JP2010239736A - 電力変換装置 - Google Patents

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太一郎 民田
Ikuro Suga
郁朗 菅
Takashi Kumagai
隆 熊谷
Ichigo Kurahashi
一豪 倉橋
Noboru Wada
昇 和田
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Abstract

【課題】特に、多相整流回路を用いて高い受電力率を可能とすべく、平滑コンデンサの容量をある程度の大きさ以下に小さく設定しても、耐圧以上に直流母線電圧が上昇してインバータを破損する恐れがない電力変換装置を得ることを目的とする。
【解決手段】ダイオード素子からなり交流系統1の電圧を整流して直流母線PNに出力する整流回路2、半導体スイッチング素子からなり直流母線PNの電圧を交流に変換して負荷4に供給するインバータ3、直流母線PN間に接続されたシャントスイッチ6とシャント抵抗7との直列体からなる電圧クランプ回路8、および直流母線PN間の電圧が所定の過電圧に達したときシャントスイッチ6をONするスイッチ制御回路11を備えた。
【選択図】図2

Description

本発明は、ダイオード素子からなり商用周波数の交流系統の電圧を整流して直流母線に出力する整流回路および半導体スイッチング素子からなり直流母線の電圧を交流に変換して負荷に供給するインバータを備えた電力変換装置に関する。
インバータは、直流を所望の交流に変換する装置であり、モータの駆動をはじめ広く一般に用いられている。インバータには直流電圧源が必要なので、交流系統の商用周波数の交流波形電圧を受電して、これを直流電圧に変換する整流回路あるいはコンバータが必要である。
整流回路は、通常、出力の直流電圧をほぼ一定にするように設計されているが、この電圧はいろいろな理由によって変動する。特に、整流回路にスイッチングを行うような能動素子がなく、例えば、ダイオードブリッジだけで構成された整流回路の場合、その出力電圧は入力あるいは負荷の状況によって変動する可能性が高い。この直流電圧が変動すると、負荷の動作に影響することはもちろんであるが、特に重要なのは、この電圧値が急に上昇した場合に、インバータの素子の耐圧を超えてインバータが破壊する危険がある場合である。
この観点から、例えば、特許文献1には、整流回路の出力側の直流母線間にスイッチング素子を設けて、直流電圧の変動を抑える機構が紹介されている。この種の機構を設けることで、入力の変動によらず、直流電圧がインバータの耐圧を超えることを防ぐことができるとしている。
ここで、次のような状況を考えてみる。まず整流回路は、特許文献1に紹介されているのと同じような、ダイオードブリッジによる整流回路であり、能動素子による電圧一定制御機能を持たないとする。また、交流系統には配線などに起因する浮遊のインダクタンス成分があるものと仮定する。このとき、インバータが何らかの理由、例えば、負荷の異常、あるいはインバータのアーム短絡などの理由で、突然停止したとする。すると、浮遊のインダクタンス成分に蓄積されたエネルギーが直流母線に流れ込み、その直流母線電圧を上昇させる。
ところで、この特許文献1の電圧変動抑制機構は、直流母線間に2個のスイッチング素子を直列に接続し、その中間接続点を整流回路交流側星形接続コンデンサの中性点に接続したものである。従って、上述したような、直流母線に流れ込むエネルギーが極めて大きい場合には、特許文献1のようなスイッチング素子だけの回路ではそのエネルギーを消費させることができず、電圧を上昇することを防ぐことができないと想像される。
通常このようなことが起こらないのは、整流回路とインバータとの間の直流母線電圧部分に、比較的大きな平滑コンデンサが設けられているからである。交流系統からの交流電圧をダイオード整流した場合、その出力波形は一定にはならず、交流系統の相数および整流方式に応じた変動が生じる。整流の方式によって出力電圧の変動を小さくする方法としてはいろいろな方法が知られているが、例えば、特許文献2に示されたような方法がある。
そして、この電圧変動を更に一定の電圧に近づけるためには、十分な容量の平滑コンデンサによって電圧の平滑を行う必要がある。この場合、仮にインバータが急停止した場合に、交流系統のインダクタンス成分に蓄積されたエネルギーが流れ込んできたとしても、平滑コンデンサによってそのエネルギーを吸収することができ、結果として直流母線の電圧はそれほど上昇することがない。
しかしながら、この平滑コンデンサを大きくすると、新たな問題点が存在する。即ち、いわゆる高力率化回路を含まないダイオード整流回路の場合、平滑コンデンサが大きいとダイオードが通電する瞬間に大きなコンデンサインプット電流が流れるため、受電の力率が低下する。
このことは整流方式によって力率を向上させている場合には特に重要となる。例えば、特許文献2のように、整流方式を多相整流として力率を向上させている場合、平滑コンデンサの容量が受電力率を決める大きな要因となる。
近年では特に大容量の産業用機器の場合、高い受電力率を要求されることが多い。力率の低下は受電での損失につながるだけでなく、高次高調波も多くなるため、交流系統に接続されている他の機器への影響も大きくなる。受電力率95%以上とか98%以上を実現するためには、アクティブな素子を用いた高力率コンバータを用いることが多いが、こういったスイッチング素子を多く用いた整流回路は一般にコスト高である。ダイオード整流による整流回路が安価で望ましいが、ダイオード整流で力率を上げるために多相整流を行っても、平滑コンデンサの容量が大きいと力率を十分に上げることができない。
特開平8−196077号公報 特開平11−122943号公報
以上のように、従来の電力変換装置にあって、特に、高力率を追求すべく、多相整流を用いたダイオード整流回路で、平滑コンデンサを小さくしたいという要望がある。しかし、この平滑コンデンサの容量が小さいと、最初に述べたように、インバータが急に遮断した場合に、交流系統の浮遊インダクタンスからのエネルギーをその平滑コンデンサで十分に受け止めることができず、直流母線電圧を上昇させ、インバータの耐圧を超えてしまう可能性があるという問題点があった。
この発明は、以上のような従来の問題点を解消するためになされたもので、特に、多相整流回路を用いて高い受電力率を可能とすべく、平滑コンデンサの容量をある程度の大きさ以下に小さく設定しても、耐圧以上に直流母線電圧が上昇してインバータを破損する恐れがない電力変換装置を得ることを目的とする。
この発明に係る電力変換装置は、ダイオード素子からなり商用周波数の交流系統の電圧を整流して直流母線に出力する整流回路、半導体スイッチング素子からなり直流母線の電圧を交流に変換して負荷に供給するインバータ、直流母線間に接続されたスイッチと抵抗器との直列体からなる電圧クランプ回路、および直流母線間に所定の過電圧を超える電圧が発生しないよう直流母線間の電圧が所定の過電圧に達したときまたはその恐れがあるとき平常時開路状態にあるスイッチを閉路するスイッチ制御回路を備えたものである。
この発明は以上のように、直流母線間に接続されたスイッチと抵抗器との直列体からなる電圧クランプ回路、および直流母線間に所定の過電圧を超える電圧が発生しないよう直流母線間の電圧が所定の過電圧に達したときまたはその恐れがあるとき平常時開路状態にあるスイッチを閉路するスイッチ制御回路を備えたので、たとえ、交流系統のインダクタンス成分に蓄積された大きなエネルギーが直流母線に流れ込んできても、スイッチの閉路動作で直流母線間に挿入される抵抗器が当該エネルギーを吸収して過電圧を抑制しインバータを確実に保護する。
本発明に係る電力変換装置の基本的な構成を示す図である。 本発明の実施の形態1における電力変換装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態2におけるスイッチ制御回路11を示す構成図である。 図3のスイッチ制御回路11の一具体例を示す構成図である。 図3のスイッチ制御回路11の更に異なる具体例を示す構成図である。 本発明の実施の形態3におけるスイッチ制御回路を示す構成図である。 本発明の実施の形態4における整流回路の一例を説明する図である。 本発明の実施の形態4における整流回路の他の一例を説明する図である。 本発明の実施の形態4における整流回路の更に他の一例を説明する図である。 本発明の実施の形態4における整流回路の更に他の一例を説明する図である。 本発明の実施の形態4における整流回路の更に他の一例を説明する図である。 本発明の実施の形態5を説明するための、受電力率と平滑コンデンサの容量との関係を示す特性図である。
実施の形態1.
図1に本発明に係る電力変換装置の基本的な構成を示す。まず、受電は、交流系統1から商用周波数の交流波形電圧を受電する。交流系統1から受電端までには、配線などに起因する浮遊のインダクタンス5が存在する。この交流電圧を整流回路2で概ね直流電圧に変換して直流母線PNに出力し、この直流電圧(直流母線間電圧)をインバータ3によって所望の交流波形電圧に変換し、負荷4を駆動する。このとき、直流母線間に、シャント抵抗7とシャントスイッチ6とからなる電圧クランプ回路8が設けられている。図1では、受電電圧は単相で書かれているが、受電電圧は単相交流の場合も三相交流の場合もある。また、インバータ3の出力、つまり負荷4の駆動電圧も単相であるが、これについても単相の場合もありうるし、三相の場合もありうる。
図2は、このブロック図をさらに具体的に表したもので、この発明の実施の形態1における電力変換装置を示す構成図である。図2では、受電は三相交流、インバータ3の出力も三相になっている。トランス9を介して交流系統1に接続された整流回路2は、ダイオードブリッジ回路から構成される。直流母線間には、平滑コンデンサ10とこれと並列にシャント抵抗7とシャントスイッチ6とからなる電圧クランプ回路8が設けられている。更に、シャントスイッチ6の開閉動作を制御するスイッチ制御回路11を設けている。
図2ではインバータ3およびシャントスイッチ6のスイッチング素子として、仮にIGBTを記載しているが、これは一例であって、スイッチング素子であれば、例えば、FETなどでも構わないことは言うまでもない。また、シャント抵抗7とシャントスイッチ6とは互いに直列に接続されるが、図1および図2ではシャントスイッチ6が下つまり低電位側になっているが、これはIGBTがエミッタを基準電位として制御を行うことが多いためであり、原理上どちらが上でも構わない。
次に、図2を用いて回路の動作について説明する。三相交流波形電圧を受電して、まずトランス9によって、所望の電圧に変換される。このトランス9は、整流回路2と交流系統1とを絶縁する役割もある。トランス9の出力をダイオードブリッジによる整流回路2で直流電圧に変換する。整流回路2の後段には平滑コンデンサ10が設けられ、これによって直流母線部分の電圧が一定値に近くなる。この電圧をインバータ3によって交流波形電圧に変換して負荷4に印加する。
通常の動作時、即ち、直流母線間の電圧が、インバータ3の耐電圧を超えるような過電圧でない、またはその恐れがないときには、シャントスイッチ6はOFFであり、電圧クランプ回路8は動作していない。ここで、インバータ3が何らかの理由で急に停止した場合を考える。停止するような状況として、負荷4の異常による保護動作、過電圧あるいは過電流といったインバータ3の保護のための停止、などが考えられる。インバータ3の停止方法にもよるが、一般的にはインバータ3の全スイッチング素子がOFFとなり、直流母線からインバータ3への電流がゼロになる。
このとき、インバータ3の手前から、交流系統1に至るまでに存在する浮遊のインダクタンス5には、急停止前の通常動作時に流れていた電流によるエネルギーが蓄積されている。インバータ3が急停止するとこのエネルギーの行き場が無くなり、インバータ3前段の平滑コンデンサ10に流れ込む。
浮遊のインダクタンス5としては、交流系統1の配線やハーネス、トランス9の漏れインダクタンス、回路の浮遊のインダクタンスが考えられ、配線によるインダクタンスとトランス9の漏れインダクタンスが支配的であると考えられる。図に示した浮遊のインダクタンス5は、これらの浮遊成分を代表的に表したものである。
平滑コンデンサ10に流れこんだ電流は平滑コンデンサ10の電圧を上昇させる。この上昇が大きい場合、インバータ3の素子耐圧を超える可能性がある。そうならないように、このような状況で電圧が上昇した場合に、スイッチ制御回路11の操作で電圧クランプ回路8が動作する。つまり、シャントスイッチ6をON(閉路)し、電圧クランプ回路8のシャント抵抗7に電流を流す。蓄積されたエネルギーはかなり大きなものである可能性があるので、スイッチング素子で全てのエネルギーを消費させるのは難しい。従って、シャント抵抗7を直列に設け、流れ込む電流のエネルギーをこのシャント抵抗7で消費させる。また、この電圧クランプ回路のインピーダンスをシャント抵抗7の抵抗値で決めることができるので、最適な保護動作が可能となる。
電圧クランプ回路8は一定時間ONした後、OFF(開路)にする。電流を流す時間が長すぎるとシャント抵抗7が過熱するため好ましくない。OFFにするタイミングによってはOFFした後、再び電圧が上昇する場合がある。このような場合には再度シャントスイッチ6をONにする。シャント抵抗7の値を適切に選び、最適なタイミングでOFFすれば、OFF後も電圧が上昇せず、回路の適切な保護を行うことができる。OFFするタイミングは、あらかじめ与えておくか、あるいは入力電流の位相を検出してタイミングを制御する方法等がある。
シャント抵抗7の抵抗値であるが、直流母線の電圧をほとんど上昇させずに、流れ込むエネルギーを電圧クランプ回路8に回収するためには、負荷4のインピーダンスと同程度の抵抗値である必要がある。抵抗値が大きくなるほど電圧の上昇は大きくなるが、電圧クランプ回路8の電流値は小さくなり、電圧クランプ回路8の設計および制御は容易になる。
実施の形態2.
図3は、図2のスイッチ制御回路11の具体例である、この発明の実施の形態2におけるスイッチ制御回路11を示す構成図である。即ち、電圧クランプ回路8は直流母線の電圧をある一定値以下に抑えるためのものであるので、その制御を行うためには、まずは直流母線電圧を検出することが考えられる。図3は、その電圧検出の様子を示したものである。直流母線電圧を検出する電圧検出回路12、およびこの信号を受けて制御を行う駆動回路13から構成される。
図4は、更にその具体的な一例である。直流母線電圧を、抵抗分圧器14により、抵抗値の高い抵抗で分圧して検出する。そして、この抵抗分圧器14で検出した電圧を、比較器15により、インバータ3の過電圧レベルに相当する所定の基準電圧16と比較し、基準電圧以上となると比較器15からの出力で駆動回路13がシャントスイッチ6を構成するスイッチング素子の制御端子に駆動信号を送出してシャントスイッチ6をONにするように構成されている。
また、図5は他の一例である。直流母線間に接続された、ツェナーダイオード素子の直列体からなる過電圧検出部17およびこの過電圧検出部17のツェナーダイオード素子の上段部分と下段部分との接続点からの電流を、シャントスイッチ6を構成するスイッチング素子の制御端子に供給するオン動作部18を備えている。
過電圧検出部17のツェナーダイオード素子の下段部分のツェナー電圧(アバランシェ降伏動作電圧に相当)は、シャントスイッチ6を駆動するために必要な電圧である。過電圧検出部17のツェナーダイオード素子の上段部分のツェナー電圧は、直流母線電圧の最大値(電圧クランプ回路8が動作すべき電圧値)から下段部分のツェナーダイオード素子のツェナー電圧を引いたものである。この場合、直流母線の電圧が設定された過電圧値以上となると、ツェナーダイオード素子にはそのアバランシェ降伏動作による電流が流れ、この電流によりシャントスイッチ6がONして電圧クランプ回路8が動作する。この構成は制御回路などが不要になるという利点がある。
なお、図5では、過電圧検出部17は、ツェナーダイオード素子のみの直列体で構成したが、その一部に例えば抵抗素子を含む直列体で構成してもよい。
実施の形態3.
スイッチ制御回路により電圧クランプ回路8を駆動する方法として更なる別案が考えられる。即ち、電圧クランプ回路8が動作すべきなのは、インバータ3が急に遮断した場合である。このことから、インバータ3の遮断の信号を受けて電圧クランプ回路8を動作させるという方法が考えられる。
図6は、その別案を適用した、この発明の実施の形態3におけるスイッチ制御回路を示す構成図である。
インバータ3には、各スイッチング素子を駆動するためのゲート回路などの駆動回路19が設けられており、それらがインバータ制御回路20から信号を得てインバータ3を駆動している。インバータ制御回路20にはいろいろな検出信号も入力される。例えば、負荷4の異常が発生したことを知らせる信号S2、電流検出器21によって検出される、インバータ3の過電流を知らせる信号S1、その他、過電圧を知らせる信号などである。
インバータ制御回路20内の停止信号生成手段22は、これらの信号を受けて、停止信号を各駆動回路19に送出してインバータ3の運転を停止させる、インバータ保護動作を行うが、同時にこの停止信号生成手段22からの停止信号を受けて駆動回路13が電圧クランプ回路8のシャントスイッチ6をONさせる。
即ち、この実施の形態3では、インバータ3が保護動作で遮断され、直流母線間の電圧が過電圧を超える恐れが想定されるという段階で電圧クランプ回路8が動作するため、インバータ3のより確実な保護が可能になる。
なお、図3〜5に示すような電圧検出または電圧変化に基づき電圧クランプ回路8を動作させる方式および図6に示すようなインバータ保護動作に同期させて電圧クランプ回路8を動作させる方式は、必要に応じてその片方だけを用いる場合もありうるし、あるいは保護の重要性によっては両方の方式を用いて両方の検出信号に基づいて電圧クランプ回路8を動作させるようにしても良い。
実施の形態4.
さて、本発明の主目的はインバータ3を保護することにあるが、これは平滑コンデンサ10を低容量化した場合に必要になることが多い。平滑コンデンサ10を低容量化する目的の一つは、既述したように受電の力率を上げるためである。このため、本発明が適用される場合の整流回路2の形態として、安価なトランス9+ダイオードブリッジの整流回路2を用いていること、平滑コンデンサ10を通常よりも小容量化していること、の2つの特徴が考えられる。これらの技術と本発明が組み合わされた場合について、以下、本発明の実施の形態4としてその具体的な構成を説明する。
先の図2では、三相の交流波形電圧を受電しトランス9を介して三相のダイオードブリッジ整流回路2に入力している。この場合、三相交流が整流されるので、整流回路2の出力では位相60゜おきに凹凸を繰りかえす波形が得られる。例えば、これを6相整流と呼ぶ。単相の整流波形よりははるかに平滑度が高いが、それでもこの電圧の変化に応じて平滑コンデンサ10へのインプット電流が流れるため、受電の力率はあまり良くならない。
整流後の平滑度を向上させ、受電力率を向上させる方法として、多相整流と呼ばれ方法がある。まず、図7では12相整流の例を示す。トランス9の2次側の巻線を2つにして、それぞれで位相を30゜ずらすと、整流後の凹凸が互いに30゜ずれるので、これらを足し合わせると、30゜ごとに凹凸を繰り返す波形となる。30゜ごとなので12相整流と呼ぶ。平滑度が通常の6相整流と比較して向上しているので、受電の力率が高くなる。2次巻線の位相をずらす方法としては、トランス9の巻き方を工夫することで可能となるが、図7のように30゜ずらす場合は、2次側をΔ結線とY結線にする方法が良く用いられる。
更に、2次巻線の数を増やして3つにすると、図8に示したような18相整流となる。この場合は2次巻線を、±20゜ずらして出力する。この場合は、整流後の電圧を足し合わせたあとの凹凸の周期が20゜ごとになり、18相整流となって、さらに平滑度が向上し受電の力率が向上する。
更に、図9には2次巻線を4つにした場合を示している。各2次巻線の位相は、0゜、+30゜、−15゜、+15゜であり、整流回路2A〜2Dの電圧を全て足し合わせると、電圧の凹凸は15゜ごとになり、24相整流となる。平滑度および力率がさらに向上する。一般に、18相整流以上で、95%以上などの高い力率が得られると言われている。相数を増やせば平滑度および力率はさらに向上するが、それだけトランス9の構造は複雑になり、24相整流までが実用的な範囲と言われている。
多相整流の場合、2次巻線が多くなるが、これらを必ずしも全て足し合わせて用いる必要はない。例えば、図10では、2次側を整流した結果を、2つずつ足し合わせて、それぞれで別のインバータに入力している。即ち、2つの整流回路2A、2Bを足し合わせた出力をインバータ3Aに、また、2つの整流回路2C、2Dを足し合わせた出力をインバータ3Bに入力している。
そして、2つのインバータ3A、3Bの出力を直列に接続して負荷4に供給している。耐圧の問題でインバータを多数直列にする必要がある場合の構成であるが、このような構成にしても図9に示したような構成と同等の効果が得られる。
同様に、図11では、2つのインバータ3A、3Bそれぞれが別の負荷4A、4Bを駆動しているが、このような場合についても同様である。但し、この場合に2つの負荷4A、4Bへの電流が、平均的に同じ程度である必要がある。
以上の本発明の実施の形態4で説明したように、整流回路として18相以上の多相整流の技術を用いると、トランス×ダイオードブリッジという簡便安価な構成で、受電の力率を所望の95%程度のレベルにまで向上させることができる。
なお、多相整流の場合は、トランスの構造が複雑になったり、整流用のダイオードが多数必要になったりするが、2次巻線は耐圧が低くなりトランスの容量としては大きく変化しない。ダイオードの耐圧も下がるため、コストの増加もそれほど大きくない。
実施の形態5.
このように、多相整流の技術を用いることでアクティブな素子を用いない安価な構成で受電の力率を向上させることができるが、一般には、その力率は95%程度であって、この方式だけでこれ以上の力率を実現することは難しい。力率をこの値以上に向上させる方法として、平滑コンデンサ10の容量を更に小さくすることが考えられる。
電圧クランプ回路8を備えた本願発明を利用して力率の一層の向上を図る場合を、以下、実施の形態5として説明する。
図12はある電源条件で、18相整流を行った場合に、平滑コンデンサ10の容量を変化させた場合の、受電の力率の変化を示したものである。通常、平滑コンデンサ10の容量は、直流母線電圧の変動が十分に小さくなるように、また、回路の安定性が十分に保たれるように、その容量が決定される。通常の容量を100%とした場合に、平滑コンデンサ10の容量を更に小さくしていくと、受電の力率が向上する。これは、整流回路2から平滑コンデンサ10への電流のピーク値が小さくなるためである。98%以上の力率を得ようとした場合は、電源条件にもよるが、例えば、平滑コンデンサ10の容量を通常容量の40%以下に小さくする必要がある。
このように、平滑コンデンサ10の容量を小さくすれば受電の力率を向上させることができるが、その場合は、インバータ3の遮断時に、受電の浮遊インダクタンス5に起因するエネルギーの流入を平滑コンデンサ10で十分に受け止めることができず、直流母線電圧が上昇してしまう。しかし、本発明の電圧クランプ回路8を適用することで、インバータ3の過電圧からの保護と、力率向上を意図した平滑コンデンサ10の容量の低減という、従来互いに相反するとされていた課題を同時に実現することが可能になる訳である。
実施の形態6.
平滑コンデンサ10の容量を小さくした場合の問題の一つとして、平常時の直流母線電圧の変動が大きくなるという点が挙げられる。多相整流にすることで整流後の電圧の平滑度はかなり向上しているが、十分に電圧を一定に近づけたい場合は、平滑コンデンサ10として一定以上の容量のものがどうしても必要になる。逆に言えば、本発明は、平常時の直流母線電圧の変動がある程度許容できる用途に適用することで有利性を発揮することができる。
そのような用途のひとつとして、本発明の実施の形態6で例示するのは、負荷4としてオゾナイザを採用するものである。オゾナイザとは、オゾンの発生装置のことであり、大容量のものは、例えば、水処理やパルプの漂白などに用いられる。直流母線電圧の変動はオゾナイザの場合、オゾン発生量の時間的な変動となるが、最終的には、例えば、水中にオゾンを入れて処理をすることになるので、商用周波数程度の発生量の時間的な変動は実用上問題にならない。従って、オゾナイザは、本発明を適用することでその特徴を効果的に活かすことができるアプリケーションの一つであると言うことができる。
1 交流系統、2,2A〜2D 整流回路、3,3A,3B インバータ、
4,4A,4B 負荷、5 浮遊インダクタンス、6 シャントスイッチ、
7 シャント抵抗、8 電圧クランプ回路、10 平滑コンデンサ、
11 スイッチ制御回路、12 電圧検出回路、13 駆動回路、14 抵抗分圧器、
15 比較器、16 基準電圧、17 過電圧検出部、18 オン動作部、
20 インバータ制御回路、22 停止信号生成手段。

Claims (8)

  1. ダイオード素子からなり商用周波数の交流系統の電圧を整流して直流母線に出力する整流回路、半導体スイッチング素子からなり前記直流母線の電圧を交流に変換して負荷に供給するインバータ、前記直流母線間に接続されたスイッチと抵抗器との直列体からなる電圧クランプ回路、および前記直流母線間に所定の過電圧を超える電圧が発生しないよう前記直流母線間の電圧が前記所定の過電圧に達したときまたはその恐れがあるとき平常時開路状態にある前記スイッチを閉路するスイッチ制御回路を備えた電力変換装置。
  2. 前記スイッチは、制御端子を備えた半導体スイッチング素子であることを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  3. 前記スイッチ制御回路は、前記直流母線間の電圧を検出する電圧検出回路、およびこの電圧検出回路の出力が前記所定の過電圧に達したとき前記スイッチを閉路させる駆動回路を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の電力変換装置。
  4. 前記スイッチ制御回路は、前記インバータがその保護動作で運転動作を停止する停止信号を生成する手段、この停止信号生成手段からの停止信号を入力したとき前記スイッチを閉路させる駆動回路を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の電力変換装置。
  5. 前記スイッチ制御回路は、前記直流母線間に接続され前記直流母線間の電圧が前記所定の過電圧に達したときアバランシェ降伏動作を呈するツェナーダイオード素子を直列要素に含む過電圧検出部、およびこの過電圧検出部と前記半導体スイッチング素子の制御端子とを接続し前記ツェナーダイオード素子のアバランシェ降伏動作で流れる電流を前記半導体スイッチング素子の制御端子に供給し前記半導体スイッチング素子をターンオンさせるオン動作部を備えたことを特徴とする請求項2記載の電力変換装置。
  6. 前記交流系統が3相交流系統の場合、前記整流回路は、前記直流母線に18相以上の多相整流を出力する多相整流回路としたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  7. 前記直流母線間に平滑コンデンサを接続する場合、定格時の前記交流系統からの受電力率が98%以上となるよう、前記平滑コンデンサの容量を設定するようにしたことを特徴とする請求項6記載の電力変換装置。
  8. 前記負荷はオゾン発生装置であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の電力変換装置。
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