JP2010248318A - 光学用成形体 - Google Patents
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Abstract
本発明は、透明性が良好で熱によって変形を起こしにくく、成形時に成形不良を起こしにくい光学用成形体を提供する
【解決手段】
(I)スチレン系単量体単位とメタクリル酸エステル系単量体単位の質量比が1:99〜25:75であり、(II)残存メタクリル酸エステル系化合物濃度が1000ppm以下であり、(III)ビカット軟化点が107°C以上であるスチレン−メタクリル酸エステル系共重合体からなる光学用成形体を構成とする。
【選択図】なし
Description
本願明細書において、「〜」という記号は「以上」及び「以下」を意味する。例えば、「A〜B」なる記載は、A以上でありB以下であることを意味する。
本願明細書において、「光学用成形体」とは、例えば、導光板、拡散板、レンズ等に代表される、光学用途に用いる部材を意味する。
本発明で使用する光学用成形体は、スチレン系単量体単位およびメタクリル酸エステル系単量体単位で構成されるスチレン−メタクリル酸エステル系共重合体からなる。
Mwが7万以上であると強い成形体が得られ、15万以下であると射出成形時の加工性が良好となる。またMw/Mnが1.7以上であると押出成形時の加工性が良好となり、2.3以下であると強い成形体を得ることができる。なお、MwやMw/Mnは重合時の温度や重合開始剤量等で調整できる。
攪拌翼に多段パドルを備えた容積20Lの完全混合型連続反応槽、容積11Lの塔式プラグフロー型連続反応槽、および予熱器を付したフラッシュ型脱揮槽を直列に接続した。メタクリル酸メチル79.2質量%、スチレン8.8質量%、およびエチルベンゼン12.0質量%で構成する溶液に対し、t-ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート(1時間半減期温度118°C)0.009質量%、およびn-ドデシルメルカプタン0.32質量%を混合し、原料溶液とした。温度125°Cに制御した完全混合型連続反応槽に、上記の原料溶液を毎時3.9kgで供給した。完全混合型連続反応槽出口における転化率は57質量%であった。入り口から出口への温度勾配が、120°Cから150°Cの勾配がつく様に調整した塔式プラグフロー型連続反応槽に、この重合溶液を導いたところ、塔式プラグフロー型連続反応槽出口での転化率は77質量%であった。この重合溶液を予熱器で230°Cに加温しながら、1.3kPa.Aに減圧したフラッシュ型脱揮槽に導入し、槽内温度235°Cで未反応単量体および溶剤のエチルベンゼンを除去した。樹脂をギアポンプで抜き出し、ストランド状に押出し、切断することでペレット形状の共重合体を得た。
得られた共重合体は、Mw=7.8万、Mw/Mn=1.9であった。
メタクリル酸メチル79.8質量%、スチレン2.2質量%、およびエチルベンゼン18.0質量%で構成する溶液に対し、t-ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート(1時間半減期温度118°C)0.006質量%、およびn-ドデシルメルカプタン0.32質量%を混合し、原料溶液とした。それ以外は、試験例1に示した方法と同様に行った。
得られた共重合体は、Mw=8.4万、Mw/Mn=2.0であった。
メタクリル酸メチル65.5質量%、スチレン19.5質量%およびエチルベンゼン15%で構成する溶液に対し、t-ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート(1時間半減期温度118°C)0.02質量%、およびn-ドデシルメルカプタン0.32質量%を混合し、原料溶液とした。それ以外は、試験例1に示した方法と同様に行った。
得られた共重合体は、Mw=7.6万、Mw/Mn=2.1であった。
メタクリル酸メチル76.6質量%、スチレン8.8質量%、アクリル酸メチル2.6質量%およびエチルベンゼン12.0質量%で構成する溶液に対し、t-ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート(1時間半減期温度118°C)0.009質量%、およびn-ドデシルメルカプタン0.32質量%を混合し、原料溶液とした。それ以外は、試験例1に示した方法と同様に行った。
得られた共重合体は、Mw=8.0万、Mw/Mn=2.0であった。
メタクリル酸メチル80質量%およびエチルベンゼン20%で構成する溶液に対し、t-ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート(1時間半減期温度118°C)0.006質量%、およびn-ドデシルメルカプタン0.32質量%を混合し、原料溶液とした。それ以外は、試験例1に示した方法と同様に行った。
得られた共重合体は、Mw=8.3万、Mw/Mn=2.0であった。
メタクリル酸メチル51質量%、スチレン34質量%およびエチルベンゼン15%で構成する溶液に対し、t-ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート(1時間半減期温度118°C)0.05質量%、およびn-ドデシルメルカプタン0.32質量%を混合し、原料溶液とした。それ以外は、試験例1に示した方法と同様に行った。
得られた共重合体は、Mw=7.7万、Mw/Mn=1.9であった。
試験例1に示したペレット形状の共重合体を真空脱揮しながら、目開き5μmのメッシュを通じて再び押出し、ペレット形状の樹脂生成物とした。これを80°Cで3時間以上乾燥し、東芝機械社製射出成形機(IS130)を用いて、シリンダー温度250°C、金型温度70°Cの条件で縦126mm×横126mm×厚さ3mmの平板を成形した。
この平板を用いて、下記(1)〜(6)の測定および評価を行った。得られた結果を表1に示す。
試験例1に示したペレット形状の共重合体を80°Cで3時間以上乾燥し、東芝機械社製射出成形機(IS130)を用いて、シリンダー温度250°C、金型温度70°Cの条件で縦126mm×横126mm×厚さ3mmの平板を成形した。この平板を用いて、下記(1)〜(6)の測定および評価を行った。得られた結果を表1に示す。
試験例2に示したペレット形状の共重合体を用いた以外は、実施例1に示した条件で成形体を得た。得られた結果を表1に示す。
試験例3に示したペレット形状の共重合体を用いた以外は、実施例1に示した条件で成形体を得た。得られた結果を表1に示す。
試験例4に示したペレット形状の共重合体を用いた以外は、実施例1に示した条件で成形体を得た。得られた結果を表1に示す。
試験例5に示したペレット形状の共重合体を用いた以外は、比較例1に示した条件で成形体を得た。得られた結果を表1に示す。
試験例6に示したペレット形状の共重合体用いた以外は、実施例1に示した条件で成形体を得た。得られた結果を表1に示す。
(1)残存メタクリル酸エステル系化合物量
共重合体中の残存メタクリル酸エステル系化合物量は、下記のGC測定条件で測定した。
装置:島津製作所社製 GC12A FID検出器
カラム:ガラスカラム 3mmφ×3m
充填剤:ポリエチレングリコール
キャリアー:窒素
温度:カラム115 °C、注入口220 °C
試料ペレット0.5g、シクロペンタン0.001gをN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させ、シクロペンタンを内部標準として測定した。
東芝機械株社製射出成形機(IS−80CNV)を用いて、シリンダー温度220°Cで縦12.7mm×横64mm×厚さ6.4mmの試験片を成形した。この試験片を用いてJIS−K7206に準拠し、荷重49.0Nの条件で測定した。
各実施例および比較例の成形体の端面を研磨し滑らかにした。
次に、以下に示す測定方法で平行光線透過率Y(%)を測定した。
装置:日本電色工業社製測定器(ASA−300A)
光路:研磨面を垂直に通過する部分
平行光線透過率をY (%)、屈折率をn、反射率をR(%)として、光損失率(%)を次の計算式によって算出した。
光損失率(%)= 100 − (Y +2R)
但し、R(%) =(n−1)2 /(n+1)2 ×100
共重合体の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)は下記のGPC測定条件で測定した。
装置:昭和電工製 SYSTEM−21 Shodex
カラム:PLGel MIXED−Bを3本直列
温度:40℃
検出器:示差屈折率
溶媒:テトラヒドロフラン
濃度:2質量%
検量線:PL社製標準ポリスチレンを用いて作成し、平均分子量はポリスチレン換算値で表した。
ビカット軟化点測定において、ビカット軟化点が107℃以上のものを○、104℃以下のものを×とした。
実施例、比較例に示した成形の条件において、ある時点からの成形品を5個連続で採取し、これを1サイクルとする。1サイクル中の成形品の中で成形不良が一つも発生しない場合、そのサイクルを「可」とし、一つ以上発生した場合、そのサイクルを「不可」とする。これを5サイクル繰り返し、5サイクル中で「不可」が1度もないものに「0」、1度以上あるものに「1」を付した。
Claims (2)
- (I)スチレン系単量体単位とメタクリル酸エステル系単量体単位の質量比が1:99〜25:75であり、(II)残存メタクリル酸エステル系化合物濃度が1000ppm以下であり、(III)ビカット軟化点が107°C以上であるスチレン−メタクリル酸エステル系共重合体からなる光学用成形体。
- 導光板である請求項1記載の光学用成形体。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014513324A (ja) * | 2011-04-13 | 2014-05-29 | エルジー・ケム・リミテッド | 連続塊状重合法による光学フィルム用樹脂組成物の製造方法、これを用いた光学フィルム及び偏光板の製造方法 |
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US9346225B2 (en) | 2011-04-13 | 2016-05-24 | Lg Chem, Ltd. | Method of preparing resin composition for optical film by using continuous bulk polymerization and methods of preparing optical film and polarizing plate using the resin composition |
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