JP2010209202A - インク組成物及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インク組成物及びインクジェット記録方法 Download PDF

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JP2010209202A
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hydrogen atom
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Yasuaki Matsushita
泰明 松下
Kenjiro Araki
健次郎 荒木
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Abstract

【課題】保存安定性及び吐出安定性に優れ、かつ、高画質な画像が形成されるインク組成物、並びに、前記インク組成物を使用したインクジェット記録方法を提供すること。
【解決手段】(A)着色剤、(B)光酸発生剤、及び、(C)カチオン重合性化合物を含有し、前記(A)着色剤の含有量が全インク組成物の3.5重量%以上30重量%以下であり、前記(A)着色剤が、顔料及び染料を含み、かつ、顔料と染料の重量比(顔料/染料)が、0.1以上10以下であることを特徴とするインク組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、インク組成物及びインクジェット記録方法に関する。
従来、UVカチオン重合性硬化型インクジェットインクは、UVラジカル重合性硬化型インクジェットインクと比較して酸素により重合阻害を受け難いため、少液滴で吐出でき、かつ低露光量で硬化可能なインクであることが知られている。しかしながら光硬化型インクは吐出した液滴が全て硬化することから画像に凹凸が生じてしまい、高画質な画像を形成するには十分に満足のいく結果が得られていない。
特許文献1は、ビニルエーテル化合物とレモネンジオキシドをカチオン硬化型反応希釈剤として用いることで、硬化性と希釈性を維持したインクジェットインクを提供することについて記載している。
また、特許文献2には、電子供与性基と電子吸引性基を分子内に有し、かつ2位に置換されていることを特徴とするオキセタン化合物を用いて、滲みのない画像を形成することが提案されている。
一方、インク用の着色剤として、上記顔料の他に染料が存在する。染料は、顔料と異なり、媒体に分散されているのではなく、分子レベルで溶解しているため、高彩度の色相を示すことや、一度媒体から析出しても再溶解することにより再びインクとして機能するなどの特徴がある。しかしながら、一般的に染料は顔料に対し、耐光性や、耐オゾン性などの堅牢性に劣り、家庭用インクジェットプリンターなどで使用されてはいるものの、屋外印刷物用途に対しては、依然として耐久性能が不十分である。
特開2007−137923号公報 特開2004−143136号公報
特許文献1に記載のインク組成物は、高顔料濃度インクにおいて、優れた分散安定性や吐出安定性を保持させるために重要な技術を開示しているが、高顔料濃度での高画質化画像形成方法については記載されていない。
また、特許文献2に記載のインク組成物は、凹凸の根本的な解消には至っておらず、十分に高画質な画像を得るには至っていない。
本発明は、上記の課題を解決することを目的とするものである。すなわち、本発明は、保存安定性及び吐出安定性に優れ、かつ、高画質な画像が形成されるインク組成物、並びに、前記インク組成物を使用したインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
本発明の上記課題は、以下の<1>、<14>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<13>、<15>及び<16>とともに以下に記載する。
<1> (A)着色剤、(B)光酸発生剤、及び、(C)カチオン重合性化合物を含有し、前記(A)着色剤の含有量が全インク組成物の3.5重量%以上30重量%以下であり、前記(A)着色剤が、顔料及び染料を含み、かつ、顔料と染料の重量比(顔料/染料)が、0.1以上10以下であることを特徴とするインク組成物、
<2> 前記(C)カチオン重合性化合物が、オキシラン化合物及び/又はオキセタン化合物のみからなる、<1>に記載のインク組成物、
<3> 前記(C)カチオン重合性化合物が、25℃以下における粘度が12mPa・s以下である低粘度化合物を含む、<1>又は<2>に記載のインク組成物、
<4> 前記低粘度化合物の含有量が、カチオン重合性化合物の全重量に対し、65重量%以上100重量%以下である、<1>〜<3>いずれか1つに記載のインク組成物、
<5> 前記オキシラン化合物及びオキセタン化合物が、炭素原子、水素原子及びエーテル性の酸素原子のみから構成される化合物である、<2>〜<4>いずれか1つに記載のインク組成物、
<6> 25℃における粘度が7mPa・s以上35mPa・s以下である、<1>〜<5>いずれか1つに記載のインク組成物、
<7> 前記染料が、下記式(1)、式(2)、式(3−a)、式(3−b)、式(3−c)、式(3−d)、式(3−e)、式(3−f)、式(4)、式(5)、及び、式(6)よりなる群から選択された少なくとも1つの式で表される染料を含む、<1>〜<6>いずれか1つに記載のインク組成物、
Figure 2010209202
(式(1)中、R21〜R26は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基を表す。R27は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。X1及びY1は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基、アルキルチオ基、アリールチオ基、又はヘテロ環チオ基を表す。)
Figure 2010209202
(式(2)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。w、x、y、及びzは、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。ただし、w,x、y、及びzの総和(w+x+y+z)は0ではない。Z1〜Z4は、それぞれ独立に、炭素原子、及び窒素原子から選ばれる原子群で、結合している2個の炭素原子と共に構成される5員環又は6員環を形成する原子群を表す。M1は金属原子、又は金属酸化物を表す。)
Figure 2010209202
(式(3−a)中、R30は、水素原子又は置換基を表す。R31は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、又はカルバモイル基を表す。X30は、−OM基、又は−N(R32)(R33)を表し、Mは、水素原子、アルキル基、又は、電荷を中和するために必要な金属原子若しくは有機塩基対を表し、R32及びR33は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、又はカルバモイル基を表す。A30は、アリール基、又は芳香族ヘテロ環基を表す。)
Figure 2010209202
(式(3−b)中、R34は水素原子又は置換基を表す。R35は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、又はカルバモイル基を表す。Z30及びZ31は、それぞれ独立に、−C(R36)=又は−N=を表し、R36は水素原子又は置換基を表す。A31は、アリール基又は芳香族ヘテロ環基を表す。)
Figure 2010209202
(式(3−c)中、R37、R38、R39及びR40は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。Z32、Z33及びZ34は、それぞれ独立に、−C(R41)=又は−N=を表す。R41は、水素原子又は置換基を表す。A32は、アリール基又は芳香族ヘテロ環基を表す。)
Figure 2010209202
(式(3−d)中、R42は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。R43及びR44は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。A33は、アリール基又は芳香族ヘテロ環基を表す。)
Figure 2010209202
(式(3−e)中、R45、R46、及びR47は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。a及びbは、それぞれ独立に0〜4の整数を表す。)
Figure 2010209202
(式(3−f)中、R48及びR49は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。R50は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、又はアリール基を表す。R51は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。Z35、Z36、Z37、及びZ38は、それぞれ独立に、−C(R52)=又は−N=を表し、R52は水素原子又は置換基を表す。)
Figure 2010209202
(式(4)中、R11〜R16はそれぞれ独立に、水素原子、又は置換基を表す。R17は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。)
Figure 2010209202
(式(5)中、R11〜R16はそれぞれ独立に、水素原子、又は置換基を表す。R17は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Maは、金属原子又は金属化合物を表す。X1は、Maに結合可能な基を表し、X2は、Maの電荷を中和するために必要な基を表す。X1とX2は、互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。)
Figure 2010209202
(式(6)中、T1及びT2は、各々=CR12−及び−CR13=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR12−又は−CR13=を表す。V1、R12及びR13は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、複素環チオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、又はスルホ基を表し、各基はさらに置換されていてもよい。R10、R11は、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキル又はアリールスルホニル基、スルファモイル基を表し、各基はさらに置換基を有していてもよい。
また、R12とR10、あるいはR10とR11が結合して5乃至6員環を形成してもよい。A1、A2は、各々独立に、置換されていてもよい芳香族基又は置換されていてもよい複素環基を表す。A1は一価の基であり、A2は二価の基である。)
<8> (D)アミン化合物を含む、<1>〜<7>いずれか1つに記載のインク組成物、
<9> 前記顔料が、銅フタロシアニン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、又は、カーボンブラック顔料である、<1>〜<8>いずれか1つに記載のインク組成物、
<10> 前記顔料が銅フタロシアニン顔料であり、かつ、前記銅フタロシアニン顔料の含有量が3.5重量%以上10重量%以下である、<1>〜<9>いずれか1つに記載のインク組成物、
<11> 前記顔料がアゾ顔料であり、かつ、前記アゾ顔料の含有量が7.5重量%以上20重量%以下である、<1>〜<10>いずれか1つに記載のインク組成物、
<12> 前記顔料がキナクドリン顔料であり、かつ、前記キナクドリン顔料の含有量が7.5重量%以上20重量%以下である、<1>〜<11>いずれか1つに記載のインク組成物、
<13> 前記顔料がカーボンブラック顔料であり、かつ、前記カーボンブラックの含有量が6.0重量%以上10重量%以下である、<1>〜<12>いずれか1つインクジェットインク組成物、
<14> (a1)被記録媒体上に、<1>〜<13>いずれか1つに記載のインク組成物を吐出する工程、及び、(b1)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、前記インク組成物を硬化する工程、を含むことを特徴とするインクジェット記録方法、
<15> 前記吐出が、圧電素子の変形によりインク組成物を吐出するインクジェットヘッドを用いて行われる、<14>に記載のインクジェット記録方法、
<16> 前記吐出が、1〜10plの液滴量、かつ1,200×1,200〜4,800×4,800dpiで行われる、<14>又は<15>に記載のインクジェット記録方法。
本発明によれば、保存安定性及び吐出安定性に優れ、かつ、高画質な画像が形成されるインク組成物、並びに、該インク組成物を使用したインクジェット記録方法が提供された。
1.インク組成物
本発明のインク組成物(以下、単に「インク」ともいう。)は、(A)着色剤、(B)光酸発生剤、及び、(C)カチオン重合性化合物を含有し、前記(A)着色剤の含有量が全インク組成物の3.5重量%以上30重量%以下であり、前記(A)着色剤が、顔料及び染料を含み、かつ、顔料と染料の重量比(顔料/染料)が、0.1以上10以下であることを特徴とする。
高画質化するためには、着色剤濃度を高くし、インクを少液滴で吐出し、低膜厚の画像にすることが考えられるが、従来、高顔料濃度のインク組成物は高粘度であり、硬化、吐出することが困難であった。
本発明は、高粘度化や、それによる分散安定性、吐出性悪化の原因が、着色剤として顔料を用いる分散体であるための高粘度化、及び、水素結合をもつモノマーや双極子相互作用のあるモノマーであることを突き止め、着色剤として顔料及び染料を混合すること、また、カチオン重合性化合物、好ましくは、炭素原子と水素原子、エーテル性の酸素原子のみから構成されるモノマーを用いることで、低粘度かつ吐出性に優れるUVカチオン重合性硬化型インクジェットインクを見出した。さらにこの高着色剤インクを微少液滴量で吐出することで、高画質な画像が形成できることを見出した。
本発明のインク組成物は、インクジェット記録用インク組成物として好適に使用することができる。
本発明のインク組成物は、放射線により硬化可能なインク組成物であり、また、油性のインク組成物である。
本発明でいう「放射線」とは、その照射によりインク組成物中において開始種を発生させ得るエネルギーを付与することができる活性放射線であれば、特に制限はなく、広くα線、γ線、X線、紫外線(UV)、可視光線、電子線などを包含するものであるが、なかでも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から紫外線及び電子線が好ましく、特に紫外線が好ましい。したがって、本発明のインク組成物としては、放射線として、紫外線を照射することにより硬化可能なインク組成物が好ましい。
以下、インク組成物について詳述する。なお以下の説明において、数値範囲を表す「a〜b」の記載は、特に断りの無い限り、「a以上b以下」を意味する。すなわち、端点であるa及びbを含む数値範囲を意味する。
(A)着色剤
本発明のインク組成物は、着色剤として染料及び顔料を使用する。すなわち、着色剤は、染料と顔料との混合物である。
本発明のインク組成物における着色剤の含有量は、インク組成物全体に対して、3.5重量%以上30重量%以下である。なお、着色剤の含有量は、染料及び顔料の合計として、前記の含有量とする。着色剤の含有量が3.5重量%未満であると、少ないインク量で十分な色濃度を得ることができず、必要なインク量が増えるため、得られる画像に凹凸が生じ、高画質化が達成されない。また、着色剤の含有量が30重量%を超えると、インク組成物中に着色剤の凝集等が生じ、十分な保存安定性、吐出安定性を得ることが困難である。
着色剤の含有量は5〜25重量%であることが好ましく、より好ましくは8〜20重量%であり、さらに好ましくは10〜18重量%である。
ここで、顔料とは、水、油などに不溶の白色又は有色の粉体で、有機顔料及び無機顔料に大別される。また、染料とは、水を含む適当な溶剤、本発明の場合は主にモノマーに対し、溶解可能な有機色素をいい、ほとんどが合成染料である。
(染料)
本発明のインク組成物は染料を含有する。
染料としては特に限定されないが、好ましい染料として、下記式(1)、式(2)、式(3−a)、式(3−b)、式(3−c)、式(3−d)、式(3−e)、式(3−f)、式(4)、及び、式(5)で表される染料が例示できる。本発明において、前記染料が、下記式(1)、式(2)、式(3−a)、式(3−b)、式(3−c)、式(3−d)、式(3−e)、式(3−f)、式(4)、式(5)、及び式(6)よりなる群から選択された少なくとも1つの式で表される染料を含むことが好ましい。
<式(1)で表される染料>
本発明に使用される染料の好ましい例の一つとして、式(1)で表される染料が挙げられる。
Figure 2010209202
式(1)中、R21〜R26は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基を表す。R21〜R26で表される置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24の、直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基で、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチル)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜18のアルケニル基で、例えば、ビニル、アリル、3−ブテン−1−イル)、アリール基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリール基で、例えば、フェニル、ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環基で、例えば、2−チエニル、4−ピリジル、2−フリル、2−ピリミジニル、1−ピリジル、2−ベンゾチアゾリル、1−イミダゾリル、1−ピラゾリル、ベンゾトリアゾール−1−イル)、シリル基(好ましくは炭素数3〜38、より好ましくは炭素数3〜18のシリル基で、例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリブチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ヘキシルジメチルシリル)、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアルコキシ基で、例えば、メトキシ、エトキシ、1−ブトキシ、2−ブトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、ドデシルオキシ、シクロアルキルオキシ基で、例えば、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環オキシ基で、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ、ジフェニルメチルシリルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアシルオキシ基で、例えば、アセトキシ、ピバロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、ドデカノイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシカルボニルオキシ基で、例えば、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、シクロアルキルオキシカルボニルオキシ基で、例えば、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N−ブチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ、N−エチル−N−フェニルカルバモイルオキシ)、スルファモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のスルファモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジエチルスルファモイルオキシ、N−プロピルスルファモイルオキシ)、アルキルスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数1〜38、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルスルホニルオキシ基で、例えば、メチルスルホニルオキシ、ヘキサデシルスルホニルオキシ、シクロヘキシルスルホニルオキシ)、
アリールスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルホニルオキシ基で、例えば、フェニルスルホニルオキシ)、アシル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアシル基で、例えば、ホルミル、アセチル、ピバロイル、ベンゾイル、テトラデカノイル、シクロヘキサノイル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシカルボニル基で、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、オクタデシルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル、下記構造式(i)で表される基)、
Figure 2010209202
アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のカルバモイル基で、例えば、カルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N−エチル−N−オクチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル、N−プロピルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N−メチル−N−フェニルカルバモイル、N,N−ジシクロへキシルカルバモイル)、アミノ基(好ましくは炭素数32以下、より好ましくは炭素数24以下のアミノ基で、例えば、アミノ、メチルアミノ、N,N−ジブチルアミノ、テトラデシルアミノ、2−エチルへキシルアミノ、シクロヘキシルアミノ)、アニリノ基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは炭素数6〜24のアニリノ基で、例えば、アニリノ、N−メチルアニリノ)、ヘテロ環アミノ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環アミノ基で、例えば、4−ピリジルアミノ)、カルボンアミド基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のカルボンアミド基で、例えば、アセトアミド、ベンズアミド、テトラデカンアミド、ピバロイルアミド、シクロヘキサンアミド)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のウレイド基で、例えば、ウレイド、N,N−ジメチルウレイド、N−フェニルウレイド)、イミド基(好ましくは炭素数36以下、より好ましくは炭素数24以下のイミド基で、例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、オクタデシルオキシカルボニルアミノ、シクロヘキシルオキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェノキシカルボニルアミノ)、スルホンアミド基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のスルホンアミド基で、例えば、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、ヘキサデカンスルホンアミド、シクロヘキサンスルホンアミド)、スルファモイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のスルファモイルアミノ基で、例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ、N−エチル−N−ドデシルスルファモイルアミノ)、アゾ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のアゾ基で、例えば、フェニルアゾ、3−ピラゾリルアゾ)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルチオ基で、例えば、メチルチオ、エチルチオ、オクチルチオ、シクロヘキシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環チオ基で、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2−ピリジルチオ、1−フェニルテトラゾリルチオ)、アルキルスルフィニル基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルスルフィニル基で、例えば、ドデカンスルフィニル)、アリールスルフィニル基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルフィニル基で、例えば、フェニルスルフィニル)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルスルホニル基で、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル、イソプロピルスルホニル、2−エチルヘキシルスルホニル、ヘキサデシルスルホニル、オクチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルホニル基で、例えば、フェニルスルホニル、1−ナフチルスルホニル)、スルファモイル基(好ましくは炭素数32以下、より好ましくは炭素数24以下のスルファモイル基で、例えば、スルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−エチル−N−ドデシルスルファモイル、N−エチル−N−フェニルスルファモイル、N−シクロヘキシルスルファモイル)、スルホ基、ホスホニル基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のホスホニル基で、例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、ホスフィノイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のホスフィノイルアミノ基で、例えば、ジエトキシホスフィノイルアミノ、ジオクチルオキシホスフィノイルアミノ)が挙げられる。
21〜R26の置換基がさらに置換可能な基である場合には、R21〜R26で説明した置換基を有していてもよく、2個以上の置換基を有している場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
21とR22、R22とR23、R24とR25、及び/又はR25とR26とが、各々独立に、互いに結合して5員、6員、又は7員の飽和環、又は不飽和環を形成していてもよい。形成される5員、6員、及び7員の環が、さらに置換可能な基である場合には、上記R21〜R26で説明した置換基で置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
式(1)中のR27は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、上記R21〜R26の置換基で説明したハロゲン原子、アルキル基、アリール基、及びヘテロ環基と同じ基を表し、その好ましい範囲も同様である。
27のアルキル基、アリール基、及びヘテロ環基が、さらに置換可能な基である場合には、上記R21〜R26の置換基で説明した置換基で置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
式(1)中のX1及びY1は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基、アルキルチオ基、アリールチオ基、又はヘテロ環チオ基を表す。これらの基は、上記R21〜R26の置換基で説明した各基と同義であり、好ましい範囲は、上記R21〜R26で述べたのと同様である。
式(1)中のX1及びY1が置換可能な基である場合には、上記R21〜R26の置換基で説明した基で置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
式(1)において好ましくは、R21及びR26は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シリル基、ヒドロキシル基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、アニリノ基、ヘテロ環アミノ基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アゾ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はホスフィノイルアミノ基を表し、R22及びR25は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アゾ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、又は上記構造式(i)で表される基を表し、R23及びR24は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シリル基、ヒドロキシル基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アニリノ基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アゾ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、又はホスフィノイルアミノ基を表し、R27は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、X1及びY1は、各々独立に、フッ素原子、アルコキシ基、又はアリールオキシ基を表す。
式(1)中、R21とR22、R22とR23、R24とR25、及び/又はR25とR26とが、各々独立に、互いに結合して、置換基を有しない5員、6員、又は7員の飽和環、又は不飽和環を形成する場合、置換基を有しない5員、6員、又は7員の飽和環、又は不飽和環としては、例えば、ピロール環、フラン環、チオフェン環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピロリジン環、ピペリジン環、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環が挙げられ、好ましくは、ベンゼン環、ピリジン環が挙げられる。また、置換基を有する場合、置換基としては、例えば、上記R21〜R26で説明した置換基が挙げられ、好ましい置換基もR21〜R26と同様である。
なお、式(1)で表される染料は、互変異性体であってもよい。
次に、式(1)で表される染料の具体例を以下に示すが、本発明はこれらの限定されるわけではない。なお、他の具体例としては、特開2008−292970号公報の段落番号[0093]〜[0130]、特開2009−31710号公報の段落番号[0054]〜[0076]に記載される染料が挙げられる。
Figure 2010209202
式(1)で表される染料は、米国特許第4,774,339号、同5,433,896号、特開2001−240761号、同2002−155052号、特許第3614586号、Aust. J. Chem., 1965, 11, 1835-1845、J. H. Boger et al., Heteroatom Chemistry, Vol. 1, No. 5, 389 (1990) 等に記載の方法で合成することができる。
<式(2)で表される染料>
本発明に使用される染料の好ましい例の一つとして、式(2)で表される染料が挙げられる。
Figure 2010209202
式(2)及び後述する式(2−1)の各基の説明において「置換基」は、式(1)中のR21〜R26で表される置換基と同義である。これらの置換基は、さらに該置換基で置換されていてもよく、2以上の置換基で置換されている場合は、それら置換基は同一でも異なっていてもよい。
式(2)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。R1〜R4で表される各基は、上記で説明した置換基を有していてもよく、2以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一でも異なっていてもよい。R1〜R4は、好ましくはアルキル基、又はアリール基である。R1〜R4で表される各基は、式(1)中のR21〜R26で表される置換基で列挙された各基と同義であり、好ましい態様も同様である。
式(2)中のR1〜R4の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2010209202
Figure 2010209202
Figure 2010209202
式(2)中、w、x、y、及びzは、それぞれ独立に0〜4の整数を表す。w、x、y、及びzの総和(w+x+y+z)は0ではなく、好ましくは4、3、又は2であり、さらに好ましくは3又は4である。
式(2)中、Z1〜Z4は、それぞれ独立に、炭素原子又は窒素原子から選ばれる原子群で、結合している2個の炭素原子と共に構成される5員環又は6員環を形成する原子群を表す。5員環又は6員環は、芳香族又は非芳香族のどちらでもよい。結合している2個の炭素原子と共に構成される5員環又は6員環としては、例えば、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環などが挙げられ、好ましくはベンゼン環、又はピリジン環である。形成される5員環又は6員環には、さらにベンゼン環などの環が縮合していてもよい。形成される5員環又は6員環は、上記で説明した置換基を有していてもよく、2以上の置換基を有する場合は、それらの置換基は同一でも異なっていてもよい。
式(2)中のM1は、金属原子、又は金属酸化物を表す。金属原子としては、Al、Zn、Mg、Si、Sn、Rh、Pt、Pd、Mo、Mn、Pb、Cu、Ni、Co、及びFeなどが挙げられる。金属酸化物としては、TiO、VOなどが挙げられる。金属水酸化物としては、AlOHなどが挙げられる。好ましくは、Cu、Ni、Co、Znである。
上述の式(2)で表される染料のうち、好ましくは式(2−1)で表される染料である。
Figure 2010209202
式(2−1)中、R1、R2、R3、R4、w、x、y、x、及びM1は、上述の式(2)中のそれらの定義と同一である。
式(2−1)中、R6〜R9は、それぞれ独立に置換基を表す。この置換基の定義は、上記で説明した置換基の定義と同一である。R6〜R9で表される置換基が、さらに置換可能な基である場合には、上記の置換基で説明した基で置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
式(2−1)中、m、n、p、及びqは、それぞれ独立に0〜4の整数を表す。ただし、mとwとの和(m+w)、nとxとの和(n+x)、pとyとの和(p+y)、qとzとの和(q+z)が、それぞれ4以下である。
式(2−1)で表される構造式は、好ましくはR1がアルキル基又はアリール基で、M1がCu,Co,Zn,又はV=Oで、m、n、p、qがすべて0である。より好ましくは、R1がアルキル基又はアリール基で、M1がCu,Co,Zn,又はV=Oで、w、x、y、zのうち2つが1で、他の2つは0で、m、n、p、qがすべて0である。さらに好ましくは、R1がアルキル基又はアリール基で、M1がCu,Co,Zn,又はV=Oで、w、x、y、zのうち3つ以上が1で、他の1つは0で、m、n、p、qがすべて0である。最も好ましくは、R1がアルキル基又はアリール基で、M1がCuで、w、x、y、zのうち3つ以上が1で、他の1つは0で、m、n、p、qがすべて0である。
以下に式(2−1)で表される染料の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。なお、他の具体例としては、例えば、特願2007−303611号明細書の段落番号[0041]〜[0043]に記載に記載される染料が挙げられる。
Figure 2010209202
Figure 2010209202
Figure 2010209202
上述した式(2)で表される染料及び式(2−1)で表される染料は、特開2006−047497号公報の段落番号[0060]〜[0066]、又は、特開2006−047752号公報の段落番号[0055]〜[0065]に記載の方法を参照して合成することができる。
<式(3−a)〜式(3−f)で表される染料>
本発明に使用される染料の好ましい例の一つとして、式(3−a)〜式(3−f)で表される染料が挙げられる。これらの染料は、可視光部の最大吸収波長が400〜500nm、好ましくは420〜480nmであり、イエロー色調用のインクとして好適である。
〔式(3−a)〕
以下に、式(3−a)で表される染料について説明する。
Figure 2010209202
式(3−a)中、R30は水素原子又は置換基を表す。R30で表される置換基は、式(1)中のR21〜R26で表される置換基と同義である。これらの置換基は、さらに該置換基で置換されていてもよく、2以上の置換基で置換されている場合は、それら置換基は同一でも異なっていてもよい。
なお、後述する式(3−b)〜式(3−h)中の各基の説明において「置換基」も、式(1)中のR21〜R26で表される置換基と同義である。これらの置換基は、さらに該置換基で置換されていてもよく、2以上の置換基で置換されている場合は、それら置換基は同一でも異なっていてもよい。
また、後述する式(3−b)〜式(3−h)中で説明される各基(例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基など)は、式(1)中のR21〜R26で表される置換基に列挙された各基と同義であり、好ましい態様も同じである。また、これらの各基は、さらに上記「置換基」で置換されていてもよく、2以上の置換基で置換されている場合は、それら置換基は同一でも異なっていてもよい。
式(3−a)中、R31は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、又はカルバモイル基を表す。なかでも、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基が好ましく、アリール基、ヘテロ環基がより好ましく、特に、含窒素へテロ環基、電子求引性基が置換したアリール基が好ましい。電子求引性基としては、ハメットの置換基定数σpが0.20以上のものが好ましく、例えば、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、スルファモイル基、ハロゲン化アルキル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、ハロゲン原子などが挙げられる。ハメットの置換基定数については、例えば、J. A. Dean編、「Lange's Handbook of Chemistry」第12版、1979年(Mc Graw-Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しく述べられている。なお、本発明において各置換基をハメットの置換基定数σp値により限定したり、説明したりするが、これは上記に成書で見出せる文献既知の値が有る置換基にのみ限定されるという意味ではなく、その値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合に、その範囲内に含まれるであろう置換基をも含むものである。
式(3−a)中、X30は、−OM基、又は−N(R32)(R33)を表す。Mは、水素原子、アルキル基、又は、電荷を中和するために必要な金属原子若しくは有機塩基対を表し、R32及びR33は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、又はカルバモイル基を表す。Mで表される金属原子としては、金属カチオン種、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、鉄、亜鉛などが挙げられる。また、Mで表される有機塩基対としては、有機カチオン種、例えば、4級アンモニウム、グアニジニウムカチオン、トリアルキルアンモニウムなどが挙げられる。式(3−a)中、X30はヒドロキシル基、又は無置換のアミノ基が好ましく、中でも無置換のアミノ基が好ましい。
式(3−a)中、A30は、アリール基、又は芳香族ヘテロ環基を表す。中でも、5員又は6員の含窒素へテロ環基、もしくは電子求引性基が置換したアリール基が好ましい。好ましい電子求引性基は、ハメットの置換基定数σpが0.20以上のものが挙げられる。A30で表される芳香族へテロ環基は、上記式(1)中のR21〜R26で表される置換基に列挙されたヘテロ環基のうち芳香族性のものを意味する。
〔式(3−b)〕
以下に、式(3−b)で表される染料について説明する。
Figure 2010209202
式(3−b)中、R34は、水素原子又は置換基を表す。
式(3−b)中、R35は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、又はカルバモイル基を表し、水素原子が好ましい。
式(3−b)中、Z30及びZ31は、それぞれ独立に、−C(R36)=又は−N=を表し、R36は水素原子又は置換基を表す。
式(3−b)中、A31は、アリール基又は芳香族ヘテロ環基を表す。A31で表される各基は、上記式(3−a)中のA30で表される各基と同義であり、好ましい態様も同じである。
〔式(3−c)〕
以下に、式(3−c)で表される染料について説明する。
Figure 2010209202
式(3−c)中、R37、R38、R39及びR40は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表し、なかでも、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基が好ましく、特に、アルキル基、アリール基、アシル基が好ましい。
式(3−c)中、Z32、Z33、及びZ34は、それぞれ独立に、−C(R41)=又は−N=を表し、なかでもZ32、Z33、Z34のうちの少なくとも1つが−N=であることが好ましい。R41は、水素原子又は置換基を表す。
式(3−c)中、A32は、アリール基又は芳香族ヘテロ環基を表す。A32で表される各基は、上記式(3−a)中のA30で表される各基と同義であり、好ましい態様も同じである。
〔式(3−d)〕
以下に、式(3−d)で表される染料について説明する。
Figure 2010209202
式(3−d)中、R42は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、なかでもアルキル基、アリール基、又はヘテロ環基が好ましい。
式(3−d)中、R43及びR44は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、なかでもR43は電子求引性の置換基であることが好ましい。
式(3−d)中、A33は、アリール基又は芳香族ヘテロ環基を表す。A33で表される各基は、上記式(3−a)中のA30で表される各基と同義であり、好ましい態様も同じである。
〔式(3−e)〕
以下に、式(3−e)で表される染料について説明する。
Figure 2010209202
式(3−e)中、R45、R46、及びR47は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
式(3−e)中、a及びbは、それぞれ独立に0〜4の整数を表す。aが2以上の場合、R46で表される基は同一であっても、異なっていてもよい。bが2以上の場合、R47で表される基は同一であっても、異なっていてもよい。
〔式(3−f)〕
以下に、式(3−f)で表される染料について説明する。
Figure 2010209202
式(3−f)中、R48及びR49は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基を表す。
式(3−f)中、R50は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、又はアリール基を表し、中でも水素原子が好ましい。
式(3−f)中、R51は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表し、なかでも水素原子が好ましい。
式(3−f)中、Z35、Z36、Z37、及びZ38は、それぞれ独立に、−C(R52)=又は−N=を表し、R52は水素原子又は置換基を表す。
式(3−a)〜式(3−f)の中で、好ましくは、式(3−a)〜式(3−d)中のA30〜A33が、それぞれ独立に、以下式(イ)〜式(ホ)である染料、式(3−e)で表される染料、及び、式(3−f)で表される染料である。
Figure 2010209202
式(イ)中、R53及びR54は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、又はアシル基を表す。
Figure 2010209202
式(ロ)及び式(ハ)中、R55は、水素原子又は置換基を表す。
式(ロ)及び式(ハ)中、R56は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。
式(ロ)及び式(ハ)中、Z39は、−C(R57)=又は−N=を表し、R57は、水素原子又は置換基を表す。
Figure 2010209202
式(ニ)及び式(ホ)中、R58は水素原子又は置換基を表す。X31は、酸素原子又は硫黄原子を表す。
式(イ)〜式(ホ)における*は、式(3−a)〜式(3−d)における窒素原子と結合する位置を表す。
式(イ)〜式(ホ)において説明した各基は、さらに上記式(3−a)のR30で表される置換基で置換されていてもよく、2以上の置換基で置換されている場合、それらの置換基は同一でも異なっていてもよい。
さらに好ましくは、式(3−c)中のA32が式(ロ)〜式(ホ)で表される染料、式(3−d)中のA33が式(イ)で表される染料、式(3−e)中のR45が水素原子で、R46が水素原子又は置換基で、R47がアルコキシカルボニル基又はカルバモイル基で表される染料、式(3−f)中のR50が水素原子で、R51が水素原子又はアルキル基で、Z35及びZ36のいずれか一方が−N=で、他方が−C(R52)で、Z37及びZ38のいずれか一方が−N=で、他方が−C(R52)で、R52が水素原子又は置換基で表される染料が挙げられる。
さらに好ましくは、式(3−c)中のZ33が−C(R41)=で、R41が水素原子又は置換基で、Z32及びZ34の少なくとも一方は−N=で、A32が式(ロ)〜式(ホ)のいずれかで表される染料、式(3−d)中のR42がアルキル基又はアリール基で、R43がシアノ基で、R44がアルキル基又はアリール基で、A33が式(イ)で表される染料、式(3−e)中のR45が水素原子で、R46がアルキル基で、aが0又は1で表される染料、式(3−f)中のR50が水素原子で、R51が水素原子又はアルキル基で、Z35及びZ36のいずれか一方は−N=で、他方は−C(R52)=で、Z37及びZ38のいずれか一方は−N=で、他方は−C(R52)=で、R52は水素原子又は置換基で、R48及びR49は、それぞれ独立に、3級アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基で表される染料が挙げられる。
さらに好ましくは、下記式(3−g)〜式(3−j)で表される染料が挙げられる。
Figure 2010209202
式(3−g)中、R60、R61、R62、及びR63は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。ただし、R60とR61とが同時に水素原子であることはなく、R62とR63とが同時に水素原子であることはない。R64は、水素原子、シアノ基、アルコキシカルボニル基、又はカルバモイル基を表す。R65は、水素原子又は置換基を表す。R67は、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。R68は、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。R69は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。
Figure 2010209202
式(3−h)中、R70、R71、R72、R73、R74、及びR75は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。ただし、R70とR71とが同時に水素原子であることはなく、R72とR73とが同時に水素原子であることはなく、さらに、R74とR75とが同時に水素原子であることはない。R76は、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。R77は、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。R78は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。
Figure 2010209202
式(3−i)及び式(3−j)中、R79及びR80は、それぞれ独立に、三級アルキル基を表す。R81及びR82は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。R83は、水素原子、又はアルキル基を表す。
式(3−a)〜式(3−f)で表される染料の具体例を以下に示すが、本発明はこれらによって限定されない。なお、他の具体例としては、特願2007−303611号明細書の段落番号[0208]〜[0217]に記載される染料が挙げられる。
Figure 2010209202
Figure 2010209202
Figure 2010209202
Figure 2010209202
Figure 2010209202
上記式(3−a)及び(3−b)で表される染料は、特開平6−301179号公報の段落番号[0104]〜[0117]に記載の方法を参照して合成することができる。上記式(3−c)で表される染料は、特開2007−31616号公報の段落番号[0050]〜[0069]、及び特開2007−39478号公報の段落番号[0049]〜[0063]に記載の方法を参照して合成することができる。上記式(3−d)で表される染料は、特開2006−124634号公報の段落番号[0175]〜[0199]に記載の方法を参照して合成することができる。上記式(3−e)で表される染料は、特開平6−9891号公報の段落番号[0015]〜[0034]に記載の方法を参照して合成することができる。上記式(3−f)で表される染料は、特開2005−250420号公報の段落番号[0071]〜[0077]に記載の方法を参照して合成することができる。
<式(4)で表される染料>
本発明に使用される染料の好ましい例の一つとして、式(4)で表される染料が挙げられる。
Figure 2010209202
式(4)中、R11〜R16は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。式(4)中のR11〜R16で表される置換基は、式(1)中のR21〜R26で表される置換基と同義であり、好ましい態様も同じである。
上記のR11〜R16の置換基がさらに置換可能な基である場合には、該置換基を有していてもよく、2個以上の置換基を有している場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
式(4)中のR11とR12、R12とR13、R14とR15、及び/又はR15とR16とは、各々独立に互いに結合して5員、6員、もしくは7員の飽和環、又は不飽和環を形成していてもよい。形成される5員、6員、及び7員の環が、さらに置換可能な基である場合には、上記式(4)中のR11〜R16で表される置換基で置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
式(4)中のR17は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、R17のハロゲン原子、アルキル基、アリール基、及びヘテロ環基は、上記式(4)中のR11〜R16で表される置換基で説明したハロゲン原子、アルキル基、アリール基、及びヘテロ環基とそれぞれ同義であり、その好ましい範囲も同様である。R17のアルキル基、アリール基、及びヘテロ環基が、さらに置換可能な基である場合には、上記式(4)中のR11〜R16で表される置換基で置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
式(4)において好ましくは、R11及びR16は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シリル基、ヒドロキシ基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、アニリノ基、ヘテロ環アミノ基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アゾ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はホスフィノイルアミノ基を表し、R12及びR15は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アゾ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表し、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シリル基、ヒドロキシ基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アニリノ基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アゾ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、又はホスフィノイルアミノ基を表し、R17は、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。
より好ましくは、上記式(4)において、R11及びR16は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、ヘテロ環アミノ基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アゾ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はホスフィノイルアミノ基を表し、R12及びR15は、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表し、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表し、R17は、水素原子、又はアルキル基を表す。
特に好ましくは、式(4)において、R11及びR16は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アミノ基、ヘテロ環アミノ基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アゾ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はホスフィノイルアミノ基を表し、式(4)において、R12及びR15は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表し、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、R17は水素原子を表す。
<式(5)で表される染料>
本発明に使用される染料の好ましい例の一つとして、式(5)で表される染料が挙げられる。
Figure 2010209202
式(5)中、R11〜R16はそれぞれ独立に、水素原子、又は置換基を表す。R17は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Maは、金属原子又は金属化合物を表す。X1は、Maに結合可能な基を表し、X2は、Maの電荷を中和するために必要な基を表す。X1とX2は、互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。
式(5)中のR11〜R17は、式(4)中のR11〜R17と同義であり、好ましい態様も同様である。
式(5)中のMaは、金属原子又は金属化合物を表す。金属原子又は金属化合物としては、錯体を形成可能な金属原子又は金属化合物であればいずれであってもよく、2価の金属原子、2価の金属酸化物、2価の金属水酸化物、又は2価の金属塩化物が含まれる。例えば、Zn、Mg、Si、Sn、Rh、Pt、Pd、Mo、Mn、Pb、Cu、Ni、Co、Fe等の他に、AlCl、InCl、FeCl、TiCl2、SnCl2、SiCl2、GeCl2などの金属塩化物、TiO、VO等の金属酸化物、Si(OH)2等の金属水酸化物も含まれる。
これらの中でも、錯体の安定性、分光特性、耐熱、耐光性、及び製造適性等の観点から、Fe、Zn、Co、V=O、又はCuが好ましく、Znが最も好ましい
式(5)中のX1は、金属原子Maに結合可能な基であればいずれであってもよく、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール)等、さらに「金属キレート」[1]坂口武一・上野景平著(1995年、南江堂)、同[2](1996年)、同[3](1997年)等、に記載の化合物が挙げられる。
式(5)におけるX2は、Maの電荷を中和するために必要な基を表し、例えば、ハロゲン原子、水酸基、カルボン酸基、燐酸基、スルホン酸基等が挙げられる。
式(5)におけるX1とX2とが互いに結合して、Maとともに5員、6員、又は7員の環を形成してもよい。形成される5員、6員、及び7員の環は、飽和環であっても不飽和環であってもよい。また、5員、6員、及び7員の環は、炭素原子のみで構成されていてもよく、窒素原子、酸素原子、及び/又は硫黄原子から選ばれる原子を少なくとも1個有するヘテロ環を形成していてもよい。
〔式(5−1)〕
式(5)で表される染料の他の実施形態として、式(5−1)で表される染料が挙げられる。
Figure 2010209202
式(5−1)中、R12〜R15は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基を表す。R17は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Maは、金属原子又は金属化合物を表す。X3は、NR(Rは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。)、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を表し、X4は、NRa(Raは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。)、酸素原子、又は硫黄原子を表し、Y1は、NRc(Rcは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。)、窒素原子、又は炭素原子を表し、Y2は、窒素原子、又は炭素原子を表す。R18及びR19は、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、又はヘテロ環アミノ基を表す。R18とY1は、互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよく、R19とY2は、互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。X5はMaと結合可能な基を表し、aは0、1又は2を表す。
式(5−1)中のR12〜R15、及びR17は、それぞれ式(5)中のR12〜R15、及びR17とそれぞれ同義であり、好ましい態様も同様である。
式(5−1)中のMaは、金属原子又は金属化合物を表し、式(5)において説明した、金属原子又は金属化合物と同義であり、その好ましい範囲も同様である。
式(5−1)中、R18及びR19は、それぞれ独立に、アルキル基(好ましくは炭素数1〜36、より好ましくは炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基で、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、ドデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−アダマンチル)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜24、より好ましくは炭素数2〜12のアルケニル基で、例えば、ビニル、アリル、3−ブテン−1−イル)、アリール基(好ましくは炭素数6〜36、より好ましくは炭素数6〜18のアリール基で、例えば、フェニル、ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは炭素数1〜12のヘテロ環基で、例えば、2−チエニル、4−ピリジル、2−フリル、2−ピリミジニル、1−ピリジル、2−ベンゾチアゾリル、1−イミダゾリル、1−ピラゾリル、ベンゾトリアゾール−1−イル)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜36、より好ましくは炭素数1〜18のアルコキシ基で、例えば、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ドデシルオキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ(好ましくは炭素数6〜24、より好ましくは炭素数1〜18のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ、ナフチルオキシ)、アルキルアミノ基(好ましくは炭素数1〜36、より好ましくは炭素数1〜18のアルキルアミノ基で、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ、ヘキシルアミノ、2−エチルヘキシルアミノ、イソプロピルアミノ、t−ブチルアミノ、t−オクチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N,N−ジプロピルアミノ、N,N−ジブチルアミノ、N−メチル−N−エチルアミノ)、アリールアミノ(好ましくは炭素数6〜36、より好ましくは炭素数6〜18のアリールアミノ基で、例えば、フェニルアミノ、ナフチルアミノ、N,N−ジフェニルアミノ、N−エチル−N−フェニルアミノ)、又はヘテロ環アミノ基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは炭素数1〜12のヘテロ環アミノ基で、例えば、2−アミノピロール、3−アミノピラゾール、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン)を表す。
式(5−1)中、R18及びR19で表されるアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、及びヘテロ環アミノ基が、さらに置換可能な基である場合には、上記式(4)中のR11〜R16で表される置換基で置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
式(5−1)中、X3は、NR、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を表し、X4は、NRa、酸素原子、又は硫黄原子を表す。RとRaは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜36、より好ましくは炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基で、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、ドデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−アダマンチル)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜24、より好ましくは炭素数2〜12のアルケニル基で、例えば、ビニル、アリル、3−ブテン−1−イル)、アリール基(好ましくは炭素数6〜36、より好ましくは炭素数6〜18のアリール基で、例えば、フェニル、ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは炭素数1〜12のヘテロ環基で、例えば、2−チエニル、4−ピリジル、2−フリル、2−ピリミジニル、1−ピリジル、2−ベンゾチアゾリル、1−イミダゾリル、1−ピラゾリル、ベンゾトリアゾール−1−イル)、アシル基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは炭素数2〜18のアシル基で、例えば、アセチル、ピバロイル、2−エチルヘキシル、ベンゾイル、シクロヘキサノイル)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは炭素数1〜18のアルキルスルホニル基で、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、イソプロピルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜24、より好ましくは炭素数6〜18のアリールスルホニル基で、例えば、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル)を表す。
RとRaで表されるアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基は、さらに、上記式(4)中のR11〜R16で表される置換基で置換されていてもよく、複数の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
式(5−1)中、Y1は、NRc、窒素原子、又は炭素原子を表し、Y2は、窒素原子、又は炭素原子を表す。Rcは、上記X3のRと同義である。
式(5−1)中、R18とY1とが互いに結合して、R18、Y1、及び炭素原子と共に5員環(例えば、シクロペンタン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、テトラヒドロチオフェン、ピロール、フラン、チオフェン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン)、6員環(例えば、シクロヘキサン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、ペンタメチレンスルフィド、ジチアン、ベンゼン、ピペリジン、ピペラジン、ピリダジン、キノリン、キナゾリン)、又は7員環(例えば、シクロヘプタン、ヘキサメチレンイミン)を形成してもよい。
式(5−1)中、R19とY2とが互いに結合して、R19、Y2、及び炭素原子と共に5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。形成される5員、6員、及び7員の環は、上記のR18とY1及び炭素原子で形成される環から、1個の結合が二重結合に変化した環が挙げられる。
式(5−1)中、R18とY1、及びR19とY2が結合して形成される5員、6員、及び7員の環が、さらに置換可能な環である場合には、上記式(4)中のR11〜R16で表される置換基で置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
式(5−1)中、X5はMaと結合可能な基を表し、式(5)におけるX1と同様な基が挙げられる。aは0、1、又は2を表す。
式(5−1)で表される化合物の好ましい態様としては、R12〜R15、R17、及びMaはそれぞれ、式(4)で表される染料の説明で記載した好ましい態様であり、X3はNR(Rは水素原子、アルキル基)、窒素原子、又は酸素原子であり、X4はNRa(Raは水素原子、アルキル基、ヘテロ環基)、又は酸素原子であり、Y1はNRc(Rcは水素原子、又はアルキル基)、窒素原子、又は炭素原子であり、Y2は窒素原子、又は炭素原子であり、X5は酸素原子を介して結合する基であり、R18及びR19は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、若しくはアルキルアミノ基であり、又はR18とY1とが互いに結合して5員若しくは6員環を形成し、又はR19とY2とが互いに結合して5員若しくは6員環を形成し、aは0又は1を表す。
式(5−1)で表される化合物のさらに好ましい態様としては、R12〜R15、R17、Maはそれぞれ、式(4)で表される染料の説明で記載した特に好ましい態様であり、X3及びX4は、酸素原子であり、Y1はNHであり、Y2は窒素原子であり、X5は酸素原子を介して結合する基であり、R18及びR19は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、若しくはアルキルアミノ基であり、又はR18とY1とが互いに結合して5員若しくは6員環を形成し、又はR19とZ2とが互いに結合して5員若しくは6員環を形成し、aは0又は1を表す。
〔式(5−2)〕
式(5)で表される染料の他の実施形態として、式(5−2)で表される染料が挙げられる。
Figure 2010209202
式(5−2)中、R11〜R16はそれぞれ独立に、水素原子、又は置換基を表す。R17は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Maは、金属原子又は金属化合物を表す。
式(5−2)中のR11〜R17は、それぞれ式(5)中のR11〜R17と同義であり、好ましい態様も同様である。
式(5−2)中のMaは、金属原子又は金属化合物を表し、式(5)において説明した、金属原子又は金属化合物と同義であり、その好ましい範囲も同様である。
次に、式(5)、式(5−1)、及び、式(5−2)で表される染料の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるわけではない。なお、他の具体例として、特願2008−149467号明細書の段落番号[0058]〜[0074]に記載の染料などが挙げられる。
Figure 2010209202
Figure 2010209202
式(5)、式(5−1)又は式(5−2)で表される染料は、米国特許第4,774,339号、同−5,433,896号、特開2001−240761号、同2002−155052号、特許第3614586号、Aust. J. Chem., 1965, 11, 1835-1845、J. H. Boger et al., Heteroatom Chemistry, Vol. 1, No. 5, 389 (1990) 等に記載の方法で合成することができる。
<式(6)で表される染料>
以下に、式(6)で表される化合物について説明する。式(6)で表される化合物は、ブラック染料であることが好ましい。この染料の酸化電位は、1.1V(vs SCE)よりも貴であることが好ましく、1.15V(vs SCE)よりも貴であることが特に好ましい。
Figure 2010209202
上記式(6)中、A1及びA2は、各々独立に、置換されていてもよい芳香族基又は置換されていてもよい複素環基を表す。A1は一価の基であり、A2は二価の基である。
1及びT2は、各々=CR12−及び−CR13=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR12−又は−CR13=を表す。
1、R12及びR13は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、複素環チオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、又はスルホ基を表し、各基はさらに置換されていてもよい。
10、R11は、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキル又はアリールスルホニル基、スルファモイル基を表し、各基はさらに置換基を有していてもよい。
また、R12とR10、又は、R10とR11が結合して5乃至6員環を形成してもよい。
前記式(6)で表されるアゾ染料の具体例を以下に示すが、本発明は、下記の例に限定されるものではなく、また下記の具体例中でカルボキシル基、ホスホノ基及びスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジニウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。これらの中でもアンモニウムイオン、有機カチオン、リチウムイオンの場合が好ましく、リチウムイオンが最も好ましい。
Figure 2010209202
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前記式(6)で表されるアゾ染料は、ジアゾ成分とカプラーとのカップリング反応によって合成することができるが、それらについては、特開2003−306623号公報に記載がある。
本発明において、上記染料をインク組成物に添加する方法は特に限定されないが、顔料分散体(ミルベース)とは別にインクに溶解させることが好ましい。
本発明において、インク組成物中の染料の含有量は、5〜30重量%であることが好ましく、より好ましくは7〜25重量%であり、さらに好ましくは10〜20重量%である。インク組成物中の染料の含有量が上記範囲内であると色濃度と画質、インクの保存安定性、吐出安定性の両立が可能であるので好ましい。
(顔料)
本発明のインク組成物は、(A)着色剤として顔料を含有する。
前記顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の有機顔料及び無機顔料などが挙げられ、また、染料で染色した樹脂粒子、市販の顔料分散体や表面処理された顔料(例えば、顔料を分散媒として不溶性の樹脂等に分散させたもの、あるいは顔料表面に樹脂をグラフト化したもの等)も挙げられる。なお、前記顔料としては、例えば、伊藤征司郎編「顔料の辞典」(2000年刊)、W. Herbst, K. Hunger "Industrial Organic Pigments"、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報に記載のものなどもが挙げられる。
なお、顔料とは、一般に、種々溶媒(有機溶剤、水)に対して難溶の着色剤を意味し、通常のインク組成物においては、含有する顔料の全固形分がインク組成物中に溶解している量が10重量%以下のものを意味する。
前記有機顔料及び無機顔料としては、例えば、イエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料、緑色顔料、オレンジ顔料、黒色顔料、白色顔料などが挙げられる。
前記イエロー顔料は、イエロー色を呈する顔料であり、例えば、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG等)、C.I.ピグメントイエロー74等のモノアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー12(ジスアジイエローAAA等)、C.I.ピグメントイエロー17等のジスアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー180等の非ベンジジン系のアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー100(タートラジンイエローレーキ等)等のアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー95(縮合アゾイエローGR等)等の縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー115(キノリンイエローレーキ等)等の酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー18(チオフラビンレーキ等)等の塩基性染料レーキ顔料、フラバントロンイエロー(Y−24)等のアントラキノン系顔料、イソインドリノンイエロー3RLT(Y−110)等のイソインドリノン顔料、キノフタロンイエロー(Y−138)等のキノフタロン顔料、イソインドリンイエロー(Y−139)等のイソインドリン顔料、C.I.ピグメントイエロー153(ニッケルニトロソイエロー等)等のニトロソ顔料、C.I.ピグメントイエロー117(銅アゾメチンイエロー等)等の金属錯塩アゾメチン顔料などが挙げられる。
前記マゼンタ顔料は、赤あるいはマゼンタ色を呈する顔料であり、例えば、C.I.ピグメントレッド3(トルイジンレッド等)等のモノアゾ系顔料、C.I.ピグメントレッド38(ピラゾロンレッドB等)等のジスアゾ顔料、C.I.ピグメントレッド53:1(レーキレッドC等)やC.I.ピグメントレッド57:1(ブリリアントカーミン6B)等のアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントレッド144(縮合アゾレッドBR等)等の縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド174(フロキシンBレーキ等)等の酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド81(ローダミン6G’レーキ等)等の塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド177(ジアントラキノニルレッド等)等のアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド88(チオインジゴボルドー等)等のチオインジゴ顔料、C.I.ピグメントレッド194(ペリノンレッド等)等のペリノン顔料、C.I.ピグメントレッド149(ペリレンスカーレット等)等のペリレン顔料、C.I.ピグメントバイオレット19(無置換キナクリドン)、C.I.ピグメントレッド122(キナクリドンマゼンタ等)等のキナクリドン顔料、C.I.ピグメントレッド180(イソインドリノンレッド2BLT等)等のイソインドリノン顔料、C.I.ピグメントレッド83(マダーレーキ等)等のアリザリンレーキ顔料などが挙げられる。
前記シアン顔料は、青あるいはシアン色を呈する顔料であり、例えば、C.I.ピグメントブルー25(ジアニシジンブルー等)等のジスアゾ系顔料、C.I.ピグメントブルー15(フタロシアニンブルー等)等のフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントブルー24(ピーコックブルーレーキ等)等の酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー1(ビクロチアピュアブルーBOレーキ等)等の塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー60(インダントロンブルー等)等のアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントブルー18(アルカリブルーV−5:1)等のアルカリブルー顔料などが挙げられる。
前記緑色顔料は、緑色を呈する顔料であり、例えば、C.I.ピグメントグリーン7(フタロシアニングリーン)、C.I.ピグメントグリーン36(フタロシアニングリーン)等のフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントグリーン8(ニトロソグリーン)等のアゾ金属錯体顔料などが挙げられる。
前記オレンジ顔料は、オレンジ色を呈する顔料であり、例えば、C.I.ピグメントオレンジ66(イソインドリンオレンジ)等のイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ51(ジクロロピラントロンオレンジ)等のアントラキノン系顔料などが挙げられる。
前記黒色顔料は、黒色を呈する顔料であり、例えば、カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラックなどが挙げられる。
前記白色顔料としては、例えば、塩基性炭酸鉛(2PbCO3Pb(OH)2、いわゆる、シルバーホワイト)、酸化亜鉛(ZnO、いわゆる、ジンクホワイト)、酸化チタン(TiO2、いわゆる、チタンホワイト)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3、いわゆる、チタンストロンチウムホワイト)などが挙げられる。ここで、前記酸化チタンは、他の白色顔料と比べて比重が小さく、屈折率が大きく化学的、物理的にも安定であるため、顔料としての隠蔽力や着色力が大きく、さらに、酸やアルカリ、その他の環境に対する耐久性にも優れていることから、好適に使用される。なお、前記酸化チタンに加えて他の白色顔料(上述した白色顔料以外のものであってもよい。)を併用してもよい。
これらの中でも、本発明のインク組成物は、イエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料、及び、黒色顔料よりなる群から選ばれた少なくとも1種の顔料を含有していることが好ましく、マゼンタ顔料、シアン顔料、イエロー顔料、又は、黒色顔料を含有していることがより好ましく、銅フタロシアニン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、又は、カーボンブラック顔料を含有していることがさらに好ましい。
また、本発明に用いることができる顔料としては、白色顔料を使用しないことが好ましい。
顔料として銅フタロシアニン顔料を使用する場合、前記銅フタロシアニン顔料の含有量は、インク組成物の全重量に対し、3.5〜10重量%であることが好ましい。
顔料としてアゾ顔料を使用する場合、前記アゾ顔料の含有量は、インク組成物の全重量に対し、7.5〜20重量%であることが好ましい。
顔料としてキナクリドン顔料を使用する場合、前記キナクリドン顔料の含有量は、インク組成物の全重量に対し、7.5〜20重量%であることが好ましい。
顔料としてカーボンブラック顔料を使用する場合、前記カーボンブラック顔料の含有量は、インク組成物の全重量に対し、6.0〜10重量%であることが好ましい。
前記顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、などの分散装置を好適に使用することができる。
本発明においては、前記顔料の分散を行う際に、前記高分子化合物を添加することが特に好ましい。
また、前記顔料の分散の際に、必要に応じて、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを添加してもよい。前記分散助剤の前記インク組成物における含有量としては、前記顔料100重量部に対し、1〜50重量部が好ましい。
前記顔料を前記インク組成物に分散させる際に使用する分散媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、低分子量である前記重合性化合物を該分散媒としてもよいし、溶媒を該分散媒としてもよい。ただし、本発明のインク組成物は、放射線硬化型のインク組成物であり、インク組成物を被記録媒体上に適用後、硬化させるため、前記溶媒を含まず無溶剤であることが好ましい。無溶剤であると、硬化されたインク画像中に、溶剤が残留せず、耐溶剤性が十分得られ、残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound)の問題が生じることを防ぐことができる。このため、前記分散媒として、前記重合性化合物を用い、その中でも、最も粘度が低い重合性化合物を選択することが、分散適性やインク組成物のハンドリング性向上の点で好ましい。
前記顔料の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、微細なほど発色性に優れるため、0.01〜0.4μm程度が好ましく、0.02〜0.2μmがより好ましい。また、前記顔料の最大粒径としては、3μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましい。前記顔料の粒径は、前記顔料、分散剤、分散媒体の選択、分散条件、ろ過条件の設定などにより調整することができ、前記顔料の粒径を制御することにより、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インク組成物の保存安定性、透明性及び硬化感度を維持することができる。本発明においては、分散性、安定性に優れた前記高分子分散剤を含むため、粒子の前記顔料を用いた場合でも、均一で安定なインク組成物とすることができる。
なお、前記顔料の前記インク組成物における粒径は、公知の測定方法で測定することができる。具体的には遠心沈降光透過法、X線透過法、レーザー回折・散乱法、動的光散乱法により測定することができる。
本発明において、着色剤中の顔料と染料との含有比率(顔料/染料(重量比))は0.1〜10である。染料及び顔料の添加量の比が上記範囲内であると、画像の耐久性とインクの保存安定性、吐出安定性を両立可能である。
顔料/染料(重量比)が0.1未満であると、画像の耐久性、耐候性が不十分であり、顔料/染料(重量比)が10を超えると、インクの粘度上昇やインクの安定性が不十分となる。
顔料/染料(重量比)は、0.5〜5であることが好ましく、より好ましくは1〜3である。
本発明のインク組成物は、少なくとも1種の染料及び少なくとも1種の顔料を含有すればよく、2種以上の染料及び2種以上の顔料を併用することもでき、特に限定されない。また、多種類の染料及び/又は顔料を使用した場合であっても、染料及び顔料の総量として、インク組成物に対して3.5〜30重量%の添加量とする。
(B)光酸発生剤
本発明のインク組成物は、(B)光酸発生剤を含有する。
本発明に用いることのできる好ましい光酸発生剤(以下、「カチオン重合開始剤」ともいう。)としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。本発明に好適なカチオン重合開始剤の例を以下に挙げる。
本発明に用いることのできる光酸発生剤は、活性放射線の照射により酸を発生する化合物であることが好ましい。
本発明に用いることができる光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている光(400〜200nmの紫外線、遠紫外線、特に好ましくは、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光)、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線又はイオンビームなどの照射により酸を発生する化合物を適宜選択して使用することができる。
このような光酸発生剤としては、活性放射線の照射により分解して酸を発生する、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩などのオニウム塩化合物、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネート等のスルホネート化合物などを挙げることができる。
これらの中でも、光酸発生剤としてオニウム塩を使用することが好ましい。
また、本発明に用いることができる活性放射線の照射により酸を発生する化合物(光酸発生剤)としては、例えば、S. I. Schlesinger, Photogr. Sci. Eng., 18, 387(1974)、T. S. Bal et al., Polymer,21, 423 (1980)等に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号、同Re 27,992号、特開平3−140140号等に記載のアンモニウム塩、D. C. Necker et al., Macromolecules, 17, 2468 (1984)、C. S. Wen et al., Tech, Proc. Conf. Rad. Curing ASIA, p478 Tokyo, Oct (1988)、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号等に記載のホスホニウム塩、J. V. Crivello et al., Macromolecules, 10(6), 1307 (1977)、Chem. & Eng. News, Nov. 28, p31 (1988)、欧州特許第104,143号、同第339,049号、同第410,201号、特開平2−150848号、特開平2−296514号等に記載のヨードニウム塩、
J. V. Crivello et al., Polymer J., 17, 73 (1985)、J. V. Crivello et al., J. Org. Chem., 43, 3055 (1978)、W. R. Watt et al., J. Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 22, 1789 (1984)、J. V. Crivello et al, Polymer Bull., 14, 279 (1985)、J. V. Crivello et al., Macromolecules, 14(5), 1141 (1981)、J. V. Crivello et al., J. Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 17, 2877 (1979)、欧州特許第370,693号、同161,811号、同410,201号、同339,049号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第3,902,114号、同4,933,377号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号、特開平7−28237号、同8−27102号等に記載のスルホニウム塩、
J. V. Crivello et al., Macromolecules, 10(6), 1307 (1977)、J. V. Crivello et al., J. Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 17, 1047 (1979)等に記載のセレノニウム塩、C. S. Wen et al., Tech, Proc. Conf. Rad. Curing ASIA, p478 Tokyo, Oct (1988)等に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩、米国特許第3,905,815号、特公昭46−4605号、特開昭48−36281号、特開昭55−32070号、特開昭60−239736号、特開昭61−169835号、特開昭61−169837号、特開昭62−58241号、特開昭62−212401号、特開昭63−70243号、特開昭63−298339号等に記載の有機ハロゲン化合物、K. Meier et al., J. Rad. Curing, 13(4), 26 (1986)、T. P. Gill et al., Inorg. Chem., 19, 3007 (1980)、D. Astruc, Acc. Chem. Res., 19(12), 377 (1986)、特開平2−161445号等に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、
S. Hayase et al., J. Polymer Sci., 25, 753 (1987)、E. Reichmanis et al., J. Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 23, 1 (1985)、Q. Q. Zhu et al., J. Photochem., 36, 85, 39, 317 (1987)、B. Amit et al., Tetrahedron Lett., (24), 2205 (1973)、D. H. R. Barton et al., J. Chem. Soc., 3571 (1965)、P. M. Collins et al., J. Chem. Soc., Perkin I, 1695 (1975)、M. Rudinstein et al., Tetrahedron Lett., (17), 1445 (1975)、J. W. Walker et al., J. Am. Chem. Soc., 110, 7170 (1988)、S. C. Busman et al., J. Imaging Technol., 11(4), 191 (1985)、H. M. Houlihan et al., Macormolecules, 21, 2001 (1988)、P. M. Collins et al., J. Chem. Soc., Chem. Commun., 532 (1972)、S. Hayase et al, Macromolecules, 18, 1799 (1985)、E. Reichmanis et al., J. Electrochem. Soc., Solid State Sci. Technol., 130(6)、F. M. Houlihan et al., Macromolcules, 21, 2001 (1988)、欧州特許第0,290,750号、同046,083号、同156,535号、同271,851号、同0,388,343号、米国特許第3,901,710号、同4,181,531号、特開昭60−198538号、特開昭53−133022号等に記載のO−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、
M. TUNOOKA et al., Polymer Preprints Japan, 35(8)、G. Berner et al., J. Rad. Curing, 13(4)、W. J. Mijs et al., Coating Technol., 55(697), 45(1983), Akzo、H. Adachi et al., Polymer Preprints, Japan, 37(3)、欧州特許第0,199,672号、同84515号、同044,115号、同第618,564号、同0,101,122号、米国特許第4,371,605号、同4,431,774号、特開昭64−18143号、特開平2−245756号、特開平3−140109号等に記載のイミノスルフォネート等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、特開昭61−166544号、特開平2−71270号等に記載のジスルホン化合物、特開平3−103854号、同3−103856号、同4−210960号等に記載のジアゾケトスルホン、ジアゾジスルホン化合物を挙げることができる。
また、これらの光により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、例えば、M. E. Woodhouse et al., J. Am. Chem. Soc., 104, 5586 (1982)、S. P. Pappas et al., J. Imaging Sci., 30(5), 218 (1986)、S. Kondo et al., Makromol. Chem., Rapid Commun., 9, 625 (1988)、Y. Yamada et al., Makromol. Chem., 152, 153, 163 (1972)、J. V. Crivello et al., J. Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 17, 3845 (1979)、米国特許第3,849,137号、独国特許第3,914,407号、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号等に記載の化合物を用いることができる。例えば、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等のオニウム塩、有機ハロゲン化合物、有機金属/有機ハロゲン化物、o−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、イミノスルフォネート等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、ジスルホン化合物、ジアゾケトスルホン、ジアゾジスルホン化合物を挙げることができる。
さらにV. N. R. Pillai, Synthesis, (1), 1 (1980)、A. Abad et al., Tetrahedron Lett., (47), 4555 (1971)、D. H. R. Barton et al., J. Chem. Soc., (C), 329 (1970)、米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
本発明に用いることができる好ましい光酸発生剤として、下記式(b1)、(b2)、又は、(b3)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2010209202
式(b1)において、R201、R202及びR203は、各々独立に有機基を表す。
-は、非求核性アニオンを表し、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、BF4 -、PF6 -、SbF6 -や以下に示す基などが好ましく挙げられる。また、炭素原子を有する有機アニオンであることが好ましい。
Figure 2010209202
好ましい有機アニオンとしては、下式に示す有機アニオンが挙げられる。
Figure 2010209202
Rc1は、有機基を表す。
Rc1における有機基として炭素数1−30のものが挙げられ、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はこれらの複数が、単結合、−O−、−CO2−、−S−、−SO3−、−SO2N(Rd1)−などの連結基で連結された基を挙げることができる。
Rd1は、水素原子、アルキル基を表す。
Rc3、Rc4、Rc5は、各々独立に、有機基を表す。
Rc3、Rc4、Rc5の有機基として、好ましくはRc1における好ましい有機基と同じものを挙げることができ、最も好ましくは炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基である。
Rc3とRc4が結合して環を形成していてもよい。
Rc3とRc4が結合して形成される基としてはアルキレン基、アリーレン基が挙げられる。好ましくは炭素数2〜4のパーフルオロアルキレン基である。
Rc1、Rc3〜Rc5の有機基として、最も好ましくは1位がフッ素原子又はフルオロアルキル基で置換されたアルキル基、フッ素原子又はフルオロアルキル基で置換されたフェニル基である。フッ素原子又はフルオロアルキル基を有することにより、光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上する。
201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、好ましくは1〜30、より好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
201、R202及びR203としての有機基の具体例としては、後述する化合物(b1−1)、(b1−2)、(b1−3)における対応する基を挙げることができる。
なお、式(b1)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、式(b1)で表される化合物のR201〜R203のうち少なくともひとつが、式(b1)で表される他の化合物におけるR201〜R203の少なくともひとつと直接、又は、連結基を介して結合した構造を有する化合物であってもよい。
さらに好ましい(b1)成分として、以下に説明する化合物(b1−1)、(b1−2)、及び(b1−3)を挙げることができる。
化合物(b1−1)は、上記式(b1)のR201〜R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニム化合物、すなわち、アリールスルホニウムをカチオンとする化合物である。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基、シクロアルキル基でもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物、ジアリールシクロアルキルスルホニウム化合物、アリールジシクロアルキルスルホニウム化合物等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基などのアリール基、インドール残基、ピロール残基などのヘテロアリール基が好ましく、さらに好ましくはフェニル基、インドール残基である。アリールスルホニム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基としては、炭素数1〜15の直鎖又は分岐状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているシクロアルキル基としては、炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては、炭素数1〜12の直鎖又は分岐状アルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、最も好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうち、いずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
次に、化合物(b1−2)について説明する。
化合物(b1−2)は、式(b1)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を含有しない有機基を表す場合の化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、ビニル基であり、より好ましくは直鎖、分岐、環状2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、特に好ましくは直鎖、分岐2−オキソアルキル基である。
201〜R203としてのアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができ、直鎖、分岐2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基がより好ましい。
201〜R203としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができ、環状2−オキソアルキル基がより好ましい。
201〜R203の直鎖、分岐、環状2−オキソアルキル基としては、好ましくは、上記のアルキル基、シクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
201〜R203としてのアルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)を挙げることができる。
201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によってさらに置換されていてもよい。
化合物(b1−3)とは、以下の式(b1−3)で表される化合物であり、フェナシルスルホニウム塩構造を有する化合物である。
Figure 2010209202
式(b1−3)において、R1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表す。
6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
x及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、又はビニル基を表す。
1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成してもよい。
Zc-は、非求核性アニオンを表し、式(b1)におけるX-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
1c〜R7cとしてのアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、好ましくは炭素数1〜20個、より好ましくは炭素数1〜12個の直鎖及び分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、直鎖又は分岐プロピル基、直鎖又は分岐ブチル基、直鎖又は分岐ペンチル基)を挙げることができる。
1c〜R7cのシクロアルキル基として、好ましくは、炭素数3〜8個のシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げることができる。
1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRxとRyが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。
好ましくはR1c〜R5cのうちいずれかが直鎖状若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基又は直鎖、分岐、環状アルコキシ基であり、さらに好ましくはR1cからR5cの炭素数の和が2〜15である。これにより、溶剤溶解性がより向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制されるので好ましい。
x及びRyとしてのアルキル基、シクロアルキル基は、R1c〜R7cとしてのアルキル基、シクロアルキル基と同様のものを挙げることができる。
x及びRyは、2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基であることが好ましい。
2−オキソアルキル基は、R1c〜R5cとしてのアルキル基、シクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cとしてのアルコキシ基と同様のものを挙げることができる。
x、Ryは、好ましくは炭素数4個以上のアルキル基、シクロアルキル基であり、より好ましくは6個以上、さらに好ましくは8個以上のアルキル基、シクロアルキル基である。
式(b2)、(b3)中、R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。X-は、非求核性アニオンを表し、式(b1)におけるX-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
204〜R207のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
204〜R207としてのアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができる。R204〜R207としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
204〜R207が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
また、R204とR205、R206とR207が結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R204とR205、R206とR207が結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
なお、式(b2)又は(b3)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、式(b2)で表される化合物のR204又はR205が、式(b2)で表される他の化合物におけるR204又はR205と直接、又は、連結基を介して結合した構造を有する化合物であってもよい。
光酸発生剤として、さらに、下記式(b4)、(b5)、(b6)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2010209202
式(b4)〜(b6)中、Ar3及びAr4は、各々独立に、アリール基を表す。
206、R207及びR208は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はシアノ基を表す。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
Ar3及びAr4、R206〜R208並びにAは置換基を有していてもよく、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
なお、式(b4)〜(b6)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、式(b6)で表される化合物のR206〜R208のうち少なくともひとつが、式(b6)で表される他の化合物におけるR206〜R208の少なくともひとつと直接、又は、連結基を介して結合した構造を有する化合物であってもよい。
前記光酸発生剤の中でも好ましいものとしては、式(b1)〜(b3)で表される化合物を挙げることができる。
本発明に用いることのできる光酸発生剤の好ましい化合物例〔(b−1)〜(b−96)〕を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2010209202
Figure 2010209202
Figure 2010209202
Figure 2010209202
Figure 2010209202
Figure 2010209202
Figure 2010209202
Figure 2010209202
Figure 2010209202
Figure 2010209202
また、特開2002−122994号公報の段落0029〜0030に記載のオキサゾール誘導体、s−トリアジン誘導体なども好適に用いられる。
特開2002−122994号公報の段落0037〜0063に例示されるオニウム塩化合物、スルホネート系化合物も本発明に好適に使用することができる。
光酸発生剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
インク組成物中の光酸発生剤の含有量は、インク組成物の0.1〜20重量%が好ましく、0.5〜10重量%がより好ましい。上記範囲であると、インク組成物を十分硬化させることができ、また、硬化度の均一性に優れる。
また、本発明において、インク組成物に後述する増感剤を用いる場合、重合開始剤の総使用量は、増感剤に対して、重合開始剤:増感剤の重量比で、200:1〜1:200であることが好ましく、50:1〜1:50であることがより好ましく、20:1〜1:5であることがさらに好ましい。
(C)カチオン重合性化合物
本発明のインク組成物は、(C)カチオン重合性化合物を含有する。
また、本発明のインク組成物中における前記カチオン重合性化合物は、オキシラン化合物及び/又はオキセタン化合物のみからなることが好ましい。
また、本発明のインク組成物中における前記オキシラン化合物及び/又はオキセタン化合物は、25℃における粘度が12mPa・s以下である低粘度化合物を含むことが好ましい。すなわち、本発明のインク組成物は、25℃における粘度が12mPa・s以下である低粘度化合物を含むことが好ましい。なお、前記低粘度化合物は、25℃における粘度が12mPa・s以下であるオキシラン化合物及び/又は25℃における粘度が12mPa・s以下であるオキセタン化合物であることはいうまでもない。
さらに、本発明のインク組成物中における前記低粘度化合物の総含有量は、前記カチオン重合性化合物の全重量に対し、65〜100重量%であることが好ましい。なお、本発明のインク組成物中における前記カチオン重合性化合物は、オキシラン化合物及び/又はオキセタン化合物のみからなることが好ましいので、前記低粘度化合物の総含有量は、前記オキシラン化合物及びオキセタン化合物の全重量に対し、65〜100重量%であることが好ましいと言い換えることもできる。
本発明に用いることができるカチオン重合性化合物としては、オキセタン環(「エポキシ環」ともいう。)を有する化合物(「オキシラン化合物」又は「エポキシ化合物」ともいう。)及びオキセタン環を有する化合物(「オキセタン化合物」ともいう。)であれば、特に制限はなく用いることができる。
前記カチオン重合性化合物としては、例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892号、同2001−40068号、同2001−55507号、同2001−310938号、同2001−310937号、同2001−220526号などの各公報に記載されているエポキシ化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
エポキシ化合物としては、芳香族エポキシド、脂環式エポキシド、脂肪族エポキシドなどが挙げられ、芳香族エポキシドとしては、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジ又はポリグリシジルエーテルが挙げられ、例えば、ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセン環又はシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましく挙げられる。
脂肪族エポキシドとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル又は1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテルに代表されるポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
本発明に用いることのできる単官能及び多官能のエポキシ化合物を詳しく例示する。
単官能エポキシ化合物の例としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルシクロヘキセンオキサイド等が挙げられる。
また、多官能エポキシ化合物の例としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、1,13−テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン等が挙げられる。
これらのエポキシ化合物の中でも、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが、硬化速度に優れるという観点から好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。
本発明に使用できるオキセタン化合物は、少なくとも1つのオキセタン環を有する化合物を指し、特開2001−220526号、同2001−310937号、同2003−341217号の各公報に記載されているような公知のオキセタン化合物を任意に選択して使用できる。
本発明のインク組成物に用いることができるオキセタン環を有する化合物としては、その構造内にオキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましい。このような化合物を使用することで、インク組成物の粘度をハンドリング性の良好な範囲に維持することが容易となり、また、硬化後のインク組成物の被記録媒体との高い密着性を得ることができる。
分子内に1〜2個のオキセタン環を有する化合物としては、下記式(1)〜(3)で示される化合物等が挙げられる。
Figure 2010209202
a1は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基又はチエニル基を表す。分子内に2つのRa1が存在する場合、それらは同じであっても異なるものであってもよい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、フルオロアルキル基としては、これらアルキル基の水素のいずれかがフッ素原子で置換されたものが好ましく挙げられる。
a2は、水素原子、炭素数1〜6個のアルキル基、炭素数2〜6個のアルケニル基、芳香環を有する基、炭素数2〜6個のアルキルカルボニル基、炭素数2〜6個のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜6個のN−アルキルカルバモイル基を表す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、アルケニル基としては、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等が挙げられ、芳香環を有する基としては、フェニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基、フェノキシエチル基等が挙げられる。アルキルカルボニル基としては、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基等が、アルキコキシカルボニル基としては、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等が、N−アルキルカルバモイル基としては、エチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、ペンチルカルバモイル基等が挙げられる。また、Ra2は置換基を有していてもよく、置換基としては、1〜6のアルキル基、フッ素原子が挙げられる。
a3は、線状又は分枝状アルキレン基、線状又は分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基、線状又は分枝状不飽和炭化水素基、カルボニル基又はカルボニル基を含むアルキレン基、カルボキシル基を含むアルキレン基、カルバモイル基を含むアルキレン基、又は、以下に示す基を表す。アルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が挙げられ、ポリ(アルキレンオキシ)基としては、ポリ(エチレンオキシ)基、ポリ(プロピレンオキシ)基等が挙げられる。不飽和炭化水素基としては、プロペニレン基、メチルプロペニレン基、ブテニレン基等が挙げられる。
Figure 2010209202
a3が上記多価基である場合、Ra4は、水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルキルカルボキシル基、カルボキシル基、又はカルバモイル基を表す。
a5は、酸素原子、硫黄原子、メチレン基、NH、SO、SO2、C(CF32、又は、C(CH32を表す。
a6は、炭素数1〜4個のアルキル基、又は、アリール基を表し、nは0〜2,000の整数である。Ra7は炭素数1〜4個のアルキル基、アリール基、又は、下記構造を有する1価の基を表す。下記式中、Ra8は炭素数1〜4個のアルキル基、又はアリール基であり、mは0〜100の整数である。
Figure 2010209202
式(1)で表される化合物として、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(OXT−101:東亞合成(株)製)、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(OXT−212:東亞合成(株)製)、3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン(OXT−211:東亞合成(株)製)が挙げられる。式(2)で表される化合物としては、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン(OXT−121:東亞合成(株)製)が挙げられる。また、式(3)で表される化合物としては、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル(OXT−221:東亞合成(株)製)が挙げられる。
分子内に3〜4個のオキセタン環を有する化合物としては、下記式(4)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2010209202
式(4)において、Ra1は、前記式(1)におけるのと同義である。また、多価連結基であるRa9としては、例えば、下記A〜Cで示される基等の炭素数1〜12の分枝状アルキレン基、下記Dで示される基等の分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基又は下記Eで示される基等の分枝状ポリシロキシ基等が挙げられる。jは、3又は4である。
Figure 2010209202
上記Aにおいて、Ra10はメチル基、エチル基又はプロピル基を表す。また、上記Dにおいて、pは1〜10の整数である。
また、本発明に好適に用いることのできるオキセタン化合物の別の態様として、側鎖にオキセタン環を有する下記式(5)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2010209202
式(5)において、Ra1及びRa8は前記式におけるのと同義である。Ra11はメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基又はトリアルキルシリル基であり、rは1〜4である。
このようなオキセタン環を有する化合物については、前記特開2003−341217号公報の段落0021〜0084に詳細に記載され、ここに記載の化合物は本発明にも好適に用いることができる。
特開2004−91556号公報に記載されたオキセタン化合物も本発明に使用することができる。特開2004−91556号公報の段落0022〜0058に詳細に記載されている。
本発明で使用するオキセタン化合物の中でも、インク組成物の粘度と粘着性の観点から、オキセタン環を1個有する化合物を使用することが好ましい。
<低粘度化合物>
本発明における低粘度化合物は、25℃における粘度が12mPa・s以下であるオキシラン化合物及び/又は25℃における粘度が12mPa・s以下であるオキセタン化合物である。
カチオン重合性化合物やインク組成物の25℃における粘度の測定方法としては、特に制限はないが、JIS Z8803に準拠した測定方法であることが好ましい。
また、粘度の測定装置としては、回転粘度計を使用することが好ましく、B形又はE形の回転粘度計を使用することが好ましい。
カチオン重合性化合物、及び、インク組成物の25℃における粘度の測定方法として具体的には、例えば、RE80型粘度計(東機産業(株)製)を用いて、液温25℃にてローターを2分間回転させて安定させた後に測定することが好ましい。
また、本発明のインク組成物中における前記低粘度化合物の60〜100重量%は多官能性モノマーであることが好ましく、前記低粘度化合物の65〜95重量%は多官能性モノマーであることがより好ましく、前記低粘度化合物の70〜80重量%は多官能性モノマーであることがさらに好ましい。上記範囲であると、硬化性に特に優れ、さらに柔軟性にも富んだインク組成物を得ることができる。
また、本発明のインク組成物中における前記低粘度化合物は、炭素原子、水素原子及びエーテル性の酸素原子のみから構成される化合物であることが好ましく、本発明のインク組成物中における全てのオキシラン化合物及びオキセタン化合物が、炭素原子、水素原子及びエーテル性の酸素原子のみから構成される化合物であることがより好ましい。上記態様であると、保存安定性に特に優れる。
前記低粘度化合物の具体例としては、下記に示す(LM−1)〜(LM−16)が例示できる。また、下記具体例の右側に記載した粘度は、25℃における粘度(mPa・s)である。なお、本発明においては、化学構造式の一部において、炭化水素鎖を炭素(C)及び水素(H)の記号を省略した簡略構造式する場合もある。
Figure 2010209202
Figure 2010209202
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これらの中でも、(LM−1)〜(LM−13)を用いることが好ましい。
前記低粘度化合物の分子量としては、98〜300であることが好ましく、124〜294であることがより好ましい。
また、前記低粘度化合物は、芳香環を有しない脂肪族化合物であることが好ましい。
<高粘度化合物>
前記カチオン重合性化合物としては、25℃における粘度が12mPa・sを越えるオキシラン化合物及び/又は25℃における粘度が12mPa・sを越えるオキセタン化合物(併せて、「高粘度化合物」ともいう。)を用いてもよい。
オキシラン化合物やオキセタン化合物が、例えば、芳香環を有していたり、ヒドロキシ基やアミノ基等の極性基を有していたりした場合、25℃における粘度が12mPa・sを越える化合物である場合が多い。
前記高粘度化合物の具体例としては、下記に示す(HM−1)〜(HM−17)が例示できる。また、下記具体例の右側に記載した粘度は、25℃における粘度(mPa・s)である。
Figure 2010209202
Figure 2010209202
前記カチオン重合性化合物は、オキシラン化合物及びオキセタン化合物を含有していることが好ましく、多官能オキシラン化合物及び多官能オキセタン化合物を含有していることがより好ましく、単官能オキセタン化合物、多官能オキシラン化合物及び多官能オキセタン化合物を含有していることがさらに好ましく、単官能オキセタン化合物、多官能オキシラン化合物及び多官能オキセタン化合物のみからなることが特に好ましい。
インク組成物中のカチオン重合性化合物の含有量は、インク組成物の全固形分に対し、10〜95重量%が好ましく、30〜90重量%がより好ましく、50〜85重量%がさらに好ましい。
(D)アミン化合物
本発明のインク組成物は、(D)アミン化合物を含有することが好ましい。
本発明に用いることのできるアミン化合物としては、従来公知のアミン化合物であれば特に制限なく使用することができる。
また、アミン化合物は、分子内に1個のアミン部位を有する化合物であっても、分子内に2個以上のアミン部位を有する化合物であってもよく、また、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基等の置換基を有していてもよい。
本発明に用いることのできるアミン化合物は、安全性の観点から、標準大気圧において沸点が120℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましく、180℃以上であることがさらに好ましい。
アミン化合物の分子量は、100〜1,000の範囲であることが好ましく、150〜800の範囲であることがより好ましく、200〜600の範囲であることがさらに好ましい。
また、本発明に用いることのできるアミン化合物は、一級、二級及び三級のアミン化合物のいずれでもよいが、重合性化合物との副反応や変色反応の抑制の観点から、三級のアミン化合物を使用することが好ましい。また、脂肪族アミン化合物であっても芳香族アミン化合物であってもよいが、酸の捕捉能の観点から、脂肪族アミン化合物であることが好ましい。
したがって、本発明において好適に使用できるアミン化合物は、標準大気圧下で180℃以上の沸点を有し、分子量が200〜600の範囲にある脂肪族の三級アミン化合物である。
本発明に用いることができるアミン化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、3−(ジ−n−ブチルアミノ)プロピルアミン、3−アミノ−1−フェニルブタン、N−t−ブチルピロリジン、2,6−ジメチルピペリジン、デカヒドロキノリン、デカヒドロイソキノリン、トロピン、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドン、1−(2−ピリジル)ピペラジン、N,N’−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、4−ピロリジノピリジン、クミルアミン、3−ブトキシプロピルアミン、3−メチルチオプロピルアミン、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、N,N−ジ−n−プロピルアニリン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン、N−(3−アミノプロピル)モルホリン、N−ベンジル−2−メチル−1,3−プロパンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリフェニル−1,3,5−トリアジン、1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノナン、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン、トリス(3−アミノプロピル)アミン、N,N−ジメチルアニリン、1−エチルピロール、2,5−ジメチルピロール、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、2,6−ジクロロピリジン、2,6−ジアミノピリジン、2,6−ジメチル−4−ヒドロキシピリジン、2,6−ピリジンジカルボン酸ジエチル、2,4,6−トリメチルピリジン、4−ビニルピリジン、3−アセチルピリジン、2−ベンゾイルピリジン、ニコチン酸メチル、2,2’−ビピリジル、2,2’:6’,2’’−ターピリジン、キノリン、イソキノリン、8−キノリノール、アクリジン、5−アミノインドール、カルバゾール、フェナントリジン、9(10H)−アクリドン、1,6−ナフチリジン、1,8−ナフチリジン、1,10−フェナントロリン、キナクリドン、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン等が例示できる。
Figure 2010209202
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本発明に用いることができるアミン化合物としては、ヒンダードアミン化合物が特に好ましく例示でき、分子内に求核部位を持たないヒンダードアミン化合物が最も好ましく例示できる。
分子内に求核部位を持たないヒンダードアミン化合物(以下、「特定構造を有するヒンダードアミン化合物」ともいう。)は、立体障害の大きい塩基性窒素原子を除き、他の求核性部位を持たないことを特徴とする。ここで他の求核性部位とは、エステル基、エーテル基、水酸基、アミノ基、チオール基、チオカルボニル基、チオエステル基等の非共有電子対による求核性をもつ官能基を意味する。これら求核性部位は、カチオン重合反応時の生長カチオン末端と反応し、生長反応を阻害すると考えられ、感度低下を引き起こし易い。特定構造を有するヒンダードアミン化合物を使用することで、カチオン重合の生長反応を阻害することなく、暗反応により微量に発生する酸をトラップすることができるため、高感度を維持しながら、安定性を改善することができる。
市販されている光安定剤のHALS(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)やサノール(三共(株)製)は、分子内に求核性部位であるエステル構造を持つため、本発明における特定構造を有するヒンダードアミン化合物には含まれない。
特定構造を有するヒンダードアミン化合物は、カチオン重合反応時の生長カチオン末端との反応による生長反応の阻害を抑制するために、塩基性窒素原子の周りに立体的に嵩高い置換基を有する。この立体的に嵩高い置換基による立体反発により、塩基性窒素原子と生長カチオン末端との反応が抑制され、高感度を維持しながら、安定性を改善することができる。
本発明における特定構造を有するヒンダードアミン化合物は、暗反応よって発生する微量の酸をトラップするため、安定性を改善することができる。また、通常露光により硬化する際には、塩基性窒素原子の周りの立体的に嵩高い置換基による立体反発により、塩基性窒素原子と生長カチオン末端との反応を抑制し、カチオン重合反応の進行を阻害することがなく、高感度を維持することができると考えられる。
特定構造を有するヒンダードアミン化合物は、分子内に塩基性窒素原子以外の求核部位を持たないものであり、好ましくは炭素原子、水素原子及び窒素原子のみからなる化合物である。該特定構造を有するヒンダードアミン化合物は、下記式I〜VIIのいずれかにより表される化合物であることがより好ましい。
Figure 2010209202
1は、炭素数3から8の分岐アルキル基、炭素数3から10の環状アルキル基、又は炭素数7から20のアラルキル基を表し、R2は炭素数1から4の直鎖アルキル基、炭素数3から6の分岐アルキル基、又は炭素数6から12のアリール基を表す。R3は、水素原子、炭素数1から20の直鎖アルキル基、炭素数3から6の分岐アルキル基、炭素数3から10の環状アルキル基、炭素数6から12のアリール基、炭素数7から20のアラルキル基、又は炭素数2から20のアルケニル基を表す。ここで1分子中に複数存在するR1及びR2は、同じでも互いに異なっていてもよく、それぞれが互いに結合して環構造を形成してもよい。Zは炭化水素からなる二価の有機基を表す。n及びmは1から3の整数を表す。
1で表される炭素数3から8の分岐アルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、tertブチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、ネオペンチル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、1−エチル−2−メチル−プロピル基、1−メチル−1−エチルプロピル基、1−メチル−2−エチルプロピル基、2−メチル−1−エチルプロピル基又は2−メチル−2−エチルプロピル基などが挙げられ、イソプロピル基、イソブチル基、tertブチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、ネオペンチル基がより好ましい。
1で表される炭素数3から10の環状アルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、などが挙げられ、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、がより好ましい。
1で表される炭素数7から20のアラルキル基としては、ベンジル基、α−メチルベンジル基、α−エチルベンジル基、フェネチル基、α−メチルフェネチル基、β−メチルフェネチル基、α,α−ジメチルベンジル基、α,α−ジメチルフェネチル基、4−メチルフェネチル基、4−メチルベンジル基、3−メチルベンジル基、2−メチルベンジル基、4−エチルベンジル基、2−エチルベンジル基、4−イソプロピルベンジル基、4−tert−ブチルベンジル基、2−tert−ブチルベンジル基、4−tert−ペンチルベンジル基、4−シクロヘキシルベンジル基、4−n−オクチルベンジル基、4−tert−オクチルベンジル基、4−アリルベンジル基、4−ベンジルベンジル基、4−フェネチルベンジル基、4−フェニルベンジル基、4−(4’−メチルフェニル)ベンジル基、2−フルフリル基、ジフェニルメチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基などの置換又は未置換のアラルキル基、等が挙げられ、ベンジル基、α−メチルベンジル基、α−エチルベンジル基、フェネチル基、α−メチルフェネチル基、がより好ましい。
2で表される炭素数1から4の直鎖アルキル基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、プロピル基が挙げられる。
2で表される炭素数3から6の分岐アルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、tertブチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、ネオペンチル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、1−エチル−2−メチル−プロピル基、1−メチル−1−エチルプロピル基、1−メチル−2−エチルプロピル基、2−メチル−1−エチルプロピル基又は2−メチル−2−エチルプロピル基などが挙げられ、イソプロピル基、イソブチル基、tertブチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、ネオペンチル基がより好ましい。
2で表される炭素数6から12のアリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、4−エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
3で表される炭素数1から20の直鎖アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、等が挙げられ、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基がより好ましい。
3で表される炭素数2から20の直鎖アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチルアリル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−メチルアリル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−ヘキセニル基等が挙げられ、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、がより好ましい。
3で表される炭素数3から6の分岐アルキル基、炭素数3から10の環状アルキル基、炭素数6から12のアリール基、及び炭素数7から20のアラルキル基は、それぞれR1又はR2で表されるものとして上述した置換基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
炭化水素からなる二価の有機基としては、炭素数1から30の二価の有機基を示す。この場合の二価の有機基には、脂肪族基及び芳香族基が包含される。また、脂肪族基には、鎖状又は環状の飽和若しくは不飽和の二価脂肪族炭化水素基が包含され、その炭素数は1〜30、好ましくは2〜22である。不飽和脂肪族基には、二重結合や三重結合を持ったものが包含される。二価の芳香族基には、1つのベンゼン環を有する単環芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン等)から誘導される二価炭化水素基及び2つ以上、通常2〜4個のベンゼン環を有する多環芳香族炭化水素(ナフタレン、ビフェニル、ターフェニル等)から誘導される二価炭化水素基が包含される。
上述した各基は、置換基を導入可能な場合には、炭化水素からなる置換基を有してもよい。
(E)分散剤
本発明のインク組成物は、顔料をインク組成物中に安定に分散させるため、(E)分散剤を含有することが好ましい。
本発明に用いることができる分散剤としては、高分子分散剤が好ましい。なお、本発明における「高分子分散剤」とは、重量平均分子量が1,000以上の分散剤を意味する。
高分子分散剤としては、DisperBYK−101、DisperBYK−102、DisperBYK−103、DisperBYK−106、DisperBYK−111、DisperBYK−161、DisperBYK−162、DisperBYK−163、DisperBYK−164、DisperBYK−166、DisperBYK−167、DisperBYK−168、DisperBYK−170、DisperBYK−171、DisperBYK−174、DisperBYK−182(BYKケミー社製)、EFKA4010、EFKA4046、EFKA4080、EFKA5010、EFKA5207、EFKA5244、EFKA6745、EFKA6750、EFKA7414、EFKA745、EFKA7462、EFKA7500、EFKA7570、EFKA7575、EFKA7580(エフカアディティブズ社製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(サンノプコ(株)製)等の高分子分散剤;ソルスパース(Solsperse)3000,5000,9000,12000,13240,13940,17000,22000,24000,26000,28000,32000,36000,39000,41000,71000などの各種ソルスパース分散剤(アビシア社製);アデカプルロニックL31,F38,L42,L44,L61,L64,F68,L72,P95,F77,P84,F87、P94,L101,P103,F108、L121、P−123(旭電化(株)製)及びイソネットS−20(三洋化成工業(株)製)、楠本化成(株)製「ディスパロン KS−860,873SN,874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)」が挙げられる。
インク組成物中における分散剤の含有量は、使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の重量に対し、それぞれ0.05〜15重量%であることが好ましい。
本発明において、顔料に対する分散剤の重量比は、インク組成物中における顔料の重量をAと、インク組成物中における分散剤の重量Eとした場合、その重量比(E/A)が、0.01≦E/A≦5であることが好ましく、0.05≦E/A≦2.5であることがより好ましく、0.1≦E/A≦1であることがさらに好ましい。上記範囲であると、経時保存後の顔料の凝集・沈降、インク組成物の粘度上昇が生じず、インク組成物が経時保存安定性に優れ、また、インク組成物の粘度が低粘度であり、インク組成物が吐出安定性に優れる。
(F)その他の成分
本発明のインク組成物には、必要に応じて、前記成分以外の(F)その他の成分を添加することができる。
その他の成分としては、例えば、増感剤、強増感剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、導電性塩類、溶剤、高分子化合物、塩基性化合物等が挙げられる。
<増感剤>
本発明において、特定の活性エネルギー線を吸収して、前記光酸発生剤の分解を促進させるためにインク組成物に増感剤を添加してもよい。
増感剤は、特定の活性エネルギー線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、光酸発生剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じる。これにより光酸発生剤は化学変化を起こして分解し、酸又はカチオンを生成する。
好ましい増感剤の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、アントラセン、9,10−ジアルコキシアントラセン、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、チオキサントン類(例えば、イソプロピルチオキサントン)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)。
以下に本発明に好ましく使用できる増感剤を示す。
Figure 2010209202
また、好ましい増感剤の例としては、下記式(IX)〜(XIII)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2010209202
式(IX)中、A1は硫黄原子又はNR50を表し、R50はアルキル基又はアリール基を表し、L2は隣接するA1及び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R51、R52はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表し、R51、R52は互いに結合して、色素の酸性核を形成してもよい。Wは酸素原子又は硫黄原子を表す。
Figure 2010209202
式(X)中、Ar1及びAr2はそれぞれ独立にアリール基を表し、−L3−による結合を介して連結している。ここでL3は−O−又は−S−を表す。また、Wは式(IX)に示したものと同義である。
Figure 2010209202
式(XI)中、A2は硫黄原子又はNR59を表し、L4は隣接するA2及び炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R53、R54、R55、R56、R57及びR58はそれぞれ独立に一価の非金属原子団の基を表し、R59はアルキル基又はアリール基を表す。
Figure 2010209202
式(XII)中、A3、A4はそれぞれ独立に−S−、−NR62−又は−NR63−を表し、R62、R63はそれぞれ独立に置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基を表し、L5、L6はそれぞれ独立に、隣接するA3、A4及び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R60、R61はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団であるか又は互いに結合して脂肪族性又は芳香族性の環を形成することができる。
Figure 2010209202
式(XIII)中、R66は置換基を有してもよい芳香族環又はヘテロ環を表し、A5は酸素原子、硫黄原子又は=NR67を表す。R64、R65及びR67はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表し、R67とR64、及びR65とR67はそれぞれ互いに脂肪族性又は芳香族性の環を形成するため結合することができる。
式(IX)〜(XIII)で表される化合物の好ましい具体例としては、以下に示す(E−1)〜(E−20)が挙げられる。
Figure 2010209202
Figure 2010209202
本発明において、インク組成物中における増感剤の含有量は使用目的により適宜選択されるが、一般的には、インク組成物全体の重量に対し、0.05〜4重量%であることが好ましい。
<強増感剤>
本発明のインク組成物は、強増感剤(「共増感剤」、又は、「強色増感剤」という場合もある。)を含有することも好ましい。本発明において強増感剤は、増感剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、又は、酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
この様な強増感剤の例としては、アミン類、例えばM. R. Sanderら著,Journal of Polymer Society,第10巻,3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられる。
具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
強増感剤の別の例としては、チオール及びスルフィド類、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報記載のチオール化合物、特開昭56−75643号公報記載のジスルフィド化合物等が挙げられる。
具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
また別の例としては、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)、特開平6−250387号公報記載のリン化合物(ジエチルホスファイト等)、特開平8−54735号公報記載のSi−H、Ge−H化合物等が挙げられる。
本発明のインク組成物中における強増感剤の含有量は、使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の重量に対し、0.05〜4重量%であることが好ましい。
<界面活性剤>
本発明のインク組成物には、長時間安定した吐出性を付与するため、界面活性剤を添加することが好ましい。
界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。なお、前記界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。前記有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。前記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
界面活性剤としては、ポリジアルキルシロキサン類であることが好ましく、ポリエトキシ変性ポリジメチルシロキサンであることがより好ましい。
インク組成物中における界面活性剤の含有量は使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の重量に対し、それぞれ0.0001〜1重量%であることが好ましい。
<紫外線吸収剤>
本発明においては、得られる画像の耐候性向上、退色防止の観点から、紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤などが挙げられる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、固形分換算で0.5〜15重量%であることが好ましい。
<酸化防止剤>
インク組成物の安定性向上のため、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開特許第223739号公報、同309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、米国特許第4814262号明細書、米国特許第4980275号明細書等に記載のものを挙げることができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、固形分換算で0.1〜8重量%であることが好ましい。
<褪色防止剤>
本発明のインク組成物には、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などが挙げられる。前記金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体などが挙げられ、具体的には、リサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのI〜J項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や、特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、固形分換算で0.1〜8重量%であることが好ましい。
<導電性塩類>
本発明のインク組成物には、吐出物性の制御を目的として、チオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などの導電性塩類を添加することができる。
<溶剤>
本発明のインク組成物には、被記録媒体との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤などが挙げられる。
この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量はインク組成物全体に対し0.1〜5重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3重量%の範囲である。
<高分子化合物>
本発明のインク組成物には、膜物性を調整するため、各種高分子化合物を添加することができる。高分子化合物としては、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは2種以上併用してもかまわない。これらのうち、アクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合が好ましい。さらに、高分子化合物の共重合組成として、「カルボキシル基含有モノマー」、「メタクリル酸アルキルエステル」、又は「アクリル酸アルキルエステル」を構造単位として含む共重合体も好ましく用いられる。
<塩基性化合物>
塩基性化合物は、インク組成物の保存安定性を向上させる観点から添加することが好ましい。本発明に用いることができる塩基性化合物としては、公知の塩基性化合物を用いることができ、例えば、無機塩等の塩基性無機化合物や、アミン類等の塩基性有機化合物を好ましく用いることができる。
この他にも、必要に応じて、例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのワックス類、ポリオレフィンやPET等の被記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤー(粘着付与剤)などを含有させることができる。
タッキファイヤーとしては、具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環族アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香族アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などが例示できる。
(インク物性)
本発明においては、吐出性を考慮し、インク組成物の25℃における粘度が40mPa・s以下であることが好ましく、5〜40mPa・sであることがより好ましく、7〜35mPa・sであることがさらに好ましい。
また、吐出温度(好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃)における粘度が、3〜15mPa・sであることが好ましく、3〜13mPa・sであることがより好ましい。本発明のインク組成物は、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク組成物の浸透を回避し、未硬化モノマーの低減が可能となる。さらにインク組成物の液滴着弾時におけるインクの滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善されるので好ましい。
本発明のインク組成物の25℃における表面張力は、20〜35mN/mであることが好ましく、23〜33mN/mであることがより好ましい。ポリオレフィン、PET、コート紙、非コート紙など様々な被記録媒体へ記録する場合、滲み及び浸透の観点から、20mN/m以上が好ましく、濡れ性の点では、35mN/m以下が好ましい。
2.インクジェット記録方法、インクジェット記録装置及び印刷物
本発明のインク組成物は、インクジェット記録用として好適に使用される。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインク組成物をインクジェット記録用として被記録媒体(支持体、記録材料等)上に吐出し、被記録媒体上に吐出されたインク組成物に活性放射線を照射し、インクを硬化して画像を形成する方法である。
より具体的には、本発明のインクジェット記録方法は、(a1)被記録媒体上に、本発明のインク組成物を吐出する工程、及び、(b1)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化する工程、を含むことを特徴とする。
本発明のインクジェット記録方法は、上記(a1)及び(b1)工程を含むことにより、被記録媒体上において硬化したインク組成物により画像が形成される。
また、本発明の印刷物は、本発明のインク組成物を使用して得られた印刷物であり、本発明のインクジェット記録方法によって記録された印刷物であることが好ましい。
前記吐出は、圧電素子の変形によりインク組成物を吐出するインクジェットヘッドを用いて行われることが好ましい。
また、前記吐出は、1〜10plの液滴量、かつ1,200×1,200〜4,800×4,800dpiで行われることが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法における(a1)工程には、以下に詳述するインクジェット記録装置が用いることができる。
(インクジェット記録装置)
本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、目的とする解像度を達成し得る公知のインクジェット記録装置を任意に選択して使用することができる。すなわち、市販品を含む公知のインクジェット記録装置であれば、いずれも、本発明のインクジェット記録方法の(a1)工程における被記録媒体へのインクの吐出を実施することができる。
本発明で用いることのできるインクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、活性放射線源を含む装置が挙げられる。
インク供給系は、例えば、本発明のインク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1〜100pl、より好ましくは1〜10plのマルチサイズドットを、好ましくは300×300〜4,800×4,800dpi、より好ましくは1,200×1,200〜4,800×4,800dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
また、本発明のインクジェット記録方法においては、インクジェットヘッドとして、圧電素子の変形によりインク組成物を吐出するインクジェットヘッド、いわゆる、ピエゾ型のインクジェットヘッドを使用することが好ましい。
上述したように、本発明のインク組成物のように放射線硬化型インク組成物は、吐出されるインク組成物を一定温度にすることが望ましいことから、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までは、断熱及び加温を行うことができる。温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク組成物の流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近に設けることができる。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断若しくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、又は、熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うと共に、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
上記のインクジェット記録装置を用いて、本発明のインク組成物の吐出は、インク組成物を、好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃に加熱して、インク組成物の粘度を、好ましくは3〜15mPa・s、より好ましくは3〜13mPa・sに下げた後に行うことが好ましい。特に、本発明のインク組成物として、25℃におけるインク粘度が50mPa・s以下であるものを用いると、良好に吐出が行えるので好ましい。この方法を用いることにより、高い吐出安定性を実現することができる。
本発明のインク組成物のような放射線硬化型インク組成物は、概して通常インクジェット記録用インクで使用される水性インクより粘度が高いため、吐出時の温度変動による粘度変動が大きい。インクの粘度変動は、液滴サイズの変化及び液滴吐出速度の変化に対して大きな影響を与え、ひいては画質劣化を引き起こす。したがって、吐出時のインクの温度はできるだけ一定に保つことが必要である。よって、本発明において、インクの温度の制御幅は、好ましくは設定温度の±5℃、より好ましくは設定温度の±2℃、さらに好ましくは設定温度±1℃とすることが適当である。
次に、(b1)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化する工程について説明する。
被記録媒体上に吐出されたインク組成物は、活性放射線を照射することによって硬化する。これは、本発明のインク組成物に含まれる重合開始剤が活性放射線の照射により分解して、ラジカル、酸、塩基などの開始種を発生し、その開始種の機能にラジカル重合性化合物の重合反応が、生起、促進されるためである。このとき、インク組成物において重合開始剤と共に増感剤が存在すると、系中の増感剤が活性放射線を吸収して励起状態となり、重合開始剤と接触することによって重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
ここで、使用される活性放射線は、α線、γ線、電子線、X線、紫外線、可視光又は赤外光などが使用され得る。活性放射線のピーク波長は、増感剤の吸収特性にもよるが、例えば、200〜600nmであることが好ましく、300〜450nmであることがより好ましく、350〜420nmであることがさらに好ましい。
また、本発明のインク組成物の、カチオン重合開始系は、低出力の活性放射線であっても十分な感度を有するものである。したがって、露光面照度が、好ましくは10〜4,000mW/cm2、より好ましくは20〜2,500mW/cm2で硬化させることが適当である。
活性放射線源としては、水銀ランプやガス・固体レーザー等が主に利用されており、紫外線光硬化型インクジェット記録用インクの硬化に使用される光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプが広く知られている。しかしながら、現在環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。さらに、LED(UV−LED),LD(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、光硬化型インクジェット用光源として期待されている。
また、発光ダイオード(LED)及びレーザーダイオード(LD)を活性放射線源として用いることが可能である。特に、紫外線源を要する場合、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。さらに一層短い波長が必要とされる場合、米国特許番号第6,084,250号明細書は、300nmと370nmとの間に中心付けされた活性放射線を放出し得るLEDを開示している。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。本発明で特に好ましい活性放射線源はUV−LEDであり、特に好ましくは350〜420nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
なお、LEDの被記録媒体上での最高照度は10〜2,000mW/cm2であることが好ましく、20〜1,000mW/cm2であることがより好ましく、50〜800mW/cm2であることが特に好ましい。
本発明のインク組成物は、このような活性放射線に、好ましくは0.01〜120秒、より好ましくは0.1〜90秒照射されることが適当である。
活性放射線の照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、インクの吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。活性放射線の照射は、インク着弾後、一定時間(好ましくは0.01〜0.5秒、より好ましくは0.01〜0.3秒、さらに好ましくは0.01〜0.15秒)をおいて行われることになる。このようにインク組成物の着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、被記録媒体に着弾したインク組成物が硬化前に滲むことを防止するこが可能となる。また、多孔質な被記録媒体に対しても光源の届かない深部までインク組成物が浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えることができるので好ましい。
さらに、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させてもよい。国際公開第99/54415号パンフレットでは、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されており、このような硬化方法もまた、本発明のインクジェット記録方法に適用することができる。
上述したようなインクジェット記録方法を採用することにより、表面の濡れ性が異なる様々な被記録媒体に対しても、着弾したインク組成物のドット径を一定に保つことができ、画質が向上する。なお、カラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。明度の低いインクから順に重ねることにより、下部のインク組成物まで照射線が到達しやすくなり、良好な硬化感度、残留モノマーの低減、密着性の向上が期待できる。また、照射は、全色を吐出してまとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
このようにして、本発明のインク組成物は、活性放射線の照射により高感度で硬化することで、被記録媒体表面に画像を形成することができる。
本発明において、被記録媒体としては、特に限定されず、支持体や記録材料として公知の被記録媒体を使用することができる。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされ又は蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。また、本発明における被記録媒体として、非吸収性被記録媒体が好適に使用することができる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
なお、以下の記載における「部」とは、特に断りのない限り「重量部」を示すものとする。
<25℃における粘度の測定方法>
カチオン重合性化合物、及び、インク組成物の25℃における粘度の測定は、RE80型粘度計(東機産業(株)製)を用いて、液温25℃にてローターを2分間回転させて安定させた後に測定した。
また、使用した市販品のうち、25℃における粘度の明示があるものは、その値を記載した。
実施例及び比較例で使用した化合物を、以下に示す。
(顔料)
C顔料(シアン顔料):IRGALITTE BLUE GLVO(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
M顔料(マゼンタ顔料):CINQUASYA MAGENTA RT−355D(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
Y顔料(イエロー顔料):NOVOPERM YELLOW H2G(クラリアント社製)
K顔料(ブラック顔料):SPECIAL BLACK 250(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
(染料)
特定染料M−1:上記式(3−a)で表される染料の例示化合物a−7に該当
特定染料M−2:上記式(1)で表される染料の例示化合物IIIa―1に該当
特定染料C−1:上記式(2)で表される染料の例示化合物A−13に該当
特定染料C−2:上記式(2)で表される染料の例示化合物C−4に該当
特定染料Y−1:上記式(3−d)で表される染料の例示化合物d−4に該当
特定染料Y−2:上記式(3−c)で表される染料の例示化合物c−20に該当
特定染料K−1:上記式(6)で表される染料の例示化合物b−1に該当
特定染料K−2:上記式(6)で表される染料の例示化合物e−2に該当
(分散剤)
DisperBYK−168(BYK168、BYK Chemie社製)
(多官能オキセタン化合物)
OXT−221(東亞合成(株)製、12.8cP(=12.8mPa・s))
Figure 2010209202
(多官能オキシラン化合物)
Cylacure UVR6105(Dow Chemical社製、220〜250cP)
セロキサイド3000(CEL3000、ダイセル化学工業(株)製、10cP)
Figure 2010209202
(単官能オキセタン化合物)
化合物A(AM−3270、2.8cP)
化合物B(AM−3267、1.6cP)
化合物C(AM−3472、7.86cP)
Figure 2010209202
OXT−212(東亞合成(株)製、5cP)
OXT−101(東亞合成(株)製、22cP)
Figure 2010209202
(重合開始剤)
ESACURE1064(Lamberti社製、下記2つの化合物の混合物)
Figure 2010209202
(増感剤)
Anthracure UVS−1331(9,10−ジブトキシアントラセン、川崎化成工業(株)製、DBAと表記)
(界面活性剤)
BYK307(BYK Chemie社製)
(アミン化合物)
化合物D
Figure 2010209202
(シアンミルベースの調製)
IRGALITTE BLUE GLVO 300重量部
セロキサイド3000 500重量部
BYK168 200重量部
以下の成分を撹拌し、シアンミルベースを得た。なお、シアンミルベースの調製は分散機モーターミルM(50アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで8時間分散を行った。
(マゼンタミルベースの調製)
CINQUASIA MAGENTA RT−355D 300重量部
セロキサイド3000 300重量部
BYK168 400重量部
以下の成分を撹拌し、マゼンタミルベースを得た。なお、マゼンタミルベースの調製は分散機モーターミルM(50アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで8時間分散を行った。
(イエローミルベースの調製)
NOVOPERM YELLOW H2G (クラリアント社製) 300重量部
セロキサイド3000 300重量部
BYK168 400重量部
以下の成分を撹拌し、イエローミルベースを得た。なお、イエローミルベースの調製は分散機モーターミルM(50アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで8時間分散を行った。
(ブラックミルベースの調製)
SPECIAL BLACK 250 300重量部
セロキサイド3000 300重量部
BYK168 400重量部
以下の成分を撹拌し、ブラックミルベースを得た。なお、ブラックミルベースの調製は分散機モーターミルM(50アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで8時間分散を行った。
(インク組成物の調製)
各色ミルベース、染料、各重合性化合物、重合開始剤、添加剤をそれぞれ表1又は表2に示す処方で混合し、高速撹拌することで、各インク組成物をそれぞれ得た。
<インクジェット画像記録>
次に、ピエゾ型インクジェットノズルを有する市販のインクジェット記録装置を用いて、被記録媒体への記録を行った。インク供給系は、元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドから成り、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までを断熱及び加温を行った。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近にそれぞれ設け、ノズル部分が常に40℃±2℃となるよう、温度制御を行った。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、1〜10plのマルチサイズドットを4,800×4,800dpiの解像度で射出できるよう駆動した。着弾後はUV光を露光面照度700mW/cm2に集光し、被記録媒体上にインク組成物が着弾した0.1秒後に照射が始まるよう露光系、主走査速度及び射出周波数を調整した。また、露光時間を可変とし、露光エネルギーを照射した。紫外線ランプには、HAN250NLハイキュア水銀ランプ((株)ジーエス・ユアサ コーポレーション製)を使用した。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。被記録媒体として、エステルフィルムE5000(膜厚125μm、東洋紡績(株)製)を用いた。
<インクジェット画像の評価>
次いで、各形成した画像について、下記に記載の方法に準じて、画質、吐出安定性、保存安定性、硬化性の評価を行った。
〔画質〕
前記インクジェット記録方法に従い、平均膜厚が4μmのベタ画像の描画を行い、紫外線照射後の画像面において、ミクロとマクロとでの評価で表した。ミクロの評価は、電子顕微鏡観察による画像面の凹凸の有無により評価した。マクロの評価は、人の目による画質の精細加減の度合いにより評価した。
以上から、画質は下記の基準で評価した。
5・・・凹凸無く、滑らかな画面であり、精細な画像
4・・・凹凸は少しあるが、精細な画像
3・・・凹凸があるが、精細さは維持している画像
2・・・凹凸があり、かつ精細さに欠ける画像
1・・・凹凸が多くあり、かつ精細さに欠ける画像
〔吐出安定性〕
インク組成物をインクジェットプリンター(ピエゾ型インクジェットヘッドKM512L(コニカミノルタ(株)製)、ヘッドは25.4mmあたり150のノズル密度で、318ノズルを有する。)で60分連続印字した後、問題なく吐出できるものを5、ノズル欠が1〜2本を4、ノズル欠が3〜5本を3、ノズル欠が6〜10本を2、ノズル欠が10本以上を1とした。なお、5及び4は問題ないレベルであり、3は実用上問題になるレベルであり、2及び1は実用上問題のあるレベルである。
〔保存安定性〕
作製したインク組成物を75%RH、60℃で3日保存した後、射出温度でのインク組成物の粘度を測定し、インク組成物の粘度の増加分を、保存後/保存前の粘度比で表した。
粘度が変化せず1.0に近いほうが、保存安定性が良好であり、1.5以上であると、射出時に目詰まりを起こす場合があり好ましくない。
保存安定性は以下の基準で評価した。
5・・・保存後/保存前の粘度比が1.0以上で1.10未満
4・・・保存後/保存前の粘度比が1.10以上で1.20未満
3・・・保存後/保存前の粘度比が1.20以上で1.30未満
2・・・保存後/保存前の粘度比が1.40以上で1.50未満
1・・・保存後/保存前の粘度比が1.50以上
〔硬化性〕
前記インクジェット記録方法に従い、平均膜厚が4μmのベタ画像の描画を行い、紫外線照射後の画像面において、粘着感の無くなる露光エネルギー量(mJ/cm2)を硬化感度と定義した。数値が小さいものほど高感度であることを表す。
また、硬化感度は以下の基準で評価した。
5・・・150mJ/cm2未満
4・・・150mJ/cm2以上300mJ/cm2未満
3・・・300mJ/cm2以上600mJ/cm2未満
2・・・600mJ/cm2以上900mJ/cm2未満
1・・・900mJ/cm2以上
〔柔軟性:硬化膜の耐折り曲げ性評価〕
各インクで最も低エネルギーで全く転写しなかった露光量で、前記インクジェット記録方法にしたがい、透明基材(エステルフィルムE5000)に対し平均膜厚が4μmのベタ画像の描画を行い、その画像を23℃、相対湿度60%の条件下で1日保管した後に、画面中央部分を手で180°に折り曲げて硬化膜の割れの有無を観察し、次のように評価した。
5・・・20回以上折り曲げても変化無し。
4・・・15回以上20回までに硬化膜に割れが生じる。
3・・・10回以上15回までに硬化膜に割れが生じる。
2・・・5回以上10回までに硬化膜に割れが生じる。
1・・・5回までに硬化膜に割れが生じる。
実施例1〜22及び比較例1〜11における評価結果を、以下の表1及び表2に示す。
なお、表1及び2におけるカラーの記載は、M:マゼンタ、C:シアン、Y:イエロー、K:ブラックを表す。
Figure 2010209202
Figure 2010209202
なお、表1及び表2中において、12mPa・s以下のモノマーの割合は、カチオン重合性化合物の全重量に対する割合であり、12mPa・s以下のモノマーかつ2官能モノマーの割合は、12mPa・s以下のモノマーの全重量に対する割合であり、また、顔料濃度は、インク組成物の全重量に対する濃度である。

Claims (16)

  1. (A)着色剤、
    (B)光酸発生剤、及び、
    (C)カチオン重合性化合物を含有し、
    前記(A)着色剤の含有量が全インク組成物の3.5重量%以上30重量%以下であり、
    前記(A)着色剤が、顔料及び染料を含み、かつ、
    顔料と染料の重量比(顔料/染料)が、0.1以上10以下であることを特徴とする
    インク組成物。
  2. 前記(C)カチオン重合性化合物が、オキシラン化合物及び/又はオキセタン化合物のみからなる、請求項1に記載のインク組成物。
  3. 前記(C)カチオン重合性化合物が、25℃以下における粘度が12mPa・s以下である低粘度化合物を含む、請求項1又は2に記載のインク組成物。
  4. 前記低粘度化合物の含有量が、カチオン重合性化合物の全重量に対し、65重量%以上100重量%以下である、請求項1〜3いずれか1つに記載のインク組成物。
  5. 前記オキシラン化合物及びオキセタン化合物が、炭素原子、水素原子及びエーテル性の酸素原子のみから構成される化合物である、請求項2〜4いずれか1つに記載のインク組成物。
  6. 25℃における粘度が7mPa・s以上35mPa・s以下である、請求項1〜5いずれか1つに記載のインク組成物。
  7. 前記染料が、下記式(1)、式(2)、式(3−a)、式(3−b)、式(3−c)、式(3−d)、式(3−e)、式(3−f)、式(4)、式(5)、及び、式(6)よりなる群から選択された少なくとも1つの式で表される染料を含む、請求項1〜6いずれか1つに記載のインク組成物。
    Figure 2010209202
    (式(1)中、R21〜R26は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基を表す。R27は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。X1及びY1は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基、アルキルチオ基、アリールチオ基、又はヘテロ環チオ基を表す。)
    Figure 2010209202
    (式(2)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。w、x、y、及びzは、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。ただし、w,x、y、及びzの総和(w+x+y+z)は0ではない。Z1〜Z4は、それぞれ独立に、炭素原子、及び窒素原子から選ばれる原子群で、結合している2個の炭素原子と共に構成される5員環又は6員環を形成する原子群を表す。M1は金属原子、又は金属酸化物を表す。)
    Figure 2010209202
    (式(3−a)中、R30は、水素原子又は置換基を表す。R31は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、又はカルバモイル基を表す。X30は、−OM基、又は−N(R32)(R33)を表し、Mは、水素原子、アルキル基、又は、電荷を中和するために必要な金属原子若しくは有機塩基対を表し、R32及びR33は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、又はカルバモイル基を表す。A30は、アリール基、又は芳香族ヘテロ環基を表す。)
    Figure 2010209202
    (式(3−b)中、R34は水素原子又は置換基を表す。R35は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、又はカルバモイル基を表す。Z30及びZ31は、それぞれ独立に、−C(R36)=又は−N=を表し、R36は水素原子又は置換基を表す。A31は、アリール基又は芳香族ヘテロ環基を表す。)
    Figure 2010209202
    (式(3−c)中、R37、R38、R39及びR40は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。Z32、Z33及びZ34は、それぞれ独立に、−C(R41)=又は−N=を表す。R41は、水素原子又は置換基を表す。A32は、アリール基又は芳香族ヘテロ環基を表す。)
    Figure 2010209202
    (式(3−d)中、R42は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。R43及びR44は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。A33は、アリール基又は芳香族ヘテロ環基を表す。)
    Figure 2010209202
    (式(3−e)中、R45、R46、及びR47は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。a及びbは、それぞれ独立に0〜4の整数を表す。)
    Figure 2010209202
    (式(3−f)中、R48及びR49は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。R50は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、又はアリール基を表す。R51は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。Z35、Z36、Z37、及びZ38は、それぞれ独立に、−C(R52)=又は−N=を表し、R52は水素原子又は置換基を表す。)
    Figure 2010209202
    (式(4)中、R11〜R16はそれぞれ独立に、水素原子、又は置換基を表す。R17は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。)
    Figure 2010209202
    (式(5)中、R11〜R16はそれぞれ独立に、水素原子、又は置換基を表す。R17は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Maは、金属原子又は金属化合物を表す。X1は、Maに結合可能な基を表し、X2は、Maの電荷を中和するために必要な基を表す。X1とX2は、互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。)
    Figure 2010209202
    (式(6)中、T1及びT2は、各々=CR12−及び−CR13=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR12−又は−CR13=を表す。V1、R12及びR13は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、複素環チオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、又はスルホ基を表し、各基はさらに置換されていてもよい。R10、R11は、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキル又はアリールスルホニル基、スルファモイル基を表し、各基はさらに置換基を有していてもよい。
    また、R12とR10、あるいはR10とR11が結合して5乃至6員環を形成してもよい。A1、A2は、各々独立に、置換されていてもよい芳香族基又は置換されていてもよい複素環基を表す。A1は一価の基であり、A2は二価の基である。)
  8. (D)アミン化合物を含む、請求項1〜7いずれか1つに記載のインク組成物。
  9. 前記顔料が、銅フタロシアニン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、又は、カーボンブラック顔料である、請求項1〜8いずれか1つに記載のインク組成物。
  10. 前記顔料が銅フタロシアニン顔料であり、かつ、前記銅フタロシアニン顔料の含有量が3.5重量%以上10重量%以下である、請求項1〜9いずれか1つに記載のインク組成物。
  11. 前記顔料がアゾ顔料であり、かつ、前記アゾ顔料の含有量が7.5重量%以上20重量%以下である、請求項1〜10いずれか1つに記載のインク組成物。
  12. 前記顔料がキナクドリン顔料であり、かつ、前記キナクドリン顔料の含有量が7.5重量%以上20重量%以下である、請求項1〜11いずれか1つに記載のインク組成物。
  13. 前記顔料がカーボンブラック顔料であり、かつ、前記カーボンブラックの含有量が6.0重量%以上10重量%以下である、請求項1〜12いずれか1つインクジェットインク組成物。
  14. (a1)被記録媒体上に、請求項1〜13いずれか1つに記載のインク組成物を吐出する工程、及び、
    (b1)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、前記インク組成物を硬化する工程、を含むことを特徴とする
    インクジェット記録方法。
  15. 前記吐出が、圧電素子の変形によりインク組成物を吐出するインクジェットヘッドを用いて行われる、請求項14に記載のインクジェット記録方法。
  16. 前記吐出が、1〜10plの液滴量、かつ1,200×1,200〜4,800×4,800dpiで行われる、請求項14又は15に記載のインクジェット記録方法。
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