JP2010246456A - パン生地及びパン - Google Patents

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Abstract

【課題】イーストを使用したパン生地であって、ソフトでしとりが感じられるケーキ様の食感を有するパンを製造することができるパン生地を提供すること。
【解決手段】水和させた乳化剤を添加した生地をブレークダウン状態になるまで混捏したことを特徴とするパン生地である。水和させた乳化剤の添加量は、生地に含まれる小麦粉類100質量部に対し、0.005〜0.5質量部であることが好ましい。また、水和させた乳化剤は油中水型乳化物の形態で含有されることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、ケーキ様の食感を有するパンを提供することができるパン生地に関する。
ベーカリー生地は、その小麦粉と水の比によりドウ・バッター・ショートペーストに分類可能である。(非特許文献1参照)
そして得られるベーカリー食品は、ドウからは粘弾性がありヒキのある食感を有するものが得られ、バッターからはソフトでしとりが感じられる食感を有するものが得られ、ショートペーストからはショートネスのあるパリパリ〜さくさくした食感を有するものが得られる。
一般に、パン類はドウを使用し、ケーキ類はバッターを、そして、クッキーはショートペーストが用いられる。
しかし最近は、ドウを使用したパン類であっても、バッターを使用したケーキのようなソフトでしとりが感じられる食感が求められている。
このような食感を呈するパン類としては例えば、ブリオッシュがある。このブリオッシュは、卵と油脂を大量に練り込んだ生地を焼成して得られる。このブリオッシュ生地の製法としては、一般の製パン法、すなわち、小麦粉、イースト、水、卵、糖類を混捏してグルテンを出した生地に油脂を練り込む方法によって製造されたり、油脂、卵、糖類をシュガーバッター法で起泡させ、ここに小麦粉、イースト、水を添加していくベーシックスイートドウ方式によって製造される。このようなブリオッシュはソフトでしとりが感じられる食感を呈するパンではあるが、その効果は油脂や卵が多いリッチな生地配合であることに由来する。
そのため、油脂や卵が少ないパン、すなわちリーンな生地配合のパンであっても、ソフトでしとりが感じられるケーキのような食感を得ることができる製パン方法が求められている。
このような目的のためには、例えば、捏ね上げたパン生地を圧延し、次いで最終生地厚が8〜30mmとなるように成形し、さらにホイロ工程を取った後、焼成することを特徴とするケーキ様の食感を有するパン類の製造方法(例えば特許文献1参照)や、小麦粉100重量部に対し、イースト及び水20〜40重量部を添加混合して、ボロボロ状態の生地とした後、これに油脂15〜50重量部を添加混合してかたまり状態の生地を作成し、次いでこれを圧延する方法(例えば特許文献2参照)が紹介されている。
しかし、特許文献1に記載の製パン法は、単にパン生地を薄く拡げて焼成することで得られるものであり、特定の形状のパンしか得られないという問題があった。また、特許文献2に記載の製パン法は、グルテンを出さないように生地を製造するものであり、この方法であるとソフトではあるが、しとりが感じられにくく、小麦粉を油脂でコーティングしてから製パン工程に入るため、糊化が抑制され、粉っぽい食感になってしまうおそれがあった。また、この製造方法であっても水を追加添加してからはグルテンが出ないように慎重に混合することが必要であり、安定した品質のパン類が得られないという問題があった。
特開2003−9759号公報 特開2005−168377号公報
製菓理論 基本生地とその応用 松田兼一著 昭和62年11月1日刊 p14〜17
従って、本発明の目的は、イーストを使用したパン生地であって、ソフトでしとりが感じられるケーキ様の食感を有するパンを製造することができるパン生地を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく種々検討した結果、水和させた乳化剤を添加した生地をブレークダウン状態になるまで混捏したことを特徴とするパン生地を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明のパン生地によれば、ソフトでしとりが感じられるケーキ様の食感を有するパンを製造することが可能である。
以下、本発明で用いる生地について詳述する。
本発明で用いる生地には水和させた乳化剤を添加する。
上記の水和させた乳化剤の種類としては、飽和若しくは不飽和脂肪酸によるモノグリセライド、ジアセチル酒石酸モノグリセライド、コハク酸モノグリセライド、クエン酸モノグリセライド、乳酸モノグリセライド、酢酸モノグリセライド、ジグリセライド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、シュガーエステル、シュガーポリエステル等が挙げられ、中でも、モノグリセライド、ジアセチル酒石酸モノグリセライド、コハク酸モノグリセライド、ポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましく、これらを単独使用又は二種以上併用される。上記の水和させた乳化剤を構成する脂肪酸の鎖長、即ち炭素数は特に制限されないが、炭素数12〜24が一般的である。
上記の水和させた乳化剤の添加量は、生地に含まれる小麦粉類100質量部に対し、好ましくは0.005〜0.5質量部、さらに好ましくは0.01〜0.3質量部、最も好ましくは0.05〜0.15質量部である。なおこの水和させた乳化剤の添加量は、水和させた乳化剤に含まれる水分を除いた、純乳化剤の量である。
上記の水和させた乳化剤の添加量が、上記の生地に含まれる小麦粉類100質量部に対し、0.005質量部よりも少ないとソフトさが得られにくく、またしとりが感じらにくく、生地に含まれる小麦粉類100質量部に対し、0.5質量部よりも水和させた乳化剤の量を増やしても、その効果が向上しない。
上記の水和させた乳化剤は、親水基が表面に向けて配列した状態にあり、通常の表面が親油性の乳化剤よりも水や生地に対する分散性が改善されている。本発明で用いる生地において、水和させた乳化剤を用いず、通常の表面が親油性の乳化剤を用いるとソフトでしとりが感じられるケーキ様の食感が得られにくいため好ましくない。
上記の生地は、小麦粉類に、油脂(下記の水和させた乳化剤を含有する油中水型乳化物を含む)、イースト、水及び水和させた乳化剤と、必要に応じてそのほかの副原料を加えて混捏したものであり、具体的には食パン生地、菓子パン生地、ドーナツ生地などを挙げることができる。
上記の生地で用いる小麦粉類としては、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム粉、全粒粉、胚芽等が挙げられ、特に強力粉のみまたは、強力粉と薄力粉の併用が好ましい。
上記の油脂としては、特に限定されないが、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油などの各種植物油脂、動物油脂並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される一又は二以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。本発明においては、これらの油脂を単独で用いることもでき、又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。
上記の油脂が乳化物である場合、その乳化形態は、油中水型、水中油型、及び二重乳化型のいずれでも構わないが、後述のように、油中水型乳化物の形態で使用することが好ましい。また上記の油脂としては、例えば、ショートニング、マーガリン、バター等の可塑性油脂組成物の形態で使用することが好ましい。
上記の生地における油脂の含有量は、上記小麦粉類100質量部に対し、油脂の純分として好ましくは1〜50質量部、さらに好ましくは5〜40質量部、最も好ましくは10〜30質量部である。上記油脂の含有量が1質量部よりも少ないと生地が硬くとなりやすく、50質量部よりも多いと生地がべたつきやすい。
本発明では、上記の水和させた乳化剤は油中水型乳化物の形態で生地に含有されることが好ましい。これは、水和させた乳化剤の生地への分散性が向上するためである。
ここで上記の水和させた乳化剤を含有する油中水型乳化物について説明する。
上記の油中水型乳化物中の上記の水和させた乳化剤の含有量は好ましくは0.05〜35質量%、さらに好ましくは0.1〜20質量%である。上記の油中水型乳化物中の水和させた乳化剤の含有量が0.05質量%よりも少ないと、ソフトさが得られにくく、またしとりが感じられにくく、35質量%よりも水和させた乳化剤の量を増やしても、その効果が向上しない。なお、上記の油中水型乳化物中の上記の水和させた乳化剤の含有量は、水和させた乳化剤に含まれる水分を除いた、純乳化剤の量である。
上記の油中水型乳化物は、さらに乳化剤として、構成脂肪酸中にトランス型のモノエン酸を5〜100モル%含むモノグリセライド(以下、トランス型不飽和モノグリセライドという)を含有することが好ましい。
上記のトランス型不飽和モノグリセライドの構成脂肪酸の炭素数は特に制限されないが、炭素数12〜24が一般的である。また、シス型及びトランス型にかかわらず、不飽和モノグリセライドを構成する脂肪酸は、実質的にモノエン酸であり、上記トランス型不飽和モノグリセライドは、その全構成脂肪酸中に、トランス型のモノエン酸を好ましくは5〜100モル%、さらに好ましくは10〜70モル%、最も好ましくは15〜70モル%含有する。上記のトランス型不飽和モノグリセライドの全構成脂肪酸中、トランス型のモノエン酸の含量が5モル%未満では、シス型不飽和モノグリセライドに近づくため、乳化安定性は確保されるが可塑性が著しく損なわれたものとなりやすい。
尚、構成脂肪酸中のトランス型のモノエン酸の比率の測定法としては、IR法やガスクロマトグラフ法が良く知られている。
上記油中水型乳化物中のトランス型不飽和モノグリセライドの含有量は、トランス型のモノエン酸の含有量にもよるが、好ましくは0.1〜2質量%、さらに好ましくは0.5〜2質量%、最も好ましくは0.7〜1.5質量%である。トランス型不飽和モノグリセライドの含有量が0.1質量%よりも少ないと十分な乳化の安定性が得られにくく、2質量%よりも多いと可塑性が損なわれやすい。
上記油中水型乳化物は糊剤を含有することが、良好な可塑性を得る点で好ましい。ここで用いられる糊剤としては、澱粉や増粘安定剤の中から選ばれた1種または2種以上を用いることが好ましい。
上記の澱粉としては、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉、米澱粉、モチ米澱粉などの澱粉や、これらの澱粉をアミラーゼなどの酵素で処理したものや、α化処理、分解処理、エーテル化処理、エステル化処理、架橋処理、グラフト化処理などの中から選ばれた1種又は2種以上の処理を施した化工澱粉などが挙げられ、これらの澱粉の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記の増粘安定剤としては、キサンタンガム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、グアガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、ペクチン、プルラン、タマリンドシードガム、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、ファーセルラン、タラガム、カラヤガム、トラガントガム、ジェランガム、大豆多糖類などが挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
特に上記油中水型乳化物で用いる糊剤としては、澱粉、グアガム、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ペクチンの中から選ばれた1種または2種以上を用いることが好ましい。
上記油中水型乳化物中の糊剤の含有量は、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.3〜5質量%、最も好ましくは0.5〜2質量%である。糊剤の含有量が0.1質量%よりも少ないと十分な乳化安定性が得られにくく、10質量%よりも多いと水相粘度の過度の増大や油中水型乳化物の食感がザラツキやすい。
さらに上記油中水型乳化物は必要により、そのほかの材料として、水和させた乳化剤やトランス型不飽和モノグリセライド以外の乳化剤(例えば、グリセリン脂肪酸エステル・グリセリン酢酸脂肪酸エステル・グリセリン乳酸脂肪酸エステル・グリセリンコハク酸脂肪酸エステル・グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル・ソルビタン脂肪酸エステル・ショ糖脂肪酸エステル・ショ糖酢酸イソ酪酸エステル・ポリグリセリン脂肪酸エステル・ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル・プロピレングリコール脂肪酸エステル・ステアロイル乳酸カルシウム・ステアロイル乳酸ナトリウム・ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド・レシチン)、卵類、天然水や水道水などの水、糖類や甘味料、β―カロチン・カラメル・紅麹色素などの着色料、トコフェロール・茶抽出物などの酸化防止剤、デキストリン、カゼイン・ホエー・クリーム・脱脂粉乳・発酵乳・牛乳・全粉乳・ヨーグルト・練乳・加糖練乳・全脂練乳・脱脂練乳・濃縮乳・純生クリーム・ホイップ用クリーム(コンパウンドクリーム)・植物性ホイップ用クリームなどの乳や乳製品、ナチュラルチーズ・プロセスチーズ・クリームチーズ・ゴーダチーズ・チェダーチーズなどのチーズ類、原料アルコール、焼酎・ウイスキー・ウオッカ・ブランデーなどの蒸留酒、ワイン・日本酒・ビールなどの醸造酒、各種リキュール、無機塩類、食塩、カカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品、ハーブ、豆類、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、保存料、苦味料、酸味料、pH調整剤、日持ち向上剤、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、調味料、香辛料、香料、野菜類・肉類・魚介類などの食品素材、コンソメ・ブイヨンなどの植物及び動物エキス、食品添加物などを使用することができる。その他の材料は、本発明の目的を損なわない限り、任意に使用することができるが、好ましくは、上記油中水型乳化物中、70質量%以下である。
上記油中水型乳化物の油相と水相の割合は、質量比率で好ましくは、油相:水相=30:70〜70:30、さらに好ましくは油相:水相は40:60〜60:40である。
上記の油中水型乳化物の製造方法は、油脂に、必要によりトランス型不飽和モノグリセライドやその他の材料を添加した油相と、水和させた乳化剤や必要によりその他の材料を添加した水相を乳化し、油中水型の乳化物とする。
そして、次に殺菌処理するのが望ましい。殺菌方法は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でも構わない。次に、冷却し、必要により可塑化する。本発明において、冷却条件は好ましくは−0.5℃/分以上、さらに好ましくは−5℃/分以上とする。この際、徐冷却より急速冷却の方が好ましい。冷却する機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えばボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせ等が挙げられる。
また、上記の油中水型乳化物を製造する際のいずれかの製造工程で、窒素、空気等を含気させても、含気させなくても構わない。
上記の生地で用いるイーストとしては、ドライイースト、生イースト、冷蔵パン用イースト、冷凍パン用イースト等が挙げられる。本発明ではこれらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記のイーストは、上記小麦粉類100質量部に対して、好ましくは、生イーストであれば2〜6質量部、特に2〜4質量部、ドライイーストであれば0.2〜2質量部、特に0.5〜1.5質量部である。
上記の生地で用いる水としては、天然水や水道水の他に、水分を含む材料中の水分も含むものとする。水分を含む材料としては、牛乳、濃縮乳、クリームなどの乳や乳製品、全卵、生卵黄、生卵白、酵素処理全卵、酵素処理卵黄などの卵類、液糖などが挙げられる。また油脂が乳化物の形態である場合には、上記水の含有量とは、該乳化物に含まれる水分をも含む。
上記の水は、上記小麦粉類100質量部に対して、好ましくは45〜85質量部、さらに好ましくは55〜65質量部である。
上記の生地は糖類や甘味料を含有することが、パンの発酵調整と良好な風味を付与する点で好ましい。上記の糖類や甘味料としては、上白糖、グラニュー糖、粉糖、ブドウ糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、乳糖、液糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、蔗糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、還元乳糖、還元水飴、ソルビトール、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、はちみつ、スクラロース、ステビア、アスパルテーム、ソーマチン、サッカリン、ネオテーム、アセスルファムカリウム、甘草などが挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記の生地における糖類や甘味料の含有量は、パンの種類によって異なるが、上記小麦粉類100質量部に対し、固形分換算で3〜50質量部を用いることが好ましい。
上記の生地は必要によりその他の材料として以下のものを使用することができる。例えば、澱粉、増粘安定剤、β−カロチン・カラメル・紅麹色素などの着色料、トコフェロール・茶抽出物などの酸化防止剤、デキストリン、カゼイン・ホエー・クリーム・脱脂粉乳・発酵乳・牛乳・全粉乳・ヨーグルト・練乳・加糖練乳・全脂練乳・脱脂練乳・濃縮乳・純生クリーム・ホイップ用クリーム(コンパウンドクリーム)・植物性ホイップ用クリームなどの乳や乳製品、ナチュラルチーズ・プロセスチーズ・クリームチーズ・ゴーダチーズ・チェダーチーズなどのチーズ類、全卵・生卵黄・生卵白・殺菌全卵・殺菌卵黄・殺菌卵白・加塩全卵・加塩卵黄・加塩卵白・加糖全卵・加糖卵黄・加糖卵白・酵素処理全卵・酵素処理卵黄などの卵類、原料アルコール、焼酎・ウイスキー・ウオッカ・ブランデーなどの蒸留酒、ワイン・日本酒・ビールなどの醸造酒、各種リキュール、グリセリン脂肪酸エステル・グリセリン酢酸脂肪酸エステル・グリセリン乳酸脂肪酸エステル・グリセリンコハク酸脂肪酸エステル・グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル・ソルビタン脂肪酸エステル・ショ糖脂肪酸エステル・ショ糖酢酸イソ酪酸エステル・ポリグリセリン脂肪酸エステル・ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル・プロピレングリコール脂肪酸エステル・ステアロイル乳酸カルシウム・ステアロイル乳酸ナトリウム・ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド・レシチンなどの乳化剤、膨張剤、無機塩類、食塩、ベーキングパウダー、生地改良剤、カカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品、ハーブ、豆類、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、保存料、苦味料、酸味料、pH調整剤、日持ち向上剤、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、調味料、香辛料、香料、野菜類・肉類・魚介類などの食品素材、コンソメ・ブイヨンなどの植物及び動物エキス、食品添加物などを挙げることができる。その他の材料は、本発明の目的を損なわない限り、任意に使用することができるが、好ましくは、上記小麦粉類100質量部に対して合計で200質量部以下となる範囲で使用する。
上記の生地は速成法、ストレート法、中種法、液種法、サワー種法、酒種法、ホップ種法、中麺法、チョリーウッド法、連続製パン法、冷蔵生地法、冷凍生地法等の製パン法を適宜選択して製造することができる。上記冷凍生地法は、混涅直後に冷凍する板生地冷凍法、分割丸め後に生地を冷凍する玉生地冷凍法、成型後に生地を冷凍する成型冷凍法、最終発酵(ホイロ)後に生地を冷凍するホイロ済み冷凍法等の種々の方法が採用できる。
本発明のパン生地は、上記の製造方法により得られた、小麦粉類に、油脂、イースト、水及び水和させた乳化剤と、必要に応じてそのほかの副原料を加えて混捏した生地をブレークダウン状態になるまで混捏する。
上記のブレークダウン状態について説明する。
一般にパン生地は、ミキシング段階によりピックアップ状態、クリーンナップ状態、ディベロップメント状態、ファイナル状態、レットダウン状態、ブレークダウン状態の6段階に分けられる。
上記のピックアップ状態は、原材料に水を加えて小麦粉が水を吸い上げる状態である。
材料の混合は均一ではなく、とりあえず生地がひとかたまりになった状態で、ベタベタしている状態である。
上記のクリーンナップ状態は、生地のつながりが出来てまとまるが、グルテンの結合が弱くて生地が均一に広がらない状態である。
上記のディベロップメント状態は、生地中のグルテンの結合と水和が進み、生地表面にツヤがでてなめらかで、生地を広げると伸展性がある状態である。
上記のファイナル状態は、生地中のグルテン結合と生地の伸展性のピークとなるポイントである。生地は薄くなめらかに広げることが出来、ベタつかず、むしろ乾いた印象を受ける表面である。
上記のレットダウン状態は、生地が弾力を失い、ベタつく状態であり、広げた生地は抵抗無く、薄く延びてダレた状態である。麩切れ段階とも呼ばれる。
上記のブレークダウン状態は、生地がベタつき弾力を失い、トロトロの状態である。
一般的なパン生地はレットダウン状態以前の生地を用いる。例えばサワー種のドイツパンはピックアップ状態とクリーンナップ状態の間の状態の生地を、長時間発酵のフランスパンはクリーンナップ状態とディベロップメント状態の間の状態の生地を、フランスパンはディベロップメント状態とファイナル状態の間の状態の生地を、中種法食パン、冷蔵生地、冷凍生地、ハンバーガーバンスは、ファイナル状態とレットダウン状態の間の状態の生地を用いる。
つまり、通常のパン生地でブレークダウン状態になるまで混捏することはなかった。
本発明は、水和させた乳化剤を含有する生地をブレークダウン状態になるまで混捏したパン生地である。本発明においてブレークダウン状態になるまで混捏したパン生地でないとパン生地を焼成したパンの食感がケーキ様とはならず、一般的なパンの食感となるので好ましくない。
得られたパン生地はフロアータイム、分割、ベンチタイム、成形(型入れ)、ホイロ、焼成工程を経て、ケーキ様の食感を有するパンを得ることができる。
〔可塑性油中水型乳化物の製造〕
パームステアリン、パームオレインのエステル交換油、パーム油を5:45:50の質量比で混合し配合油を得た。この配合油43.5質量%を60℃前後に加温し、乳化剤として不飽和モノグリセライド(トランス型不飽和モノエン酸含量30モル%、シス型モノエン酸含量40モル%)1.2質量%を混合溶解した油相44.7質量%と、糊剤として澱粉1.8質量%、水和させた飽和モノグリセライド0.5質量%を水53質量%に混合し、適温に加温し調整した水相55.3質量%とを油中水型の乳化物とし、殺菌し、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、可塑性油中水型乳化物を得た。
〔実施例1〕
上記の可塑性油中水型乳化物を用い、以下の配合と製法にて実施例1の菓子パンを製造した。
<配合>
(中種配合)
強力粉 60質量部
イーストフード 0.1質量部
イースト 3質量部
上白糖 3質量部
水 30質量部
(本捏配合)
強力粉 40質量部
砂糖 30質量部
食塩 1質量部
脱脂粉乳 2質量部
マーガリン(油脂分50質量%)30質量部
可塑性油中水型乳化物 10質量部
水 20質量部
<製法>
中種配合の全原料を、縦型ミキサーにて低速3分、中速2分ミキシングし、中種生地(捏ね上げ温度=26℃)を得た。得られた中種生地は28℃、相対湿度80%にて120分の中種発酵を取った。
次に本捏配合のマーガリンと可塑性油中水型乳化物以外の全原料と上記の中種発酵を行った中種生地を、縦型ミキサーにて低速2分、中速4分ミキシングした後、本捏配合のマーガリンと可塑性油中水型乳化物を添加して、低速3分、中速15分ミキシングし、ブレークダウン状態になるまで混捏したパン生地(捏ね上げ温度=26℃)を得た。得られたパン生地は、10分ベンチタイムを取った後、3号ケーキ型(直径9cm丸型)に60g入れ、38℃、相対湿度65%、40分のホイロを取った後、190℃のオーブンで15分焼成した。
〔実施例2〕
配合は以下の配合、製法は実施例1に記載の製法にて実施例2の菓子パンを製造した。
<配合>
(中種配合)
強力粉 60質量部
イーストフード 0.1質量部
イースト 3質量部
上白糖 3質量部
水 30質量部
(本捏配合)
強力粉 40質量部
砂糖 30質量部
食塩 1質量部
脱脂粉乳 2質量部
マーガリン(油脂分50質量%)10質量部
可塑性油中水型乳化物 30質量部
水 20質量部
〔実施例3〕
配合は以下の配合、製法は実施例1に記載の製法にて実施例3の菓子パンを製造した。
<配合>
(中種配合)
強力粉 60質量部
イーストフード 0.1質量部
イースト 3質量部
上白糖 3質量部
水 30質量部
(本捏配合)
強力粉 40質量部
砂糖 30質量部
食塩 1質量部
脱脂粉乳 2質量部
マーガリン(油脂分50質量%)38質量部
可塑性油中水型乳化物 2質量部
水 20質量部
〔実施例4〕
配合は以下の配合、製法は実施例1に記載の製法にて実施例4の菓子パンを製造した。
<配合>
(中種配合)
強力粉 60質量部
イーストフード 0.1質量部
イースト 3質量部
上白糖 3質量部
水 30質量部
(本捏配合)
強力粉 40質量部
砂糖 30質量部
食塩 1質量部
脱脂粉乳 2質量部
可塑性油中水型乳化物 50質量部
水 20質量部
〔比較例1〕
以下の配合と製法にて比較例1の菓子パンを製造した。
<配合>
(中種配合)
強力粉 60質量部
イーストフード 0.1質量部
イースト 3質量部
上白糖 3質量部
水 30質量部
(本捏配合)
強力粉 40質量部
砂糖 30質量部
食塩 1質量部
脱脂粉乳 2質量部
マーガリン(油脂分50質量%)40質量部
水 20質量部
<製法>
中種配合の全原料を、縦型ミキサーにて低速3分、中速2分ミキシングし、中種生地(捏ね上げ温度=26℃)を得た。得られた中種生地は28℃、相対湿度80%にて120分の中種発酵を取った。
次に本捏配合のマーガリン以外の全原料と上記の中種発酵を行った中種生地を、縦型ミキサーにて低速2分、中速4分ミキシングした後、本捏配合のマーガリンを添加して、低速3分、中速15分ミキシングし、ブレークダウン状態になるまで混捏したパン生地(捏ね上げ温度=26℃)を得た。得られたパン生地は、5〜10分ベンチタイムを取った後、直径9cm丸型に60g入れ、38℃、相対湿度65%、40分のホイロを取った後、190℃のオーブンで10〜15分焼成した。
<評価>
実施例1〜4、比較例1で得られた菓子パンを焼成後、室温で1時間放冷し、ポリエチレン袋に密封し、室温(25℃)で保管した。
(硬さ)
焼成1日後、焼成2日後、焼成3日後のパンを高さ30mmにカットした後、レオメーター(株式会社レオテック製)にて、厚さの50%まで加圧した時の荷重を測定した。測定条件は、測定速度6cm/min、接触面積706.8mm2(アダプター:直径3cm円盤使用)、1サンプルを3回測定し、その平均値を求め、これを硬さの評価とした。
(食感)
焼成1日後の菓子パンをパネラー10人にてソフトさ、しとりをそれぞれについて、下記基準にて評価し、その合計点を評価とした。
(ソフトさ)
3点:非常にソフト
2点:ややソフト
1点:ソフト
(しとり)
3点:非常にしとりを感じる
2点:ややしとりを感じる
1点:しとりを感じない
(合計点)
◎:24〜30点、○:15〜23点、×:14点以下
水和させた乳化剤の添加量が、生地に含まれる小麦粉類100質量部に対し、0.05質量部である生地をブレークダウン状態になるまで混捏したパン生地を焼成して得られた実施例1の菓子パンの硬さは焼成1日後300gf、焼成2日後370gf、焼成3日後490gfであった。また食感はソフトさ、しとり共に◎の評価であった。
水和させた乳化剤の添加量が、生地に含まれる小麦粉類100質量部に対し、0.15質量部である生地をブレークダウン状態になるまで混捏したパン生地を焼成して得られた実施例2の菓子パンの硬さは焼成1日後280gf、焼成2日後340gf、焼成3日後450gfであった。また食感はソフトさ、しとり共に◎の評価であった。
水和させた乳化剤の添加量が、生地に含まれる小麦粉類100質量部に対し、0.01質量部である生地をブレークダウン状態になるまで混捏したパン生地を焼成して得られた実施例3の菓子パンの硬さは焼成1日後310gf、焼成2日後390gf、焼成3日後510gfであった。また食感はソフトさが◎、しとりが○の評価であった。
水和させた乳化剤の添加量が、生地に含まれる小麦粉類100質量部に対し、0.25質量部である生地をブレークダウン状態になるまで混捏したパン生地を焼成して得られた実施例4の菓子パンの硬さは焼成1日後320gf、焼成2日後380gf、焼成3日後520gfであった。また食感はソフトさが○、しとりが◎の評価であった。
水和させた乳化剤を添加していない生地をブレークダウン状態になるまで混捏したパン生地を焼成して得られた比較例1の菓子パンの硬さは焼成1日後460gf、焼成2日後580gf、焼成3日後690gfであった。また食感はソフトさ、しとり共に×の評価であった。

Claims (4)

  1. 水和させた乳化剤を添加した生地をブレークダウン状態になるまで混捏したことを特徴とするパン生地。
  2. 水和させた乳化剤の添加量は、生地に含まれる小麦粉類100質量部に対し、0.005〜0.5質量部である請求項1に記載のパン生地。
  3. 水和させた乳化剤は油中水型乳化物の形態で含有される請求項1または2に記載のパン生地。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のパン生地を焼成したケーキ様の食感を有するパン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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