本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1によるアダプティブアレーアンテナ受信装置の構成を示す概略ブロック図である。この発明の実施の形態1によるアダプティブアレーアンテナ受信装置100は、アレーアンテナ10と、バッファ20と、乗算器31〜3M(Mは2以上の整数)と、加算器40と、テイル検出器50と、ヘッド検出器60と、ウェイト制御器70と、GI(Guard Interval)除去器80と、FFT90と、チャネル推定器110と、復調器120とを備える。
アレーアンテナ10は、M個のアンテナ素子1〜Mからなる。そして、アレーアンテナ10は、到来する電波をアンテナ素子1〜Mによって受信し、M個の受信信号RS_1〜RS_Mをバッファ20へ出力する。
バッファ20は、アレーアンテナ10からのM個の受信信号RS_1〜RS_Mを、一定時間、保持するとともに、その保持したM個の受信信号RS_1〜RS_Mをテイル検出器50へ出力し、その保持したM個の受信信号RS_1〜RS_MをそれぞれM個の乗算器31〜3Mへ出力する。
乗算器31〜3Mは、バッファ20からM個の受信信号RS_1〜RS_Mを受け、ウェイト制御器70からM個のウェイトw1(i)〜wM(i)を受ける。なお、iは、i=0,1,2,3,・・・からなり、M個のウェイトw1(i)〜wM(i)を後述する方法によって好適化する好適化処理の回数を表す。そして、乗算器31〜3Mは、それぞれ、受信信号RS_1〜RS_Mとウェイトw1(i)〜wM(i)とをそれぞれ乗算し、その乗算結果RS_1*w1(i)〜RS_M*wM(i)を加算器40へ出力する。
加算器40は、乗算器31〜3MからM個の乗算結果RS_1*w1(i)〜RS_M*wM(i)を受け、その受けたM個の乗算結果RS_1*w1(i)〜RS_M*wM(i)を加算して合成出力信号RSを生成する。そして、加算器40は、その生成した合成出力信号RSをヘッド検出器60およびGI除去器80へ出力する。
テイル検出器50は、バッファ20からM個の受信信号RS_1〜RS_Mを受け、その受けたM個の受信信号RS_1〜RS_MからM個のテイル信号RSt_1〜RSt_Mを検出し、その検出したM個のテイル信号RSt_1〜RSt_Mをウェイト制御器70へ出力する。
ヘッド検出器60は、加算器40から合成出力信号RSを受け、その受けた合成出力信号RSからヘッド信号RSh(i)を検出する。そして、ヘッド検出器60は、その検出したヘッド信号RSh(i)をウェイト制御器70へ出力する。
ウェイト制御器70は、テイル検出器50からM個のテイル信号RSt_1〜RSt_Mを受け、ヘッド検出器60からヘッド信号RSh(i)を受ける。そして、ウェイト制御器70は、M個のテイル信号RSt_1〜RSt_MとM個のウェイトw1(i)〜wM(i)との重み付き合成結果とヘッド信号RSh(i)との二乗誤差が最小になるようにM個のウェイトw1(i)〜wM(i)を調整し、その調整したM個のウェイトw1(i+1)〜wM(i+1)をそれぞれ乗算器31〜3Mへ出力する。
その後、ウェイト制御器70は、M個のウェイトw1(i+1)〜wM(i+1)を用いて合成された合成出力信号RSから検出されたヘッド信号RSh(i+1)を受け、その受けたヘッド信号RSh(i+1)と合成テイル信号RStとの二乗誤差が最小となるようにM個のウェイトw1(i+1)〜wM(i+1)を調整し、その調整したM個のウェイトw1(i+1)〜wM(i+1)をそれぞれ乗算器31〜3Mへ出力する。
ウェイト制御器70は、調整したM個のウェイトw1(i)〜wM(i)を反映した合成出力信号RSから検出されたヘッド信号RSh(i)を用いてM個のウェイトw1(i)〜wM(i)の調整を基準回数(例えば、5〜6回)だけ繰り返す。これにより、M個のウェイトw1(i)〜wM(i)は、最適化する。
GI除去器80は、加算器40から合成出力信号RSを受け、その受けた合成出力信号RSからガードインターバルを除去し、ガードインターバルが除去された合成出力信号RSをFFT90へ出力する。FFT90は、GI除去器80から受けた合成出力信号RSに対して高速フーリエ変換を施し、高速フーリエ変換後の合成出力信号RSをチャネル推定器110および復調器120へ出力する。
チャネル推定器110は、FFT90から受けた合成出力信号RSに基づいて、各パイロットサブキャリア(PSC:Pilot Sub−Carrier)ごとに伝搬路変動を推定するとともに、その推定した伝搬路変動に基づいて、パイロットサブキャリア間に存在する複数のサブキャリアを一次補間する。そして、チャネル推定器110は、推定した伝搬路変動と、一次補間の結果とを復調器120へ出力する。
復調器120は、FFT90から受けた合成出力信号RSと、チャネル推定器110から受けた伝搬路変動および一次補間の結果に基づいて、合成出力信号RSを復調し、復調信号を出力する。
図2は、図1に示すアダプティブアレーアンテナ受信装置100が受信の対象とするデータの単位を示すタイムスロットの構成図である。タイムスロットTSLは、プリアンブルPREと、ペイロードPLDとを含む。
プリアンブルPREは、タイムスロットTSLの先頭に設けられている。そして、プリアンブルPREは、同じ信号が2回以上連続して書き込まれており、アレーアンテナ10における利得等の受信特性を調整するために用いられる。
ペイロードPLDは、n(nは2以上の整数)個のシンボルSYM1〜SYMnからなる。n個のシンボルSYM1〜SYMnの各々は、GIと、データとを含む。GIは、各シンボルSYM1〜SYMnの先頭に設けられる。
図3は、図2に示す1つのシンボルを示す概念図である。GIは、データの後尾のテイル(Tail)をコピーした波形からなる。1つのシンボルは、シンボル長SYMLを有し、データは、有効シンボル長SYMELを有する。このように、1つのシンボルは、データの後尾のテイル(Tail)と同じ波形からなるGIを先頭に含む。
上述したように、データは、n個のシンボルSYM1〜SYMnに格納されてタイムスロットTSLを単位として送受信される。従って、アダプティブアレーアンテナ受信装置100は、各々がデータを含むn個のシンボルSYM1〜SYMnを有するタイムスロットTSLを受信の対象とする。
図4は、M個のウェイトw1(i)〜wM(i)の最適化方法を説明するための図である。アレーアンテナ10は、アンテナ素子1〜Mによって1つのタイムスロットTSLを受信し、n個のシンボルSYM1〜SYMnに対する受信信号RS_1(1)〜RS_M(1),RS_1(2)〜RS_M(2),・・・,RS_1(n)〜RS_M(n)をバッファ20へ順次出力する。この場合、受信信号RS_1(1)〜RS_M(1),RS_1(2)〜RS_M(2),・・・,RS_1(n)〜RS_M(n)は、それぞれ、シンボルSYM1〜SYMnの受信信号である。
バッファ20は、受信信号RS_1(1)〜RS_M(1),RS_1(2)〜RS_M(2),・・・,RS_1(n)〜RS_M(n)をアレーアンテナ10から順次受け、アレーアンテナ10から最初に受けた受信信号RS_1(1)〜RS_M(1)を乗算器31〜3Mおよびテイル検出器50へ出力する。そして、バッファ20は、M個のウェイトw1(i)〜wM(i)がウェイト制御器70によって最適化される一定時間Tconstだけ受信信号RS_1(1)〜RS_M(1),RS_1(2)〜RS_M(2),・・・,RS_1(n)〜RS_M(n)を保持し、一定時間Tconstが経過すると、受信信号RS_1(1)〜RS_M(1),RS_1(2)〜RS_M(2),・・・,RS_1(n)〜RS_M(n)を乗算器31〜3Mへ順次出力する。
乗算器31〜3Mは、M個のウェイトの初期値w1(0)〜wM(0)をウェイト制御器70から受け、バッファ20から受信信号RS_1(1)〜RS_M(1)をそれぞれ受ける。そして、乗算器31〜3Mは、受信信号RS_1(1)〜RS_M(1)にそれぞれM個のウェイトの初期値w1(0)〜wM(0)を乗算し、その乗算結果RS_1(1)*w1(0)〜RS_M(1)*wM(0)を加算器40へ出力する。
加算器40は、乗算器31〜3Mからそれぞれ乗算結果RS_1(1)*w1(0)〜RS_M(1)*wM(0)を受け、その受けた乗算結果RS_1(1)*w1(0)〜RS_M(1)*wM(0)を加算して合成出力信号RS(0)を生成する。そして、加算器40は、合成出力信号RS(0)をヘッド検出器60へ出力する。
テイル検出器50は、バッファ20から受信信号RS_1(1)〜RS_M(1)を受け、その受けた受信信号RS_1(1)〜RS_M(1)からそれぞれテイル信号RSt_1(1)〜RSt_M(1)を検出する。そして、テイル検出器50は、その検出したテイル信号RSt_1(1)〜RSt_M(1)をウェイト制御器70へ出力する。また、ヘッド検出器60は、合成出力信号RS(0)からヘッド信号RSh(0)を検出し、その検出したヘッド信号RSh(0)をウェイト制御器70へ出力する。
ウェイト制御器70は、テイル検出器50からテイル信号RSt_1(1)〜RSt_M(1)を受け、ヘッド検出器60からヘッド信号RSh(0)を受ける。そして、ウェイト制御器70は、テイル信号RSt_1(1)〜RSt_M(1)を合成して合成テイル信号RStを生成する。これによって、図4に示すシンボルSYM1からヘッド信号RShおよび合成テイル信号RStが抽出される。なお、合成テイル信号RStは、M個のテイル信号RSt_1〜RSt_MとM個のウェイトw1(i)〜wM(i)との重み付け合成により生成される。
そうすると、ウェイト制御器70は、抽出したヘッド信号RSh(0)および合成テイル信号RStに基づいて、ヘッド信号RSh(0)と合成テイル信号RStとの二乗誤差が最小になるようにM個のウェイトw1(1)〜wM(1)を演算し、その演算したM個のウェイトw1(1)〜wM(1)をそれぞれ乗算器31〜3Mへ出力する。
そして、乗算器31〜3Mは、ウェイト制御器70からM個のウェイトw1(1)〜wM(1)を受けると、受信信号RS_1(1)〜RS_M(1)にそれぞれM個のウェイトw1(1)〜wM(1)を乗算し、その乗算結果RS_1(1)*w1(1)〜RS_M(1)*wM(1)を加算器40へ出力する。
加算器40は、乗算器31〜3Mからそれぞれ乗算結果RS_1(1)*w1(1)〜RS_M(1)*wM(1)を受け、その受けた乗算結果RS_1(1)*w1(1)〜RS_M(1)*wM(1)を加算して合成出力信号RS(1)を生成する。そして、加算器40は、合成出力信号RS(1)をヘッド検出器60へ出力する。ヘッド検出器60は、合成出力信号RS(1)からヘッド信号RSh(1)を検出し、その検出したヘッド信号RSh(1)をウェイト制御器70へ出力する。
ウェイト制御器70は、ヘッド検出器60からヘッド信号RSh(1)を受けると、ヘッド信号RSh(1)と合成テイル信号RStとの二乗誤差が最小になるようにM個のウェイトw1(2)〜wM(2)を演算し、その演算したM個のウェイトw1(2)〜wM(2)をそれぞれ乗算器31〜3Mへ出力する。
以後、ウェイト制御器70は、ヘッド信号RSh(i)と合成テイル信号RStとの二乗誤差が最小になるようにM個のウェイトw1(i)〜wM(i)を演算する好適化処理を基準回数i_std(例えば、5〜6回)だけ繰り返す。そして、ウェイト制御器70は、M個のウェイトw1(i)〜wM(i)の好適化処理の回数が基準回数t_stdに達すると、M個のウェイトw1(i)〜wM(i)が最適化されたと判定し、M個のウェイトw1(i_std)〜wM(i_std)をそれぞれ乗算器31〜3Mへ出力する。ウェイト制御器70は、このM個のウェイトw1(i)〜wM(i)の好適化処理を一定時間Tconstのうちに基準回数i_stdだけ繰り返し行ない、最適化したM個のウェイトw1(i_std)〜wM(i_std)をそれぞれ乗算器31〜3Mへ出力する。
即ち、ウェイト制御器70は、バッファ20が受信信号RS_1(1)〜RS_M(1),RS_1(2)〜RS_M(2),・・・,RS_1(n)〜RS_M(n)を保持している一定時間Tconstの間に、M個のウェイトw1(i_std)〜wM(i_std)を生成し、バッファ20が受信信号RS_1(1)〜RS_M(1),RS_1(2)〜RS_M(2),・・・,RS_1(n)〜RS_M(n)をそれぞれ乗算器31〜3Mへ出力する時点では、M個のウェイトw1(i_std)〜wM(i_std)の乗算器31〜3Mへの出力を完了している。
そうすると、乗算器31〜3Mは、受信信号RS_1(1)〜RS_M(1)にそれぞれM個のウェイトw1(i_std)〜wM(i_std)を乗算し、その乗算結果RS_1(1)*w1(i_std)〜RS_M(1)*wM(i_std)を加算器40へ出力する。その後、乗算器31〜3Mは、受信信号RS_1(2)〜RS_M(2),・・・,RS_1(n)〜RS_M(n)にそれぞれM個のウェイトw1(i_std)〜wM(i_std)を順次乗算し、その乗算結果RS_1(2)*w1(i_std)〜RS_M(2)*wM(i_std),RS_1(3)*w1(i_std)〜RS_M(3)*wM(i_std),・・・,RS_1(n)*w1(i_std)〜RS_M(n)*wM(i_std)を加算器40へ順次出力する。
加算器40は、乗算器31〜3Mから乗算結果RS_1(1)*w1(i_std)〜RS_M(1)*wM(i_std),RS_1(2)*w1(i_std)〜RS_M(2)*wM(i_std),RS_1(3)*w1(i_std)〜RS_M(3)*wM(i_std),・・・,RS_1(n)*w1(i_std)〜RS_M(n)*wM(i_std)を順次受ける。そして、加算器40は、乗算結果RS_1(1)*w1(i_std)〜RS_M(1)*wM(i_std)を加算してシンボルSYM1の受信信号である合成出力信号RS1をGI除去器80へ出力し、その後、乗算結果RS_1(2)*w1(i_std)〜RS_M(2)*wM(i_std)を加算してシンボルSYM2の受信信号である合成出力信号RS2をGI除去器80へ出力し、以下、同様にして乗算結果RS_1(n)*w1(i_std)〜RS_M(n)*wM(i_std)を加算してシンボルSYMnの受信信号である合成出力信号RSnをGI除去器80へ出力する。
このように、この発明においては、受信信号RS_1(1)〜RS_M(1),RS_1(2)〜RS_M(2),・・・,RS_1(n)〜RS_M(n)の受信処理が開始されるまでに、n個のシンボルSYM1〜SYMnのうちの最初のシンボルSYM1に含まれるヘッド信号RShおよびM個のテイル信号RSt_1〜RSt_Mが検出され、その検出されたM個のテイル信号RSt_1〜RSt_MとM個のウェイトw1(i)〜wM(i)との重み付け合成結果と、ヘッド信号RShとの二乗誤差が最小になるようにM個のウェイトw1(i)〜wM(i)が最適化される。そして、最適化されたM個のウェイトw1(i)〜wM(i)を用いて受信信号RS_1(1)〜RS_M(1),RS_1(2)〜RS_M(2),・・・,RS_1(n)〜RS_M(n)の受信処理が行なわれる。
従って、この発明によれば、受信処理が開始されるまでにM個のウェイトw1(i)〜wM(i)の最適化を完了して受信信号RS_1(1)〜RS_M(1),RS_1(2)〜RS_M(2),・・・,RS_1(n)〜RS_M(n)の受信処理を行なうことができる。
図5は、パイロットサブキャリアのタイミングチャートである。OFDM伝送方式においては、相互に異なる周波数を有する複数のサブキャリアが存在する。以下、無線LANの一方式であるIEEE802.11a方式におけるサブキャリア配置を例に説明する。
IEEE802.11a方式においては、52個のサブキャリアが設けられている。52個のサブキャリアのうち、14個のサブキャリアごとに1個のパイロットサブキャリアPSCが存在する。その結果、4個のパイロットサブキャリアPSC0〜PSC3が存在する。
52個のサブキャリアの周波数をf0を除くf−26〜f26とすると、パイロットサブキャリアPSC0〜PSC3は、それぞれ、周波数f−21,f−7,f7,f21を有し、サブキャリアSC0〜SC4,SC6〜SC18,SC20〜SC25,SC27〜SC32,SC34〜SC46,SC48〜SC52は、それぞれ、周波数f−26〜f−22,f−20〜f−8,f−6〜f−1,f1〜f6,f8〜f20,f22〜f26を有する。
パイロットサブキャリアPSC0〜PSC3の各々は、振幅が一定の信号であり、時間方向に複数のシンボルを含む。また、4個のパイロットサブキャリアPSC0〜PSC3は、既知の位相を有する。そして、図1に示すチャネル推定器110は、4個のパイロットサブキャリアPSC0〜PSC3の複素振幅、即ち、振幅および位相を予め知っている。
図1に示すチャネル推定器110は、FFT90から受けた受信信号に基づいて、4個のパイロットサブキャリアPSC0〜PSC3を検出し、その検出した4個のパイロットサブキャリアPSC0〜PSC3の複素振幅と予め知っている複素振幅とを用いて各々のサブキャリアにおける伝搬路変動HPSC0〜HPSC3を推定する。そして、チャネル推定器110は、推定した伝搬路変動HPSC0〜HPSC3に基づいて、サブキャリアSC0〜SC4,SC6〜SC18,SC20〜SC25,SC27〜SC32,SC34〜SC46,SC48〜SC52における伝搬路変動の推定結果HSC0〜HSC4,HSC6〜HSC18,HSC20〜HSC25,HSC27〜HSC32,HSC34〜HSC46,HSC48〜HSC52を2つのパイロットサブキャリア間で一次の線形に並ぶように一時補間する。
より具体的には、チャネル推定器110は、サブキャリアSC0〜SC4の伝搬路変動の推定結果HSC0〜HSC4がパイロットサブキャリアPSC0の伝送路変動の推定結果HPSC0の位相と一次の線形に並ぶように一次補間を行ない、サブキャリアSC6〜SC18の伝搬路変動の推定結果HSC6〜HSC18がパイロットサブキャリアPSC0の伝搬路変動の推定結果HPSC0とパイロットサブキャリアPSC1の伝搬路変動の推定結果HPSC1との間で一次の線形に並ぶように一次補間する。チャネル推定器110は、サブキャリアSC20〜SC25,SC27〜SC32,SC34〜SC46,SC48〜SC52の伝搬路変動の推定結果HSC20〜HSC25,HSC27〜HSC32,HSC34〜HSC46,HSC48〜HSC52についても、同様に一次補間を行なう。
そして、チャネル推定器110は、パイロットサブキャリアPSC0〜PSC3の伝搬路変動の推定結果HPSC0〜HPSC3と、一次補間したサブキャリアSC0〜SC4,SC6〜SC18,SC20〜SC25,SC27〜SC32,SC34〜SC46,SC48〜SC52における伝搬路変動の推定結果HSC0〜HSC4,HSC6〜HSC18,HSC20〜HSC25,HSC27〜HSC32,HSC34〜HSC46,HSC48〜HSC52とを復調器120へ出力する。
図6は、図1に示すアダプティブアレーアンテナ受信装置100における受信信号の受信処理を説明するためのフローチャートである。一連の動作が開始されると、アレーアンテナ10は、M個のアンテナ素子1〜Mによって、複数のデータ区間(シンボルSYM1〜SYMn)を含む送信信号を受信し(ステップS1)、その受信した複数のデータ区間に対する受信信号RS_1(1)〜RS_M(1),RS_1(2)〜RS_M(2),・・・,RS_1(n)〜RS_M(n)をバッファ20へ順次出力する。
そして、バッファ20は、受信信号RS_1(1)〜RS_M(1),RS_1(2)〜RS_M(2),・・・,RS_1(n)〜RS_M(n)のうち、最初のデータ区間の受信信号RS_1(1)〜RS_M(1)をそれぞれ乗算器31〜3Mへ出力するとともに、テイル検出器50へ出力する。
その後、乗算器31〜3Mは、ウェイト制御器70から受けたM個のウェイトの初期値w1(0)〜wM(0)と受信信号RS_1(1)〜RS_M(1)とをそれぞれ乗算し、その乗算結果RS_1(1)*w1(0)〜RS_M(1)*wM(0)を加算器40へ出力する。加算器40は、乗算結果RS_1(1)*w1(0)〜RS_M(1)*wM(0)を加算して合成出力信号RS(0)を生成してヘッド検出器60へ出力し、ヘッド検出器60は、合成出力信号RS(0)からヘッド信号RSh(0)を検出してウェイト制御器70へ出力する。
また、テイル検出器50は、受信信号RS_1(1)〜RS_M(1)に基づいて、テイル信号RSt_1(1)〜RSt_M(1)を検出してウェイト制御器70へ出力する。これによって、複数のデータ区間のうちの最初のデータ区間の受信信号RS_1(1)〜RS_M(1)に基づいて、ヘッド信号RSh(0)およびM個のテイル信号RSt_1〜RSt_Mが検出される(ステップS2)。
その後、ウェイト制御器70は、i=1を設定し(ステップS3)、M個のテイル信号RSt_1(1)〜RSt_M(1)とM個のウェイトw1(0)〜wM(0)との重み付け合成結果を演算する。そして、ウェイト制御器70は、その演算した重み付け演算結果と、ヘッド信号RSh(i−1)(=RSh(0))との二乗誤差が最小になるように複数のウェイトw1(i)〜wM(i)を演算し(ステップS4)、その演算した複数のウェイトw1(i)〜wM(i)をそれぞれ乗算器31〜3Mへ出力する。
乗算器31〜3Mは、ウェイト制御器70から受けたM個のウェイトw1(i)〜wM(i)と受信信号RS_1(1)〜RS_M(1)とをそれぞれ乗算し、その乗算結果RS_1(1)*w1(i)〜RS_M(1)*wM(i)を加算器40へ出力する。加算器40は、乗算結果RS_1(1)*w1(i)〜RS_M(1)*wM(i)を加算して合成出力信号RS(i)を生成してヘッド検出器60へ出力し、ヘッド検出器60は、合成出力信号RS(i)からヘッド信号RSh(i)を検出してウェイト制御器70へ出力する。
これによって、複数のウェイトw1(i)〜wM(i)と受信信号RS_1(1)〜RS_M(1)とを用いて合成出力信号RS(i)が生成され、その生成された合成出力信号RS(i)からヘッド信号RSh(i)が検出される(ステップS5)。
その後、ウェイト制御器70は、i=i_stdであるか否かを判定し(ステップS6)、i=i_stdでないとき、i=i+1を設定する(ステップS7)。
そして、一連の動作は、ステップS4へ戻り、ステップS6においてi=i_stdであると判定されるまで、上述したステップS4〜ステップS7が繰り返し実行される。その後、ステップS6において、i=i_stdであると判定されると、ウェイト制御器70は、複数のウェイトw1(i)〜wM(i)が最適化されたと判定し(ステップS8)、M個のウェイトw1(i_std)〜wM(i_std)をそれぞれ乗算器31〜3Mへ出力する。
ウェイト制御器70が複数のウェイトw1(i)〜wM(i)が最適化されたと判定した後に、バッファ20は、一定時間Tconstが経過したことを検知し、受信信号RS_1(1)〜RS_M(1),RS_1(2)〜RS_M(2),・・・,RS_1(n)〜RS_M(n)をそれぞれ乗算器31〜3Mへ順次出力する。
そして、乗算器31〜3Mは、それぞれ、受信信号RS_1(1)〜RS_M(1),RS_1(2)〜RS_M(2),・・・,RS_1(n)〜RS_M(n)とM個のウェイトw1(i_std)〜wM(i_std)とを乗算し、その乗算結果RS_1(1)*w1(i_std)〜RS_M(1)*wM(i_std),RS_1(2)*w1(i_std)〜RS_M(2)*wM(i_std),・・・,RS_1(n)*w1(i_std)〜RS_M(n)*wM(i_std)を加算器40へ順次出力する。
加算器40は、乗算結果RS_1(1)*w1(i_std)〜RS_M(1)*wM(i_std),RS_1(2)*w1(i_std)〜RS_M(2)*wM(i_std),・・・,RS_1(n)*w1(i_std)〜RS_M(n)*wM(i_std)を順次受け、その受けた乗算結果RS_1(1)*w1(i_std)〜RS_M(1)*wM(i_std),RS_1(2)*w1(i_std)〜RS_M(2)*wM(i_std),・・・,RS_1(n)*w1(i_std)〜RS_M(n)*wM(i_std)を順次加算し、その合成出力信号RS1〜RSnをGI除去器80へ順次出力する。この場合、合成出力信号RS1は、乗算結果RS_1(1)*w1(i_std)〜RS_M(1)*wM(i_std)の加算結果からなり、合成出力信号RS2は、乗算結果RS_1(2)*w1(i_std)〜RS_M(2)*wM(i_std)の加算結果からなり、以下、同様にして、合成出力信号RSnは、乗算結果RS_1(n)*w1(i_std)〜RS_M(n)*wM(i_std)の加算結果からなる。
GI除去器80は、合成出力信号RS1〜RSnを順次受け、その受けた合成出力信号RS1〜RSnからガードインターバル(GI)を順次除去する。そして、GI除去器80は、ガードインターバル(GI)を除去した合成出力信号RS1〜RSnをFFT90へ順次出力し、FFT90は、GI除去器80から受けた合成出力信号RS1〜RSnを、順次、高速フーリエ変換し、その高速フーリエ変換した合成出力信号RS1〜RSnをチャネル推定器110および復調器120へ出力する。
チャネル推定器110は、FFT90から受けた合成出力信号RS1〜RSnに基づいて、上述した方法によってチャネル推定(パイロットサブキャリアPSCにおける伝搬路変動の推定とサブキャリアSCの一次補間)を行ない、チャネル推定の結果を復調器120へ出力する。
復調器120は、FFT90から受けた合成出力信号RS1〜RSnと、チャネル推定器110から受けたチャネル推定の結果とに基づいて、合成出力信号RS1〜RSnを復調し、復調信号を出力する。これによって、最適化された複数のウェイトを用いて複数のデータ区間の受信信号の処理が終了する(ステップS9)。そして、一連の動作が終了する。
図6に示すフローチャートにおいては、ウェイト制御器70は、ウェイトw1(i)〜wM(i)の好適化処理の回数が基準回数i_stdに達したときにウェイトw1(i)〜wM(i)が最適化されたと判定すると説明したが、この発明においては、これに限らず、ウェイト制御器70は、ヘッド信号RSh(i)の電力PWh(i)と合成テイル信号RStの電力PWtとの誤差ΔPWがしきい値PWth以下のときにウェイトw1(i)〜wM(i)が最適化されたと判定するようにしてもよい。
図7は、図1に示すアダプティブアレーアンテナ受信装置100における受信信号の受信処理を説明するための他のフローチャートである。図7に示すフローチャートは、図6に示すフローチャートのステップS6をステップS5A〜ステップS5Dに代えたものであり、その他は、図6に示すフローチャートと同じである。
一連の動作が開始され、上述したステップS1〜ステップS5が順次実行されると、ウェイト制御器70は、合成テイル信号RStの電力PWtを検出し(ステップS5A)、ヘッド信号RSh(i)の電力PWh(i)を検出する(ステップS5B)。
そして、ウェイト制御器70は、電力PWh(i)と電力PWtとの誤差ΔPWを演算し(ステップS5C)、誤差ΔPWがしきい値PWth以下であるか否かを判定する(ステップS5D)。
ステップS5Dにおいて、誤差ΔPWがしきい値PWth以下でないと判定されたとき、上述したステップS7が実行され、一連の動作は、ステップS4へ戻る。そして、ステップS5Dにおいて、誤差ΔPWがしきい値PWth以下であると判定されるまで、上述したステップS4,S5,S5A〜S5D,S7が繰り返し実行される。
その後、ステップS5Dにおいて、誤差ΔPWがしきい値PWth以下であると判定されると、上述したステップS8,S9が順次実行され、一連の動作が終了する。
なお、上記においては、1つのシンボルSYM1に含まれるヘッド信号RShおよびM個のテイル信号RSt_1〜RSt_Mを検出し、M個のテイル信号RSt_1〜RSt_MとM個のウェイとw1〜wMとの重み付け合成結果と、ヘッド信号RShとの二乗誤差が最小になるように複数のウェイトw1〜wMの好適化処理を繰り返し行なうと説明したが、この発明においては、これに限らず、タイムスロットTSLのプリアンブルPRE(図2参照)に含まれる2つの信号を用いて複数のウェイトw1〜wMの好適化処理を繰り返し行なうようにしてもよい。
プリアンブルPREは、同一波形からなる2つの信号SG1,SG2を含む。バッファ20は、アレーアンテナ10からプリアンブルPREを受けると、信号SG1の受信信号SGR_1(1)〜SGR_M(1)と信号SG2の受信信号SGR_1(2)〜SGR_M(2)とのうち、受信信号SGR_1(1)〜SGR_M(1)をテイル検出器50へ出力し、受信信号SGR_1(2)〜SGR_M(2)をそれぞれ乗算器31〜3Mへ出力するとともに、受信信号SGR_1(1)〜SGR_M(1),SGR_1(2)〜SGR_M(2)を、一定時間Tconstだけ保持する。
そして、テイル検出器50は、バッファ20から受けた受信信号SGR_1(1)〜SGR_M(1)をそのままウェイト制御器70へ出力し、乗算器31〜3Mは、受信信号SGR_1(2)〜SGR_M(2)にそれぞれウェイトw1(0)〜wM(0)を乗算して乗算結果SGR_1(2)*w1(0)〜SGR_M(2)*wM(0)を加算器40へ出力する。加算器40は、乗算結果SGR_1(2)*w1(0)〜SGR_M(2)*wM(0)を加算して合成出力信号SG2を生成し、その生成した合成出力信号SG2をヘッド検出器60へ出力する。そして、ヘッド検出器60は、加算器40から受けた合成出力信号SG2をそのままウェイト制御器70へ出力する。
ウェイト制御器70は、テイル検出器50から受けた受信信号SGR_1(1)〜SGR_M(1)に基づいて、信号SG1を合成し、信号SG1と信号SG2との二乗誤差が最小になるように複数のウェイトw1〜wMの好適化処理を繰り返し行なう。
ウェイト制御器70がプリアンブルPREに含まれる2つの信号SG1,SG2に基づいて複数のウェイトw1〜wMの好適化処理を繰り返し行なう動作は、図6に示すフローチャートまたは図7に示すフローチャートに従って行なわれる。
そして、この発明においては、ウェイト制御器70は、好ましくは、プリアンブルPREに含まれる2つの信号SG1,SG2に基づく複数のウェイトw1〜wMの好適化処理と、シンボルSYM1に含まれるヘッド信号RShとM個のテイル信号RSt_1〜RSt_Mとに基づく複数のウェイトw1〜wMの好適化処理との両方を行なう。
[実施の形態2]
図8は、実施の形態2によるアダプティブアレーアンテナ受信装置の構成を示す概略ブロック図である。実施の形態2によるアダプティブアレーアンテナ受信装置100Aは、図1に示すアダプティブアレーアンテナ受信装置100のウェイト制御器70およびチャネル推定器110をそれぞれウェイト制御器70Aおよびチャネル推定器110Aに代え、干渉波検出器130を追加したものであり、その他は、アダプティブアレーアンテナ受信装置100と同じである。
アダプティブアレーアンテナ受信装置100Aにおいては、FFT90は、高速フーリエ変換した合成出力信号RS1〜RSnをチャネル推定器110Aおよび復調器120に加え、干渉波検出器130にも出力する。
干渉波検出器130は、合成出力信号RS1〜RSnに含まれるパイロットサブキャリアPSCの複素振幅変動に基づいて、干渉波が合成出力信号RS1〜RSnに重畳されていること、または干渉波が合成出力信号RS1〜RSnから除去されていることを検出する。即ち、干渉波検出器130は、合成出力信号RS1〜RSnに含まれるパイロットサブキャリアPSCの複素振幅の瞬時変動量が一定以上であれば、その時点に干渉波の発生および/または消滅が起こったものと推定する。
そして、干渉波検出器130は、干渉波の発生および/または消滅を検出すると、干渉波が発生および/または消滅したことを示す信号SGIFを生成してウェイト制御器70Aおよびチャネル推定器110Aへ出力する。
ウェイト制御器70Aは、干渉波検出器130から信号SGIFを受けると、上述した方法によって、干渉波の発生および/または消滅が起こった時点におけるシンボルを用いて複数のウェイトw1〜wMの好適化処理を繰り返し行なう。チャネル推定器110Aは、干渉波検出器130から信号SGIFを受けると、上述した方法によって、干渉波の発生および/または消滅が起こった時点におけるシンボルを用いてチャネル推定を行なう。
このように、ウェイト制御器70Aは、信号SGIFをトリガーとして干渉波の発生および/または消滅が起こった時点におけるシンボルを用いて複数のウェイトw1〜wMの好適化処理を繰り返し行ない、チャネル推定器110Aは、信号SGIFをトリガーとしてチャネル推定を行なう。
図9は、干渉波の発生および/または消滅するタイミングを説明するための図である。実施の形態1において説明したように、タイムスロットTSLのペイロードPLDに含まれるシンボルSYM1のヘッド信号RShおよびテイル信号RStに基づいて、複数のウェイトw1〜wMを最適化し、その最適化された複数のウェイトw1〜wMを用いてシンボルSYM1〜SYMnに含まれるデータの受信処理を行なっている途中で干渉波IFRが検出されると、既に最適化した複数のウェイトw1〜wMを用いてシンボルSYMの正確な受信処理を行なうことができない(図9の(a)参照)。
また、実施の形態1において説明したように、タイムスロットTSLのペイロードPLDに含まれるシンボルSYM1のヘッド信号RShおよびテイル信号RStに基づいて、干渉波IFRが重畳された状態で複数のウェイトw1〜wMを最適化し、その最適化した複数のウェイトw1〜wMを用いてシンボルSYM1〜SYMnに含まれるデータの受信処理を行なっている途中で干渉波IFRが消滅した場合に、既に最適化された複数のウェイトw1〜wMを用いると、シンボルSYMの最適な受信処理を行なうことができない(図9の(b)参照)。
更に、実施の形態1において説明したように、タイムスロットTSLのペイロードPLDに含まれるシンボルSYM1のヘッド信号RShおよび合成テイル信号RStに基づいて、干渉波IFR1が重畳された状態で複数のウェイトw1〜wMを最適化し、その最適化した複数のウェイトw1〜wMを用いてシンボルSYM1〜SYMnに含まれるデータの受信処理を行なっている途中で新たな干渉波IFR2が発生するとともに干渉波IFR1が消滅すると、既に最適化した複数のウェイトw1〜wMを用いてシンボルSYMの正確な受信処理を行なうことができない(図9の(c)参照)。
そこで、実施の形態2においては、図9の(a)〜(c)に示すように、干渉波IFRの発生および/または消滅を検出すると、複数のウェイトw1〜wMの好適化処理をやり直すことにしたものである。
図10は、図8に示すアダプティブアレーアンテナ受信装置100Aにおける受信信号の受信処理を説明するためのフローチャートである。図10に示すフローチャートは、図6に示すフローチャートにステップS10,S11を追加したものであり、その他は、図6に示すフローチャートと同じである。
上述したステップS1〜ステップS9が順次実行されると、干渉波検出器130は、上述した方法によって、干渉波の発生および/または消滅を検出すると、信号SGIFを生成してウェイト制御器70Aへ出力する。そして、ウェイト制御器70Aは、干渉波検出器130から信号SGIFを受信したか否かによって干渉波が発生および/または消滅したか否かを判定する(ステップS10)。
そして、ステップS10において、干渉波が発生および/または消滅したと判定されたとき、一連の動作は、ステップS3へ戻り、上述したステップS3〜ステップS10が順次実行される。この場合、チャネル推定器110Aは、干渉波検出器130から信号SGIFを受けると、ステップS9において、上述した方法によってチャネル推定をやり直し、チャネル推定の結果を復調器120へ出力する。
一方、ステップS10において、干渉波が発生および/または消滅しなかったと判定されたとき、最適化した複数のウェイトを用いて複数のデータ区間の受信信号の処理が続行される(ステップS11)。そして、一連の動作は終了する。
図11は、図8に示すアダプティブアレーアンテナ受信装置100Aにおける受信信号の受信処理を説明するための他のフローチャートである。図11に示すフローチャートは、図7に示すフローチャートにステップS10,S11を追加したものであり、その他は、図7に示すフローチャートと同じである。
上述したステップS1〜S5,S5A〜S5D,S7〜S9が順次実行されると、図10において説明したステップS10,S11が順次実行される。そして、一連の動作は終了する。
このように、実施の形態2においては、タイムスロットTSLを受信したときの複数のウェイトw1〜wMの好適化処理に加え、干渉波の発生および/または消滅したときに複数のウェイトw1〜wMの好適化処理を繰り返し行なう。
従って、この発明によれば、受信信号RS_1(1)〜RS_M(1),RS_1(2)〜RS_M(2),・・・,RS_1(n)〜RS_M(n)への干渉波の重畳または受信信号RS_1(1)〜RS_M(1),RS_1(2)〜RS_M(2),・・・,RS_1(n)〜RS_M(n)からの干渉波の除去が発生した場合にも、受信信号RS_1(1)〜RS_M(1),RS_1(2)〜RS_M(2),・・・,RS_1(n)〜RS_M(n)から信号電力対干渉電力比または信号電力対雑音電力比を最大化して受信信号RS_1(1)〜RS_M(1),RS_1(2)〜RS_M(2),・・・,RS_1(n)〜RS_M(n)の受信処理を行なうことができる。
その他は、実施の形態1と同じである。
なお、上記においては、ペイロードPLDに含まれる複数のシンボルSYM1〜SYMnのうち、最初のシンボルSYM1に含まれるヘッド信号RShおよびM個のテイル信号RSt_1〜RSt_Mを検出し、M個のテイル信号RSt_1〜RSt_MとM個のウェイトw1〜wMとの重み付け合成結果と、ヘッド信号RShとの二乗誤差が最小になるように複数のウェイトw1〜wMの好適化処理を繰り返し行なうと説明したが、この発明においては、これに限らず、複数のシンボルSYM1〜SYMnのうちの任意の1つのシンボルSYMj(1≦j≦n)に含まれるヘッド信号RShおよびM個のテイル信号RSt_1〜RSt_Mを検出し、M個のテイル信号RSt_1〜RSt_MとM個のウェイトw1〜wMとの重み付け合成結果と、ヘッド信号RShとの二乗誤差が最小になるように複数のウェイトw1〜wMの好適化処理を繰り返し行なってもよい。
また、上記においては、ペイロードPLDに含まれる複数のシンボルSYM1〜SYMnのうちの1つのシンボルSYMjに含まれるヘッド信号RShおよびM個のテイル信号RSt_1〜RSt_Mを検出し、M個のテイル信号RSt_1〜RSt_MとM個のウェイトw1〜wMとの重み付け合成結果と、ヘッド信号RShとの二乗誤差が最小になるように複数のウェイトw1〜wMの好適化処理を繰り返し行なうと説明したが、この発明においては、これに限らず、ペイロードPLDに含まれる複数のシンボルSYM1〜SYMnのうちの2つのシンボルSYMj,SYMk(k=j+α,αは正の整数)に含まれるヘッド信号RShおよびM個のテイル信号RSt_1〜RSt_Mを検出し、M個のテイル信号RSt_1〜RSt_MとM個のウェイトw1〜wMとの重み付け合成結果と、ヘッド信号RShとの二乗誤差が最小になるように複数のウェイトw1〜wMの好適化処理を繰り返し行なうようにしてもよい。
この場合、ウェイト制御器70,70Aは、シンボルSYMjに含まれるヘッド信号RShおよびM個のテイル信号RSt_1〜RSt_Mを検出し、M個のテイル信号RSt_1〜RSt_MとM個のウェイトw1〜wMとの重み付け合成結果と、ヘッド信号RShとの二乗誤差が最小になるように複数のウェイトw1〜wMの好適化処理を行なう処理Aと、シンボルSYMkに含まれるヘッド信号RShおよびM個のテイル信号RSt_1〜RSt_Mを検出し、M個のテイル信号RSt_1〜RSt_MとM個のウェイトw1〜wMとの重み付け合成結果と、ヘッド信号RShとの二乗誤差が最小になるように複数のウェイトw1〜wMの好適化処理を行なう処理Bとを順次繰り返し行なう。
更に、上記においては、シンボルSYMに含まれるヘッド信号RShおよびテイル信号RSt、またはタイムスロットTSLのプリアンブルPREに含まれる2つのSG1,SG2に基づいて複数のウェイトw1〜wMの好適化処理を繰り返し行なうと説明したが、この発明においては、これに限らず、同一波形を有する2つの信号であれば、任意の同一波形からなる2つの信号に基づいて複数のウェイトw1〜wMの好適化処理を繰り返し行なってもよい。
更に、基準回数i_stdは、アダプティブアレーアンテナ受信装置100,100Aの周囲の電波環境に応じて決定されるようにしてもよい。電波環境によって干渉波IFRの重畳度合が異なり、複数のウェイトw1〜wMが最適化される度合が異なるからである。
更に、この発明においては、M個のテイル信号RSt_1〜RSt_MとM個のウェイトw1〜wMとの重み付け合成により生成した合成テイル信号RStと、ヘッド信号RShとの二乗誤差が最小になるようにM個のウェイトw1〜wMの好適化処理を繰り返し行なってもよく、M個のテイル信号RSt_1〜RSt_Mとヘッド信号RShとの二乗誤差が最小になるようにM個のウェイトw1〜wMの好適化処理を繰り返し行なってもよい。
なお、この発明においては、複数のテイル信号RSt_1〜RSt_Mは、「第1の信号の受信信号」を構成し、ヘッド信号RShは、「第2の信号の受信信号」を構成する。
また、合成出力信号SG2は、「既知の受信信号の所望波」を構成し、合成出力信号RS(1)〜RS(n)の各々は、「合成受信信号」を構成する。
更に、最適化された複数のウェイトw1〜wMを用いて受信信号RS_1(1)〜RS_M(1),RS_1(2)〜RS_M(2),・・・,RS_1(n)〜RS_M(n)の受信処理を行なう乗算器31〜3M、加算器40、GI除去器80、FFT90、チャネル推定器110および復調器120は、「信号処理手段」を構成する。
更に、最適化された複数のウェイトw1〜wMを用いて受信信号RS_1(1)〜RS_M(1),RS_1(2)〜RS_M(2),・・・,RS_1(n)〜RS_M(n)の受信処理を行なう乗算器31〜3M、加算器40、GI除去器80、FFT90、チャネル推定器110Aおよび復調器120は、「信号処理手段」を構成する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1〜M アンテナ素子、10 アレーアンテナ、20 バッファ、31〜3M 乗算器、40 加算器、50 テイル検出器、60 ヘッド検出器、70 ウェイト制御器、80 GI除去器、90 FFT、100,100A アダプティブアレーアンテナ受信装置、110,110A チャネル推定器、120 復調器、130 干渉波検出器。