以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。図1には本実施形態に係る画像読取装置10が示されている。同図に示すように、画像読取装置10は、原稿搬送部12と画像読取部14とを備えている。なお、原稿搬送部12と画像読取部14とは連結部16によって連結され、原稿搬送部12は連結部16を中心として画像読取部14と接近又は離間する方向へ回転可能とされており、原稿搬送部12が画像読取部14と離間する方向へ回転されると後述するプラテンガラス32が露出される。
原稿搬送部12は、画像が記録された原稿Pを置くための原稿台20を備えており、原稿台20上に置かれた原稿Pは、取り出しロール22によって一枚ずつ取り出され、搬送路24に沿って送給される。搬送路24に沿って送給された原稿Pは、搬送ロール対26によって画像読取部14による表面読取位置まで搬送され、表面(第1の面及び第2の面の一方)に記録された画像が画像読取部14によって読み取られた後、表面読取位置よりも搬送方向下流側に設置された裏面画像読取部28の裏面読取位置へ搬送され、裏面(第1の面及び第2の面の他方)に記録された画像が裏面画像読取部28によって読み取られた後、排紙部30に排紙される。
一方、画像読取部14は、上面に原稿Pを置くための透明なプラテンガラス32を備えており、前述した表面読取位置はプラテンガラス32の上面に位置している。また、プラテンガラス32には白基準板33A,33Bが取り付けられている。白基準板33A,33Bは、画像読取部14によって読み取られた画像を示す画像情報の濃度範囲の最大値及び最小値を調整する際に用いられる調整値を導出するにあたって読み取られる白板である。
白基準板33Aは、主走査方向に延びた反射率が一様な白色の被読み取り面を有する長尺状の白板であり、副走査方向で表面読取位置から一方向(同図の左方向)にずれた原稿画像読取範囲外の位置に埋設されている。なお、原稿画像読取範囲外とは、プラテンガラス32の上面にセットされた原稿の画像を画像読取部14で読み取るときの有効範囲をいう。
一方、白基準板33Bは、反射率が一様な白色の被読み取り面を有する白板であり、
表面読取位置の主走査方向の搬送路24から外れた位置で、かつ画像読取部14によって読取可能な位置に埋設されている。
表面読取位置におけるプラテンガラス32の下側には、原稿Pの表面に向けて照明光を照射する光源34と、原稿Pの表面で反射された反射光を受光する第1反射ミラー36、第1反射ミラー36から射出された反射光の進行方向を90°曲げるための第2反射ミラー38、及び第2反射ミラー38から射出された反射光の進行方向をさらに90°曲げるための第3反射ミラー40が設けられている。
また、画像読取部14には、レンズ42と、受光面上に一列に配列された多数個の光電変換センサを備えた光検出部44が設けられており、画像読取部14は、第3反射ミラー40で反射された反射光を、レンズ42によって光検出部44の受光面に結像させることで、原稿Pの表面に記録された画像を、光検出部44によって多数個の画素に分割しかつR,G,B各色成分に分解して読み取る。なお、本実施形態では光源34として蛍光ランプを用いているが、これに限られるものではなく、原稿Pの搬送方向と交差する方向に沿って配列された複数のLED(Light Emitting Diode)等の他の光源を適用しても良い。また、本実施形態では、光検出部44としてCCD(Charge Coupled Device)ラインセンサを用いているが、これに限られるものではなく、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の他の固体撮像素子を適用しても良い。
また、本実施形態に係る画像読取装置10は、光源34、第1反射ミラー36、第2反射ミラー38及び第3反射ミラー40が図1の矢印A方向(及びその反対方向)に沿って移動可能とされている。これにより、原稿搬送部12が画像読取部14と離間する方向へ回転されることで露出されたプラテンガラス32の上面に原稿Pが置かれた場合、光源34から射出された照明光を原稿Pに照射しつつ、矢印A方向に沿って光源34、第1反射ミラー36、第2反射ミラー38及び第3反射ミラー40を移動させることで、上記原稿Pの表面(プラテンガラス32の上面に接触している側の面)に記録された画像を原稿Pの全面に亘って読み取ることも可能とされている。
図2に示すように、裏面画像読取部28は、透明部材50を介して原稿P及び白基準板52に対して照明光を照射する光源54を備えている。白基準板52は、裏面画像読取部28によって読み取られた画像を示す画像情報の濃度範囲の最大値及び最小値を調整する際に用いられる調整値を導出するにあたって読み取られる反射率が一様な白色の被読み取り面を有する白板である。原稿Pは、透明部材50と白基準板52との間を搬送ロール対26によって搬送される。また、裏面画像読取部28には、レンズ60と、受光面上に一列に配列された多数個の光電変換センサを備えた光検出部58が設けられており、光源54から照明光が射出されている状態で、原稿P又は白基準板52からの反射光がレンズ60によって光検出部58の受光面に結像させることで、原稿Pの裏面に記録された画像又は白基準板52を、光検出部58によって多数個の画素に分割し、かつR,G,B各色成分に分解して読み取る。
なお、本実施形態では、光源54として、原稿Pの搬送方向と交差する方向に配列された複数のLEDを用いているが、これに限られるものではなく、他の光源を適用してもよい。また、本実施形態に係る裏面画像読取部28は、光検出部58としてCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサを用い、CIS(Contact Image Sensor)方式で画像等を読み取る構成とされているが、これに限られるものではなく、光検出部58としてCCDラインセンサ等を用いてもよい。但し、裏面画像読取部28に対しては設置スペースの関係で小型であることが求められるので、CIS方式で画像等を読み取る構成が好適である。
図3は、本実施形態に係る画像読取装置10の電気系の要部構成を示すブロック図である。同図に示すように、画像読取装置10は、CPU(中央処理装置)70、ROM(Read Only Memory)72、RAM(Random Access Memory)74、NVM(Non Volatile Memory)76、UI(ユーザ・インタフェース)パネル78、及び外部インタフェース80を含んで構成されている。
CPU70は、画像読取装置10全体の動作を司るものである。ROM72は、画像読取装置10の作動を制御する制御プログラム、後述する原稿両面読取処理プログラムや各種パラメータ等を予め記憶する記憶手段として機能するものである。RAM74は、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるものである。NVM76は、装置の電源スイッチが切られても保持しなければならない各種情報を記憶するものである。
UIパネル78は、ディスプレイ上に透過型のタッチパネルが重ねられたタッチパネルディスプレイ等から構成され、各種情報がディスプレイの表示面に表示されると共に、ユーザがタッチパネルに触れることにより所望の情報や指示が入力される。
外部インタフェース80は、プリンタ(画像形成装置)やパーソナル・コンピュータ(PC)等の外部機器に接続され、外部機器への画像情報の送信や外部機器との各種情報の送受信を行う。
CPU70、ROM72、RAM74、NVM76、UIパネル78及び外部インタフェース80は、システムバスBUSを介して相互に接続されている。従って、CPU70は、ROM72、RAM74、NVM76へのアクセスと、UIパネル78への各種情報の表示と、UIパネル78に対するユーザの操作指示内容の把握と、外部機器への外部インタフェース80を介した各種情報の送信と、外部機器からの外部インタフェース80を介した各種情報の受信と、を各々行う。
また、前述した画像読取部14及び裏面画像読取部28もまた、システムBUSに接続されている。従って、CPU70は、画像読取部14及び裏面画像読取部28の作動の制御と、画像読取部14及び裏面画像読取部28の各々によって読み取られた画像を示す画像情報の取得と、を各々行う。
なお、本実施形態に係る画像読取装置10では、外部インタフェース80が1本の信号線でシステムバスBUSに接続されているため、画像読取部14及び裏面画像読取部28が1枚分の原稿Pの両面に記録されている画像を読み取り、画像読取部14が読み取った画像を示す画像情報、及び裏面画像読取部28が読み取った画像を示す画像情報を外部インタフェース80を介して外部機器へ送信する場合、画像読取部14が読み取った画像を示す画像情報の外部インタフェース80への出力が終了してから裏面画像読取部28が読み取った画像を示す画像情報が外部インタフェース80へ出力される。従って、複数の原稿Pが搬送路24に沿って搬送されて画像読取部14及び裏面画像読取部28によって原稿Pの両面に記録されている画像が1枚毎に読み取られ、読み取られた画像を示す画像情報が外部インタフェース80を介して外部機器へ送信される場合、外部インタフェース80では、画像読取部14によって読み取られた画像を示す画像情報、及び裏面画像読取部28によって読み取られた画像を示す画像情報が交互に受信される。
ところで、本実施形態に係る画像読取装置10では、画像読取部14によって読み取られた画像を示す画像情報の濃度範囲の最大値(以下、「黒レベル」という。)及び最小値(以下、「白レベル」という。)の調整が行われる。
従来の手法により、搬送路24に沿って搬送されている複数の原稿Pの各々の両面に記録されている画像が画像読取部14及び裏面画像読取部28によって1枚ずつ読み取られ、読み取られた画像を示す画像情報の白レベル及び黒レベルが調整され、調整済みの画像情報が外部機器へ送信される場合、一例として図4(A)に示されるように、先ず、画像読取部14による1枚目の原稿P1の表面に記録されている画像の読み取りに先立って、原稿P1の表面に記録されている画像を読み取って得られた画像情報の黒レベル及び白レベルを調整する際に用いられる黒レベル調整値及び白レベル調整値が導出される。次に、画像読取部14によって原稿P1の表面に記録されている画像が1画素ずつ読み取られ、読み取られた画像を示す画像情報に対して、直前に導出された黒レベル調整値を用いた黒レベルの調整、及び白レベル調整値を用いた白レベル調整が行われてから当該画像情報が外部インタフェース80に出力される。
原稿P1の表面に記録されている画像が画像読取部14によって読み取られている間に原稿P1の先端が裏面読取位置に到達すると、原稿P1の裏面に記録されている画像の裏面画像読取部28による読み取りが開始され、読み取られた画像を示す画像情報がRAM74に記憶されることにより保持される。そして、1枚目の原稿P1の表面に記録されている画像を示す画像情報の外部インタフェース80への出力が終了すると、RAM74に保持されている裏面画像読取部28によって読み取られた画像を示す画像情報が外部インタフェース80に出力される。この出力が終了すると、画像読取部14による2枚目の原稿P2の表面に記録されている画像の読み取りに先立って、原稿P2の表面に記録されている画像を読み取って得られた画像情報の黒レベル及び白レベルを調整する際に用いられる黒レベル調整値及び白レベル調整値が導出される。次に、画像読取部14によって原稿P2の表面に記録されている画像が1画素ずつ読み取られ、読み取られた画像を示す画像情報に対して、直前に導出された黒レベル調整値を用いた黒レベルの調整、及び白レベル調整値を用いた白レベル調整が行われてから当該画像情報が外部インタフェース80に出力される。
原稿P2の表面に記録されている画像が画像読取部14によって読み取られている間に原稿P2の先端が裏面読取位置に到達すると、原稿P2の裏面に記録されている画像の裏面画像読取部28による読み取りが開始され、読み取られた画像を示す画像情報がRAM74に記憶されることにより保持される。そして、原稿P2の表面に記録されている画像を示す画像情報の外部インタフェース80への出力が終了すると、RAM74に保持されている裏面画像読取部28によって読み取られた画像を示す画像情報が外部インタフェース80に出力される。この出力が終了すると、3枚目以降の原稿Pに対しては、原稿P2に対して行われた処理と同様の処理が行われる。
しかし、2枚目以降の原稿Pの表面に記録されている画像を読み取って得られた画像情報の黒レベル及び白レベルの調整で用いられる黒レベル調整値及び白レベル調整値の導出は、RAM74に保持されている裏面画像読取部28によって読み取られた画像を示す画像情報の外部インタフェース80への出力終了を待ってから開始されているため、その分だけ原稿Pの搬送間隔が長くなってしまう。
そこで、本実施形態に係る画像読取装置10では、一例として図4(B)に示されるように、画像読取部14による1枚分の原稿Pの表面に記録されている画像の読み取りが終了してから当該原稿Pの裏面に記録されている画像を読み取って得られた画像情報の外部インタフェース80への出力が終了する前までの間に黒レベル調整値及び白レベル調整値の導出を開始することにより原稿Pの搬送間隔を短くするようにしている。
次に本実施形態の作用として、原稿台20上に複数の原稿Pを置いた状態で、UIパネル78を介して原稿Pの両面に記録されている画像の読み取り、及び当該画像を示す画像情報の外部機器への送信が指示された際に、ROM72に予め記憶されている原稿両面読取処理プログラムがCPU70によって実行されることで実現される原稿両面読取処理について、図5を参照して説明する。なお、図5は、原稿両面読取処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。また、ここでは錯綜を回避するために、原稿両面読取処理の実行開始時の光源34,54は消灯されているものとする。
同図のステップ100では、光源34、第1反射ミラー36、第2反射ミラー38及び第3反射ミラー40(以下、これらを総じて「キャリッジ」という。)の白基準板33Aの直下に向けての移動を開始させる。
次のステップ102では、白基準板33Aの直下にキャリッジが到達するまで待機し、キャリッジが白基準板33Aの直下に到達すると肯定判定となってステップ104へ移行し、キャリッジを停止させる。
次のステップ106では、画像読取部14に対して、白基準板33Aの読み取りを開始させると共に、裏面画像読取部28に対して、白基準板52の読み取りを開始させ、次のステップ108にて、画像読取部14による白基準板33Aの読み取り、及び裏面画像読取部28による白基準板52の読み取りが終了するまで待機する。
次のステップ110では、光源34,54を点灯させ、次のステップ112にて、画像読取部14に対して、白基準板33Aの読み取りを開始させると共に、裏面画像読取部28に対して、白基準板52の読み取りを開始させ、次のステップ114にて、画像読取部14による白基準板33Aの読み取り、及び裏面画像読取部28による白基準板52の読み取りが終了するまで待機する。
次のステップ116では、キャリッジの表面読取位置の直下に向けての移動を開始させ、次のステップ118では、表面読取位置の直下にキャリッジが到達するまで待機し、キャリッジが表面読取位置の直下に到達すると肯定判定となってステップ120へ移行し、キャリッジを停止させ、次のステップ122にて、光源34,54を消灯させる。
次のステップ124では、原稿搬送部12に対して、原稿台20上に置かれている複数の原稿Pの搬送を開始させ、次のステップ126にて、画像読取部14に対して、白基準板33Bの読み取りを開始させ、次のステップ128にて、画像読取部14による白基準板33Bの読み取りが終了するまで待機する。
次のステップ130では、光源34を点灯させ、次のステップ132にて、画像読取部14に対して、白基準板33Bの読み取りを開始させ、次のステップ134にて、画像読取部14による白基準板33Bの読み取りが終了するまで待機する。
次のステップ136では、上記ステップ106で読み取った白基準板33Aを示す画像情報の黒レベル、及び上記ステップ126で読み取った白基準板33Bを示す画像情報の黒レベルに基づいて黒レベル調整値を導出し、当該黒レベル調整値をNVM76の記憶領域Aに記憶すると共に、上記ステップ112で読み取った白基準板33Aを示す画像情報の白レベル、及び上記ステップ132で読み取った白基準板33Bを示す画像情報の白レベルに基づいて白レベル調整値を導出し、当該白レベル調整値をNVM76の記憶領域Bに記憶する。
次のステップ140では、表面読取位置に原稿Pが到達するまで待機し、次のステップ142にて、画像読取部14に対して、原稿Pの表面に記録されている画像の読み取りを開始させ、読み取った画像を示す画像情報を1画素ずつ取得し、取得した画像情報に対してNVM76の記憶領域A,Bに記憶されている黒レベル調整値及び白レベル調整値を用いて黒レベル及び白レベルの調整を行ってから、調整済みの画像情報を外部インタフェース80に出力する。なお、次から本ステップ142の処理により画像読取部14によって読み取られた画像を示す画像情報の黒レベル及び白レベルを調整する場合は、後述する記憶領域A’,B’に記憶されている黒レベル調整値及び白レベル調整値を用いる。
次のステップ144では、裏面画像読取部28に対して、白基準板52の読み取りを開始させ、次のステップ146にて、裏面画像読取部28による白基準板52の読み取りが終了するまで待機する。
次のステップ148では、光源54を点灯させ、次のステップ150にて、裏面画像読取部28に対して、白基準板52の読み取りを開始させ、次のステップ152にて、裏面画像読取部28による白基準板52の読み取りが終了するまで待機する。
次のステップ154では、上記ステップ106で読み取った白基準板52を示す画像情報の黒レベル、及び上記ステップ144で読み取った白基準板52を示す画像情報の黒レベルに基づいて黒レベル調整値を導出し、当該黒レベル調整値をNVM76の記憶領域Cに記憶すると共に、上記ステップ112で読み取った白基準板52を示す画像情報の白レベル、及び上記ステップ150で読み取った白基準板52を示す画像情報の白レベルに基づいて白レベル調整値を導出し、当該白レベル調整値をNVM76の記憶領域Dに記憶する。
なお、次に本ステップ154の処理により黒レベル調整値及び白レベル調整値を導出する場合は、NVM76の記憶領域Cに記憶されている黒レベル調整値、及び上記ステップ144で読み取った白基準板52を示す画像情報の黒レベルに基づいて、次に裏面画像読取部28によって原稿Pの裏面に記録されている画像が読み取られた際の当該画像を示す画像情報の黒レベルを調整する際に用いる黒レベル調整値を導出し、当該黒レベル調整値をNVM76の記憶領域C’に記憶すると共に、NVM76の記憶領域Dに記憶されている白レベル調整値、及び上記ステップ150で読み取った白基準板52を示す画像情報の白レベルに基づいて、次に裏面画像読取部28によって原稿Pの裏面に記録されている画像が読み取られた際の当該画像を示す画像情報の白レベルを調整する際に用いる白レベル調整値を導出し、当該白レベル調整値をNVM76の記憶領域D’に記憶する。以降、本ステップ154の処理が実行される毎に、導出した黒レベル調整値をNVM76の記憶領域C’に上書きすることにより当該記憶領域C’の記憶内容を更新すると共に、導出した白レベル調整値をNVM76の記憶領域D’に上書きすることにより当該記憶領域D’の記憶内容を更新する。
次のステップ156では、裏面読取位置に原稿Pが到達するまで待機し、次のステップ158にて、裏面画像読取部28に対して、原稿Pの裏面に記録されている画像の読み取りを開始させ、読み取った画像を示す画像情報を1画素ずつ取得し、NVM76の記憶領域Eへの記憶を開始する。
次のステップ160では、裏面画像読取部28による原稿Pの裏面に記録されている画像の読み取り、及び読み取った画像を示す画像情報のNVM76の記憶領域Eへの記憶が終了するまで待機する。
次のステップ162では、画像読取部14による原稿Pの表面に記録されている画像の読み取り、画像読取部14によって読み取られた画像を示す画像情報に対する黒レベル調整値及び白レベル調整値を用いた黒レベル及び白レベルの調整、及び調整済みの画像情報の外部インタフェース80への出力が終了するまで待機する。
次のステップ164では、NVM76の記憶領域Eに記憶されている画像情報を取得し、取得した画像情報に対するNVM76の記憶領域C,Dに記憶されている黒レベル調整値及び白レベル調整値を用いた黒レベル及び白レベルの調整、及び調整済みの画像情報の外部インタフェース80への出力を開始する。なお、次から本ステップ164の処理によりNVM76の記憶領域Eに記憶されている画像情報の黒レベル及び白レベルを調整する場合は、記憶領域C’,D’に記憶されている黒レベル調整値及び白レベル調整値を用いる。
次のステップ166では、光源34,54を消灯させ、次のステップ168にて、画像読取部14に対して、白基準板33Bの読み取りを開始させ、次のステップ170にて、画像読取部14による白基準板33Bの読み取りが終了するまで待機する。
次のステップ172では、光源34を点灯させ、次のステップ174にて、画像読取部14に対して、白基準板33Bの読み取りを開始させ、次のステップ176にて、画像読取部14による白基準板33Bの読み取りが終了するまで待機する。
次のステップ178では、NVM76の記憶領域Aに記憶されている黒レベル調整値、及び上記ステップ168で読み取った白基準板33Bを示す画像情報の黒レベルに基づいて、次に画像読取部14によって原稿Pの表面に記録されている画像が読み取られた際の当該画像を示す画像情報の黒レベルを調整する際に用いる黒レベル調整値を導出し、当該黒レベル調整値をNVM76の記憶領域A’に記憶すると共に、NVM76の記憶領域Bに記憶されている白レベル調整値、及び上記ステップ174で読み取った白基準板33Bを示す画像情報の白レベルに基づいて、次に画像読取部14によって原稿Pの表面に記録されている画像が読み取られた際の当該画像を示す画像情報の白レベルを調整する際に用いる白レベル調整値を導出し、当該白レベル調整値をNVM76の記憶領域B’に記憶し、ステップ180へ移行する。
なお、次から本ステップ178の処理により黒レベル調整値及び白レベル調整値を導出した場合には、導出した黒レベル調整値をNVM76の記憶領域A’に上書きすることにより当該記憶領域A’の記憶内容を更新すると共に、導出した白レベル調整値をNVM76の記憶領域B’に上書きすることにより当該記憶領域B’の記憶内容を更新する。
ステップ180では、NVM76の記憶領域Eに記憶されている画像情報に対する黒レベル調整値及び白レベル調整値を用いた黒レベル及び白レベルの調整、及び調整済みの画像情報の外部インタフェース80への出力が終了するまで待機する。
次のステップ182では、原稿台20上に置かれている全ての原稿Pの両面に記録されている画像の読み取り、及び当該画像を示す画像情報の外部機器への送信が終了したか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ140へ戻る一方、肯定判定となった場合には本原稿両面読取処理プログラムを終了する。
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係る画像読取装置10は、搬送路24に沿って搬送されている複数の原稿Pの各々の第1の面としての表面に記録されている画像を1枚毎に読み取り、読み取った画像を示す画像情報を出力する第1の読取手段として機能する画像読取部14及びCPU70と、搬送路24に沿って搬送されている複数の原稿Pの各々の第2の面としての裏面に記録されている画像を1枚毎に画像読取部14よりも搬送方向下流側で読み取る第2の読取手段として機能する裏面画像読取部28と、裏面画像読取部28によって読み取られた1枚分の原稿Pの裏面に記録されている画像を示す画像情報を保持する保持手段として機能するNVM76と、画像読取部14により読み取られた1枚分の原稿Pの画像情報の出力が終了してからNVM76により記憶領域Eに保持されている画像情報を出力する出力手段として機能するCPU70と、画像読取部14によって読み取られた画像を示す画像情報、及び裏面画像読取部28によって読み取られた画像を示す画像情報を交互に受信する受信手段として機能する外部インタフェース80と、画像読取部14によって読み取られた1枚分の原稿Pの画像情報の濃度範囲の最大値及び最小値である黒レベル及び白レベルを調整する際に用いられる黒レベル調整値及び白レベル調整値を画像の読み取りに先立って導出する導出手段として機能するCPU70と、画像読取部14による1枚分の原稿Pの表面に記録されている画像の読み取りが終了してから裏面画像読取部28によって読み取られた画像を示す画像情報の外部インタフェース80への出力終了前までの間に、次に画像読取部14によって読み取られる画像を調整する際に用いられる黒レベル調整値及び白レベル調整値の導出が開始されるように制御を行うCPU70と、を含んで構成されているので、搬送路24に沿って搬送されている複数の原稿Pの両面に記録されている画像を1枚毎に読み取り、読み取った画像を示す画像情報を原稿Pの各面毎に交互に出力すると共に、原稿Pの搬送間隔で画像情報の濃度範囲の最大値及び最小値を調整する際に用いられる調整値を導出する場合、本構成を有さない場合に比べ、原稿Pの搬送間隔が短くなる。
以上、本発明を上記実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の主旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えてもよく、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記実施形態は、特許請求の範囲に記載された発明を限定するものではなく、また、上記実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における状況に応じた組み合わせにより種々の発明が抽出される。上記実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出される。
例えば、上記実施形態では、裏面画像読取部28によって読み取られた画像を示す画像情報の外部インタフェース80への出力が開始されてから当該出力が終了する前までの間に、次に画像読取部14によって読み取られる画像を調整する際に用いられる黒レベル調整値及び白レベル調整値の導出が開始される場合の形態例を挙げて説明したが、これに限らず、画像読取部14による1枚分の原稿Pの表面に記録されている画像の読み取りが終了してから裏面画像読取部28によって読み取られた画像を示す画像情報の外部インタフェース80への出力が終了する前までの間に、次に画像読取部14によって読み取られる画像を調整する際に用いられる黒レベル調整値及び白レベル調整値の導出が開始されればよい。
また、上記実施形態では、黒レベル及び白レベルの調整を行うため、黒レベル調整値及び白レベル調整値を導出したが、これに限らず、黒レベルの調整のみを行う場合には黒レベル調整値のみを導出し、白レベルの調整のみを行う場合には白レベル調整値のみを導出すればよい。
また、上記実施形態では、画像情報の出力時に黒レベル及び白レベルの調整を行う場合の形態例を挙げて説明したが、これに限らず、例えば、画像情報と共に黒レベル調整値及び白レベル調整値を外部インタフェース80を介して外部機器に送信し、当該外部機器にて画像情報に対して黒レベル調整値を用いた黒レベル調整、及び白レベル調整値を用いた白レベル調整を行うようにしてもよい。このように、黒レベル調整値を用いた黒レベル調整、及び白レベル調整値を用いた白レベル調整を行うタイミングは、画像読取装置10や外部機器の仕様や用途などに応じて変更してよい。
その他、上記実施形態で説明した画像読取装置10の構成(図1及び図2参照。)の構成は一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよいことは言うまでもない。
また、上記実施形態で説明した原稿両面読取処理プログラムの処理の流れ(図5参照。)も一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。