JP2010242136A - 金属微粒子、メッキ液、リード線及び関連する方法 - Google Patents

金属微粒子、メッキ液、リード線及び関連する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属の融点以下の低温において、導電性を損なうことなく、また、シアン化合物のような有毒な物質を使用せずに、各種金属を所望の形状に加工したり、各種金属の被覆膜を形成する方法を提供すること。
【解決手段】最表面に反応性基を有する化学吸着物質の単分子膜で被覆された金属微粒子を利用して、メッキや粉体塗装を行う。
【選択図】図1

Description

本開示は、化学吸着物質の単分子膜で被覆された金属微粒子に関するものである。また、該金属微粒子を利用したメッキ方法(電解メッキ、無電解メッキ)、粉体塗装方法、金属微粒子膜(単層膜、累積膜)の形成方法、リード線に関する。
金属は、高い導電性、美しい光沢を有し、耐摩耗性や耐食性の点で優れているものも多いため、電極や配線等の電子部品や被覆膜の材料として用いられている。しかし、金属の融点は一般に高いため、複雑な形状に加工したり皮膜を形成するためには化学エッチングや高エネルギーでの加工が必要となる。
金属を溶融させることなく加工する方法としては、例えば、金属微粒子とバインダーを混錬してペーストを調製し、これを電極や配線等のパターンに印刷して電極や配線等の電子部品を製造することが行われている。また、金属被覆膜の形成方法として、古くからメッキ法が知られている。
また、絶縁体(シリカ)微粒子膜の形成方法としては、官能基を有する単分子膜で被覆したシリカ微粒子を利用する方法が知られている(特許文献1)。
国際公開第2008/111534号パンフレット
金属微粒子をバインダーと共に混錬してペーストにすると、インクのように取り扱うことができるため、印刷技術を適用して所望の形状にプリントすることができる。しかし、これを焼成して形成した電極や配線は、バインダーの影響により導電性が低下し、また、基材に対する密着性も十分でないという問題がある。
また、従来のメッキ法では、金属を定着させるための錯化剤/定着剤として人体に有毒なシアン化合物を用いる必要があり、さらに、皮膜の厚みの均一性もナノレベルでは十分とはいえない。
したがって、金属の融点以下の低温において、導電性を損なうことなく、また、シアン化合物のような有毒な物質を使用せずに、各種金属を所望の形状に加工したり、各種金属の被覆膜を形成する方法が望まれている。
本発明者は、上記課題はいずれも、機能性反応基を有する単分子膜で被覆することにより各種機能を付与したき金属微粒子を利用すれば解決できることを見出した。
本実施形態の電解メッキ法により形成したメッキ被膜(実施例3)の表面のSEM写真である。 本実施形態の電解メッキ法により形成したメッキ被膜(実施例4)の表面のSEM写真である。 実施例7において、粒径の異なる2種類の金属微粒子を混合して製造した導電性ペーストを用いて形成した塗膜における、電気伝導度と導電ペースト中の粒径の異なる2種類の金属微粒子の混合比率の関係を示すグラフである。
A.最表面に反応性基を有する化学吸着物質の単分子膜で被覆された金属微粒子
本実施態様の一つは、最表面に反応性基を有する化学吸着物質の単分子膜で被覆された金属微粒子である。ここで、「化学吸着物質」とは、被被覆金属微粒子に対して、化学結合可能な物質をいう。本実施態様においては、一端に反応性基を有する化学吸着物質の分子が、反応性基とは反対側の端部において金属微粒子と結合することによって、金属微粒子上に単分子膜を形成している。
このような構成を有する金属微粒子は、その表面を被覆している化学吸着物質やその反応性基の特性(機能)をも兼ね備えることになる。したがって、金属微粒子、化学吸着物質(の骨格)及びその反応性基の種類を適宜デザインして、様々な用途に利用することができる。
また、化学吸着物質の単分子膜は、化学吸着物質の種類、構造、分子量等によっては、ナノメートルオーダーの極めて薄い被膜とすることができるが、そのような薄い単分子膜で被覆された金属微粒子は、そのサイズや導電性が被覆前の金属微粒子と比較してほとんど損なわれることがない。そのため、金属微粒子に、金属微粒子としての物性を維持させたまま、化学吸着物質及びその反応性基の特性(機能)を付加することができる。
本明細書において、金属微粒子とは、金属単体からなる微粒子であってもよいし、微粒子に金属メッキ等の金属皮膜が施されたものであってもよい。金属微粒子の金属の種類に限定はなく、用途にあわせて適宜決定することができる。具体例としては、Pt、Pd、Au、Ag、Fe、Cu、Niや各種合金等が挙げられる。また、金属微粒子の粒径に限定はなく、例えば、1nm〜100ミクロンとすることができる。
また、反応性基に限定はなく、金属微粒子の用途にあわせて適宜決定することができる。具体例としては、エポキシ基等の熱反応性官能基;カルコニル(chalconyl)基、シンナモイル基(C−CH=CH−COO−)等の光反応性基;カルボキシル基やアミノ基等のイオン性官能基;アルコキシシリル基等の加水分解性官能基等が挙げられる。
次に、最表面に反応性基を有する化学吸着物質の単分子膜で被覆された金属微粒子の製造方法について説明する。
コアとなる金属微粒子が表面に水酸基を有しない場合は、一端に反応性基を有し他端にトリアジンチオール基等のチオール基を有する有機化合物を有機溶媒に溶解して化学吸着液を調製し、この中に金属微粒子を分散させて、前記有機化合物のチオール基を金属微粒子の表面に結合させる。
この方法によれば、最表面に反応性基を有する化学吸着物質の単分子膜が、チオレート結合を介して金属微粒子と結合した金属微粒子が得られる。前述のとおり、チオール基と金属との間のチオール結合は特異的に強い結合であるため、単分子膜と金属微粒子とは強固に結合している。
具体的には、最表面に反応性基を有する化学吸着物質の単分子膜で被覆された金属微粒子は、次のようにして製造することができる。
一端に反応性基を有し他端にチオール基を有するチオール化合物を有機溶媒に溶解して化学吸着液を調製し、この中に金属微粒子を分散させて、金属微粒子表面とチオール基とを反応させる。
この方法によれば、最表面に反応性基を有する化学吸着物質の単分子膜が、−S−を介して金属微粒子とチオレート結合した金属微粒子が得られる。そのため、単分子膜と金属微粒子とは強固に結合している。
化学吸着液におけるチオール化合物の濃度は、例えば、0.01〜3mol/Lである。
チオール基と金属微粒子とは水分の存在下でも反応するので、反応は例えば相対湿度45%以下の空気中で行ってもよい。また、反応は、金属微粒子表面に付着した油脂分や水分により阻害されるので、反応に先立って金属微粒子をよく洗浄・乾燥して、これらの不純物を予め除去しておくこともできる。
反応温度にも依存するが、反応の完了までに要する時間は数分〜数時間程度である。
また、反応温度に限定はなく、例えば、室温〜使用する溶媒の沸点以下とすることができる。
ここで、一端に反応性基を有し他端にチオール基を有するチオール化合物としては、例えば、以下の一般式(1)で表されるものが使用できる。
一般式(1)

一般式(1)において、Eは反応性基、Rは炭素数1〜4のアルキル基、mは3〜25の整数をあらわす。mは3〜20であると、取扱が容易である。
Eがエポキシ基である場合の一般式(1)で表されるチオール化合物の具体例としては、以下の(1)〜(12)が挙げられる。
(1) (CHOCH)CHO(CHSH
(2) (CHOCH)CHO(CHSH
(3) (CHOCH)(CH10SH
(4) (CHCHOCH(CH)CH(CHSH
(5) (CHCHOCH(CH)CH(CHSH
(6) (CHCHOCH(CH)CH(CHSH
(7) (CHOCH)CHO(CHSH
(8) (CHOCH)CHO(CHSH
(9) (CHOCH)CHO(CH11SH
(10) (CHCHOCH(CH)CH(CHSH
(11) (CHCHOCH(CH)CH(CHSH
(12) (CHCHOCH(CH)CH(CHSH
ここで、(CHOCH)CHO−基は、一般式(2)で表されるグリシジル基を表し、(CHCHOCH(CH)CH−基は、一般式(3)で表される3,4−エポキシシクロヘキシル基を表す。
一般式(2)

一般式(3)
Eがカルコニル基である場合の一般式(1)で表されるチオール化合物の具体例としては、以下の(13)〜(20)が挙げられる。
(13) (C)CO(CH(C)O(CHSH
(14) (C)CO(CH(C)O(CHSH
(15) (C)CO(CH(C)O(CHSH
(16) (C)CO(CH(C)O(CHSH
(17) (C)(CHCO(C)O(CHSH
(18) (C)(CHCO(C)O(CHSH
(19) (C)(CHCO(C)O(CHSH
(20) (C)(CHCO(C)O(CHSH
ここで、(C)CO(CH(C)−基は一般式(4)で表される4−カルコニル基、(C)(CHCO(C)−基は一般式(5)で表される4’− カルコニル基を表す。
一般式(4)

一般式(5)
Eがシンナモイル基である場合の一般式(1)で表されるチオール化合物の具体例としては、以下の(21)〜(23)が挙げられる。
(21) (C)CH=CHCOO(CHSH
(22) (C)CH=CHCOO(CHSH
(23) (C)CH=CHCOO(CH10SH
Eがアミノ基である場合の一般式(1)で表されるチオール化合物の具体例としては、以下の(24)〜(27)が挙げられる。
(24) HN(CHSH
(25) HN(CHSH
(26) HN(CHSH
(27) HN(CHSH
Eがカルボキシル基である場合の一般式(1)で表されるチオール化合物の具体例としては、以下の(28)〜(31)が挙げられる。
(28) HOCO(CHSH
(29) HOCO(CHSH
(30) HOCO(CHSH
(31) HOCO(CHSH
Eがアルコキシシリル基である場合の一般式(1)で表されるチオール化合物の具体例としては、以下の(32)〜(39)が挙げられる。
(32) (CHO)Si(CHSH
(33) (CHO)Si(CHSH
(34) (CHO)Si(CHSH
(35) (CHO)Si(CHSH
(36) (CO)Si(CHSH
(37) HOCO(CHSH
(38) HOCO(CHSH
(39) HOCO(CHSH
溶媒として非水系の有機溶媒を用いる場合、チオール化合物を溶解するものであればよく特に限定はないが、例えば、有機塩素系溶媒、炭化水素系溶媒、フッ化炭素系溶媒、シリコーン系溶媒、およびこれらの混合溶媒を用いることができる。アルコキシシラン化合物の加水分解を防止するために、乾燥剤または蒸留により使用する溶媒から水分を除去しておいてもよい。溶媒の沸点は50〜250℃であってもよい。
使用可能な溶媒の具体例としては、非水系の石油ナフサ、ソルベントナフサ、石油エーテル、石油ベンジン、イソパラフィン、ノルマルパラフィン、デカリン、工業ガソリン、ノナン、デカン、灯油、ジメチルシリコーン、フェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエーテルシリコーン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。
また、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、あるいはそれらの混合物を用いることもできる。
これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、よく混ざるものどうしを2種以上を組み合わせて用いてもよい。さらに、ジクロロメタン、クロロホルム等の有機塩素系溶媒を添加してもよい。
チオレート反応が終了した後、遠心分離や濾過等の公知の分離技術により、化学吸着液と金属微粒子を分離してもよい。また、適当な溶媒を用いて、金属微粒子の表面に付着した未反応の化学吸着物質の分子を洗浄除去してもよい。
なお、表面に水酸基を有する金属微粒子(例えば、無水のAg微粒子等)をコアとして用いる場合には、最表面に反応性基を有する化学吸着物質の単分子膜で被覆された金属微粒子は、例えば次のようにして製造することができる。
一端に反応性基を有し他端にアルコキシシリル基を有するアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒を非水系の有機溶媒に溶解して化学吸着液を調製し、この中に金属微粒子を分散させて、金属微粒子表面の水酸基とアルコキシシラン化合物のアルコキシシリル基とを縮合反応させる。
この方法によれば、最表面に反応性基を有する化学吸着物質の単分子膜が、Si0を介して金属微粒子と共有結合した金属微粒子が得られる。そのため、単分子膜と金属微粒子とは強固に結合している。
本実施形態の最表面に反応性基を有する化学吸着物質の単分子膜で被覆された金属微粒子は、表面の反応性基どうしを結合させることにより相互に結着させることができる。その場合、各金属微粒子の間に介在する単分子膜は膜厚がナノメートルレベルの極めて薄い膜であるため、耐電圧が低く、1ボルト程度以上の電圧が印加されるとトンネル電流が流れて導通する。したがって、本実施形態の金属微粒子は電極や配線の形成に利用することができる。
例えば、本実施形態の金属微粒子を用いて、バインダーレスの導電性ペーストを製造することができる。具体的には、例えば、反応性基としてエポキシ基を有する化学吸着物質の単分子膜で被覆された金属微粒子を使用する場合、金属微粒子と、有機溶媒(メチルエチルケトンやキシレン等)を混合し、さらに適宜粘度を調整して印刷特性に優れた熱硬化性の導電性ペーストとすることができる。その際、さらに熱硬化触媒として、イミダゾール銅錯体やトリアジンチオール等を添加することができる。また、導電性ペーストに、粒径の異なる2種類以上の金属微粒子を使用すると、電極、配線中の金属微粒子の密度が高まり、導電性がより高まる傾向にある。
また、反応性基がカルコニル基、シンナモイル基等の光反応性基である場合、本実施形態の金属微粒子のペーストを全面塗布し、フォトマスク等を用いて光を選択的に露光し、現像することにより、電極や配線を容易に形成することができる。
具体的には、予め、金属微粒子の単分子膜と同じ光反応性基を最表面に有する単分子膜で少なくとも片面を被覆した基材を用意し、本実施形態の金属微粒子のペーストを塗布し、選択的な露光を行って露光部分の金属微粒子のみ相互に結合させると共に基材とも結合させ、次いで、洗浄により、その他の未硬化部分の金属微粒子を除去すると、基板に対してより密着性の高い電極や配線を形成できる。
その他の用途、使用方法については、以下に詳述する。
B.メッキ法
次に、最表面に反応性基を有する化学吸着物質の単分子膜で被覆された金属微粒子を利用した新規なメッキ法について説明する。以下に説明する本実施態様のメッキ法によれば、人体に有害なシアン化合物を用いることなく、様々な種類の金属でメッキを行うことができる。
本実施態様で用いるメッキ液は、最表面にイオン性官能基を有する化学吸着物質の単分子膜で被覆された金属微粒子を水に分散させた分散液である。
ここで、イオン性官能基とは、極性溶媒、例えば水に溶解した際にイオン化する官能基をいう。イオン性官能基の種類には限定はなく、アニオン性のものとしては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、ホウ酸基や、これらのアルカリ金属塩基が挙げられ、カチオン性のものとしては、アンモニウム基、アミノ基等が挙げられる。
メッキ液を調製する際に界面活性剤等の分散剤を用いてもよいが、最表面にイオン性官能基を有する化学吸着物質の単分子膜で被覆された金属微粒子は、酸性又はアルカリ性の水に分散されると、表面がイオン化されるため、その電荷によって分散剤を用いなくても比較的安定に極性溶媒中で分散する。
最表面にイオン性官能基を有する化学吸着物質の単分子膜で被覆された金属微粒子は、前述のA.において記載したものを使用することができる。金属微粒子や加水分解性官能基の種類に限定はなく、用途に応じて任意のものを使用することができる。例えば、金属微粒子として、シアン化合物を用いずにメッキすることの難しかったPt、Au、Ag等の貴金属を採用することができる。
メッキ液に酸又は塩基を含有させ、イオン性官能基の解離度を高めてもよい。ここで、酸、塩基の種類や濃度に限定はなく、イオン性官能基の種類に応じて適宜決定すればよい。例えば、酸として塩酸や酢酸等、塩基として水酸化ナトリウムやアンモニアや有機アミン等を用いることができる。
メッキ液中の金属微粒子の濃度に限定はなく、例えば、0.1〜5質量%とすることができる。また、メッキ液には、光沢剤、安定化剤等の各種添加剤を添加することができる。
次に、上記のメッキ液を用いた電解メッキ法について説明する。
本実施態様においては、被メッキ基材として導電性のものを使用し、被メッキ基材と電極を前述のメッキ液に浸漬し、被メッキ基材と電極との間で通電する、いわゆる通常の電解メッキ法、によりメッキを行うことができる。
金属微粒子上の単分子膜の最表面のイオン性官能基がアニオン性のものである場合には、被メッキ基材を陽極、対向電極を陰極として直流電流を流すことにより、金属微粒子がメッキ液中を移動して陽極である被メッキ基材上に付着する。逆に、金属微粒子上の単分子膜の最表面のイオン性官能基がカチオン性のものである場合には、被メッキ基材を陰極、対向電極を陽極として直流電流を流すことにより、金属微粒子がメッキ液中を移動して陰極である被メッキ基材上に付着する。
本実施態様に用いる対向電極としては、公知のものを用いることができ、具体例としては、白金や、金、カーボン等が挙げられる。
メッキ処理を行う際の各種条件については、従来の電解メッキ方法と同等の条件を採用することができる。例えば、メッキ液の温度は、例えば、10〜65℃程度としてもよい。また、電流密度は、例えば、0.01〜10A/dm程度とすることができる。さらに、メッキ処理の間、メッキ液は攪拌しなくてもよいし、攪拌器等を用いて攪拌してもよい。
次に、上記のメッキ液を用いた無電解メッキ法について説明する。
本実施態様においては、被メッキ基材をメッキ液に浸漬し、メッキ液に還元剤又がpH調整剤を添加することによりメッキを行うことができる。この方法によれば、導電性の被メッキ基材だけでなく、非導電性の被メッキ基材にも金属メッキを施すことができる。
メッキ液に還元剤を添加すると、イオン性官能基の解離度が低下して、メッキ液中に分散していた最表面にイオン性官能基を有する化学吸着物質の単分子膜で被覆された金属微粒子が析出し、被メッキ基材や容器内面上に付着する。
還元剤としては、還元性を有する物質であれば、制限なく使用することができる。例えば、ホルムアルデヒド等を使用することができる。
基材に予め還元剤を塗布しておいて、基材をメッキ液に浸漬すると同時に還元剤をメッキ液に添加するようにしてもよい。この場合、基材の表面付近で金属微粒子の凝集が起きるので、金属微粒子が基材上に効率よく沈殿する。
また、メッキ液にpH調整剤を添加して、イオン性官能基の解離が起こりにくくなるようなpHにすると、メッキ液中に安定に分散していた金属微粒子の表面電荷が減少し、分散安定性が崩れる。その結果、金属微粒子は析出し、被メッキ基材や容器内面上に付着する。
pH調整剤としては公知のものを使用することができ、金属微粒子上の単分子膜の最表面のイオン性官能基の種類に応じて適宜決定することができる。
メッキ液の温度は、例えば、10〜65℃程度としてもよい。また、メッキ処理の間、メッキ液は攪拌しなくてもよいし、攪拌器等を用いて攪拌してもよい。
金属微粒子上の単分子膜の最表面のイオン性官能基は親水性基に対して親和性を有するので、電解メッキ法、無電解メッキ法いずれにおいても、被メッキ基材の表面を親水性化処理しておくと、被メッキ基材と金属微粒子の間の結合力が増大し、メッキの密度及び密着性を向上できる。
次に、以上の電解メッキ法及び無電解メッキ法を利用して電極や配線を製造する方法について説明する。
前述のとおり、金属微粒子上の単分子膜の最表面のイオン性官能基は親水性基に対して親和性を有するので、電解メッキ法、無電解メッキ法いずれにおいても、予め被メッキ基材の表面を選択的に親水性化しておくと、被メッキ基材の親水性化部分に選択的に金属微粒子が付着することになる。この現象を利用して、電子部品を電極又は配線パターン状に親水性化し、親水性化部分にのみ金属微粒子を付着させることにより、電極又は配線を形成することができる。
本実施態様により製造された電極又は配線において、各金属微粒子の間に介在する単分子膜は膜厚がナノメートルレベルの極めて薄い膜であるため、耐電圧が低く、1ボルト程度以上の電圧が印加されるとトンネル電流が流れて導通する。そのため、本実施態様により製造された電極又は配線は、バインダーを含む導電性ペーストにより製造された従来の電極、配線と比較して極めて優れた電気伝導率を示す。
被メッキ基材の表面を選択的に親水性化する方法に限定はなく、例えば、電極又は配線パターン状に開口を有するレジストで被メッキ基材を覆った上で、親水性化処理を施したり、エキシマレーザー等を用いてパターン状にビームを照射して親水性化処理を行うこと等が挙げられる。
親水性化処理にも限定はなく、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、酸素を含む雰囲気中での遠紫外線照射等の公知の親水性化処理を採用することができる。
親水性化していない部分にも金属微粒子が付着する場合には、(高圧)流体(例えば、水、不活性ガス等)の吹き付けや振動の付与等の物理的な処理により、これらを除去することができる。
C.粉体塗装法
次に、最表面に反応性基を有する化学吸着物質の単分子膜で被覆された金属微粒子を利用した新規な粉体塗装法について説明する。
本実施態様においては、金属微粒子の表面を帯電させると共に、被塗装基材を金属微粒子とは反対の電荷で帯電させ、両者の間の静電引力を利用して被塗装基材上に金属微粒子を付着させる。
粉体塗装は皮膜形成方法として簡易な方法であるが、粉体塗装の原理は、粉体を帯電させ、その静電気力を利用して被塗装基材に付着させるものであるから、帯電することのない金属粉体については適用することができない。これに対し、本実施態様における金属微粒子は、その表面が絶縁性の化学吸着物質の単分子膜で被覆されているため帯電させることができる。これにより、これまでには実現できなかった、金属粉体を用いた粉体塗装を実現することができる。
最表面に反応性基を有する化学吸着物質の単分子膜で被覆された金属微粒子としては、反応性基がイオン化した官能基であるものを除き、前述のA.において記載したものを使用することができる。金属微粒子や反応性基(ただし、反応性基としてイオン導電性があるイオン化した官能基は除く)の種類に限定はなく用途に応じて任意のものを使用することができる。
反応性基としては、例えば、熱重合性のエポキシ基や光反応性のカルコニル基やシンナモイル基を使用することができる。また、反応性基がカルボキシル基やアミノ基であっても、湿度が低い雰囲気中では、化学吸着物質の単分子膜で被覆された金属微粒子は帯電されやすい傾向にある。
被塗装基材や金属微粒子を帯電させる方法に限定はなく、一般的な静電塗装や粉体塗装で採用されている公知の方法が採用できる。被覆された金属微粒子の帯電は、例えば、金属微粒子を噴霧し、これに外部電極からコロナ放電で電荷を付与することなどにより実現することができる。
なお、カチオン粉体塗装を行う場合には、被塗装材料をマイナスに帯電させると共に、単分子膜として、例えば、最表面にアミノ基を有する単分子膜を用い、プラスに印加したノズルを通して被覆した金属微粒子を噴射させれば、プラスに帯電した微粒子がマイナスに帯電した被塗装基材表面に引きつけられ、効率よく被塗装基材表面に金属微粒子が付着する。
反対に、アニオン粉体塗装を行う場合には、被塗装材料をプラスに帯電させると共に、単分子膜として、例えば、最表面にカルボキシル基を有する単分子膜を用い、マイナス印加したノズルを通して被覆した金属微粒子を噴射させれば、マイナスに帯電した微粒子がプラスに帯電した被塗装基材表面に引きつけられ、効率よく被塗装基材表面に金属微粒子が付着する。なお、噴射ノズルとしては、例えば、ノズル部に電極を付けたエアーガン等が使用できる。
なお、エポキシ基を有する被膜の場合は、カチオン塗装、アニオン粉体塗装、両方に使用できる。
D.金属微粒子単層膜又は累積膜形成方法
次に、最表面に反応性基を有する化学吸着物質の単分子膜で被覆された金属微粒子を用いた新規な金属被膜形成方法について説明する。
本実施態様においては、最表面に加水分解性官能基を有する化学吸着物質の単分子膜で被覆された金属微粒子を有機溶媒に分散させた分散液を調製し、これに表面に親水性基を有する基材を浸漬し、金属微粒子上の単分子膜の最表面の加水分解性官能基と基材表面の親水性基との間で加水分解反応を起こさせることにより両者を結合させ、基材表面に金属微粒子の単層膜を形成する。
さらに、別の実施態様においては、金属微粒子の単層膜を形成した後、いったん基材を有機溶媒に浸漬して金属微粒子膜の上に堆積した金属微粒子を取り除き、次いで基材を水に浸漬して金属微粒子膜表面の加水分解性官能基に水分を付着させて加水分解が起こりやすい環境を作り、次いで基材を金属微粒子分散液に浸漬して金属微粒子膜表面の加水分解性官能基と分散液中の金属微粒子の加水分解性官能基との間で加水分解反応を起こさせて両者を結合させる、という操作を任意の回数繰り返すことにより、基材表面に金属微粒子の累積膜を形成する。
本実施態様においては、累積の回数、すなわち、上記操作の繰り返し回数、を調節することにより、金属微粒子累積膜の厚さを自由に制御できる。
本実施態様により形成される金属微粒子単層膜又は累積膜は、金属微粒子の単層膜を1層又はそれ以上積層したものであるため、膜厚がナノレベルで均一で、表面は凹凸がなく平滑である。また、本実施態様の金属被膜形成方法を用いれば、凸凹がある基材表面にでも凸凹に沿って均一膜厚の被膜を形成できる。したがって、本実施態様の金属被膜形成方法を用いて電極等を形成すると、その抵抗を電極内で均一にすることができ極めて有効である。
また、本実施態様により形成される金属微粒子単層膜又は累積膜において、基材−金属微粒子間、金属微粒子(層)−金属微粒子(層)間は、例えば、シロキサン結合等の共有結合により結合しているので、基材との密着性や層間の結合が良好で剥離が起りにくい。
本実施態様において、最表面に加水分解性反応性基を有する化学吸着物質の単分子膜で被覆された金属微粒子は、前述のA.において記載したものを使用することができる。金属微粒子や加水分解性官能基の種類に制限はなく用途に応じて任意のものを使用することができる。例えば、加水分解性官能基としてアルコキシシリル基やイソシアネート基を用いることができる。
最表面に加水分解性官能基を有する化学吸着物質の単分子膜で被覆された金属微粒子を分散させる有機溶媒は、加水分解性官能基に対して不活性であるものであれば特に限定はなく、例えば、脱水したメタノール、エタノール等のアルコール系溶媒を用いることができる。分散液中の金属微粒子の濃度にも限定はなく、例えば、0.01〜5質量%程度とすることができる。
累積膜を製造する際に金属微粒子膜の上に堆積した金属微粒子を取り除くために使用する有機溶媒も、加水分解性官能基に対して不活性なものであれば特に限定はなく、任意のものを使用することができる。例えば、分散液の分散媒と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
本実施態様においては、被被覆基材として表面に親水性基を有するものを使用する。表面に親水性基を有していないものに被覆をする場合には、例えば、空気中で表面を遠紫外線照射したりコロナ処理することにより、表面に親水性基を付与することができる。
分散液、有機溶媒又は水の温度に限定はないが、例えば、10〜65℃程度とすることができる。また、基材を、分散液、有機溶媒又は水に浸漬する時間に限定はなく、例えば10秒〜30分程度とすることができる。
本実施態様において、基材表面の親水性基と金属微粒子上の単分子膜の最表面の加水分解性官能基、又は、金属微粒子上の単分子膜の最表面の加水分解性官能基どうしは、架橋剤を介することなく直接反応する。
また、基材の表面に選択的に親水性基を付与すると、基材の親水性基が付与された部分にのみ選択的に金属微粒子が結合することになる。この現象を利用して、電子部品の表面に電極又は配線パターン状に親水性基を付与し、親水性基が付与された部分にのみ金属微粒子を結合させることにより、電極又は配線を形成することができる。
被被覆基材の表面に選択的に親水性基を付与する方法に限定はなく、例えば、ホトレジストを塗布し、露光現像して、目的部分を開口し、空気中で表面を全面遠紫外線照射したりコロナ処理すれすること等が挙げられる。
E.リード線
次に、最表面に反応性基を有する化学吸着物質の単分子膜で被覆された金属微粒子を利用した低温接続用リード線について説明する。
本実施態様のリード線においては、電極が、最表面に反応性基を有する化学吸着物質の単分子膜で被覆された金属微粒子の累積膜により形成されている。
最表面に反応性基を有する化学吸着物質の単分子膜で被覆された金属微粒子は、前述のA.において記載したものを使用することができる。本実施態様において、金属微粒子、反応性基の種類に限定はなく、例えば、金属微粒子としては、Au、Ag、Cu、Ni、Pt等を用いることができ、反応性基としては、加水分解性の官能基としてアルコキシシリル基、熱反応性官能基としてエポキシ基等を用いることができる。また、対向するリード線の反応性基を、それぞれ相互に反応する官能基としてもよい。このような、相互に反応する官能基の組み合わせとしては、アミノ基とエポキシ基、あるいはチオール基とエポキシ基等の組合せが挙げられる。
リード線の先端に金属微粒子累積膜の電極(例えば、バンプ)を形成する方法にも限定はなく、例えば、前述のA.に記載した導電性ペーストを使用したり、D.に記載した電極の製造方法を採用することができる。
本実施態様のリード線を接続するには、金属微粒子が反応性基としてエポキシ基等の熱反応性官能基を有する単分子膜で被覆されている場合には、リード線の電極部分を重ねて合わせて熱反応性官能基が反応する温度、例えば180℃程度で加熱し、金属微粒子上の単分子膜の最表面の熱反応性官能基どうしを反応(硬化)させる。エポキシ基の熱反応は、おおよそ200℃以下(例えば、80〜200℃)で起きるので、従来の金属融着によるリード線の接続の場合と比較して極めて低温で接続が可能である。
また、金属微粒子が反応性基として加水分解性基を有する単分子膜で被覆されている場合には、リード線の電極部分を重ねて合わせて水分を含む吸気中に保管したり、水に浸漬し、加水分解性官能基どうしの間で加水分解反応を起こさせて両者を結合させる。
各金属微粒子の間に介在する単分子膜は膜厚がナノメートルレベルの極めて薄膜であるため、接続部においても使用電圧が、例えば、1ボルト以上の印可電圧の下では導電性を損なうことはなく十分な電気的接続を実現できる。
B.及びD.において説明した電極又は配線の製造方法において、基材を金属微粒子分散液に浸漬するのに先立って、基材の親水性部分に、金属微粒子上の単分子膜の反応性基と反応する官能基を有する第2の化学吸着物質の単分子膜を形成しておくと、電極又は配線と基材表面の耐剥離性を向上できる。
第2の化学吸着物質の単分子膜の官能基としては、例えば、アルコキシシリル基等の加水分解性官能基、エポキシ基等の熱反応性官能基が挙げられる。金属微粒子上の単分子膜の反応性基と第2の化学吸着物質の単分子膜の官能基の組み合わせとして、例えば、アミノ基とエポキシ基、あるいはチオール基とエポキシ基等を挙げることができる。 また、第2の化学吸着物質の前記官能基と反対側(すなわち、基材と反応させる側端部)の基としては、基材の種類に応じて適宜選択することができる。例えば、基材がAuやPtからなる場合であれば、チオール基やトリアジンチオール基等を用いることができるし、Agからなる場合であれば、トリメトキシシリル基やチオール基等を使用することができる。
また、必要に応じて、電極や配線の形成後、金属微粒子上の単分子膜と基材表面の親水性部分に形成された第2の化学吸着単分子膜を酸素を含む雰囲気中で基板を400℃以上基板の耐熱温度未満で加熱すれば、それらの単分子膜を酸化除去できる。
なお、当業者にとっては、明細書、特許請求の範囲、または図面のどれであるかにかかわらず複数の選択的な用語を提示している択一的な単語や句は実質的にすべて、その用語のうちどれか一つ、用語のいずれか、または両方の用語を含む可能性が意図されていると理解されるべきことが理解される。例えば、「A又はB」という句には、「A」若しくは「B」、又は、「A及びB」の可能性が含まれる。
[実施例1]最表面に反応性基(カルボキシル基)を有する化学吸着物質の単分子膜で被覆された金属微粒子の製造
HOCO(CHSHをエタノール中に0.1mol/Lの濃度で含む化学吸着液を1L調製した。この化学吸着液を攪拌しながら、その中に、平均粒径が1μmのAg微粒子1gを分散させ、2時間攪拌を続け、Ag微粒子表面でチオレート反応を進行させた。
次いで、化学吸着液中の固形物を濾過し、エタノールで洗浄して、最表面にカルボキシル基を有する化学吸着物質の単分子膜で被覆されたAg微粒子0.9gを得た。
[実施例2]メッキ液の調製
実施例1において得られた最表面にカルボキシル基を有する化学吸着物質の単分子膜で被覆されたAg微粒子を、炭酸ナトリウムでpH12.4に調整した水溶液に2質量%となるように再分散させ、メッキ液とした。
[実施例3]電解メッキ
実施例2で調製したメッキ液に、被メッキ基材としてCu基板、対向電極としてPt電極を浸漬し、被メッキ基材と電極との間に3V直流電圧を加えて、電流密度1A/dmで直流電流を3分間通電し、電解メッキを行った。
得られたメッキ被膜の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図1に示す。また、得られたメッキ被膜の導電率を測定したところ、2.5×10(Ω・cm)−1であり、電極として使用するのに十分な導電率であった。
[実施例4]
平均粒径15nmのAu微粒子(田中貴金属工業株式会社製、金ナノ粒子)を用意し、実施例1と同様にして最表面にカルボキシル基を有する化学吸着物質の単分子膜で被覆した。次いで、実施例2、3と同様にして、メッキ液を調製し、電解メッキを行った。
得られたメッキ被膜の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図2に示す。また、このとき得られたメッキ被膜の導電率は、3.0×10(Ω・cm)−1であった。
[実施例5]
平均粒径100nmのPt微粒子(田中貴金属工業株式会社製、白金ナノ粒子)を用意し、実施例1と同様にして最表面にカルボキシル基を有する化学吸着物質の単分子膜で被覆した。次いで、実施例2、3と同様にして、メッキ液を調製し、電解メッキを行った。
得られたメッキ被膜の導電率は、2.8×10(Ω・cm)−1であった。
[実施例6]最表面に反応性基(エポキシ基)を有する化学吸着物質の単分子膜で被覆された金属微粒子の製造
(CHCHO)(CH10SHをエタノール中に0.2mol/Lの濃度で含む化学吸着液を1L調製した。この化学吸着液を攪拌しながら、その中に、平均粒径が1μmのAg微粒子1gを分散させ、2時間攪拌を続け、チオレート反応を進行させた。
次いで、化学吸着液中の固形物を濾過し、エタノールで洗浄して、最表面にエポキシ基を有する化学吸着物質の単分子膜で被覆されたAg微粒子を得た。
同様にして、平均粒径が300nmのAg微粒子にも(CHCHO)(CH10SHの単分子膜を形成した。
[実施例7]導電性ペースト
実施例6において得られた最表面にエポキシ基を有する化学吸着物質の単分子膜で被覆された2種類のAg微粒子をそれぞれ計量して、コアのAg微粒子の平均粒径が1μmである方の割合が0質量%、30質量%、50質量%、70質量%となるように混合した。次いで、2種類のAg微粒子の合計100質量部に対して、イソプロピルアルコール溶媒を粘度が5000cps程度になるように添加してペースト化して、さらにイミダゾール銅錯体を5質量部添加して導電性ペーストを製造した。
この導電性ペーストを基板に塗布し、塗膜の電気伝導度を測定した。さらに、導電性ペースト塗布した基板を、150℃で3時間加熱し、Ag微粒子どうしをエポキシ基の熱硬化反応により結着させ、塗膜の電気伝導度を測定した。結果を図2に示す。図2において、縦軸は塗膜の電気伝導度、横軸は全Ag微粒子に対するコアのAg微粒子の平均粒径が1μmであるAg微粒子の割合を示す。
図2より、本実施形態の金属微粒子を用いた導電性ペーストにより形成した塗膜は、加熱により電気伝導度が向上し、バルクAgと比較しても遜色のない導電性を示した。特に、コアの微粒子の平均粒径が1μmであるAg微粒子の割合が70質量%付近で最高の電気伝導度を示した。これは、微粒子の塗膜中の充填密度がこの組成のときに最高になるためと推測される。

Claims (23)

  1. 最表面に反応性基を有する化学吸着物質の単分子膜で被覆された、金属微粒子。
  2. 前記反応性基が、光反応性基、熱反応性基又はイオン反応性基であり、
    前記単分子膜が、チオレート結合を介して金属微粒子表面と結合し、
    前記金属がPt、Pd又はAuである、請求項1の金属微粒子。
  3. 前記化学吸着物質の反応性基が、カルコニル基、シンナモイル基又はエポキシ基である、請求項2に記載の金属微粒子。
  4. 水と、該水に分散した請求項1に記載の金属微粒子とを含むメッキ液であって、
    前記化学吸着物質の反応性基が、イオン性官能基である、メッキ液。
  5. 前記化学吸着物質の反応性基が、カルボキシル基又はアミノ基である、請求項4のメッキ液。
  6. さらに、酸又は塩基を含む、請求項4のメッキ液。
  7. 導電性被メッキ基材と電極を請求項4に記載のメッキ液に浸漬することと、
    前記被メッキ基材と前記電極の間で通電することと、を含むメッキ方法。
  8. 導電性被メッキ基材を選択的に親水性化することと、
    前記導電性被メッキ基材と電極を請求項4に記載のメッキ液に浸漬することと、
    前記被メッキ基材と前記電極の間で通電することと、
    を含む電極又は配線の製造方法。
  9. 前記被メッキ基材と前記電極の間で通電することの後に、さらに、親水性化していない部分に付着した金属微粒子を除去することを含む、請求項8記載の電極又は配線の製造方法。
  10. 被メッキ基材を請求項4に記載のメッキ液に浸漬することと、
    前記メッキ液に還元剤又はpH調整剤を添加することと、を含むメッキ方法。
  11. 被メッキ基材を選択的に親水性化することと、
    前記被メッキ基材を請求項4に記載のメッキ液に浸漬することと、
    前記メッキ液に還元剤又はpH調整剤を添加することと、
    を含む、電極又は配線の製造方法。
  12. 前記被メッキ液に還元剤又はpH調整剤を添加することの後に、さらに、親水性化していない部分に付着した金属微粒子を除去することを含む、請求項11記載の電極又は配線の製造方法。
  13. 請求項1に記載の金属微粒子の表面を帯電させることと、
    被塗装基材を金属微粒子とは反対の電荷で帯電させることと、
    被塗装基材上に金属微粒子を付着させることと、を含む塗装方法。
  14. 請求項1に記載の金属微粒子の表面を帯電させることと、
    被塗装基材を金属微粒子とは反対の電荷で選択的に帯電させることと、
    被塗装基材上に金属微粒子を付着させることと、を含む電極又は配線の製造方法。
  15. 請求項1に記載の金属微粒子を有機溶媒に分散させて分散液を得ることと、
    表面に親水性基を有する基材を前記分散液に浸漬することと、を含み、
    前記金属微粒子を被覆する化学吸着物質の反応性基が、加水分解性の官能基である、金属微粒子単層膜の製造方法。
  16. 基材表面に選択的に親水性基を付与することと、
    請求項1に記載の金属微粒子を有機溶媒に分散させて分散液を得ることと、
    前記表面を選択的に親水性化した基材を前記分散液に浸漬することと、を含み、
    前記金属微粒子を被覆する化学吸着物質の反応性基が、加水分解性官能基である、電極又は配線の製造方法。
  17. 請求項1に記載の金属微粒子を有機溶媒に分散させて分散液を得ることと、
    表面に親水性基を有する基材を前記分散液に浸漬することと、
    さらに、以下a〜cをこの順で繰り返し1回以上含み、
    a.前記基材を有機溶媒で洗浄すること、
    b.前記基材を水に浸漬すること、
    c.前記分散液に、前記基材を浸漬すること、
    前記金属微粒子を被覆する化学吸着物質の反応性基が、加水分解性官能基である、
    金属微粒子累積膜の製造方法。
  18. 基材表面に選択的に親水性基を付与することと、
    請求項1に記載の金属微粒子を有機溶媒に分散させて分散液を得ることと、
    前記表面を選択的に親水性化した基材を前記分散液に浸漬することと、
    さらに、以下のa〜cをこの順で繰り返し1回以上含み、
    a.前記基材を有機溶媒で洗浄すること、
    b.前記基材を水に浸漬すること、
    c.前記分散液に、前記基材を浸漬すること、
    前記金属微粒子を被覆する化学吸着物質の反応性基が、加水分解性官能基である、
    電極又は配線の製造方法。
  19. 前記加水分解性官能基が、アルコキシシリル基である、請求項15〜18いずれか1項に記載の方法。
  20. 請求項1に記載の金属微粒子を層状に累積した膜からなる電極を有する、低温接続用リード線。
  21. 請求項20に記載のリード線を、200℃以下の温度で加熱して接着する、リード線の接続方法。
  22. 前記浸漬することに先立ち、基板表面の親水性部分に、前記イオン性反応性基又は加水分解性基と反応する官能基を有する化学吸着単分子膜を形成することをさらに含む、請求項8、9、11、12、16及び18いずれか1項に記載の電極又は配線の製造方法。
  23. 前記基材表面の親水性部分に形成された化学吸着単分子膜を除去するために、酸素を含む雰囲気中で基板を400℃以上基板の耐熱温度未満で加熱することをさらに含む、請求項22に記載の電極又は配線の製造方法。
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