JP2010241169A - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】十分な量の衝撃吸収ストローク量を確保できる小型の車両用操舵装置を得る。
【解決手段】本車両用操舵装置のステアリングシャフト3は、軸方向A1に順次に並ぶ第1、第2および第3の軸21,22,23を含む。第2の軸22の下端221の内周224に、中空の第1の軸21の上端211の外周213が嵌合されている。第2の軸22の上端222の内周224に、第3の軸23の下端231の外周233が嵌合されている。第1の軸21の上端211および第3の軸23の下端231は、軸方向A1に離隔している。ステアリングシャフト3の短縮に伴って衝撃吸収するときに、第1の軸21が第2の軸22を拡径させることによる第1の衝撃吸収、および第3の軸23が第2の軸22を拡径させることによる第2の衝撃吸収が、順次に行われるようにしてある。
【効果】衝撃吸収するときの挙動が安定化する。
【選択図】図2

Description

この発明は、車両用操舵装置に関する。
車両用操舵装置は、ステアリングホイールの回転を舵取り機構に伝達するためのステアリングシャフトを有している。このステアリングシャフトは、互いに同伴回転可能に嵌合された一対の軸を有している。これら一対の軸を、車両の衝突時に軸方向に互いに相対移動させることにより、ステアリングシャフト全体を、軸方向に短縮させることが提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
また、特許文献2では、ステアリングシャフトを回転可能に支持する筒状のステアリングコラムが、互いに嵌合された一対のチューブを有している。これら一対のチューブが、車両の衝突時に軸方向に互いに相対移動しつつ、一方のチューブが径方向に拡がるようにされている。
特開平11−311256号公報 実開昭63−193981号公報
特許文献1,2では、車両の衝突時に短縮するステアリングシャフトにおいて、十分な量の衝撃吸収ストローク量を確保しようとすると、通常時のステアリングシャフトの軸長が長くなる。その結果、車両用操舵装置が大型化する。
一方、車両用操舵装置は、車両の限られたスペースに配置されるため、小型化の要請がある。特に、ステアリングシャフトに、伝達比可変機構、操舵補助機構等が連結される場合において、車両用操舵装置の小型化を図るためには、ステアリングシャフトの軸長を短くする必要がある。
しかし、軸長の短い小型のステアリングシャフトを用いた場合、車両の衝突時に十分な量の衝撃吸収ストローク量を確保することができない。
そこで、この発明の目的は、十分な量の衝撃吸収ストローク量を確保することができる小型の車両用操舵装置を提供することである。
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、ステアリングホイール(2)の回転を舵取り機構(9)に伝達するための伝達軸(3)を有し、所要以上の衝撃荷重を受けたときに伝達軸が軸方向(A1)に短縮して衝撃を吸収する車両用操舵装置(1)において、上記伝達軸は、上記軸方向に順次に並ぶ第1、第2および第3の軸(21,22,23)を含み、上記第1および第2の軸は、中空に形成され、上記第2の軸(22)の一端(221)に、上記第1の軸(21)の一端(211)が、同伴回転可能に且つ上記軸方向に移動可能に嵌合され、上記第2の軸の他端(222)に、上記第3の軸(23)の一端(231)が、同伴回転可能に且つ上記軸方向に移動可能に嵌合され、上記伝達軸の短縮に伴って衝撃吸収するときに、上記第1の軸と上記第2の軸とが互いに相対移動することによる衝撃吸収、および上記第3の軸と上記第2の軸とが互いに相対移動することによる衝撃吸収の何れか一方、並びに他方が、順次に行われるようにしてあることを特徴とする車両用操舵装置である。
請求項2記載の発明は、請求項1において、上記第1の軸と上記第2の軸とが互いに相対移動することによる第1の衝撃吸収荷重が、上記第3の軸と上記第2の軸とが互いに相対移動することによる第2の衝撃吸収荷重よりも小さくされていることを特徴とする車両用操舵装置である。
請求項3記載の発明は、請求項2において、上記第2の軸の上記一端の内周(225)に、上記第1の軸の上記一端の外周(215)が、同伴回転可能に且つ上記軸方向に移動可能に嵌合され、上記第2の軸の上記他端の内周(229)に、上記第3の軸の上記一端の外周(236)が、同伴回転可能に且つ上記軸方向に移動可能に嵌合され、上記第1の軸の上記一端および上記第3の軸の上記一端は、上記軸方向に離隔しており、衝撃吸収するときに、上記第1の軸が、上記第2の軸に対して上記軸方向に移動し、その結果、上記第1の軸の上記一端が、上記第3の軸の上記一端に係合することにより、上記第3の軸が、上記第1の軸を拡径させつつ上記第1の軸内に挿入されることを特徴とする車両用操舵装置である。
なお、上記括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符号を示すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
請求項1記載の発明によれば、伝達軸を多段で構成するので、小型の伝達軸であっても衝撃吸収ストローク量を長くできる。従って、十分な量の衝撃吸収ストローク量を確保できる小型の車両用操舵装置を実現できる。また、上述の2つの衝撃吸収の一方と他方とが、順次に行われるので、短縮時の伝達軸全体の挙動が安定し、その結果、伝達軸の短縮をスムーズに実現できる。
請求項2記載の発明によれば、車両の衝突時に、先ず、第1の軸および第2の軸が相対移動する。次に、第2の軸および第3の軸が相対移動する。相対移動の順序が決まっているので、短縮時の伝達軸全体の挙動が安定する。
請求項3記載の発明によれば、第1の軸が第2の軸内に入った状態で、第3の軸が、第1の軸を拡径させながら第1の軸内に入ることができる。その結果、小型の伝達軸であっても、衝撃吸収ストローク量を長くできる。また、仮に、第1、第2および第3の軸を順次小径にする場合と比較して、伝達軸の曲げ剛性を向上できる。
図1は本発明の第1の実施形態の車両用操舵装置の概略構成を模式的に示す部分的な断面図である。 図2(a)は、通常時のステアリングシャフトにおける中心軸線よりも上側の半分を示す断面図であり、図2(b)、(c)および(d)は、ステアリングシャフトの衝撃吸収工程を順次に示す断面図である。 図3(a)〜(c)は、図2(d)に続くステアリングシャフトの衝撃吸収工程を順次に示す断面図である。 図4(a)〜(c)は、本発明の第2の実施形態のステアリングシャフトにおける中心軸線よりも上側の半分を示す断面図であり、衝撃吸収工程を順次に示している。
以下では、この発明の一実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。本実施形態では、車両用操舵装置が、電動パワーステアリング装置である場合に則して説明するが、本発明はこれに限らず、例えば、マニュアル操舵のステアリング装置であってもよい。また、本実施形態では、車両用操舵装置が、後述するVGR機能および位置調整機能を有している場合に則して説明するが、これらの機能の少なくともひとつが廃止されている場合も考えられる。
図1は、本発明の第1の実施形態の車両用操舵装置の概略構成を模式的に示す部分的な断面図である。図1を参照して、車両用操舵装置1は、ステアリングホイール2に連結されたステアリングシャフト3と、ステアリングシャフト3に自在継手4等を介して連結された中間軸5と、中間軸5に自在継手6を介して連結されたピニオン軸7と、ピニオン軸7の端部近傍に設けられたピニオン7aに噛み合うラック8aを有する転舵軸としてのラック軸8とを備えている。
ピニオン軸7およびラック軸8を含むラックアンドピニオン機構によって、舵取り機構9が構成されている。ラック軸8は、車体側部材に固定されたハウジング11によって、車両の左右方向に沿う軸方向(図1の紙面とは直交する方向)に移動可能に支持されている。ラック軸8の各端部は、図示していないが、対応するタイロッドおよび対応するナックルアームを介して対応する転舵輪に連結されている。
ステアリングホイール2が上側となるように、ステアリングシャフト3の中心軸線が車両の前後方向X1,X2に対して斜めに配置されている。この状態で、ステアリングシャフト3は、車体側部材13に固定されたステアリングコラム14によって回転可能に支持されている。ここで、車体側部材13は、車体の一部であってもよいし、この車体の一部に固定された部材であってもよい。
ステアリングシャフト3は、第1の軸21、第2の軸22および第3の軸23を有している。第1、第2および第3の軸21,22,23は、この記載の順序で、当該ステアリングシャフト3の軸方向A1(以下、単に軸方向A1ともいう。)に沿って下側から順に並んでいる。軸方向A1に関する第3の軸23の上端に、ステアリングホイール2が同伴回転可能に連結されている。第1の軸21と第2の軸22とは、互いに同伴回転可能に連結されている。第2の軸22と第3の軸23とは、互いに同伴回転可能に連結されている。
ステアリングシャフト3には、後述する伝達比可変機構46および操舵補助機構48が連結されている。ステアリングシャフト3と、伝達比可変機構46と、操舵補助機構48とは、軸方向A1に沿って順次並んでいる。
具体的には、ステアリングシャフト3の第3の軸23は、伝達比可変機構46の入力部材50と、同伴回転可能に連結されている。伝達比可変機構46の出力部材51は、操舵補助機構48の入力軸55と一体に形成されており、この入力軸55は、トーションバー56を介して出力軸57に連結されている。
ステアリングコラム14は、車両前方X1側の下部支持構造24を介して車体側部材13に固定されており、また、車両後方X2側の上部支持構造25を介して車体側部材13に固定されている。
また、車両用操舵装置1は、ステアリングホイール2の位置を調整するための位置調整機能を有している。具体的には、車両用操舵装置1は、チルト中心軸26の中心軸線の周りにステアリングコラム14を揺動させることにより、ステアリングホイール2の高さ位置を調整するチルト調整機能と、軸方向A1にステアリングホイール2の位置を調整することにより、ステアリングホイール2の前後位置を調整するテレスコピック調整機能と、調整したステアリングホイール2の位置を解除可能に固定するための固定機能とを有している。
また、車両用操舵装置1は、車両の衝突時に運転者がステアリングホイール2に衝突するとき(二次衝突)の衝撃を吸収するための衝撃吸収機能を有している。
位置調整機能および衝撃吸収機能は、下部支持構造24と、上部支持構造25と、伸縮可能なステアリングシャフト3と、伸縮可能なステアリングコラム14とにより実現されている。
ステアリングコラム14は、ステアリングシャフト3の一部を収容するコラムチューブ27と、ステアリングシャフト3の軸方向A1に関してのコラムチューブ27の下端に連結されたハウジング28とを有している。
ステアリングコラム14のハウジング28は、伝達比可変機構46の入力部材50および出力部材51を、複数の軸受(図示せず)を介して支持している。ハウジング28は、軸方向A1に関して、当該ハウジング28に対する入力部材50および第1の軸21の相対移動を規制している。また、ハウジング28は、操舵補助機構48の入力軸55、トーションバー56および出力軸57を、複数の軸受(図示せず)を介して支持している。
また、ステアリングコラム14は、ステアリングシャフト3の第3の軸23を軸受29を介して支持しており、これとともに、ステアリングシャフト3の第1の軸21を、入力部材50を介して支持している。
コラムチューブ27は、軸方向A1に関するステアリングコラム14の上部および中間部を構成している。コラムチューブ27は、第1のチューブ31と、第2のチューブ32と、第3のチューブ33とを有している。第1、第2および第3のチューブ31,32,33は、この記載の順序で、軸方向A1に沿って下側から順に並んでいる。
第1のチューブ31の内周に、第2のチューブ32の外周が、軸方向A1に相対移動可能に互いに嵌合している。第1のチューブ31と第2のチューブ32とは、ステアリングホイール2を位置調整するときに軸方向A1に互いに相対移動できる。
第2のチューブ32の内周に、第3のチューブ33の外周が、軸方向A1に相対移動可能に互いに嵌合している。具体的には、第2のチューブ32の内周に、第3のチューブ33が圧入されている。これにより、第2のチューブ32および第3のチューブ33は、軸方向A1に関する所定の保持力で互いに保持されている。その結果、衝撃吸収前の通常時、例えば位置調整時には、第2のチューブ32および第3のチューブ33は相対移動しないようになっている。また、第2のチューブ32と第3のチューブ33とは、衝撃吸収するときに軸方向A1に相対移動できるようになっている。
軸方向A1に関しての第3のチューブ33の上部は、軸受29を保持し、この軸受29を介して、第3の軸23を回転可能に支持している。また、第3のチューブ33と第3の軸23との軸方向A1の相対移動が規制されている。
車両用操舵装置1は、ステアリングホイール2の回転を舵取り機構9に伝達するための伝達軸としての上述のステアリングシャフト3を有している。所要以上の衝撃荷重を受けたときにステアリングシャフト3が軸方向A1に短縮して衝撃を吸収するようになっている。ステアリングシャフト3の第1の軸21および第2の軸22は、中空に形成されている。第3の軸23は、中実軸形状に形成されている場合に則して説明するが、中空に形成されていることも考えられる。
第1の軸21は、一端としての軸方向A1に関する上端211(以下、単に上端211という。なお、第2の軸22および第3の軸23についても同様とする。)を有している。第2の軸22は、一端としての軸方向A1に関する下端221と、他端としての軸方向A1に関する上端222とを有している。第3の軸23は、一端としての軸方向A1に関する下端231を有している。
第2の軸22の下端221の内周に、第1の軸21の上端211の外周が、同伴回転可能に且つ軸方向A1に移動可能に嵌合されている。例えば、第1の軸21の上端211と第2の軸22の下端221とは、互いに、スプライン構造等の継手構造により互いに連結されている。これにより、第1の軸21および第2の軸22は、衝撃吸収するとき、およびステアリングホイール2の位置調整のときに、軸方向A1に相対移動できるようになっている。
第2の軸22の上端222の内周に、第3の軸23の下端231の外周が、同伴回転可能に且つ軸方向A1に相対移動可能に嵌合されている。例えば、第2の軸22の上端222と第3の軸23の下端231とは、互いにセレーション構造等の継手構造により互いに連結されている。また、第2の軸22の上端222に、第3の軸23の下端231が圧入されている。これにより、第2の軸22および第3の軸23は、衝撃吸収前の通常時においては所定の保持力で保持されており、互いの相対移動を規制されている。衝撃吸収に際し、所定の保持力を超える荷重が作用したときには、第2の軸22および第3の軸23は、軸方向A1に相対移動できるようにされている。
また、第1の軸21の上端211および第3の軸23の下端231は、軸方向A1に離隔している。第1の軸21の上端211および第3の軸23の下端231は、軸方向A1に沿って互いに対向している。軸方向A1に見たときに、第1の軸21の上端211および第3の軸23の下端231の少なくとも一部同士が、互いに重なりあっている。
車両が衝突したときに、運転者がステアリングホイール2にぶつかると、衝撃力が、運転者からステアリングホイール2に作用する。衝撃力を受けたステアリングホイール2は、車両前方X1へ向けて、車体に対して移動しようとする。
一方で、軸方向A1に関するステアリングシャフト3の第3の軸23およびステアリングコラム14のコラムチューブ27の第1および第2のチューブ31,32は、車体に係止されており、車両前方X1への移動を規制されている。
また、ステアリングコラム14の第3のチューブ33は、第2のチューブ32により、衝撃吸収前においては所定の保持力で保持されている。この所定の保持力を上回る衝撃力が第3のチューブ33に作用すると、第2および第3のチューブ32,33は互いに軸方向A1に相対移動する。これにより、ステアリングホイール2と、第3の軸23と、軸受29と、第3のチューブ33とは、一体的に、軸方向A1の下方へ向けて移動する。また、これに伴い、ステアリングコラム14が短縮される。また、ステアリングシャフト3が短縮される。さらに、第1および第2の軸21,22はともに径方向に広がる。その結果、衝撃エネルギが吸収される。
図2(a)は、通常時のステアリングシャフト3の断面図であり、ステアリングシャフト3の中心軸線よりも上側の半分を図示している。図2(b)、図2(c)、図2(d)、図3(a)、図3(b)および図3(c)の各図は、ステアリングシャフト3の衝撃吸収工程を順次に示す断面図である。
図2(a)を参照して、第1の軸21の外周213は、上端211の外周としての小径部215と、第1の傾斜部216と、小径部215よりも大径の第1の大径部217と、第2の傾斜部218と、第1の大径部217よりも大径の第2の大径部219とを有している。これらは、この記載の順序で、軸方向A1の上側から並んでいる。
小径部215は、略円筒形状をなし、スプライン継手を構成する軸方向A1に延びる複数の凹溝を有している。
第1の大径部217および第2の大径部219は、円筒面により形成されており、その外径の値を調節することにより、衝撃吸収荷重の大きさを調節できる。なお、第1の大径部217および第2の大径部219のいずれか一方を廃止することも考えられるが、本実施形態では、両方がある場合に則して説明する。また、第1の軸21の内周における第2の大径部219に径方向に対向する部分に、入力部材50が圧入されている。
第1の傾斜部216は、小径部215と第1の大径部217とを互いに接続しており、軸方向A1に対して傾斜した円錐状のテーパ形状をなす。第2の傾斜部218は、第1の大径部217と第2の大径部219とを互いに接続しており、軸方向A1に対して傾斜した円錐状のテーパ形状をなす。
第1の傾斜部216と、第1の大径部217と第2の傾斜部218と、第2の大径部219とは、第2の軸22の下端221を拡径させるための部分を形成しており、衝撃吸収前の第2の軸22の下端221の内周よりも大径に形成されており、これとともに、衝撃吸収前の状態において第2の軸22の下端221から遠ざかるにしたがって径方向に次第に大きくなっている。第1の傾斜部216と、第2の傾斜部218とが、順次、第2の軸22の下端221の内周に押し込まれることにより、第2の軸22の下端221がしだいに大きく拡径される。
第2の軸22の内周224は、下端221の内周としての第1の小径部225と、第1の傾斜部226と、第1の小径部225よりも大径の大径部227と、第2の傾斜部228と、大径部227よりも小径に形成され上端222の内周としての第2の小径部229とを有している。これらは、この記載の順序で、軸方向A1の下側から並んでいる。
第1の小径部225は、略円筒形状をなし、スプライン継手を構成する軸方向A1に延びる複数の突条を有している。第2の小径部229は、略円筒形状をなし、セレーション継手を構成する軸方向A1に延びる複数の突条を有している。また、大径部227は、円筒面により形成されている。
第1の傾斜部226は、第1の小径部225と大径部227とを互いに接続しており、軸方向A1に対して傾斜した円錐状のテーパ形状をなす。第2の傾斜部228は、大径部227と第2の小径部229とを互いに接続しており、軸方向A1に対して傾斜した円錐状のテーパ形状をなす。
第3の軸23の外周233は、軸方向A1の先端に配置された傾斜部235と、下端231の外周としての小径部236と、この小径部236とは段部237を介して互いに接続されており小径部236よりも大径の大径部238とを有している。傾斜部235と、小径部236と、段部237と、大径部238とは、この記載の順序で軸方向A1の下側から並んでいる。
小径部236は、セレーション継手を構成する軸方向A1に延びる複数の凹溝を有している。大径部238は、円筒面により形成されている。
段部237は、軸方向A1に垂直な環状平面をなしている。段部237は、軸方向A1に関する第2の軸22の上端222の移動を規制するための部分として機能する。このロックするための部分は、衝撃吸収前における第2の軸22の上端222の内周よりも大径に形成されている。また、段部237の少なくとも一部が変形されつつ、第3の軸23の下端231が第2の軸22の上端222の内周に押し込まれることにより、第2の軸22の上端222が拡径されるようになっている。
傾斜部235は、軸方向A1に関して小径部236よりも、第1の軸21に近い側に配置され、軸方向A1に対して傾斜する円錐形状をなしている。傾斜部235は、ステアリングシャフト3の径方向(以下単に径方向ともいう。)に関して外周寄りに配置された環状部分を有している。環状部分は、第1の軸21の上端211の先端における径方向内側の縁部よりも、径方向外側に配置されており、第1の軸21の拡径を案内する。
傾斜部235の上述の環状部分と、段部237と、大径部238とは、第1の軸21の上端211を拡径させるための部分を形成しており、衝撃吸収前の状態の第1の軸21の上端211の内周よりも大径に形成されており、衝撃吸収前における第1の軸21の上端211から遠ざかるにしたがってステアリングシャフト3の径方向に次第に大きくなっている。傾斜部235の上述の環状部分と段部237とが、第1の軸21の上端211の内周に押し込まれることにより、第1の軸21の上端211が拡径するようになっている。また、これを通じて第2の軸22の上端222のロックを解除するための部材として、傾斜部235は機能する。
図2(a)および図2(b)を参照して、ステアリングシャフト3の短縮は、以下のようになされる。第1の軸21の上端211と第2の軸22の下端221とが、位置調整のために相対摺動し易くされているので、先ず相対移動する。すなわち、第2の軸22の内周224の第1の小径部225が、第1の軸21の外周213の小径部215に沿って、車両前方へ向けて移動する。これとともに、第2の軸22と第3の軸23とは、一体的に移動する。そして、第1の軸21の外周213の第1の傾斜部216と、第2の軸22の内周224の第1の小径部225の先端の縁部とが、互いに当接する。
図2(b)および図2(c)を参照して、次に、第1および第2の軸21,22が互いに嵌合した状態で相対摺動するのに伴い、第1の軸21が第2の軸22の下端221を拡径させることによる第1の衝撃吸収が行われる。
図2(d)および図3(a)を参照して、その後、第2および第3の軸22,23が互いに係合した状態で相対摺動するのに伴い、第3の軸23が第2の軸22の上端222を拡径させることによる第2の衝撃吸収が行われる。
また、第1および第3の軸21,23が互いに係合し、この状態で相対摺動するのに伴い、第3の軸23が第1の軸21の上端211を拡径させることによる第3の衝撃吸収が行われる(図2(c)および図2(d)参照。)。
図2(b)および図2(c)を参照して、第1の衝撃吸収では、第2の軸22の下端221が、第1の軸21の外周213の第1の傾斜部216および第2の傾斜部218に沿って車体前方へ向けて移動すると、第2の軸22の下端221が拡径される。これに伴って、第3の軸23が、第2の軸22と一体的に車体前方へ向けて移動する。その結果、第1の軸21の上端211と第3の軸23の下端231とが、第2の軸22内で互いに接近する。
図2(c)を参照して、次に、ステアリングシャフト3が短縮し、ステアリングシャフト3の軸長L0が第1の所定長L1になる(L0=L1)と、第3の衝撃吸収が開始される。すなわち、第1の軸21の上端211の先端が、第3の軸23の下端231の傾斜部235に当接し係合する。ここで、ステアリングシャフト3の軸長L0は、軸方向A1に関する第1の軸21の下端の先端から第3の軸23の上端の先端までの長さである。
図2(c)および図2(d)を参照して、第2の軸22が、車体前方へさらに移動すると、ステアリングシャフト3の軸長L0が第1の所定長L1よりも短くなる。これに伴い、第3の軸23の下端231が、第1の軸21の上端211の内周に押し込まれ、これにより、第1の軸21の上端211を拡径させる。このとき、第1の衝撃吸収と、第3の衝撃吸収とが、同時に行われる。
第3の衝撃吸収の開始後、第2の衝撃吸収が開始される。すなわち、ステアリングシャフト3がさらに短縮し、ステアリングシャフト3の軸長L0が第2の所定長L2(L0=L2<L1)と等しくなると、拡径された第1の軸21の上端211が、第2の軸22の上端222側の内周の第2の傾斜部228に当接し係合する(図2(d)参照。)。
図2(d)および図3(a)を参照して、第2の軸22が車体前方へさらに移動すると、ステアリングシャフト3の軸長L0が第2の所定長L2よりも短くなる。これに伴い、拡径された第1の軸21の上端211が、第2の軸22の上端222の内周を径方向外方へ押圧する。これにより、第2の軸22の上端222が拡径される。第2の衝撃吸収が開始される。
第2の衝撃吸収が開始されると、第1、第2および第3の衝撃吸収が、同時に行われる。この間、第2の軸22と第3の軸23とは、軸方向A1に一体的に移動する。また、第2の軸22の上端222は、拡径された第1の軸21の上端211により径方向外方へ押圧されて、より大きく拡径される。また、第1の軸21の上端211は、第2の軸22と第3の軸23との間の環状空間に押し込まれる。
図3(a)を参照して、次に、拡径された第1の軸21の上端211が、第2の軸22の上端222を径方向内側から押圧ことにより、第2の軸22の上端222を拡径させる。これを通じて、第2の軸22の上端222と第3の軸23の下端231との係合が解除される。すなわち、ステアリングシャフト3の軸長L0が第3の所定長L3(L0=L3<L2)と等しくなると、第2の軸22の上端222の内径が、第3の軸23の段部237の外径と等しくなる。これにより、第2の軸22の上端222と第3の軸23との軸方向A1に関する相対移動が許容される。
図3(a)および図3(b)を参照して、第3の軸23がさらに車体前方へ移動すると、ステアリングシャフト3の軸長L0が第3の所定長L3よりも短くなる。これに伴い、第1および第2の軸21,22が相対移動しなくなる一方で、第2および第3の軸22,23は相対移動する。
図3(b)および図3(c)を参照して、その結果、第3の軸23と第1の軸21とが、軸方向A1に相対移動し、第3の軸23の下端231が、第1の軸21の上端211の内側にさらに、食い込む。これにより、第3の軸23が嵌合した第1の軸21の一部は拡径される。また、この第1の軸21の上述の一部に嵌合した第2の軸22の一部が、拡径される。このとき、第3の軸23の一端231、例えば、傾斜部235の環状部分、小径部236、段部237の外周縁部、および大径部238の縁部が変形する。
第2の軸22の内周224の大径部227は、第3の軸23により拡径された第1の軸21の外周213と接触するようにしてもよい。例えば、通常時において、大径部227の半径は、第3の軸23の大径部227の半径と、第1の軸21の肉厚、例えば第1の軸21における小径部215を形成する部分の径方向の肉厚との和と等しいか、この和の値よりも小さくされている。
または、大径部227は、第1の軸21の上端211が第3の軸23により拡径されるときに第1の軸21から逃げてもよい。この場合には、衝撃吸収荷重の上昇を抑制できる。例えば、逃げる場合には、通常時において、大径部227の半径は、第3の軸23の大径部227の半径と、第1の軸21の肉厚、例えば第1の軸21における小径部215を形成する部分の径方向の肉厚との和よりも大きくされている。
図3(c)を参照して、第1、第2および第3の軸21,22,23が入れ子状に互いに嵌合される。これにより、衝撃吸収ストローク量を長く確保できる。
図2(c)および図2(d)を参照して、第1および第2の衝撃吸収の順序は、下記のようにして実現される。すなわち、第1の衝撃吸収において、第1の軸21と第2の軸22とが相対移動するのに伴って、第1の軸21が第2の軸22を拡径させることによる衝撃吸収荷重(第1の衝撃吸収荷重ともいう。)が、予め設定されている。例えば、拡径される直前の第2の軸22の下端221と第1の軸21の外周213の第1の傾斜部216とが互いに係合したときに、第1および第2の軸21,22を軸方向A1に相対移動させるのに要する軸方向A1の荷重が、第1の衝撃吸収荷重に相当する。
なお、第1の衝撃吸収荷重として、第1の軸21と第2の軸22との相対移動を開始させるのに要する軸方向A1の荷重を用いてもよい。この荷重は、本実施形態では位置調整用に非常に小さな値に設定されている。
第2の衝撃吸収においては、第3の軸23と第2の軸22とが相対移動するのに伴って、第3の軸23が第2の軸22を拡径させることによる衝撃吸収荷重(第2の衝撃吸収荷重ともいう。)が、予め設定されている。例えば、第3の軸23が第2の軸22のみと係合した状態において、拡径される直前の第2の軸22の上端222と、第3の軸23の段部237とが互いに係合したときに、第2および第3の軸22,23を軸方向A1に相対移動させるのに要する軸方向A1の荷重が、第2の衝撃吸収荷重に相当する。第2の衝撃吸収荷重は、第2の軸22と第3の軸23との相対移動を開始させるのに要する軸方向A1の荷重に相当する。
具体的には、第1の軸21の第1の傾斜部216が、当該第1の軸21に対する第2の軸22の移動方向としての下向きの軸方向A1に対して、相対的に小さな角度、例えば45度以下の角度をなしている。これにより、第1の衝撃吸収荷重は小さくなる。
一方、第3の軸23の段部237が、当該第3の軸23に対する第2の軸22の上端222の移動方向としての上向きの軸方向A1に対して、相対的に大きな角度、例えば直角またはほぼ直角をなしている。これにより、第2の衝撃吸収荷重は大きくなる。
このように、第1の衝撃吸収荷重は、第2の衝撃吸収荷重よりも小さくされている。その結果、衝突時の衝撃力が立ち上がると、相対的に小さい第1の衝撃吸収荷重が設定された第1の衝撃吸収が、相対的に大きい第2の衝撃吸収荷重が設定された第2の衝撃吸収よりも先に行われる。
また、第2の衝撃吸収荷重は、第1の衝撃吸収荷重よりも常に大きくなるように設定されている。このために、段部237の高さ(径方向寸法)は、第2の軸22の上端222の先端を係止できるような所定長で設定されている。例えば、第2の軸22の上端222の先端に、軸方向A1に、第2の衝撃吸収荷重と等しいかこれよりも大きな衝撃力が作用したときに、軸方向A1への第2の軸22の上端222の移動を許容する。また、第2の軸22の上端222の先端に、軸方向A1に、第2の衝撃吸収荷重の値未満の小さな衝撃力が作用したときには、軸方向A1への第2の軸22の上端222の移動を規制する。
一方で、段部237の高さは、第1の軸21の上端211の先端の肉厚(径方向寸法)よりも小さくされている。ここで、第1の軸21の上端211の先端の肉厚としては、通常時の肉厚としてもよいが、より好ましくは、第3の軸23により拡径されたときの肉厚とするのがよい。これにより、拡径された第1の軸21の上端211が第2の軸22を径方向に内側から押圧することにより、第2および第3の軸22,23の係合を確実に解除できる。
図1および図2(a)を参照して、以上説明したように、本実施形態では、伝達軸としてのステアリングシャフト3が、第1、第2および第3の軸21,22,23を有し、ステアリングシャフト3の短縮に伴って衝撃吸収するようにしてある。ステアリングシャフト3を多段で構成するので、小型のステアリングシャフト3であっても衝撃吸収ストローク量を長くできる。従って、十分な量の衝撃吸収ストローク量を確保できる小型の車両用操舵装置1を実現できる。
また、第1の軸21と第2の軸22とが互いに相対移動することによる第1の衝撃吸収と、第3の軸23と第2の軸22とが互いに相対移動することによる第2の衝撃吸収とが順次に行われるので、短縮時のステアリングシャフト3全体の挙動が安定し、その結果、ステアリングシャフト3の短縮をスムーズに実現できる。なお、この効果は、第1および第2の衝撃吸収の一方と他方が、順次に行われるようにしてあればよい。本実施形態とは逆に、第1の衝撃吸収が、第2の衝撃吸収よりも後になされる場合でも、上述の効果を得ることができる。また、上述の順次は、一方の開始時点が、他方の開始時点よりも先であればよい。
また、第1の軸21と第2の軸22とが互いに相対移動することによる第1の衝撃吸収荷重が、第3の軸23と第2の軸22とが互いに相対移動することによる第2の衝撃吸収荷重よりも小さくされている。これにより、車両の衝突時に、先ず、第1の軸21および第2の軸22が互いに相対移動する。次に、第2の軸22および第3の軸23が互いに相対移動する。相対移動の順序が決まっているので、短縮時のステアリングシャフト3の全体の挙動が安定する。
また、本実施形態では、第2の軸22の両端221,222の内周225,229にそれぞれ嵌合する第1の軸21の上端211および第3の軸23の下端231は、軸方向A1に離隔している。伝達軸としてのステアリングシャフト3の短縮に伴って衝撃吸収するときに、第1の軸21が、第2の軸22に対して軸方向A1に移動する。その結果、第1の軸21の上端211が、第3の軸23の下端231に係合することにより、第3の軸23が、第1の軸21を拡径させつつ第1の軸21内に挿入されるようになっている。
これにより、第1の軸21が第2の軸22内に嵌合した状態で、第3の軸23が、第1の軸21を拡径させながら第1の軸21内に入ることができる。その結果、小型のステアリングシャフト3であっても、十分な量の衝撃吸収ストローク量を得ることができる。
また、仮に、第1、第2および第3の軸を順次大径または小径にする場合と比較して、ステアリングシャフト3の曲げ剛性を高めることができる。これに加えて、第2の軸22の両端を拡径させるために第1の軸21の一部および第3の軸23の一部を径方向に大きくできるので、ステアリングシャフト3の曲げ剛性をより一層高めることができる。
図1を参照して、車両用操舵装置1は、車両の盗難を防止するために、ステアリングシャフト3の回転を解除可能に規制するためのロックピン42を含むロックピン移動機構43と、ロックピン42と離脱可能に係合する係合孔44とを有している。ロックピン42が係合孔44の縁部に係合することにより、ロックピン42がステアリングシャフト3の回転を規制することができる。ロックピン移動機構43と係合孔44とが、ステアリングロック装置の少なくとも一部を構成している。ロックピン移動機構43は、第3のチューブ33に固定されている。
本実施形態では、係合孔44が第2の軸22の大径部227に形成されるので、係合孔44を挿通したロックピン42の先端と、ステアリングホイール2の位置調整のときに第2の軸22内を相対移動する第1の軸21との干渉の発生を防止しやすい。
車両用操舵装置1は、ステアリングホイール2の操舵角θ1に対する転舵輪の転舵角θ2の比としての伝達比θ2/θ1を変更することのできるVGR(Variable Gear Ratio )機能を実現するための伝達比可変機構46と、ステアリングシャフト3に操舵補助力を付与するための操舵補助機構48とを有している。
伝達比可変機構46は、軸状の入力部材50と、軸状の出力部材51と、中間部材としての揺動歯車装置52とを有しており、これらは差動機構を構成している。揺動歯車装置52は、入力部材50と出力部材51との間に介在している。揺動歯車装置52は、制御部(図示せず)の制御下で電動モータ53により駆動されることにより、入力部材50と出力部材51との間の回転角度の比(伝達比)を変更することができる。
操舵補助機構48は、入力軸55と、この入力軸55とトーションバー56を介して連結された出力軸57と、トルクセンサ58と、操舵補助力を発生させるための電動モータ59と、電動モータ59の出力回転を減速する減速機60とを有している。電動モータ59は、減速機60を介して、出力軸57を駆動する。トルクセンサ58は、トーションバー56を介する入力軸55および出力軸57の間の相対回転変位量により、操舵トルクを検出する。制御部が、操舵トルクの検出結果や、車速センサにより検出された車速結果等に基づいて、電動モータ59を制御し、操舵が補助されるようになっている。
ステアリングシャフト3と伝達比可変機構46と操舵補助機構48とが、軸方向A1に並んで配置される場合は、軸方向A1に関するステアリングシャフト3と伝達比可変機構46と操舵補助機構48との全体の長さが長くなる傾向にある。しかし、本実施形態では、十分な量の衝撃吸収ストローク量を確保しつつ、通常時のステアリングシャフト3の軸長を短くできる。従って、上述した多機能の車両用操舵装置1を小型化できて、広範囲の車両に適用することができる。
また、本実施形態について、以下のような変形例を考えることができる。以下の説明では、上述の実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、他の構成については、上述の実施形態と同様である。
例えば、図4(a)〜(c)は、本発明の第2の実施形態のステアリングシャフト3における中心軸線よりも上側の半分を示す衝撃吸収開始直後の断面図であり、衝撃吸収工程を順次に示す。本実施形態の第2の衝撃吸収荷重は、第1の実施形態の第2の衝撃吸収荷重よりも小さく設定されている。例えば、段部237の高さは、第1の実施形態での高さよりも低くされている。これにより、先ず、第1の衝撃吸収が開始され、次に、第2の衝撃吸収が開始され、次に、第3の衝撃吸収が開始されるようになっている。
具体的には、衝撃吸収時にステアリングシャフト3の軸長L0が短くなるにしたがって、第2の軸22の下端221の径方向変形量(拡径量)が、しだいに大きくなる。ステアリングシャフト3の短縮に伴い、第1の衝撃吸収荷重が、第2の衝撃吸収荷重よりも小さい値から徐々に大きくなり、第2の衝撃吸収荷重よりも大きくなるようにされている。
第2の軸22の下端221が、第1の軸21の外周213の第2の傾斜部218に沿って拡径され、第2の大径部219に沿って移動し、短縮に伴うステアリングシャフト3の軸長L0が予め定める値L5に等しくなる。このときに、第1の衝撃吸収荷重が、第2の衝撃吸収荷重と等しくなるように設定されている。これにより、第2の軸22と第3の軸23とが軸方向A1に相対移動しつつ第2の軸22の上端222が拡径される。第2の衝撃吸収が開始される。一方、第2の軸22と第1の軸21との相対移動は停止する。
その後、ステアリングシャフト3の軸長L0がさらに短くなる(L0<L5)と、第3の衝撃吸収が開始される。すなわち、第1の軸21の上端211が、第3の軸23の傾斜部235に係合し、拡径され、その結果、第3の軸23の外周233に嵌合しつつ、第2の軸22の内周224に嵌合する。
図1を参照して、第1の実施形態のステアリングシャフト3の第1の軸21、第2の軸22および第3の軸23が、軸方向A1の上下関係を逆に配置されてもよい。この場合、第1の軸21が、軸受29を介してステアリングコラム14により支持され、第1の軸21の軸方向A1の上端に、ステアリングホイール2が連結される。第3の軸23の軸方向A1の下端が、入力部材50に、互いに同伴回転可能に互いに固定される。第2の実施形態についても同様である。その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1…車両用操舵装置、2…ステアリングホイール、3…ステアリングシャフト(伝達軸)、9…舵取り機構、21…第1の軸、22…第2の軸、23…第3の軸、211…上端(第1の軸の一端)、215…小径部(第1の軸の一端の外周)、221…下端(第2の軸の一端)、222…上端(第2の軸の他端)、225…第1の小径部(第2の軸の一端の内周)、229…第2の小径部(第2の軸の他端の内周)、231…下端(第3の軸の一端)、236…小径部(第3の軸の一端の外周)、A1…軸方向。

Claims (3)

  1. ステアリングホイールの回転を舵取り機構に伝達するための伝達軸を有し、所要以上の衝撃荷重を受けたときに伝達軸が軸方向に短縮して衝撃を吸収する車両用操舵装置において、
    上記伝達軸は、上記軸方向に順次に並ぶ第1、第2および第3の軸を含み、
    上記第1および第2の軸は、中空に形成され、
    上記第2の軸の一端に、上記第1の軸の一端が、同伴回転可能に且つ上記軸方向に移動可能に嵌合され、
    上記第2の軸の他端に、上記第3の軸の一端が、同伴回転可能に且つ上記軸方向に移動可能に嵌合され、
    上記伝達軸の短縮に伴って衝撃吸収するときに、上記第1の軸と上記第2の軸とが互いに相対移動することによる衝撃吸収、および上記第3の軸と上記第2の軸とが互いに相対移動することによる衝撃吸収の何れか一方、並びに他方が、順次に行われるようにしてあることを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 請求項1において、
    上記第1の軸と上記第2の軸とが互いに相対移動することによる第1の衝撃吸収荷重が、上記第3の軸と上記第2の軸とが互いに相対移動することによる第2の衝撃吸収荷重よりも小さくされていることを特徴とする車両用操舵装置。
  3. 請求項2において、
    上記第2の軸の上記一端の内周に、上記第1の軸の上記一端の外周が、同伴回転可能に且つ上記軸方向に移動可能に嵌合され、
    上記第2の軸の上記他端の内周に、上記第3の軸の上記一端の外周が、同伴回転可能に且つ上記軸方向に移動可能に嵌合され、
    上記第1の軸の上記一端および上記第3の軸の上記一端は、上記軸方向に離隔しており、
    衝撃吸収するときに、上記第1の軸が、上記第2の軸に対して上記軸方向に移動し、その結果、上記第1の軸の上記一端が、上記第3の軸の上記一端に係合することにより、上記第3の軸が、上記第1の軸を拡径させつつ上記第1の軸内に挿入されることを特徴とする車両用操舵装置。
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