JP2010210407A - 角速度センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】 2軸周りの角速度を高精度かつ高感度に検出する。
【解決手段】 基板2の表面には、駆動質量部4〜7を基板2から離間して設ける。駆動質量部4〜7は中心点Oに対して点対称な位置に配置する。駆動質量部4〜7は連結梁8を用いて互いに連結すると共に、連結梁8には検出部13〜16を接続する。検出部13〜16は、2軸方向に捩れ変形する検出梁17〜20を用いて基板2上の支持部3に支持される。そして、周方向で隣合う駆動質量部4〜7は、振動発生部9〜12によって互いに逆位相で振動する。この状態で、角速度Ω1,Ω2が加わると、検出部13〜16は、X軸、Y軸を中心として基板2の厚さ方向に変位して振動する。変位検出部21〜24は、検出部13〜16の厚さ方向の変位を検出する。
【選択図】 図1
【解決手段】 基板2の表面には、駆動質量部4〜7を基板2から離間して設ける。駆動質量部4〜7は中心点Oに対して点対称な位置に配置する。駆動質量部4〜7は連結梁8を用いて互いに連結すると共に、連結梁8には検出部13〜16を接続する。検出部13〜16は、2軸方向に捩れ変形する検出梁17〜20を用いて基板2上の支持部3に支持される。そして、周方向で隣合う駆動質量部4〜7は、振動発生部9〜12によって互いに逆位相で振動する。この状態で、角速度Ω1,Ω2が加わると、検出部13〜16は、X軸、Y軸を中心として基板2の厚さ方向に変位して振動する。変位検出部21〜24は、検出部13〜16の厚さ方向の変位を検出する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば1つの振動体で2軸方向の角速度を検出するのに好適に用いられる角速度センサに関する。
一般に、角速度センサとして、基板上に複数の質量部を備えたものが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。特許文献1には、基板上の中心点を取囲む円周に沿って4つの質量部を設けると共に、これら4つの質量部を直交する2軸に沿って対称となる位置に配置した構成が開示されている。この場合、4つの質量部は円周方向に駆動振動する。この状態で基板の垂直軸周りの角速度が作用したときには、4つの質量部がコリオリ力によって径方向に変位する。このため、特許文献1の角速度センサは、4つの質量部の径方向の変位を検出することによって、1軸周りの角速度を検出するものである。
特許文献2には、基板上の中心点を取囲む円周に沿って4つの質量部を設けると共に、これら4つの質量部を中心点から延びる梁の先端に取付けた構成が開示されている。この場合、4つの質量部は円周方向に駆動振動すると共に、周方向で隣合う質量部は互いに逆方向に振動する。この状態で基板の表面と平行な2軸周りの角速度が作用したときには、4つの質量部がコリオリ力によって基板の垂直方向(厚さ方向)に変位する。このため、特許文献2の角速度センサは、4つの質量部の垂直方向の変位を検出することによって、2軸周りの角速度を検出するものである。
特許文献3には、2つの質量部を基板上の横方向に並んで配置すると共に、これら2つの質量部を取囲んで円環状のフレームを設けた構成が開示されている。この場合、フレームは2つの質量部に接続されている。また、2つの質量部はリンク装置を用いて連結されると共に、基板の垂直方向で互いに逆方向に振動する。この状態で質量部が並んだ方向の軸周りに角速度が作用したときには、質量部に作用したコリオリ力によってフレームが周方向に回転振動する。このため、特許文献3の角速度センサは、フレームの周方向の変位を検出することによって、1軸周りの角速度を検出するものである。
ところで、特許文献1の角速度センサは、1軸周りの角速度を検出する構成となっている。このため、2軸周りの角速度を検出するために、2つの角速度センサを使用する必要があり、製造コストが増大するという問題がある。
一方、特許文献2の角速度センサは、2軸周りの角速度を検出する構成となっている。しかし、この角速度センサは、コリオリ力による質量部の変位を検出するものの、この質量部自体が駆動振動している。このため、例えば質量部の加工ばらつき等によって駆動振動の変位が検出方向にぶれた場合には、角速度が作用していないとき(静止時)でも、変位の検出部分に大きな信号(ノイズ信号)が発生する。静止時にも発生するこのノイズ信号は、コリオリ力による信号との位相の違いを利用することによって分離することも可能である。しかし、ノイズ信号によって同期検波前の増幅率が制限されてしまい、信号処理の後半で大きな増幅が必要になり、相対的にノイズが大きくなる。また、同期検波による位相誤差によって、ノイズ信号に伴う大きなオフセット出力が発生する。さらに、このオフセット出力が温度変化することによるドリフトを引き起こし、角速度の検出精度が低下するという問題がある。
また、特許文献3の角速度センサは、駆動振動に検出部であるフレームが動かない構成となっているから、静止時に駆動振動による信号が発生することはない。しかし、質量部は基板の垂直方向に対して駆動振動する構成となっているから、大きな駆動振幅を確保することが難しく、角速度の検出感度が低くなる傾向がある。また、1軸周りの角速度を検出する構成となっているから、2軸周りの角速度を検出するために、2つの角速度センサを使用する必要があり、製造コストが増大するという問題もある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、2軸周りの角速度を高精度かつ高感度に検出することができる角速度センサを提供することにある。
上述した課題を解決するために、請求項1の発明に係る角速度センサは、基板と、該基板と隙間をもって対向し、中心部に対して点対称な位置に配置された4つの駆動質量部と、前記4つの駆動質量部の支点近傍を互いに連結し、前記基板と平行な状態で中心部側に位置する支点周りに該各駆動質量部を振動可能に支持する連結梁と、前記4つの駆動質量部を前記支点を中心として中心部を取囲む周方向に向けて振動させる駆動手段と、前記4つの駆動質量部の間にそれぞれ位置して前記連結梁に接続された4つの検出部と、前記基板の中心部に位置する固定部と前記連結梁との間を接続し、前記基板と平行な2つの軸周りに前記連結梁、駆動質量部および検出部を振動可能に支持する検出梁と、前記4つの検出部が2つの軸周りに振動したときに、前記各検出部が前記基板の厚さ方向に変位するのをそれぞれ検出する4つの変位検出手段とによって構成している。
請求項2の発明では、前記検出梁は、前記基板と平行な2つの軸のうち一方の軸周りに捩れ変形する第1の捩れ支持梁と、該第1の捩れ支持梁に接続され他方の軸周りに捩れ変形する第2の捩れ支持梁とによって構成している。
請求項3の発明では、前記変位検出手段は、前記検出部に設けられ前記基板の厚さ方向に変位する櫛歯形状をなす可動側検出電極と、該可動側検出電極と前記基板の厚さ方向に位置ずれした状態で該可動側検出電極と噛合して固定された櫛歯形状をなす固定側検出電極とによって構成している。
請求項1の発明によれば、4つの駆動質量部は中心部に対して点対称な位置に配置されているから、2つの駆動質量部は中心部を挟んで互いに対向すると共に、残余の2つの駆動質量部も中心部を挟んで互いに対向する。このとき、2つの駆動質量部と残余の2つの駆動質量部とは、互いに異なる位置に配置される。このため、例えば基板がX軸およびY軸に平行なX−Y平面に沿って広がっているときには、2つの駆動質量部は中心部を通る1本の線として例えばX軸から45°傾斜した駆動軸Aに沿って配置されると共に、残余の2つの駆動質量部は中心部を通る他の線として例えば駆動軸Aと直交した駆動軸Bに沿って配置される。また、4つの駆動質量部は中心部を取囲む周方向に沿って振動するから、例えば駆動軸Aに沿って配置された2つの駆動質量部は駆動軸B方向に振動し、駆動軸Bに沿って配置された2つの駆動質量部は駆動軸A方向に振動する。
一方、4つの駆動質量部には連結梁を用いて検出部が接続されると共に、該検出部は基板と平行な2つの検出軸として例えば駆動軸A,Bから45°傾斜したX軸およびY軸周りに振動可能となっている。このとき、検出部の2つの検出軸は、X軸、Y軸に限らず、例えば駆動軸A,Bと同じ軸でもよく、駆動軸A,BやX軸、Y軸から傾斜した2つの軸(傾斜軸)でもよい。
そして、一方の検出軸としてX軸周りの角速度が作用すると、駆動軸B方向に振動する駆動質量部には、X軸周りの角速度のうち駆動軸A周りの成分が作用し、この成分に応じてZ軸方向(基板の厚さ方向)に向かうコリオリ力が発生する。同様に、駆動軸A方向に振動する駆動質量部には、X軸周りの角速度のうち駆動軸B周りの成分が作用し、この成分に応じてZ軸方向(基板の厚さ方向)に向かうコリオリ力が発生する。
また、他方の検出軸としてY軸周りの角速度が作用すると、駆動軸B方向に振動する駆動質量部には、Y軸周りの角速度のうち駆動軸A周りの成分が作用し、この成分に応じてZ軸方向(基板の厚さ方向)に向かうコリオリ力が発生する。同様に、駆動軸A方向に振動する駆動質量部には、Y軸周りの角速度のうち駆動軸B周りの成分が作用し、この成分に応じてZ軸方向(基板の厚さ方向)に向かうコリオリ力が発生する。
そして、4つの駆動質量部に作用したコリオリ力は連結梁を介して検出部に伝わるから、検出部は2つの検出軸(X軸、Y軸)を中心として揺動する。また、周方向で隣合う駆動質量部を互いに逆方向に振動させることによって、検出部には中心部を挟んでZ軸方向に逆向きの力が作用する。この結果、X−Y平面上の2つの検出軸周りに作用する角速度に応じて、検出部は2つの検出軸周りに振動する。従って、変位検出手段を用いて検出部が基板の厚さ方向に変位するのを検出することによって、2つの検出軸周りに作用する角速度を検出することができる。これにより、1つの軸周りのセンサを2個用いた場合に比べて、製造コストを低減することができる。
また、4つの駆動質量部は中心部に対して点対称な位置に配置されているから、周方向で互いに隣合う駆動質量部を逆方向(逆位相)に振動させることによって、4つの駆動質量部全体の重心位置を固定することができると共に、4つの駆動質量部全体に生じる周方向の回転トルクを相殺することができる。このとき、連結梁は4つの駆動質量部の支点近傍を互いに連結するから、例えば4つの駆動質量部に加工ばらつきが生じたときでも、各駆動質量部は、駆動振幅および位相が揃った状態で振動する。この結果、4つの駆動質量部全体の重心位置の変動や回転トルクを確実に小さくすることができ、駆動質量部の駆動振動が基板に漏れるのを抑制することができる。
また、駆動質量部に作用するコリオリ力は連結梁を通じて検出部に伝わる構成としたから、検出部は、駆動振動せず、コリオリ力によってのみ変位する。このため、例えば加工ばらつきによって駆動質量部が基板の垂直方向(厚さ方向)にぶれた(傾いた)状態で振動した場合でも、検出部はぶれない。従って、変位検出手段は、駆動質量部のぶれの影響を受けることなく、検出部の変位を検出することができる。これにより、変位検出手段が変位の検出信号を出力したときには、この検出信号に対するノイズ、オフセット出力および出力の温度変化を小さくすることができ、センサの検出精度を向上することができる。
また、駆動質量部は基板と平行な状態で振動するから、基板と垂直な方向に振動させる場合に比べて、駆動振幅を大きくすることができる。このため、駆動質量部に作用するコリオリ力を大きくすることができるから、コリオリ力による検出部の変位も大きくすることができ、角速度の検出感度を高めることができる。
さらに、連結梁、駆動質量部および検出部は検出梁を介して基板の中心部に位置する固定部で支持する構成とした。このため、例えば基板の角隅に設けた複数の固定部で支持した場合に比べて、駆動質量部や検出部の振動は、基板の歪みの影響を受け難く、温度特性等を安定化することができる。
請求項2の発明によれば、検出梁は一方の軸周りに捩れ変形する第1の捩れ支持梁と、該第1の捩れ支持梁に接続され他方の軸周りに捩れ変形する第2の捩れ支持梁とによって構成したから、検出梁は、基板と平行な2つの軸周りに連結梁、駆動質量部および検出部を振動可能に支持することができる。
また、例えばシリコン材料等を基板の垂直方向に加工することによって第1,第2の捩れ支持梁を形成することができ、容易に加工することができる。また、第1,第2の捩れ支持梁は厚さに対して幅が小さいので、これらのばね定数は幅寸法の3乗に比例して変動するが、これは連結梁と同じである。従って、幅寸法の加工ばらつきが駆動モードと検出モードの共振周波数差に与える影響を小さくすることができ、センサの感度ばらつきを小さくすることができる。
請求項3の発明によれば、変位検出手段は互いに噛合した可動側検出電極および固定側検出電極によって構成した。これにより、基板と平行な2つの検出軸周りに角速度が作用したときには、検出部の可動側検出電極は、基板と平行な2つの検出軸周りに振動し、基板の厚さ方向に変位する。このため、角速度に応じて可動側検出電極と固定側検出電極との間の対向面積が変化するから、4つの可動側検出電極と固定側検出電極との間の静電容量を検出することによって、2つの検出軸周りの角速度を検出することができる。
また、変位検出手段は互いに噛合した可動側検出電極および固定側検出電極によって構成したから、可動側検出電極が変位可能な厚さ方向には電極等を設ける必要がなく、十分な空間を確保することができる。このため、例えば変位検出手段を厚さ方向に離間した2枚の平板状電極を用いて構成した場合に比べて、電極同士の接着(スティッキング)が生じることがなく、生産性、信頼性を高めることができる。
さらに、可動側検出電極および固定側検出電極は基板の厚さ方向に位置ずれした状態で配置したから、例えば可動側検出電極が厚さ方向の一側に変位したときには固定側検出電極との間の対向面積が増加し、可動側検出電極が厚さ方向の他側に変位したときには固定側検出電極との間の対向面積が減少する。このため、変位検出手段が可動側検出電極と固定側検出電極との間の静電容量に応じた検出信号を出力したときには、この検出信号は、駆動質量部と異なる位相で同期した可動側検出電極の振動周期に対応して変化する。このため、駆動質量部の振動状態をモニタしたモニタ信号を用いて検出信号を同期検波することができ、他の周波数のノイズを容易に除去することができる。
以下、本発明の実施の形態による角速度センサについて、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
まず、図1ないし図10は第1の実施の形態による角速度センサ1を示している。図において、角速度センサ1は、基板2、駆動質量部4〜7、連結梁8、振動発生部9〜12、検出部13〜16、検出梁17〜20、変位検出部21〜24、振動モニタ部29〜32等によって構成されている。
基板2は、角速度センサ1のベース部分を構成している。そして、基板2は、例えばガラス材料等により四角形の平板状に形成され、互いに直交するX軸,Y軸およびZ軸方向のうち、例えばX軸およびY軸方向に沿って水平に延びている。
また、基板2上には、例えば導電性を有する低抵抗なシリコン材料等にエッチング加工を施すことによって、支持部3、駆動質量部4〜7、連結梁8、検出部13〜16、検出梁17〜20等が形成されている。
支持部3は、基板2の表面に固定して設けられた固定部を構成している。また、支持部3は、基板2の中央側に位置して例えば四角形の島状に形成されている。そして、支持部3の周囲には、駆動質量部4〜7、連結梁8、検出部13〜16および検出梁17〜20が基板2から浮いた状態で設けられ、支持部3を介してグランドに接続されている。このとき、後述する振動発生部9〜12の可動側駆動電極9A〜12A、変位検出部21〜24の可動側検出電極21A〜24A等も、支持部3を介してグランドに接続されている。
駆動質量部4〜7は、基板2の表面と隙間をもって対向し、支持部3が設けられた中心部(中心点O)に対して点対称な位置に配置されている。また、駆動質量部4〜7は、中心点Oを取囲む周方向に対して90°毎に互いに等間隔で配置されている。このため、駆動質量部4,5は、X軸から45°傾斜した駆動軸Aに沿って配置され、中心点Oを挟んで互いに対向している。一方、駆動質量部6,7は、X軸から−45°傾斜して駆動軸Aと直交した駆動軸Bに沿って配置され、中心点Oを挟んで互いに対向している。
また、駆動質量部4〜7は、例えば略四角形状に形成されている。そして、駆動質量部4〜7のうち四角形の角隅部分は、径方向に対して中心点O側(内径側)に位置している。そして、駆動質量部4〜7の頂点部分(角隅部分)は、後述の連結梁8に接続されると共に、駆動質量部4〜7が駆動振動するときの支点4A〜7Aとなっている。
連結梁8は、駆動質量部4〜7の支点4A〜7Aの近傍を互いに連結する。具体的には、連結梁8は、例えば略四角形の細長い枠状に形成され、90°間隔で配置された4つの頂点部分(角隅部分)が支点4A〜7Aに接続されている。そして、駆動質量部4〜7が駆動振動したときに、連結梁8全体が撓み変形する。これにより、連結梁8は、各駆動質量部4〜7の駆動振幅および位相が一致するように調整する。
なお、連結梁8は、四角形状に限らず、他の多角形状に形成してもよい。この場合、連結梁8は、例えば八角形状や十二角形状等のように、4の倍数の角を有する多角形状に形成するのが好ましい。また、連結梁8は、角形状に限らず、円形状でもよい。
振動発生部9〜12は、駆動質量部4〜7をそれぞれ駆動振動する駆動手段を構成している。そして、振動発生部9〜12は、駆動質量部4〜7の外縁側に取付けられた可動側駆動電極9A〜12Aと、基板2上の固定された固定側駆動電極9B〜12Bとによって構成されている。
ここで、可動側駆動電極9Aは、例えば駆動質量部4のうち駆動軸Aと直交する方向(駆動軸B方向)の一側に設けられた櫛歯状電極によって構成され、該櫛歯状電極には長さ方向に間隔をもって複数の電極板が配置されている。
また、可動側駆動電極10Aも、可動側駆動電極9Aと同様に、櫛歯状電極によって構成されている。但し、可動側駆動電極10Aは、駆動質量部5のうち駆動軸Aと直交する方向の他側に配置されている。これにより、可動側駆動電極9Aと可動側駆動電極10Aとは、中心点Oに対して点対称な位置に配置されている。
一方、可動側駆動電極11Aは、例えば駆動質量部6のうち駆動軸Bと直交する方向(駆動軸A方向)の一側に設けられた櫛歯状電極によって構成され、該櫛歯状電極には長さ方向に間隔をもって複数の電極板が配置されている。
また、可動側駆動電極12Aも、可動側駆動電極11Aと同様に、櫛歯状電極によって構成されている。但し、可動側駆動電極12Aは、駆動質量部7のうち駆動軸Bと直交する方向の他側に配置されている。これにより、可動側駆動電極11Aと可動側駆動電極12Aとは、中心点Oに対して点対称な位置に配置されている。
また、固定側駆動電極9B〜12Bは、可動側駆動電極9A〜12Aと平行な状態で延びた櫛歯状電極によって構成されている。そして、可動側駆動電極9A〜12Aの電極板と固定側駆動電極9B〜12Bの電極板とは、互いに隙間をもって噛合している。また、固定側駆動電極9B〜12Bは、それぞれ基板2に固定されている。
そして、後述する振動制御回路41から固定側駆動電極9B,10Bに同じ駆動信号(電圧信号等)を印加すると、可動側駆動電極9A,10Aと固定側駆動電極9B,10Bとの間には、駆動軸Bに沿って互いに逆方向の駆動力F1,F2(静電力)が発生する。これにより、駆動質量部4,5は、互いに逆位相で駆動軸B方向に振動する。
一方、振動制御回路41から固定側駆動電極11B,12Bに同じ駆動信号(電圧信号等)を印加すると、可動側駆動電極11A,12Aと固定側駆動電極11B,12Bとの間には、駆動軸Aに沿って互いに逆方向の駆動力F3,F4(静電力)が発生する。これにより、駆動質量部6,7は、互いに逆位相で駆動軸A方向に振動する。
さらに、振動発生部9〜12は、周方向で隣合う駆動質量部4〜7が逆位相となる状態で、4つの駆動質量部4〜7を中心部を取囲む周方向に向けて振動させる。このため、駆動質量部4,6が近付くときには、残余の駆動質量部5,7は互いに近付き、駆動質量部4,6と駆動質量部5,7とは互いに遠ざかる。一方、駆動質量部4,7が近付くときには、残余の駆動質量部5,6は互いに近付き、駆動質量部4,7と駆動質量部5,6とは互いに遠ざかる。
検出部13〜16は、駆動質量部4〜7の間にそれぞれ位置して連結梁8に接続されている。また、検出部13〜16は、中心点Oから放射状に延びる棒状に形成されている。これにより、検出部13〜16は、中心点Oを中心として点対称な形状となり、基板2の表面と隙間をもって対向している。
このとき、検出部13は、駆動質量部4,7の間に位置してX軸方向に延びている。また、検出部14は、中心点Oを挟んで検出部13の反対側に位置して、駆動質量部5,6の間に配置され、X軸方向に延びている。一方、検出部15は、駆動質量部4,6の間に位置してY軸方向に延びている。また、検出部16は、中心点Oを挟んで検出部15の反対側に位置して、駆動質量部5,7の間に配置され、Y軸方向に延びている。
そして、検出部13〜16は、その長さ方向の途中部位が四角形の枠状をなす連結梁8の辺の中間部分に連結されている。また、検出部13〜16の基端側部分は、連結梁8の内側に位置して後述の検出梁17〜20に接続されている。一方、検出部13〜16の先端側部分は、連結梁8の外側に位置して、径方向外側に延びると共に、後述の可動側検出電極21A〜24Aが取付けられている。
検出梁17〜20は、基板2の中心部に位置する支持部3と検出部13〜16の基端部とに連結され、検出部13〜16を介して支持部3と連結梁8との間を接続している。そして、検出梁17〜20は、基板2と平行なX軸およびY軸の2軸周りに連結梁8、駆動質量部4〜7および検出部13〜16を振動可能な状態で支持している。
また、検出梁17〜20は、中心点Oに対して点対称な位置に配置され、幅寸法δをもった薄い板体をクランク状に屈曲させた折曲げ梁によって形成されている。そして、検出梁17〜20は、検出部13〜16が基板2の厚さ方向に変位するときに捩れ変形する2つの捩れ支持梁17A〜20A,17B〜20Bを用いて形成されている。
具体的には、検出梁17は、基端部が支持部3に接続されY軸方向に平板状に延びる第1の捩れ支持梁17Aと、該第1の捩れ支持梁17Aの先端部と検出部13とに接続されX軸方向に向けて複数回に亘って折り返した板体からなる第2の捩れ支持梁17Bとによって構成されている。このとき、第1,第2の捩れ支持梁17A,17Bは、検出部13を挟んでY軸方向の両側に設けられている。そして、第1の捩れ支持梁17AはY軸周りに捩れ変形し、第2の捩れ支持梁17BはX軸周りに捩れ変形する。
検出梁18も、検出梁17と同様に第1,第2の捩れ支持梁18A,18Bによって構成されている。このため、第1の捩れ支持梁18AはY軸周りに捩れ変形し、第2の捩れ支持梁18BはX軸周りに捩れ変形する。そして、検出梁18は、支持部3を挟んでX軸方向の反対側に配置され、支持部3と検出部14との間を接続している。
また、検出梁19も、検出梁17と同様に第1,第2の捩れ支持梁19A,19Bによって構成され、支持部3と検出部15との間を接続している。但し、検出梁19は、検出梁17を90°傾斜させた形状となっている。このため、第1の捩れ支持梁19AはX軸周りに捩れ変形し、第2の捩れ支持梁19BはY軸周りに捩れ変形する。そして、検出梁19は、支持部3と検出部15との間を接続している。
検出梁20も、検出梁19と同様に第1,第2の捩れ支持梁20A,20Bによって構成されている。このため、第1の捩れ支持梁20AはX軸周りに捩れ変形し、第2の捩れ支持梁20BはY軸周りに捩れ変形する。そして、検出梁20は、支持部3を挟んでY軸方向の反対側に配置され、支持部3と検出部16との間を接続している。
この結果、検出部13〜16がX軸周りに振動(揺動)するときには、第2の捩れ支持梁17B,18Bと第1の捩れ支持梁19A,20Aが捩れ変形(捩れ振動)する。同様に、検出部13〜16がY軸周りに振動(揺動)するときには、第1の捩れ支持梁17A,18Aと第2の捩れ支持梁19B,20Bが捩れ変形(捩れ振動)する。これにより、検出梁17〜20は、互いに直交したX軸およびY軸周りに振動可能な状態で検出部13〜16を支持している。
そして、X軸周りの角速度Ω1が作用したときには、駆動軸B方向に振動する駆動質量部4,5には、角速度Ω1のうち駆動軸A周りの成分が作用し、この成分に応じてZ軸方向(基板の厚さ方向)に向かうコリオリ力Fxaが発生する。このとき、駆動軸A方向に振動する駆動質量部6,7には、角速度Ω1のうち駆動軸B周りの成分が作用し、この成分に応じてZ軸方向(基板の厚さ方向)に向かうコリオリ力Fxbが発生する。これにより、検出部13〜16は、例えば中心点Oを通るX軸を中心としてY軸方向の両端側がZ軸方向に振動する。
一方、Y軸周りの角速度Ω2が作用したときには、駆動軸B方向に振動する駆動質量部4,5には、角速度Ω2のうち駆動軸A周りの成分が作用し、この成分に応じてZ軸方向(基板の厚さ方向)に向かうコリオリ力Fyaが発生する。このとき、駆動軸A方向に振動する駆動質量部6,7には、角速度Ω2のうち駆動軸B周りの成分が作用し、この成分に応じてZ軸方向(基板の厚さ方向)に向かうコリオリ力Fybが発生する。これにより、検出部13〜16は、例えば中心点Oを通るY軸を中心としてX軸方向の両端側がZ軸方向に振動する。
変位検出部21〜24は、検出部13〜16がX軸およびY軸周りに振動したときに、検出部13〜16が基板2の厚さ方向に変位するのをそれぞれ検出する変位検出手段を構成している。また、変位検出部21〜24は、検出部13〜16に設けられた櫛歯形状をなす可動側検出電極21A〜24Aと、該可動側検出電極21A〜24Aと噛合した状態で後述する蓋板33に固定された櫛歯形状をなす固定側検出電極21B〜24Bとによって構成されている。このとき、可動側検出電極21A〜24Aと固定側検出電極21B〜24Bとは、いずれも中心点Oに対して点対称な位置に配置されている。
また、可動側検出電極21A,22Aは、例えばX軸方向に延びる検出部13,14のうちY軸方向の両側に複数個設けられ、X軸方向に延びる複数枚の電極板を備えている。同様に、可動側検出電極23A,24Aは、例えばY軸方向に延びる検出部15,16のうちX軸方向の両側に複数個設けられ、Y軸方向に延びる複数枚の電極板を備えている。
一方、固定側検出電極21B〜24Bは、蓋板33に固定された電極支持部25〜28に取付けられると共に、可動側検出電極21A〜24Aと基板2の厚さ方向に位置ずれしている。このとき、電極支持部25〜28は、検出部13〜16を囲むU字状に形成されている。また、電極支持部25〜28の径方向外側には、検出用ランド25A〜28Aが配置されると共に、電極支持部25〜28と検出用ランド25A〜28Aとの間は、X軸またはY軸周りに捩れ変形するバネ部25B〜28Bを用いて接続されている。
そして、固定側検出電極21B,22Bは、電極支持部25,26から可動側検出電極21A,22Aの周囲に向けて延び、可動側検出電極21A,22Aの電極板と平行にX軸方向に延びた複数枚の電極板を備えている。また、可動側検出電極21A,22Aの電極板と固定側検出電極21B,22Bの電極板とはY軸方向の隙間をもって互いに対向している。これにより、可動側検出電極21A,22Aと固定側検出電極21B,22Bとは、平行平板電極を構成している。
同様に、固定側検出電極23B,24Bは、電極支持部27,28から可動側検出電極23A,24Aの周囲に向けて延びると共に、可動側検出電極23A,24Aの電極板とX軸方向の隙間をもって対向しY軸方向に延びた複数枚の電極板を備えている。これにより、可動側検出電極23A,24Aと固定側検出電極23B,24Bとは、平行平板電極を構成している。
そして、検出部13〜16がY軸周りで振動したときには、検出部13,14が基板2の厚さ方向に変位する。このとき、可動側検出電極21A,22Aと固定側検出電極21B,22Bとの間の重なり面積(対向面積)が変化するから、可動側検出電極21A,22Aと固定側検出電極21B,22Bとの間の静電容量Cs1,Cs2も変化する。
一方、検出部13〜16がX軸周りで振動したときには、検出部15,16が基板2の厚さ方向に変位する。このとき、可動側検出電極23A,24Aと固定側検出電極23B,24Bとの間の重なり面積が変化するから、可動側検出電極23A,24Aと固定側検出電極23B,24Bとの間の静電容量Cs3,Cs4も変化する。
このため、変位検出部21〜24は、検出部13〜16がX軸またはY軸周りの角速度Ω1,Ω2によってZ軸方向に変位するときに、その変位量を可動側検出電極21A〜24Aと固定側検出電極21B〜24Bとの間の静電容量Cs1〜Cs4の変化により角速度Ω1,Ω2として検出する。
なお、変位検出部21〜24は、コリオリ力によるX軸、Y軸周りの振動振幅が大きい部位として、例えば検出部13〜16のうち連結梁8から離れた径方向外側に配置するのが好ましい。
振動モニタ部29〜32は、駆動質量部4〜7の振動方向の変位を検出するモニタ手段を構成している。そして、振動モニタ部29〜32は、駆動質量部4〜7の外縁側に取付けられた可動側モニタ電極29A〜32Aと、基板2上に固定された固定側モニタ電極29B〜32Bとによって構成されている。
ここで、可動側モニタ電極29A〜32Aは、振動発生部9〜12の可動側駆動電極9A〜12Aとほぼ同様の櫛歯状電極によって構成されている。但し、可動側モニタ電極29A,30Aは、駆動質量部4,5を挟んで可動側駆動電極9A,10Aの反対側に配置されている。同様に、可動側モニタ電極31A,32Aは、駆動質量部6,7を挟んで可動側駆動電極11A,12Aの反対側に配置されている。
また、固定側モニタ電極29B〜32Bは、可動側モニタ電極29A〜32Aと平行な状態で径方向外側に向けて延びた櫛歯状電極によって構成されている。さらに、可動側モニタ電極29A〜32Aの電極板と固定側モニタ電極29B〜32Bの電極板とは、互いに隙間をもって噛合している。そして、可動側モニタ電極29A〜32Aおよび固定側モニタ電極29B〜32Bは、中心点Oに対して点対称な位置に配置されている。
ここで、駆動質量部4,5が駆動軸B方向に変位したときには、可動側モニタ電極29A,30Aと固定側モニタ電極29B,30Bとの間の静電容量Cm1,Cm2が変化する。また、駆動質量部6,7が駆動軸A方向に変位したときには、可動側モニタ電極31A,32Aと固定側モニタ電極31B,32Bとの間の静電容量Cm3,Cm4が変化する。このため、振動モニタ部29〜32は、この静電容量Cm1〜Cm4の変化によって駆動質量部4〜7の振動状態をモニタする。
なお、周方向で隣合う駆動質量部4〜7が逆位相となる状態で4つの駆動質量部4〜7が振動したときには、振動モニタ部29〜32の静電容量Cm1〜Cm4は、同期して変化する構成となっている。
蓋板33は、例えばガラス材料等によって四角形の板状に形成され、陽極接合等の手段を用いて検出用ランド25A〜28Aに接合されている。また、蓋板33は、検出部13〜16等との対向面(裏面)側に、四角形状に凹陥したキャビティ33Aが形成されている。そして、キャビティ33Aは、駆動質量部4〜7、連結梁8、検出部13〜16および検出梁17〜20と対向した位置に設けられている。これにより、駆動質量部4〜7および検出部13〜16は、蓋板33に接触することなく、振動変位することができる。
また、蓋板33には、電極支持部25〜28が取付けられている。ここで、電極支持部25〜28および固定側検出電極21B〜24Bは、例えばエッチング加工等によって可動側検出電極21A〜24Aと一緒に形成され、可動側検出電極21A〜24Aと同じ厚さ寸法を有している。また、蓋板33と可動側検出電極21A〜24Aとの間には、厚さ方向の隙間が形成されている。このため、電極支持部25〜28を蓋体33の裏面に接合することによって、可動側検出電極21A〜24Aと固定側検出電極21B〜24Bとは、厚さ方向に対して互いに位置ずれしている。このとき、固定側検出電極21B〜24Bは、キャビティ33A内に配置されている。
ビアホール34は、基板2に厚さ方向に貫通して形成されている。このとき、ビアホール34は、支持部3、固定側駆動電極9B〜12B、検出用ランド25A〜28Aおよび固定側モニタ電極29B〜32Bと対応した位置にそれぞれ形成されている。これにより、支持部3等は、ビアホール34を通じて基板2の底面に設けられた外部電極(図示せず)に接続される。このため、振動発生部9〜12、変位検出部21〜24および振動モニタ部29〜32は、外部電極を通じて後述する振動制御回路41および角速度検出回路51等に接続することができる。
次に、図10を参照しつつ、駆動質量部4〜7の振動状態を制御する振動制御回路41について説明する。振動制御回路41は、振動モニタ部29〜32によるモニタ信号Vmを用いて振動発生部9〜12に出力する駆動信号Vdを制御する。そして、振動制御回路41は、C−V変換回路42、増幅器43,46、自動利得制御回路44(以下、AGC回路44という)、駆動信号発生回路45等によって構成されている。
C−V変換回路42は振動モニタ部29〜32の出力側に接続されている。そして、C−V変換回路42は、振動モニタ部29〜32の静電容量Cm1〜Cm4の変化を電圧変化に変換し、これらの電圧変化をモニタ信号Vmとして出力する。そして、このモニタ信号Vmは、C−V変換回路42の出力側に接続された増幅器43によって増幅され、AGC回路44に向けて出力される。
AGC回路44の出力側は、駆動信号Vdを出力する駆動信号発生回路45に接続されている。そして、AGC回路44は、モニタ信号Vmが一定となるようにゲインを調整する。また、駆動信号発生回路45は、増幅器46を介して振動発生部9〜12に接続される。これにより、駆動信号発生回路45は、振動発生部9〜12に対して互いに駆動信号Vdを入力し、振動発生部9〜12は、周方向で隣合う駆動質量部4〜7が互いに逆位相となる状態で、駆動質量部4〜7を振動させる。
次に、2軸周り(X軸およびY軸周り)の角速度Ω1,Ω2を検出する角速度検出回路51(角速度検出手段)について説明する。角速度検出回路51は、変位検出部21〜24による変位検出信号Vx,Vyを振動モニタ部29〜32によるモニタ信号Vmを用いて同期検波し、駆動質量部4〜7に作用する角速度Ω1,Ω2を検出する。そして、角速度検出回路51は、例えばC−V変換回路52〜55、差動増幅器56,60、同期検波回路57,61等によって構成されている。
C−V変換回路52〜55は、変位検出部21〜24の静電容量Cs1〜Cs4の変化を電圧変化に変換し、これらの電圧変化を予備的な変位検出信号Vs1〜Vs4としてそれぞれ出力する。
ここで、隣合う駆動質量部4〜7が互いに逆位相で振動している状態で、X軸周りの角速度Ω1が作用したときには、検出部13〜16は中心点Oを通るX軸を中心としてY軸方向の両端側が交互にZ軸方向に変位する。このとき、予備的な変位検出信号Vs3と変位検出信号Vs4は互いに逆位相となる。一方、予備的な変位検出信号Vs1と変位検出信号Vs2は互いに同位相となる。
このため、差動増幅器56は、C−V変換回路54,55の出力側に接続され、これらの予備的な変位検出信号Vs3,Vs4の差から最終的な変位検出信号Vxを演算する。
同期検波回路57の入力側は、差動増幅器56に接続されると共に、位相シフト回路47を介してAGC回路44に接続されている。また、同期検波回路57の出力側には、角速度信号を取り出すための低域通過フィルタ58(以下、LPF58という)が接続されると共に、LPF58の出力側にはゲインおよびオフセットを調整するための調整回路59が接続されている。ここで、位相シフト回路47は、AGC回路44を介して出力されるモニタ信号Vmの位相を90°シフトさせた位相シフト信号Vm′を出力する。これにより、同期検波回路57は、変位検出信号Vxから位相シフト信号Vm′を用いて同期検波し、LPF58、調整回路59を介してX軸周りの角速度Ω1に応じた角速度信号を出力する。
一方、隣合う駆動質量部4〜7が互いに逆位相で振動している状態で、Y軸周りの角速度Ω2が作用したときには、検出部13〜16は中心点Oを通るY軸を中心としてX軸方向の両端側が交互にZ軸方向に変位する。このとき、予備的な変位検出信号Vs1と変位検出信号Vs2は互いに逆位相となる。一方、予備的な変位検出信号Vs3と変位検出信号Vs4は互いに同位相となる。
このため、差動増幅器60は、C−V変換回路52,53の出力側に接続され、これらの予備的な変位検出信号Vs1,Vs2の差から最終的な変位検出信号Vyを演算する。これにより、同期検波回路61は、同期検波回路57と同様に、変位検出信号Vyから位相シフト信号Vm′を用いて同期検波し、低域通過フィルタ62(以下、LPF62という)、調整回路63を介してY軸周りの角速度Ω2に応じた角速度信号を出力する。
第1の実施の形態による角速度センサ1は上述の如き構成を有するもので、次にその動作について説明する。
まず、X軸周りの角速度Ω1を検出する場合について説明する。外部の振動制御回路41は、振動発生部9〜12の固定側駆動電極9B〜12Bに向けて駆動信号Vdを入力する。これにより、駆動質量部4,5には駆動軸B方向の静電引力が作用し、駆動質量部4,5は駆動軸B方向に振動する。一方、駆動質量部6,7には駆動軸A方向の静電引力が作用し、駆動質量部6,7は駆動軸A方向に振動する。そして、周方向で隣合う駆動質量部4〜7は、互いに逆位相で振動する。
駆動質量部4〜7が振動している状態でX軸周りの角速度Ω1が作用すると、駆動質量部4,5には、角速度Ω1のうち駆動軸A周りの成分に応じて、以下の数1に示すコリオリ力Fxaが作用する。一方、駆動質量部6,7には、角速度Ω1のうち駆動軸B周りの成分に応じて、以下の数2に示すコリオリ力Fxbが作用する。そして、駆動質量部4〜7に発生したコリオリ力Fxa,Fxbは、連結梁8を介して検出部13〜16に伝わる。これにより、検出部13〜16は、コリオリ力Fxa,Fxbの合力によって中心点Oを通るX軸を中心としてY軸方向の両端(検出部15,16)が交互にZ軸方向に変位し、角速度Ω1に応じて振動する。
このため、変位検出部21〜24は、検出部13〜16のZ軸方向の変位に応じて可動側検出電極21A〜24Aと固定側検出電極21B〜24Bとの間の静電容量Cs1〜Cs4が変化する。このとき、角速度検出回路51のC−V変換回路52〜55は、静電容量Cs1〜Cs4の変化を予備的な変位検出信号Vs1〜Vs4に変換する。そして、差動増幅器56は、変位検出信号Vs3,Vs4の差に基づいて、X軸周りの角速度Ω1に応じた最終的な変位検出信号Vxを出力する。同期検波回路57は、変位検出信号Vxから位相シフト信号Vm′と同期した信号を検波する。これにより、角速度検出回路51は、X軸周りの角速度Ω1に応じた角速度信号を出力する。
なお、X軸周りの角速度Ω1が作用したときには、予備的な変位検出信号Vs1,Vs2は互いに同位相となる。このとき、変位検出信号Vyは、変位検出信号Vs1,Vs2の差を用いて演算する。このため、X軸周りの角速度Ω1が作用したときに、同期検波回路61が変位検出信号Vyを同期検波しても、角速度Ω2に応じた角速度信号は出力されない。
次に、Y軸周りの角速度Ω2を検出する場合について説明する。外部の振動制御回路41から固定側駆動電極9B〜12Bに駆動信号Vdを入力し、駆動質量部4〜7を振動させる。この振動状態でY軸周りの角速度Ω2が作用すると、駆動質量部4,5には以下の数3に示すコリオリ力Fyaが作用すると共に、駆動質量部6,7には以下の数4に示すコリオリ力Fybが作用する。そして、駆動質量部4〜7に発生したコリオリ力Fya,Fybは、連結梁8を介して検出部13〜16に伝わる。このため、検出部13〜16は、コリオリ力Fya,Fybの合力によって中心点Oを通るY軸を中心としてX軸方向の両端(検出部13,14)が交互にZ軸方向に変位し、角速度Ω2に応じて振動する。
このため、変位検出部21〜24は、検出部13〜16のZ軸方向の変位に応じて可動側検出電極21A〜24Aと固定側検出電極21B〜24Bとの間の静電容量Cs1〜Cs4が変化する。このとき、角速度検出回路51のC−V変換回路52〜55は、静電容量Cs1〜Cs4の変化を変位検出信号Vs1〜Vs4に変換する。そして、差動増幅器60は、変位検出信号Vs1,Vs2の差に基づいて、Y軸周りの角速度Ω2に応じた変位検出信号Vyを出力する。同期検波回路61は、変位検出信号Vyから位相シフト信号Vm′と同期した信号を検波する。これにより、角速度検出回路51は、Y軸周りの角速度Ω2に応じた角速度信号を出力する。
なお、Y軸周りの角速度Ω2が作用したときには、予備的な変位検出信号Vs3,Vs4は互いに同位相となる。このとき、変位検出信号Vxは、変位検出信号Vs3,Vs4の差を用いて演算する。このため、Y軸周りの角速度Ω2が作用したときに、同期検波回路57が変位検出信号Vxを同期検波しても、角速度Ω1に応じた角速度信号は、出力されない。
かくして、本実施の形態では、4つの駆動質量部4〜7は中心点Oに対して点対称な位置に配置されているから、2つの駆動質量部4,5は中心点Oを挟んで駆動軸A方向の両側に配置することができ、2つの駆動質量部6,7は中心点Oを挟んで駆動軸B方向の両側に配置することができる。また、周方向で隣合う駆動質量部4〜7は互いに逆位相で振動する。このため、駆動質量部4〜7が検出部13,14に近付くときには、駆動質量部4〜7は検出部15,16から遠ざけることができる。また、駆動質量部4〜7が検出部13,14から遠ざかるときには、駆動質量部4〜7は検出部15,16に近付けることができる。
これにより、X軸周りの角速度Ω1が作用したときには、駆動質量部4〜7にはZ軸方向に向かうコリオリ力Fxa,Fxbを発生させることができる。このため、角速度Ω1が作用したときには、検出部13〜16は、中心点Oを通るX軸を中心としてY軸方向の両端側が交互にZ軸方向に変位して振動する。従って、この振動を変位検出部21〜24を用いて検出することによって、X軸周りの角速度Ω1を検出することができる。
一方、Y軸周りの角速度Ω2が作用したときには、駆動質量部4〜7にはZ軸方向に向かうコリオリ力Fya,Fybを発生させることができる。このため、角速度Ω2が作用したときには、検出部13〜16は、中心点Oを通るY軸を中心としてX軸方向の両端側が交互にZ軸方向に変位して振動する。従って、この振動を変位検出部21〜24を用いて検出することによって、Y軸周りの角速度Ω2を検出することができる。
これにより、単一の角速度センサ1を用いてX軸およびY軸周りに作用する角速度Ω1,Ω2を検出することができるから、1つの軸周りのセンサを2個用いた場合に比べて、製造コストを低減することができる。
また、4つの駆動質量部4〜7は中心点Oに対して点対称な位置に配置されているから、周方向で互いに隣合う駆動質量部4〜7を逆方向(逆位相)に振動させることによって、4つの駆動質量部4〜7全体の重心位置を固定することができると共に、4つの駆動質量部4〜7全体に生じる周方向の回転トルク(回転モーメント)を相殺することができる。このとき、連結梁8は4つの駆動質量部4〜7の支点4A〜7A近傍を互いに連結するから、例えば4つの駆動質量部4〜7に加工ばらつきが生じたときでも、各駆動質量部4〜7は駆動振幅および位相が揃った状態で振動する。この結果、4つの駆動質量部4〜7全体の重心位置の変動や回転トルクを確実に小さくすることができ、駆動質量部4〜7の駆動振動が基板2等に漏れることがなくなる。これにより、角速度信号のオフセット出力が安定する。
さらに、2つの検出軸(X軸およびY軸)に対して可動部となる駆動質量部4〜7、連結梁8、検出部13〜16および検出梁17〜20は線対称な形状となっている。従って、基板2の垂直方向(Z軸方向)に加速度が作用しても、可動部全体がZ軸方向に変位することはあるが、この変位による変位検出部21〜24の静電容量の変化は同じ値になる。このため、変位検出部21〜24による変位検出信号Vs1〜Vs4を差動検出することによって、角速度信号から加速度による成分を除去することができる。
また、駆動質量部4〜7に作用するコリオリ力Fxa,Fxb,Fya,Fybは連結梁8を通じて検出部13〜16に伝わる構成としたから、検出部13〜16自体は、駆動振動しない。このため、例えば加工ばらつきによって駆動質量部4〜7が基板2の垂直方向(Z軸方向)にぶれた状態で振動した場合でも、検出部13〜16はぶれない。従って、変位検出部21〜24は、駆動質量部4〜7のぶれの影響を受けることなく、検出部13〜16のZ軸方向の変位を検出することができる。即ち、変位検出部21〜24は、振動ぶれによる信号(ノイズ信号)を発生しないから、角速度センサ1の出力信号(角速度信号)の調整が容易となる。この結果、例えば変位検出信号Vs1〜Vs4を直接増幅するとき、または差動増幅器56,60を用いて差動増幅するときでも、ノイズ信号によって利得が飽和することがない。このため、同期検波前の初期段階の増幅率を高くすることができるから、角速度信号に含まれるノイズ信号を相対的に小さくすることができ、SN比が良い角速度信号を得ることができる。
また、変位検出部21〜24による変位検出信号Vs1〜Vs4には駆動振動のぶれによるオフセット電圧が加わることがない。このため、調整回路59,63を用いてオフセット電圧を調整するときでも、オフセット電圧の調整範囲が小さくなると共に、オフセット電圧の温度変化(温度ドリフト)が小さくなる。この結果、角速度Ω1,Ω2の検出精度を向上することができる。
また、駆動質量部4〜7は基板2と平行な状態で振動するから、基板2と垂直なZ軸方向に振動させる場合に比べて、駆動振幅を大きくすることができる。このため、駆動質量部4〜7に作用するコリオリ力Fxa,Fxb,Fya,Fybを大きくすることができるから、コリオリ力Fxa,Fxb,Fya,Fybによる検出部13〜16の変位も大きくすることができ、角速度Ω1,Ω2の検出感度を高めることができる。
さらに、連結梁8、駆動質量部4〜7および検出部13〜16は検出梁17〜20を介して基板2上の支持部3で支持する構成とした。このため、例えば基板2の角隅に複数の支持部を設け、これらの支持部で支持した場合に比べて、駆動質量部4〜7や検出部13〜16の振動は、例えば温度変化や機械的な応力に基づく基板2の歪みの影響を受け難い。この結果、従来技術のように剛性の高い高価なパッケージを用いて基板2の歪みを防止する必要がなく、安価なパッケージを用いても温度特性等が劣化することがなくなる。
また、駆動質量部4〜7等は検出梁17〜20を用いて基板2の中心部に位置する支持部3で支持する構成とした。このため、駆動質量部4〜7よりも外周側に検出梁を設けた場合に比べて、角速度センサ1全体を小型化することができる。
また、駆動質量部4〜7および検出部13〜16は、中心点Oを中心として検出梁17〜20に比べて径方向外側に配置される。このため、径方向外側に設けた梁を用いて検出部13〜16等を支持した場合に比べて、駆動質量部4〜7および検出部13〜16の周囲を開放して、振動発生部9〜12、変位検出部21〜24および振動モニタ部29〜32を配置するための広い空間を確保することができる。
この結果、例えば振動発生部9〜12、変位検出部21〜24および振動モニタ部29〜32は多数の電極板を用いて形成することができる。これにより、振動発生部9〜12を用いて大きな駆動力F1〜F4を容易に発生することができる。また、変位検出部21〜24の電極板は、厚さ方向の変位が大きい径方向外側に配置することができる。このため、コリオリ力Fxa,Fxb,Fya,Fybによる変位検出部21〜24の容量変化を大きくすることができ、角速度Ω1,Ω2の検出感度や検出精度を高めることができる。
また、検出梁17〜20は互いに異なる2つの軸周りに捩れ変形する第1,第2の捩れ支持梁17A〜20A,17B〜20Bによって構成したから、検出梁17〜20は、基板2と平行な2つの軸(X軸およびY軸)周りに連結梁8、駆動質量部4〜7および検出部13〜16を振動可能に支持することができる。
また、例えばシリコン材料等を基板2の垂直方向に加工することによって第1,第2の捩れ支持梁17A〜20A,17B〜20Bを形成することができ、容易に加工することができる。また、第1,第2の捩れ支持梁17A〜20A,17B〜20Bのばね定数は幅寸法δの3乗に比例して変動するが、これは厚さに対して幅が小さい連結梁8でも同じである。従って、幅寸法δの加工ばらつきが駆動モードと検出モードの共振周波数差に与える影響を小さくすることができ、センサの感度ばらつきを小さくすることができる。
また、駆動質量部4〜7の振動方向の変位をモニタする振動モニタ部29〜32を設けたから、振動モニタ部29〜32を用いて駆動質量部4〜7の振動振幅および位相を検出することができる。このため、振動モニタ部29〜32によるモニタ信号Vmは振動制御回路41の参照信号として利用することができ、共振状態の安定化を図ることができる。また、振動モニタ部29〜32によるモニタ信号Vmは角速度検出回路51の参照信号(位相シフト信号Vm′)としても利用することができ、駆動質量部4〜7の振動状態に応じて正確な同期検波を行うことができる。
また、変位検出部21〜24は互いに噛合した可動側検出電極21A〜24Aおよび固定側検出電極21B〜24Bによって構成したから、可動側検出電極21A〜24Aが変位可能な厚さ方向には電極等を設ける必要がなく、可動側検出電極21A〜24Aの厚さ方向両側には十分な隙間を確保することができる。このため、例えば変位検出部21〜24を厚さ方向に離間した2枚の平板状電極を用いて構成した場合に比べて、電極同士の接着(スティッキング)が生じることがなく、生産性、信頼性を高めることができる。さらに、変位検出部21〜24を厚さ方向に離間した2枚の平板状電極を用いて構成した場合のように、蓋板33に金属薄膜等を形成する必要がないから、製造工程の簡略化、良品率の向上が期待できる。
また、変位検出部21〜24は櫛歯形状をなす可動側検出電極21A〜24Aおよび固定側検出電極21B〜24Bによって構成したから、例えば変位検出部21〜24を厚さ方向に離間した2枚の平板状電極を用いて構成した場合に比べて、検出部13〜16および可動側検出電極21A〜24Aを軽量化することができる。これにより、小さなコリオリ力Fxa,Fxb,Fya,Fybでも検出部13〜16等を変位させることができ、角速度Ω1,Ω2の検出感度を高めることができる。
さらに、可動側検出電極21A〜24Aおよび固定側検出電極21B〜24Bは基板2の厚さ方向に位置ずれした状態で配置したから、例えば可動側検出電極21A〜24Aが厚さ方向の一側(図6、図7中の下側)に変位したときには固定側検出電極21B〜24Bとの間の対向面積が増加し、可動側検出電極21A〜24Aが厚さ方向の他側(図6、図7中の上側)に変位したときには固定側検出電極21B〜24Bとの間の対向面積が減少する。このため、変位検出部21〜24が可動側検出電極21A〜24Aと固定側検出電極21B〜24Bとの間の静電容量に応じた検出信号を出力したときには、この検出信号は、駆動質量部4〜7と異なる位相で同期した可動側検出電極21A〜24Aの振動周期に対応して変化する。このため、駆動質量部4〜7の振動状態をモニタしたモニタ信号Vmを用いて変位検出信号Vx,Vyを同期検波することができ、他の周波数のノイズを容易に除去することができる。
次に、図11および図12は本発明による第2の実施の形態を示している。そして、本実施の形態の特徴は、変位検出部を、検出部に設けられた平板形状をなす可動側検出電極と、該可動側検出電極と厚さ方向に対向して固定された平板形状をなす固定側検出電極とによって構成したことにある。なお、本実施の形態では前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
角速度センサ71は、第1の実施の形態による角速度センサ1とほぼ同様に、基板2、駆動質量部4〜7、連結梁8、振動発生部9〜12、検出部13〜16、検出梁17〜20、変位検出部72〜75等によって構成されている。
変位検出部72〜75は、検出部13〜16がX軸およびY軸周りに振動したときに、検出部13〜16が基板2の厚さ方向に変位するのを検出する変位検出手段を構成している。また、変位検出部72〜75は、検出部13〜16に設けられた平板形状をなす可動側検出電極72A〜75Aと、該可動側検出電極72A〜75Aと厚さ方向に対向した状態で蓋板33に固定された平板形状をなす固定側検出電極72B〜75Bとによって構成されている。
このとき、可動側検出電極72A〜75Aおよび固定側検出電極72B〜75Bは、中心点Oに対して点対称な位置に配置されている。また、固定側検出電極72B〜75Bは、蓋板33の裏面に形成された例えば導電性の金属薄膜によって形成され、径方向外側に配置された検出用ランド76〜79にそれぞれ接続されている。
そして、検出部13〜16がY軸周りで振動したときには、可動側検出電極72A,73Aが基板2の厚さ方向に変位する。このとき、可動側検出電極72A,73Aと固定側検出電極72B,73Bとの間の距離が変化するから、これらの間の静電容量Cs1,Cs2も変化する。
一方、検出部13〜16がX軸周りで振動したときには、可動側検出電極74A,75Aが基板2の厚さ方向に変位する。このとき、可動側検出電極74A,75Aと固定側検出電極74B,75Bとの間の距離が変化するから、これらの間の静電容量Cs3,Cs4も変化する。
このため、変位検出部72〜75は、検出部13〜16がX軸およびY軸周りの角速度Ω1,Ω2によってZ軸方向に変位するときに、その変位量を可動側検出電極72A〜75Aと固定側検出電極72B〜75Bとの間の静電容量Cs1〜Cs4の変化により角速度Ω1,Ω2として検出する。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
なお、前記各実施の形態では、検出梁17〜20は駆動質量部4〜7の駆動軸A,B方向と異なる2つの軸(X軸およびY軸)周りに検出部13〜16を振動可能に支持する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図13に示す変形例による角速度センサ81のように、検出梁82〜85は駆動質量部4〜7の駆動軸A,B方向と同じ2つの軸周りに検出部13〜16を振動可能に支持する構成としてもよい。
この場合、検出梁82,83は、例えば駆動軸A周りに捩れ変形する第1の捩れ支持梁82A,83A,82B,83Bと、駆動軸B周りに捩れ変形する第2の捩れ支持梁82C,83C,82D,83Dとを備えている。一方、検出梁84,85は、例えば駆動軸B周りに捩れ変形する第1の捩れ支持梁84A,85A,84B,85Bと、駆動軸A周りに捩れ変形する第2の捩れ支持梁84C,85C,84D,85Dとを備えている。
また、前記各実施の形態では、検出梁17〜20は検出部13〜16が基板2の厚さ方向に変位するときに捩れ変形する捩れ支持梁17A〜20A,17B〜20Bを用いて形成した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば検出部が基板の厚さ方向に変位するときに撓み変形する撓み支持梁を用いて検出梁を形成してもよい。
さらに、前記各実施の形態では、検出梁17〜20は、検出部13〜16を介して連結梁8に間接的に接続する構成としたが、連結梁8に直接的に接続する構成としてもよい。
1,71,81 角速度センサ
2 基板
3 支持部(固定部)
4〜7 駆動質量部
8 連結梁
9〜12 振動発生部(駆動手段)
13〜16 検出部
17〜20,82〜85 検出梁
17A〜20A,82A〜85A,82B〜85B 第1の捩れ支持梁
17B〜20B,82C〜85C,82D〜85D 第2の捩れ支持梁
21〜24,72〜75 変位検出部(変位検出手段)
21A〜24A,72A〜75A 可動側検出電極
21B〜24B,72B〜75B 固定側検出電極
2 基板
3 支持部(固定部)
4〜7 駆動質量部
8 連結梁
9〜12 振動発生部(駆動手段)
13〜16 検出部
17〜20,82〜85 検出梁
17A〜20A,82A〜85A,82B〜85B 第1の捩れ支持梁
17B〜20B,82C〜85C,82D〜85D 第2の捩れ支持梁
21〜24,72〜75 変位検出部(変位検出手段)
21A〜24A,72A〜75A 可動側検出電極
21B〜24B,72B〜75B 固定側検出電極
Claims (3)
- 基板と、
該基板と隙間をもって対向し、中心部に対して点対称な位置に配置された4つの駆動質量部と、
前記4つの駆動質量部の支点近傍を互いに連結し、前記基板と平行な状態で中心部側に位置する支点周りに該各駆動質量部を振動可能に支持する連結梁と、
前記4つの駆動質量部を前記支点を中心として中心部を取囲む周方向に向けて振動させる駆動手段と、
前記4つの駆動質量部の間にそれぞれ位置して前記連結梁に接続された4つの検出部と、
前記基板の中心部に位置する固定部と前記連結梁との間を接続し、前記基板と平行な2つの軸周りに前記連結梁、駆動質量部および検出部を振動可能に支持する検出梁と、
前記4つの検出部が2つの軸周りに振動したときに、前記各検出部が前記基板の厚さ方向に変位するのをそれぞれ検出する4つの変位検出手段とによって構成してなる角速度センサ。 - 前記検出梁は、前記基板と平行な2つの軸のうち一方の軸周りに捩れ変形する第1の捩れ支持梁と、該第1の捩れ支持梁に接続され他方の軸周りに捩れ変形する第2の捩れ支持梁とによって構成してなる請求項1に記載の角速度センサ。
- 前記変位検出手段は、前記検出部に設けられ前記基板の厚さ方向に変位する櫛歯形状をなす可動側検出電極と、該可動側検出電極と前記基板の厚さ方向に位置ずれした状態で該可動側検出電極と噛合して固定された櫛歯形状をなす固定側検出電極とによって構成してなる請求項1または2に記載の角速度センサ。
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-
2009
- 2009-03-10 JP JP2009056713A patent/JP2010210407A/ja active Pending
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