JP2013194037A - 銅錯体、これを含有する紫外線吸収部材用組成物およびこれを用いた紫外線吸収部材 - Google Patents
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項1.式(1):
R1はモルホリノスルホニル基、チオモルホリノスルホニル基、ピペラジノスルホニル基またはN−置換ピペラジノスルホニル基であり、
R2は、存在しないか、または存在する場合は、1つのベンゼン環の6個の炭素原子のうち5員環と共有された2個の炭素原子とR1が結合した炭素原子を除いた最大3個の炭素原子に結合する水素原子のうち1ないし3個を置換することができ、ベンゼン環の水素原子を置換したR2はそれぞれ互いに独立して、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲノ基、モルホリノスルホニル基、チオモルホリノスルホニル基、ピペラジノスルホニル基またはN−置換ピペラジノスルホニル基であり、
R3は、存在しないか、または存在する場合は、1つのベンゼン環の6個の炭素原子のうち5員環と共有された2個の炭素原子を除いた4個の炭素原子に結合する4個の水素原子のうち1ないし4個を置換することができ、ベンゼン環の水素原子を置換したR3はそれぞれ互いに独立して、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲノ基、モルホリノスルホニル基、チオモルホリノスルホニル基、ピペラジノスルホニル基またはN−置換ピペラジノスルホニル基を示す。)で表される銅錯体;
本発明の銅錯体は、優れた耐光性および可視光透明性を有し、かつ、従来遮蔽困難であったUV−Aを効率的に遮蔽することができる紫外線吸収剤として有用であり、式(1):
R1はモルホリノスルホニル基、チオモルホリノスルホニル基、ピペラジノスルホニル基またはN−置換ピペラジノスルホニル基であり、
R2は、存在しないか、または存在する場合は、1つのベンゼン環の6個の炭素原子のうち5員環と共有された2個の炭素原子とR1が結合した炭素原子を除いた最大3個の炭素原子に結合する水素原子のうち1ないし3個を置換することができ、ベンゼン環の水素原子を置換したR2はそれぞれ互いに独立して、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲノ基、モルホリノスルホニル基、チオモルホリノスルホニル基、ピペラジノスルホニル基またはN−置換ピペラジノスルホニル基であり、
R3は、存在しないか、または存在する場合は、1つのベンゼン環の6個の炭素原子のうち5員環と共有された2個の炭素原子を除いた4個の炭素原子に結合する4個の水素原子のうち1ないし4個を置換することができ、ベンゼン環の水素原子を置換したR3はそれぞれ互いに独立して、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲノ基、モルホリノスルホニル基、チオモルホリノスルホニル基、ピペラジノスルホニル基またはN−置換ピペラジノスルホニル基を示す。)で表される。
本発明の紫外線吸収部材用組成物は、式(1)で表される少なくとも1種類の銅錯体と、少なくとも1種類のマトリックス材料とを含む。
溶解状態の式(1)で表される銅錯体を含有する紫外線吸収部材用組成物の場合、最終的に得られる紫外線吸収部材の可視光透明性を確保する上で特に有利であり、一方、分散状態の式(1)で表される銅錯体微粒子を含有する紫外線吸収部材用組成物の場合には、耐光性に優れた紫外線吸収部材を得る上で特に有利となる。
具体的には、マトリックス材料および本発明の銅錯体の溶解性がともに良好な溶媒を用いることで、該溶媒中にマトリックス材料および該銅錯体が溶解した、均一な紫外線吸収部材用組成物を得ることができる。
なお、(メタ)アクリルは、メタクリルおよびアクリルを示す。
シリコンアルコキシドとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等の4官能アルコキシシランや、
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、メチル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、エチル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリプロポキシシラン、ヘキシルトリブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メチルジメトキシ(エトキシ)シラン、エチルジエトキシ(メトキシ)シラン、トリメトキシシリルプロパンチオール、トリエトキシシリルプロパンチオール、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(N−フェニル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、4−(2−アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルエチレンジアミン、N,N’−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン等や、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等や、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等や、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等の3官能アルコキシシランや、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ビス(2−メトキシエトキシ)ジメチルシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、3−(ジメトキシメチルシリル)−1−プロパンチオール等や、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等の2官能アルコキシシランが挙げられる。
酸触媒としては、特に限定されないが、例えば硝酸、塩酸、硫酸等の無機酸や、蟻酸、酢酸、蓚酸等の有機酸が挙げられる。加水分解・重縮合反応終了後に酸が残存すると、縮合安定性が悪化するため、低沸点で揮発性が高い、硝酸、塩酸、蟻酸、酢酸を用いることが好ましい。
上記シリコンアルコキシドの加水分解を引き起こし得る限り、特に限定されないが、シリコンアルコキシド1モルに対し、2〜30モルの割合で水を添加することが好ましく、2〜20モルであることがより好ましい。2モル未満では十分に加水分解が進行しないおそれがあり、30モルを超えると加水分解反応が速くなりゾル溶液の安定性が悪化するおそれがあることに加え、反応後に除去する水の量が多くなり効率的でない。
シリコンアルコキシド、水、酸触媒に加えて反応溶媒を使用することにより、加水分解速度を適度に低め、確実に加水分解・重縮合を進行させることができる。さらに、最終的に得られるシリコンアルコキシドのゾル溶液(シロキサンオリゴマー溶液)の粘度をハンドリングしやすいレベルにまで調整するための希釈剤としての役割も兼ねる。
これらの中で、該銅錯体の溶解性の観点からより好ましいものを挙げると、アルコール類としてはテトラフルオロプロパノール、ケトン類としてはMEK、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、エーテル類としてはテトラヒドロフラン、ハロゲン化炭化水素類としてはクロロホルム、ジクロロメタン、アミド類としてはDMF、NMP、その他ジメチルスルホキシドである。
常温で固体の酸無水物、例えば、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等の酸無水物を使用する場合には、常温で液状の酸無水物に溶解させ、常温で液状の混合物として使用することが操作上好ましい。
例えば、あらかじめ該銅錯体の分散液を調製しこれと、マトリックス材料(あるいは別途調製したマトリックス材料の溶液)を混合することによって、該銅錯体の微粒子が分散状態にある紫外線吸収部材用組成物を得ることができる。
これらの分散媒は、単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。2種類以上を組み合わせた混合分散媒を使用する場合の混合比率は適宜選択することができる。
前記銅錯体を微粒化するにあたって使用できる分散機としては、特に限定されるものではないが、例えば、ペイントシェーカー、ボールミル、ナノミル、アトライター、バスケットミル、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、SCミル、スパイクミル、アジテーターミル等のメディア型分散機や、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ナノマイザー、デゾルバー、ディスパー、高速インペラー分散機等のメディアレス型分散機が挙げられる。
中でも、コスト、処理能力の面から、メディア型分散機を使用するのが好ましい。また、これらのうちの一つを単独で用いても良く、2種類以上の装置を組み合わせて使用しても良い。
分散メディアとしては、用いる分散機の分散室内部の材質に応じて、ステンレス鋼、スチール等の鋼球ビーズや、アルミナ、ステアタイト、ジルコニア、ジルコン、シリカ、炭化ケイ素、窒化ケイ素等のセラミックスビーズや、ソーダガラス、ハイビー等のガラスビーズや、WC等の超硬ビーズ等の中から適宜選択し使用することができ、そのビーズ径は0.03〜1.5mmφの範囲が好ましい。
分散剤は、該銅錯体を分散媒中に安定に分散させるために、必要に応じて配合される。分散剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、テトラアルキルアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジニウム塩、イミダゾリウム塩等のカチオン性分散剤や、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジアリールジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩等のアニオン性分散剤や、アルキルベタインやアミドベタイン等の両性分散剤や、ノニオン性分散剤や、フッ素系分散剤や、シリコン系分散剤や、高分子系分散剤等を使用することができる。中でも、次に例示するようなノニオン性分散剤や高分子系分散剤が特に好ましい。
これらの分散剤は単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の紫外線吸収部材は、かくして得られた紫外線吸収部材用組成物を用いて作製することができる。本発明の紫外線吸収部材は主に以下の2種類の形態を示す。
前記で得られた紫外線吸収部材用組成物を基材上にコーティングし、乾燥および/または硬化することにより、基材上に、該銅錯体を含有するマトリックス材料の膜(以下、マトリックス膜という)を有する積層体としての紫外線吸収部材を作製することができる。
具体的な方法としては、例えば、紫外線吸収部材用組成物を剥離性基材(例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム)上に塗布し乾燥させた後、ラミネーター等を用いて別基材(例えばガラス基材)と貼り合わせ、その後剥離性基材を剥離することで、別基材上に該銅錯体を含有するマトリックス膜を有する積層体としての紫外線吸収部材を作製することができる。この場合にも、必要に応じて前記重合処理を設けてもよい。
前記で得られた紫外線吸収部材用組成物を、剥離性基材上にコーティングし、乾燥および/または硬化した後に、剥離性基材から該マトリックス膜を剥離することによって得られる、該銅錯体がマトリックス膜中に含有された薄膜形態の紫外線吸収部材を作製することができる。
コーティング方法は、前記(C1)で例示したものと同様である。
NMR装置:BRUKER製AV400型
測定溶媒:ジメチルスルホキシド-d6(DMSO-d6)
共鳴周波数:400MHz
CHN:酸素循環燃焼・TCD検出方式 NCH定量装置
S:フラスコ燃焼/イオンクロマト法
Cu:マイクロウェーブ分解/ICP−AES法
(3)赤外スペクトル測定
装置:日本電子製JIR−6500型FT−IR
測定方法:KBr法
平均粒子径は、シスメックス社製「ゼータサイザーナノZS」を用いて、光源:He−Neレーザー(633nm)、セル:ガラス角セル、測定温度:25℃、Measure position:0.85(mm)の条件下で測定した。また、それぞれの試料について3回ずつ測定し、得られた値の平均値を示した。
実施例および比較例で得られた紫外線吸収部材について、分光光度計(株式会社日立製作所製、型番:U−4100)を用いてλ=380nm、λ=400nmにおける透過率を測定し、紫外線吸収能(UV−A吸収能)について評価した。
なお、測定は各紫外線吸収部材において使用した基材を用いてベースライン補正を行い測定した。
濁度計(日本電色工業株式会社製NDH2000)を用いて全光線透過率を測定し、可視光透明性について評価した。なお、各紫外線吸収部材において使用した基材を用いて標準合わせを行った。
(5)の手順により実施例および比較例で得られた紫外線吸収部材について透過率を測定した後、キセノンウェザーメーター(スガ試験機株式会社製、型番:X25)を用いて、これら紫外線吸収部材に放射強度60W/m2(300〜400nm域における積算)の光を1000時間照射した。光照射後の紫外線吸収部材について、それぞれ(5)と同様に透過率を測定し、光照射による紫外線吸収能の変化から耐光性を評価した。
フェノール18.8g(0.2モル)50℃まで加熱し融解させ、ここに2−アミノベンゾチアゾール45.1g(0.3モル)を加えた後、さらに180℃まで加熱し、20時間保温した。その後、反応液を80℃まで冷却し、エタノール60gを滴下し、さらに1時間保温した。その後、20℃まで冷却し、析出物を濾別し、エタノールで洗浄後、乾燥することにより、白色の2,2’−イミノビスベンゾチアゾール32.1gを得た。収率は2−アミノベンゾチアゾールに対して75.5%であった。
製造例1において得られた2,2’−イミノビスベンゾチアゾール10g(0.035モル)をクロロスルホン酸70.1g(0.602モル)に添加し、18時間反応攪拌した。さらに塩化チオニル10g(0.084モル)を添加し、50℃で1時間攪拌した後、20℃まで冷却した。この反応液を400gの氷の上に注ぎ、吸引濾過し、残った氷と一緒にモルホリン8.8g(0.101モル)と即座に攪拌した。20℃まで昇温した後、約1mlの50重量%の水酸化ナトリウム水溶液によって反応液をアルカリ性にした。析出物を濾別し、水洗浄後、メタノールで洗浄し、乾燥することによって薄黄色の2,2’−イミノビス(6−モルホリノスルホニルベンゾチアゾール)15.4gを得た。収率は2,2’−イミノビスベンゾチアゾールに対して75.5%であった。純度は、高速液体クロマトグラフィーにより測定し、98.5%であった。
1H−核磁気共鳴スペクトル(400MHz、DMSO-d6)δ(ppm):2.90(m、8H)、3.64(m、8H)、7.76(m、2H)、7.86(br、2H)、8.47(s、2H)、13.46(br、1H)
FT−IR(cm−1):1446、1462、1533、1566、1608
モルホリン8.8g(0.101モル)に代えてチオモルホリン10.4g(0.101モル)を用いた以外は製造例2と同様にして、薄黄色の2,2’−イミノビス(6−チオモルホリノスルホニルベンゾチアゾール)15.5gを得た。収率は2,2’−イミノビスベンゾチアゾールに対して72.1%であった。純度は、高速液体クロマトグラフィーにより測定し、98.2%であった。
1H−核磁気共鳴スペクトル(400MHz、DMSO-d6)δ(ppm):2.68(m、8H)、3.23(m、8H)、7.77(m、4H)、8.46(s、2H)、13.44(br、1H)
FT−IR(cm−1):1442、1469、1543、1603
製造例2で得られた2,2’−イミノビス(6−モルホリノスルホニルベンゾチアゾール)14.5g(0.025モル)とDMF135gを混合し溶解させた。ここに、あらかじめ酢酸銅・一水和物5.24g(0.026モル)をDMF170gに溶解させておいた溶液を、20℃において1時間かけて滴下し、滴下後さらに20℃で1時間攪拌した。その後析出物を濾別し、DMF、メタノールで洗浄後、乾燥し、ベージュ色粉末のアセタト{6−(モルホリノスルホニル)−N−[6−(モルホリノスルホニル)−2−ベンゾチアゾリル−κ3N]−2−ベンゾチアゾールアミナト−κ3N}銅16.3gを得た。収率は2,2’−イミノビス(6−モルホリノスルホニルベンゾチアゾール)に対して93.0%であった。
元素分析:C;40.2%、H;3.4%、Cu;8.6%、N;9.7%、S;16.8%(理論値:C;40.99%、H;3.58%、Cu;9.04%、N;9.96%、S;18.24%)
FT−IR(cm−1):1406、1477(br)
2,2’−イミノビス(6−モルホリノスルホニルベンゾチアゾール)14.5g(0.025モル)に代えて2,2’−イミノビス(6−チオモルホリノスルホニルベンゾチアゾール)15.3g(0.025モル)を用いた以外は実施例1と同様にして、ベージュ色粉末のアセタト{6−(チオモルホリノスルホニル)−N−[6−(チオモルホリノスルホニル)−2−ベンゾチアゾリル−κ3N]−2−ベンゾチアゾールアミナト−κ3N}銅17.4gを得た。収率は2,2’−イミノビス(6−チオモルホリノスルホニルベンゾチアゾール)に対して94.5%であった。
元素分析:C;39.5%、H;3.4%、Cu;8.5%、N;9.7%、S;27.3%(理論値:C;39.20%、H;3.43%、Cu;8.64%、N;9.52%、S;26.16%)
FT−IR(cm−1):1404、1473(br)
テトラエトキシシラン97.3g(0.28モル)と、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン47.1g(0.10モル)と、2−プロパノール15.2g、2−エトキシエタノール15.2g、水47.3gとを混合した。ここに1重量%硝酸水溶液2.2g(硝酸として0.00035モル)を添加し、20℃で1時間攪拌し、無機系バインダー:ポリシロキサン系バインダー前駆体としての、シリコンアルコキシドのゾル溶液を得た(固形分濃度17.8重量%:SiO2換算)。
分散メディアとして0.1mmφのジルコニアボール(ニッカトー製の商品名YTZボール)50gを粉砕容器(フリッチュ社製の商品名:premium line用粉砕容器(内装ジルコニア製))に入れた。ここに実施例1で得られた銅錯体2.0g、分散媒として水17.1g、分散剤としてDISPERBYK−2015(ビックケミー・ジャパン製)0.8gおよびポリオキシエチレンラウリルエーテル0.1gを入れ、遊星型ボールミル(フリッチュ社製の商品名:premium line P−7)を用いて600rpmで5分間分散した後、10分間冷却し、さらに1100rpmで5分間分散処理を行い、銅錯体の分散液を得た。平均粒子径は107nmであった。
実施例1で得られた銅錯体2.0gに代えて、実施例2で得られた銅錯体2.0gを用いた以外は製造例5と同様にして、銅錯体の分散液を得た。平均粒子径は123nmであった。
製造例5で得られた銅錯体の分散液0.35gを攪拌しながら、ここに製造例4で得られたシリコンアルコキシドのゾル溶液2.0gを加え、混合することにより、分散液形態の紫外線吸収部材用組成物Aを得た。平均粒子径は111nmであった。
有機系バインダーとしてアクリル樹脂溶液(綜研化学株式会社製の商品名;フォレットGS−1000、固形分30重量%MEK溶液)1.34gを100mlナスフラスコに入れ、ロータリーエバポレーターを用いてMEKを減圧留去し、アクリル樹脂0.40gを得た。ここにDMF0.93gを加えて攪拌し、アクリル樹脂溶液(固形分30重量%DMF溶液)を得た。これに実施例1で得られた銅錯体9.5mgを加え、70℃湯浴中で超音波処理を行った後、メンブレンフィルター(ADVANTEC製のDISMIC25HP045AN)で濾過することにより、溶液形態の紫外線吸収部材用組成物Bを得た。
製造例6で得られた銅錯体の分散液0.35gを攪拌しながら、ここに製造例4で得られたシリコンアルコキシドのゾル溶液2.0gを加え、混合することにより、分散液形態の紫外線吸収部材用組成物Cを得た。平均粒子径は125nmであった。
得られた紫外線吸収部材Cについて、紫外線(UV−A)吸収能、可視光透明性および耐光性を評価した。評価結果を表1に示す。
酸化亜鉛微粒子分散液(ハクスイテック株式会社製、製品名:パゼットGK−水分散体、粉体一次粒子径:20〜40nm、酸化亜鉛濃度:20重量%)0.35gを攪拌しながら、ここに製造例4で得られたシリコンアルコキシドのゾル溶液2.0gを加え、混合することにより、分散液形態の紫外線吸収部材用組成物Dを得た。
有機系バインダーとしてアクリル樹脂溶液(綜研化学株式会社製の商品名;フォレットGS−1000、固形分30重量%MEK溶液)1.34gを100mlナスフラスコに入れ、ロータリーエバポレーターを用いてMEKを減圧留去し、アクリル樹脂0.40gを得た。ここにDMF0.93gを加えて攪拌し、アクリル樹脂溶液(固形分30重量%DMF溶液)を得た。DMF2.5gに溶解させ、ここにTinuvin326(BASF製)12mgを加えた。60℃湯浴中で超音波処理を行った後、メンブレンフィルター(ADVANTEC製のDISMIC25HP045AN)で濾過することにより、溶液形態の紫外線吸収部材用組成物Eを得た。
紫外線吸収部材AおよびCは式(1)で表される銅錯体を分散系で使用した系であり、紫外線吸収部材Dは無機系紫外線吸収剤として従来公知の酸化亜鉛微粒子(ハクスイテック株式会社製、製品名:パゼットGK−水分散体)を使用した系である。紫外線吸収部材Dは、耐光性は非常に優れているものの紫外線吸収能が明らかに不足しており、また全光線透過率も低く、可視光透明性が損なわれている。一方、紫外線吸収部材AおよびCはDに比べるとやや耐光性は劣るものの、λ=380nmおよびλ=400nmにおける透過率は十分低く、優れた紫外線吸収能を有していることに加え、可視光透明性も十分確保されている。
Claims (3)
- 式(1):
R1はモルホリノスルホニル基、チオモルホリノスルホニル基、ピペラジノスルホニル基またはN−置換ピペラジノスルホニル基であり、
R2は、存在しないか、または存在する場合は、1つのベンゼン環の6個の炭素原子のうち5員環と共有された2個の炭素原子とR1が結合した炭素原子を除いた最大3個の炭素原子に結合する水素原子のうち1ないし3個を置換することができ、ベンゼン環の水素原子を置換したR2はそれぞれ互いに独立して、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲノ基、モルホリノスルホニル基、チオモルホリノスルホニル基、ピペラジノスルホニル基またはN−置換ピペラジノスルホニル基であり、
R3は、存在しないか、または存在する場合は、1つのベンゼン環の6個の炭素原子のうち5員環と共有された2個の炭素原子を除いた4個の炭素原子に結合する4個の水素原子のうち1ないし4個を置換することができ、ベンゼン環の水素原子を置換したR3はそれぞれ互いに独立して、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲノ基、モルホリノスルホニル基、チオモルホリノスルホニル基、ピペラジノスルホニル基またはN−置換ピペラジノスルホニル基を示す。)で表される銅錯体。 - 請求項1に記載の少なくとも1種類の銅錯体と、少なくとも1種類のマトリックス材料を含む紫外線吸収部材用組成物。
- 請求項2に記載の紫外線吸収部材用組成物を用いて作製される紫外線吸収部材。
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