JP2010207907A - プレス方法と装置 - Google Patents

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Kazunori Otoshi
和徳 大年
Takehisa Tokumitsu
偉央 徳光
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Abstract

【課題】既存のプレス装置の成形能力を増大することなく、型分割を利用し成形にマッチした能力を発揮させ、確実にプレスできるプレスする方法と装置を提供する。
【解決手段】ダイ2とポンチ3の内、ポンチ3を変位分割型4と固定分割型5とから構成し、変位分割型4の型面4aの高さを固定分割型5の型面5aの高さに対し変化させて加圧成形領域を調整し、各成形領域での成形に要する成形荷重をより低いものとし、1工程で製品全体をプレス成形することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、プレス加工時の成形荷重を低減するプレス方法と装置に関する。
近年、製品の軽量化を図るために、プレス用の鋼板は高強度化され、その成形荷重も増大していることから、プレス装置も成形能力の増大が求められている。しかし、既存のプレス装置の成形能力を増大することは、容易なことではないことから、成形品全体を一度に成形する通常の型より小さな型を用いて高強度鋼板を成形することになったり、通常の型により成形する場合には、本来必要な成形能力を発揮しないプレス装置で成形をすることを余儀なくされる。
したがって、プレス装置の成形能力が不足していると、高強度鋼板の成形は特定の製造ラインのみとなり、製造ラインが限定され好ましくなく、プレス装置の成形能力が過大あれば、非効率の生産になる。また、大きなプレス装置を流用して小物部品を成形すれば、材料や成形品の出し入れに小型部品用の搬送設備など付帯設備の増強が必要となり、型と加圧部分が寸法的にアンマッチなためプレス装置自体のバランスが崩れるおそれがある。
プレス加工においても、プレス装置が下死点まで成形できないこともあり、製品形状がきっちりと成形できなかったり、製品寸法も安定せず、成形条件によるバラツキが生じることになる。また、所望の精度を確保しようとすれば、高強度鋼板用として時間がかかる型修正を行わなければならないこともある。
このような問題に対処するために、本発明者は、型の分割という手法を案出するに至ったが、この型分割に近似する技術として下記特許文献1がある。
下記特許文献1では、プレス装置のスライドを分割し、1台の装置が複数の小型のプレス装置を有する構成とし、この小型のプレス装置を個々に上下動して下死点位置を変化させ、プレスを行うようにしたものが開示されている。
特開平5−008092号公報(請求項1及び段落番号「0015」など参照)
しかし、スライドの分割状態によっては、型の分割も制限を受けるため、部品に合った最適な型設定(例えば、型の分割位置、分割数の設定)は困難となり.しかも設備に合わせて加工しなければならないため汎用性に劣るという問題がある。また、既存のプレス装置に適用するためには、スライドの改造が必要となり、設備コストが非常に高くなる。
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、既存のプレス装置の成形能力を増大することなく、型分割を行うことにより成形にマッチした能力を発揮させ、確実にプレスできるプレス方法と装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に係るプレス装置は、相対的に近接離間する一対の型の一方の型を分割型により構成し、前記分割型の少なくとも1つを型面間距離が変化する変位分割型とし、他の分割型を型面間距離が変化しない固定分割型とし、前記変位分割型の外側に前記変位分割型に必要成形荷重が掛かるようにする弾性リング部材を設け、前記変位分割型を前記弾性リング部材によって、前記固定分割型の型面より出没変位させる支持機構により支持したことを特徴とする。
上記目的を達成する本発明に係るプレス方法は、相対的に近接離間する一対の型の一方の型を複数の部分に分割された分割型とし、前記分割型の少なくとも1つは型面が他の分割型の型面に対し高さが変化する変位分割型とし、当該変位分割型を前記他の分割型の型面より突出した状態でプレス加工を開始し、前記変位分割型の外側に設けられた弾性リング部材によって、必要成形荷重が掛かるような状態で当該変位分割型の加工が完了すると、該変位分割型の型面が前記他の分割型の型面より没し、前記他の分割型の型面によりプレス加工を行うことを特徴とする。
本発明によれば、分割型の一部を他の分割型の型面より高くした状態でブランク材を部分的にプレス加工し、この部分的な加工完了後に残りの分割型でプレス加工するので、ブランク材を所定領域毎に成形することになり、全体を一度に加工するときに必要となる最大成形荷重よりも低い成形荷重によってプレス加工することができる。この結果、既存のプレス装置の成形能力以上のプレス加工を1工程で行うことができる。
また、各領域毎の成形も1工程で下死点まで十分な成形が可能となるので、製品形状をきっちりと成形でき、製品寸法も安定し、成形条件によるバラツキが生じることもなく、製品形状の再現性が確保され、さらに、型修正を行なわなければならない事態が生じても、型のみの修正でよい。
特に、成形に要する最大荷重を低減(必要最大成形荷重の低減)させるに当り、型構造のみで対処できるため、部品毎あるいは部分毎の最適なプレスの設計(例えば、型の分割位置、分割数などの設定)が行え、設備上の制約や、特別な付帯設備の設置もなく、既存プレスで適用性あるいは汎用性が向上する。
更に、弾性リング部材によって、変位分割型の移動変位を確実に弾性リング部材に伝達でき、弾性リング部材固有の弾性特性を利用することで、製品などにより設定された所定の成形荷重によるプレス加工が確実にできる。
本発明の実施形態1に係るプレス装置の断面図である。 図1の2−2線に沿う矢視断面図である。 (A)〜(C)はプレス方法を工程順に示す断面図である。 実施形態2を示す要部断面図である。 実施形態3を示す要部断面図であり、(A)〜(D)は同実施形態3の弾性リング部材の移動状態を示す概略断面図である。 弾性リング部材を説明するための斜視図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
<実施の形態1>
図1に示すように、本実施形態のプレス装置1は、上型(ダイ)2と、下型(ポンチ)3と、ブランクホルダ4とを有している。ダイ2とポンチ3は、例えば、自動車のセンターピラーのように中央部分と両端部の形状が相違するような製品を成形する大きさを有するものであるが、ポンチ3は、中央の円形状をした分割型と、その周囲に配置された分割型という2つの型に分割されている。
中央の分割型は、支持機構10により支持され、周囲の分割型の型面に対し高さが変化するように構成されているため、本明細書では変位分割型4と称し、周囲に配置された分割型は位置固定であるため固定分割型5と称すこととする。
支持機構10は、変位分割型4の下面に設けられ、変位分割型4を固定分割型5の型面5aより出没させるもので、第1弾性部材11と、カム部材12と、バックアップ部材13と、弾性リング部材15と、第2弾性部材16と、を有している。
まず、カム部材12は、中空円筒状をしており、外周面にそれぞれ傾斜角が相違する第1カム面C1、第2カム面C2及び第3カム面C3を有している。これらカム面C1〜C3には1つのカムフォロア17が当接するが、カムフォロア17は、カム面C1によりダイ2からのプレス荷重により高さが変化する変位分割型4の変位方向(上下方向)に直交する方向(放射方向)に変位され、後述するように弾性リング部材13により移動変位が規制され、変位分割型4に所定のプレス荷重が作用するようにしている。
本実施形態のカム部材12は、図2に示すように、周囲が固定分割型5により囲まれているので、取出しなどが円滑にできるように、放射方向に伸びる分割線により4分割され、相互間に形成された隙間Gにより拡開−縮小移動可能とされている。カム部材12の中心孔18内には、カム部材12が縮小した後に元の状態に復位させるためのバックアップ部材13が収容されている。なお、カム部材12の拡開−縮小移動をさらに確実にするためには、支持ブロック14に放射方向に伸びる溝部(不図示)を形成し、カム部材12の下面に設けられた凸部と凹凸嵌合させてもよい。
第1弾性部材11は、ばねあるいはゴムなどにより構成されたもので、変位分割型4の下面側に当接配置された支持ブロック14及びカム部材12を介して変位分割型4を上方に弾発し、変位分割型4の型面4aを固定分割型5の型面5aより突出させるためのものである。第2弾性部材16もばねあるいはゴムなどにより構成されているが、第2弾性部材16は、各カム部材12をバックアップ部材13に向けて弾発するためのものである。
バックアップ部材13は、上下方向に伸延する軸線を有する円柱状の頭部19と、頭部19を上下方向に移動させる駆動源であるシリンダ20とからなり、頭部19の上部外周面には、相互に近接し縮小したカム部材12を元の位置に戻すためのテーパ面19aが形成されている。テーパ面19aは、カム部材12の中心孔17内周面下部に形成されたテーパ面12aと当接するように形成され、シリンダ20により頭部19が上動することにより、4つのカム部材12を一括して放射方向外方に移動させたり、頭部19の下動により、第2弾性部材16の弾発力を4つのカム部材12に作用させ、4つのカム部材12を放射方向内方に移動させるようになっている。
弾性リング部材15は、変位分割型4に必要成形荷重が掛かるようにカムフォロア17の放射方向変位を規制するもので、カムフォロア17が内周面に当接しているリング状の弾性体である。
変位分割型4に作用する成形荷重は、例えば、自動車部品を成形するプレス装置では、700トン〜1000トンという大きな力が必要となることがあるが、弾性リング部材15は、このような大きな力を受け、カムフォロア17の放射方向変位を規制し、成形荷重を変位分割型4に作用させるものであるため、高強度の金属材料や合成樹脂などを用いて形成してあり、しかも、これら材料が変形を受けても元の状態に戻る弾性限界内で使用するようになっている。金属材料としては、鉄、チタン合金などが好ましいが、他の金属であってもよい。ただし、成形荷重が数キログラム〜数10トン程度であれば、ゴムあるいは合成樹脂を使用することもできる。
なお、図1において、符号「21」はブランクホルダ、「W」はブランク材、「22」は基板、「23」はスペーサブロックである。
次に、本実施形態のプレス方法を、図3を参照して工程順に説明する。なお、ここではブランク材Wの表示を省略している。
(準備工程)
まず、図3(A)に示すように、バックアップ部材13のシリンダ20を作動し、頭部19を上昇させ、カム部材12を放射方向外方に拡張する。これによりカムフォロア17はカム部材12の第1カム面C1に当接した状態になる。
この結果、第1弾性部材11の弾発力により、支持ブロック14及びカム部材12を介して変位分割型4の型面4aが固定分割型5の型面5aより突出した状態(突出量を「Xmm」で表示)になる。
なお、この突出量(Xmm)は、極力少ないことが好ましい。突出量が大きいと、変位分割型4による加工から固定分割型5による加工に移行するタイミングを取り易いが、変位分割型4と固定分割型5とにより加工された境界部分に段差が生じるおそれがある。突出量が小さいと、前記タイミングを取りにくいが、段差が生じるおそれが少なく、仕上がりの良好な製品が得られるからである。
(第1加圧成形工程)
次に、ブランク材Wをセットした後、ダイ2の下降を開始すると、ブランク材Wの外周縁がブランクホルダ21に保持される。そして、変位分割型4との間の設けられたブランク材Wの中心部分が、プレス装置が発揮できる所定の成形荷重Fで成形されることになる。この成形に伴って変位分割型4も第1弾性部材11の弾発力に抗して下降する。つまり、変位分割型4は、ダイ2により加圧され、第1カム面C1でカムフォロア17を放射方向外方に移動させつつ、自身も下降しながら成形を行うことになる。
ここに、変位分割型4に作用する成形荷重Fは、カム部材12及びカムフォロア17を介して弾性リング部材15に伝達され、弾性リング部材15は外方に拡張するが、この拡張による変形は弾性限界内での変形である。しかし、弾性リング部材15は、保有する剛性によりカムフォロア17の放射方向変位を規制し、成形荷重を変位分割型4に作用させるため、所定の成形荷重Fがブランク材Wに作用する。
この成形は、突出した状態の変位分割型4の型面4aとダイ2との間で行われ、ブランク材Wは一部分のみの加工となるので、ブランク材Wを全体に渡って加工するほどの成形荷重は必要ではなく、ブランク材Wを全体に渡って加工に要する成形能力を有していないプレス装置であっても成形可能となる。つまり、この成形は、成形能力不足のプレス装置であっても、その成形能力の範囲での成形が可能となるので、成形条件に見合った製品形状をきっちりと成形でき、バラツキが生じることもなく、製品形状の再現性が確保される。
そして、変位分割型4が、突出量(Xmm)が0となる位置まで下降すると、カムフォロア17がカム部材12の第2カム面C2に当接することになり、変位分割型4は、弾性リング部材15による保持力を失い、一挙に下降し、変位分割型4でのプレス加工は完了する。また、この下降によりカムフォロア17が第2カム面C2と第3カム面C3との間の凹部に嵌り込み、カム部材12を固定し、変位分割型4の下降位置を保持する。これによりブランク材Wの中心部分の第1加圧成形工程が完了する。
(第2加圧成形工程)
さらに、ダイ2を下降すると、図3(B)に示すように、成形荷重Fは固定分割型5の型面5aに作用することになり、ブランク材Wの残りの周辺部分がダイ2と固定分割型5とにより加圧成形される。したがって、固定分割型5による加圧成形が完了すると、ブランク材W全体の加圧成形が1工程で完了することになる。この加圧成形も、変位分割型4での加工と同様、プレス装置の成形能力の範囲での成形となり、成形条件に見合った製品形状をきっちりと成形でき、バラツキが生じることもなく、製品形状の再現性が確保される。
(戻り工程)
ブランク材W全体の加圧成形が完了すると、変位分割型4を元に戻すことになるが、カムフォロア17がカム部材12を固定しているので、この戻しは、まず、図3(C)に示すように、バックアップ部材13のシリンダ20を動作し、頭部19を下方に移動させる。
これにより頭部19の上部外周面に形成されているテーパ面19aが、カム部材12のテーパ面12aと当接し、カム部材12は、第1弾性部材11の弾発力により放射方向内方に移動され、しかも、第2弾性部材16の弾発力により上方にも移動されることになる。したがって、変位分割型4は、カム部材12により上方に押され、固定分割型5の型面5aより突出した元の位置に戻されることになる。
カム部材12の戻りにより弾性リング部材15も放射方向外方への力が解除されるので、弾性変形して内方に戻され、カムフォロア17もカム部材12の第1カム面C1に当接することになる。
<実施の形態2>
前述した支持機構10は、作動の確実性を確保するため、変位分割型4の昇降を、バックアップ部材13、カム部材12、カムフォロア17、第1、第2の弾性部材11、16などを使用しているが、本実施形態2では、構成をより簡素化したものである。なお、図4は実施形態2を示す要部断面図であり、ここでは、ダイ2の表示は省略しており、また、図4、図5においては、図1〜3に示す部材と共通する部材には、同一符号を付し、以下、説明は省略する。
本実施形態2の支持機構10Aは、図4に示すように、変位分割型4に螺合されたネジ軸30と、ネジ軸30を回転し、変位分割型4を固定分割型5の型面5aより出没させるモータなどの駆動源31と、を有している。
ネジ軸30の上端部は、変位分割型4に形成されたネジ孔32に螺合され、下端部は、基板22を挿通して駆動源31と連結されている。ただし、変位分割型4は、弾性リング部材15に保持されているが、成形荷重が作用すると、下方に変位するので、ネジ軸30や駆動源31は、弾性的に支持することが好ましい。
この変形例の準備工程では、図4に示すように、ネジ軸30を作動するのみで、変位分割型4を固定分割型5の型面5aより突出した状態(突出量を「Xmm」で表示)にすることができる。
次に、第1加圧成形工程では、加工中、変位分割型4は、弾性リング部材15により直接保持されることになる。なお、下降しつつ成形することは前述の実施形態と同様である。また、第2加圧成形工程も、同様であるが、前述の実施形態のように急激に変位分割型4の高さ位置を変化させることはできない。しかし、変位分割型4の高さ位置はモータにより精度良く制御できるので、実質的に問題はない。ただし、変位分割型4の加工から固定分割型5の加工にさらに確実な変換が好ましい場合には、後述の実施形態3における弾性リング部材15は落下する段部41(一点鎖線で示す)をスペーサブロック23に形成してもよい。なお、この場合も後述の実施形態3と同様、戻し手段42としてのクッションピンを設けることが好ましい。
戻り工程では、駆動源31を逆転するのみで、変位分割型4を元の位置まで戻すことができる。
<実施形態3>
本実施形態3の支持機構10Bは、図5(A)に示すように、変位分割型4を、弾性リング部材15により直接保持すると共に、弾性リング部材15を基板22上に設けられたボールベアリングなどのような摩擦低減部材40に載置したものである。これにより弾性リング部材15は、極めて円滑に変位(拡張と収縮)することになる。
また、本実施形態3の弾性リング部材15は、基板22の外周縁部に形成された段部41に落下するように構成されている。カムフォロア17の放射方向外方への変位により弾性リング部材15が拡張変位したとき、変位分割型4の加工から固定分割型5の加工に変換するために、急激に変位分割型4の高さ位置を変化させる必要がある。このため、基板22の上面にはボールベアリングなどのような摩擦低減部材40を設け、弾性リング部材15が円滑に段部41に落下するようにしている。ただし、段部41に落下した弾性リング部材15は、元の位置に戻す必要があるので、基板22にはクッションピンのような戻し手段42が設けられている。
実施形態3では、図5(A)に示すように、変位分割型4が弾性リング部材15上に載置された状態が、固定分割型5の型面5aより突出した状態になっているので、前述したような準備工程は不要である。
次に、第1加圧成形工程では、図5(B)に示すように、加工中、変位分割型4は、弾性リング部材15により保持され、下降しつつ成形を行う。弾性リング部材15は、摩擦低減部材40に支持されているので、極めて円滑に変位(拡張)することができる。
第2加圧成形工程では、図5(C)に示すように、弾性リング部材15が摩擦低減部材40による影響もあって段部41に円滑に落下するので、前述の実施形態と同様、急激に変位分割型4の高さ位置が変化する。
戻り工程では、図5(D)に示すように、クッションピン42により変位分割型4を段部41から上昇し、元の位置まで戻すことができる。
上述した実施形態は、下記のような効果を奏する。
・本実施形態のプレス方法及び装置では、変位分割型を固定分割型の型面より高くした状態でブランク材を部分的にプレス加工し、この加工完了後に固定分割型でプレス加工するので、ブランク材を所定領域毎に成形することになり、全体を一度に加工するときに必要となる成形荷重よりも低い成形荷重によってプレス加工することができる。この結果、既存のプレス装置の成形能力以上のプレス加工を1工程で行うことができる。
また、各領域毎の成形も1工程で下死点まで十分な成形が可能となるので、製品形状をきっちりと成形でき、製品寸法も安定し、成形条件によるバラツキが生じることもなく、製品形状の再現性が確保され、さらに、型修正を行なわなければならない事態が生じても、型のみの修正でよい。
特に、製品の成形に要する最大荷重を低減(必要最大成形荷重の低減)させるに当り、型構造のみで対処できるため、製品の部品毎あるいは部分毎において最適なプレスの設計(例えば、型の分割位置、分割数などの設定)が行え、設備上の制約もないため、特別な付帯設備を要することなく、既存プレスで適用でき、汎用性も向上する。
・実施形態1の支持機構を、変位分割型の下部で、外周面にカム面が形成されたカム部材と、変位分割型の前記出没変位する方向に直交する放射方向に前記カム面により押されるカムフォロアと、前記変位分割型を前記固定分割型の型面より突出するように前記カム部材を介して前記変位分割型を弾発する第1弾性部材と、前記カムフォロアの放射方向変位を規制し、前記変位分割型に必要成形荷重が掛かるようにする弾性リング部材と、から構成すると、変位分割型の移動変位を確実に弾性リング部材に伝達でき、製品などにより設定された所定の成形荷重によるプレス加工が確実にできる。
・実施形態1の支持機構ように、複数個に分割配置した前記カム部材と、当該カム部材の中心部分に設けられたバックアップ部材と、前記各カム部材を前記バックアップ部材に向けて弾発する第2弾性部材と、前記バックアップ部材を移動させる駆動源と、から構成すれば、前記変位分割型の移動変位後、バックアップ部材を用いて元の状態に容易に戻すことができる。
・実施形態2の支持機構ように、ネジ軸と、このネジ軸を回転させる駆動源と、から構成すれば、前記変位分割型の移動変位を簡素な機構で構成でき、変位分割型による加工から固定分割型による加工への切り替えるタイミングを取り易くなり、精度的にも仕上がり性の面でも良好なプレス加工を行うことができる。
・実施形態3の支持機構ように、前記変位分割型にカム面を形成し、このカム面により押されるカムフォロアの放射方向変位を弾性リング部材により規制すると、きわめて簡単な構成で、既存のプレス装置の成形能力以上のプレス加工を1工程で行うことができ、製品形状をきっちりと成形でき、製品寸法も安定し、成形条件によるバラツキが生じることもなく、製品形状の再現性が確保され、型修正の面でも有利となる。
・実施形態3の支持機構において、基板に摩擦低減部材を設けて弾性リング部材を支持し、前記基板の外周縁部に段部を形成すると共に、この段部にクッションピンを設けると、変位分割型による加工から固定分割型による加工への切り替えが容易にでき、精度的にも仕上がり性の面でも良好なプレス加工となる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲内で種々改変することができる。例えば、上述した実施形態の型は、上下方向に相対的に移動するダイとポンチであるが、これのみに限定されるものではなく、相対的に移動する一対の型であればどのようなものであってもよい。したがって、変位分割型の高さを固定分割型の型面より高くする点に関しても、一対の型の型面距離が大小となればよい。また、型の分割も、中央部分とその周辺という2分割のみでなく、種々の分割方法や分割数で行うこともできる。
<実施例>
弾性リング部材15の実施例を下記する。
図6に示すように、弾性リング部材15の各部の大きさを設定し、成形荷重Fが800トン、第1カム面に傾斜角が45度とし、チタン合金により弾性リング部材15を形成した。
この弾性リング部材15においては、
内径Rは200mm、高さLは50mm、周方向応力σ2は63.7N/mm、板厚tは約27mm、降伏応力920N/mmである。
本発明は、既存のプレス装置の成形能力を増大することなく、型分割を利用し成形にマッチした能力を発揮させたプレスができる。
2…ダイ(上型)、
3…ポンチ(下型)、
4…変位分割型、
4a…変位分割型の型面、
5…固定分割型、
5a…固定分割型の型面、
10、10A、10B…支持機構、
11…第1弾性部材、
12…カム部材、
12a…テーパ面、
13…バックアップ部材、
15…弾性リング部材、
16…第2弾性部材、
17…カムフォロア、
18…中心孔、
19…頭部、
19a…テーパ面、
20…シリンダ(駆動源)、
30…ネジ軸、
31…モータ(駆動源)、
40…摩擦低減部材、
41…段部、
42…クッションピン(戻し手段)、
C1、C2、C3…カム面。

Claims (7)

  1. 相対的に近接離間する一対の型の一方の型を複数の部分に分割した分割型により構成してなるプレス装置であって、
    前記分割型は、少なくとも1つが前記一対の型の他方の型に対する型面間距離が変化する変位分割型とし、他の前記分割型を前記他方の型に対する型面間距離が変化しない固定分割型としてなり、
    前記変位分割型の外側には、前記変位分割型に必要成形荷重が掛かるようにする弾性リング部材が設けられ、
    前記変位分割型を前記弾性リング部材によって、前記固定分割型の型面より出没変位させる支持機構により支持したことを特徴とするプレス装置。
  2. 前記支持機構は、
    前記変位分割型の反型面側に当接するように配置され、外周面にカム面が形成されたカム部材と、
    当該変位分割型の前記出没変位する方向に直交する放射方向に前記カム面により押されるカムフォロアと、
    前記変位分割型を前記固定分割型の型面より突出するように前記カム部材を介して前記変位分割型を弾発する第1弾性部材と、
    を有し、
    前記弾性リング部材は、前記カムフォロアの放射方向変位を規制し、前記変位分割型に必要成形荷重が掛かるようにする請求項1に記載のプレス装置。
  3. 前記支持機構は、
    前記変位分割型の前記出没変位する方向に直交する放射方向に拡開−縮小するように複数個に分割して配置した前記カム部材と、
    当該カム部材の中心部分に設けられ、前記変位分割型の前記出没変位する方向に伸延する軸線を有しかつ前記カム面に対応するカム面を有する円柱状のバックアップ部材と、
    前記各カム部材を前記バックアップ部材に向けて弾発する第2弾性部材と、
    前記バックアップ部材を前記軸線方向に移動させる駆動源と、
    を有することを特徴とする請求項2に記載のプレス装置。
  4. 前記支持機構は、
    前記変位分割型の反型面側の外周面に形成されたカム面と、
    当該変位分割型の前記出没変位する方向に直交する放射方向に前記カム面により押されるカムフォロアと、
    を有し、
    前記弾性リング部材は、当該カムフォロアの放射方向変位を規制し、前記変位分割型に必要成形荷重が掛かるようにする請求項1に記載のプレス装置。
  5. 前記支持機構は、
    前記反型面側の外周面にカム面が形成され、当該カム面により押されるカムフォロアの放射方向変位を規制し、前記変位分割型に必要成形荷重が掛かるようにする前記弾性リング部材が載置される基板と、
    当該基板に設けられ、前記弾性リング部材が接する摩擦低減部材と、
    前記基板の外周縁部に形成され、前記カムフォロアの放射方向外方への変位により前記弾性リング部材が落下するように形成された段部と、
    前記段部に設けられ、前記落下した前記弾性リング部材を元の位置に復位させるクッションピンと、
    を有する請求項1に記載のプレス装置。
  6. 前記支持機構は、
    前記変位分割型に螺合されたネジ軸と、当該ネジ軸を回転し、前記変位分割型を前記他の分割型の型面より出没させる駆動源と、
    を有する請求項2に記載のプレス装置。
  7. 相対的に近接離間する一対の型の一方の型を複数の部分に分割された分割型により構成し、当該分割型の内、少なくとも1つは型面が他の分割型の型面に対し高さが変化する変位分割型とし、当該変位分割型を前記他の分割型の型面より突出した状態でプレス加工を開始し、前記変位分割型の外側に設けられた弾性リング部材によって、必要成形荷重が掛かるような状態で当該変位分割型の加工が完了すると、該変位分割型の型面が前記他の分割型の型面より没し、前記他の分割型の型面によりプレス加工を行うことを特徴とするプレス方法。
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WO2021100276A1 (ja) 2019-11-20 2021-05-27 Jfeスチール株式会社 プレス成形金型

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