JP2010222381A - ハンドクレンジング配合物 - Google Patents

Abstract

【課題】本発明は、高水準の生分解性を有し、ほとんどもしくは全く生態毒性がなく、高水準の効果と最大皮膚耐性を有し、全身毒性がないヘビーデューティークレンザー(HDHC)を提供する。
【解決手段】本発明のきわめて広い形態において、飽和および/または不飽和の植物脂肪酸（例えばヒマワリ油、大豆油、菜種油、またはココナッツ油の数種の天然源由来のもの）の1種以上のメチルエステルを5〜10%含有するクレンジング配合物を提供する。配合物は、約10%〜30%の1種以上の界面活性剤を含み、好ましい界面活性剤の配合には、少なくとも1種のエトキシル化された脂肪アルコール、アルキルポリオキシエチレングリコール、アルカノールアミドおよび高分子量の四級アンモニウム塩が含まれる。
【選択図】なし

Description

本発明は、一般に、溶媒を含有するもしくは含有しない、高水準の生分解性を有し、ほとんどもしくは全く生態毒性がなく、高水準の効果と最大皮膚耐性を有し、全身毒性がないヘビーデューティークレンザー(HDHC)に関する。

現在市場において、ヘビーデューティーハンドクレンザー(HDHC)は主に2種類存在する。第1の種類には、溶媒を含有せず、スクラビングミクロ粒子を含有するかもしくは含有しない、一般的に植物、鉱物または有機源由来の配合物が含まれる。これらの製品には、油汚れを乳化することによって作用する界面活性剤がいくつか含まれている。これらのスクラビングミクロ粒子は、手洗いをしている間に、機械的効果を付与するので配合物の洗浄力が増大する。

ヘビーデューティークレンザーといわれる第２の種類には、溶媒を含有し、スクラビング粒子を含有するかもしくは含有しない、界面活性剤(石鹸および/または合成および/または半合成の界面活性剤)を含有する配合物が含まれる。溶媒を含有するこれらのクレンザーは、界面活性剤の乳化特性と溶媒の可溶化特性を兼備する。ミクロ粒子の存在は、無溶媒配合物の場合と同様にこれらの配合物の洗浄力を増大させる。溶媒は、一般に、芳香族化合物を全く含有しない(またはごくわずかな量のみ含有する)炭化水素溶媒であり、10％〜30％の平均濃度で用いられている。また、d-リモネン等のテルペン類も、1〜10％の濃度でよく用いられている。プロピレングリコールエーテル(propylenic glycol ether)等の親水性溶媒は、めったに用いられない。溶媒は、皮膚から脱脂する性質があり炎症を起こし得るためによく非難の的となる。

D-リモネンは、非常に心地のよいオレンジの香りを備えているという審美的利点を有し、機能的に油脂に対して非常に効果的であるが、この溶剤の欠点は、d-リモネンが純粋な形態において、可燃性であり、環境に有害であると考えられていることである。さらに、酸化テルペンに対するアレルギーがいくつか科学文献に記載されている。この理由としては、例えば酸化を意図的に防ぐためにd-リモネンには化粧品用酸化防止剤(たいていの場合、用いられる酸化防止剤は、感作性(sensitizing potential)でもあるブチル-ヒドロキシ-アニソール(BHA)および/またはブチル-ヒドロキシ-トルエン(BHT)である)が用いられているからである。炭化水素およびテルペン系溶媒は、生分解性が低く、水生生物に対してかなりの生態毒性を有していることが知られている。
英国特許第1,396,730号は、アニオン性の、非イオンのまたは半極性の界面活性剤を含有する、清掃布に用いるための液体または固体の洗剤組成物を開示する。
国際公開第99/06021号は、エステルと、水中油型エマルジョンを生成するための乳化剤と、水とを含有する洗浄および保湿用組成物としての該水中油型エマルジョンを開示する。
米国特許第6,376,438号は、有機溶媒を用いないが、エーテル硫酸塩を含有する液体ペースト状のまたはクリーム状のクレンジング剤を開示する。
米国特許第6,191,087号は、乳酸エステルを含む塗装剥離／脱脂剤を開示する。

英国特許第1,396,730号 国際公開第99/06021号 米国特許第6,376,438号 米国特許第6,191,087号

高水準の洗浄効果を得るために界面活性剤のみを使用することは可能であるが、高濃度の活性物質を必要とし、高コストで、且つ、環境に対して不適切である。溶媒、界面活性剤およびスクラビングミクロ粒子を組み合わせて含み、最終製品中での活性物質の全量を低減することができるクレンザーを提供することは非常に有利である。

本発明の一形態において、
a)約5重量%〜約10重量％の少なくとも1種の飽和または不飽和の植物油のメチルエステル;
b)約10〜30%の界面活性剤;
c)約10〜80%の水;
d)当該配合物に所望の粘度を付与する増粘剤
を含む、クレンジング配合物を提供する。

本発明の本態様において、配合物には、スクラビング剤が含まれ得る。
より具体的には本発明は以下の発明を包含する。
(1) a)約5重量%〜約10重量％の少なくとも1種の飽和または不飽和の脂肪酸のメチルエステル;
b)約10〜30%の界面活性剤;
c)約10〜80%の水;
d)当該配合物に所望の粘度を付与する増粘剤
を含む、クレンジング配合物。
(2) 約1％〜約10％のスクラビング剤を含有する、(1)に記載のクレンジング配合物。
(3) 少なくとも1種の飽和または不飽和脂肪酸のメチルエステルが、ヒマワリ油、大豆油、菜種油、ココナッツ油からなる群から選択される、(1)または(2)に記載のクレンジング配合物。
(4) 界面活性剤には、少なくとも1種のエトキシル化された脂肪アルコール、アルキルポリオキシエチレングリコール、アルカノールアミド、および高分子量の四級アンモニウム塩が含まれる、(1)、(2)または(3)に記載のクレンジング配合物。
(5) スクラビング剤が、植物、鉱物または合成樹脂源のうちの1種である、(2)に記載のクレンジング配合物。
(6) スクラビング剤がコーンミールである、(5)に記載のクレンジング配合物。
(7) 選択された化粧品用アジュバントを含む、(1)、(2)、(3)、(4)、(5)または(6)に記載のクレンジング配合物。
(8) 界面活性剤が、非イオン性界面活性剤エトキシル化イソトリデカノールである、(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)または(7)に記載のクレンジング配合物。
(9) 増粘剤がアクリレートコポリマーを含む、(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)または(8)に記載のクレンジング配合物。
(10) 増粘剤がキサンタンガム、ベントナイト、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)または(9)に記載のクレンジング配合物。
(11) 飽和または不飽和の植物油のメチルエステルが、ヒマワリ油のメチルエステルである、(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)または(10)に記載のクレンジング配合物。
(12) 73.64重量%の水、9.00重量%のヒマワリ油のメチルエステル、7.00重量%のトリデセス-10(エトキシル化イソトリデカノール)、3.00重量%のコカミドdea、2.00重量%のpeg-33ヒマシ油、0.50重量%のポリクオタニウム-7、4.00重量%のコーン(ジィーメイス)ミール、0.35重量%のアクリレート/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマー、0.10重量%のジメチロールジメチルヒダントイン、0.10重量%のジメチルオキサゾリジン、0.05重量%のテトラジブチルペンタエリスリチルヒドロキシヒドロシンナメート、0.12重量%のアミノメチルプロパノール、0.05重量%の二酸化チタン、0.09重量%のペパーミント(mentha piperita)/クールミント(mentha arvensis)/グロブルスユーカリ(eucalyptus globulus)のエッセンシャルオイルを含んでなる、クレンジング配合物。
(13) 60〜80重量%の水、10.00重量%のヒマワリ油のメチルエステル、10.00重量%のトリデセス-10(エトキシル化イソトリデカノール)、5.00重量%のコカミドdea、2.00重量%のpeg-33ヒマシ油、0.50重量%のポリクオタニウム-7、4.00重量%のコーン(ジィーメイス)ミール、0.20重量%のカルボマー、0.20重量%のベントナイト、0.10重量%のジメチロールジメチルヒダントイン、0.10重量%のジメチルオキサゾリジン、0.05重量%のテトラジブチルペンタエリスリチルヒドロキシヒドロシンナメート、0.10重量%のアミノメチルプロパノール、0.10重量%の二酸化チタン、0.09重量%のペパーミント/クールミント/グロブルスユーカリのエッセンシャルオイルを含んでなる、クレンジング配合物。
(14) 60〜80重量%の水、10.00重量%のヒマワリ油のメチルエステル、10.00重量%のトリデセス-10(エトキシル化イソトリデカノール)、5.00重量%のコカミドdea、2.00重量%のpeg-33ヒマシ油、0.50重量%のポリクオタニウム-7、4.00重量%のコーン(ジィーメイス)ミール、0.50重量%のキサンタンガム、0.30重量%のベントナイト、0.10重量%のジメチロールジメチルヒダントイン、0.10重量%のジメチルオキサゾリジン、0.05重量%のテトラジブチルペンタエリスリチルヒドロキシヒドロシンナメート、0.10重量%のアミノメチルプロパノール、0.10重量%の二酸化チタン、0.09重量%のペパーミント/クールミント/グロブルスユーカリのエッセンシャルオイルを含んでなる、クレンジング配合物。

本発明の目的は、溶媒を含有するかもしくは含有しない、高水準の生分解性を有し、ほとんどもしくは全く生態毒性がない、高水準の効果と最大皮膚耐性を有し、全身毒性がない新規なヘビーデューティーハンドクレンザー(HDHC)を提供することである。この高水準の生分解性能と低水準の生態毒性は、Scandinavian Swanラベルガイドラインの基準に適合し得る。

本発明の最も広い形態において、飽和および/または不飽和の植物脂肪酸（例えばヒマワリ油、大豆油、菜種油、またはココナッツ油の数種の天然源由来のもの）の1種以上のメチルエステルを5〜10%含有するクレンジング配合物を提供する。配合物は、約10%〜30%の1種以上の界面活性剤を含み、界面活性剤の好ましい組合せには、少なくとも1種のエトキシル化された脂肪アルコール、アルキルポリオキシエチレングリコール、アルカノールアミドおよび高分子量の四級アンモニウム塩が含まれる。

好ましい配合物には、約10%〜80%の水、約1%〜約10%の量の1種または1種以上のスクラビング剤の組み合わせが含まれる。1種以上の増粘剤が配合物に所望の粘度を付与するために含まれており、これらには、鉱物および/または天然の増粘剤を含むかもしくは含まないアクリルポリマーまたはアクリレートポリマーが含まれ得る。保存料、顔料、酸化防止剤、キレート剤、および例えば(ごくわずかのものについて言及すると)エッセンシャルオイル、必須脂肪酸などの活性物質を始めとする化粧品用アジュバントを配合物中に用いることもできる。

さらに、好ましいクレンジング組成物には、下記の成分が含まれる：
1)ヒマワリ油のメチルエステル。このエステル化植物油には、本質的に2種のエステル:オレイン酸メチルとリノール酸メチルが含まれる。該エステルは、油脂に対して非常に溶解性が高く、容易に生分解可能であり、生態毒性がなく、毒性がなく、再生可能な資源から得られ、可燃性でない。この成分は、市場のHDHCに全く用いられていない。

2)エトキシル化イソトリデカノール。この化粧品用非イオン性界面活性剤は、容易に生分解し、非刺激性である。その平均炭素鎖長とそのエトキシ化のレベルによって、洗浄力は理論上非常に高い。ヒマワリ油のメチルエステル(5〜10%)とエトキシル化イソトリデカノール(5〜10%)の組み合わせは、低い合計濃度で、20〜30%の炭化水素溶媒を含有するHDHCと同水準の洗浄効果を配合物に付与し(実験室での試験結果)、さらに非常に良好な生態上の側面も有する。この組み合わせは、市場において存在せず、ヒマワリ油のメチルエステルが単独で用いられることもない。

3)テトラジブチルペンタエリスリチルヒドロキシヒドロシンナメート。この酸化防止剤(Tinogard TTDD^R)は、最近CIBAから発売されたため、競合するHDHCにまだ用いられてはいない。これは、生分解性が極めて高く、生態毒性がなく、毒性がない。このものは、ヒマワリ油のメチルエステルの酸化を防止するために、化粧品と衛生用製品中に一般に用いられているブチル-ヒドロキシ-アニソールおよび/またはブチル-ヒドロキシ-トルエンを用いる代わりに当該配合物中に用いられる。

4)コーンミールスクラバー。この天然のスクラビング剤は、生分解が容易であり、生態毒性がなく、毒性がなく、再生可能な資源から得られる。これは、角と粗い表面を有していないため皮膚に対して非常に穏やかであり、その硬さは機械的効果による洗浄効果を増大させるには十分である。

5)ペパーミント、クールミント、グロブルスユーカリのエッセンシャルオイル。これらの天然エッセンシャルオイルの組合せは、香料(香料は、生態毒性および/または刺激性または感作性となる場合がある20〜100種の成分を含有する複雑な配合物である)を含有せずに心地のよい新鮮な花の香りを製品に与える。

6)配合物の洗浄効果は、皮膚軟化性が非常に良いアルキルポリオキシエチレングリコール(peg-33 ヒマシ油)とアルカノールアミド(コカミドdea)により強化される。

7)皮膚の軟化は、配合物が最終的にもたらす脱脂力を補正するため、そして、皮膚の生体力学的な性質とモイスチュアライジング特性を許容され得る水準に維持するために必要となる。この皮膚軟化の水準は、皮膚に対する親和性の主な原因となる化学構造を有する高分子量の四級アンモニウム塩(ポリクオタニウム-7)を使用することで強化される。

8)配合物には、微生物(グラム陰性菌、グラム陽性菌、酵母、カビ)の増殖から配合物を守るために用いられる相乗的な組合せである2種の化粧品用保存料、ジメチロールジメチルヒダントインおよびジメチルオキサゾリジンが含まれ得る。

9)好ましくはクレンジング配合物中に、エマルジョンを安定させ、最終粘度を所望の水準に調整するのに有用なレオロジー特性を有する1種以上の増粘剤が含まれる。このような試薬の例としては、ベントナイトと併用されるカルボマー様のアクリル酸ポリマーおよび/またはベントナイトと併用されるキサンタンガムが含まれる。アミノメチルプロパノールは、配合物中に含まれ得る化粧品用pH調整剤である。配合物中には二酸化チタンが含まれ得、化粧品用乳白剤顔料として用いられる。

表1は、表2〜４で示した特定の配合物を製造するために用いられた化学物質と組成を示す。

下記は、本発明に準じ製造されたクレンジング配合物の実施例である。

実施例１

実施例2

実施例3

本明細書で使われる「含む」及び「含んでいる」という用語は、包括的かつ開放的であり、排他的ではないと解釈すべきである。具体的に言うと、特許請求の範囲を含めて本明細書において使用されるときは、「含む」、「含んでいる」、及びその変形の用語は、特定の特徴、工程、または成分が含まれていることを意味する。これらの用語は、他の特徴、工程、または成分の存在を排除するものであると解釈すべきでない。

本発明の好ましい実施形態の前述の説明は、本発明の原理を説明するために提供されたものであり、本発明を説明した特定の実施形態に限定するものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲やそれに相当するものに包含される全ての実施形態により確定されることが意図される。

Claims (11)

1. a)約5重量%〜約10重量％の少なくとも1種の飽和または不飽和の植物脂肪酸のメチルエステル;
   b)約10〜30%の、1種以上の界面活性剤であって、約5〜10%の量で存在するエトキシル化イソトリデカノールを洗浄剤として含む界面活性剤;
   c)約10〜80%の水;
   d)当該配合物に所望の粘度を付与する増粘剤
   を含む、スキンクレンジング配合物。
2. 約1％〜約10％のスクラビング剤を含有する、請求項１に記載のスキンクレンジング配合物。
3. 少なくとも1種の飽和または不飽和の植物脂肪酸のメチルエステルが、ヒマワリ油、大豆油、菜種油、ココナッツ油からなる群から選択される、請求項１または２に記載のスキンクレンジング配合物。
4. 1種以上の界面活性剤が、少なくとも1種のエトキシル化された脂肪アルコール、アルキルポリオキシエチレングリコール、アルカノールアミド、および高分子量の四級アンモニウム塩を更に含む、請求項１、２または３に記載のスキンクレンジング配合物。
5. スクラビング剤が、植物、鉱物または合成樹脂源のうちの1種である、請求項２に記載のスキンクレンジング配合物。
6. スクラビング剤がコーンミールである、請求項５に記載のスキンクレンジング配合物。
7. 選択された化粧品用アジュバントを含む、請求項１、２、３、４、５または６に記載のスキンクレンジング配合物。
8. 増粘剤がアクリレートコポリマーを含む、請求項１、２、３、４、５、６または７に記載のスキンクレンジング配合物。
9. 増粘剤がキサンタンガム、ベントナイト、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項１、２、３、４、５、６、７または８に記載のスキンクレンジング配合物。
10. 飽和または不飽和の植物油のメチルエステルが、ヒマワリ油のメチルエステルである、請求項１、２、３、４、５、６、７、８または９に記載のスキンクレンジング配合物。
11. エトキシル化イソトリデカノールが約7〜10%の量で存在する、請求項１に記載のスキンクレンジング配合物。