JP2010208869A - 多結晶体または単結晶体の製造装置および製造方法 - Google Patents

多結晶体または単結晶体の製造装置および製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】防波機構を融液液面と離面しないように設けることにより、液面に生じる揺れの程度を減ずる多結晶体または単結晶体の製造装置および製造方法を提供する。
【解決手段】原料融液401、403を貯留する第1の耐熱性容器3と第2の耐熱性容器2とを備え、第2の耐熱性容器2中の原料融液401を第1の耐熱性容器3中に供給する製造装置であって、第1の耐熱性容器3中の原料融液403の液面と離面しないように第1の耐熱性容器3中に防波機構301を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐熱性容器中に貯留された半導体などの原料融液から単結晶体または多結晶体を製造する製造装置および製造方法に関する。
従来から、シリコン、GaAsといった半導体の単結晶体は、IC、LSIなどの集積回路の基板材料として広く用いられている。また、半導体の多結晶体は、太陽電池などの基板材料として広く用いられている。そして、そのような単結晶体および多結晶体の製造方法、製造装置については種々のものが提案されている。
太陽電池の作製などに用いられるシリコン多結晶体は、例えば、特開平11−21120号公報(特許文献1)、特開平11−92284号公報(特許文献2)に開示されているようなキャスト法により製造されている。キャスト法は、坩堝内で溶解したシリコンを坩堝底面から徐々に冷却することによってシリコン融液を固化させ、坩堝底面から上方に向けて成長した長い柱状結晶構造を主体とするインゴット(凝固塊)を製造する方法である。
また、ウエブ(web)法やEFG(edge-defined film-fed growth)法によるシリコン多結晶体からなるシリコンリボンの成長方法も研究されている。また、近年ではより速い成長を目指して、シリコン融液から直接的にシリコン多結晶体からなる薄板状のシリコンリボンを作製するRGS(ribbon growth on substrate)法が注目されるようになっている(26thPVSC,1997,pp.91−93)。RGS法の原理は、凝固成長面に近い面からの高速熱移動(抜熱)によってシリコンリボンの高速成長を行うものである。具体的には、溶融シリコンの側部周囲を支える側部支持枠に対してその開放下面を支える下面支持平板を冷却しながら相対的に横方向に移動させることにより、その下面支持平板上にシリコンリボンを高速成長させる方法である。
さらに別のシリコン多結晶体からなる基板を製造する方法としては、シリコン融液に下地板を接触させて液相からの凝固によって直接的にシート状のシリコン基板を得る方法(シート形成法)が知られており、例えば、特開2001−223172号公報(特許文献3)、特開2001−247396号公報(特許文献4)等に開示されている。
上述のような半導体などの原料融液から単結晶体および多結晶体を製造する方法において、特に、連続的に結晶体を製造する場合(連続追装方法)においては、結晶体の製造により消費された原料融液を随時容器外から供給する必要がある。一般に、これらのシリコン融液の供給を行うためには、ヒータにより固体原料(例えば、棒状の多結晶シリコン)を溶解して、原料融液とし、その液滴を上方から耐熱性容器に滴下するタイプの製造装置が、耐熱性容器の上方に備えられていることが多い。しかし、かかる従来の製造装置においては、原料融液の液滴が落下するときに耐熱性容器中の原料融液の液面に揺れが生じることによって、育成中のシリコン結晶に悪影響を及ぼし、単結晶体および多結晶体の製造が困難となったり、結晶特性が劣化するといった問題があった。また、シート形成法のように融液中から直接にシリコン板が形成される方法においては、製造されるシリコン板の表面形状等に悪影響を及ぼす恐れもある。
よって上記原料融液の追装によって生じる融液表面の揺れを防止するため、特開平7−277872号公報(特許文献5)に様々な液面振動防止機構が開示されている。ここで、上述したように、原料融液は結晶体の製造により消費され、融液面が下降することになるが、特許文献5ではこのとき供給管の下端を斜めに切断することによって供給管が液面から離脱する際に生じる液面の揺れを防止している。
特開平11−21120号公報 特開平11−92284号公報 特開2001−223172号公報 特開2001−247396号公報 特開平7−277872号公報
上述した特許文献5に記載の半導体結晶製造装置においては供給管が融液液面から離脱する際の液面の揺れを減ずることはできても液面と供給管が離脱することに変わりは無く、完全にこれによって生じる液面の防止はできない。
よって本発明は、防波機構を融液液面と離面しないように設けることにより、液面に生じる揺れの程度を減ずることを課題とする。
本発明は、原料融液を貯留する第1の耐熱性容器と第2の耐熱性容器とを備え、該第2の耐熱性容器中の原料融液を前記第1の耐熱性容器中に供給する製造装置であって、前記第一の耐熱性容器中の原料融液の液面と離面しないように前記第一の耐熱性容器中に防波機構を設けることを特徴とする製造装置である。
さらに該第2の耐熱性容器中の原料融液を前記第1の耐熱性容器中に供給するための原料供給機構を備え、前記防波機構と該原料供給機構とが別体として構成されていることが好ましい。
また、前記防波機構の水平方向の断面形状が、円弧、波型、直線または折れ線の形状であることが好ましい。
また、前記防波機構は、前記第2の耐熱性容器から原料融液が滴下される落下地点の前記第1の耐熱性容器中の原料融液の液面を取り囲むような障壁であることが好ましい。
また、前記第1の耐熱性容器と前記防波機構とが一体となっているか、または、互いに当接するように配置されていることが好ましい。
また、前記第2の耐熱性容器中の原料融液の液滴が前記第1の耐熱性容器中の原料融液に落下する地点が、前記防波機構内であって、第1の耐熱性容器中の原料融液において結晶体が製造される範囲から遠い位置となるように、前記防波機構が配置されることが好ましい。
また、前記原料供給機構が前記第2の耐熱性容器に接続された供給管を含み、前記供給管の取込口が前記第2の耐熱性容器に貯留された原料融液の液面と同じ高さに位置することが好ましい。
また、前記供給管内を加熱するための加熱機構をさらに備えることが好ましい。
また、前記原料融液はシリコン融液であることが好ましい。
さらに、本発明は、上記の製造装置を用いた多結晶体または単結晶体の製造方法にも関する。
前記第1の耐熱性容器中の原料融液に下地板を接触させて液相状態にある原料融液からの凝固によって直接的に多結晶体からなるシート状の基板を得ることが好ましい。
本発明によれば、防波機構を融液液面と離面しないように設けることにより、液面に生じる揺れの程度を減ずることができる。
第一の実施形態の一例を説明するための模式的な縦断面図である。 シート形成法を用いた基板製造装置の一例を示す側断面図である。 図2に示される基板製造装置の動作状態を示す側断面図である。 第一の実施形態の別の例を説明するための模式的な縦断面図である。 第二の実施形態を説明するための模式的な上面図である。 第三の実施形態を説明するための模式的な上面図である。
<第一の実施形態>
本実施形態は、多結晶体または単結晶体を第1の耐熱性容器に貯留された原料融液から製造する装置であって、該第1の耐熱性容器に原料融液を供給する製造装置である。
図1を用いて本実施形態の原料融液供給装置を説明する。本実施形態の製造装置は、原料融液401を貯留する第2の耐熱性容器2と、該第2の耐熱性容器2中の原料融液401を第1の耐熱性容器3中に供給するための供給管6とを備えており、前記供給管6の排出口601が前記第1の耐熱性容器3中の原料融液403の液面から離れた上部に位置しており、かつ、前記第2の耐熱性容器2中の原料融液が前記排出口601から滴下されることにより前記第1の耐熱性容器3中に供給されるような構造を有している。
そして、供給管の排出口601の下部となる第1の耐熱性容器3中の原料融液403の液面に防波機構301が設けられている。ここで、防波機構301は、第2の耐熱性容器からの原料融液402が滴下されるときに生じる揺れを防ぐ障壁となっており、単なる壁構造となっていれば良いが、第1の耐熱性容器3中の原料融液403の液面を取り囲むような障壁であり、原料融液403の液面の上下に一定の高さを有している。
本発明の防波機構は、本実施形態のものに限られず、第2の耐熱性容器から原料融液が第1の耐熱性容器中の原料融液に滴下等される際に生じる原料融液の液面の揺れが液面全体に拡散することを防止するための機構であればよく、障壁の形状としては、例えば、水平方向の断面形状が中空の円形、楕円形、多角形など第2の耐熱性容器から原料融液の液滴が落下する位置(液滴落下地点)を中空部内に取り囲むような実質的に閉じた形状が挙げられる。また、障壁の水平方向の断面形状が、液滴落下地点を部分的に取り囲むような形状であり、閉じられていない形状であってもよく、例えば、水平方向の断面形状が、円弧や波型、直線や折れ線の形状のもの等が挙げられ、折れ線としては多角形の半分のみのような形状が挙げられる。また、障壁の表面に凹凸形状などをもつものであっても良い。障壁の形状は液滴の滴下によって液面に生じる波紋が円形に広がること、また液滴の落下地点と防波機構との位置関係を考慮して適宜決定される。
第1の耐熱性容器中の原料融液の液面に配置された状態での障壁の液面より上の部分の高さは5mm以上20mm以下であることが好ましい。前記高さが5mmより低いと、融液の波立ちが防波機構を乗り越えて伝播する恐れがあり、また前記高さが20mmより高いと防波機構からの輻射による抜熱によって融液が凝固してしまう恐れがあるためである。また障壁の液面より下側の部分の高さ(深さ)は20mm以上であることが好ましい。該障壁の材料は、原料融液の温度に対する耐熱性を有し、原料融液と反応しない材料であればよく、例えば、高純度黒鉛、炭化けい素、石英などが挙げられる。
本実施形態においては、供給管6(原料供給機構)と防波構造301が離れて構成されていることにより、この間に自由な空間ができ、例えば以下に説明するようなシート形成法などにおいては下地板を運搬する軌道について自由度の大きい設計が可能となり、また他の製造方法においても製造装置の設計の自由度を大きくすることができる。
ここで、本実施形態では原料供給機構として、原料の追装を重力による自然落下を利用して行うものを示すが、例えば第2の耐熱性容器2に貯留されている原料融液401の液面が第一の耐熱性容器3に貯留されている融液403の液面より低い場合などに、第2の耐熱性容器2に貯留されている原料融液401を押し上げるような機構を備えていても良く、第2の耐熱性容器2からの原料融液401が第一の耐熱性容器3に貯留されている融液403の上面から供給される態様であれば本発明は適用可能である。
また、本実施形態は管状の供給管6を示すが、特に管状である必要は無く、棒状の表面を融液が伝って第一の耐熱性容器3に原料融液が供給されるような態様であっても良い。
さらに、第2の耐熱性容器2には原料供給機構として供給管6が接続されており、供給管6の取込口602は第2の耐熱性容器2に貯留された原料融液401の液面と同じ高さに接続され、供給管6の排出口601は第1の耐熱性容器中の原料融液403の上部に離れて位置している。このような構造とすることで、固体原料5を第2の耐熱性容器中の原料融液401に補充することにより溢れ出した原料融液402が供給管6の内壁の下側部分に沿って流れ、排出口601から滴下されることで、第1の耐熱性容器中の原料融液403へと供給される。
また、通常は第1の耐熱性容器および第2の耐熱性容器の周囲に該容器内の原料融液を加熱するための加熱装置が設けられているが、本発明においては、さらに、前記供給管6内を加熱するための供給管加熱機構12をさらに備えていることが好ましい。加熱機構を供給管に対しても設けることにより供給管内で原料融液の凝固等が生じることを防止できるからである。このように供給管を加熱する加熱機構を備えている場合は、熱遮蔽板302を設けることにより、加熱機構を融液の輻射熱から保護することが出来る。加熱機構は抵抗加熱方式であっても良く、これと同等の能力をもつ高周波加熱方式等であっても良い。
ここで、供給管6はその中心軸が水平方向に対して下向きに傾斜しており、原料融液402が供給管6の内壁の下側部分に沿って流れることによって融液が緩やかに移動することができるように設計されていてもよい。また、図1のように供給管傾斜部603が直線的に水平方向との角度を有する構造であってもよく、供給管が少なくとも一部または全部が曲線的に構成されていてもよい。
さらに、本発明は、上記の製造装置を用いた多結晶体または単結晶体の製造方法にも関するものである。多結晶体または単結晶体の製造方法は、耐熱性容器中に貯留された原料融液を用いて該融液を液相から凝固させる等の方法により多結晶体または単結晶体を得る方法であれば、特に限定されるものではないが、例えば、原料融液から単結晶体を製造するチョクラルスキー法(CZ法)や、原料融液から多結晶体を製造するキャスト法、ウエブ法、EFG(edge-defined film-fed growth)法、原料融液に下地板を接触させて液相状態にある原料融液からの凝固によって直接的に多結晶体からなるシート状のシリコン基板を得る方法(シート形成法)が挙げられる。
(シート形成法)
シート形成法の一例について基本的な手順を図2、3を用いて以下に説明する。
図2を参照して、基板製造装置7は、主室10内に、坩堝3および坩堝を加熱して原料となるシリコンを溶融するための加熱機構(図示せず)を有する。坩堝3には、加熱機構によって溶融した原料融液403が貯留され、その原料融液403に下地板1の表層部を浸漬させる浸漬機構9が配置されている。主室10にはアルゴン等の不活性ガスが導入され、不活性な雰囲気に保たれる。
主室10の外壁に取り付けられた昇降機構901には懸垂支柱902が接続されている。昇降機構901内のモータによって、懸垂支柱902は昇降動作を行なうことが可能である。懸垂支柱902は、主室10内へと貫通している。貫通部は、パッキンや磁性流体シールなどによって、主室内外を隔離し、主室内に外気が混入することを防いでいる。懸垂支柱902の先には、回転モータ軸907を有する回転機構903が接続されている。回転機構903の下には、主軸支柱904が2本接続されており、主軸支柱904の下端には主軸905が水平方向に貫通している。この主軸905と、回転機構内のモータ軸とは、動力伝達機構906によって接続されているため、主軸905は回転機構903によって回転動作を行なうことが可能である。動力伝達機構906は、チェーンや、ベルト、ギアなどを使用することができる。主軸905には台座支持部908が接続しており、その先に台座11が接続されている。台座11は、下地板1を保持する部材である。
次に、図2および3を用いて、下地板1を原料融液403に浸漬し、下地板表面にシリコン基板を製造する方法を説明する。浸漬機構9が下地板1を把握した後、昇降機構901によって浸漬機構全体を下降しつつ、回転機構903によって台座11を回転させることで、下地板1を矢印802のように動作させ、下地板交換位置801から融液に浸す位置へ移動させる。そのまま、昇降機構901の昇降動作と回転機構903の回転動作を用いて、矢印803のように下地板1を原料融液403へ浸し、下地板1の表面にシリコン基板41を形成する。この後、シリコン基板を付着させた下地板1は矢印804のように原料融液403から取出される。この後、シリコン基板を付着させた下地板1は、矢印805のように昇降動作および回転動作によって、下地板交換位置801に戻る。一連の動作のうち、昇降動作は矢印806によって示される。シリコン基板と一体の下地板1が高温から冷却される段階で、それらの熱膨張係数差に起因して下地板1とシリコン基板は自然に分離し、または小さい衝撃を下地板1に加えることにより分離され、原料融液の液相からの凝固によって直接的に形成されたシート状のシリコン基板が得られる。
このようなシート形成法によって得られるシリコンシートの平均厚さは、100μmから1mmの範囲内に設定されることが好ましい。シリコンシートの厚さを100μm以上にすることにより、そのシートを利用した太陽電池の作製プロセスにおいて高いハンドリング性を得ることができる。また、シート厚を1mm以下にすることにより、シートの製造時間を短縮でき、低コストのシリコン板の提供が可能になる。シート製造の容易さの観点からは、シートの平均厚さが200〜600μmの範囲内にあることがより好ましい。かかるシリコン板を直接製造する際に用いる製造装置を、本発明の構成を有する製造装置とすることにより、表面形状や結晶構造等の良好なシリコン板を得ることができる。なお、シート形成法においては、シリコン板をシリコン融液から直接製造することにより、キャスト法の場合のようなシリコンインゴットのスライス工程等が不要である。
シート形成法においては、シリコン多結晶体を形成させる下地板の初期温度をシリコン融点(1415℃)よりも120℃から1000℃だけ低い温度範囲で制御すること、適当な厚さのグラファイト材料を用いることによって下地板の熱容量を適切にすること、下地板の加熱冷却を行う温度制御手段内に冷媒として気体を用いること、シリコン融液への下地板の浸漬時間を最適厚さのシリコンシートが得られるよう制御すること、さらには、下地板の表面の微細凹凸形状によりシリコン溶液の固化を促進させる等の基本的条件を設定することが好ましく、これらの条件を設定することにより、下地板の表面上に多結晶シリコンシートを高速かつ安定に形成することができる。
シート形成法に用いられる下地板の材質としては、例えば、グラファイトや、その表面に炭化珪素を熱CVD法で形成した下地板を用いることができ、このほかにも、窒化珪素のようなセラミックスや高温に耐える耐熱性金属や、セラミックスを部分的もしくは全面的にコートしたカーボン、セラミックス、または耐熱金属も使用することができ、このような下地板を用いることによって下地板とシリコンシートの剥離が容易に行え、良好な形状、特性のシリコンシートを得ることができる。
下地板の表面には、下地板の回転方向に沿った溝、または規則的もしくは不規則に配置した微細凹凸面などが形成されていてもよい。下地板の表面に形成された溝や微細凹凸面は、シリコンシートの成長を高速化する機能を有する。
シリコンシート製造時におけるシリコン融液の温度は、シートの成長条件との兼ね合い等に応じて、通常、過冷却温度の1380℃以上からより高温の1600℃までの範囲内(例えば、1450℃)に設定され得る。シリコン融液面が規定の高さになった後に、下地板の温度制御を行い、下地板の表面温度がシリコン融点に比べて1000℃から120℃だけ低い温度(例えば、1200℃)に安定化した状態で、その表面がシリコン融液に浸漬される。
本発明において用いられる原料融液は、通常、半導体や金属などの融液であり、半導体の融液としてはシリコン、GaAsなどの融液が挙げられ、中でもシリコン融液であることが好ましい。
さらに、図4を用いて本実施形態の別の例を説明する。この例は、第2の耐熱性容器、第1の耐熱性容器(坩堝)および供給管を備え、防波機構と原料供給機構とが別体として構成されている点で一致するが、第一の実施形態とは、防波機構の形状が液滴落下地点を部分的に取り囲む形状であり、閉じられていない形状である点で異なる。
図4(a)においては、図1に示した上記第一の実施形態と同様に、第2の耐熱性容器2に供給管6が接続されており、供給管6の取込口602は第2の耐熱性容器2に貯留された原料融液401の液面と同じ高さに接続され、供給管6の排出口601は第1の耐熱性容器中の原料融液403の上部に離れて位置している。このような構造とすることで、固体原料5を第2の耐熱性容器中の原料融液401に補充することにより溢れ出した原料融液402が供給管6の内壁の下側部分に沿って流れ、排出口601から滴下されることで、第1の耐熱性容器中の原料融液403へと供給される。
図4に示す例においては、防波機構301が板状体(水平方向の断面形状が直線の形状)であることを特徴とする。図4(b)は図4(a)のA−Aでの縦断面図であるが、防波機構301は図4(b)に示すような主面を有する板状体であり、熱遮蔽板302の下部に接し原料融液403に浸漬する位置に設置されている。この例では、防波機構301は図4(b)における横方向において、坩堝3の側壁から離れた状態であるが、板状の防波機構301の横幅を長くして両端が坩堝3の側壁に当接するようにしてもよい。
<第二の実施形態>
本実施形態は、第2の耐熱性容器、第1の耐熱性容器(坩堝)および供給管を備え、防波機構と原料供給機構とが別体として構成されている点で一致するが、第一の実施形態とは、坩堝と防波機構が一体となっている点が異なる。
本実施形態においては、坩堝および防波機構の水平断面図である図5(a)、(b)に示すように、坩堝3と防波機構301が一体となっており、原料融液の液滴落下地点404の周囲を取り囲んでいる。図5(a)は水平方向の断面形状がコの字型の防波機構301が坩堝3と一体となった形態、図5(b)は水平方向の断面形状が円弧状の防波機構301が坩堝3と一体となった形態を示している。
このような本実施形態の防波機構を用いることで、坩堝と防波機構の間に抜熱源となる障壁がなくなるために、抜熱による原料融液の凝固を抑制できる。また、本実施形態では坩堝と防波機構が一体となっている場合を説明したが、コの字型などの防波機構が坩堝の側壁に当接されているような構造においても、本実施形態と同様の効果が奏される。
また、本実施形態では、図5(a)、(b)に示すように、原料融液の液滴落下地点404と防波機構301との距離を長くしている。このように、原料融液の液滴落下地点404と防波機構301との距離を長くすることによって、液面に生じた波をある程度、防波機構と坩堝の間で広げ、波が弱まったところで防波機構によってその波を遮断するため、より結晶体製造範囲406の液面の揺れの程度を減ずることができる。
<第三の実施形態>
本実施形態は、防波機構の第1の耐熱性容器(坩堝)に対する設置位置を変更した実施形態である。
本発明は原料融液を液滴にして滴下して原料融液を供給するため、防波機構301の下から回り込んで液面に揺れを生じさせる恐れがある。本実施形態は、第2の耐熱性容器の液滴落下地点404と結晶体製造範囲406の距離を長くしたものである。すなわち、本実施形態は、図6(b)に示すように液滴落下地点404が結晶体製造範囲406に対して出来るだけ遠い位置となるように、液滴落下地点404、防波機構301および結晶体製造範囲406が配置された形態である。
図6(a)に示すように液滴落下地点404および防波機構301を結晶体製造範囲406の真横に配置するよりも、図6(b)に示すように液滴落下地点404および防波機構301を結晶体製造範囲406に対して斜めの位置に配置することにより、液滴落下地点404と結晶体製造範囲406の距離407を長くすることができ、防波機構301の下から回り込んで伝わる衝撃を減衰させ、結晶体製造範囲における液面の揺れの程度を減ずることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 下地板、2 第2の耐熱性容器、3 第1の耐熱性容器(坩堝)、301 防波機構、302 熱遮蔽板、4 原料融液、401 第2の耐熱性容器中の原料融液、402 供給管中の原料融液、403 第1の耐熱性容器中の原料融液、404 液滴落下地点、406 結晶体製造範囲、407 距離、41 シリコン基板、5 固体原料、6 供給管、601 排出口、602 取込口、7 基板製造装置、801 下地板交換位置、9 浸漬機構、901 昇降機構、902 懸垂支柱、903 回転機構、904 主軸支柱、905 主軸、906 動力伝達機構、907 回転モータ軸、908 台座支持部、10 主室、11 台座、12 供給管加熱機構。

Claims (11)

  1. 原料融液を貯留する第1の耐熱性容器と第2の耐熱性容器とを備え、該第2の耐熱性容器中の原料融液を前記第1の耐熱性容器中に供給する製造装置であって、
    前記第一の耐熱性容器中の原料融液の液面と離面しないように前記第一の耐熱性容器中に防波機構を設けることを特徴とする製造装置。
  2. さらに該第2の耐熱性容器中の原料融液を前記第1の耐熱性容器中に供給するための原料供給機構を備え、前記防波機構と該原料供給機構とが別体として構成されていることを特徴とする請求項1に記載の製造装置。
  3. 前記防波機構の水平方向の断面形状が、円弧、波型、直線または折れ線の形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の製造装置。
  4. 前記防波機構は、前記第2の耐熱性容器から原料融液が滴下される落下地点の前記第1の耐熱性容器中の原料融液の液面を取り囲むような障壁である、請求項1から3のいずれかに記載の製造装置。
  5. 前記第1の耐熱性容器と前記防波機構とが一体となっているか、または、互いに当接するように配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の製造装置。
  6. 前記第2の耐熱性容器中の原料融液の液滴が前記第1の耐熱性容器中の原料融液に落下する地点が、前記防波機構内であって、第1の耐熱性容器中の原料融液において結晶体が製造される範囲から遠い位置となるように、前記防波機構が配置されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の製造装置。
  7. 前記原料供給機構が前記第2の耐熱性容器に接続された供給管を含み、
    前記供給管の取込口が前記第2の耐熱性容器に貯留された原料融液の液面と同じ高さに位置することを特徴とする請求項2に記載の製造装置。
  8. 前記供給管内を加熱するための加熱機構をさらに備えた、請求項1から7のいずれかに記載の製造装置。
  9. 前記原料融液はシリコン融液である、請求項1から8のいずれかに記載の製造装置。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の製造装置を用いた多結晶体または単結晶体の製造方法。
  11. 前記第1の耐熱性容器中の原料融液に下地板を接触させて液相状態にある原料融液からの凝固によって直接的に多結晶体からなるシート状の基板を得る、請求項10に記載の製造方法。
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