JP2010226463A - マルチアンテナ受信機及びマルチアンテナ受信機を用いた受信方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のマルチアンテナ受信機は、出力電力最小基準アルゴリズムにより、複数のアンテナにより受信した受信信号に含まれる干渉波を抑圧するアンテナの第1の重み係数を算出し、シンボル同期を取得し、シンボル同期が取得されると第1の重み係数を1とする出力電力最小化部と、アンテナ毎に受信された受信信号に対し、シンボル同期によりシンボル単位にてフーリエ変換を行い、シンボルデータとして出力するフーリエ変換部と、フーリエ変換されたサブキャリア毎のシンボルデータに乗算する第2の重み係数を算出し、当該第2の重み係数に基づいて、サブキャリア毎に重み付け合成を行う重み付け合成部と、重み付け合成後の信号を復調する復調部とを有する。
【選択図】図1
Description
しかしながら、周波数軸上にて隣接して存在するチャネルからの大電力のスプリアス干渉波(D/U=−20dB程度であり、不要波などの不必要な成分により生じる干渉波であり、以下、大電力干渉波とする)が存在する場合、上述したシンボル同期タイミングを検出することができず、参照信号を利用したMMSE(Minimum Mean Square Error)などによる干渉除去ができない。
しかしながら、熱雑音の影響や信号レベルの落ち込み、希望波(所望波)と干渉波の到来方向が近い場合に、干渉波の到来方向にヌルを向けた影響により、希望波を抑圧することになる。
この結果、出力電力最小化法により、干渉波に対するD/Uの数値が改善したとしても、SINR(Signal to Interference and Noise Ratio;信号対干渉プラス雑音電力比)が小さくなってしまう場合があり、このときの各アンテナに乗じられる重み係数はSINRを最大にするという観点からは最適な重みではないという欠点がある。
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、この発明の一実施形態によるマルチアンテナ受信機の構成例を示す概略ブロック図である。本実施形態のマルチアンテナ受信機は、アンテナ1−1〜1−n、第1の重み係数乗算器2−1〜2−n、GI除去部3−1〜3−n、FFT部4−1〜4−n、MMSE部5−1〜5−m、復調部6−1〜6−m、PS変換部7及び出力電力最小化部8を有している。
ここで、上記出力電力最小化基準は、ブラインドで行われる(参照信号を必要としない)ものである。出力電力最小化部8は、この出力電力最小化基準を用いて、所定の評価関数を最小にする解が0にならないように、アンテナ素子の1つの重みを1にしている。また、本実施形態における説明において、総入射信号数と受信するアンテナ素子の数は等しく、所望波は1波であり、干渉波電力が所望波電力より十分大きい(干渉波電力≫所望波電力)と仮定している。
このため、評価関数の解を0以外に設定して、希望波の出力を得るための拘束条件のもとで、各アンテナの出力に重み付け合成し、この合成された出力の電力が最小になるように、重み付け合成に用いる第1の重み係数を設定する。そして、出力電力最小化部8がこの第1の重み付け係数を用いて、各アンテナから出力される受信信号の重み付け合成を行い、この重み付け合成後の出力電力の最小化を行なうことにより、希望波の出力電力を確保するとともに、不要な干渉波の出力電力を低減させることができ、不要波である干渉波の除去を行うことができる。
GI除去部3−1〜3−nの各々は、アンテナ1−1、1−2、…、1−nのそれぞれに設けられ、シンボルに設けられたガードインターバルを除去する。
ガードインターバルが除去された信号は、次段のFFT部4−1〜4−nそれぞれに出力される。
また、MMSE部5−1〜5−mの各々は、FFT部4−1〜4−nから入力されるシンボルデータに上記第2の重み係数を乗算し、同様の周波数帯域のサブキャリア単位にてデータの合成を行う。このウェイト生成アルゴリズムは、例えばRLS(Recursive Least Squares)アルゴリズム等である。
復調部6−1〜6−mの各々は、それぞれ対応するMMSE部から入力される、同様の周波数帯域のサブキャリアのデータが合成されたシンボルデータの復調を行う。
PS変換部7は、復調部6−1〜6−mで復調されたデータを、並列から直列に変換して出力する。
出力電力最小化部8は、受信したOFDM信号(図3に示す構成)のプリアンブル領域(予め設定されているパイロットシンボル、トレーニング用のパイロットシンボルと同様でも異なっていても良い)にて、アンテナ1−1〜1−nから出力された受信信号に対し、第1の重み付け係数を用いて重み付け合成した後の出力電力が最小となるように、出力電力最小化基準に基づいて、第1の重み係数を算出する(ステップS1)。
そして、第1の重み係数乗算器2−1〜2−nの各々は、入力される第1の重み係数を、対応するアンテナから出力された受信信号である複素信号に乗算する。
出力電力最小化部8は、各アンテナから入力される受信信号の重み付け合成された信号が最小になるように第1の重み係数を算出し、この重み付け合成された信号を図示しないシンボル同期制御部に通知する。
この制御信号が入力されると、出力電力最小化部8は、アンテナ1−1〜1−nのそれぞれに対して出力している第1の重み係数を1に変更する(ステップS3)。
これにより、アンテナ1−1〜1−nのそれぞれから出力される受信信号がそのままの電力にてGI除去部3−1〜GI除去部3−nに対して入力されることになる。
このとき、すでにシンボル同期は取得されているため、干渉波の電力が大きくとも、後の処理はこの取得されたシンボル同期のタイミングにて行われることになる。
シンボルが入力されると、FFT部4−1〜4−nの各々は、入力されるシンボルのフーリエ変換を行い、対応するMMSE部5−1〜5−mのそれぞれに対し、フーリエ変換後のシンボルデータを出力する(ステップS4)。
例えば、FFT部4−1は、シンボルのフーリエ変換を行い、周波数帯域f1〜fmの各々を、すなわち周波数帯域f1をMMSE部5−1、…、周波数帯域fmをMMSE部5−mへ出力する。他のFFT部4−2〜4−nも同様の処理を行う。
例えば、MMSE部5−1は、周波数帯域f1のサブキャリアのパイロット(パケットに付加された)のシンボルと、参照信号として予め設定されているシンボルとを比較し、差分が最も小さくなる第2の重み係数を最小平均2乗誤差法(すなわち、MMSE)などにより、FFT部4−1〜4−nのそれぞれから入力されるシンボルデータ毎に求める。他のMMSE部5−2〜5−nも、MMSE部5−1と同様に、自身に入力されるサブキャリアのシンボルに乗算する第2の重み係数を、FFT部4−1〜4−nのそれぞれからの入力されるシンボルデータに対応して求める。
復調されたデータが入力されると、PS変換部7は、例えば、復調部6−1〜6−mの順番に直列に並べ直して、次段の信号処理の回路へ出力する。
そして、図示しない制御部がシンボル同期をパケットのプリアンブルの領域において取得し、シンボル同期が取得された後、出力電力最小化部8に対し、第1の重み係数を1とする様に制御信号を出力する。
これにより、出力電力最小化部8は、第1の重み係数乗算器2−1〜2−nの全てに対して、第1の重み係数を1として出力する。
FFT部4−1〜4−nの各々は、対応するGI除去部3−1〜3−nから入力されたシンボルのフーリエ変換を行い、変換結果のシンボルデータをMMSE5へ出力する。
そして、MMSE5は、すでに述べたMMSEにより、FFT部4−1〜4−n各々から入力されるシンボルデータに、第2の重み係数を乗算して、これらを合成してシンボルデータとして出力する。
上述した処理により、本願発明は、シングルキャリアのTDMAに対しても、OFDMと同様の効果を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態によるマルチアンテナ受信機は第1の実施形態の図1の構成と同様である。
以下、第1の実施形態と異なる動作について説明する。
第2の実施形態においては、MMSEにおいて第2の重み係数を算出する際、第1の重み係数を初期値として算出することを特徴としている。
この第2の実施形態の場合も、第1の実施形態と同様に、シンボル同期が取得された後、第1の重み係数を1とし、このシンボル同期によりパケットのパイロットによりMMSEを行い、第2の重み係数を算出するアルゴリズムが用いられる。
例えば、FFT部4−1から、MMSE部5−1〜5−mのそれぞれに入力されるシンボルに対して乗算される第2の重み係数の初期値を、アンテナ2−1から出力される受信信号の重み付けに用いる第1の重み係数とする。これにより、MMSE部5−1は、周波数帯域f1のサブキャリアにおけるMMSEを行う際、FFT4−1〜FFT4−nの出力するサブキャリア毎のシンボル各々に対して乗算する第2の重み係数として、それぞれ対応するアンテナ1−1〜1−nの第1の重み係数を初期値とし、MMSE等により最適な第2の重み係数を算出する。
一方、MMSE部5−1〜5−mは、SINRを最大とする第2の重み係数を算出する。このため、第2の重み係数は、干渉波の到来方向にヌルを向けつつ、所望波を合成する指向性として生成される。
したがって、第1の重み係数を、SINRを最適化する際の第2の重み係数の初期値として用いることにより、干渉波の方向にヌルが向いた指向性パターンから、MMSEによる最適値を求める場合、干渉波の方向にヌルを向けるまでの演算処理を省略することができ、SINRを最大化するのに最適な第2の重み係数を算出する時間を短縮することができ、MMSEの収束に必要なパイロットシンボル数を削減することができる。
すなわち、各FFT部が出力する全サブキャリアのシンボルデータの全てに対して乗算する第2の重み係数の初期値として、対応するアンテナの第1の重み係数が一様に設定されることになる。
このとき、中心周波数に対する帯域幅の割合が小さければ、信号帯域両端のサブキャリアにおける位相回転量の差が小さいので、時間領域において計算した第1の重み係数を、周波数領域で用いる第2の重み係数として一括して用いても影響がない。
MMSE部5−1〜5−mが第2の重み係数を算出する際、途中(干渉波にヌルを向ける処理)までの計算を省略することができるため、収束するまでに時間がかかるLMS(Least Mean Square)に対して特に有効となる。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
2−1、2−2、2−n…第1の重み係数乗算器
3−1、3−2、3−n…GI除去部
4−1、4−2、4−n…FFT部
5−1、5−m…MMSE部
6−1、6−m…復調部
7…PS変換部
8…出力電力最小化部
Claims (4)
- 出力電力最小基準アルゴリズムにより、複数のアンテナにより受信した受信信号に含まれる干渉波を抑圧する前記アンテナの第1の重み係数を算出し、シンボル同期を取得し、シンボル同期が取得されると前記第1の重み係数を1とする出力電力最小化部と、
前記アンテナ毎に受信された前記受信信号に対し、前記シンボル同期によりシンボル単位にてフーリエ変換を行い、シンボルデータとして出力するフーリエ変換部と、
フーリエ変換されたサブキャリア毎のシンボルデータに乗算する第2の重み係数を算出し、当該第2の重み係数に基づいて、サブキャリア毎に重み付け合成を行う重み付け合成部と、
重み付け合成後の信号を復調する復調部と
を有するマルチアンテナ受信機。 - 前記重み付け合成部が、前記第2の重み係数の算出を行う際、前記第1の重み係数を初期値として算出処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のマルチアンテナ受信機。
- 前記受信信号がOFDM信号またはTDMA信号であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマルチアンテナ受信機。
- 出力電力最小化部が出力電力最小基準アルゴリズムにより、複数のアンテナにより受信した受信信号に含まれる干渉波を抑圧する前記アンテナの第1の重み係数を算出し、シンボル同期を取得し、シンボル同期が取得されると前記第1の重み係数を1とする出力電力最小化過程と、
フーリエ変換部が、前記アンテナ毎に受信された前記受信信号に対し、前記シンボル同期によりシンボル単位にてフーリエ変換を行い、シンボルデータとして出力するフーリエ変換過程と、
重み付け合成部が、フーリエ変換されたサブキャリア毎のシンボルデータに乗算する第2の重み係数を算出し、当該第2の重み係数に基づいて、サブキャリア毎に重み付け合成する重み付け合成過程と、
復調部が重み付け合成後の信号を復調する復調過程と
を有するマルチアンテナ受信機を用いた受信方法。
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