JP2010221533A - インクジェット記録方法およびこれを用いた記録物 - Google Patents

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Abstract

【課題】種々の記録媒体に対して高い印字濃度を有し、優れたブリード適性、裏抜け耐性、両面印刷適性を有し、印字媒体の地色に左右されないインクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】記録媒体に、中空樹脂粒子を含んでなる白色インク組成物と、着色剤を含んでなるインク組成物とを付着させて印字を行うインクジェット記録方法であって、上記白色インク組成物と上記インク組成物とが接触することにより凝集を引き起こすことを特徴とするインクジェット記録方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、画像形成方法およびこれを用いた記録物に関する。さらに詳しくは、ブリード抑制、発色性向上、裏抜け抑制に優れ、記録媒体の地色に影響されないインクジェット記録方法およびこれを用いた記録物に関する。
インクジェット記録方式は、インクジェットヘッドからインクの小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に着弾させて印刷を行う印刷方法である。近年のインクジェット記録技術の革新的な進歩により、これまで写真やオフセット印刷の分野であった高精細な画像記録(印刷)にもインクジェット記録方法を用いられるようになってきており、一般に用いられるコピー用紙などの普通紙やインクジェット記録用の専用紙(マット系、光沢系)に対してのみならず、印刷用コート紙(塗工紙、印刷本紙ともいう)等の記録媒体にも高品質な記録が求められてきている。
インクジェット記録における技術課題として、ブリード(複数の異なる色のインクを被記録媒体上で重ねたり、或いは隣接するように付与する場合に、互いに隣接した異色領域の境界で色が滲んだり、不均一に混ざりあってしまう現象)の発生や、裏抜け(印字したインクが記録媒体を通過し、裏面に画像が映る現象)による印刷品質の劣化や両面印刷適性の低下の発生が挙げられる。また、さらなる高画質の要求からインクジェット記録画像の印字濃度を高めることも求められている。
また、再生紙や官製はがき等の黄ばんだ白色の記録媒体や、有色紙などの白色ではない記録媒体においては、記録媒体の地色により本来とは異なる色彩になってしまうといった問題がある。
上記ブリードの発生防止や印字濃度を向上するために、記録面の印刷前に多価金属塩を含む反応液を印刷する方法(例えば、特許文献1)などが提案されている。記録媒体の地色に左右されない印刷をするために、記録面に酸化チタンを含む白色インクを下塗りする方法(例えば、特許文献2)が提案されている。
特開平9−207424号公報 特開2002−38063号公報
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、種々の記録媒体に対して高い印字濃度を有し、優れたブリード適性、裏抜け耐性、両面印刷適性を有し、印字媒体の地色に左右されないインクジェット記録方法およびこれを用いた記録物を提供することにある。
本発明に係るインクジェット記録方法は、記録媒体の記録面に中空樹脂粒子を含む白色インク組成物を付与した後にインク組成物を印刷し、その白色インク組成物とインク組成物とが接触することで凝集を引き起こすことにより、上記課題を解決するものである。
本発明は、かかる知見に基づくものであり、本発明の構成は以下の通りである。
(1)記録媒体に、中空樹脂粒子を含んでなる白色インク組成物と、着色剤を含んでなるインク組成物とを付着させて印字を行うインクジェット記録方法であって、上記白色インク組成物と上記インク組成物とが接触することにより凝集を引き起こすことを特徴とするインクジェット記録方法。
(2)前記白色インク組成物と前記インク組成物との液性が逆極性であることを特徴とする上記(1)に記載のインクジェット記録方法。
(3)前記白色インク組成物がさらに反応剤を含んでなり、かつ前記インク組成物が当該反応剤と反応する化合物をさらに含んでなることを特徴とする上記(1)に記載のインクジェット記録方法。
(4)前記反応剤が、多価金属塩および/またはポリアリルアミン若しくはその誘導体である、上記(3)に記載のインクジェット記録方法。
(5)前記白色インク組成物を付着させた後に、前記インク組成物を付着させて印刷を行う、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
(6)前記白色インク組成物を記録媒体の画像形成領域にのみ付着させて印字を行うことを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載のインクジェット記録方法によって記録された記録物。
〔インクジェット記録方法〕
本発明のインクジェット記録方法は、画像を形成する記録媒体の記録面に、中空樹脂粒子を含んでなる白色インク組成物と、着色剤を含んでなるインク組成物とを付着させて印字を行うインクジェット記録方法であって、上記白色インク組成物と上記インク組成物とが接触することにより凝集を引き起こすことを特徴とする。
白色インク組成物とインク組成物を記録媒体に適用する順序としては、いずれが先であってもよく、すなわち白色インク組成物を記録媒体に付着させその後この記録媒体にインク組成物を付着させる方法、インク組成物を印字した後白色インク組成物を付着させる方法、さらに白色インク組成物とインク組成物をその射出直前または直後に混合する方法のいずれも行うことができるが、白色インク組成物を記録媒体に付着させその後この記録媒体にインク組成物を付着させる方法が好適である。白色インクの付着は印刷の前10分以内であることが好ましく、より好ましくは印刷の前5分以内である。
本発明のインクジェット記録方法にあっては、白色インク組成物とインク組成物とが接触することで良好な印字が実現できる。
第一の態様は、白色インク組成物とインク組成物との液性が逆極性であることにより、両者が接触して凝集を引き起こすというものである。すなわち、白色インク組成物が酸性でインク組成物が塩基性である場合、白色インク組成物が塩基性でインク組成物が酸性である場合の双方が可能である。本発明においては、白色インク組成物およびインク組成物を各々略1対1の重量比で混合したときの混合液のpHが、少なくともインク組成物中の着色剤その他の成分の凝集を引き起こすpHとなるように調整されていることが好ましい。
このpHの調整には特に限定はなく、例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物、アンモニア、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン等のアミン類等;塩酸、硝酸、硫酸、燐酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸、乳酸、クエン酸、マレイン酸、マロン酸等を使用することができる。
一般的にインク組成物は塩基性を示すものが多いことから、白色インク組成物は酸性であることが好ましく、具体的にはpHが2〜7であることが好ましい。さらに好ましくはpHが3〜6である。
第二の態様は、前記白色インク組成物がさらに反応剤を含んでなり、かつ前記インク組成物が当該反応剤と反応する化合物をさらに含んでなることにより、両者が接触して凝集を引き起こすというものである。
白色インク組成物とインク組成物とが接触すると、白色インク組成物中の反応剤がインク組成物中の当該反応剤と反応する化合物の分散状態を破壊し、それを凝集させると考えられる。すなわち、白色インク組成物とインク組成物とが接触すると、白色インク組成物中の反応剤がインク組成物中の着色剤その他の成分の分散状態を破壊し、それを凝集させると考えられる。
反応剤としては、多価金属イオンまたはポリアリルアミン若しくはその誘導体が好適に挙げられる。多価金属塩は、二価以上の多価金属イオンとこれら多価金属イオンに結合する陰イオンとから構成され、水に可溶なものである。多価金属イオンの具体例としては、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+、Ba2+などの二価金属イオンAl3+、Fe3+、Cr3+などの三価金属イオンがあげられる。陰イオンとしては、Cl-、NO3-、I-、Br-、ClO3-よびCH3COO-などが挙げられる。ポリアリルアミンまたはポリアリルアミン誘導体は水に可溶で、水中でプラスに荷電するカチオン系高分子である。例えば、式(1)、式(2)、および式(3)が挙げられる。
Figure 2010221533
これら以外にもアリルアミンとジアリルアミンが共重合したポリマーやジアリルメチルアンモニウムクロライドと二酸化硫黄との共重合体を使用することもできる。
白色インク組成物とインク組成物とが接触すると、白色インク組成物中の多価金属イオンまたはポリアリルアミン若しくはその誘導体がインク組成物中の着色剤その他の成分の分散状態を破壊し、それを凝集させると考えられる。つまり、白色インク組成物中の多価金属イオンまたはポリアリルアミン若しくはその誘導体と、インク組成物中の当該反応剤と反応する化合物とが反応し、凝集物を形成するものと考えられる。これらの凝集物が着色剤の記録媒体への浸透を抑制すると考えられる。これによって、色濃度の高い、にじみの少ない画像を実現するものと考えられる。また、カラー画像においては、異なる色の境界領域での不均一な色混じり、すなわちカラーブリードを有効に防止できるとの利点も有する。
上述した白色インク組成物とインク組成物との接触により凝集が発生することで、両インク組成物の流動性や浸透性が抑制され、ブリードの抑制、発色性の向上、裏抜けの抑制が可能となり、また白色インクに含まれる中空樹脂粒子により、色が遮蔽できるため裏抜けは抑制でき、白色ではない記録媒体の地色の影響を小さくすることが可能となる。
なお、以上の機構はあくまで仮定であって、本発明はこの機構に限定して解釈されるものではない。
また、白色インク組成物の記録媒体への付着に関しては、インク組成物を付着させる場所にのみ選択的に反応液を付着させるという方法と、紙面全体に反応液を付着させる方法のいずれの態様であってもよい。前者が反応液の消費量を必要最小限に抑えることができ経済的であるが、反応液とインク組成物双方を付着させる位置にある程度の精度が要求される。インクジェット記録方法を採用することにより、かかる精度は担保される。一方、後者は、前者に比べ反応液およびインク組成物の付着位置の精度の要求は緩和されるが、紙面全体に大量の反応液を付着させることとなり、乾燥の際、紙がカールしやすい。従って、いずれの方法を採用するかは、インク組成物と白色インク組成物との組み合わせを考慮して決定されてよい。前者の方法を採用する場合、白色インク組成物の付着は、インクジェット記録方法によることが可能である。
また、白色インクを記録媒体の記録面に付与する方法は、例えば塗布ローラー、バーコーターを用いた塗布や、インクジェットプリンターを用いた印刷により可能であるが、インク重量の制御やパターン形成の簡易さから、更には白色インクの付与量が多いとカールが引き起こされる可能性があることから、前者の方法が好ましい。
前記白色インクの付与量は、好ましくはインク量の50重量%〜150重量%、より好ましくは80重量%〜120重量%である。
上記インク記録方法は両面印刷にも適応が可能である。白色インク組成物はインク組成物よりも前に付与されればよく、先に白色インクを両面とも付与してもいいし、記録面の印刷直前に付与してもよい。
〔白色インク組成物〕
上記白色インク組成物は、白色有機顔料として中空樹脂粒子を含有している。この中空樹脂粒子は、その内部に空洞を有しており、その外殻が液体透過性を有する樹脂から形成されている。したがって、該中空樹脂粒子が水性インク組成物中に存在する場合には、内部の空洞は水性媒質で満たされることになる。水性媒質で満たされた粒子は、外部の水性媒質とほぼ等しい比重を有するため、水性インク組成物中で沈降することなく分散安定性を保つことができる。これにより、白色インク組成物の貯蔵安定性や吐出安定性を高めることができる。
上記白色インク組成物を、紙その他の記録媒体上に吐出させると、粒子の内部の水性媒質が乾燥時に抜けることにより空洞となる。粒子が内部に空気を含有することにより、粒子は屈折率の異なる樹脂層および空気層を形成し、入射光を効果的に散乱させるため、白色を呈することができる。
上記中空樹脂粒子は、特に限定されるものではなく、公知のものを用いることができる。例えば、米国特許第4880465号明細書や特許第3562754号公報などの明細書に記載されている中空樹脂粒子を好ましく用いることができる。
中空樹脂粒子の平均粒子径(外径)は、好ましくは0.2μm〜1.0μmであり、より好ましくは0.4μm〜0.8μmである。外径が1.0μmを超えると、粒子が沈降するなどして分散安定性を損なうことがあり、またインクジェット式記録ヘッドの目詰まりなど信頼性を損なうことがある。一方、外径が0.2μm未満であると、白色度が不足する傾向にある。また、内径は、0.1μm〜0.8μm程度が適当である。
中空樹脂粒子の平均粒子径は、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により測定することができる。レーザー回折式粒度分布測定装置として、例えば、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計(例えば、「マイクロトラックUPA」日機装社製)を用いることができる。
上記中空樹脂粒子の含有量(固形分)は、インク組成物の全重量に対して、好ましくは5重量%〜20重量%であり、より好ましくは8重量%〜15重量%である。中空樹脂粒子の含有量(固形分)が20重量%を超えると、インクジェット式記録ヘッドの目詰まりなど信頼性を損なうことがある。一方、5重量%未満であると、白色度が不足する傾向にある。
上記中空樹脂粒子の調製方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法を適用することができる。中空樹脂粒子の調製方法として、例えば、ビニルモノマー、界面活性剤、重合開始剤、および水系分散媒を窒素雰囲気下で加熱しながら撹拌することにより中空樹脂粒子エマルジョンを形成する、いわゆる乳化重合法を適用することができる。
ビニルモノマーとしては、非イオン性モノエチレン不飽和モノマーが挙げられ、例えば、スチレン、ビニルトルエン、エチレン、ビニルアセテート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、ビニルモノマーとして、二官能性ビニルモノマーを用いることもできる。二官能性ビニルモノマーとして、例えば、ジビニルベンゼン、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタン−ジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどが挙げられる。上記単官能性ビニルモノマーと上記二官能性ビニルモノマーとを共重合させて高度に架橋することにより、光散乱特性だけでなく、耐熱性、耐溶剤性、溶剤分散性などの特性を備えた中空樹脂粒子を得ることができる。
界面活性剤としては、水中でミセルなどの分子集合体を形成するものであればよく、例えば、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。
重合開始剤としては、水に可溶な公知の化合物を用いることができ、例えば、過酸化水素、過硫酸カリウムなどが挙げられる。
水系分散媒としては、例えば、水、親水性有機溶媒を含有する水などが挙げられる。
また、白色インク組成物は、後述するインク組成物と接触して凝集を引き起こすものであり、着色剤を含む酸性若しくは塩基性の水性インクと逆の極性を有する。本発明では、白色インク及びインク組成物が、各々略1対1の重量比で混合したときの混合液のpHが、少なくともインク組成物中の色材の凝集を引き起こすpHとなるように調整されている。
このpHの調整には特に限定はなく、例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物、アンモニア、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン等のアミン類等;塩酸、硝酸、硫酸、燐酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸、乳酸、クエン酸、マレイン酸、マロン酸等を使用することができる。
また、上記白色インク組成物にはインクジェットヘッドのノズル近傍での目詰まりを防止やインクの記録媒体への浸透性や滲みを適度に制御したり、インクの乾燥性を付与するする目的で、水溶性有機溶剤を含有することが好ましい。具体的には、例えば、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレンフリコール、ジプロピレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール等の多価アルコール類、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホラン等があげられる。特に、インクの記録媒体への浸透性や滲みを適度に制御したり、インクの乾燥性を付与するために、1,2−アルカンジオール及び/またはグリコールエーテルを含有することが好ましい。1,2−アルカンジオールの具体的な例としては、1,2−オクタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール等があげられる。また、グリコールエーテルの具体的な例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル等があげられる。これらの水溶性有機溶剤は1種又は2種以上を用いることができ、インクの適正な物性値(粘度等)の確保、印刷品質、信頼性の確保という観点で、インク中に5重量%〜50重量%含まれることが好ましい。
さらに、インクの記録媒体への濡れ性を制御し、記録媒体への浸透性やインクジェット記録方法における印字安定性を得るために表面張力調整剤を含有することが好ましい。表面張力調整剤としては、アセチレングリコール系界面活性剤やポリエーテル変性シロキサン類が好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤の例としては、サーフィノール420、440、465、485、104、STG(エアープロダクツ社製)、オルフィンPD−001、SPC、E1004、E1010(日信化学工業社製)、アセチレノールE00、E40、E100、LH(川研ファインケミカル社製)等が挙げられる。またポリエーテル変性シロキサン類としては、BYK−346、347、348、UV3530(ビックケミー社製)などが挙げられる。これらは、インク組成物中に複数種用いてもよく、表面張力20mN/m〜40mN/mに調整されることが好ましく、インク中には0.1重量%〜3.0重量%含まれることが好ましい。
また、インクの記録媒体への定着性を向上させるために、バインダーとなる樹脂を添加することが好ましい。バインダー樹脂は、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリルアミド系樹脂、エポキシ系樹脂からなる群より選択される1種または2種以上であることが好ましい。これらの樹脂はホモポリマーとして使用されても良く、またコポリマーして使用されても良く、単相構造及び複相構造(コアシェル型)のいずれのものも使用できる。インクには、水溶性基を付与した水溶性樹脂の形態、あるいは樹脂微粒子としてエマルジョン化した形態で用いることが好ましく、インク中には固形分として、0.1重量%〜5重量%含まれることが好ましい。
さらに、上記白色インク組成物は、記録面の記録に用いるインク組成物と反応を起こすためにpHを調整する必要がある。前記インク組成物と逆の極性であれば酸性でも塩基性でも問題は無いが、一般的にインク組成物は塩基性を示すものが多いことから、白色インク組成物はそれらのインクと反応するために酸性であることが好ましく、具体的にはpHが2〜7であることが好ましい。さらに好ましくはpHが3〜6である。
pH調整剤としては、例えば水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物、アンモニア、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン等のアミン類等、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸、乳酸、クエン酸、マレイン酸、マロン酸等を使用することができる。
また、必要に応じて、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐・防カビ剤等を添加することも出来る。
〔インク組成物〕
インク組成物は、先述した白色インク組成物と接触して凝集を引き起こすものであり、中空樹脂粒子を含む酸性若しくは塩基性の白色インクと逆の極性を有する。本発明では、白色インク及びインク組成物が、各々略1対1の重量比で混合したときの混合液のpHが、少なくともインク組成物中の色材の凝集を引き起こすpHとなるように調整されていることが好ましい。
このpHの調整には特に限定はなく、例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物、アンモニア、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン等のアミン類等;塩酸、硝酸、硫酸、燐酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸、乳酸、クエン酸、マレイン酸、マロン酸等を使用することができる。
また、インク組成物は、前記白色インク組成物が含んでなる反応剤と反応する化合物を含んでなることが好ましい。
また、本発明に用いられるインク組成物が含む着色剤としては、「染料便覧」(出版元;丸善株式会社)等に記載の既存の染料、顔料を用いることができる。
染料としては、特にその種類を限定することなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、塩基性染料が使用できる。例えば、C.I.アシッドイエロー17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー9,45,249、C.I.アシッドブラック1,2,24,94、C.I.フードブラック1,2、C.I.ダイレクトイエロー1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック19、38、51、71、154、168、171、195、C.I.リアクティブレッド14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック3、4、35等を用いることができる。
また、顔料は、染料に比べて耐水性等の耐候性が優れるとともに、特に普通紙などインクが浸透しやすい記録媒体において、染料はインクとともに浸透する傾向にあるが、顔料は記録媒体表面に留まり易いため、裏抜けしにくく、高発色を得やすいという利点があり、着色剤としてより好ましい。その点で、公知の無機顔料及び有機顔料のいずれも用いることができ、カラーインデックスに記載されているピグメントイエロー、ピグメントレッド、ピグメントバイオレット、ピグメントブルー、ピグメントブラック等の顔料の他、フタロシアニン系、アゾ系、アントラキノン系、アゾメチン系、縮合環系等の顔料が例示できる。また、黄色4号、5号、205号、401号;橙色228号、405号;青色1号、404号等の有機顔料や、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化鉄、群青、紺青、酸化クローム等の無機顔料が挙げられる。例えば、C.I.ピグメントイエロー1,3,12,13,14,17,24,34,35,37,42,53,55,74,81,83,95,97,98,100,101,104,108,109,110,117,120,128,138,150,153,155,174,180,198、C.I.ピグメントレッド1,3,5,8,9,16,17,19,22,38,57:1,90,112,122,123,127、146,184、202、C.I.ピグメントバイオレッド1,3,5:1,16,19,23,38、C.I.ピグメントブルー1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,16、C.I.ピグメントブラック1,7等あり、複数の顔料を用いてインク組成物を形成することもできる。
これらの顔料は、高分子分散剤や界面活性剤などの分散剤とともに、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、高速攪拌型分散機などを用いて水性媒体中に分散させた顔料分散液として、または、顔料表面に分散性付与基(親水性官能基および/またはその塩)を直接またはアルキル基、アルキルエーテル基、アリール基等を介して間接的に結合させ、分散剤なしに水性媒体中に分散および/または溶解する自己分散型顔料として加工され、水性媒体中に分散させた顔料分散液として、インク組成物中に配合させることが好ましい。
分散剤の例としては、高分子分散剤として、にかわ、ゼラチン、サポニンなどの天然高分子化合物やポリビニルアルコール類、ポリピロリドン類、アクリル系樹脂類(ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体など)、スチレン−アクリル酸系樹脂類(スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−酢酸ビニル−アクリル酸共重合体など)、スチレン−マレイン酸系樹脂類、酢酸ビニル−脂肪酸ビニル−エチレン共重合体の樹脂類など及びこれらの塩などの合成高分子化合物があり、共重合体の構成はランダムタイプ、ブロックタイプ、グラフトタイプのいずれでもよい。
また、分散剤として用いられる界面活性剤は、脂肪酸塩類、高級アルキルジカルボン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩類、高級アルキルスルホン酸塩などのアニオン性界面活性剤、脂肪酸アミン塩、脂肪酸アンモニウム塩などのカチオン性界面活性剤、ポリオオキシアルキルエーテル類、ポリオキシアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類などのノニオン性界面活性剤などがある。
これらの分散剤の中で、特に水不溶性樹脂が好ましく、具体的には、疎水性基をもつモノマーと親水性基を持つモノマーとのブロック共重合体樹脂からなり、少なくとも塩生成基をもつモノマーを含有しているもので、中和後に25℃の水100gに対する溶解度が1g未満である樹脂をいう。疎水性基を持つモノマーは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類や酢酸ビニル等のビニルエステル類やアクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシアン化合物類、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、4−t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル単量体類などがあり、それぞれ単独あるいは2種類以上を混合して用いることもできる。親水性基を持つモノマーとしては、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタアクリレート、エチレングリコール・プロピレングリコールモノメタアクリレートなどがあり、それぞれ単独あるいは2種類以上を混合して用いることもできる。塩生成基をもつモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンカルボン酸、マレイン酸などがあり、それぞれ単独あるいは2種類以上を混合して用いることもできる。さらに、片末端に重合成官能基を有するスチレン系マクロモノマー、シリコーン系マクロモノマーなどのマクロモノマーやその他のモノマーを併用することもできる。
この水不溶性樹脂は、エチルアミン、トリメチルアミン等の3級アミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等のアルカリ中和剤で中和した塩として用いることが好ましく、重量平均分子量が10000〜150000程度のものが、顔料を安定的に分散させる点で好ましい。
さらに、分散剤なしに水に分散および/または溶解が可能な自己分散型顔料とは、例えば、顔料に物理的処理または化学的処理を施すことで、前記分散性付与基または前記分散性付与基を有する活性種を顔料の表面に結合(グラフト)させることによって製造される。前記物理的処理としては、例えば真空プラズマ処理等が例示できる。また前記化学的処理としては、例えば水中で酸化剤により顔料表面を酸化する湿式酸化法や、p−アミノ安息香酸を顔料表面に結合させることによりフェニル基を介してカルボキシル基を結合させる方法等が例示できる。自己分散型顔料を含有するインクは、通常の顔料を分散させるために含有させる前述のような分散剤を含む必要が無いため、分散剤に起因する消泡性の低下による発泡がほとんど無く吐出安定性に優れるインクが調製しやすい。また分散剤に起因する大幅な粘度上昇が抑えられるので、顔料をより多く含有することが可能となり印字濃度を十分に高めることが可能になる、等取り扱いが容易である等の利点があることから、特に高濃度を必要とするブラックインクは有効であり、本発明のインクセットに用いるブラックインクには、分散剤なしに水に分散および/または溶解が可能な自己分散型顔料が少なくとも含まれることが好ましい。
本発明においては、次亜ハロゲン酸及び/または次亜ハロゲン酸塩による酸化処理、またはオゾンによる酸化処理により表面処理される自己分散型顔料が、高発色という点で好ましい。また、前記自己分散型顔料としては市販品を利用することも可能であり、マイクロジェットCW−1(商品名;オリヱント化学工業社製)、CAB−O−JET200、CAB−O−JET300(以上商品名;キャボット社製)等が例示できる。
また、これらの顔料は、インクの保存安定性やノズルの目詰まり防止等の観点から、インク中での体積平均粒子径が50nm〜200nmの範囲であることが好ましい。これらの平均粒子径は、Microtrac UPA150(マイクロトラック社製)や粒度分布測定機LPA3100(大塚電子社製)等の粒径測定によって得ることができる。
これら顔料は2重量%〜15重量%の範囲で本発明のインク中に含有されることが好ましい。含有量が2重量%未満では印字濃度(発色性)が不充分である場合があり、また15重量%よりも大きいとノズルの目詰まりや、吐出の不安定を起こす等の信頼性に不具合が生じる場合がある。
また、本発明のインク組成物にはインクジェットヘッドのノズル近傍での目詰まりを防止やインクの記録媒体への浸透性や滲みを適度に制御したり、インクの乾燥性を付与するする目的で、水溶性有機溶剤を含有することが好ましい。具体的には、例えば、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレンフリコール、ジプロピレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール等の多価アルコール類、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホラン等があげられる。特に、インクの記録媒体への浸透性や滲みを適度に制御したり、インクの乾燥性を付与するために、1,2−アルカンジオール及び/またはグリコールエーテルを含有することが好ましい。1,2−アルカンジオールの具体的な例としては、1,2−オクタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール等があげられる。また、グリコールエーテルの具体的な例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル等があげられる。これらの水溶性有機溶剤は1種又は2種以上を用いることができ、インクの適正な物性値(粘度等)の確保、印刷品質、信頼性の確保という観点で、インク中に5重量%〜50重量%含まれることが好ましい。
さらに、インクの記録媒体への濡れ性を制御し、記録媒体への浸透性やインクジェット記録方法における印字安定性を得るために表面張力調整剤を含有することが好ましい。表面張力調整剤としては、アセチレングリコール系界面活性剤やポリエーテル変性シロキサン類が好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤の例としては、サーフィノール420、440、465、485、104、STG(エアープロダクツ社製)、オルフィンPD−001、SPC、E1004、E1010(日信化学工業社製)、アセチレノールE00、E40、E100、LH(川研ファインケミカル社製)等が挙げられる。またポリエーテル変性シロキサン類としては、BYK−346、347、348、UV3530(ビックケミー社製)などが挙げられる。これらは、インク組成物中に複数種用いてもよく、表面張力20mN/m〜40mN/mに調整されることが好ましく、インク中には0.1重量%〜3.0重量%含まれる。
また、インクの記録媒体への定着性を向上させるために、バインダーとなる樹脂を添加することが好ましい。バインダー樹脂は、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリルアミド系樹脂、エポキシ系樹脂からなる群より選択される1種または2種以上であることが好ましい。これらの樹脂はホモポリマーとして使用されても良く、またコポリマーして使用されても良く、単相構造及び複相構造(コアシェル型)のいずれのものも使用できる。インクには、水溶性基を付与した水溶性樹脂の形態、あるいは樹脂微粒子としてエマルジョン化した形態で用いることが好ましく、インク中には固形分として、0.1重量%〜5重量%含まれることが好ましい。
また、必要に応じて、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐・防カビ剤等を添加することも出来る。
次に、本発明の実施例等を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[白色インク組成物の調製]
表1に示す配合量で、各成分を混合攪拌し、孔径5μmの金属フィルターにてろ過、真空ポンプを用いて脱気処理をして、白色インク1〜5を調製した。尚、単位は重量%である。
Figure 2010221533
[着色剤分散液の調製]
(顔料分散液B)
市販のカーボンブラックであるカラーブラックS170(商品名:デグサ・ヒュルス社製)100gを水1kgに混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて粉砕した。この粉砕原液に次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度;12%)1400gを滴下して、ボールミルで粉砕しながら5時間反応させ、さらに攪拌しながら4時間煮沸して湿式酸化を行った。得られた分散原液をガラス繊維ろ紙GA−100(商品名:アドバンテック東洋社製)で濾過して、さらに水で洗浄した。得られたウェットケーキを水5kgに再分散して、逆浸透膜により電導度が2mS/cmになるまで脱塩および精製し、さらに顔料濃度が15重量%になるまで濃縮して顔料分散液Bを調製した。
(顔料分散液Y)
有機溶媒(メチルエチルケトン)20重量部、重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)0.03重量部、重合開始剤、表2に示す各モノマーを用い、窒素ガス置換を十分に行った反応容器内に入れて75℃攪拌下で重合し、モノマー成分100重量部に対してメチルエチルケトン40重量部に溶解した2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル0.9重量部を加え、80℃で1時間熟成させ、ポリマー溶液を得た。
Figure 2010221533
得られたポリマー溶液を減圧乾燥させて得られた5部をメチルエチルケトン15部に溶かし、水酸化ナトリウム水溶液を用いてポリマーを中和した。さらに、C.I.ピグメントイエロー74を15部加え、水を加えながら分散機で混練した。
得られた混練物にイオン交換水100部を加え攪拌した後、減圧下、60℃でメチルエチルケトンを除去し、さらに一部の水を除去することにより、固形分濃度が20重量%のイエロー顔料の水分散液Yを得た。
(顔料分散液M)
顔料分散液Yにおいて、C.I.ピグメントイエロー74の代わりにC.I.ピグメントレッド122を用いたい以外は顔料分散液Yと同様にして、顔料分散液Mを得た。
(顔料分散液C)
顔料分散液Yにおいて、C.I.ピグメントイエロー74の代わりにC.I.ピグメントブルー15:4を用いたい以外は顔料分散液Yと同様にして、顔料分散液Cを得た。
[各インクの調製]
表3に示す割合で各成分を混合し、室温にて2時間攪拌した後、孔径5μmのメンブランフィルターにて濾過して、各インクを調製した。ただし表3中に示す添加量は全て重量%濃度として表わされており、着色剤分散液の( )内の数字は着色剤の固形分濃度が表されている。
Figure 2010221533
〔インクジェット記録(印刷)方法〕
(実施例1)
記録面の画像形成部分に予めインク1を打ち込んだ後、
(A)再生紙に対してシアンとブラックのベタ画像を隣接して印刷した。
(B)インクジェット用記録紙、再生紙、官製はがき、有色紙に対してISO/JIS−SCID No.1画像を印刷し、後述の評価方法の(1)ブリード評価、(2)裏抜け評価、(3)発色性評価、(4)画質評価により評価した。また、インク1を、後述の評価方法の(5)インク安定性評価により評価した。
(実施例2)
実施例1において、インク1の代わりにインク2を用いた以外は実施例1と同様にして印刷および評価を行った。
(比較例1)
実施例1において、インク1の代わりにインク3を用いた以外は実施例1と同様にして印刷および評価を行った。
(比較例2)
実施例1において、インク1の代わりにインク4を用いた以外は実施例1と同様にして印刷および評価を行った。
(比較例3)
実施例1において、インク1の代わりにインク5を用いた以外は実施例1と同様にして印刷および評価を行った。
(比較例4)
実施例1において、インク1を用いなかった以外は実施例1と同様にして印刷および評価を行った。
〔試験方法〕
(1)ブリード評価
前記(A)を印刷後、色間境界部のブリードを目視で評価した。評価基準は、以下の通りである。
A:ブリードを視認できない。
B:ブリードは若干しているが、実質上問題の無いレベルである。
C:ブリードしており、印字画像に影響がある。
評価結果は表4の通りであった。
(2)裏抜け評価
前記(A)を印刷後、裏から目視し、インクの透け具合(裏抜け)を以下の基準で評価を行った。
A:裏抜けは観測されない。
B:裏抜けがほとんどなく、印字画像も見えない。
C:裏抜けは若干あるが、印字画像は見えない。
D:裏抜けがあり、印字画像が透けて見える。
評価結果は表4の通りであった。
(3)発色性評価
前記(A)を印刷後25℃で24時間放置し、印字物のブラックベタ部のOD値をSpectrolino(商品名:Gretag社製)を用いて測色した。評価基準は、以下の通りである。
A:ODが1.5以上。
B:ODが1.3以上、1.5未満。
C:ODが1.3未満。
評価結果は表4の通りであった。
(4)画質評価
前記(B)を印刷後、画質の鮮明性を目視で確認し、以下の基準で評価を行った。
A:地色の影響が観測されない。
B:地色の影響が若干見られる。
C:地色の影響がはっきりと見られる。
評価結果は表4の通りであった。
(5)インク安定性評価
調製したインク1〜3およびインク5を20℃の恒温室内に1週間放置し、その上澄み液4gを精秤した後、1Lメスフラスコで希釈した。さらにこの希釈液を5mLホールピペットに計り取り、100mLメスフラスコで希釈した。この液の500nm波長における吸光度W1、及び放置前の上記インク組成物を同様に希釈したときの吸光度W0を測定し、下記計算式により沈降率Sを算出した。
沈降率S(%)=〔1−(吸光度W1)/(吸光度W0)〕×100
そして、算出した沈降率S(%)につき、下記の評価基準に基づいてインク安定性を評価した。
A:10%未満
B:10%〜30%
C:30%以上
評価結果は表4の通りであった。
Figure 2010221533
実施例1、実施例2、比較例1、比較例2および比較例4の結果より、中空樹脂粒子を添加することで、裏抜けの抑制および非白色の記録媒体への印刷を行ったときの地色の影響は低減され、さらに白色インク組成物がインク組成物と反応性をもつ場合に、ブリードの抑制、発色の向上および若干の裏抜け抑制がなされることが分かる。また、中空樹脂粒子を添加し、かつ、インク組成物と反応性をもつ白色インクを使用することで、裏抜けが特に抑制されることが分かる。
比較例3の結果より、酸化チタン粒子を添加し、インク組成物と反応性を持つ場合において、実施例1、実施例2と同等の印字性能が得られるが、インクの安定性が悪いことが分かる。
本発明に係るインクジェット記録方法によれば、種々の記録媒体に対して高い印字濃度を有し、優れたブリード適性、裏抜け耐性、両面印刷適性を有し、印字媒体の地色に左右されない記録物を得ることができる。

Claims (7)

  1. 記録媒体に、中空樹脂粒子を含んでなる白色インク組成物と、着色剤を含んでなるインク組成物とを付着させて印字を行うインクジェット記録方法であって、
    前記白色インク組成物と前記インク組成物とが接触することにより凝集を引き起こすことを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記白色インク組成物と前記インク組成物との液性が逆極性であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記白色インク組成物がさらに反応剤を含んでなり、かつ前記インク組成物が当該反応剤と反応する化合物をさらに含んでなることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記反応剤が、多価金属塩および/またはポリアリルアミン若しくはその誘導体であることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記白色インク組成物を付着させた後に、前記インク組成物を付着させて印刷を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記白色インク組成物を記録媒体の画像形成領域にのみ付着させて印字を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法によって記録されることを特徴とする記録物。
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