JP2010219512A - 太陽電池用封止材シート - Google Patents

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隆 中谷
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Abstract

【課題】溶融・加工等の処理を行う際に加工性に優れ、高い透明性を有しつつ、耐光性および耐熱性に優れ、安定性の高い太陽電池用封止材シートを提供する。
【解決手段】(A)エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂、及び、(B)水素化ロジンエステルを含む太陽電池用封止材シートである。また、上記(B)水素化ロジンエステルは、下記(1)式で与えられる芳香環の残存率Rが1%未満である太陽電池用封止材シートである。芳香環の残存率R(%)=(芳香環のH−ピーク面積/全H−ピーク面積)×100(1)(ここで、芳香環のH−ピーク面積は、水素化ロジンエステルを重クロロホルム中(TMS標準)で測定したH−NMRスペクトル測定により得られる6〜8ppmのH−ピーク面積の総和(ただし、不純物であるクロロホルムのピークを除く。)であり、全H−ピーク面積は、水素基に由来するH−ピーク面積の総和である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、太陽電池用封止材シートに関する。本発明の太陽電池用封止材シートは、太陽電池素子を樹脂やガラスに封じ込んだ各種の太陽電池モジュールについて利用できる。
近年、地球環境問題の高まりから太陽電池への関心が高まっている。太陽電池は、太陽の光を直接電気に変えるものであるため、電池の交換が不要である。また、太陽をエネルギー源として使用できるため、半永久的に作動させることができる。しかも、石油などのように燃焼により炭酸ガスなどの有害ガスを発生することもなくクリーンで地球に優しい技術である。
従来から、太陽電池は、時計、卓上計算機、携帯電話、カメラ等の電子機器に用いられているが、その実用範囲は急速に拡大しており、街路灯システム、携帯用電源など独立電源用として使われるようになってきている。また、最近では、建物の屋根や窓に取り付けるなど一般家庭用電力用途など応用範囲が拡大しているが、更なる低価格化の実現のため、発電効率の向上、耐熱性の向上、製造工程の簡略化、等の様々な課題がある。
太陽電池は、複数の太陽電池素子モジュールが接続されたものである。太陽電池素子モジュールは、一般にシリコン、ガリウム−ヒ素、カドミウム−硫黄、カドミウム−インジウム−セレン、フタロシアニン等の太陽電池素子を強化ガラス等の透明基板で挟み込み、太陽電池素子と透明基板を封止材シートで固定したものである。このような太陽電池用封止材シートとしては、エチレンと酢酸ビニルの共重合体樹脂(EVA)が主に使用されている。しかしながら、EVAのみでは耐熱性、耐光性、接着性、接着強度、硬化性、生産効率等が十分ではないため、EVAに様々な添加剤を用いた封止材シートが提案されている(特許文献1〜10参照。)。しかしながら、発電効率に大きく関与する太陽電池用封止材シートの透明性や、耐光性について未だ十分とはいえない。
特開平11−20094号公報 特開平11−20095号公報 特開平11−20096号公報 特開平11−20097号公報 特開平11−20098号公報 特開平11−20099号公報 特開平8−23116号公報 特開2006−210906号公報 特開2006−269844号公報 特許第367424号公報
本発明は、優れた密着性を有し、溶融・加工等の処理を行う際に、加工性に優れ、高い透明性を有する太陽電池用封止材シートを提供することを目的とする。
本発明者は、太陽電池用封止材シートについて種々検討したところ、EVAの透明性が十分でない原因としてEVAの接着性・粘着性を高めるためにEVAへ添加されている各種添加剤とEVAとの相溶性が悪いことを見出し、また、EVAの耐光性及び耐熱性が十分でない原因として添加剤の耐光性・耐熱性が十分でないことを見出した。すなわち、高い透明性を有しつつ接着性・粘着性及び耐光性・耐熱性をバランス良く高めるためには、EVAとの相溶性が高く、それ自身の耐光性・耐熱性が高い添加剤を選択することが重要であることを見出し、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明1は、(A)エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂、及び、(B)水素化ロジンエステルを含む太陽電池用封止材シートである。
本発明2は、上記本発明1において、上記(B)水素化ロジンエステルは、下記(1)式で与えられる芳香環の残存率Rが10%未満である太陽電池用封止材シートである。
芳香環の残存率R(%)=(芳香環のH−ピーク面積/全H−ピーク面積)×100 (1)
(ここで、芳香環のH−ピーク面積は、水素化ロジンエステルを重クロロホルム中(TMS標準)で測定した1H−NMRスペクトル測定により得られる6〜8ppmのH−ピーク面積の総和(ただし、不純物であるクロロホルムのピークを除く。)であり、全H−ピーク面積は、水素基に由来するH−ピーク面積の総和である。)
本発明3は、上記本発明2において、芳香環の残存率が1%未満である太陽電池用封止材シートである。
本発明4は、上記本発明1〜3のいずれかにおいて、(A)エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂100重量部に対して、(B)水素化ロジンエステルを1〜200重量部含有する太陽電池用封止材シートである。
本発明5は、上記本発明1〜4のいずれかにおいて、(B)水素化ロジンエステルの軟化点が60〜150℃である太陽電池用封止材シートである。
本発明6は、上記本発明1〜5のいずれかにおいて、(B)水素化ロジンエステルの重量平均分子量が600〜3000である太陽電池用封止材シートである。
本発明の太陽電池用封止材シートは、溶融・加工等の処理を行う際に加工性に優れ、高い透明性を有する。また、芳香環の残存率を制御することにより、耐光性および耐熱性を向上させることができる。
本発明の太陽電池用封止材シートは、(A)エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂(以下、(A)成分ともいう。)及び(B)水素化ロジンエステル(以下、(B)成分ともいう。)を含有する組成物を溶融・加工等の処理を行うことにより得られる。
上記(A)成分としては、エチレンと酢酸ビニルを共重合したものであれば特に限定されず、公知のものを使用することができる。なお、(A)成分は、必要に応じて、エチレン、酢酸ビニル以外のモノマーと共重合したものであってもよい。エチレン、酢酸ビニル以外のモノマーとしては、例えば、プロピレン、塩化ビニル、スチレン、アクリル酸エステル等が挙げられる。
上記(B)成分は、例えば、ロジンとアルコールをエステル化反応させ、ついで水素化触媒の存在下にて当該エステル化物を水素化反応させることにより得られるものである。なお、ロジンを水素化して、ついで水素化ロジンとアルコールをエステル化反応させることにより得られるものであってもよい。また、水素化ロジンをエステル化して、ついで水素化するなど、複数の水素化工程を経て得られるものであってもよい。水素化工程、エステル化工程の順序については特に限定されない。
上記ロジンとしては、特に限定されず、例えば、アビエチン酸、パラストリン酸、ネオアビエチン酸、ピマール酸、イソピマール酸、デヒドロアビエチン酸等の樹脂酸を主成分とするガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等が挙げられる。また、上記ロジンには、精製ロジンも含まれる。
上記精製には公知の各種精製方法を適宜選択でき、具体的には蒸留、再結晶、抽出等の操作が挙げられ、工業的には蒸留による精製が好ましい。蒸留による場合は、通常は温度200〜300℃程度、圧力100〜15000Pa程度の範囲から蒸留時間を考慮して適宜選択される。再結晶の場合は、例えば未精製ロジンを良溶媒に溶解し、ついで溶媒を留去して濃厚な溶液となし、この溶液に貧溶媒を添加することにより行なう。良溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、クロロホルムなどの塩素化炭化水素溶媒、低級アルコール、アセトンなどのケトン類、酢酸エチルなどの酢酸エステル類等が挙げられ、貧溶媒としてはn−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、イソオクタン等が挙げられる。抽出の場合は、アルカリ水を用いて未精製のロジンをアルカリ水溶液となし、これに含まれる不溶性の不ケン化物を有機溶媒を用いて抽出したのち、水層を中和することで精製ロジンを得ることができる。
上記水素化は、公知の方法により行えばよいが、通常、公知の水素源の存在下で行なうことができる。必要に応じて水素化触媒を用い、1〜30MPa程度の水素加圧下で、ロジンを加熱して溶融した状態又は、溶剤に溶解した状態で反応させればよい。水素源としては、水素ガスの他、リチウムアルミニウムハイドライドなどが挙げられる。水素圧力は反応速度、安全面を考慮すると、好ましくは1MPa〜20MPa程度、特に好ましくは5MPa〜15MPa程度である。
上記水素化触媒として、パラジウム系、ロジウム系,白金系の担持触媒、ニッケル、白金等の金属粉末、ヨウ素、ヨウ化鉄等のヨウ化物等各種公知のものを例示しうる。特にロジウム系触媒としてロジウムカーボン、パラジウム系触媒としてパラジウムカーボン、白金系触媒として白金カーボンが好ましい。該触媒の使用量は、ロジンに対して通常0.01〜5重量%程度、好ましくは0.01〜1重量%である。触媒の使用量については、水素化反応に用いる装置として回分式反応器を用いる場合を中心に記載したが、水素化反応に用いる装置として、流通式反応器を用いることもできる。また、反応装置の形状はとくに限定されず、たとえば、加圧条件ではオートクレーブなどの耐圧容器、常圧条件では水素の流通が可能な装置というように、反応水素圧力や反応温度によって適宜選択することができる。
上記反応温度は100〜300℃程度が好ましい。反応温度が低くなると反応速度が低下し、反応の完結にかかる時間が長くなる。250℃以上とすることがより好ましい。
上記水素化の反応時間は、温度、圧力および触媒量などの反応条件によって変わるため、一概にその範囲を決めることは困難であるが、回分式、半回分式においては通常0.5〜30時間程度とすることができる。反応時間が短いと高い転化率が得られないことがあるため、反応時間は0.5時間以上とすることが好ましく、1時間以上とすることがより好ましい。反応時間は30時間よりも長くてもよいが、通常は30時間で充分に反応は進行する。反応時間が長時間になると副反応がおこりやすくなるため、反応時間は20時間以下にすることが好ましく、10時間以下にすることがより好ましく、7時間以下にすることがさらに好ましい。
上記溶剤としては、反応に不活性で原料や生成物が溶解しやすい溶剤であれば足り、具体的には、炭化水素類が例示される。炭化水素類としては、シクロヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、デカリン等が挙げられ、好ましくはシクロヘキサンがよい。溶剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。溶剤の適当な使用量は、(B)成分に対して、固形分が10〜80重量%の範囲となるような量が好ましいが、特に限定されるものではない。上記水素化後は、蒸留、濾過などの常法により、溶媒、触媒等を除去する。
上記アルコールの具体例としては、n−オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコールのような1価アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、シクロヘキサンジメタノール等の3価アルコール;ペンタエリスリトール、ジグリセリン等の4価アルコールなどが挙げられ、これらのうちいずれか一種、または二種以上のアルコールを用いることができる。
上記エステル化反応は公知の方法を利用出来、具体的には150〜300℃程度の高温条件において、生成する水を系外に除去しながら行われる。又、エステル化反応中に空気が混入すると生成するエステル化物が着色する恐れがある為、反応は窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスの下で行われる。尚、反応に際して必ずしもエステル化触媒を必要としないが、反応時間の短縮のために酢酸、パラトルエンスルホン酸等の酸触媒、水酸化カルシウム等のアルカリ金属の水酸化物、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の金属酸化物等を使用することも出来る。
上記エステル化反応で得られたエステル化物を水素加圧の下、水素化反応させることで水素化ロジンエステルを得ることが出来る。また、水素化ロジンをエステル化することによっても、水素化ロジンエステルを得ることができる。
上記(B)水素化ロジンエステルは、下記(1)式で与えられる芳香環の残存率Rが10%未満であることが好ましい。さらには芳香環の残存率Rは1未満%であることがより好ましい。
芳香環の残存率R(%)=(芳香環のH−ピーク面積/全H−ピーク面積)×100 (1)
(ここで、芳香環のH−ピーク面積は、水素化ロジンエステルを重クロロホルム中(TMS標準)で測定したH−NMRスペクトル測定により得られる6〜8ppmのH−ピーク面積の総和(ただし、不純物であるクロロホルムのピークを除く)であり、全H−ピーク面積は、水素基に由来するH−ピーク面積の総和である。)
H−NMRスペクトルの測定は、特に限定されず、例えば以下のように行うことができる。
水素化ロジンエステル50mgを0.7mlの重クロロホルムに完全に溶解させ、内部指標としてTMS(テトラメチルシラン)を用いて、NMRスペクトルの測定装置(例えば、VARIAN GEMINI−300が挙げられる。)で測定する。
1H−NMRスペクトル測定で得られたデータのピーク位置の決定は、ピーク分割によって各ピークを抽出する方法で行なうことができる。ピーク分割により求めた各ピーク面積を用いて芳香環の残存率R(%)を求める。
上記芳香環の残存率R(%)を10%未満とすることにより、透明性及び密着性に優れた太陽電池用封止材シートを製造することができる。また、上記芳香環の残存率R(%)を1%未満とすることにより、極めて透明性が高く、耐光性・耐熱性に優れた太陽電池用封止材シートを製造することができる。
上記芳香環の残存率は、水素化ロジンエステルを製造する際に、水素化反応における反応温度、反応時間、触媒量、水素圧力を調整することでコントロールすることができる。
上記(B)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して、1〜200重量部程度、好ましくは5〜100重量部である。この場合、溶融・加工等の処理を行う際に、加工性に優れ、また接着性、透明性、耐久性に優れた太陽電池用封止材シートを得ることができる。1重量部未満であると、接着性・透明性が十分でない場合があり、200重量部を超えると、加工性が低下する場合がある。
上記(B)成分の軟化点は60〜150℃程度が好ましい。この場合、溶融・加工等の処理を行う際に、加工性に優れ、また接着性、透明性、耐久性に優れた太陽電池用封止材シートを得ることができる。60℃未満の場合は、得られるシートの耐熱性という点で不十分となる場合があり、150℃を超えると、溶融した際の粘度が高く、加工性が悪くなる場合がある。より好ましくは、90〜140℃である。上記軟化点は、JIS K 2531の環球法により測定した値である。
上記(B)成分の重量平均分子量は600〜3000程度であることが好ましい。この場合、溶融・加工等の処理を行う際に、加工性に優れ、また接着性、透明性、耐久性に優れた太陽電池用封止材シートを得ることができる。重量平均分子量が600以上とすることで耐熱性が良好となるため好ましく、3000以下とすることで、加工性が良好となるため好ましい。より好ましくは、700〜2500である。
上記重量平均分子量は、GPC(ゲルパーメーションクロマトグラフィー)法により、標準ポリスチレンの検量線から求められるポリスチレン換算値として算出した値である。なお、GPC法は以下の条件で測定した。
分析装置:HLC−8120(東ソー(株)製)
カラム:TSKgelSuperHM−Lx3本
溶離液:テトラヒドロフラン
注入試料濃度:5mg/mL
流量:0.6mL/min
注入量:100μL
カラム温度:40℃
検出器:RI
本発明の太陽電池用封止材シートは、各種の太陽電池モジュールに用いることができる。太陽電池モジュールの構造としては、特に限定されず、2枚の板材の間に置いた樹脂層の中に素子を封入した2枚板構造、裏側に支持板を置き、その上の透明樹脂中に素子を封入した1枚基板構造、受光面側にガラス板を置き、その裏側の透明樹脂中に素子を封入したもので、1枚基板構造とは上下(表裏)が逆になった表板1枚構造等が挙げられる。
以下に本発明を実施例により更に具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また実施例中、「部」は特に断りのない限り「重量部」を意味する。
製造例1 (水素化ロジンエステルの製造)
1リットルオートクレーブに中国水添ロジン200g、5%パラジウムアルミナ粉末(エヌ・イー ケムキャット社製)3g、及びシクロヘキサン200gを仕込み、系内の酸素を除去した後、系内を6MPaに加圧後、200℃まで昇温した。温度到達後、系内を再加圧し、9MPaを保ち、4時間水素添加反応を行い、溶剤ろ別後、減圧下にてシクロヘキサンを除去し、酸価174、軟化点79℃のロジン189gを得た。
次いで、攪拌装置、冷却管および窒素導入管を備えた反応装置にロジン180gを仕込み、200℃まで溶融した後、グリセリン21gを仕込み、280℃で10時間反応させた。軟化点90℃、酸価11のロジンエステル175gを得た。
得られたロジンエステルを1リットルオートクレーブに170g、5%パラジウムカーボン(含水率50%)を1g、シクロヘキサンを170g仕込み、系内の酸素を除去した後、系内を6MPaに加圧後、200℃まで昇温した。温度到達後、系内を再加圧し、9MPaを保ち、4時間水素添加反応を行い、溶剤ろ別後、減圧下にてシクロヘキサンを除去し、芳香環の残存率Rが0.8%、酸価10、軟化点92℃の水素化ロジンエステル(以下樹脂aと略す)を164g得た。色調は200ハーゼン(H)であった。
製造例2 (水素化ロジンエステルの製造)
攪拌装置、冷却管および窒素導入管を備えた反応装置にロジン300gを仕込み、200℃まで昇温溶融した後、グリセリン33gを仕込み、280℃で12時間反応させた。軟化点93℃、酸価6のロジンエステル299gを得た。
得られたロジンエステルを1リットルオートクレーブに250g、5%パラジウムカーボン(含水率50%)を2g仕込み、系内の酸素を除去した後、系内を6MPaに加圧後、240℃まで昇温した。温度到達後、系内を再加圧し、9MPaを保ち、3時間水素添加反応を行い、溶剤ろ別し、芳香環の残存率Rが6%、酸価6、軟化点90℃のロジンエステル7を164g得た(以下樹脂bと略す)。色調は300ハーゼン(H)であった。
実施例1
エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂(三井デュポンポリケミカル製 商品名EVAFLEX EV210、酢酸ビニル含有率28重量%)80部と製造例1で製造した樹脂a(水素化ロジンエステル)20部を180〜200℃で加熱溶融して混合させた。この溶融混合物を約50mm×20mm×1mmのガラス板上に滴下・圧着させた後、室温まで冷却して凝固させた。ガラス板より突出した余剰部分をカッターで除去して約50mm×20mm、ドライ厚みで1mmの封止材シートを作製した。
実施例2
エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂(三井デュポンポリケミカル製 商品名EVAFLEX EV410、酢酸ビニル含有率19重量%)80部と製造例1で製造した樹脂a(水素化ロジンエステル)20部を180〜200℃で加熱溶融して混合させた。この溶融混合物を約50mm×20mm×1mmのガラス板上に滴下・圧着させた後、室温まで冷却して凝固させた。ガラス板より突出した余剰部分をカッターで除去して約50mm×20mm、ドライ厚みで1mmの封止材シートを作製した。
実施例3〜10
使用するエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂、樹脂aの種類及び量を表1に記載のとおりに代えた他は、実施例1と同様にしてシートを作成した。
比較例1
エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂(三井デュポンポリケミカル製 商品名EV210)100部を180〜200℃で加熱溶融させた。この溶融混合物を約50mm×20mm×1mmのガラス板上に滴下・圧着させた後、室温まで冷却して凝固させた。ガラス板より突出した余剰部分をカッターで除去して約50mm×20mm、ドライ厚みで1mmの封止材シートを作製した。
比較例2
エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂として、三井デュポンポリケミカル製 商品名EV410を使用した以外は、比較例1と同様にシートを作製した。
(密着性の評価)
ガラス板上に圧着・作製した膜厚が約1mmのシートのガラスとの表面密着性を評価した。結果を表1に示す。表1中、「密着性」の項目における「○」はシートがガラスに完全に密着し、指で剥がすことができないことを示し、「×」はシートがガラスから指で容易に剥がれることを示す。
(透明性の評価)
本発明におけるシートの透明性は目視にて、以下のように評価した。結果を表1に示す。
◎:透明
○:少し白濁しているが透明
△:やや白濁(EVA単独レベル)
×:かなり白濁
(耐熱性の評価)
本発明におけるシートの耐熱性は、180℃にて4時間熱した時の着色性を目視にて確認した。
○着色なし。△やや着色がみられる。×着色が著しい。
(耐光性の評価)
本発明におけるシートの耐光性は、耐光性試験機(キセノンランプ照射、HERAEUS社製、SUNTEST耐光性試験機)に入れ、72時間光照射した。その後試験片の着色程度を目視判定した。判定基準は以下の通りである。○着色無し。△やや着色が見られる。×着色が著しい。
Figure 2010219512
表1中の用語は以下を意味する。
EV210:エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂(三井デュポンポリケミカル製 商品名EV210)
EV410:エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂(三井デュポンポリケミカル製 商品名EV410)

Claims (6)

  1. (A)エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂、及び、(B)水素化ロジンエステルを含む太陽電池用封止材シート。
  2. 前記(B)水素化ロジンエステルは、下記(1)式で与えられる芳香環の残存率Rが10%未満である太陽電池用封止材シート。
    芳香環の残存率R(%)=(芳香環のH−ピーク面積/全H−ピーク面積)×100 (1)
    (ここで、芳香環のH−ピーク面積は、水素化ロジンエステルを重クロロホルム中(TMS標準)で測定したH−NMRスペクトル測定により得られる6〜8ppmのH−ピーク面積の総和であり、全H−ピーク面積は、水素基に由来するH−ピーク面積の総和である。)
  3. 芳香環の残存率が1%未満である、請求項2に記載の太陽電池用封止材シート。
  4. 前記(A)エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂100重量部に対して、(B)水素化ロジンエステルを1〜200重量部含有する請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池用封止材シート。
  5. 前記(B)水素化ロジンエステルの軟化点が60〜150℃である請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池用封止材シート。
  6. 前記(B)水素化ロジンエステルの重量平均分子量が600〜3000である請求項1〜5のいずれかに記載の太陽電池用封止材シート。
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