JP2010175620A - 離型フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 偏光板の検査方法の一つであるクロスニコル法による目視検査において、欠点や異物等の検出を高精度で実施することができ、離型フィルムの製造工程内や離型フィルムが使用される工程内でキズの入りにくい離型フィルムを提供する。
【解決手段】 写像性値が90%以上であるポリエステルフィルムの一方のフィルム表面のピークカウント(Pc)が20〜40であり、当該フィルム表面上に離型層を有し、当該離型層の剥離力が10〜100mN/cmの範囲であることを特徴とする偏光板用離型フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、液晶表示用途等のフィルムにおいて重要な特性である、光学特性に優れ、かつフィルム検査における欠点検出において高度な精度を得ることができ、特に偏光板用として好適に使用することができる離型フィルムに関するものである。
近年、携帯電話やパーソナルコンピューターの急速な普及に伴い、従来型のディスプレイであるCRTに比べ、薄型軽量化、低消費電力、高画質化が可能である液晶ディスプレイ(LCD)の需要が著しく伸びつつあり、LCDの大画面化についてもその技術の成長は著しい。LCDの大画面化の一例として、最近では例えば30インチ以上の大型TV用途にLCDが使用されている。大画面化されたLCDにおいては、LCD内に組み込まれたバックライトの輝度を高めることや、輝度を向上させるフィルムを液晶ユニット内に組み込むこと等により、大画面で明るいLCDとする場合が多い。
また、このようないわゆる高輝度タイプのLCDでは、ディスプレイ中に存在する小さな輝点やキズが問題となる場合が多く、ディスプレイ中に組み込まれる偏光板、位相差板または位相差偏光板といった構成部材においては、これまでの低輝度タイプのLCDでは問題にならなかったような微少なサイズの異物やキズが問題となってきている。
このため、製造工程における異物の混入やキズの発生を防ぐ一方で、万一異物が混入した場合やキズが発生した場合であっても欠陥として確実に認知できるような検査精度の向上も重要となってきている。
従来、フィルムに粒子を配合して、フィルムの滑り性、巻き特性が確保されている。この場合、適度な粒径と配合量を満足しなければ、所望の滑り性を確保できなかったり、巻き特性が悪化したりして、生産性の悪化を招いてしまう。しかしながら、通常使用される範囲の粒径、配合量とした場合、先に述べたように、偏光板用離型フィルムとして使用された際、異物検査工程で該添加粒子が輝点となり、検査に支障を来すことが問題となっている。
例えば偏光板の欠陥検査としては、クロスニコル法による目視検査が一般的であり、さらに例えば40インチ以上の大型TV用途に使用する偏光板等では、クロスニコル法を利用した自動異物検査器による検査も実施されつつある。このクロスニコル法は2枚の偏光板をその配向主軸を直交させて消光状態とし、異物や欠陥があればそこが輝点として現れるので、目視による欠陥検査ができるという方法である。
ここで、通常、偏光板には粘着剤層が設けられ、そのための離形フィルムとして離型層を設置したポリエステルフィルムが使用されている。かかる構成の製品を検査する場合、2枚の偏光板の間に離型ポリエステルフィルムが挟み込まれた状態でクロスニコル検査を実施することになる。一般に、離型ポリエステルフィルムをこれに用いた場合には、クロスニコル法の検査において、異物や欠陥が見にくくなり、それらを見逃しやすくなるという不具合が生じる場合がある。
これらに関し、2枚の偏光板の間にポリエステルフィルムを挟み込んだ際、リタデーション値がある範囲内である場合に検査性が向上することが開示されているが(特許文献1参照)、近年の高度な品質を要求されるレベルにおいてはこれらを使用しても、欠陥を確実に見いだすための検査を実施する場合には、精度が不足する場合がある。
特開2000−338327号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その解決課題は、偏光板のクロスニコル法による検査において、高度な精度を実現でき、製造工程内でキズの入りにくいポリエステルフィルムからなる離型フィルムを提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を有するポリエステルフィルムからなる離型フィルムによれば、優れたフィルム特性を損なうことなく、偏光板用として好適である離型フィルムを提供できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、写像性値が90%以上であるポリエステルフィルムの一方のフィルム表面のピークカウント(Pc)が20〜40であり、当該フィルム表面上に離型層を有し、当該離型層の剥離力が10〜100mN/cmの範囲であることを特徴とする偏光板用離型フィルムに存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で言うポリエステルフィルムとは、押出口金から溶融押出される、いわゆる押出法により押出した溶融ポリエステルシートを冷却した後、必要に応じ、延伸、熱処理を施したフィルムである。
本発明のフィルムを構成するポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものである。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。また、用いるポリエステルは、ホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。共重合ポリエステルの場合は、30モル%以下の第三成分を含有した共重合体であればよい。かかる共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸およびオキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)等から選ばれる一種または二種以上が挙げられ、グリコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等から選ばれる一種または二種以上が挙げられる。
本発明で得られるポリエステルには、本発明の要旨を損なわない範囲で、耐候剤、耐光剤、帯電防止剤、潤滑剤、遮光剤、抗酸化剤、蛍光増白剤、マット化剤、熱安定剤、および染料、顔料などの着色剤などを配合してもよい。
フィルム中に配合する粒子としては、酸化ケイ素、アルミナ、炭酸カルシウム、カオリン、酸化チタンおよび特公昭59−5216号公報に記載されているような架橋高分子微粉体等を挙げることができる。これらの粒子は、単独あるいは2成分以上を同時に使用してもよい。これら粒子を添加するフィルム層の含有量は、通常1重量%以下、好ましくは0.01〜1重量%、さらに好ましくは0.02〜0.6重量%の範囲である。粒子の含有量が少ない場合には、フィルム表面が平坦化し、フィルム製造工程において、表面のキズが発生しやすかったり、巻き特性が劣ったりする傾向がある。また、粒子の含有量が1重量%を超える場合には、フィルム表面の粗面化の度合いが大きくなりすぎて透明性が損なわれることがある。
ポリエステルフィルム中に含有される粒子の平均粒径は、通常0.02〜5μmの範囲であり、好ましくは0.1〜3μm、さらに好ましくは0.2〜1.8μmの範囲である。粒径が0.2μm未満の場合には、フィルム表面が平坦化し、フィルム製造工程における巻き特性が劣る傾向がある。粒径が5μmを超える場合には、偏光板離型用フィルムとして用いられた場合、輝点となり異物検査に支障を来す恐れがある。
一方、フィルムの透明性を向上させるため、2層以上の積層フィルムとした場合、表層のみに粒子を配合する方法も好ましく採用される。この場合の表層とは、少なくとも表裏どちらか1層であり、もちろん表裏両層に粒子を配合することもできる。
本発明において、後述する測定法によるフィルムの写像性値が90%以上であることが必要である。フィルムの写像性値が90%を下回る場合、偏光板離型用フィルムとして用いられた場合、透過光による偏光板の欠陥検査の際に像が歪み、目視検査や、自動検査に支障を来す。
また、一方のフィルム表面のピークカウント(Pc)は、20〜40であることが必要であり、さらに好ましくは23〜34である。メカニズムは不明であるが、フィルムのピークカウント(Pc)が20を下回る場合、フィルム製造工程ならびに離型フィルム製造工程においてフィルム表面にキズが入りやすくなる。偏光板離型用フィルムとして用いられる場合、離型層が設けられる面のキズの量は少ないことが好ましく、さらに好ましくはキズが付かないことである。またフィルム表面のピークカウント(Pc)が40を上回る場合、異物認知性が劣る。偏光板離型フィルムとして用いられる場合、異物認知性が劣ると偏光板の歩留低下を招くことになる。
本発明において、ポリエステルに粒子を配合する方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法を採用し得る。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後重縮合反応開始前の段階でエチレングリコール等に分散させたスラリーとして添加し重縮合反応を進めてもよい。またベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
本発明で用いるポリエステルは、溶融重合後これをチップ化し、加熱減圧下または窒素等不活性気流中に必要に応じてさらに固相重合を施してもよい。得られるポリエステルの固有粘度は0.40dl/g以上であることが好ましく、0.40〜0.90dl/gであることが好ましい。
本発明においては、通常のオリゴマー含有量のポリエステルからなる層の少なくとも片側の表面に、かかるオリゴマー含有量の少ないポリエステルを共押出積層した構造を有するフィルムであってもよく、かかる構造を有する場合、本発明で得られる離型フィルム用ポリエステルフィルムにおいて、オリゴマー析出による輝点を防止する効果が得られ、特に好ましい。
本発明におけるポリエステルフィルムは、後述する測定法によるフィルム面内の配向角の変動が3度/500mm以下であることが好ましく、さらに好ましくは2度/500mm以下である。配向角の変動が3度/500mmを超える場合には、偏光板を検査する際に偏光板の位置により透過光強度が変動し、偏光板の安定した検査の障害となることがある。
本発明のフィルムの総厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲で有れば特に限定されるものではないが、通常4〜100μm、好ましくは9〜50μmの範囲である。
次に本発明のフィルムの製造方法に関して具体的に説明するが、本発明の要旨を満足する限り、本発明は以下の例示に特に限定されるものではない。
まず、本発明で使用するポリエステルの製造方法の好ましい例について説明する。ここではポリエステルとしてポリエチレンテレフタレートを用いた例を示すが、使用するポリエステルにより製造条件は異なる。常法に従って、テレフタル酸とエチレングリコールからエステル化し、または、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールをエステル交換反応を行い、その生成物を重合槽に移送し、減圧しながら温度を上昇させ、最終的に真空下で280℃に加熱して重合反応を進め、ポリエステルを得る。
本発明で使用するポリエステルの極限粘度は、通常0.40〜0.90、好ましくは0.45から0.80、さらに好ましくは0.50〜0.70の範囲である。極限粘度が0.40未満では、フィルムの機械的強度が弱くなる傾向があり、極限粘度が0.90を超える場合は、溶融粘度が高くなり、押出機に負荷がかかったり、製造コストがかかったりする等の問題が生じる場合がある。
次に例えば上記のようにして得、公知の手法により乾燥したポリエステルチップを溶融押出装置に供給し、それぞれのポリマーの融点以上である温度に加熱し溶融する。次いで、溶融したポリマーをダイから押出し、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、本発明においては静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。本発明においては、このようにして得られたシートを2軸方向に延伸してフィルム化する。延伸条件について具体的に述べると、前記未延伸シートを好ましくは縦方向に70〜145℃で2〜6倍に延伸し、縦1軸延伸フィルムとした後、横方向に90〜160℃で2〜6倍延伸を行い、150〜240℃で1〜600秒間熱処理を行うことが好ましい。さらにこの際、熱処理の最高温度ゾーンおよび/または熱処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦方向および/または横方向に0.1〜20%弛緩する方法が好ましい。また、必要に応じて再縦延伸、再横延伸を付加することも可能である。さらに、前記の未延伸シートを面積倍率が10〜40倍になるように同時二軸延伸を行うことも可能である。
本発明のポリエステルフィルムは、本発明の効果を損なわない範囲であれば、延伸工程中にフィルム表面を処理する、いわゆるインラインコーティングを施すこともできる。それは以下に限定するものではないが、例えば、1段目の延伸が終了して、2段目の延伸前に、帯電防止性、滑り性、接着性等の改良、2次加工性改良、耐候性および表面硬度の向上等の目的で、水溶液、水系エマルジョン、水系スラリー等によるコーティング処理を施すことができる。また、フィルム製造後にオフラインコートで各種のコートを行ってもよい。このようなコートは片面、両面のいずれでもよい。コーティングの材料としてはオフラインコーティングの場合は水系および/または溶媒系のいずれでもよいが、インラインコーティングの場合は水系または水分散系が好ましい。
次に離型層の形成について説明する。
本発明における離型フィルムを構成する離型層は、上述の塗布延伸法(インラインコーティング)等のフィルム製造工程内において、ポリエステルフィルム上に設けられてもよく、一旦製造したフィルム上に系外で塗布する、いわゆるオフラインコーティングを採用しても良く、何れの手法を採用してもよい。塗布延伸法(インラインコーティング)については以下に限定するものではないが、例えば、逐次二軸延伸においては特に1段目の延伸が終了して、2段目の延伸前にコーティング処理を施すことができる。塗布延伸法によりポリエステルフィルム上に離型層が設けられる場合には、延伸と同時に塗布が可能になると共に離型層の厚みを延伸倍率に応じて薄くすることができ、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造できる。
また、本発明における離型フィルムを構成する離型層は離型性を良好とするために硬化型シリコーン樹脂を含有するのが好ましい。硬化型シリコーン樹脂を主成分とするタイプでもよいし、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の有機樹脂とのグラフト重合等による変性シリコーンタイプ等を使用してもよい。
硬化型シリコーン樹脂の種類としては付加型・縮合型・紫外線硬化型・電子線硬化型・無溶剤型等、何れの硬化反応タイプでも用いることができる。具体例を挙げると、信越化学工業(株)製KS−774、KS−775、KS−778、KS−779H、KS−847H、KS−856、X−62−2422、X−62−2461、X−62−1387、KNS−3051、X−62−1496、KNS320A、KNS316、X−62−1574A/B、X−62−7052、X−62−7028A/B、X−62−7619、X−62−7213、GE東芝シリコーン(株)製YSR−3022、TPR−6700、TPR−6720、TPR−6721、TPR6500、TPR6501、UV9300、UV9425、XS56−A2775、XS56−A2982、UV9430、TPR6600、TPR6604、TPR6605、SM3200、SM3030、東レ・ダウコーニング(株)製DKQ3−202、DKQ3−203、DKQ3−204、DKQ3−205、DKQ3−210、SRX357、SRX211、SD7220、LTC750A、LTC760A、SP7259、BY24−468C、SP7248S、BY24−452、SP7268S、SP7265S、LTC1000M、LTC1050L、SYLOFF7900,SYLOFF7198,SYLOFF22A等が例示される。さらに離型層の剥離性等を調整するために離型コントロール剤を併用してもよい。
本発明において、ポリエステルフィルムに離型層を設ける方法として、リバースグラビアコート、ダイレクトグラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、カーテンコート等、従来公知の塗布方式を用いることができる。塗布方式に関しては「コーティング方式」槇書店 原崎勇次書 1979年発行に記載がある。
本発明において、ポリエステルフィルム上に離型層を形成する際の硬化条件に関しては特に限定されるわけではなく、例えば、塗布延伸法(インラインコーティング)により離型層を設ける場合、通常、170〜280℃で3〜40秒間、好ましくは200〜280℃で3〜40秒間を目安として熱処理を行うのが良い。一方、オフラインコーティングにより離型層を設ける場合、通常、80〜200℃で3〜40秒間、好ましくは100〜180℃で3〜40秒間を目安として熱処理を行うのが良い。
また、塗布延伸法(インラインコーティング)あるいはオフラインコーティングに係わらず、必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。なお、活性エネルギー線照射による硬化のためのエネルギー源としては、従来公知の装置、エネルギー源を用いることができる。離型層の塗工量は塗工性の面から、通常0.005〜1g/m、好ましくは0.005〜0.5g/mの範囲である。塗工量が0.005g/m未満の場合、塗工性の面より安定性に欠け、均一な塗膜を得るのが困難になる場合がある。一方、1g/mを超えて厚塗りにする場合には、離型層自体の塗膜密着性、硬化性等が低下する場合がある。
本発明において塗布層上に離型層を設ける場合、離型層を設けた後にフィルムを一旦巻き取り、あらためて離型層を設けてもよく、また、塗布層を設けた後に、連続して、離型層を塗布層上に設けてもよく、何れの方法を採用してもよい。
本発明における離型フィルムに関して、離型層が設けられていない面には本発明の趣旨を損なわない範囲において、接着層、帯電防止層、オリゴマー析出防止層等の塗布層を設けてもよい。また、離型フィルムを構成するポリエステルフィルムには予め、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
本発明の離型フィルムの離型層表面の剥離力は、10〜100mN/cmの範囲であり、好ましくは10〜50mN/cmの範囲である。剥離力が10mN/cm未満の場合、剥離力が軽くなりすぎて本来剥離する必要がない場面においても容易に剥離する、一方、100mN/cmを超える場合には、剥離力が重くなりすぎ、剥離する際に粘着剤が変形し、後の工程で問題が生じたり、粘着剤が離型フィルム側に付着したりするので好ましくない。
本発明によれば、偏光板、位相差板等の離型フィルムに用いる、フィルムの輝点が極力少なく、異物検査精度を高めることができ、製造工程内でキズの入りにくい離型フィルムを提供することができ、本発明の工業的価値は高い。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例中「部」とあるのは「重量部」を示す。また、本発明で用いた測定法は次のとおりである。
(1)ポリエステルの極限粘度の測定
ポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)平均粒径(d50)
島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SA−CP3型)を用いて測定した等価球形分布における積算体積分率50%の粒径を平均粒径d50とした。
(3)フィルム内における配向角の変動の測定
ポリエステルフィルムの幅方向において、中心となる位置より、幅方向に両端に向かって、500mm毎の位置および、最両端のサンプルを切り出し、それぞれ王子計測器社製の自動複屈折率計(KOBRA−21ADH)を用いてフィルム幅方向500mm毎の配向角の変動を求めた。なお、最両端の位置を含む配向角の変動を算出する際、サンプル位置間が500mmに満たない場合は、比例計算にて500mm毎の配向角の変動を算出する。続いてフィルム長手方向について、3m長を切り出し、フィルム幅方向に対して中心となる位置から長手方向に500mm毎(含両端)、計7箇所の位置より、サンプルを切り出し、配向角を求めた。このようにして幅方向、長手方向での500mm毎の配向角の変動を求め、最大の変動値をそれぞれフィルムの配向角の変動とした。また、測定の際にはすべてのサンプルにおいて配向角の基準軸を同一とすることが重要であり、基準軸については任意に決定できる。
(4)中心線平均粗さ(Ra)の測定
小坂研究所製表面粗さ測定機(SE3500型)を用いて、JIS−B0601に準じて測定した。なお測定長さは2.5mmとした。
(5)ピークカウント(Pc)の測定
Ra測定時に得られたフィルム断面曲線の中心線に対し、ピークカウントレベル(h)で0.05μm離して、中心線の上方に、中心線に平行な上側ピークカウントレベルを設けた際の、上側ピークカウントレベル粗さ曲線と交叉する点が2回存在する時を1山としてカウントした際の、測定長さ2.5mmにおける合計カウント数として求めた。
(6)写像性値の測定
JIS−K7105に準じ、スガ試験機製写像性測定機 ICM−1により、透過法にてフィルムの写像性を測定した。なお、値は、光学くし0.125mmのものを読み取る。
(7)反射光下での目視検査性
蛍光灯反射下で偏光板を10人の検査員がそれぞれ目視にて観察し、反射光下での目視検査性を下記基準に従い評価した。なお、測定の際には、得られた離型フィルムの端部からフィルム幅方向に、フィルム幅に対して50%の位置に相当する箇所よりA4サイズのサンプルを切り出して実施した。
<反射光下での目視検査性 判定基準>
(検査性良好) ◎>○>△>×>×× (検査性不良)
上記判定基準中、△以上のものが実使用上問題なく使用できるレベルである。
(8)クロスニコル下での異物認知性
離型フィルム付き偏光板を作成する際、粘着剤と偏光フィルムとの間に50μm以上の大きさを持つ黒色の金属粉(異物)を50個/mとなるように混入させた。このようにして得られた異物を混入させた偏光板離型フィルム上に配向軸が離型フィルム幅方向と直交するように検査用の偏光板を重ね合わせ、偏光板側より白色光を照射し、検査用の偏光板より10人の検査員がそれぞれ目視にて観察し、粘着剤と偏光フィルムとの間に混入させた異物を見いだせるかどうかを下記分類にて評価した。なお、測定の際には、得られたフィルムの中央部のフィルムを用いて評価した。
<異物認知性 分類基準>
(異物認知性良好) ◎>○>△>× (異物認知性不良)
上記判定基準中、○以上のものが実使用上問題なく使用できるレベルである。
(9)耐擦傷性(キズ評価)
1/2インチにスリットした試料フィルム(離型層が設けられる面を擦過面として)直径6mmの硬質クロム製固定ピンに張力50g、巻き付け角135°、走行速度4m/secで1回擦過させる。その試料フィルムの擦過面にアルミニウムを約1000Å蒸着し、キズの量を目視判定し、以下の5段階に分けた。
1.キズの量が極めて多い
2.キズの量が多い
3.キズの量が2、4の中間
4.キズの量が少ない
5.キズが付かない
この中で、3以上が実用上、使用に耐える領域である。
(10)離型フィルムの剥離力(F)の評価
試料フィルムの離型層表面に両面粘着テープ(日東電工製「No.502」)の片面を貼り付けた後、50mm×300mmのサイズにカットした後、室温にて1時間放置後の剥離力を測定する。剥離力は、引張試験機((株)インテスコ製「インテスコモデル2001型」)を使用し、引張速度300mm/分の条件下、180°剥離を行った。
(11)離型特性
離型フィルム付き偏光板より、離型フィルムを剥がした時の状況より、離型特性を評価した。
<離型特性 分類基準>
○:離型フィルムが綺麗に剥がれ、粘着剤が離型層に付着する現象が見られない
△:離型フィルムが剥がれるが、速い速度で剥離した場合に粘着剤が離型層に付着する
×:離型フィルムに粘着剤が付着する
上記判定基準中、△以上のものが実使用上問題なく使用できるレベルである。
実施例1〜3および比較例1〜5:
<ポリエステル(A)の製造>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム四水塩を加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェートを添加した後、重縮合槽に移し、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステルのチップ(A)を得た。この、ポリエステルの極限粘度は0.63であった。
<ポリエステル(B)の製造>
ポリエステル(A)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェートを添加後、平均粒子径0.8μmの合成炭酸カルシウム粒子のエチレングリコールスラリーを粒子のポリエステルに対する含有量が1重量%となるように添加した以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(B)を得た。得られたポリエステル(B)は極限粘度0.63であった。
<ポリエステル(C)の製造>
ポリエステル(B)の製造方法において、添加粒子を、平均粒子径1.5μmの合成炭酸カルシウム粒子に、ポリエステルに対する含有量を、1重量%にした以外は、ポリエステル(B)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(C)を得た。得られたポリエステル(C)は極限粘度0.63であった。
<ポリエステル(D)の製造>
ポリエステル(B)の製造方法において、添加粒子を、平均粒子径2.2μmのシリカ粒子に、ポリエステルに対する含有量を、0.6重量%にした以外は、ポリエステル(B)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(C)を得た。得られたポリエステル(C)は極限粘度0.63であった。
<フィルムの製造>
上記ポリエステル(A)チップと、ポリエステル(B)、(C)、(D)チップとを、表1および2に示すとおりの割合で混合した混合原料を最外層(表層)および中間層の原料とし、2台の押出機に各々供給し、290℃で溶融押出した後、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。次いで、100℃にて縦方向に2.8倍延伸した後、テンター内で予熱工程を経て120℃で4.9倍の横延伸を施した後、190℃で10秒間の熱処理を行い、その後180℃で幅方向に10%の弛緩を加え、幅3000mmのポリエステルフィルムを各々得た。得られたフィルムの全厚みは40μm、それぞれの層厚みは4μm/32μm/4μmであった。
なお、比較例1のフィルムは、表面形状が極端に平坦になり、滑り性が悪化したため、延伸、熱処理後のフィルムをロール状に巻き取る際に、うまく巻き取ることができず、また、フィルム全面にキズが発生し、製品として成り立たない物であった。
<離型フィルムの製造>
比較例1以外のフィルムは、下記に示す離型剤組成からなる離型剤を塗布量(乾燥後)が0.1g/mになるようにリバースグラビアコート方式により塗布し、ドライヤー温度120℃、ライン速度30m/minの条件でロール状の離型フィルムを得た。
(離型組成−A)
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製) 100部
硬化剤(PL−50T: 信越化学製) 1部
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1) 1500部
(離型組成−B)
硬化型シリコーン樹脂(KS−774:信越化学製) 100部
硬化剤(PL−4: 信越化学製) 10部
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1) 1500部
(離型組成−C)
硬化型シリコーン樹脂(KS−723A:信越化学製) 100部
硬化型シリコーン樹脂(KS−723B:信越化学製) 5部
硬化剤(PS−3: 信越化学製) 5部
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1) 1500部
<離型フィルム付き偏光板の製造>
偏光板に下記に示すアクリル粘着剤を、乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布し、130℃の乾燥炉内を30秒で通過させた後、離型フィルムを貼り合わせ、粘着剤を介して離型フィルムと偏光フィルムが密着された離型フィルム付き偏光板を作製した。フィルムを貼り合わせる方向は、離型フィルムの幅方向が、偏光フィルムの配向軸と平行となるように行った。
(アクリル粘着剤塗布液)
アクリル粘着剤(オリバインBPS429−4:東洋インキ製) 100部
硬化剤(BPS8515:東洋インキ製) 3部
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1) 50
Figure 2010175620
Figure 2010175620
※比較例1のフィルムはキズの量が極めて多く、検査性を判定することができなかった。
本発明のフィルムは、偏光板の種々検査法において、高度な精度を実現でき、製造工程内でキズの入りにくい離型フィルムとして好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. 写像性値が90%以上であるポリエステルフィルムの一方のフィルム表面のピークカウント(Pc)が20〜40であり、当該フィルム表面上に離型層を有し、当該離型層の剥離力が10〜100mN/cmの範囲であることを特徴とする偏光板用離型フィルム。
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