JP2010224819A - 路面敷設用rfidタグ - Google Patents
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Abstract
【課題】路面敷設用RFIDタグにおいて、RFID通信部の通信性を保ちながら台車等がタグ上を通行しやすい。
【解決手段】タグ1は、RFIDリーダ110と通信を行うRFID通信部2と、RFID通信部2を保持する保持部3とを備える。RFID通信部2は、路面との間隔が一定以上である時に通信可能である。保持部3は、弾性変形可能であり、踏み付け負荷が発生した時に形状が薄く変化し、その後、無負荷時になると元の形状に復元する。タグ1は、無負荷時に、通信可能領域UにRFID通信部2を位置し、RFIDリーダ110と通信する。そして、車輪Rにより踏み付け負荷が発生した時に、保持部3の弾性変形によりタグ1の厚みが薄くなると共に、RFID通信部2を通信不可領域Dに位置させる。従って、タグ1は、RFID通信部の通信性を確保すると共に、踏み付け負荷が発生した時に厚みが薄くなるので台車の通行に支障がない。
【選択図】図1
【解決手段】タグ1は、RFIDリーダ110と通信を行うRFID通信部2と、RFID通信部2を保持する保持部3とを備える。RFID通信部2は、路面との間隔が一定以上である時に通信可能である。保持部3は、弾性変形可能であり、踏み付け負荷が発生した時に形状が薄く変化し、その後、無負荷時になると元の形状に復元する。タグ1は、無負荷時に、通信可能領域UにRFID通信部2を位置し、RFIDリーダ110と通信する。そして、車輪Rにより踏み付け負荷が発生した時に、保持部3の弾性変形によりタグ1の厚みが薄くなると共に、RFID通信部2を通信不可領域Dに位置させる。従って、タグ1は、RFID通信部の通信性を確保すると共に、踏み付け負荷が発生した時に厚みが薄くなるので台車の通行に支障がない。
【選択図】図1
Description
本発明は、路面に敷設される路面敷設用RFID(Radio Frequency IDentification)タグに関する。
従来から、RFIDタグが敷設された路面上を、RFIDリーダを備えた機器が移動する時に、RFIDリーダがRFIDタグを読取ることにより、機器の位置を認識する位置認識方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような位置認識方法によって収集された情報は、例えば、工場内における作業工程の効率改善のために利用される。
図9は、作業者Pが台車Dを移動させて倉庫から各工程に部品Bを搬送する作業工程を示す。図中のRは、台車Dの移動ルートを示し、121〜126は、路面に敷設された各RFIDタグを示す。台車Dの下部には、RFIDリーダ110が設置されており、RFIDリーダ110はRFIDタグ121〜126を読み取り、その時間を記憶する。
上記作業の流れは、作業者Pが倉庫で部品BをピッキングしてからA工程へ部品Bを供給した後、さらにB工程へ部品Bを供給して倉庫に戻るものである。各作業工程において、RFIDリーダ110は、倉庫OUTタグ121、A工程INタグ122、A工程OUTタグ123、B工程INタグ124、B工程OUTタグ125、及び倉庫INタグ126を順に読取って、その時間を記憶する。
図10は、上記図9に示した作業の際にRFIDリーダ110が各タグ121〜126を読み取った時間を示すタイムチャートである。T1〜T6は、順にタグ121〜126のそれぞれを読取った時間を示す。図10に示すように、各タグ121〜126の読取り時間をタイムチャートにすることにより、各工程の作業時間や移動時間等を分析することができるため作業の効率化を図ることができる。
図11は、従来の路面敷設用RFIDタグ(以下、タグという)100の外観を示し、図12は、図11のA矢印方向から見たタグ100の側面を示す。タグ100は、例えば配線敷設用のモールであり、内部に回路とアンテナ部(以下、RFID通信部という)120を保持する。RFID通信部120は、路面と近接している場合、RFIDリーダから送信される電波の干渉等によりアンテナの通信性が悪くなるという特徴がある。従って、RFID通信部120は、路面との間隔を所定以上とする位置、すなわち、図中の通信可能領域Uに位置する必要がある。そのため、RFID通信部120を通信可能領域Uに位置させるために、タグ100には10mm程度の厚みWが必要となる。
図13(a)に示すように、台車の車輪Rが図中の白矢印方向に移動してタグ100上を通行する場合、タグ100に厚みがあるため通行に支障がある。また、人がタグ100上を通行する場合であっても同様に支障がある。一方、図13(b)に示すように、タグ100の厚みを薄くした場合だと、RFID通信部120が通信不可領域Dに位置するので通信性を確保できない。また、タグ100を、路面に埋設する方法も考えられるが、埋設にはコストがかかり、また、容易に位置変更ができないので運用に対する柔軟性に欠けるという問題がある。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、RFID通信部の通信性を保ちながら、台車等がタグ上を通行しやすい路面敷設用RFIDタグを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、外部のRFID読取り機器との間で通信を行うRFID通信部と、前記RFID通信部を保持し、路面に敷設される保持部とを備えた路面敷設用RFIDタグであって、前記保持部は、弾性変形可能であり、踏み付け負荷が発生した時に弾性変形して厚みが薄くなるものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の路面敷設用RFIDタグにおいて、前記RFID通信部は、路面との間隔が所定以上の時に外部のRFID読取り機器と通信可能であり、前記保持部は、無負荷時に、前記RFID通信部と路面との間隔が所定以上となるものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の路面敷設用RFIDタグにおいて、前記保持部の路面と接する端部がスロープ状であるものである。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の路面敷設用RFIDタグにおいて、前記保持部は、クッション性を有する素材から成るものである。
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の路面敷設用RFIDタグにおいて、前記保持部は、無負荷時には路面から立設する棒形状であり、踏み付け負荷が発生した時に屈曲し、倒れてタグの厚みが薄くなるものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の路面敷設用RFIDタグにおいて、前記RFID通信部は、路面との間隔が所定以上の時に外部のRFID読取り機器と通信可能であり、前記保持部は、内部に第1の中空部及び第2の中空部を有するM字状の中空構造とされ、前記RFID通信部を前記第1の中空部上に保持し、無負荷時に前記RFID通信部と路面との間隔が所定未満となる位置に該RFID通信部を保持し、前記第2の中空部に踏み付け負荷が発生した時に、前記第1の中空部が膨張することにより前記RFID通信部と路面との間隔が所定以上となるものである。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の路面敷設用RFIDタグにおいて、前記RFID通信部と同様のもう1つのRFID通信部をさらに備え、前記保持部は、前記両RFID通信部を前記第1及び第2の中空部上にそれぞれ保持し、無負荷時に前記両RFID通信部の各々と路面との間隔が所定未満となる位置に両RFID通信部を保持し、前記第1又は第2の中空部のいずれか一方の外方から内方に踏み付け負荷が発生した時に、他方の中空部が膨張することにより、膨張した中空部上に位置するRFID通信部と路面との間隔が所定以上となるものである。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の路面敷設用RFIDタグにおいて、前記保持部は、二次元方向のそれぞれに前記第1及び第2の中空部を有するM字状の中空構造とされ、前記両RFID通信部を二次元方向のそれぞれの中空部上に保持するものである。
請求項1の発明によれば、踏み付け負荷が発生した時に、保持部が弾性変形してタグの厚みが薄くなるので、台車等の通行を妨げない。
請求項2乃至5の発明によれば、無負荷時にRFID通信部と路面との間隔が所定以上となるため、RFID通信部の通信性を保つと共に、踏み付け負荷が発生した時に保持部が弾性変形してタグの厚みが薄くなるので、台車等の通行を妨げない。
請求項6の発明によれば、台車等による踏み付け負荷が発生した時に、RFID通信部と路面との間隔を所定以上となるので、RFID通信部の通信性を保つと共に、無負荷時のタグの厚みを薄くすることができるので路面上の美観を保つことができる。
請求項7の発明によれば、台車等による踏み付け負荷が両中空部のいずれか一方の外方から内方に発生した時に、他方の中空部上のRFID通信部が通信可能となるため、台車等の移動方向を検出することができる。
請求項8の発明によれば、台車等による踏み付け負荷がいずれかの中空部に発生した時に、二次元方向の中空部上に保持された、いずれかのRFID通信部が通信可能となるので、二次元方向における台車等の移動方向を検出することができる。
本発明の一実施形態に係る路面敷設用RFIDタグ(以下、タグという)について、図面を参照して説明する。図中のRは、台車の車輪を示し、110は、外部のRFIDリーダライタ機器(以下、RFIDリーダという)を示す。RFIDリーダ110は、台車の下部、例えば車輪Rの側面に設置されている。なお、各図において、前出の図中の部材と同一の部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図1に示すように、タグ1は、RFIDリーダ110と通信を行うための回路やアンテナを有する通信部(以下、RFID通信部という)2と、RFID通信部2を保持し、路面上に所定の高さをもって敷設される保持部3とを備える。
RFID通信部2は、路面との間隔(高さ)が一定以上の時に、RFIDリーダ110と通信を行うことができる。すなわち、RFID通信部2は、図中に示す一定の高さ以上の通信可能領域Uに位置する時に通信可能であり、その高さよりも低い通信不可領域Dに位置する時に通信不可となる。RFID通信部2には、位置等の情報が記憶されている。
保持部3は、弾性変形可能な低硬度ウレタンゴムから成り、踏み付け負荷が発生した時に高さ(厚み)が低く(薄く)なり、その後、無負荷時になると元の形状に復元する。保持部3は、側面に中空部Aを有する矩形形状であり、中空部A上の保持部3の上部3aにRFID通信部2を保持する。なお、保持部3は、天然ゴムや、発泡性ウレタンから成るものであってもよく、RFID通信部2による通信を阻害しない非導電性の物質から成ることが望ましい。
負荷発生時におけるタグ1の形状変化について説明する。図1(a)に示すように、タグ1は、無負荷時に、通信可能領域UにRFID通信部2を位置させる。このとき、台車がタグ1に近接すると、RFIDリーダ110がRFID通信部2と通信を行う。そして、図1(b)に示すように、タグ1は、車輪Rにより踏み付け負荷が発生した時に、保持部3の弾性変形によりタグ1の厚みが3〜5mm程度に薄くなると共に、RFID通信部2を通信不可領域Dに位置させる。
このように、上記タグ1によれば、無負荷時に、RFID通信部2が通信可能領域Uに位置するので、タグ1に近接した台車に設置されたRFIDリーダ110がRFID通信部2と通信を行うことができるため、RFID通信部2の通信性を確保することができる。また、タグ1は、踏み付け負荷が発生した時に、保持部3が弾性変形してタグ1の厚みが3〜5mm程度に薄くなるため、台車等の通行に支障をきたすことを防ぐ。また、踏み付け負荷が発生した時に、RFID通信部2を通信不可領域Dに位置させるので、無駄な通信を抑制することができる。また、埋設工事を行うことなく、タグ1を路面上に設置することができるため、設置コストを抑制することができる。
次に、タグ1の構成の変形例について、図2を参照して説明する。タグ1は、路面と接する保持部3の端部3bがスロープ状であること以外は上記図1の構成と同様である。端部3bのスロープは、台車等が乗り上げやすいように、タグ1の設置スペース等の制約が許す限り傾斜角度の低いものが望ましい。
負荷発生時におけるタグ1の形状変化について説明する。図2(a)に示すように、タグ1は、無負荷時に、RFID通信部2を通信可能領域Uに位置させる。このとき、台車がタグ1に近接すると、RFIDリーダ110がRFID通信部2と通信を行う。そして、図2(b)に示すように、タグ1は、車輪Rによる踏み付け負荷が発生した時に、保持部3の弾性変形によりタグ1の高さ(厚み)が3〜5mm程度に薄くなると共に、RFID通信部2を通信不可領域Dに位置させる。
このように、本変形例のタグ1によれば、端部3bがスロープ状になっているため、台車の車輪R等の乗り上げや進行をスムーズに行うことができると共に、踏み付け負荷発生時に保持部3がスムーズに圧縮変形される。なお、タグ1は、タグ1の周囲を全てスロープ状にすることにより台車を全方向から乗り上げ易くする構成であってもよい。
次に、タグ1の構成のさらなる変形例について、図3を参照して説明する。タグ1は、保持部3がクッション性を有する素材、例えば発泡性ウレタンから成り、中空部を有さず、内部にRFID通信部2を保持すること以外は上記図1の構成と同様である。保持部3は、タグ1の無負荷時に、RFID通信部2を通信可能領域Uの位置に保持する。
負荷発生時におけるタグ1の形状変化について説明する。図3(a)に示すように、タグ1は、無負荷時に、RFID通信部2を通信可能領域Uに位置させる。このとき、台車がタグ1に近接すると、RFIDリーダ110がRFID通信部2と通信を行う。そして、図3(b)に示すように、タグ1は、車輪Rによる踏み付け負荷が発生した時に保持部3が弾性変形してタグ1の高さ(厚み)が3〜5mm程度に薄くなると共に、RFID通信部2を通信不可領域Dに位置させる。
このように、本変形例のタグ1によれば、保持部3がクッション性を有するので踏み付け負荷が発生した時に、負荷がRFID通信部2に対して集中することを防ぐことができる。なお、保持部3は、踏み付け負荷が発生した時に保持部3が薄くなるような圧縮性を有する素材であればよい。また、保持部3は、保持部3の一部分がクッション性を有する素材から成り、この素材によりRFID通信部2を覆うことにより、RFID通信部2の上下左右方向にかかる負荷を分散させてもよい。
次に、タグ1の構成のさらなる変形例について、図4を参照して説明する。タグ1は、無負荷時に路面上から所定の高さをもって立設する棒形状である保持部4と、RFID通信部2とを備える。保持部4は、形状が変化しやすい柔軟で弾力性の高い素材、例えば天然ゴムから成り、踏み付け負荷が発生した時に路面と敷設する端部4aが屈曲する。また、保持部4は、RFID通信部2を保持部4の上部4bに保持する。なお、保持部4は、RFID通信部2の通信性を阻害しない非道電物質から成ることが望ましい。
負荷発生時におけるタグ1の形状変化について説明する。図4(a)に示すように、タグ1は、無負荷時に、RFID通信部2を通信可能領域Uに位置させる。このとき、台車がタグ1に近接すると、RFIDリーダ110がRFID通信部2と通信を行う。そして、図4(b)に示すように、タグ1は、車輪Rによる踏み付け負荷が発生した時に、端部4aが車輪Rの進行方向Mに屈曲し、倒れるので、タグ1の路面と垂直方向の高さ(厚み)dが3〜5mm程度に薄くなると共に、RFID通信部2を通信不可領域Dに位置させる。
このように、本変形例のタグ1によれば、無負荷時にRFID通信部2が通信可能領域Uに位置するので、タグ1に近接した台車に設置されたRFIDリーダ110がRFID通信部2と通信を行うことができるため、RFID通信部2の通信性を確保することができる。また、タグ1は、踏み付け負荷が発生した時に、端部4aが倒れることにより、タグ1の路面と垂直方向の高さ(厚み)dが3〜5mm程度に薄くなるため、台車等の通行に支障をきたすことを防ぐ。また、タグ1は、保持部4が棒形状であるため、路面上の少ないスペースでも設置可能である。なお、タグ1は、端部4aのRFID通信部2に近接しない部分(路面と近接する部分)が、容易に形状変化が可能である金属バネ等から成るものであってもよい。また、タグ1は、保持部4が棒形状である場合に限られず、例えば車輪Rの進行方向Mと直交する面の厚みが薄い板形状であってもよい。
次に、タグ1の構成のさらなる変形例について、図5を参照して説明する。タグ1は、路面上から所定の高さをもって敷設される保持部5と、RFID通信部2とを備える。保持部5は、負荷発生時に形状が変化しやすい柔軟な素材、例えば天然ゴムから成り、内部に第1の中空部A1及び第2の中空部A2を有するM字形状の中空構造である。第1の中空部A1上の凸部(以下、第1の凸部という)5aには、RFID通信部2が保持されており、第2の中空部A2上の凸部(以下、第2の凸部という)5bには保持されていない。
保持部5の端部5cは、内方に傾斜するスロープ状である。両中空部A1、A2のいずれかに負荷が発生した時、他方の中空部A1、A2が盛り上がり、他方の中空部の上に位置する凸部5a、5bの位置が高くなる。また、両中空部A1、A2のいずれかに外方から内方にかけて負荷が発生した時、踏み付け負荷が発生した中空部A1、A2上の凸部5a、5bが負荷によって平らになると共に他方側に押し伸ばされるため、他方の中空部の上に位置する凸部5a、5bの位置がさらに高くなる。
負荷発生時におけるタグ1の形状変化について説明する。図5(a)に示すように、タグ1は、無負荷時に、RFID通信部2を通信不可領域Dに位置させる。このとき、台車がタグ1に近接しても、RFIDリーダ110はRFID通信部2と通信を行なうことができない。
そして、図5(b)に示すように、タグ1は、車輪Rの進行するM方向、すなわち第2の中空部A2に外方から内方に、台車が移動することにより踏み付け負荷が発生した時に、第1の中空部A1が膨張し、第2の凸部5bが平らになると共に第1の凸部5a側に押し伸ばされる。これにより、第1の凸部5aが押し上げられてRFID通信部2を通信可能領域Uに位置させる。このとき、RFIDリーダ110はRFID通信部2と通信を行う。
このように、本変形例のタグ1によれば、台車等による踏み付け負荷が発生した時に、RFID通信部2を通信可能領域Uに位置させるので、タグ1に近接した台車に設置されたRFIDリーダ110がRFID通信部2と通信を行うことができ、RFID通信部2の通信性を保つことができる。また、本変形例のタグ1によれば、無負荷時に、RFID通信部2を一定の高さ以上の通信可能領域Uに位置させる必要がないので、無負荷時のタグ1の高さ(厚み)を薄くすることができ、路面上の美観を保つことができる。また、端部5cが内方に傾斜するスロープ状であるため、台車の車輪等の乗り上げや進行をスムーズに行うことができる。また、端部5cが内方に傾斜するスロープ状であるため、車輪Rが外方から内方に進むにつれて、第2の中空部A2に確実に負荷をかけて、第2の凸部5bを押し伸ばすことができ、RFID通信部2と路面との間隔を確実に増加させることができる。なお、本変形例のタグ1と通信を行うRFIDリーダ110は、台車の車輪Rの進行方向側、すなわちRFID通信部2と近接する側に位置するのが望ましい。
次に、タグ1の構成のさらなる変形例について、図6を参照して説明する。タグ1は、上記図5に示したRFID通信部2と同様のもう1つのRFID通信部(以下、第2のRFID部という)2bをさらに備え、第2のRFID通信部2bが、第2の凸部5bに保持されていること以外は上記図5の構成と同様である。なお、ここでは、説明の便宜上、第1の中空部A1上に保持されるRFID通信部を、第1のRFID通信部2aと示す。
負荷発生時におけるタグ1の形状変化について説明する。図6(a)に示すように、タグ1は、無負荷時に、両RFID通信部2a、2bを通信不可領域Dに位置させる。このとき、台車がタグ1に近接しても、RFIDリーダ110は両RFID通信部2a、2bと通信を行なうことができない。
そして、図6(b)に示すように、車輪RがM方向に進行して、第2の中空部A2の外方から内方に踏み付け負荷が発生した時に、第1の中空部A1が膨張し、第2の凸部5bが平らになると共に第1の凸部5a側に押し伸ばされる。これにより、第1の凸部5aが押し上げられて、第1のRFID通信部2aを通信可能領域Uに位置させる。このとき、RFIDリーダ110は第1のRFID通信部2aと通信を行う。
その後、さらに車輪RがM方向に進行すると第1の中空部A1に踏み付け負荷が発生すると共に、第1の凸部5aが平らになる。しかしながら、このとき、第1の凸部5aは、内方から外方に押し伸ばされるため、第2の凸部5bの位置が十分に高くならず、第2のRFID通信部2bは通信不可領域D内のままである。従って、このとき、RFIDリーダ110は両RFID通信部2a、2bと通信を行なうことができない。
このように、本変形例のタグ1によれば、台車等による踏み付け負荷が両中空部A1、A2のいずれか一方の外方から内方に発生した時に、他方の中空部A1、A2上の凸部5a、5bに保持されるRFID通信部2a、2bが通信可能となる。このとき、RFIDリーダ110はいずれかのRFID通信部2a、2bと通信を行うことができるので、この通信結果に基いて、台車等の移動方向を検出することができる。なお、両RFID通信部2a、2bの各々の間隔は、無負荷時のタグ1の高さ(厚さ)以上の距離を空けることが望ましい。また、無負荷時における両RFID通信部2a、2bをそれぞれ通信不可とするために、両RFID通信部2a、2bの各々が路面にできるだけ近接した位置で保持されるものが望ましい。また、無負荷時における両RFID通信部2a、2bの通信性を低下させるために、保持部5の下部5dが導電性物質を含む素材から成るものであってもよい。
次に、タグ1の構成のさらなる変形例について、図7及び図8を参照して説明する。タグ1は、上記図6に示した保持部5が、路面上の直交する二次元方向にそれぞれ位置されるものである。ここでは、説明の便宜上、地上に固定されたxy直交座標系を設定し、x方向の一方の中空部を第1の中空部A1xと示し、他方を第2の中空部A2xと示す。また、y方向の一方の中空部を第1の中空部A1yと示し、他方を第2の中空部A2yと示す。
また、各中空部A1x、A2x、A1y、A2y上に位置する凸部をそれぞれ順に、第1の凸部5ax、第2の凸部5bx、第1の凸部5ay、第2の凸部5byと示す。また、各凸部5ax、5bx、5ay、5by上に保持される各RFID通信部をそれぞれ順に、第1のRFID通信部X1、第2のRFID通信部X2、第1のRFID通信部Y1、第2のRFID通信部Y2と示す。なお、各RFID通信部X1,X2,Y1,Y2は、それぞれ上記図6に示したRFID通信部2と同様の構成である。
各中空部A1x、A2x、A1y、A2yに負荷が発生した時の各RFID通信部X1,X2,Y1,Y2の通信状態について説明する。第1の中空部A1xの外方から内方に踏み付け負荷が発生した時に、第2の中空部A2xが膨張し、第1の凸部5axが平らになると共に第2の凸部5bx側に押し伸ばされる。これにより、第2の凸部5bxが押し上げられて、第2のRFID通信部X2が通信可能となる。このとき、RFIDリーダ110は第2のRFID通信部X2と通信を行うことができる。また、第2の中空部A2xの外方から内方に踏み付け負荷が発生した時に、第1の中空部A1xが膨張し、第2の凸部5bxが平らになると共に第1の凸部5ax側に押し伸ばされる。これにより、第1の凸部5axが押し上げられて、第1のRFID通信部X1が通信可能となる。このとき、RFIDリーダ110は第1のRFID通信部X1と通信を行うことができる。
また、第1の中空部A1yの外方から内方に踏み付け負荷が発生した時に、第2の中空部A2yが膨張し、第1の凸部5ayが平らになると共に第2の凸部5by側に押し伸ばされる。これにより、第2の凸部5byが押し上げられて、第2のRFID通信部Y2が通信可能となる。このとき、RFIDリーダ110は第2のRFID通信部Y2と通信を行うことができる。また、第2の中空部A2yの外方から内方に踏み付け負荷が発生した時に、第1の中空部A1yが膨張し、第2の凸部5byが平らになると共に第1の凸部5ay側に押し伸ばされる。これにより、第1の凸部5ayが押し上げられて、第1のRFID通信部Y1が通信可能となる。このとき、RFIDリーダ110は第1のRFID通信部Y1と通信を行うことができる。
図8は、各中空部A1x、A2x、A1y、A2yに発生する負荷と、それに対応する各RFID通信部X1、X2、X3、X4の通信状態を示すリスト10を示す。リスト10において、「○」はRFID通信部が通信可能である旨を示し、「△」はRFID通信部が通信する場合がある旨を示し、「×」はRFID通信部が通信不可である旨を示す。
また、リスト10は、負荷の移動方向及び位置を(x,y)で示す。具体的には、(1、0)は、x方向に負荷が進行して第1の中空部A1xに踏み付け負荷が発生したことを示す。また、(−1、0)は、x方向とは逆方向に負荷が進行して第2の中空部A2xに踏み付け負荷が発生したことを示す。また、(0、1)は、y方向に負荷が進行して第1の中空部A1yに踏み付け負荷が発生したことを示す。また、(−1、0)は、y方向とは逆方向に負荷が進行して第2の中空部A2yに踏み付け負荷が発生したことを示す。従って、リスト10に示すように、各RFID通信部X1,X2,Y1,Y2のそれぞれの通信状態に基いて負荷の移動方向を検出することができる。
このように、本変形例のタグ1によれば、台車等による踏み付け負荷がいずれかの中空部A1x、A2x、A1y、A2yに発生した時に、二次元方向の中空部上に保持されたいずれかのRFID通信部X1、X2、X3、X4が通信可能となるので、RFIDリーダ110の通信結果に基いて台車等の二次元方向の移動方向を検出することができる。また、タグ1は、敷設スペースが小さい場所であっても台車等の移動方向を二次元方向で検出することができる。なお、ここでは、直交する2方向について、負荷の移動方向を検出する例を示したが、これに限られず、さらに、斜交方向にも保持部5を設けることにより負荷の移動方向の検出精度を高めたものであってもよい。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、本実施例では、保持部3が路面上に突出して敷設され、保持部3に負荷がかかって弾性変形により厚み(高さ)が薄くなる構成を示したが、保持部3が路面に対して部分的に出没自在に設けられ、弾性ばね部材などにより上方に付勢された構成としてもよい。この場合は、保持部3自体が弾性変形可能な材質から形成される必要がなくなり、本発明はそのような構成をも含む。
1 タグ(路面敷設用RFIDタグ)
2、X1、X2、X3、X4 RFID通信部
3〜5 保持部
A1、A1x、A1y 第1の中空部
A2、A2x、A2y 第2の中空部
2、X1、X2、X3、X4 RFID通信部
3〜5 保持部
A1、A1x、A1y 第1の中空部
A2、A2x、A2y 第2の中空部
Claims (8)
- 外部のRFID読取り機器との間で通信を行うRFID通信部と、前記RFID通信部を保持し、路面に敷設される保持部とを備えた路面敷設用RFIDタグであって、
前記保持部は、弾性変形可能であり、踏み付け負荷が発生した時に弾性変形して厚みが薄くなることを特徴とする路面敷設用RFIDタグ。 - 前記RFID通信部は、路面との間隔が所定以上の時に外部のRFID読取り機器と通信可能であり、
前記保持部は、無負荷時に、前記RFID通信部と路面との間隔が所定以上となることを特徴とする請求項1に記載の路面敷設用RFIDタグ。 - 前記保持部の路面と接する端部がスロープ状であることを特徴とする請求項2に記載の路面敷設用RFIDタグ。
- 前記保持部は、クッション性を有する素材から成ることを特徴とする請求項2に記載の路面敷設用RFIDタグ。
- 前記保持部は、無負荷時には路面から立設する棒形状であり、踏み付け負荷が発生した時に屈曲し、倒れてタグの厚みが薄くなることを特徴とする請求項2に記載の路面敷設用RFIDタグ。
- 前記RFID通信部は、路面との間隔が所定以上の時に外部のRFID読取り機器と通信可能であり、
前記保持部は、
内部に第1の中空部及び第2の中空部を有するM字状の中空構造とされ、前記RFID通信部を前記第1の中空部上に保持し、
無負荷時に前記RFID通信部と路面との間隔が所定未満となる位置に該RFID通信部を保持し、
前記第2の中空部に踏み付け負荷が発生した時に、前記第1の中空部が膨張することにより前記RFID通信部と路面との間隔が所定以上となることを特徴とする請求項1に記載の路面敷設用RFIDタグ。 - 前記RFID通信部と同様のもう1つのRFID通信部をさらに備え、
前記保持部は、
前記両RFID通信部を前記第1及び第2の中空部上にそれぞれ保持し、
無負荷時に前記両RFID通信部の各々と路面との間隔が所定未満となる位置に両RFID通信部を保持し、
前記第1又は第2の中空部のいずれか一方の外方から内方に踏み付け負荷が発生した時に、他方の中空部が膨張することにより、膨張した中空部上に位置するRFID通信部と路面との間隔が所定以上となることを特徴とする請求項6に記載の路面敷設用RFIDタグ。 - 前記保持部は、二次元方向のそれぞれに前記第1及び第2の中空部を有するM字状の中空構造とされ、前記両RFID通信部を二次元方向のそれぞれの中空部上に保持することを特徴とする請求項7に記載の路面敷設用RFIDタグ。
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2009
- 2009-03-23 JP JP2009070791A patent/JP2010224819A/ja not_active Withdrawn
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