JP2010227900A - セメントキルン排ガスの処理装置及び処理方法 - Google Patents

セメントキルン排ガスの処理装置及び処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】セメントキルン排ガス中の水銀を低コストで効率よく除去する。
【解決手段】セメントキルンの排ガスに含まれるダストD1中の粒子凝集体を分散させる分散装置3と、分散装置3によって粒子凝集体が分散したダストD2を分級する分級装置4と、分級装置4で分級された微粉側のダストD4を加熱する加熱装置5と、加熱装置5による加熱によって揮発した水銀を回収する水銀回収装置9とを備えるセメントキルン排ガスの処理装置1。分級装置5を遠心力式分級機又は慣性力式分級機とし、分級装置5の部分分級効率が50%となる粒径を少なくとも10μm以下とすることができる。加熱装置5からの排ガスG1を固気分離する固気分離装置7を備え、水銀回収装置9は、固気分離装置7によって分離されたガスG2から水銀を回収することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、セメント焼成設備を構成するセメントキルンから排出される燃焼排ガスから水銀を除去する装置及び方法に関する。
セメントキルンの排ガスには、極微量の金属水銀(Hg)が含まれている。その起源は、セメントの主原料である石灰石等の天然原料が含有する水銀の他、フライアッシュ等の多品種にわたるリサイクル資源に含まれる水銀である。近年、廃棄物のセメント原料化及び燃料化によるリサイクルが推進され、廃棄物の処理量が増加するに従い、セメントキルン排ガス中の水銀濃度が増加する可能性が考えられる。
しかし、セメントキルンの排ガスに極微量含まれる水銀を、多量の排ガスから除去することは極めて困難であり、セメントキルンの排ガス中の水銀が増加すると、大気汚染の原因となる虞があるとともに、フライアッシュ等のリサイクル資源利用拡大の阻害要因となる虞もある。
そこで、例えば、特許文献1には、セメントキルン排ガスを集塵機によって除塵した後、捕集した集塵ダストを加熱炉に導き、集塵ダスト中の水銀を揮発温度以上に加熱して揮発させ、その後、吸着剤等により吸着して除去するセメント製造排ガスの処理方法が提案されている。
また、特許文献2には、水銀等の有害物質が集塵ダストの微粉側に偏在するとの知見に基づき、セメントキルン排ガスの上流側から下流側に向かって、重力集塵機(分離限界粒子径:50〜60μm)、慣性力集塵機(分離限界粒子径:20μm)及び遠心力集塵機(分離限界粒子径:2〜3μm)を順に設置し、最終段の集塵機で集塵した微粉側のダストを回収するセメントキルンの排ガスの処理方法が開示されている。
更に、同文献には、有害物質が集塵ダスト中の未燃カーボンに多く付着することに着目し、集塵ダストを有機溶媒や水とともに容器内で振とうした後に静置し、有機溶媒層と水層からなる液体を得て、その液体から分離して回収した有機溶媒層を対象にして、水との混和、振とう及び分離の処理を数回繰り返して有機溶媒中に未燃カーボンを抽出し、その後、有機溶媒を蒸散させて未燃カーボンを回収する処理方法も開示されている。
特開2002−355531号公報 特開2006−45006号公報
しかし、上記特許文献1に記載の処理方法においては、セメントキルン排ガスから捕集した集塵ダストをそのまま加熱炉に導入するため、本来水銀を除去するに当たって加熱する必要のないダストも同時に加熱処理することになり、処理効率が低下するという問題がある。
これに対し、特許文献2に記載の処理方法においては、集塵ダストの加熱処理を行わないため、加熱処理に起因する処理効率の低下は避けることができる。しかし、同方法では分級装置は使用しておらず、全てに集塵装置を用いているが、集塵装置は、あくまで集塵装置から排出される排ガス中の粉体量を低減させることが目的であって、粉体の十分な分級を行うことはできないため、集塵装置で回収した粗粉側のダストには、当然の如く大量の微粉が含まれる。従って、この大量の微粉を含んだ粗粉がセメント製造工程に再び戻されるため、水銀等の有害物質が更に濃縮してしまう虞がある。更に、多くの集塵機を設置することから、膨大な装置コストがかかることとなる。一方、未燃カーボンを回収して有害物質を除去する方法においても、処理工程数や処理時間の増加が避けられず、また、薬剤コスト等が嵩む虞もあるため、処理効率の低下やコストの増大を招くという問題がある。
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、セメントキルン排ガス中の水銀を低コストで効率よく除去することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、セメントキルン排ガスの処理装置であって、セメントキルンの排ガスに含まれるダスト中の粒子凝集体を分散させる分散装置と、該分散装置によって粒子凝集体が分散したダストを分級する分級装置と、該分級装置によって分級された微粉側のダストを加熱する加熱装置と、該加熱装置による加熱によって揮発した水銀を回収する水銀回収装置とを備えることを特徴とする。
そして、本発明によれば、セメントキルンの排ガスに含まれるダスト中の粒子凝集体を分散させた後分級操作を行うことで、分級効率を高く維持しながら水銀含有率の高いダストを選択的に取り出し、そのダストを対象にして水銀の除去処理を行うため、水銀除去に不要な余分なダストを事前に取り除いた状態で除去処理を行うことができる。従って、短時間で多量のセメントキルン排ガスを処理したり、或いは、設備規模を縮小化することができるため、処理効率の向上や処理コストの削減を図ることが可能になる。
上記セメントキルン排ガスの処理装置において、前記分級装置には、遠心力式分級機又は慣性力式分級機を用いることができる。また、該分級装置の、部分分級効率が50%となる粒径(部分分級効率が50%となる粒径については、これ以降「50%分離粒径(D50)」と称す)が、少なくとも10μm以下となるような性能を有する分級装置とすることができる。
また、本発明は、セメントキルン排ガスの処理装置であって、セメントキルンの排ガスに含まれるダスト中の粒子凝集体を分散させながら、粒子凝集体が分散したダストを分級する分散・分級装置と、該分散・分級装置によって分級された微粉側のダストを加熱する加熱装置と、該加熱装置による加熱によって揮発した水銀を回収する水銀回収装置とを備えることを特徴とする。本発明によれば、上記発明と同様に、水銀除去に不要な余分なダストを事前に取り除いた状態で除去処理を行うことで、短時間で多量のセメントキルン排ガスを処理したり、或いは、設備規模を縮小化することができ、処理効率の向上や処理コストの削減を図ることが可能になる。
上記セメントキルン排ガスの処理装置において、前記加熱装置からの排ガスを固気分離する固気分離装置を備え、前記水銀回収装置は、前記固気分離装置によって分離されたガスから水銀を回収することができる。この構成によれば、ダストの存在により阻害されることなく、排ガスから水銀を回収することができる。
上記セメントキルン排ガスの処理装置において、前記加熱装置は、前記分級装置によって分級した前記微粉側のダストを400℃以上600℃以下に加熱することができる。これによれば、最適な揮発条件で微粉側のダスト中の水銀を揮発させることができるとともに、揮発した水銀の多くを排ガス中に保持することができる。
上記セメントキルン排ガスの処理装置において、セメントキルンから独立して熱風を生成し、該生成した熱風を前記加熱装置に供給する熱風発生装置を備えることができる。
加熱装置の熱源には、セメントキルンの運転に伴って発生した高温ガスを利用することも考えられるが、その場合、セメントキルンの熱効率等を悪化させる虞があるのに加え、それらの高温ガスは、加熱目的で生成されたものではないため、適切な温度条件を満たすとは限らず、所望の加熱効率を得られない虞もある。これに対し、上記構成では、別途の設備や燃料コスト等が必要になるものの、セメント製造に悪影響を及ぼす虞はなく、また、自由に温度調整をすることもできるため、最適な温度条件で加熱処理を行うことが可能になる。
上記セメントキルン排ガスの処理装置において、前記熱風発生装置は、燃料の少なくとも一部に可燃性廃棄物を用いて前記熱風を生成することができ、これにより、燃料コストの削減や資源の有効活用に資することができる。
上記セメントキルン排ガスの処理装置において、前記分級装置によって分級された粗粉側のダストを該セメントキルンに戻すルートを備えることができ、これにより、水銀を除去したダストをセメント原料として利用することができる。
また、本発明は、セメントキルン排ガスの処理方法であって、セメントキルンの排ガスに含まれるダスト中の粒子凝集体を分散させ、該粒子凝集体が分散したダストを分級し、該分級によって得られた微粉側のダストを加熱し、該加熱によって前記微粉側のダストから揮発した水銀を回収することを特徴とする。本発明によれば、上記発明と同様に、水銀除去に不要な余分なダストを事前に取り除いた状態で除去処理を行うことで、短時間で多量のセメントキルン排ガスを処理したり、或いは、設備規模を縮小化することができ、処理効率の向上や処理コストの削減を図ることが可能になる。
以上のように、本発明によれば、セメントキルン排ガス中の水銀を低コストで効率よく除去することができる。
本発明にかかるセメントキルン排ガスの処理装置の第1の実施形態を示すフローチャートである。 図1のセメントキルン排ガスの処理装置に用いられる分散装置の一例としてのピン式分散機を示す概略断面図である。 本発明にかかるセメントキルン排ガスの処理装置の第2の実施形態を示すフローチャートである。 図3のセメントキルン排ガスの処理装置に用いられる分散・分級装置の一例としてのクラッシール(登録商標、太平洋エンジニアリング株式会社製、商品名)を示す図であって、(a)は透視斜視図、(b)は正面断面図である。 図3のセメントキルン排ガスの処理装置に用いられる分散・分級装置の分散機能を有する場合と有さない場合の部分分級効率曲線である。
次に、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明にかかるセメントキルン排ガスの処理装置の第1の実施形態を示し、この処理装置1は、大別して、セメントキルン(不図示)の後段に配置された電気集塵機2と、電気集塵機2で捕集された集塵ダストD1中の粒子凝集体を分散させる分散装置3と、分散装置3によって粒子凝集体が分散したダストD2を分級し、粗粉側ダストD3と微粉側ダストD4を得る分級装置4と、微粉側ダストD4を加熱する加熱装置5と、加熱装置5に熱風を供給する熱風発生装置6と、加熱装置5から排出される排ガスG1、及び排ガスG1中に含まれるダストD5を固気分離する固気分離装置7と、固気分離後の排ガスG2から水銀を回収する水銀回収装置9等で構成される。
分散装置3は、電気集塵機2で捕集された集塵ダストD1中の粒子凝集体を分散させるために備えられ、この分散装置3の一例として、図2に示すようなピン式分散機13を用いることができる。ピン式分散機13は、供給シュート13aと、容器13bの内壁に固定された複数の固定ピン13cと、回転軸13dに一体化された円形の回転板13eの外縁部周辺に立設され、固定ピン13cを間に挟むようにして該固定ピン13cに近接して回転する複数の回転ピン13f、13gと、回転軸13dを回転させるモータ13hとで構成され、最外部の回転ピン13gが5m/s以上の周速度で回転する。
図1に戻り、分級装置4は、分散装置3によって粒子凝集体が分散したダストD2を粗粉側ダストD3と微粉側ダストD4に分離するために備えられ、遠心力式分級機、慣性力式分級機等を用いることができる。分級装置4は、50%分離粒径(D50)が少なくとも10μm以下となるような性能を有し、粗粉側ダストD3を回収する一方で微粉側ダストD4を次段の加熱装置5に供給する。尚、これは、水銀のほとんどが集塵ダストD1の微粉側に偏在しているとの知見に基づくものであり、上記分級処理により、集塵ダストD1の中から水銀を多く含有する部分のみを選択的に抽出することができる。
加熱装置5は、微粉側ダストD4を加熱する加熱炉等であり、微粉側ダストD4に含まれる水銀を揮発させるために備えられる。加熱装置5では、微粉側ダストD4中の水銀を効率よく揮発させるため、微粉側ダストD4を400℃以上600℃以下に加熱することが好ましく、更に、550℃以上600℃以下に加熱することがより好ましい。
熱風発生装置6は、加熱装置5の熱源として備えられ、所定の燃料を燃焼させて熱風を生成する。燃料コストの削減や資源の有効活用の観点から、熱風発生装置6では、廃油や廃溶剤等の可燃性廃棄物を主燃料として用い、重油や灯油等の天然燃料は補助的に使用するに留める。
固気分離装置7は、900℃程度までの耐熱性を有する高耐熱型のバグフィルタであることが望ましい。このようなバグフィルタとしては、ハニカムセル化した棒状のセラミック管を複数配列したものや、シート状のセラミックフィルタを用いたものなど、様々なタイプのものが開発されているが、本発明においては、排ガスG1に含まれるダストD5を集塵し得るものであれば、フィルタのタイプは特に限定されない。固気分離装置7の後段には、誘引ファン8が設けられる。
一方、固気分離装置7は、排ガスG1の温度を調温することで、種々の耐熱温度に応じる濾布を備えたバグフィルタとすることもできる。その際には、バグフィルタの前段に調温装置を設けることになる。また、排ガスG1に含まれる揮発状態の水銀の再凝縮を避けること、及び、セラミック製の濾布に次ぐ耐熱性を有する濾布が、一般的にはガラス繊維製の濾布であることを考慮すると、排ガスG1の温度を150〜250℃に調節することが好ましく、180〜230℃に調節することがより好ましい。
水銀回収装置9は、ダストD6を捕集した後の燃焼排ガスG2を受け入れ、該燃焼排ガスG2から水銀を除去するために備えられる。水銀回収装置9としては、一般的な吸着剤により水銀を吸着除去するガス吸着装置を用いることができ、より具体的には、乾式法として、活性炭や活性コークスなどの多孔質吸着媒体を、固定層式又は移動層式の装置に充填し、これに通ガスすることで、ガス中に含まれる水銀を吸着除去する方法、キレート樹脂等の水銀を選択的に吸着する媒体を固定層式の装置に充填し、これに水銀を通ガスすることで、ガス中に含まれる水銀を吸着除去する方法等があり、湿式法として、スクラバーやスプレー塔等の湿式洗浄装置により水銀含有ガスを洗浄し、水銀を液相側にて回収する方法等を用いることができる。その他、水銀含有ガスの深度冷却による凝集析出法を用いることもできる。
次に、上記構成を有するセメントキルンの排ガス処理装置1の動作について、図1及び図2を参照しながら説明する。
まず、電気集塵機2でセメントキルン排ガスを集塵し、捕集した集塵ダストD1を分散装置3に導入する。図2に示すピン式分散機13(分散装置3)において、供給シュート13aより容器13b内に供給された集塵ダストD1には、固定ピン13cと回転ピン13f、13gとの間で衝撃力やせん断力が与えられ、集塵ダストD1中の粒子凝集体が分散する。
図1に戻り、分散装置3によって粒子凝集体が分散したダストD2を分級装置4に導入し、ダストD2を分級装置4で分級して粗粉側ダストD3と微粉側ダストD4とに分離する。粗粉側ダストD3は、回収後、セメント工程に戻してセメント原料等として再利用し、微粉側ダストD4は、水銀を除去すべく加熱装置5に搬送する。
次に、熱風発生装置6からの熱風を用いて微粉側ダストD4を400℃以上600℃以下に加熱し、微粉側ダストD4中の水銀を揮発させる。その後、固気分離装置7により、加熱装置5から排出される排ガスG1及びダストD5を固気分離し、ダストD5を捕集する。固気分離装置7から排出されたダストD6は、セメント工程に戻してセメント原料等として再利用し、固気分離装置7の排ガスG2は、誘引ファン8を通じて水銀回収装置9に搬送する。
次に、水銀回収装置9において、湿式のガス吸収装置を用いて排ガスG2に含まれる水銀を除去する。水銀回収装置9において水銀が除去され、無害化した排ガスG3は、大気に放出するか、熱回収のためにセメント工程内に戻す。
以上説明したように、本実施の形態では、分散装置3によって集塵ダストD1中の粒子凝集体を分散させた後、分級装置4によって分級操作を行うことで、分級効率を高く維持しながら水銀含有率の高い微粉側ダストD4を選択的に取り出し、その微粉側ダストD4を対象にして水銀の除去処理を行うため、水銀除去に不要な余分なダストを事前に取り除いた状態で除去処理を行うことができる。そのため、短時間で多量のセメントキルン排ガスを処理したり、或いは、設備規模を縮小化することができ、処理効率の向上や処理コストの削減を図ることが可能になる。
尚、上記実施の形態においては、セメントキルンの後段に電気集塵機2を配置するが、電気集塵機2に代えて、バグフィルタ、サイクロン、移動式集塵機等を配置し、それら集塵機によって捕集した集塵ダストを分散装置3に導入してもよい。
また、分散装置3として、固定ピン13cを間に挟むようにして該固定ピン13cに近接して回転する複数の回転ピン13f、13gを備えたピン式分散機13を例示したが、2本の回転軸と、各々の回転軸とともに回転する複数の回転ピンを備え、回転ピン同士の回転による相対周速度が、その最大になる位置において5m/s以上となるピン式分散機を用いることもできる。
さらに、ピン式分散機13以外にも、ガス供給圧力がゲージ圧で100kPa〜600kPaのエジェクタ、レイノルズ数が12000以上のガス流れを有する分散パイプ、回転軸に取り付けられたブレード等の突起状物の最外部が5m/s以上の周速度で回転する回転体を有する容器等にダストD1を供給し、ダストD1中の粒子凝集体を分散させることもできる。また、分散媒体として球相当直径が1mm〜60mmのボール等を充填した容器にダストD1を供給し、該容器を回転させるなどして、該容器内部に設置した回転軸とそれに接合された撹拌翼等を回転させ、前記分散媒体を運動させることで、ダストD1中の粒子凝集体を分散させることもできる。
さらに、水銀回収装置9に活性炭や活性コークスなどを用いた吸着装置を使用することで、水銀の他に、燃焼排ガスG1に含まれる微量のダイオキシンやPCB等の有機塩素化合物に代表される有害物質を吸着除去することができる。
次に、本発明にかかるセメントキルン排ガスの処理装置の第2の実施形態について、図3及び図4を参照しながら説明する。
本実施の形態にかかるセメントキルン排ガスの処理装置21は、図1に示した処理装置1の分散装置3及び分級装置4に代えて、1台で分散と分級の両機能を発揮することのできる分散・分級装置24を備えることを特徴とする。セメントキルン排ガスの処理装置21の他の構成要素については、図1に示した処理装置1と同様であるため、図1に示した処理装置1の各構成要素と同一の参照番号を付して説明を省略する。
分散・分級装置24は、電気集塵機2で捕集された集塵ダストD1中の粒子凝集体を分散させながら、粒子凝集体が分散したダストを分級するために備えられ、この分散・分級装置24の一例として、図4に示すような分散・分級装置(クラッシール)24を用いることができる。
この分散・分級装置24は、円筒状の上部ケーシング31内に分級室32を備え、分級室32には、モータ36によって回転軸35を介して回転する分級ロータ40が設けられる。分級ロータ40は、多数の分級羽根41を備える。分級ロータ40の天井部には、円板状の分散板33が設けられる。上部ケーシング31の天井部には、フィードシュート37が接続され、上部ケーシング31の側面には、第1空気ダクト38と、第2空気ダクト39が設けられる。上部ケーシング31の内壁に沿って多数のガイドベーン34が配置され、上部ケーシング31の下方には、3次空気ダクト43、44が接続された下部コーン45が設けられる。分級室32の天井部には排出ベンド46が接続され、排出ベンド46は上部ケーシング31の天井部を貫通して上方に延設される。下部コーン45の下端部は、粗粉排出口47として開口する。
上記分散・分級装置24において、フィードシュート37から供給された集塵ダストD1は、分級ロータ40の天井部の分散板33で分散して分散板33の遠心力により分散板33の外周部に飛散し、分級室32に落下する。
分級室32に落下した集塵ダストD1は、ガイドベーン34によって形成される自由渦によって、集塵ダストD1中の粒子凝集体が分散した後、粒子凝集体が分散した集塵ダストD1は、同自由渦(1次分級)と、高速回転する分級ロータ40による強制渦(2次分級)の併用の力を受け、分級ロータ40の回転方向に沿って旋回運動をする。この旋回運動により、集塵ダストD1に働く遠心力と、分級ロータ40の内面に向かう空気流による抗力とのバランスにより分級が行われる。
分級された微粒子は、排出ベンド46から気流に乗って排出され、図3に示す微粉側ダストD4として加熱装置5に搬送される。一方、粗粒子は、重力により下部コーン45に落下し、粗粉排出口47から粗粉側ダストD3として回収される。
図3の加熱装置5以降の動作は、図1に示した第1の実施形態と同様であり、最終的に、水銀回収装置9において、固気分離装置7の排ガスG2に含まれる水銀を除去する。
尚、本実施の形態においては、分散・分級装置24としてクラッシールを用いた場合を例示したが、その他に、サイクロン付きエアセパレータ、O−SEPA(登録商標、太平洋エンジニアリング株式会社製、商品名)等の分散・分級装置を用いることもできる。
図4に示した分散・分級装置24を用い、図4(b)に示す分級ロータ40の側面と上部ケーシング31の内壁との間の隙間Gを調整し、隙間Gを20mmとした場合(この場合、分散・分級装置24は分散機能を有することとなる)と、隙間Gを50mmとした場合(この場合、分散・分級装置24は分散機能を有さない)とで、下記のような集塵ダストについて、その分級特性を比較した。その結果を図5に示す。実施例に用いた集塵ダストは、水銀を除去する装置を有しないセメントキルンの排ガスから、電気集塵機で捕集された集塵ダスト(4μm以下の粒子に水銀の90%以上が含有されている)である。
同図より、隙間Gを20mm(分散機能あり)の場合には、粗粉側への配分率が、粒径1μmで25%、4μmで50%であるのに対し、隙間Gを50mm(分散機能なし)の場合には、1μmで65%、4μmで90%であった。この結果、微粉側への水銀回収率にも差が生じ、当初の集塵ダスト中の水銀量の内、微粉側に回収された水銀量の割合を求めたところ、隙間Gを20mm(分散機能あり)の場合、64質量%であるのに対し、隙間Gを50mm(分散機能なし)の場合には、28質量%であった。以上より、分散機能を付与することで、微粉側への水銀回収率をより高めることができ、セメントキルン排ガス中の水銀除去の効率を高めることができることが判る。
1 セメントキルン排ガスの処理装置
2 電気集塵機
3 分散装置
4 分級装置
5 加熱装置
6 熱風発生装置
7 固気分離装置
8 誘引ファン
9 水銀回収装置
13 ピン式分散機
13a 供給シュート
13b 容器
13c 固定ピン
13d 回転軸
13e 回転板
13f 回転ピン
13g 回転ピン
13h モータ
21 セメントキルン排ガスの処理装置
24 分散・分級装置
31 上部ケーシング
32 分級室
33 分散板
34 ガイドベーン
35 回転軸
36 モータ
37 フィードシュート
38 第1空気ダクト
39 第2空気ダクト
40 分級ロータ
41 分級羽根
43 3次空気ダクト
44 3次空気ダクト
45 下部コーン
46 排出ベンド
47 粗粉排出口

Claims (8)

  1. セメントキルンの排ガスに含まれるダスト中の粒子凝集体を分散させる分散装置と、
    該分散装置によって粒子凝集体が分散したダストを分級する分級装置と、
    該分級装置によって分級された微粉側のダストを加熱する加熱装置と、
    該加熱装置による加熱によって揮発した水銀を回収する水銀回収装置とを備えることを特徴とするセメントキルン排ガスの処理装置。
  2. 前記分級装置は、遠心力式分級機又は慣性力式分級機であって、該分級装置の部分分級効率が50%となる粒径は、少なくとも10μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のセメントキルン排ガスの処理装置。
  3. セメントキルンの排ガスに含まれるダスト中の粒子凝集体を分散させながら、粒子凝集体が分散したダストを分級する分散・分級装置と、
    該分散・分級装置によって分級された微粉側のダストを加熱する加熱装置と、
    該加熱装置による加熱によって揮発した水銀を回収する水銀回収装置とを備えることを特徴とするセメントキルン排ガスの処理装置。
  4. 前記加熱装置からの排ガスを固気分離する固気分離装置を備え、
    前記水銀回収装置は、前記固気分離装置によって分離されたガスから水銀を回収することを特徴とする請求項1、2又は3に記載のセメントキルン排ガスの処理装置。
  5. 前記加熱装置は、前記分級装置又は前記分散・分級装置によって分級された前記微粉側のダストを400℃以上600℃以下に加熱することを特徴とする請求項4に記載のセメントキルン排ガスの処理装置。
  6. 該セメントキルンから独立して熱風を生成し、該生成した熱風を前記加熱装置に供給する熱風発生装置を備え、該熱風発生装置は、燃料の少なくとも一部に可燃性廃棄物を用いて前記熱風を生成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のセメントキルン排ガスの処理装置。
  7. 前記分級装置又は前記分散・分級装置によって分級された粗粉側のダストを該セメントキルンに戻すルートを備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のセメントキルン排ガスの処理装置。
  8. セメントキルンの排ガスに含まれるダスト中の粒子凝集体を分散させ、
    該粒子凝集体が分散したダストを分級し、
    該分級によって得られた微粉側のダストを加熱し、
    該加熱によって前記微粉側のダストから揮発した水銀を回収することを特徴とするセメントキルン排ガスの処理方法。
JP2009081173A 2009-03-30 2009-03-30 セメントキルン排ガスの処理装置及び処理方法 Pending JP2010227900A (ja)

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