受信することで、車両のエコラン予想時間を求めることができる。よって、車両のエコラン予想時間が、鉛バッテリ30が過放電とならない時間である場合に、アイドリングストップの実施を優先することで車両の燃費を向上させることができる。
更に、本実施例の車両制御システム3は、リフレッシュ充電の失敗が所定数以上となったときに、車両のアイドリングストップを禁止しつつ、表示媒体42にバッテリ異常の警告を表示することができる。よって、バッテリ異常時におけるアイドリングストップの実施を回避しつつ、運転者等に鉛バッテリ30の異常を報知しバッテリ交換を促すことができる。
上記実施例は本発明を実施するための一例にすぎない。よって本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1 車両制御システム
10 エコランECU(バッテリ制御手段)
11 電源ライン
12 トランジスタ
13 配線
14 キーSW
15 ニュートラルSW
16 スタータリレー
17 スタータモータ
18 オルタネータ
21 エンジンECU
30 鉛バッテリ
31 電圧計
32 電流計
71 CPU
72 ROM
73 RAM
74 NVRAM

Claims (10)

  1. 所定の停止条件が成立するとエンジンを自動で停止するとともに、所定の再始動条件が成立すると停止した前記エンジンを再始動するアイドリングストップ制御を行うエコラン制御装置であって、
    所定の充電条件が成立すると車両の走行中に充電可能な電圧値よりも高い電圧値にてバッテリを強制充電する強制充電実行手段と、
    前記強制充電の実行が開始されてからの時間を検出する強制充電実行時間検出手段と、
    前記アイドリングストップ制御の実施履歴を検出するアイドリングストップ実施履歴検出手段と、
    前記強制充電の実行中に前記エンジンの停止条件が成立したときに、前記強制充電の実行を継続するか否かを判断する強制充電実行判断手段とを備え、
    前記強制充電実行判断手段は、前記アイドリングストップ実施履歴検出手段の検出結果に基づいて第1しきい値を設定し、前記強制充電実行時間検出手段の検出結果が第1しきい値よりも小さいときはアイドリングストップの実施を優先させ、前記検出結果が第1しきい値以上であるときは前記強制充電の実行を優先させることを特徴とするエコラン制御装置。
  2. 前記強制充電実行判断手段は、前記バッテリの内部抵抗値と、前記バッテリの電圧値と、前記バッテリのSOC(State Of Charge)との少なくとも1つに基づいて、前記第1しきい値を補正することを特徴とする請求項1記載のエコラン制御装置。
  3. 前記強制充電実行判断手段は、前記車両がアイドリングストップを実施していない場合で、かつ前記バッテリの強制充電が実行されていないときに、前記強制充電を実行するか否かの判断を、前記アイドリングストップ実施履歴検出手段の検出結果に基づいて判断することを特徴とする請求項1または2記載のエコラン制御装置。
  4. 所定の停止条件が成立するとエンジンを自動で停止するとともに、所定の再始動条件が成立すると停止した前記エンジンを再始動するアイドリングストップ制御を行うエコラン制御装置であって、
    所定の充電条件が成立すると車両の走行中に充電可能な電圧値よりも高い電圧値にてバッテリを強制充電する強制充電実行手段と、
    前記アイドリングストップ制御の実施履歴を検出するアイドリングストップ実施履歴検出手段と、
    前記車両がアイドリングストップを実施していない場合で、かつ前記バッテリの強制充電が実行されていないときに、前記強制充電を実行するか否かを判断する強制充電実行判断手段とを備え、
    前記強制充電実行判断手段は、前記アイドリングストップ実施履歴検出手段の検出結果が第2しきい値よりも小さいときはアイドリングストップの実施を優先させ、前記検出結果が第2しきい値以上であるときは前記強制充電の実行を優先させることを特徴とするエコラン制御装置。
  5. 前記強制充電実行判断手段は、前記車両の電装品の駆動状況に応じて前記第2しきい値を変更することを特徴とする請求項4記載のエコラン制御装置。
  6. 前記強制充電実行判断手段は、前記バッテリの内部抵抗値が第3しきい値以上である場合と、前記バッテリの電圧値が第4しきい値よりも小さい場合と、前記バッテリのSOC(State Of Charge)が第5しきい値よりも小さい場合との少なくとも1つを満たすときは、前記強制充電の実行を優先させることを特徴とする請求項4または5記載のエコラン制御装置。
  7. 前記アイドリングストップ実施履歴検出手段は、前記車両のアイドリングストップ率と、アイドリングストップ積算時間と、バッテリ放電量積算値との少なくとも1つを検出することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載のエコラン制御装置。
  8. 前記車両の外部から提供される情報を受信し、当該受信結果に基づいて前記車両が実施するアイドリングストップ時間を予想するアイドリングストップ予想時間算出手段を備え、
    前記強制充電実行判断手段は、前記アイドリングストップ予想時間算出手段の算出結果が第6しきい値以上であるときは、前記アイドリングストップの実施を優先することを特徴とする請求項4から7のいずれか1項記載のエコラン制御装置。
  9. 前記車両の停止時に前記アイドリングストップ制御を実施するか否かを判定するアイドリングストップ制御判定手段と、
    前記強制充電の実行が成功したか失敗したかを判定する強制充電成否判定手段とを備え、
    前記アイドリングストップ制御判定手段は、前記強制充電成否判定手段の判定結果が失敗であるときに、前記車両のアイドリングストップの実施を禁止することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載のエコラン制御装置。
  10. 前記強制充電実行判断手段は、前記強制充電が実行されて、かつ前記強制充電成否判定手段の判定結果が成功であるときに、前記アイドリングストップ実施履歴検出手段の検出結果をキャンセルすることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項記載のエコラン制御装置。

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