JP2010213115A - 磁気結合型アイソレータ - Google Patents

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洋介 井出
Masaji Saito
正路 斎藤
Akira Takahashi
高橋  彰
Yoshihiro Nishiyama
義弘 西山
Hidekazu Kobayashi
秀和 小林
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Abstract

【課題】 特に、高速応答性を向上させることが可能な磁気結合型アイソレータを提供することを目的としている。
【解決手段】 磁気検出素子R1〜R4は、平面視にて、X1−X2方向への長さ寸法L1がY1−Y2方向への幅寸法T1よりも長い細長部59がY1−Y2方向に間隔を空けて複数配置され、各細長部59の両側端部間が互い違いに連結されたミアンダ形状で形成されている。磁気検出素子R1〜R4を構成する固定磁性層の磁化方向(P方向)は、平面コイルから作用する外部磁界の平面視方向Cを向いている。外部磁界の平面視方向Cからの傾き角度をθとしたとき、細長部59の長手方向の傾き角度θは、72°〜108°の範囲内に規定される。
【選択図】図6

Description

本発明は、磁界発生部と磁気検出素子とを備えて構成される磁気結合型アイソレータに関する。
下記特許文献には磁気結合型アイソレータに関する発明が開示されている。磁気結合型アイソレータは、入力信号を、磁気に変換するための磁界発生部と、前記磁界発生部から生じた外部磁界を検出して電気信号に変換するための磁気検出素子とを有して構成される。そして、その電気信号を信号処理回路を介して出力側に伝送して出力を取り出す。
磁気検出素子としては、ホール素子、AMR素子(異方性磁気検出素子)、あるいは、GMR素子(巨大磁気検出素子)が使用される。
特表2003−526083号公報
図9は、従来における磁気結合型アイソレータの部分平面図、図10(a)は、磁気検出素子の拡大平面図、図10(b)は、磁気検出素子を構成する固定磁性層やフリー磁性層の磁化方向等を示す概念図、である。なお図9では、絶縁層は図示していない。また平面コイル100は、その内縁と外縁のみを図示し、コイル100の真下に配置される4つの磁気検出素子101〜104を透視して示している。
コイル100は平面内にて巻回形成され、X1−X2方向に平行に延びる磁界発生部105,106を備える。図9に示す平面視にて、磁界発生部105,106から発生する外部磁界は、X1−X2方向に直交するY1−Y2方向を向いている。図10(b)に示す符号Bが、前記外部磁界の平面視方向を示している。
図10(a)に示すように、磁気検出素子101〜104は、複数本の細長部107がX1−X2方向に間隔を空けて配置され、細長部107のY1−Y2方向を向く両側端部間が互い違いに連結されてミアンダ形状に形成されている。
したがって、図10(a)に示すように、磁気検出素子101〜104を構成する各細長部107の長手方向は、外部磁界Hの平面視方向Bを向いている。
磁気検出素子101〜104はGMR素子(巨大磁気抵抗効果素子)で形成されており、磁気検出素子101〜104を構成する固定磁性層の磁化方向(P方向)が、図10(b)に示すように、平面コイル100の磁界発生部105,106から発生する外部磁界の平面視方向Bと平行な方向に向けられる。また、無磁場状態でのフリー磁性層の磁化方向は、形状磁気異方性により、固定磁性層の磁化方向(P方向)と同じく外部磁界の平面視方向Bと平行な方向に向けられる。ここで、固定磁性層とフリー磁性層との間で生じる層間結合磁界によりフリー磁性層の磁化方向(F方向)は、固定磁性層の磁化方向(P方向)と同じ方向か、あるいは反対方向を向く。
図11は、従来における磁気検出素子101〜104のR−H波形図を示す。磁気検出素子101〜104は、平面コイル100の磁界発生部105,106から発生する外部磁界に対して、図11に示すようにヒステリシスを持ってしまう。これは、フリー磁性層の磁化反転は磁壁移動が支配的であるためである。
このように磁気検出素子101〜104の電気抵抗変化が平面コイル100からの外部磁界に対してヒステリシスを持つため、外部磁界に対するリニア特性が悪く、高速磁化スイッチングに不利となり、高速応答性を低下させる問題が生じた。
特許文献1のFig.6には、磁気検出素子を全体的にやや傾けた図が示されている。特許文献1の記述からすると、特許文献1では、図10に示す磁気検出素子101〜104の細長部107を、平面コイル100から発生する外部磁界の平面視方向Bから0°〜15°の範囲内で傾けている。
しかしながら、傾き角度を0°〜15°としても依然として、図11と同様にR−H波形に大きなヒステリシスを持ち(後述する実験では、フリー磁性層の保磁力Hcが大きいことで証明されている)、高速応答性を十分に改善することが出来ない。
そこで本発明は上記従来課題を解決するためのものであり、特に、高速応答性を向上させることが可能な磁気結合型アイソレータを提供することを目的としている。
本発明における磁気結合型アイソレータは、平面内にて巻回形成され、入力信号により外部磁界を発生させるための平面コイルと、前記平面コイルと電気的に絶縁されるとともに磁気的結合が可能な位置に配置され、前記外部磁界を検出して電気信号に変換するための磁気検出素子と、を有し、
前記平面コイルは、前記平面内のX1−X2方向に平行に延びる磁界発生部を備え、
前記磁気検出素子は、高さ方向へ平行に切断した断面において、磁化方向が一方向に固定された固定磁性層と、前記固定磁性層に非磁性層を介して形成され前記外部磁界により磁化方向が変動するフリー磁性層とを有する積層部分を備えるとともに、平面視にて、前記平面内の一方向への幅寸法がT1、前記平面内にて前記一方向に対し直交する方向への長さ寸法がL1で形成され、前記長さ寸法L1が前記幅寸法T1よりも長く形成された細長部が前記一方向に間隔を空けて複数配置され、各細長部の両側端部間が互い違いに連結されたミアンダ形状で形成されており、
前記固定磁性層の磁化方向は、前記磁界発生部から作用する前記外部磁界の平面視方向を向いており、
前記外部磁界の平面視方向からの前記平面内への傾き角度をθとしたとき、前記細長部の長手方向の傾き角度θは、72°〜108°の範囲内に規定されることを特徴とするものである。
上記の構成により、フリー磁性層の磁化反転はスピン回転が支配的になり、R−H波形上でのヒステリシスが小さくなり、外部磁界に対するリニア特性を向上できる。よって、高速応答性を向上させることができる。
本発明では、前記細長部の長手方向の傾き角度θは、85°〜95°の範囲内に規定されることが好ましい。また、前記細長部の長手方向の傾き角度θは、略90°であり、前記細長部の長手方向が、前記X1−X2方向に略平行に向けられていることがより好ましい。これにより、R−H波形上でのヒステリシスをほぼ無くすことができ、高速応答性をより効果的に向上させることができる。
また本発明では、前記磁気検出素子が複数設けられてブリッジ回路を構成しており、
前記固定磁性層の磁化方向と、前記フリー磁性層の磁化方向とが無磁場状態にて直交状態にあることが好ましい。
上記のように、無磁場状態にて固定磁性層の磁化方向とフリー磁性層の磁化方向とが直交状態にあると、無磁場状態での磁気検出素子の電気抵抗値をほぼ中間値Rc(最大値Rmaxと最小値間Rminの真ん中の値)にできるため、ブリッジ回路の電位を無磁場状態にて中点電位に合わせやすく、信号伝送の信頼性を向上させることができる。
本発明の磁気結合型アイソレータによれば、高速応答性を向上させることができる。
本実施形態の磁気結合型アイソレータ(磁気カプラ)の全体の回路構成図、 磁気検出素子R1〜R4にて構成されるブリッジ回路図、 本実施形態における磁気結合型アイソレータの部分平面図、 図3に示すA−A線に沿って厚さ方向に切断し矢印方向から見た部分断面図、 本実施形態の磁気検出素子の拡大縦断面図、 (a)は本実施形態の磁気検出素子の拡大平面図、(b)は、固定磁性層及びフリー磁性層の磁化方向、外部磁界の平面視方向、さらには外部磁界の平面視方向からの細長部の長手方向の傾き角度θを示す概念図、 本実施形態における磁気検出素子のR−H波形図、 細長部の長手方向の傾き角度θと、フリー磁性層の保磁力とを関係を示すグラフであり(b)は(a)の一部を拡大したグラフ、 従来における磁気結合型アイソレータの部分平面図、 (a)は従来例の磁気検出素子の拡大平面図、(b)は、固定磁性層及びフリー磁性層の磁化方向、外部磁界の平面視方向を示す概念図、 従来における磁気検出素子のR−H波形図、
図1は、本実施形態の磁気結合型アイソレータ(磁気カプラ)の全体の回路構成図、図2は、磁気検出素子R1〜R4にて構成されるブリッジ回路図、図3は本実施形態における磁気結合型アイソレータの部分平面図、図4は、図3に示すA−A線に沿って厚さ方向に切断し矢印方向から見た部分断面図、図5は、本実施形態の磁気検出素子の拡大縦断面図、図6(a)は、本実施形態における磁気検出素子の拡大平面図、(b)は、磁気検出素子を構成する固定磁性層及びフリー磁性層の磁化方向、平面コイルから磁気検出素子に作用する外部磁界の平面視方向、さらには、前記外部磁界の平面視方向からの磁気検出素子の細長部の傾き角度θを示す概念図、である。
なお図3では、絶縁層を図示せず、また平面コイル2の内縁及び外縁のみを示し、平面コイル2下に位置する磁気検出素子R1〜R4を透視して示した。
図1に示すように磁気結合型アイソレータ1は、平面コイル2と、磁気検出素子R1〜R4とを有して構成される。平面コイル2と各磁気検出素子R1〜R4は絶縁層を介して電気的に絶縁されているが、磁気的結合が可能な間隔を空けて配置される。
平面コイル2は図3のように、X1−X2方向に帯状に延びる第1磁界発生部3と第2磁界発生部4を有する。第1磁界発生部3と第2磁界発生部4は図示Y1−Y2方向に間隔を空けて対向している。第1磁界発生部3と第2磁界発生部4は連結部17,18を介して連結されている。連結部17,18は、湾曲状となっているが形態を限定するものではない。第1磁界発生部3、第2磁界発生部4、及び連結部17,18に囲まれて空間部19が形成されている。
図4に示すように平面コイル2は、幅寸法T3で形成されたコイル片6が所定の間隔T2を空けて、複数回、平面内にて巻回形成された形状である。よって、図4に示すように、第1磁界発生部3及び第2磁界発生部4は、複数本のX1−X2方向に延びるコイル片6がY1−Y2方向に並設された構成となっている。
平面コイル2に接続される2つの電極パッド5,9が設けられている。電極パッド5,9は円形状であるが特に形状を限定するものではない。さらに平面コイル2は電極パッド5,9を介して図1に示すように送信回路7に接続されている。送信回路7から入力信号に基づく電流が流れると、平面コイル2から外部磁界が発生する。図4に示すように第1磁界発生部3を構成するコイル片6、及び第2磁界発生部4を構成するコイル片6では電流の流れる向きが逆である。よって、第1磁界発生部3を構成するコイル片6により発生する外部磁界H1と、第2磁界発生部4を構成するコイル片6により発生する外部磁界H2は逆向きである。図3、図4に示すように第1磁界発生部3の真下(真上でもよい)、及び第2磁界発生部の真下(真上でもよい)には、夫々磁気検出素子R1〜R4が絶縁層8を介して対向配置されている。そして、第1磁界発生部3と対向配置された第1磁気検出素子R1及び第4磁気検出素子R4に第1磁界発生部3より作用する外部磁界H1と、第2磁界発生部4と対向配置された第2磁気検出素子R2及び第3磁気検出素子R3に前記第2磁界発生部4より作用する外部磁界H2は反平行となる。なお、磁気検出素子R1〜R4の形成位置は、磁界発生部3,4の真上、真下以外の位置であってもよい。
図4に示すように、基板50上に絶縁下地層51が形成され、絶縁下地層51上に各磁気検出素子R1〜R4が形成される。絶縁下地層51はAl23やSiO2等である。また図4に示すように各磁気検出素子R1〜R4上は絶縁層8で覆われ、絶縁層8の平坦化面8a上に平面コイル2が形成される。さらに平面コイル2上が絶縁層52で覆われる。絶縁層8,52は、無機絶縁材料で形成されても有機絶縁材料で形成されてもどちらでもよい。
図2に示すように第1磁気検出素子R1と第2磁気検出素子R2は直列接続され、第3磁気検出素子R3と第4磁気検出素子R4は直列接続されている。
図2に示すように第1磁気検出素子R1と第3磁気検出素子R3は入力端子(入力パッド)10に接続されている。
また第2磁気検出素子R2と第4磁気検出素子R4は夫々、別々のグランド端子(グランドパッド)11,12に接続されている。よって、この実施形態ではグランド端子11,12は2つある。ただしグランド端子は共通にしてもよい。
図2に示すように、第1磁気検出素子R1と第2磁気検出素子R2の間には第1出力端子(第1出力パッド,OUT1)13が接続されており、第3磁気検出素子R3と第4磁気検出素子R4の間には第2出力端子(第2出力パッド,OUT2)14が接続されている。
図1,図2に示すように、第1出力端子13及び第2出力端子14の出力側が差動増幅器15に接続されている。
そして図1に示すように差動増幅器15の出力側は、外部出力端子16に接続されている。
図5に示すように、本実施形態における磁気検出素子R1〜R4は、下から下地層53、反強磁性層54、固定磁性層55、非磁性層56、フリー磁性層57及び保護層58の順に積層された積層構造で形成される。
反強磁性層54は、例えば、元素α(ただしαは、Pt,Pd,Ir,Rh,Ru,Osのうち1種または2種以上の元素である)とMnとを含有する反強磁性材料で形成される。
固定磁性層55は、反強磁性層54との界面で生じる交換結合磁界(Hex)により例えば図示Y1方向に磁化固定されている。また図5では、固定磁性層55は、CoFe等の単層構造であるが、積層構造、特に磁性層/非磁性中間層/磁性層で形成された積層フェリ構造であることが、固定磁性層55の磁化固定力を大きくでき好適である。
非磁性層56はCu等で形成される。フリー磁性層57は、NiFe等の磁性層を有して形成されている。フリー磁性層57の磁化方向(F方向)は固定されておらず外部磁界により変動する。保護層58はTa等の非磁性金属材料で形成される。
図6(a)の平面図に示すように、各磁気検出素子R1〜R4は、X1−X2方向の長さ寸法L1がY1−Y2方向の幅寸法T1より長い細長部59が、Y1−Y2方向に間隔を空けて複数配列され、各細長部59のX1−X2方向を向く両側端部が互い違いに連結されたミアンダ形状で形成される。ただし細長部59は1つでもよい。
図6(a)に示す実施形態では、細長部59の長さ寸法L1を、湾曲した連結部60を除いた残りの部分で規定している。幅寸法T1は5μm以下で、長さ寸法L1は幅寸法T1の2倍以上、好ましくは10倍以上であると後述する形状異方性を大きくでき好適である。
平面コイル2の第1磁界発生部3からは図4に示す外部磁界H1が生じ、第2磁界発生部4からは図4に示す外部磁界H2が生じる。第1磁界発生部3及び第2磁界発生部4はともにX1−X2方向に平行に延びる形態であり、第1磁界発生部3を構成するX1−X2方向に延びるコイル片6に電流が流れることで発生する外部磁界H1、及び第2磁界発生部4を構成するX1−X2方向に延びるコイル片6に電流が流れることで発生する外部磁界H2はともに平面視にてY1−Y2方向を向いている。図6(b)では外部磁界H1,H2の平面視方向をCで示している。
本実施形態では、磁気検出素子R1〜R4の固定磁性層55の磁化方向(P方向)は、図5、図6(b)に示すように前記外部磁界H1,H2の平面視方向Cを向いている。
フリー磁性層57の磁化方向(F方向)は、無磁場状態(外部磁界が作用していない状態)で、固定磁性層55の磁化方向(P方向)と直交状態にある。よってフリー磁性層57の磁化方向(F方向)は、X1−X2方向を向いている。このように無磁場状態では固定磁性層55の磁化方向(P方向)とフリー磁性層57の磁化方向(F方向)は直交状態にあるため、無磁場状態での磁気検出素子R1〜R4の電気抵抗値は中間値Rc(最大値Rmaxと最小値Rmin間の真ん中の値)となる。そして、外部磁界H1,H2の作用により、フリー磁性層57の磁化方向(F方向)は、Y1方向、あるいはY2方向を向く。フリー磁性層57の磁化方向(F方向)がY1方向を向いたとき、固定磁性層55の磁化方向(P方向)とフリー磁性層57の磁化方向(F方向)は平行状態になり、電気抵抗値が中間値Rcから最小値Rminに変化する。一方、フリー磁性層57の磁化方向(F方向)がY2方向を向いたとき、固定磁性層55の磁化方向(P方向)とフリー磁性層57の磁化方向(F方向)は反平行状態になり、電気抵抗値が中間値Rcから最大値Rmaxに変化する。
このように固定磁性層55の磁化方向(P方向)を、外部磁界H1,H2の平面視方向Cと平行に向け、且つ無磁場状態にて固定磁性層55の磁化方向(P方向)とフリー磁性層57の磁化方向(F方向)とを直交状態にすることで、外部磁界H1,H2が作用したときに、磁気検出素子R1〜R4の電気抵抗値の変化をフルレンジで変動させることが出来る。
外部磁界H1,H2の平面視方向Cから平面内(X−Y面内)への傾き角度をθとしたとき、図6に示す実施形態では、細長部59の長手方向の傾き角度θが略90°である。すなわち細長部59の長手方向はX1−X2方向に略平行に向けられている。
図6(a)の実施形態では、細長部59の長手方向がX1−X2方向に向けられているためフリー磁性層57の磁化方向(F方向)は形状異方性により磁化容易軸方向であるX1−X2方向に向きやすくなる。そして、上記したように、外部磁界H1,H2の平面視方向Cは、Y1−Y2方向であり、固定磁性層55の磁化方向(P方向)は外部磁界H1,H2の平面視方向Cを向いている。このような固定磁性層55及びフリー磁性層57の磁化方向と、外部磁界H1,H2の平面視方向Cとの関係により、フリー磁性層57の磁化反転はスピン回転が支配的になり、図7に示すR−H波形上にてヒステリシスがほとんど発生しない。すなわち外部磁界H1,H2に対するリニア特性が向上し、これにより、従来に比べて高速応答性を向上させることが可能になる。
本実施形態では細長部59の長手方向の傾き角度θは、72°〜108°の範囲内に規定される。これにより、図8に示すように、フリー磁性層57の保磁力Hcを2Oe以下に抑えることが出来る。図8(b)は、図8(a)の一部を拡大して示したグラフである。ここで、ヒステリシスループの広がり幅は2×保磁力Hcで示される(図11参照)。よって保磁力Hcが小さいことはヒステリシスが小さいことを意味する。
図8では、以下の膜構成を用いてフリー磁性層の保磁力Hcの実験を行った。
実験では、下からTa(30)/NiFeCr(60)/PtMn(200)/Co90at%Fe10at%(17)/Ru(9)/Co90at%Fe10at%(20)/Cu(20)/Co90at%Fe10at%(10)/Ni81at%Fe19at%(50)/Ta(80)の順に積層した。フリー磁性層は、Co90at%Fe10at%(10)/Ni81at%Fe19at%(50)の2層構造である。なお括弧内の数値は膜厚を示し単位はÅである。
また、幅寸法T1が3μmで、長さ寸法L1が50μmの細長部59を5本並列に設けたミアンダ形状で磁気検出素子R1〜R4を形成した。固定磁性層55の磁化方向(P方向)はY1−Y2方向であり、フリー磁性層57の磁化方向(F方向)は、細長部59の長手方向である。そして外部磁界をY1−Y2方向に与え、細長部59の長手方向の傾き角度θに対するフリー磁性層57の保磁力Hcを求めた。
図8に示すように、細長部59の長手方向の傾き角度θを90°に近づけることでフリー磁性層57の保磁力Hcは徐々に小さくなることがわかった。
本実施形態では、細長部59の長手方向の傾き角度θは、図8に85°〜95°の範囲内に規定されることが好ましく、図6に示したように、細長部59の長手方向の傾き角度θが、略90°であると、フリー磁性層57の保磁力Hcがほぼ0Oeになり、図7のR−H波形に示すようにほとんどヒステリシスが生じないように出来る。
また本実施形態では、図2,図3に示すように4つの磁気検出素子R1〜R4を用いてブリッジ回路を構成し、また無磁場状態において、固定磁性層55の磁化方向(P方向)とフリー磁性層57の磁化方向(F方向)とを直交させている。これにより、無磁場状態での磁気検出素子R1〜R4の電気抵抗値をほぼ中間値Rcにできるため、ブリッジ回路の出力端子13,14の電位を無磁場状態にて中点電位に合わせやすい。このため、外部出力端子16から得られる信号を、外部磁界の変動に合わせて高精度に出力でき、信号伝送の信頼性を向上させることができる。
本実施形態では、細長部59の長手方向における傾き角度θを72°〜108°に規定している。したがって図6の状態から細長部59がやや傾いた状態を含む。このとき、無磁場状態にて、フリー磁性層57の磁化方向(F方向)が形状異方性により細長部59の長手方向を向いているとすると、外部磁界の平面視方向Cと同方向を向く固定磁性層55の磁化方向(P方向)とは直交状態にならなくなる。このため、例えばバイアス層を設けて、フリー磁性層57にバイアス磁界を与え、無磁場状態にて、固定磁性層55の磁化方向(P方向)とフリー磁性層57の磁化方向(F方向)とが直交状態になるように調整することも可能である。
R1〜R4 磁気検出素子
1 磁気結合型アイソレータ
2 平面コイル
3 第1磁界発生部
4 第2磁界発生部
6 コイル片
7 送信回路
8 絶縁層
50 基板
54 反強磁性層
55 固定磁性層
56 非磁性層
57 フリー磁性層
59 細長部
60 連結部

Claims (4)

  1. 平面内にて巻回形成され、入力信号により外部磁界を発生させるための平面コイルと、前記平面コイルと電気的に絶縁されるとともに磁気的結合が可能な位置に配置され、前記外部磁界を検出して電気信号に変換するための磁気検出素子と、を有し、
    前記平面コイルは、前記平面内のX1−X2方向に平行に延びる磁界発生部を備え、
    前記磁気検出素子は、高さ方向へ平行に切断した断面において、磁化方向が一方向に固定された固定磁性層と、前記固定磁性層に非磁性層を介して形成され前記外部磁界により磁化方向が変動するフリー磁性層とを有する積層部分を備えるとともに、平面視にて、前記平面内の一方向への幅寸法がT1、前記平面内にて前記一方向に対し直交する方向への長さ寸法がL1で形成され、前記長さ寸法L1が前記幅寸法T1よりも長く形成された細長部が前記一方向に間隔を空けて複数配置され、各細長部の両側端部間が互い違いに連結されたミアンダ形状で形成されており、
    前記固定磁性層の磁化方向は、前記磁界発生部から作用する前記外部磁界の平面視方向を向いており、
    前記外部磁界の平面視方向からの前記平面内への傾き角度をθとしたとき、前記細長部の長手方向の傾き角度θは、72°〜108°の範囲内に規定されることを特徴とする磁気結合型アイソレータ。
  2. 前記細長部の長手方向の傾き角度θは、85°〜95°の範囲内に規定される請求項1記載の磁気結合型アイソレータ。
  3. 前記細長部の長手方向の傾き角度θは、略90°であり、前記細長部の長手方向が、前記X1−X2方向に略平行に向けられている請求項2記載の磁気結合型アイソレータ。
  4. 前記磁気検出素子が複数設けられてブリッジ回路を構成しており、
    前記固定磁性層の磁化方向と、前記フリー磁性層の磁化方向とが無磁場状態にて直交状態にある請求項1ないし3のいずれか1項に記載の磁気結合型アイソレータ。
JP2009058626A 2009-03-11 2009-03-11 磁気結合型アイソレータ Withdrawn JP2010213115A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015232473A (ja) * 2014-06-09 2015-12-24 Dmg森精機株式会社 位置検出装置

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