JP2010221414A - ジョイントブーツの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】蛇腹部の肉厚を精度良く安定して成形する。
【解決手段】大径側取付部3に対応する第1部分61と、小径側取付部4に対応する第2部分62と、両者を連結する非蛇腹状の筒状をなす第3部分63と、を備えたパリソン6を熱可塑性樹脂で成形し、第3部分63からブロー成形により蛇腹部5を成形する際に、第3部分63の内側に第1の気圧をかけて、当該第3部分をブロー外型の山成形部91の各頂点93には達しないが、谷成形部92には押し付けて谷部66を持つ蛇腹状に予備成形し、次いで、第1の気圧よりも高い第2の気圧をかけることにより、予備成形された蛇腹状の第3部分をブロー外型の型面90全体に押し付けて製品形状をなす蛇腹部5に成形する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、ジョイントブーツを製造する方法に関する。
自動車のドライブシャフト等に設けられる等速ジョイントの一つに、軸方向に位置変更自在で回転力を伝達可能なトリポートタイプの等速ジョイントがある。この等速ジョイントは、図9,10に示すように、入力側と出力側の一方のシャフト1においてローラ11を持つ3本のトラニオン12を軸直角方向に突設して構成したトリポート13と、他方のシャフト20の端部に設けたアウターケース2とからなる。アウターケース2は、その内周にローラ11が転動する3本の溝21を周方向に分散配設して構成してある。
かかる等速ジョイントには、塵埃や異物の侵入を防止したり、グリースを保持するために、ジョイントブーツが装着される。ジョイントブーツは、アウターケース2に取り付けられる筒状の大径側取付部3と、シャフト1に取り付けられる小径側取付部4と、これらを連結する蛇腹部5とで構成されている。
アウターケース2の外周部は、軽量化のため、径方向内方側に凹む複数の凹部22が周方向に分散させて設けられており、そのため、ジョイントブーツの大径側取付部3の内周部には、径方向内方側に向けて突出する複数の凸部30を周方向に分散させて設けられている。一方、大径側取付部3の外周面は、リング状のバンド10による締め付けのため、断面円形状に形成されている。
従来、樹脂製のジョイントブーツの製造方法としては、押出ダイから熱可塑性樹脂で筒状のパリソンを押し出し、該パリソンを加熱状態のままブロー外型で周囲を覆い、パリソンの内側に気体を噴射することで蛇腹部をブロー成形する押出ブロー成形が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。また、大径側取付部の製品形状をなす第1部分と、小径側取付部の製品形状をなす第2部分と、両者を連結する筒状の第3部分とを備えたパリソンを射出成形し、該パリソンの冷却後に第3部分を加熱し、該第3部分の周囲をブロー外型で覆って内側に気体を噴射することで蛇腹部をブロー成形する、いわゆるコールドパリソン法も提案されている(例えば、下記特許文献2参照)。
特表2000−515827号公報 特開2007−015148号公報
上記のように蛇腹部をブロー成形する場合、従来は一段階で最終的な気圧をパリソン内部にかけていた。そのため、複数の山部及び谷部を有する蛇腹部について、各部の肉厚を精度良く成形することが困難であった。特に上記コールドパリソン法においては、第1部分と第2部分との間に挟まれた上記第3部分のみを加熱してからブロー成形するため加熱ムラが生じやすく、ブロー部分に温度分布があると気体を噴射したときに均一に膨らみにくいので、蛇腹部の肉厚を安定して成形することが困難であった。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、蛇腹部の肉厚を安定して成形することができるジョイントブーツの製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る方法は、アウターケースに取付けられる筒状の大径側取付部と、シャフトに取付けられる筒状の小径側取付部と、両者を一体に連結するものであって複数の山部及び谷部を有する蛇腹部と、を備えたジョイントブーツを製造する方法であって、
前記大径側取付部に対応する第1部分と、前記小径側取付部に対応する第2部分と、前記第1部分と第2部分を連結する非蛇腹状の筒状をなす第3部分と、を備えるパリソンを熱可塑性樹脂で成形するパリソン成形工程と、
前記蛇腹部の山部を成形する山成形部と谷部を成形する谷成形部を型面に持つブロー外型で少なくとも前記第3部分の周囲を覆い、前記第3部分の内側に気体を噴射することで前記ブロー外型の前記型面に前記第3部分を押し付けて前記蛇腹部を成形するブロー工程と、を含むものである。そして、前記ブロー工程は、下記(1)及び(2)の工程を含むものである。
(1)前記第3部分の内側に第1の気圧で気体を噴射することにより、当該第3部分を前記ブロー外型の山成形部の各頂点には達しないが、前記谷成形部には押し付けて谷部を持つ蛇腹状に予備成形する第1ブロー段階、及び、
(2)前記第3部分の内側に前記第1の気圧よりも高い第2の気圧で気体を噴射することにより、前記予備成形された蛇腹状の第3部分を前記ブロー外型の型面全体に押し付けて製品形状をなす前記蛇腹部に成形する第2ブロー段階。
この手段によれば、蛇腹部に対応する第3部分をブロー成形するに際し、第1の気圧で最終的な製品形状には至らないが蛇腹状をなす形状に予備成形し、その後、第2の気圧で最終的な製品形状にブロー成形するので、蛇腹部の各部の肉厚を安定かつ精度良く成形することができる。
上記本発明の製造方法においては、前記パリソン成形工程で前記大径側取付部の製品形状をなす前記第1部分と、前記小径側取付部の製品形状をなす前記第2部分を備えた前記パリソンを射出成形し、その後、前記第1部分と第2部分と第3部分のうち前記第3部分を加熱装置で加熱し、次いで、前記ブロー工程において、加熱状態にある前記第3部分を前記気体の噴射により前記蛇腹部の製品形状に成形するものであることが好ましい。このようなコールドパリソン法では第3部分に加熱ムラが生じやすく、ブロー工程での肉厚の精度を確保することが特に難しいので、本発明の方法を適用することで、かかる問題点を解決して、蛇腹部を精度良く成形することが可能となる。
上記本発明の製造方法においては、前記ブロー外型が、複数の前記山成形部において各頂点の周りをそれぞれ全周にわたって取り囲む複数の排気溝と、前記各頂点と前記各排気溝の間を全周にわたって連結するスリットとを備え、前記ブロー工程において、前記ブロー外型の型面と前記第3部分の間に存在する気体を前記スリット及び前記排気溝を介して外側に排出するようにしてもよい。このようにブロー外型に排気用のスリットを設けることで、低い気圧(ブロー圧)でも蛇腹部を成形することが可能となる。そのため、上記2段階のブロー成形方法と相俟って、蛇腹部の肉厚を更に安定して成形することができる。
この場合、前記ブロー外型は、前記第1部分及び第2部分にそれぞれ隣接する軸方向両端の山成形部に設けられたスリットが、軸方向中央側の山成形部に設けられたスリットよりも、隙間が大きく設定されていることが好ましい。上記コールドパリソン法では、最終的な製品形状をなす第1部分と第2部分は加熱せずに第3部分を加熱してブロー成形するため、ブロー成形の際に、第3部分の軸方向中央部に対して軸方向両端部の温度が低くなってしまう。そのため、軸方向両端部は軸方向中央部よりも膨らみにくいので、この部分に対応する軸方向両端の山成形部に設けたスリットの間隔を大きく設定することで、軸方向中央部でのバリの発生を抑えつつ、軸方向両端部を膨らみやすくして成形性を確保することができる。
上記のように、本発明によれば、蛇腹部を精度良く安定して成形することがてきる。
パリソン成形工程を示す図 加熱工程を示す図 ブロー成形工程を示す図 ブロー外型の半断面図 ブロー成形工程における第1ブロー段階での半断面図 ブロー成型工程における第2ブロー段階での半断面図 ブロー外型の水平断面図 ジョイントブーツを示す一部切欠き断面図 等速ジョイント及びジョイントブーツを示す縦断面図 等速ジョイントを示す図
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図8に、実施形態におけるジョイントブーツを示している。このジョイントブーツは、上述した図9,10に示す自動車用のトリポートタイプの等速ジョイントに装着される熱可塑性樹脂製ブーツであり、軸方向一端側の筒状の大径側取付部3と、該大径側取付部3と離間して同軸的に配置された他端側の筒状の小径側取付部4と、これらを一体に連結する中空状の蛇腹部5とからなる。そして、大径側取付部3が上記アウターケース2に外嵌して取付けられ、小径側取付部4が上記シャフト1に外嵌して取付けられる。大径側取付部3は、その外周面3Aが断面円形状に形成され、内周部3Bには、径方向内方側に向けて突出する3個の凸部30を、周方向に120度ごとに均等に分散させて設け、アウターケース2の外周部に形成した3個の凹部22に3個の凸部30を各別に外嵌可能に構成してある。
大径側取付部3の外周面3Aには、締付部材であるリング状のバンド10(図9参照)を受け入れるための周方向に延びる固定用凹部31が設けられている。また、大径側取付部3の内周面には、周方向に延びる2本のシール用リブ32が設けられている。同様に、小径側取付部4においても、その外周面には、締付部材であるリング状のバンド10を受け入れるための周方向に延びる固定用凹部40が設けられ、また、その内周面には、周方向に延びる2本のシール用リブ41が設けられている。また、大径側取付部3の各凸部30には、成形後の樹脂のヒケを防止するために肉抜き穴33が設けられている。
蛇腹部5は、複数の山部及び谷部が交互に連続してなり、山部及び谷部の径が大径側取付部3から小径側取付部4へと順次に小さくなるように形成されている。この例では、大径側取付部3側から順に、第1谷部50A、第1山部51A、第2谷部50B、第2山部51B、第3谷部50C、第3山部51C、第4谷部50D、第4山部51D、第5谷部50E、および第5山部51Eを有する5山5谷構造をなしている。各谷部50A〜50Eの谷底52は、断面U字状に陥没するU字溝状に形成されている。
このジョイントブーツは下記のパリソン成形工程と加熱工程とブロー成形工程とを経て製造される。
[パリソン成形工程]
図1に示すように、熱可塑性樹脂(例えば、ポリエステル系熱可塑性エラストマー樹脂)をパリソン成形装置7のノズル70から射出成形型71内に吐出して、大径側取付部3に対応する第1部分61と、小径側取付部4に対応する第2部分62と、蛇腹部5に対応する第3部分63とから成る筒状のパリソン6を射出成形する。
射出成形型71は、パリソン6の外周側を成形する周方向に複数に分割可能な射出用外型72と、その内部に装着されてパリソン6の内周側を成形する中子型73とを備えてなり、外型72と中子型73との間にキャビティ74が形成されている。射出用外型72は、この実施形態では左右2つに分割可能に構成されている。中子型73は、その頂部73Aで第2部分62を成形するように設けられており、この頂部73Aの上方を覆う外型72の上面部に上記ノズル70に通じるゲート孔75が設けられている。
第1部分61は、上記キャビティ74内で、大径側取付部3として成形され、即ち、大径側取付部3の最終的な製品形状に射出成形される。従って、第1部分61は、外周面が断面円形状をなし、かつ内周部に上記肉抜き穴33を持つ複数の凸部30を備える形状に成形される。また、外周面には上記固定用凹部31が成形され、内周面には2本のリブ32が成形される。
第2部分62は、上記キャビティ74内で、小径側取付部4として成形され、即ち、小径側取付部4の最終的な製品形状に射出成形される。その際、第2部分62は、第1部分61よりも小径の筒状に成形され、その外周面には上記固定用凹部40が、内周面には2本のリブ41がそれぞれ成形される。また、第2部分62の上端の開口面は射出成形後には閉塞部64により閉塞されており、即ち、パリソン6は有天筒状に成形される。
一方、第3部分63は、最終的な製品形状に相当する蛇腹状ではなく、第1部分61と第2部分62との間に介設されたパリソン部分であって、両者を連結する非蛇腹状のテーパー筒状に射出成形される。すなわち、第3部分63は、大径の取付部3から小径の取付部4に向かって直径が次第に小さくなるテーパー状に成形される。
このようにして射出成形されたパリソン6は、射出成形型71から取り出され、従って中子型73からも外されて、室温で冷却(自然放冷)される。
[加熱工程]
次いで、冷却されたパリソン6は、図2に示すように、第1部分61と第2部分62と第3部分63のうち第3部分63だけを加熱装置8で設定温度(例えば155℃〜170℃)に加熱される。
図2に示すように、加熱装置8は、パリソン6に対する段付き円柱状の支持体80を縦姿勢に配設するとともに、支持体80をその軸芯O周りに回転させる回転駆動機構81を備える。支持体80は、パリソン6の内周側を支持する部材であり、第1部分61が同芯状に外嵌する下側嵌合部82と、第2部分62が同芯状に外嵌する上側嵌合部83と、第3部分63により囲まれる中間部84と、下端部側の支持台部85とを備えてなる。
加熱装置8は、また上記支持体80の上方に筒状のカバー部材86を昇降可能に吊り下げ支持するとともにに、支持体80の両横外方側に一対の遠赤外線ヒータ87をそれぞれ配置してなる。カバー部材86は、支持体80上に保持されたパリソン6に被せられて、ヒータ87からの熱線が照射される箇所を制限する部材であり、すなわち、第1部分61と第2部分62に対してはヒータ87からの熱線が当たらないように遮断し、かつ、第3部分63に対しては高さ方向の全体にわたってヒータ87からの熱線が照射されるように、パリソン6を覆う。
上記加熱装置8を用いて、パリソン6を支持体80に外嵌支持させた状態で、カバー部材86を下降させて、支持体80に支持させたパリソン6に被せる。そして、支持体80をその軸芯O周りに回転させながら第3部分63を両横外方側のヒータ87で加熱する。
[ブロー成形工程]
第3部分63の加熱が完了した後、図3に示すように、パリソン6を支持体80に支持させたまま、型面90が蛇腹形状のブロー外型9で覆い、支持体80に設けた噴射口88から加熱状態にある第3部分63の内側に気体を噴射することで、ブロー外型9の型面90に第3部分63を押し付けて製品形状をなす蛇腹部5を成形する。
ブロー外型9は、周方向に複数に分割可能に形成されており、この実施形態では、図7に示すように、第1型9Aと第2型9Bとの左右2つに分割可能に設けられている。ブロー外型9は、図3に示すように、蛇腹部5の各山部51A〜51Eを成形する山成形部91と、蛇腹部5の各谷部50A〜50Eを成形する谷成形部92とを、型面90を備えている。すなわち、ブロー外型9の内周面において、山成形部91は凹状に、谷成形部92は凸状にそれぞれ形成されている。
ブロー外型9は、各山成形部91の頂点93(即ち、成形する蛇腹部5の各山部51A〜51Eの頂点)毎に型合わせ面がくるように、板状型94を上下方向に複数層に積層してなる。ブロー外型9の各山成形部91には、それぞれその頂点93を周りを全周にわたって取り囲む第1排気溝95が設けられている。第1排気溝95は、図7に示すように、山成形部91の頂点93の径方向外方において当該頂点93から所定の間隔をおいて同心円状に取り囲む環状をなしている。図4,7に示すように、第1排気溝95は、ブロー外型9の第1型9Aと第2型9Bとの型割り面96において外側に排気できるように、当該型割り面96を外側に向けて延びる第2排気溝97に接続されている。
図4,7に示すように、各第1排気溝95とそれに対応する山成形部91の頂点93との間には両者を全周にわたって連結する環状のスリット98が設けられている。スリット98は、パリソン6とブロー外型9との間に存在する気体の通過は可能であるが、ブロー圧によって押し付けられる上記第3部分63がバリとなってはみ出さない程度の微小隙間であり、例えば0.03〜0.15mm程度に設定することができる。これにより、ブロー外型9の型面90と第3部分63の間に存在する気体が、周方向の全周において、スリット98を経て第1排気溝95に排出され、更には周方向の2箇所において第2排気溝97から外側に排出されるように構成されている。
ブロー外型9の5つの山成形部91のうち、第1部分61と第2部分62にそれぞれ隣接する軸方向両端の山成形部を91A及び91Eとし、その間に設けられた軸方向中央側の山成形部を91B、91C及び91Dとしたとき、両端の山成形部91A,91Eに設けられたスリット98Aが、中央側の山成形部91B,91C,91Dに設けられたスリット98Bよりも、隙間が大きく設定されている。例えば、両端のスリット98Aの隙間を0.05〜0.15mmに対し、中央側のスリット98Bの隙間を0.03〜0.08mm程度に設定することができる。
図5,7に示すように、ブロー外型9には、冷却水を流すための配管99が設けられている。この配管99は、ブロー外型9の板状型94の各型合わせ面において、パリソン6の外周に沿って延びる円弧状の溝を板状型94に設けることで構成されている。
パリソン6を支持する支持体80は、ブロー成形の際にブロー外型9内に装着される中子型となるものであり、軸芯Oに沿って上下方向に延びる気体通路89を備える。気体通路89は、支持体80の上側嵌合部83の下面外周部に設けられた噴射口88に接続されるとともに、不図示の増圧タンクと排気タンクに切替可能に接続されており、増圧タンクからの気体を噴射口88に送るとともに、排気タンクの作用により型内の気体を排気するために用いられる。
支持体80に支持されたパリソン6に対し、図3に示すように、その外側からブロー外型9で型閉めした後、ブロー成形を行う。ブロー工程は、(1)低圧の第1ブロー段階と、(2)高圧の第2ブロー段階との2段階にて実施する。
第1ブロー段階では、図5に示すように、第3部分63の内側に第1の気圧で気体を噴射することにより(即ち、第1のブロー圧をかけることにより)、当該第3部分63をブロー外型9の山成形部91の各頂点93には達しないが、谷成形部92には押し付けて谷部65を持つ蛇腹状に予備成形する。第1ブロー段階では、第3部分63を蛇腹状には成形するものの、最終的な製品形状には至らない程度で成形することが肝要である。詳細には、図5に拡大して示すように、第1の気圧で成形される各山部66の高さH1が、製品形状の各山部51A〜Eの高さHに対して、H1/H=1/3〜2/3程度に設定することが好ましく、より好ましくはH1/H=1/2〜2/3である。また、本実施形態のように各谷部50A〜50Eの谷底52がU字溝状に形成される場合、U字溝状の谷底52が完全に成形されるほどに高いブロー圧をかけると、山部66の高さH1が(2/3)Hを超えて、山部66がほぼ最終的な山高さまで成形されてしまうので、U字溝状の谷底が完全に成形されない程度に上記第1の気圧を設定することが好ましい。
第2ブロー段階では、第1ブロー段階で予備成形された蛇腹状の第3部分63に対して、その内側に第1の気圧よりも高い第2の気圧で気体を噴射することにより(即ち、第1のブロー圧よりも高い第2のブロー圧をかけることにより)、図6に示すように、当該第3部分63をブロー外型9の型面90全体に押し付けて製品形状をなす蛇腹部5に成形する。第2ブロー段階は第1ブロー段階に引き続き実施するものであり、例えば、気圧の異なる2つの増圧タンクに切替弁を介して上記気体通路89を接続しておき、第1ブロー段階で第1の気圧をかけた後、切替弁を切り替えて直ちに第2のブロー段階に移行して第2の気圧をかけることにより実施することができる。
第1ブロー段階と第2ブロー段階の気圧条件は特に限定されるものではないが、例えば、第1ブロー段階を、第1の気圧=400〜700kPa及び時間=1〜3秒間とし、第2ブロー段階を、第2の気圧=800〜2500kPa及び時間=7〜9秒間とすればよい。これらの気圧は、パリソン(第3部分)の温度が高いほど小さく、パリソンの温度が低いほど大きく設定すればよく、事前にテストを行って、各ブロー段階で上記所定の形状が得られるように設定すればよい。
このようにして蛇腹部5をブロー成形した後、第2部分62の上端開口面の閉塞部64を切除することにより、ジョイントブーツが得られる。
以上よりなる本実施形態によれば、蛇腹部5に対応するパリソン6の第3部分63をブロー成形するに際し、第1ブロー段階で最終的な製品形状には至らないが蛇腹状をなす形状に予備成形し、その後、第2ブロー段階で最終的な製品形状にブロー成形するようにしている。このように2段階でブローすることにより、蛇腹部5の肉厚を安定し、各部の肉厚を精度良く成形することができる。また、2段階でブローする場合、第1ブロー段階で気体が噴射されることでパリソン6は多少冷却されるが、その場合、一般に温度が高い部分ほど温度低下が大きいので、温度分布がその分緩和される。このことからも、2段階ブローであると、蛇腹部5の肉厚精度を高めることができる。なお、上記のような山谷形状を持つ蛇腹部5は、単に2段階でブローするだけでは、各部の肉厚を精度良く安定に成形することはできず、第1ブロー段階で所定の蛇腹状にまで予備成形しておくことが重要であり、この段階まで予備ブロー成形しておくことで蛇腹部5の肉厚精度を飛躍的に向上することができた。
また特に、本実施形態のようなコールドパリソン法であると、第3部分63に加熱ムラが生じやすく、そのことに起因してブロー成形時に均一に膨らますことが難しいが、上記特有の2段階のブロー成形を行うことで、このような問題を解消して、蛇腹部5を精度良く成形することができる。
また、ブロー外型9の各山成形部91の頂点93に対応させてスリット98を設け、これをその外側の第1排気溝95及び第2排気溝97を介して外側に排気可能に構成したので、低いブロー圧でも蛇腹部5を成形することが可能となる。そのため、上記2段階のブロー成形と相俟って、蛇腹部5の肉厚を更に安定して成形することができる。また、ブロー圧の許容範囲が大幅に広がり、条件変更による肉厚調整が容易になる。
また、上記コールドパリソン法では、第1部分61と第2部分62は加熱せずに第3部分63のみを加熱してブロー成形するため、ブロー成形の際に、第3部分63の軸方向中央部に対して軸方向両端部の温度が低くなる傾向がある。かかる温度勾配があると、温度の低い軸方向両端部は軸方向中央部よりも膨らみにくいが、上記のように軸方向両端の山成形部91A,91Eに設けたスリット98Aの間隔を大きく設定したことにより、軸方向中央部のスリット98Bでのバリの発生を抑えつつ、軸方向両端部を膨らみやすくして成形性を確保することができる。
なお、上記実施形態はコールドパリソン法による場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、押出ブロー成形にも適用することができる。その他、一々列挙しないが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明は、自動車の等速ジョイントなどに用いられるジョイントブーツを製造するために好適に利用することができる。
1…シャフト、2…アウターケース、
3…大径側取付部、4…小径側取付部、
5…蛇腹部、50A〜50E…第1〜第5谷部、51A〜51E…第1〜第5山部
6…パリソン、61…第1部分、62…第2部分、63…第3部分、65…谷部
9…ブロー外型、90…型面、91…山成形部、92…谷成形部、
93…山成形部の頂点、95…第1排気溝、98…スリット

Claims (4)

  1. アウターケースに取付けられる筒状の大径側取付部と、シャフトに取付けられる筒状の小径側取付部と、両者を一体に連結するものであって複数の山部及び谷部を有する蛇腹部と、を備えたジョイントブーツを製造する方法であって、
    前記大径側取付部に対応する第1部分と、前記小径側取付部に対応する第2部分と、前記第1部分と第2部分を連結する非蛇腹状の筒状をなす第3部分と、を備えるパリソンを熱可塑性樹脂で成形するパリソン成形工程と、
    前記蛇腹部の山部を成形する山成形部と谷部を成形する谷成形部を型面に持つブロー外型で少なくとも前記第3部分の周囲を覆い、前記第3部分の内側に気体を噴射することで前記ブロー外型の前記型面に前記第3部分を押し付けて前記蛇腹部を成形するブロー工程と、を含み、
    前記ブロー工程は、
    (1)前記第3部分の内側に第1の気圧で気体を噴射することにより、当該第3部分を前記ブロー外型の山成形部の各頂点には達しないが、前記谷成形部には押し付けて谷部を持つ蛇腹状に予備成形する第1ブロー段階と、
    (2)前記第3部分の内側に前記第1の気圧よりも高い第2の気圧で気体を噴射することにより、前記予備成形された蛇腹状の第3部分を前記ブロー外型の型面全体に押し付けて製品形状をなす前記蛇腹部に成形する第2ブロー段階と、
    を含むことを特徴とするジョイントブーツの製造方法。
  2. 前記パリソン成形工程において、前記大径側取付部の製品形状をなす前記第1部分と、前記小径側取付部の製品形状をなす前記第2部分を備えた前記パリソンを射出成形し、
    前記第1部分と第2部分と第3部分のうち前記第3部分を加熱装置で加熱し、
    前記ブロー工程において、加熱状態にある前記第3部分を前記気体の噴射により前記蛇腹部の製品形状に成形する
    ことを特徴とする請求項1記載のジョイントブーツの製造方法。
  3. 前記ブロー外型は、複数の前記山成形部において各頂点の周りをそれぞれ全周にわたって取り囲む複数の排気溝と、前記各頂点と前記各排気溝の間を全周にわたって連結するスリットとを備え、前記ブロー工程において、前記ブロー外型の型面と前記第3部分の間に存在する気体を前記スリット及び前記排気溝を介して外側に排出する
    ことを特徴とする請求項2記載のジョイントブーツの製造方法。
  4. 前記ブロー外型は、前記第1部分及び第2部分にそれぞれ隣接する軸方向両端の山成形部に設けられたスリットが、軸方向中央側の山成形部に設けられたスリットよりも、隙間が大きく設定された
    ことを特徴とする請求項3記載のジョイントブーツの製造方法。
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