JP2010221532A - 画像形成方法およびこれを用いた記録物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、種々の記録媒体に対して優れたカール適性、裏抜け耐性、両面印刷適性を有する画像記録方法、記録物を提供する。
【解決手段】記録媒体の記録面にインク組成物を塗布または印刷する工程と、当該記録媒体の記録面とは反対面に中空樹脂粒子とカール防止剤と水とを含んでなる白色インク組成物を塗布または印刷する工程と、を少なくとも有することを特徴とする画像形成方法。
【選択図】なし
【解決手段】記録媒体の記録面にインク組成物を塗布または印刷する工程と、当該記録媒体の記録面とは反対面に中空樹脂粒子とカール防止剤と水とを含んでなる白色インク組成物を塗布または印刷する工程と、を少なくとも有することを特徴とする画像形成方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、画像形成方法およびこれを用いた記録物に関する。さらに詳しくは、カール、裏抜け抑制に優れた画像形成方法およびこれを用いた記録物に関する。
インクジェット記録方式は、インクジェットヘッドからインクの小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に着弾させて印刷を行う印刷方法である。近年のインクジェット記録技術の革新的な進歩により、これまで写真やオフセット印刷の分野であった高精細な画像記録(印刷)にもインクジェット記録方法を用いられるようになってきており、一般に用いられるコピー用紙などの普通紙やインクジェット記録用の専用紙(マット系、光沢系)に対してのみならず、印刷用コート紙(塗工紙、印刷本紙ともいう)等の記録媒体にも高品質な記録が求められてきている。
このインクジェット記録方法に使用するインクは、インクジェットヘッドから微細なインク滴を吐出、制御するための適正なインク物性値にあることが必要となり、特に粘度については、一般的な印刷用インク組成物と比較して低粘性であることが好ましい。その方法のひとつとして、高含水量のインク(水性インク)が広く使用されている。
しかし、インクジェットプリンターに水系のインクを用いる場合、印刷後の印刷媒体のカール(印刷媒体の湾曲)、印刷画像の裏抜け(印字したインクが記録媒体を通過し、裏面に画像が映る現象)による印刷品質の劣化や両面印刷適性の低下が問題となる。
上記カールを防止するためには、記録面とは反対側に水を含む溶液を付与してカールバランスを適正化させるインクジェット記録方法(例えば、特許文献1)などが提案されている。また、上記裏抜けを防止するためには、記録面の印刷前に多価金属塩を用いた反応液を印刷する方法(例えば、特許文献2)などが提案されている。
以上のように、カールや裏抜けを改善する方法は種々提案されているが、その両方を同時に満足させるには至っていない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、種々の記録媒体に対して優れたカール適性、裏抜け耐性、両面印刷適性を有する画像形成方法およびこれを用いた記録物を提供することにある。
本発明に係る画像形成方法は、記録媒体の記録面とは反対側の面に中空樹脂粒子を含む白色インク組成物を塗布または印刷することにより、上記課題を解決するものである。
本発明は、かかる知見に基づくものであり、本発明の構成は以下の通りである。
(1)記録媒体の記録面にインク組成物を塗布または印刷する工程と、当該記録媒体の記録面とは反対面に中空樹脂粒子とカール防止剤と水とを含んでなる白色インク組成物を塗布または印刷する工程と、を少なくとも有することを特徴とする画像形成方法。
(2)前記白色インクの塗布または印刷に要する量が、前記インク組成物の塗布または印刷に要する量の50重量%〜150重量%であることを特徴とする前記(1)に記載の画像形成方法。
(3)前記(1)又は(2)に記載の画像形成方法によって形成された記録物。
〔画像形成方法〕
本発明の画像形成方法(記録方法)は、記録媒体の記録面にインク組成物を塗布または印刷する工程と、当該記録媒体の記録面とは反対面に中空樹脂粒子とカール防止剤と水とを含んでなる白色インク組成物を塗布または印刷する工程と、を少なくとも有することを特徴とする。
本発明の画像形成方法(記録方法)は、記録媒体の記録面にインク組成物を塗布または印刷する工程と、当該記録媒体の記録面とは反対面に中空樹脂粒子とカール防止剤と水とを含んでなる白色インク組成物を塗布または印刷する工程と、を少なくとも有することを特徴とする。
前記白色インクは、記録媒体の記録面の反対側に塗布または印刷することにより、カール及び裏抜けを抑制することが可能である。特に普通紙については、紙を構成するセルロース繊維はインク中の水を吸収して膨潤し、水が蒸発乾燥するのに伴ってセルロース中の水酸基間の水素結合が再結合し収縮するため、カールが発生すると推測されているが、普通紙の片面への白色インクの塗布または印刷により応力緩和が生じ、長期にわたってカールを低減させると考えられる。加えて、白色インクの塗布または印刷をすることにより、色が遮蔽できるため裏抜けが抑制できる。
白色インクの塗布または印刷量は、好ましくは記録面に要するインク量の50重量%〜150重量%、より好ましくは80重量%〜120重量%である。白色インクの塗布または印刷量が、記録面に要するインク量の50重量%を下回ると、紙の応力緩和が十分でないためカール抑制効果が低く、色の遮蔽が十分でないため裏抜け抑制効果が低くなることがある。150重量%を上回ると、裏抜け抑制は十分であるが、紙に応力を発生させてしまうため通常とは逆のカールが引き起こされることがある。
記録媒体の記録面の反対面(非記録面)への白色インクの塗布または印刷は、記録面へのインクの印刷の前、間中あるいは後のいずれでも行うことができる。好ましくは印刷の前後10分以内であり、より好ましくは印刷の前後5分以内である。
白色インクの塗布または印刷には、例えば塗布ローラー、バーコーター、インクジェットプリンターを用いることができるが、インク重量の制御やパターン形成の簡易さから、インクジェットプリンターを用いることが好ましい。
前述のカールや裏抜けの抑制方法は両面(二重)インクジェット印刷方法で基材の両面に印刷する場合にも適用できる。その場合、片面または両面の記録面の印刷前に白色インクを塗布または印刷することが可能である。白色インクは一面にのみ塗布または印刷することが可能であるし、両面とも塗布または印刷することが可能である。
白色インクの上に記録面を印刷する場合においては、白色インクが概ね乾燥したあと記録面の印刷を行うことが好ましい。
〔白色インク組成物〕
上記白色インク組成物は、白色有機顔料として中空樹脂粒子を含有している。この中空樹脂粒子は、その内部に空洞を有しており、その外殻が液体透過性を有する樹脂から形成されている。したがって、該中空樹脂粒子が水性インク組成物中に存在する場合には、内部の空洞は水性媒質で満たされることになる。水性媒質で満たされた粒子は、外部の水性媒質とほぼ等しい比重を有するため、水性インク組成物中で沈降することなく分散安定性を保つことができる。これにより、白色インク組成物の貯蔵安定性や吐出安定性を高めることができる。
上記白色インク組成物は、白色有機顔料として中空樹脂粒子を含有している。この中空樹脂粒子は、その内部に空洞を有しており、その外殻が液体透過性を有する樹脂から形成されている。したがって、該中空樹脂粒子が水性インク組成物中に存在する場合には、内部の空洞は水性媒質で満たされることになる。水性媒質で満たされた粒子は、外部の水性媒質とほぼ等しい比重を有するため、水性インク組成物中で沈降することなく分散安定性を保つことができる。これにより、白色インク組成物の貯蔵安定性や吐出安定性を高めることができる。
上記白色インク組成物を、紙その他の記録媒体上に吐出させると、粒子の内部の水性媒質が乾燥時に抜けることにより空洞となる。粒子が内部に空気を含有することにより、粒子は屈折率の異なる樹脂層および空気層を形成し、入射光を効果的に散乱させるため、白色を呈することができる。
上記中空樹脂粒子は、特に限定されるものではなく、公知のものを用いることができる。例えば、米国特許第4880465号明細書や特許第3562754号公報などの明細書に記載されている中空樹脂粒子を好ましく用いることができる。
中空樹脂粒子の平均粒子径(外径)は、好ましくは0.2μm〜1.0μmであり、より好ましくは0.4μm〜0.8μmである。外径が1.0μmを超えると、粒子が沈降するなどして分散安定性を損なうことがあり、またインクジェット式記録ヘッドの目詰まりなど信頼性を損なうことがある。一方、外径が0.2μm未満であると、白色度が不足する傾向にある。また、内径は、0.1μm〜0.8μm程度が適当である。
中空樹脂粒子の平均粒子径は、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により測定することができる。レーザー回折式粒度分布測定装置として、例えば、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計(例えば、「マイクロトラックUPA」日機装社製)を用いることができる。
上記中空樹脂粒子の含有量(固形分)は、白色インク組成物の全重量に対して、好ましくは5重量%〜20重量%であり、より好ましくは8重量%〜15重量%である。中空樹脂粒子の含有量(固形分)が20重量%を超えると、インクジェット式記録ヘッドの目詰まりなど信頼性を損なうことがある。一方、5重量%未満であると、白色度が不足する傾向にある。
上記中空樹脂粒子の調製方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法を適用することができる。中空樹脂粒子の調製方法として、例えば、ビニルモノマー、界面活性剤、重合開始剤、および水系分散媒を窒素雰囲気下で加熱しながら撹拌することにより中空樹脂粒子エマルジョンを形成する、いわゆる乳化重合法を適用することができる。
ビニルモノマーとしては、非イオン性モノエチレン不飽和モノマーが挙げられ、例えば、スチレン、ビニルトルエン、エチレン、ビニルアセテート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、ビニルモノマーとして、二官能性ビニルモノマーを用いることもできる。二官能性ビニルモノマーとして、例えば、ジビニルベンゼン、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタン−ジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどが挙げられる。上記単官能性ビニルモノマーと上記二官能性ビニルモノマーとを共重合させて高度に架橋することにより、光散乱特性だけでなく、耐熱性、耐溶剤性、溶剤分散性などの特性を備えた中空樹脂粒子を得ることができる。
界面活性剤としては、水中でミセルなどの分子集合体を形成するものであればよく、例えば、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。
重合開始剤としては、水に可溶な公知の化合物を用いることができ、例えば、過酸化水素、過硫酸カリウムなどが挙げられる。
また、本発明に用いられる白色インクは、前記中空樹脂粒子とともにカール防止剤を含んでなることを特徴とする。
カール防止剤は、例えばグリシンベタイン、γ−ブチロベタイン、ホマリン、トリゴネリン、β−アラニンベタイン、カルニチン、アトリニン、ホモセリンベタイン、アントプレウリン、バリンベタイン、リジンベタイン、オルニチンベタイン、アラニンベタイン、タウロベタイン、スタキドリン、グルタミン酸ベタイン、フェニルアラニンベタイン等のアミノ酸のN−トリアルキル置換体であるベタイン類、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、ソルビトール、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、還元澱粉糖化物等の糖類、糖アルコール類、ヒアルロン酸類、尿素類等が挙げられ、これらのうち、特にグリシンベタイン、ソルビトール、4糖以上の糖類比率が高い還元澱粉糖化物が好ましく、上記グリシンベタインとしてアミノコート(旭化成ケミカルズ社製)、上記還元澱粉糖化物としてHS−20(林原社製)等の市販品を使用することもできる。
白色インクが含む水系分散媒としては、例えば、水、水溶性有機溶媒を含有する水などが挙げられる。かかる水溶性有機溶剤は1種又は2種以上を用いることができ、インクの適正な物性値(粘度等)の確保、信頼性の確保という観点で、インク中に5重量%〜50重量%含まれることが好ましい。
また、上記白色インク組成物にはインクジェットヘッドのノズル近傍での目詰まりを防止やインクの記録媒体への浸透性や滲みを適度に制御したり、インクの乾燥性を付与するする目的で、水溶性有機溶剤を含有することが好ましい。具体的には、例えば、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレンフリコール、ジプロピレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール等の多価アルコール類、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホラン等があげられる。特に、インクの記録媒体への浸透性や滲みを適度に制御したり、インクの乾燥性を付与するために、1,2−アルカンジオール及び/またはグリコールエーテルを含有することが好ましい。1,2−アルカンジオールの具体的な例としては、1,2−オクタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール等があげられる。また、グリコールエーテルの具体的な例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル等があげられる。これらの水溶性有機溶剤は1種又は2種以上を用いることができ、インクの適正な物性値(粘度等)の確保、印刷品質、信頼性の確保という観点で、インク中に5重量%〜50重量%含まれることが好ましい。
さらに、白色インクの記録媒体への濡れ性を制御し、記録媒体への浸透性やインクジェット記録方法における印字安定性を得るために表面張力調整剤を含有することが好ましい。表面張力調整剤としては、アセチレングリコール系界面活性剤やポリエーテル変性シロキサン類が好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤の例としては、サーフィノール420、440、465、485、104、STG(エアプロダクツ社製)、オルフィンPD−001、SPC、E1004、E1010(日信化学工業社製)、アセチレノールE00、E40、E100、LH(川研ファインケミカル社製)等が挙げられる。またポリエーテル変性シロキサン類としては、BYK−346、347、348、UV3530(ビックケミー社製)などが挙げられる。これらは、インク組成物中に複数種用いてもよく、表面張力20mN/m〜40mN/mに調整されることが好ましく、インク中には0.1重量%〜3.0重量%含まれることが好ましい。
また、白色インクの記録媒体への定着性を向上させるために、バインダーとなる樹脂を添加することが好ましい。バインダー樹脂は、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリルアミド系樹脂、エポキシ系樹脂からなる群より選択される1種または2種以上であることが好ましい。これらの樹脂はホモポリマーとして使用されても良く、またコポリマーして使用されても良く、単相構造及び複相構造(コアシェル型)のいずれのものも使用できる。インクには、水溶性基を付与した水溶性樹脂の形態、あるいは樹脂微粒子としてエマルジョン化した形態で用いることが好ましく、インク中には固形分として、0.1重量%〜5重量%含まれることが好ましい。
さらに、上記白色インク組成物には、pH調整剤を含有することが好ましい。pH調整剤としては、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物、アンモニア、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン等のアミン類等を用いることが出来るが、好ましくは、アルカリ金属の水酸化物、アンモニア、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミンから選択される少なくとも1種類のpH調整剤を含み、pH6〜10に調整されることが好ましい。pHがこの範囲を外れると、インクジェットプリンターを構成する材料等に悪影響を与えたり、目詰まり回復性が劣化する。
また、必要に応じて、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐・防カビ剤等を添加することも出来る。
〔インク組成物〕
本発明で用いるインク組成物は、記録媒体の記録面への画像の形成(記録)に用いる。例えば、カラーインク組成物、黒色インク組成物、又は灰色インク組成物を用いることができる。また、カラーインク組成物としては、例えば、シアンインク組成物、マゼンタインク組成物、イエローインク組成物、あるいはライトシアンインク組成物、ライトマゼンタインク組成物、更には、レッドインク組成物、グリーンインク組成物、又はブルーインク組成物、バイオレットインク組成物等を挙げることができる。本発明で用いるインク組成物は、前記の各種インク組成物を1種又は2種以上の組合せで用いることができる。
本発明で用いるインク組成物は、記録媒体の記録面への画像の形成(記録)に用いる。例えば、カラーインク組成物、黒色インク組成物、又は灰色インク組成物を用いることができる。また、カラーインク組成物としては、例えば、シアンインク組成物、マゼンタインク組成物、イエローインク組成物、あるいはライトシアンインク組成物、ライトマゼンタインク組成物、更には、レッドインク組成物、グリーンインク組成物、又はブルーインク組成物、バイオレットインク組成物等を挙げることができる。本発明で用いるインク組成物は、前記の各種インク組成物を1種又は2種以上の組合せで用いることができる。
また、上記インク組成物としては、画像形成方法において通常使用されている任意のインク組成物を用いることができ、着色剤成分として染料又は顔料を含有する水系インク組成物を用いることが好ましい。
また、インク組成物に含まれるその他の成分としては、白色インク組成物の成分として言及した水溶性有機溶剤、表面張力調整剤等を用いることができる。
次に、本発明の実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(白色インクの調製)
表1に示す配合量で、各成分を混合攪拌し、孔径5μmの金属フィルターにてろ過、真空ポンプを用いて脱気処理をして、白色インク1〜6を調製した。尚、単位は重量%である。
表1に示す配合量で、各成分を混合攪拌し、孔径5μmの金属フィルターにてろ過、真空ポンプを用いて脱気処理をして、白色インク1〜6を調製した。尚、単位は重量%である。
〔印刷方法〕
(実施例1)
記録媒体の記録面とは反対面にインク1をインクジェットプリンターPX−B500(セイコーエプソン株式会社製)の専用カートリッジのブラックインク室に充填し、以下の量印刷した。
(A)1mg/inch2(記録面の印刷量に対して20重量%)
(B)2.5mg/inch2(記録面の印刷量に対して50重量%)
(C)5mg/inch2(記録面の印刷量に対して100重量%)
(D)7.5mg/inch2(記録面の印刷量に対して150重量%)
(E)10mg/inch2(記録面の印刷量に対して200重量%)
その後、記録面にインクジェットプリンターPX−B500(セイコーエプソン株式会社製)を用いて幅8inch、長さ10inchのマゼンタベタ画像を、5mg/inch2の密度で印刷し、後述の評価方法の(1)カール評価、(2)裏抜け評価により評価した。また、インク1を、後述の評価方法の(3)インク安定性評価により評価した。
(実施例1)
記録媒体の記録面とは反対面にインク1をインクジェットプリンターPX−B500(セイコーエプソン株式会社製)の専用カートリッジのブラックインク室に充填し、以下の量印刷した。
(A)1mg/inch2(記録面の印刷量に対して20重量%)
(B)2.5mg/inch2(記録面の印刷量に対して50重量%)
(C)5mg/inch2(記録面の印刷量に対して100重量%)
(D)7.5mg/inch2(記録面の印刷量に対して150重量%)
(E)10mg/inch2(記録面の印刷量に対して200重量%)
その後、記録面にインクジェットプリンターPX−B500(セイコーエプソン株式会社製)を用いて幅8inch、長さ10inchのマゼンタベタ画像を、5mg/inch2の密度で印刷し、後述の評価方法の(1)カール評価、(2)裏抜け評価により評価した。また、インク1を、後述の評価方法の(3)インク安定性評価により評価した。
また、表2の実施例1に示した0重量%の結果は、記録面とは反対面にインクを印刷せずに、上記の方法によりマゼンタベタ画像の印刷および後述の評価方法の(1)カール評価、(2)裏抜け評価により評価した結果を表す。
(実施例2)
実施例1において、インク1の代わりにインク2を用いた以外は実施例1と同様にして印刷および評価を行った。
実施例1において、インク1の代わりにインク2を用いた以外は実施例1と同様にして印刷および評価を行った。
(実施例3)
実施例1において、インク1の代わりにインク3を用いた以外は実施例1と同様にして印刷および評価を行った。
実施例1において、インク1の代わりにインク3を用いた以外は実施例1と同様にして印刷および評価を行った。
(比較例1)
実施例1において、インク1の代わりにインク4を用いた以外は実施例1と同様にして印刷および評価を行った。
実施例1において、インク1の代わりにインク4を用いた以外は実施例1と同様にして印刷および評価を行った。
(比較例2)
実施例1において、インク1の代わりにインク5を用いた以外は実施例1と同様にして印刷および評価を行った。
実施例1において、インク1の代わりにインク5を用いた以外は実施例1と同様にして印刷および評価を行った。
(比較例3)
実施例1において、インク1の代わりにインク6を用いた以外は実施例1と同様にして印刷および評価を行った。
実施例1において、インク1の代わりにインク6を用いた以外は実施例1と同様にして印刷および評価を行った。
評価方法
(1)カール評価
印刷後、25℃50%RH条件で1日乾燥した後の4辺の高さの平均を測定し、以下の基準で評価を行った。
A:カールは観測されない
B:1cm以下
C:1cm〜3cm
D:3cm以上
評価結果は表2の通りであった。
(1)カール評価
印刷後、25℃50%RH条件で1日乾燥した後の4辺の高さの平均を測定し、以下の基準で評価を行った。
A:カールは観測されない
B:1cm以下
C:1cm〜3cm
D:3cm以上
評価結果は表2の通りであった。
(2)裏抜け評価
裏から目視し、インクの透け具合(裏抜け)を以下の基準で評価を行った。
A:裏抜けは観測されない。
B:裏抜けがほとんどなく、印字画像も見えない。
C:裏抜けは若干あるが、印字画像は見えない。
D:裏抜けがあり、印字画像が透けて見える。
評価結果は表2の通りであった。
裏から目視し、インクの透け具合(裏抜け)を以下の基準で評価を行った。
A:裏抜けは観測されない。
B:裏抜けがほとんどなく、印字画像も見えない。
C:裏抜けは若干あるが、印字画像は見えない。
D:裏抜けがあり、印字画像が透けて見える。
評価結果は表2の通りであった。
(3)インク安定性評価
インク1〜4およびインク6を20℃の恒温室内に1週間放置し、その上澄み液4gを精秤した後、1Lメスフラスコで希釈した。さらにこの希釈液を5mLホールピペットに計り取り、100mLメスフラスコで希釈した。この液の500nm波長における吸光度W1、及び放置前の上記インク組成物を同様に希釈したときの吸光度W0を測定し、下記計算式により沈降率Sを算出した。
インク1〜4およびインク6を20℃の恒温室内に1週間放置し、その上澄み液4gを精秤した後、1Lメスフラスコで希釈した。さらにこの希釈液を5mLホールピペットに計り取り、100mLメスフラスコで希釈した。この液の500nm波長における吸光度W1、及び放置前の上記インク組成物を同様に希釈したときの吸光度W0を測定し、下記計算式により沈降率Sを算出した。
沈降率S(%)=〔1−(吸光度W1)/(吸光度W0)〕×100
そして、算出した沈降率S(%)につき、下記の評価基準に基づいてインク安定性を評価した。
A:10%未満
B:10%〜30%
C:30%以上
評価結果は表2の通りであった。
そして、算出した沈降率S(%)につき、下記の評価基準に基づいてインク安定性を評価した。
A:10%未満
B:10%〜30%
C:30%以上
評価結果は表2の通りであった。
実施例1〜実施例3の結果より、中空樹脂粒子およびカール防止剤を添加した白色インクを、記録面の裏面に印刷することで、カール及び裏抜けいずれも抑制できることが分かる。かかる白色インクの印刷量が、インク組成物の印刷量の50重量%〜150重量%である場合は、上記効果が特に顕著である。また、記録面とは反対面に何も印刷しない場合はカールおよび裏抜けの程度が悪いことが分かる。
比較例1の結果より、中空樹脂粒子を添加してもカール防止剤を添加しない場合には、裏抜けは抑制できてもカール抑制効果が小さく、記録面に要するインク量の100重量%、裏面に印刷するときのみ、カール及び裏抜けいずれも抑制できることが分かる。
比較例2の結果より、カール防止剤を添加しても中空樹脂粒子を添加しない場合には、カールは抑制できても裏抜けは抑制できないことが分かる。
比較例3の結果より、酸化チタン粒子およびカール防止剤を添加した場合において、実施例1〜3と同等のカールおよび裏抜け抑制効果があるが、インクの安定性が悪いことが分かる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
本発明に係る画像形成方法によれば、種々の記録媒体に対して優れたカール適性、裏抜け耐性、両面印刷適性を有する記録物を得ることができる。
Claims (3)
- 記録媒体の記録面にインク組成物を塗布または印刷する工程と、
当該記録媒体の記録面とは反対面に中空樹脂粒子とカール防止剤と水とを含んでなる白色インク組成物を塗布または印刷する工程と、
を少なくとも有することを特徴とする画像形成方法。 - 前記白色インクの塗布または印刷に要する量が、前記インク組成物の塗布または印刷に要する量の50重量%〜150重量%であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
- 請求項1又は請求項2に記載の画像形成方法によって形成されることを特徴とする記録物。
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