JP2010234657A - 保護フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】 例えば、ノンキャリアー型粘着剤の異物などの品質検査を容易に行うことができ、かつ、粘着剤に設置されていることが容易に判別することができる、粘着剤の保護のために設置される保護フィルムとして好適な離型フィルムを提供する。
【解決手段】 ポリエステルフィルムの片面に離型層を有するフィルムであり、フィルムヘーズが0.1〜10%の範囲であり、クロスニコル状態の2枚の偏光板に挟み込んだ時に周期的な偏光模様が観察されることを特徴とする離型フィルム。
【選択図】 なし
【解決手段】 ポリエステルフィルムの片面に離型層を有するフィルムであり、フィルムヘーズが0.1〜10%の範囲であり、クロスニコル状態の2枚の偏光板に挟み込んだ時に周期的な偏光模様が観察されることを特徴とする離型フィルム。
【選択図】 なし
Description
本発明は、保護フィルムに関するものであり、詳しくは、例えば、液晶ディスプレイ(以下、LCDと略記する)、プラズマディスプレイ(以下、PDPと略記する)等、ガラスを表示部材の主体に使用する光学用途に使用される粘着剤の保護に用いられる保護フィルムに関するものである。
LCDの主要部分は液晶セルと呼ばれる。液晶セルは2枚のガラス板を用い、その隙間に液晶、配向膜、スペーサーなどを配置した構成となっているが、外部と接する面はガラス面である。この液晶セルの両面に偏光板が粘着剤を介して設置されて、液晶モジュールに組み込まれる最終製品となる。これを液晶パネルと呼ぶ。液晶セルの生産メーカーと偏光板の生産メーカーは別メーカーであることが通常であり、液晶セルと偏光板は液晶モジュール組み立てメーカーにて貼り合わされ、液晶パネルとなることが行われている。
液晶セルと偏光板は粘着剤を介して設置されており、従来は偏光板に粘着剤と保護フィルムが設置された製品が液晶パネルメーカーに納入され、液晶パネルメーカーにて保護フィルムを剥がされ、粘着剤を用いて液晶セルのガラス面に偏光板を貼り合わせることが多くなされていた。
近年、LCDテレビは大画面化に取り組んでおり、当然偏光板もそれに伴い大型化されている。もし、粘着剤に異物などが入り込んだまま偏光板に設置されてしまうと、粘着剤中の異物のために、偏光板全てが不合格品となってしまう。高価な偏光板の製造歩留に大きく影響するため、偏光板と粘着剤を別々に製造し、それぞれの品質を検査することで、製造歩留を悪化させないようにする方法が採用され始めている。
上記のように粘着剤を偏光板と別に製造し、品質検査を実施するためには粘着剤の両面に離型フィルムが必要となる。また、品質検査を目視あるいは検査機にて容易に行うために離型フィルムは透明であることが要求される。なお、前述したように粘着剤の両面に離型フィルムが設置され、粘着剤は基材を持たない構成の粘着剤はノンキャリアー型粘着剤と呼ばれている。
ところが、液晶セルに貼り合わせる際に、離型フィルムが透明であると粘着剤から剥がしたかどうかを検出することが困難となるため、離型フィルムに色を付けることや透明度を落としたりして、粘着剤に離型フィルムが設置されていることを明確にしたいという要求が出てきた。しかしながら、この要求を満足すると、粘着剤の品質検査を容易に行えなくなり、品質管理の点から問題となっている。
従来の技術では、透明で異物検査を容易に実施でき、かつ、粘着剤に設置されていることが容易に判別することできるような保護フィルムは存在しなかった。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その解決課題は、例えば、ノンキャリアー型粘着剤の異物などの品質検査を容易に行うことができ、かつ、粘着剤に設置されていることが容易に判別することができる、粘着剤の保護のために設置される保護フィルムとして好適な離型フィルムを提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を有するフィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、ヘーズが0.1%〜10%であり、クロスニコル状態の2枚の偏光板に挟み込んだ時に周期的な偏光模様を有するポリエステルフィルムの片面に離型層を塗布された離型フィルムにある。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で言うポリエステルフィルムとは、押出口金から溶融押出される、いわゆる押出法により押出した溶融ポリエステルシートを冷却した後、必要に応じ、延伸、熱処理を施したフィルムである。
本発明で言うポリエステルフィルムとは、押出口金から溶融押出される、いわゆる押出法により押出した溶融ポリエステルシートを冷却した後、必要に応じ、延伸、熱処理を施したフィルムである。
本発明のフィルムを構成するポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものである。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。また、用いるポリエステルは、ホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。共重合ポリエステルの場合は、30モル%以下の第三成分を含有した共重合体であればよい。かかる共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸およびオキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)等から選ばれる一種または二種以上が挙げられ、グリコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等から選ばれる一種または二種以上が挙げられる。
本発明で得られるポリエステルには、本発明の要旨を損なわない範囲で、耐候剤、耐光剤、帯電防止剤、潤滑剤、遮光剤、抗酸化剤、蛍光増白剤、マット化剤、熱安定剤、および染料、顔料などの着色剤などを配合してもよい。
フィルム中に配合する粒子としては、酸化ケイ素、アルミナ、炭酸カルシウム、カオリン、酸化チタンおよび特公昭59−5216号公報に記載されているような架橋高分子微粉体等を挙げることができる。これらの粒子は、単独あるいは2成分以上を同時に使用してもよい。これら粒子を添加するフィルム層の含有量は、通常1重量%以下、好ましくは0.01〜1重量%、さらに好ましくは0.02〜0.6重量%の範囲である。粒子の含有量が少ない場合には、フィルム表面が平坦化し、フィルム製造工程において、表面のキズが発生しやすかったり、巻き特性が劣ったりする傾向がある。また、粒子の含有量が1重量%を超える場合には、フィルム表面の粗面化の度合いが大きくなりすぎて透明性が損なわれることがある。
ポリエステルフィルム中に含有される粒子の平均粒径は、通常0.02〜5μmであり、好ましくは0.1〜3μm、さらに好ましくは0.2〜1.8μmの範囲である。粒径が0.2μm未満の場合には、フィルム表面が平坦化し、フィルム製造工程における巻き特性が劣る傾向がある。粒径が5μmを超える場合には、偏光板離型用フィルムとして用いられた場合、輝点となり異物検査に支障を来す恐れがある。
一方、フィルムの透明性を向上させるため、2層以上の積層フィルムとした場合、表層のみに粒子を配合する方法も好ましく採用される。この場合の表層とは、少なくとも表裏どちらか1層であり、もちろん表裏両層に粒子を配合することもできる。
本発明において、ポリエステルに粒子を配合する方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法を採用し得る。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後重縮合反応開始前の段階でエチレングリコール等に分散させたスラリーとして添加し重縮合反応を進めてもよい。またベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
なおポリエステルは、溶融重合後これをチップ化し、加熱減圧下または窒素等不活性気流中に必要に応じてさらに固相重合を施しても良い。得られるポリエステルの固有粘度は0.40dl/g以上であることが好ましく、0.40〜0.90dl/gであることが好ましい。
本発明においては、通常のオリゴマー含有量のポリエステルからなる層の少なくとも片側の表面に、かかるオリゴマー含有量の少ないポリエステルを共押出積層した構造を有するフィルムであってもよく、かかる構造を有する場合、本発明で得られる離型フィルム用ポリエステルフィルムにおいて、オリゴマー析出による輝点を防止する効果が得られ、特に好ましい。
本発明のフィルムの総厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲で有れば特に限定されるものではないが、通常4〜100μm、好ましくは9〜50μmの範囲である。
次に本発明のフィルムの製造方法に関して具体的に説明するが、本発明の要旨を満足する限り、本発明は以下の例示に特に限定されるものではない。
まず、本発明で使用するポリエステルの製造方法の好ましい例について説明する。ここではポリエステルとしてポリエチレンテレフタレートを用いた例を示すが、使用するポリエステルにより製造条件は異なる。常法に従って、テレフタル酸とエチレングリコールからエステル化し、または、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールをエステル交換反応を行い、その生成物を重合槽に移送し、減圧しながら温度を上昇させ、最終的に真空下で280℃に加熱して重合反応を進め、ポリエステルを得る。
次に例えば上記のようにして得、公知の手法により乾燥したポリエステルチップを溶融押出装置に供給し、それぞれのポリマーの融点以上である温度に加熱し溶融する。次いで、溶融したポリマーをダイから押出し、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、本発明においては静電印加密着法が好ましく採用される。本発明においては、このようにして得られたシートを2軸方向に延伸してフィルム化する。延伸条件について具体的に述べると、前記未延伸シートを好ましくは縦方向に70〜145℃で2〜6倍に延伸し、縦1軸延伸フィルムとした後、横方向に90〜160℃で2〜6倍延伸を行い、150〜240℃で1〜600秒間熱処理を行うことが好ましい。さらにこの際、熱処理の最高温度ゾーンおよび/または熱処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦方向および/または横方向に0.1〜20%弛緩する方法が好ましい。また、必要に応じて再縦延伸、再横延伸を付加することも可能である。さらに、前記の未延伸シートを面積倍率が10〜40倍になるように同時二軸延伸を行うことも可能である。
本発明のポリエステルフィルムのフィルムヘーズは0.1〜10%の範囲であり、好ましくは1.0〜5%の範囲である。フィルムヘーズが0.1%より低い場合は、フィルムの摩擦係数が大きくなりすぎ、ロール状に巻き取ることが困難となる。一方、10%より高い場合は、フィルムの色目が白っぽくなってくるため、粘着剤の品質管理を行う際に阻害要因となるので好ましくない。ポリエステルフィルムのフィルムヘーズを調整する方法としては、前述した粒子の配合量を調整することがよく行われる。
本発明のポリエステルフィルムは偏光透過検査において、周期的な模様があり、かつ、目視で容易にわかることが要求される。目視で容易にわかる偏光模様が存在しないと、偏光板に粘着剤を貼り付ける際に保護フィルムを剥がしたことを容易に検出することができないため、保護フィルムの存在を触診などにより確認する必要があり好ましくない。また周期的でない模様が存在する場合は、保護フィルムによる模様なのか、粘着剤の塗布ムラによる模様なのか判断がつきにくいため好ましくない。周期的であれば、その周期は問われないが、目視で容易に判るためには5mm〜50mmの周期で変動が表れる偏光模様であればさらに好ましい。また、周期的な偏光模様の変動はポリエステルフィルムの長さ方向に沿って発生していても良いし、横方向に沿って発生していても良い。
本発明のポリエステルフィルムは、本発明の効果を損なわない範囲であれば、延伸工程中にフィルム表面を処理する、いわゆるインラインコーティングを施すこともできる。それは以下に限定するものではないが、例えば、1段目の延伸が終了して、2段目の延伸前に、帯電防止性、滑り性、接着性等の改良、2次加工性改良、耐候性および表面硬度の向上等の目的で、水溶液、水系エマルジョン、水系スラリー等によるコーティング処理を施すことができる。また、フィルム製造後にオフラインコートで各種のコートを行ってもよい。このようなコートは片面、両面のいずれでもよい。コーティングの材料としてはオフラインコーティングの場合は水系および/または溶媒系のいずれでもよいが、インラインコーティングの場合は水系または水分散系が好ましい。
本発明において塗布層を形成する際に使用する有機溶剤に関しては特に限定されるわけではなく、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、ヘキサン、メチルイソブチルケトン、2−プロパノール等、従来公知の有機溶剤を使用することができる。使用する有機溶剤は一種類のみでもよく、適宜、二種類以上を使用してもよい。
また、塗布層中には本発明の主旨を損なわない範囲において、架橋剤( C ) を併用してもよく、具体例としてはメチロール化またはアルキロール化した尿素系、メラミン系、グアナミン系、アクリルアミド系、ポリアミド系化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、ブロックポリイソシアネート、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコ−アルミネートカップリング剤等が挙げられる。
さらに塗布層の固着性、滑り性改良を目的として、無機系粒子( D ) を含有してもよく、具体例としてはシリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、バリウム塩等が挙げられる。
また、必要に応じて消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、有機系高分子粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤発泡剤、染料等が含有されてもよい。
本発明における保護フィルムを構成するポリエステルフィルム上に設けられる塗布層の
塗布量(乾燥後)は通常0.005〜1g/m2、好ましくは0.005〜0.5g/m2の範囲である。塗布量が0.005g/m2未満の場合には、塗布厚みの均一性が不十分な場合があり、離型層の密着性が十分でなくなる場合がある。一方、1g/m2を超えて塗布する場合には、滑り性低下等の不具合を生じる場合がある。
塗布量(乾燥後)は通常0.005〜1g/m2、好ましくは0.005〜0.5g/m2の範囲である。塗布量が0.005g/m2未満の場合には、塗布厚みの均一性が不十分な場合があり、離型層の密着性が十分でなくなる場合がある。一方、1g/m2を超えて塗布する場合には、滑り性低下等の不具合を生じる場合がある。
本発明において、ポリエステルフィルム上に塗布層を形成する際の硬化条件に関しては特に限定されるわけではなく、例えば、オフラインコーティングにより塗布層を設ける場合、通常、80〜200℃で3〜40秒間、好ましくは120〜180℃で3〜40秒間を目安として熱処理を行うのが良い。
また、必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。
次に本発明における離型層層の形成について説明する。
本発明における保護フィルムを構成する離型層は一旦製造したフィルム上に系外で塗布する、いわゆるオフラインコーティングを採用するのが良い。
また、本発明における保護フィルムを構成する離型層は硬化型シリコーン樹脂を含有するのが好ましい。硬化型シリコーン樹脂を主成分とするタイプでもよいし、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の有機樹脂とのグラフト重合等による変性シリコーンタイプ等を使用してもよい。
硬化型シリコーン樹脂の種類としては付加型・縮合型・紫外線硬化型・電子線硬化型・無溶剤型等、何れの硬化反応タイプでも用いることができる。具体例を挙げると、信越化学工業(株)製KS−774、KS−775、KS−778、KS−779H、KS−847H、KS−856、X−62−2422、X−62−2461、X−62−1387、KNS−3051、X−62−1496、KNS320A、KNS316、X−62−1574A/B、X−62−7052、X−62−7028A/B、X−62−7619、X−62−7213、GE東芝シリコーン(株)製YSR−3022、TPR−6700、TPR−6720、TPR−6721、TPR6500、TPR6501、UV9300、UV9425、XS56−A2775、XS56−A2982、UV9430、TPR6600、TPR6604、TPR6605、SM3200、SM3030、東レ・ダウコーニング(株)製DKQ3−202、DKQ3−203、DKQ3−204、DKQ3−205、DKQ3−210、SRX357、SRX211、SD7220、LTC750A、LTC760A、SP7259、BY24−468C、SP7248S、BY24−452、SP7268S、SP7265S、LTC1000M、LTC1050L、SYLOFF7900、SYLOFF7198、SYLOFF22A等が例示される。さらにシリコーン層の剥離性等を調整するために剥離コントロール剤を併用してもよい。
本発明において、ポリエステルフィルム上に離型層を形成する際の硬化条件に関しては特に限定されるわけではなく、例えば、オフラインコーティングにより離型層を設ける場合、通常、80〜200℃で3〜40秒間、好ましくは100〜180℃で3〜40秒間を目安として熱処理を行うのが良い。また、必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。なお、活性エネルギー線照射による硬化のためのエネルギー源としては、従来から公知の装置,エネルギー源を用いることができる。
本発明において、ポリエステルフィルムに塗布層、および離型層を設ける方法として、リバースグラビアコート、ダイレクトグラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、カーテンコート等、従来公知の塗工方式があるが、どのような塗工方式を用いてもよい。
本発明において、ポリエステルフィルムに塗布層、および離型層を設ける方法として、リバースグラビアコート、ダイレクトグラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、カーテンコート等、従来公知の塗工方式があるが、どのような塗工方式を用いてもよい。
本発明の離型層の塗工量は、通常0.005〜1g/m2、好ましくは0.005〜0.5g/m2の範囲である。塗工量が0.005g/m2未満の場合、塗工性の面より安定性に欠け、均一な塗膜を得るのが困難になる場合がある。一方、1g/m2を超えて厚塗りにする場合には離型層自体の塗膜密着性、硬化性等が低下する場合がある。
本発明における保護フィルムに関して、離型層が設けられていない面には本発明の主旨を損なわない範囲において、接着層、帯電防止層、オリゴマー析出防止層等の塗布層を設けてもよい。
また、保護フィルムを構成するポリエステルフィルムには予め、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
本発明によれば、粘着剤の両面に保護フィルムを設置した、ノンキャリアー型粘着剤において、粘着剤の異物などの品質検査を容易に行うことができ、かつ、粘着剤に設置されていることが容易に判別できる保護フィルムを提供することができ、工業的価値は大いに高い。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた測定法は次のとおり
である。
り、以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた測定法は次のとおり
である。
(1)ポリエステルの固有粘度の測定
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比) の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比) の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)平均粒径(d50:μm)の測定
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
(3)フィルムヘーズの測定
JISーK7105に準じ、日本電色工業社製積分球式濁度計NDHー300Aによりフィルムの濁度を測定した。フィルムの厚さをd(μm)、フィルムヘーズの測定値をH1、フィルム表面に流動パラフィンを塗布した後のヘーズの測定値を内部ヘーズH0とすると、表面ヘーズΔH、およびフィルムの厚さをa(μm)に換算したときの内部ヘーズH0aとヘーズH1aは下式で定義される。
JISーK7105に準じ、日本電色工業社製積分球式濁度計NDHー300Aによりフィルムの濁度を測定した。フィルムの厚さをd(μm)、フィルムヘーズの測定値をH1、フィルム表面に流動パラフィンを塗布した後のヘーズの測定値を内部ヘーズH0とすると、表面ヘーズΔH、およびフィルムの厚さをa(μm)に換算したときの内部ヘーズH0aとヘーズH1aは下式で定義される。
ΔH=H1 −H0
H0a=H0×100/d
H1a=H0a+ΔH
ただし、aは任意の厚み(μm)である。
H0a=H0×100/d
H1a=H0a+ΔH
ただし、aは任意の厚み(μm)である。
(4)偏光模様の評価
クロスニコル状態の2枚の偏光板の間に試料フィルムを配置し、上から全体を見た際の偏光模様の状態を目視で観察、評価した。
クロスニコル状態の2枚の偏光板の間に試料フィルムを配置し、上から全体を見た際の偏光模様の状態を目視で観察、評価した。
実施例および比較例において使用したポリエステルは、以下のようにして準備したものである。
<ポリエステル(A)の製造>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム四水塩を加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェートを添加した後、重縮合槽に移し、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステルのチップ(A)を得た。この、ポリエステルの極限粘度は0.63であった。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム四水塩を加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェートを添加した後、重縮合槽に移し、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステルのチップ(A)を得た。この、ポリエステルの極限粘度は0.63であった。
<ポリエステル(B)の製造>
ポリエステル(A)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェートを添加後、平均粒子径2.4μmのシリカ粒子のエチレングリコールスラリーを粒子のポリエステルに対する含有量が0.3重量%となるように添加した以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(B)を得た。得られたポリエステル(B)は極限粘度0.63であった。
ポリエステル(A)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェートを添加後、平均粒子径2.4μmのシリカ粒子のエチレングリコールスラリーを粒子のポリエステルに対する含有量が0.3重量%となるように添加した以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(B)を得た。得られたポリエステル(B)は極限粘度0.63であった。
<ポリエステル(C)の製造>
ポリエステル(A)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェートを添加後、平均粒子径1.5μmの合成炭酸カルシウム粒子のエチレングリコールスラリーを粒子のポリエステルに対する含有量が1重量%となるように添加した以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(B)を得た。得られたポリエステル(B)は極限粘度0.63であった。
ポリエステル(A)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェートを添加後、平均粒子径1.5μmの合成炭酸カルシウム粒子のエチレングリコールスラリーを粒子のポリエステルに対する含有量が1重量%となるように添加した以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(B)を得た。得られたポリエステル(B)は極限粘度0.63であった。
<ポリエステル(D)の製造>
ポリエステル(A)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェートを添加後、平均粒子径0.7μmの合成炭酸カルシウム粒子のエチレングリコールスラリーを粒子のポリエステルに対する含有量が1重量%となるように添加した以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(B)を得た。得られたポリエステル(B)は極限粘度0.63であった。
ポリエステル(A)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェートを添加後、平均粒子径0.7μmの合成炭酸カルシウム粒子のエチレングリコールスラリーを粒子のポリエステルに対する含有量が1重量%となるように添加した以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(B)を得た。得られたポリエステル(B)は極限粘度0.63であった。
実施例1:
上記ポリエステル(A)チップと、ポリエステル(B)チップとを、下記表1に示すとおりの割合で混合した混合原料を最外層(表層)および中間層の原料とし、2台の押出機に各々供給し、290℃で溶融押出した後、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。次いで、100℃にて縦方向に2.8倍延伸した後、テンター内で予熱工程を経て120℃で4.9倍の横延伸を施した後、190℃で10秒間の熱処理を行い、その後180℃で幅方向に10%の弛緩を加え、ポリエステルフィルムを各々得た。得られたフィルムの全厚みは38μm、それぞれの層厚みは5μm/28μm/5μmであった。静電印加密着法はワイヤー電極を用いて実施するが、ワイヤー電極を振動させることで、横方向に沿って20mm間隔で変動が現れる周期的な偏光模様を持つポリエステルフィルムを得た。次に下記離型剤組成からなる離型剤を塗布量( 乾燥後) が0.09g/m2になるようにロッドコータ方式により塗布し、120 ℃ 、50m/minの条件で乾燥、硬化させ離型フィルムを得た。
《離型剤組成》
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製) 99重量%
硬化剤(PL−50T:信越化学製) 1重量%
上記離型剤をMEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1)で希釈し、濃度2重量%の塗布液を作製した。
得られた離型フィルムは透明であり、また、偏光透過のクロスニコル化で周期的な偏光模様が得られ、視認性も高い。
上記ポリエステル(A)チップと、ポリエステル(B)チップとを、下記表1に示すとおりの割合で混合した混合原料を最外層(表層)および中間層の原料とし、2台の押出機に各々供給し、290℃で溶融押出した後、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。次いで、100℃にて縦方向に2.8倍延伸した後、テンター内で予熱工程を経て120℃で4.9倍の横延伸を施した後、190℃で10秒間の熱処理を行い、その後180℃で幅方向に10%の弛緩を加え、ポリエステルフィルムを各々得た。得られたフィルムの全厚みは38μm、それぞれの層厚みは5μm/28μm/5μmであった。静電印加密着法はワイヤー電極を用いて実施するが、ワイヤー電極を振動させることで、横方向に沿って20mm間隔で変動が現れる周期的な偏光模様を持つポリエステルフィルムを得た。次に下記離型剤組成からなる離型剤を塗布量( 乾燥後) が0.09g/m2になるようにロッドコータ方式により塗布し、120 ℃ 、50m/minの条件で乾燥、硬化させ離型フィルムを得た。
《離型剤組成》
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製) 99重量%
硬化剤(PL−50T:信越化学製) 1重量%
上記離型剤をMEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1)で希釈し、濃度2重量%の塗布液を作製した。
得られた離型フィルムは透明であり、また、偏光透過のクロスニコル化で周期的な偏光模様が得られ、視認性も高い。
実施例2:
実施例1において、ポリエステル(A)チップとポリエステル(B)チップとを、表1に示すとおりの割合で混合する以外は実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムは透明であり、また、偏光透過のクロスニコル化で周期的な偏光模様が得られ、視認性も高い。
実施例1において、ポリエステル(A)チップとポリエステル(B)チップとを、表1に示すとおりの割合で混合する以外は実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムは透明であり、また、偏光透過のクロスニコル化で周期的な偏光模様が得られ、視認性も高い。
実施例3:
実施例1において、ポリエステル(A)チップとポリエステル(B)チップとを、表1に示すとおりの割合で混合する以外は実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムは透明であり、また、偏光透過のクロスニコル化で周期的な偏光模様が得られ、視認性も高い。
実施例1において、ポリエステル(A)チップとポリエステル(B)チップとを、表1に示すとおりの割合で混合する以外は実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムは透明であり、また、偏光透過のクロスニコル化で周期的な偏光模様が得られ、視認性も高い。
実施例4:
実施例1において、ポリエステル(A)チップとポリエステル(C)チップとを、表1に示すとおりの割合で混合する以外は実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムは透明であり、また、偏光透過のクロスニコル化で周期的な偏光模様が得られ、視認性も高い。
実施例1において、ポリエステル(A)チップとポリエステル(C)チップとを、表1に示すとおりの割合で混合する以外は実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムは透明であり、また、偏光透過のクロスニコル化で周期的な偏光模様が得られ、視認性も高い。
比較例1:
実施例1において、静電印加密着法に用いるワイヤー電極の振動を停止させ、周期的な偏光模様を発生させないようにした以外は実施例1と同様にして離型フィルムを得た。得られた離型フィルムは透明であるが、偏光透過のクロスニコル化で偏光模様が見えないため、視認性が悪かった。
実施例1において、静電印加密着法に用いるワイヤー電極の振動を停止させ、周期的な偏光模様を発生させないようにした以外は実施例1と同様にして離型フィルムを得た。得られた離型フィルムは透明であるが、偏光透過のクロスニコル化で偏光模様が見えないため、視認性が悪かった。
比較例2:
実施例1において、ポリエステル(A)チップとポリエステル(D)チップとを、表1に示すとおりの割合で混合する以外は実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムには偏光透過のクロスニコル化で周期的な偏光模様が認められるため、視認性は高かったが、ヘーズが高すぎ透明性に劣るため本発明の保護フィルムには適さなかった。
上記実施例と比較例で得られた各離型フィルムの特性を下記表1に示す。
実施例1において、ポリエステル(A)チップとポリエステル(D)チップとを、表1に示すとおりの割合で混合する以外は実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムには偏光透過のクロスニコル化で周期的な偏光模様が認められるため、視認性は高かったが、ヘーズが高すぎ透明性に劣るため本発明の保護フィルムには適さなかった。
上記実施例と比較例で得られた各離型フィルムの特性を下記表1に示す。
本発明のフィルムは、例えば、粘着剤の保護のために設置される保護フィルムとして好適に利用することができる。
Claims (1)
- ポリエステルフィルムの片面に離型層を有するフィルムであり、フィルムヘーズが0.1〜10%の範囲であり、クロスニコル状態の2枚の偏光板に挟み込んだ時に周期的な偏光模様が観察されることを特徴とする離型フィルム。
Priority Applications (1)
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JP2009085387A JP2010234657A (ja) | 2009-03-31 | 2009-03-31 | 保護フィルム |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015508339A (ja) * | 2011-12-09 | 2015-03-19 | シーピーフィルムズ インコーポレイティド | 光学的に透明なフィルムのための変性剥離コーティング |
CN107345117A (zh) * | 2016-05-06 | 2017-11-14 | 琳得科株式会社 | 无基材双面粘合片 |
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2009
- 2009-03-31 JP JP2009085387A patent/JP2010234657A/ja active Pending
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