JP2010197088A - 2軸チルトステージ - Google Patents

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Abstract

【課題】2軸チルトステージにおいて、良好な操作性を有するとともに省スペース化を図ることができるようにする。
【解決手段】2軸チルトステージ1は、基台11、傾斜台12、支点部20と、および駆動部30A、30Bを備え、駆動部30A、30Bは、駆動子33A、33Bをつまみ32の単位回転量当たり異なる送りピッチで進退させる直動部と、駆動子33A、33Bの進退移動量を、回動方向の移動量に所定の変換比tanφで変換して傾斜台12に伝達する傾斜ブロック34とを備え、各傾斜ブロック34は、各基準位置作用点q、pが、回動軸から互いに異なる距離だけ離間されるように設けられ、これらの距離の比に応じて、所定送りピッチを互いに異なる値に設定することで、傾斜台12の2軸方向の傾斜角の調整感度が略同一とされた構成とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、2軸チルトステージに関する。例えば、干渉計の光学素子の位置調整などに好適に用いることができる2軸チルトステージに関する。
従来、干渉計の被検体やレンズなどの位置調整や、露光装置のウエハ位置決めなどでは、2軸チルトステージが用いられている。
例えば、特許文献1には、被検体であるガラスディスクを載置する移動ステージをチルトさせるため、移動ステージを保持する正方形板状のチルト基板と、チルト基板に対向して配置された正方形板状のプレートとを備え、プレートの1角にチルト基板を支持するピボット部が形成され、ピボット部が設けられた1角と隣り合い、互いに対角位置をなす2箇所の角部に、それぞれ、プレートとの対向方向に進退可能に設けられた傾き調整つまみが取り付けられ、プレートとチルト基板との間に圧縮ばねが介装されてなるチルトステージが記載されている。
このチルトステージでは、2箇所の傾き調整つまみの進退量を調整することによって、プレートに対するチルト基板の2軸方向の傾斜角を微小変化させることができるようになっている。
特開2001−91233号公報
しかしながら、上記のような従来の2軸チルトステージには、以下のような問題があった。
干渉計の被検体やレンズなどの位置調整や、露光装置のウエハ位置決めなど用いる2軸チルトステージでは、ステージ面の2軸方向の傾斜角を高精度に調整する必要がある。このため、調整作業の作業効率を高めるために、良好な操作性を備える必要がある。
特許文献1に記載の技術では、ピボット部と、各傾き調整つまみとが、正方形板状のプレートの3つの角部にそれぞれ設けられ、かつ、傾き調整つまみは、互いに対角位置に設けられる。これにより、各傾き調整つまみの進退量と2軸方向のチルト量とが一致されている。したがって、2軸方向のチルト量の調整感度が一致する点では、良好な操作性を有している。
しかしながら、このような構成では、傾き調整つまみが対角位置に配置されているため、より操作性を向上するために各傾き調整つまみの大きさを大きくしようとすると、傾き調整つまみ同士の距離を離す必要がある。このため、プレートの外形が大きくなり、装置が大型化してしまうという問題がある。この場合、個々の傾き調整つまみの操作性は向上するが、互いのつまみの位置が離れてしまうため、作業効率は悪化してしまう。
特に、特許文献1の装置のように、中心に測定光の光路を有する場合には、傾き調整つまみが光路に干渉しないように、傾き調整つまみをさらに外周側に配置する必要があるため、装置は一層大型化し、作業効率も悪くなってしまう。
傾き調整つまみを対角位置からずらして配置することで、プレートの大きさを低減し、各傾き調整つまみの位置をずらすことも考えられるが、ピボット部に対する距離を変えると、各傾き調整つまみの調整感度が互いに異なるものとなるので、所望の角度にチルトさせる場合に、チルトさせる方向によって、傾斜調整つまみの調整量(回転量)が違ってくるため、操作性が悪化するという問題がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、良好な操作性を有するとともに省スペース化を図ることができる2軸チルトステージを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、傾斜の基準面を有する基台と、該基台の前記基準面と反対側に対向して配置された傾斜台と、前記基台と前記傾斜台との間に設けられ前記傾斜台を前記基台に対して回動可能に支持する支点部と、前記傾斜台を前記支点部の中心を通る2つの回動軸回りにそれぞれ回動させて、前記基台に対する前記傾斜台の2軸方向の傾斜角を変化させる2つの傾斜駆動機構とを備える2軸チルトステージであって、前記傾斜駆動機構は、前記基台に設けられ、棒状の駆動子を該駆動子の軸方向に進退させる直動部と、該直動部の進退移動量を調整する調整部と、前記直動部の前記駆動子の先端の進退移動量を、前記回動軸回りの回動方向の移動量に所定の変換比で変換して前記傾斜台に伝達する回動力伝達部とを備え、前記2つの傾斜駆動機構の各回動力伝達部は、前記傾斜台の傾斜角変化の基準位置の状態における回動力の伝達位置である各基準位置作用点が、前記回動軸から互いに異なる距離だけ離間されるように設けられ、
前記2つの傾斜駆動機構は、前記各基準位置作用点の前記回動軸からの距離の比に応じて、前記各調整部の単位調整量当たりの前記各駆動子の進退移動量、および前記各回動力伝達部の前記各所定の変換比の少なくともいずれかを、互いに異なる値に設定して、前記各調整部による前記傾斜台の2軸方向の傾斜角の調整感度が略同一となるようにした構成とする。
ここで、「2軸方向の傾斜角の調整感度が略同一」とは、調整部の単位調整量に対する傾斜角の変化量の大きさが、2つの傾斜駆動機構の間で略同一であることを意味する。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の2軸チルトステージにおいて、前記2つの傾斜駆動機構の前記回動力伝達部は、前記駆動子の先端が摺接されるガイド溝を有し、該ガイド溝の延設方向が、前記駆動子の軸方向および前記傾斜台の被傾斜面に対して傾斜された傾斜ブロックからなる構成とする。
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の2軸チルトステージにおいて、前記各傾斜ブロックの前記ガイド溝の延設方向の勾配を互いに等しくすることで、前記各所定の変換比の大きさを一致させるともに、前記2つの傾斜駆動機構における前記調整部の単位調整量当たりの前記駆動子の進退移動量の比率を前記基準位置作用点の前記回動軸からの距離の比率に一致させた構成とする。
請求項4に記載の発明では、請求項2に記載の2軸チルトステージにおいて、前記各調整部の単位調整量当たりの前記駆動子の進退移動量を一致させるとともに、前記2つの傾斜駆動機構における前記傾斜ブロックの前記ガイド溝の延設方向の勾配の比率を前記基準位置作用点の前記回動軸からの距離の比率に一致させた構成とする。
請求項5に記載の発明では、請求項1〜4のいずれかに記載の2軸チルトステージにおいて、前記傾斜駆動機構の前記直動部は、前記駆動子が、前記基台および前記傾斜台に挟まれる位置に配置された構成とする。
請求項6に記載の発明では、請求項1〜5のいずれかに記載の2軸チルトステージにおいて、前記2つの傾斜駆動機構の前記各調整部は、回転操作によって前記直動部の進退量を調整する回転操作部材を備え、前記2つの傾斜駆動機構の前記各直動部は、前記回転操作部材の単位回転量に応じて、前記駆動子が一定の送りピッチでねじ送りされるねじ送り機構を備える構成とする。
請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の2軸チルトステージにおいて、前記傾斜駆動機構の前記回転操作部材は、前記基台および前記傾斜台の側方に設けられた構成とする。
請求項8に記載の発明では、請求項7に記載の2軸チルトステージにおいて、前記基台および前記傾斜台は、略矩形板状の部材からなり、前記2つの傾斜駆動機構の前記直動変換機構の前記駆動子の進退方向が、それぞれ前記基台および前記傾斜台の短辺に略沿う方向に設けられ、前記2つの傾斜駆動機構の前記回転操作部材が、それぞれ前記基台および前記傾斜台の一方の長辺側の側方に設けられた構成とする。
本発明の2軸チルトステージによれば、回動軸からの距離が互いに異なる位置にそれぞれの回動力伝達部の基準位置作用点が位置するため、基台の形状、大きさや、2つの傾斜駆動機構の配置位置の設定が容易となるとともに、2つの傾斜駆動機構の傾斜角の調整感度が略同一であるため、良好な操作性を有するとともに省スペース化を図ることができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態に係る2軸チルトステージの模式的な平面図である。 図1のA−A断面図およびB−B断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る2軸チルトステージの回動力伝達部の模式的な斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る2軸チルトステージの一方の傾斜駆動機構の回動軸に直交する断面における模式的な動作説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る2軸チルトステージの他方の傾斜駆動機構の回動軸に沿う方向の断面、および回動軸に直交する方向の断面における模式的な動作説明図、である。 本発明の第2の実施形態に係る2軸チルトステージの模式的な平面図である。 図4のC−C断面図およびD−D断面図である。
以下では、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る2軸チルトステージについて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る2軸チルトステージの模式的な平面図である。図2(a)、(b)は、それぞれ図1のA−A断面図およびB−B断面図である。図3は、本発明の第1の実施形態に係る2軸チルトステージの回動力伝達部の模式的な斜視図である。
本実施形態の2軸チルトステージ1は、例えば、光学機器の光軸調整、干渉計の光学素子の位置調整や露光装置のウエハの位置決めなどのため、ステージの被傾斜面の2軸方向の傾斜角を高精度に調整する場合に好適となるものである。このような用途では、傾斜角の変化範囲は、例えば、±1°程度の範囲の微小角となっている。
2軸チルトステージ1の概略構成は、図1、図2(a)、(b)に示すように、基台11、支点部20、傾斜台12、駆動部30A、30B(傾斜駆動機構)、およびコイルばね40からなる。
基台11は、2軸チルトステージ1の底部を構成するもので、本実施形態では、一例として、矩形の板状部材からなる。基台11の下面である基準面11aは、2軸チルトステージ1の傾斜の基準面を構成するとともに、例えば干渉計等の他の装置への設置面を兼ねている。
基準面11aと反対側の上面11b上には、基台11の1つの隅部において、傾斜台12を回動可能に支持するための支点部20が設けられている。
支点部20は、図2(a)に示すように、良好な真球度を有する鋼球23、および受け台22a、22bからなる。
受け台22aは、下面側が基台11の上面11bの隅部に固定されている。また、受け溝22aの上面側には鋼球23を一定位置に固定するため、半球状あるいはすり鉢状などの凹部形状からなる受け溝22cを備えている。本実施形態の鋼球23は受け溝22cに固着され、受け台22aと一体化されている。
受け台22bは、例えば、すり鉢状あるいは半球状など、鋼球23の表面に摺接して鋼球23の中心O回りに回動可能とされた凹部形状からなる受け溝22dを備える。
受け溝22dの反対側の面は、後述する傾斜台12の下面12bに固定されている。そして、受け溝22dは、受け台22aと一体化された鋼球23の中心O回りに回動可能に係止されている。
以下では、このように受け台22a、22bで挟持された鋼球23の中心Oを、支点部20の中心Oと称する。
傾斜台12は、基台11と略同一の大きさを有する矩形の板状部材であり、基台11の基準面11aと反対に対向して配置されている。傾斜台12および基台11の大きさは、必ずしも同じである必要はないが、以下では、簡単のため、傾斜台12が基台11と同一の大きさを有し、それぞれの平面視の外形が、互いに重なり合うように対向して配置されているものとして説明する。
傾斜台12の上面は、基台11の基準面11aに対して傾斜させる面である被傾斜面12aを構成している。被傾斜面12aは、例えば、ミラーなどの光学素子やウエハなどのチルト調整を要する被検体を直接載置できるようになっていてもよいし、例えば、被検体であるレンズなどの光学素子を保持する保持治具などを載置できるようになっていてもよい。このため、被傾斜面12aの形状は、平面のみには限定されず、例えば、保持治具などを位置決めしたり固定したりするための適宜の凹凸形状や、ねじ穴等が設けられていてもよい。
被傾斜面12aの裏面である下面12bには、受け台22aに対向する位置に支点部20の受け台22bが固定されている。
駆動部30Aは、支点部20の中心Oを通り、基台11の基準面11aに平行で、基台11および傾斜台12の長辺に略平行な直線L回りに、基準面11aに対する傾斜台12の傾斜角を変化させるための傾斜駆動機構である。直線Lは、駆動部30Aのみによって傾斜台12の傾斜角を変化させる場合の回動軸である。
本実施形態の駆動部30Aは、図2(a)に示すように、駆動子33A、ナット板31A、つまみ32(回転操作部材)、および傾斜ブロック34(回動力伝達部)を備える。
以下では、基準面11aに対して被傾斜面12aが平行となる位置を中心として、微小な角度±θの範囲で傾斜角を変化させる場合の例で説明する。すなわち、図1、図2(a)、(b)に示すような基準面11aに対して被傾斜面12aが平行となる位置(被傾斜面12aの傾斜角が0°)が、傾斜角変化の基準位置である場合の例で説明する。
ただし、これは一例であって、傾斜角変化の基準位置は、0°以外の傾斜角に設定してもよいし、傾斜角変化の基準位置からの傾斜角変化範囲は非対称であってもよい。
駆動子33Aは、先端側に半球状の先端突起33cを有し、後端側の外周部にねじピッチがdの雄ねじ部33aが形成された棒状部材である。
ナット板31Aは、基台11の支点部20からより離れた側の長辺近傍の上面11b上に、支点部20と対向する位置に立設された板状の支持部材であり、駆動子33Aの雄ねじ部33aと螺合する雌ねじ部31aが設けられている。
ナット板31Aの雌ねじ部31aは、基準面11aに平行な平面内において、支点部20の中心Oを通り、直線Lと直交する直線Lに、雌ねじ部31aの中心軸線が同軸となる位置に設けられている。
本実施形態では、直線Lは、基台11および傾斜台12の短辺に略平行な直線となっている。
つまみ32は、駆動子33Aをその中心軸回りに回転させる回転操作を行うため、駆動子33Aの先端突起33cと反対側の端部において駆動子33Aと固定された円板状の部材である。円板の中心軸は、駆動子33Aの中心軸線と同軸に整列されている。
このような構成により、つまみ32を回転させると、ナット板31Aに螺合された駆動子33Aが回転角に応じて軸方向に螺進される。このため、駆動子33Aおよびナット板31Aは、駆動子33Aを直線L上で進退する直動運動を行うねじ送り機構を構成しており、つまみ32は回転操作部材を構成している。
また、駆動子33A、およびナット板31Aは、基台11に設けられ、棒状の駆動子33Aを駆動子33Aの軸方向に進退させる直動部を構成している。
本実施形態では、つまみ32は駆動子33Aに直結されているため、つまみ32を一回転させると、駆動子33Aが、雄ねじ部33aのねじピッチdだけ進退するようになっている。以下では、ねじピッチdを駆動部30Aの送りピッチdと称する場合がある。
傾斜ブロック34は、図2(a)、図3に示すように、外形が直角三角形状の板部材の斜辺部に、ガイド溝として先端突起33cが摺接可能なV溝34bを備える部材であり、斜辺に隣接する一辺である固定部34aにおいて、傾斜台12の下面12bに傾斜台12と一体に固定されている。
V溝34bは、V字状の溝内面を構成する1対の摺動面34cが、傾斜ブロック34の板厚方向の中心面に対して面対称に形成されている。
ここで、1対の摺動面34cの交線34dはV溝34bの延設方向を示している。固定部34aに対するV溝34bの延設方向のなす角をV溝34bの傾斜角と称すると、V溝34bの傾斜角は、角度φとされている。
駆動部30Aにおける傾斜ブロック34は、図2(a)に示すように、傾斜ブロック34の板厚方向の中心面が、直線Lを含み基準面11aに直交する平面上に整列され、V溝34bが、ナット板31が設けられた長辺側から支点部20が設けられた長辺側に向うとともに傾斜台12側から基台11側に向かって、角度φだけ傾斜して延ばされている。
また、この傾斜ブロック34の直線Lに沿う方向の配置位置は、傾斜角の基準位置において、V溝34bの延設方向の中央部で駆動子33Aの先端突起33cがV溝34bに当接されるように設定されている。この状態で、先端突起33cが各摺動面34cに接する2点を点qで表すと、2点qと、駆動部30Aによる回動軸である直線Lとの距離は、いずれも距離Dに設定されている。
ここで、2点qは、傾斜角の基準位置の状態において、先端突起33cの進退に伴って発生する傾斜台12に対する直線L回りの回動力を、傾斜ブロック34に伝達する伝達位置になっている。本実施形態では、傾斜ブロック34は、固定部34aで傾斜台12に一体に固定されているので、2点qは、直線L回りの回動力を傾斜台12に伝達する伝達位置ともなっている。このため、以下では、2点qを基準位置作用点と称する。
ただし、図面では、基準位置作用点qを記載するとかえって紛らわしい場合(例えば、図1の場合)には省略し、基準位置作用点qに代えて、2点qの中点Qを図示している。直線Lと基準位置作用点qとの間の距離Dは、距離OQに等しい。
このような傾斜角の基準位置において、V溝34bの延設方向は、駆動子33Aの進退方向、および被傾斜面12aに対して角度φだけ傾斜されている。
V溝34bの長さ、および傾斜ブロック34の下面12bからの高さは、傾斜台12の傾斜角を傾斜角の基準位置から±θの間で調整する際に駆動子33Aの先端突起33cが進退する全範囲内で、先端突起33cがV溝34bと当接可能であり、かつ、傾斜ブロック34の下端が、基台11の上面11bに干渉しない寸法に設定されている。
駆動部30Bは、直線L回りに、基準面11aに対する傾斜台12の傾斜角を変化させるための傾斜駆動機構である。直線Lは、駆動部30Bのみによって傾斜角を変化させる場合の回動軸である。
本実施形態では、図2(b)に示すように、駆動子33B、ナット板31B、つまみ32、および傾斜ブロック34からなる。
駆動子33Bは、先端側に先端突起33cを有し、後端側の外周部にねじピッチがdの雄ねじ部33bが形成された棒状部材である。
ナット板31Bは、ナット板31Aの雌ねじ部31aをねじピッチが雄ねじ部33bと螺合する雌ねじ部31bに代えた他は、ナット板31Aと同様の形状を有する板状の支持部材である。このナット板31Bは、ナット板31Aの立設位置を直線Lに沿う方向に距離D(ただし、D>D)だけ平行移動した位置の上面11b上に立設されている。
ナット板31Bの雌ねじ部31bは、図1、図2(b)に示すように、雌ねじ部31bに雄ねじ部33bが螺合された駆動子33Bの中心軸線が、直線L、Lを含む平面上で、直線Lと距離Dだけ離間された平行線である直線Lと同軸の位置関係に支持できる位置に設けられている。
なお、特に図示しないが、駆動子33Bの先端側の中間部には、駆動子33Bが、直線L上でより安定して進退できるように、駆動子33Bの中心軸線を基台11から一定の高さに保持するガイド部材を設けておいてもよい。
駆動部30Bのつまみ32は、駆動子33Bをその中心軸回りに回転させるため、駆動子33Bの先端突起33cと反対側の端部において、駆動子33Bと固定されている。つまみ32の円板の中心軸は、駆動子33Bの中心軸線と同軸に整列されている。
このような構成により、つまみ32を回転させると、ナット板31Bに螺合された駆動子33Bが回転角に応じて軸方向に螺進される。このため、駆動子33Bおよびナット板31Bは、駆動子33Bを直線L上で進退する直動運動を行うねじ送り機構を構成しており、つまみ32は回転操作部材を構成している。
また、駆動子33B、およびナット板31Bは、基台11に設けられ、棒状の駆動子33Bを駆動子33Bの軸方向に進退させる直動部を構成している。
本実施形態では、つまみ32は駆動子33Bに直結されているため、つまみ32を一回転させると、駆動子33Bが、雄ねじ部33bのねじピッチdだけ進退するようになっている。以下では、ねじピッチdを駆動部30Aの送りピッチdと称する場合がある。
駆動部30Bの傾斜ブロック34は、図2(b)に示すように、傾斜ブロック34の板厚方向の中心面が、直線Lを含み基準面11aに直交する平面上に整列され、V溝34bが、ナット板31が設けられた長辺側から支点部20が設けられた長辺側に向うとともに傾斜台12側から基台11側に向かって、角度φだけ傾斜して延ばされている。
また、この傾斜ブロック34の直線Lに沿う方向の配置位置は、傾斜角の基準位置において、V溝34bの延設方向の中央部で駆動子33Bの先端突起33cがV溝34bに当接されるように設定されている。この状態で、先端突起33cが各摺動面34cに接する2点を点pで表すと、2点pは、直線L回りの回動力を傾斜台12に伝達する伝達位置であり、2点qと同様に、基準位置作用点になっている。基準位置作用点pと、駆動部30Bによる回動軸である直線Lとの距離は、いずれも距離Dに設定されている。
ただし、図面では、基準位置作用点pを記載するとかえって紛らわしい場合(例えば、図1、図5(b)の場合)には省略し基準位置作用点pに代えて、2点pの中点Pを図示している。直線Lと基準位置作用点pとの間の距離Dは、距離OPに等しい。
このような傾斜角の基準位置において、V溝34bの延設方向は、駆動子33Bの進退方向、および被傾斜面12aに対して角度φだけ傾斜されている。
V溝34bの長さ、および傾斜ブロック34の下面12bからの高さは、傾斜台12の傾斜角を傾斜角の基準位置から±θの間で調整する際に駆動子33Bの先端突起33cが進退する全範囲内で、先端突起33cがV溝34bと当接可能であり、かつ、傾斜ブロック34の下端が、基台11の上面11bに干渉しない寸法に設定されている。
本実施形態では、駆動部30A、30Bの送りピッチd、dは、これら送りピッチのd、dの比率が、距離D、Dの比率と等しくなる関係、ずなわち、次式(1)を満足する関係に設定している。
/d=D/D ・・・(1)
コイルばね40は、傾斜台12を、基台11との間の隙間が狭くなる方向に、基台11側に付勢する付勢部材である。本実施形態では、図1、図2(a)、(b)に示すように、基台11と傾斜台12との間の空間において、駆動部30Aの傾斜ブロック34と支点部20との間、および駆動部30Bの傾斜ブロック34と支点部20との間に、それぞれ1つずつ配置された引っ張りのコイルばねからなる。
これにより、支点部20の受け台22bは、常に鋼球23側に付勢され、各傾斜ブロック34のV溝34bは、駆動子33A、33Bの先端突起33cに付勢されている。
次に、2軸チルトステージ1の動作について説明する。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る2軸チルトステージの一方の傾斜駆動機構の回動軸に直交する断面における模式的な動作説明図である。図5(a)は、本発明の第1の実施形態に係る2軸チルトステージの他方の傾斜駆動機構の回動軸に沿う方向の断面における模式的な動作説明図である。図5(b)は、本発明の第1の実施形態に係る2軸チルトステージの他方の傾斜駆動機構の回動軸に直交する方向の断面における模式的な動作説明図である。
傾斜角変化の基準位置の状態から、駆動部30Aのつまみ32を直線L回りにΔα(rad)だけ回転すると、回転方向に応じて、駆動子33Aが雌ねじ部31aに沿って螺進され、先端突起33cが、距離ΔDだけ直線Lに沿って進退移動される。ここで、距離ΔDは、次式で表される。
ΔD=d・Δα/2π ・・・(2)
例えば、図4に示すように、先端突起33cが支点部20の中心O側に、距離ΔDだけ螺進される場合、傾斜台12は、コイルばね40によって、基台11側に付勢されているので、先端突起33cは、V溝34bの摺動面34cと作用点qで摺接しつつ、直線Lに沿って進出される。このとき、先端突起33cを介して駆動子33Aの軸方向に作用する付勢力の分力は、雄ねじ部33aを雌ねじ部31a側に付勢するため、駆動子33Aの進退に伴って、雄ねじ部33aは、常に支点部20と反対側に付勢され、雌ねじ部31aとの間のバックラッシを除去する作用を有している。
図4において、点Qは、各作用点qの中点を示す。2点鎖線で示す傾斜ブロック34および駆動子33Aは、それぞれ基準位置における傾斜ブロック34および駆動子33Aを示す。
このとき、作用点qでは、駆動子33Aから傾斜ブロック34に駆動力が伝達され、直線L回りのモーメントを発生させる。このため、傾斜ブロック34および傾斜ブロック34と一体化された傾斜台12は、図示上方に押し上げられて、直線L回りに角度Δθだけ回動される。すなわち、傾斜台12は角度Δθだけ傾斜される。
傾斜ブロック34は、傾斜角変化の基準位置の状態では、直線Lに対して角度φだけ傾斜されているので、角度Δθが微小角の場合には、距離ΔDと角度Δθとは、次式の関係を満足する。
Δθ=(ΔD・tanφ)/D ・・・(3)
このように、駆動部30Aの傾斜ブロック34は、駆動部30Aの駆動子33Aの先端突起33cの進退移動量である距離ΔDを、回動軸である直線L回りの回動方向の移動量であるΔD・tanφに変換して傾斜台12に伝達する回動力伝達部を構成している。ここで、V溝34bの延設方向の勾配であるtanφは、進退移動量を回動方向の移動量に変換する所定の変換比を構成している。
一方、傾斜角変化の基準位置の状態から、駆動部30Bのつまみ32を直線L回りにΔα(rad)だけ回転すると、回転方向に応じて、駆動子33Bが雌ねじ部31bに沿って螺進され、先端突起33cが、距離ΔDだけ直線Lに沿って進退移動される。ここで、距離ΔDは、次式で表される。
ΔD=d・Δα/2π ・・・(4)
例えば、図5(a)に示すように、先端突起33cが、直線L側に、距離ΔDだけ螺進される場合、傾斜台12は、コイルばね40によって、基台11側に付勢されているので、先端突起33cは、V溝34bの摺動面34cと作用点pで摺接しつつ、直線Lに沿って進出される。このとき、先端突起33cを介して駆動子33Bの軸方向に作用する付勢力の分力は、駆動部30Aの場合と同様に、雄ねじ部33aと雌ねじ部31aとの間のバックラッシを除去する作用を有している。
図5(a)、(b)において、点Pは、各作用点pの中点を示す。2点鎖線で示す傾斜ブロック34および駆動子33Bは、それぞれ基準位置における傾斜ブロック34および駆動子33Bを示す。
このとき、作用点pでは、駆動子33Bから傾斜ブロック34に駆動力が伝達され、直線L回りのモーメントを発生させる。このため、傾斜ブロック34および傾斜ブロック34と一体化された傾斜台12は、図5(b)に示すように、図示斜め上方に押し上げられて、直線L回りに角度Δθだけ回動される。すなわち、傾斜台12は角度Δθに傾斜される。
傾斜ブロック34は、傾斜角変化の基準位置の状態では、直線Lに対して角度φだけ傾斜されているので、角度Δθが微小角の場合には、距離ΔDと角度Δθとは、次式の関係を満足する。
Δθ=(ΔD・tanφ)/D ・・・(5)
このように、駆動部30Bの傾斜ブロック34は、駆動部30Bの駆動子33Bの先端突起33cの進退移動量である距離ΔDを、回動軸である直線L回りの回動方向の移動量であるΔD・tanφに変換して傾斜台12に伝達する回動力伝達部を構成している。ここで、tanφは、進退移動量を回動方向の移動量に変換する所定の変換比を構成している。
上記式(2)〜(5)を用いると、次式が成り立つ。
Δθ=(d/D)・(Δα/2π)・tanφ ・・・(6)
Δθ=(d/D)・(Δα/2π)・tanφ ・・・(7)
本実施形態では、上記式(1)が成り立つので、上記式(6)、(7)で表される角度Δθ、Δθは互いに等しくなる。すなわち、つまみ32の回転量Δαに対する傾斜角変化は、駆動部30A、30Bとの間で共通となり、単位調整量に対する傾斜角の変化量の大きさである調整感度が同一となる。
このため、操作者は、傾斜台12の傾斜方向によって、つまみ32の回転量の大きさを変えることなく傾斜角を変化させることができるので、傾斜方向によって、調整感度が異なる場合に比べて、操作性が向上する。
特に、高精度のチルト調整では、2軸回りの回動量、回動方向を頻繁に切り換えつつ、2軸方向の傾斜角を微動させて調整作業を行うため、各軸方向の調整感度が同一となることで、調整作業が格段に容易となる。
また、本実施形態では、2つの傾斜駆動機構の間で、それぞれの回動軸と基準位置作用点との間の距離D、Dをどのように設定しても、これらの距離D、Dに応じて、式(1)を満たすようにねじピッチd、dを設定することで、調整感度を同一にできる。このため、駆動部30A、30Bの配置位置や、基台11および傾斜台12の形状や大きさが異なる場合でも、容易に調整感度を同一にすることができる。この結果、チルト調整する被検体の大きさや、2軸チルトステージ1の配置スペースの制約などの用途に合った大きさ、形状の2軸チルトステージ1を構成することができる。
また、本実施形態では、駆動部30Aのつまみ32と駆動部30Bのつまみ32とは、基台11および傾斜台12の一方の長辺側に配置されている。したがって、それぞれのつまみ32を一方向側から操作することができるため、2つのつまみ32を異なる方向から操作しなければならない場合に比べて、操作性が向上する。
また、本実施形態の2軸チルトステージ1の構成によれば、駆動子33A、33Bは、いずれも基台11と傾斜台12との間に配置されている。このため、基台11および傾斜台12の対向方向の装置の厚さを薄くすることができ、対向方向に省スペースな装置とすることができる。
また、つまみ32が、基台11および傾斜台12の側方に設けられているので、つまみ32が基台11および傾斜台12の対向方向に沿って突出される場合に比べて、対向方向の省スペース化を図ることができる。
また、基台11を、例えば干渉計などの他の装置に取り付ける場合に、取付面である基準面11aの裏面側の空間に駆動部30A、30Bが進出しない構成となっている。したがって、相手装置の取付部との干渉を避けるために、基台11の大きさを大きくする必要がない。このため、コンパクトで省スペースな装置とすることができる。
また、つまみ32が相手装置の取付部と干渉しないため、取付状態でのつまみ32の操作が容易となる。また、操作をより容易にするために、つまみ32の外径を大きくすることが容易となる。
また、2つのつまみ32が、基台11および傾斜台12の一方の長辺側の側方に設けられているので、同じ側の長辺側に配置されているため、2軸チルトステージ1の平面視の大きさをコンパクトにしつつ、つまみ32の直径を増大させることができる。このため、省スペースと操作性を両立させることができる。
本実施形態の2軸チルトステージ1は、各傾斜ブロックのガイド溝の延設方向の勾配を互いに等しくすることで、各所定の変換比の大きさを一致させるともに、2つの傾斜駆動機構における調整部の単位調整量当たりの駆動子の進退移動量(送りピッチ)の比率を、基準位置作用点の前記回動軸からの距離の比率に一致させた場合の例となっている。
このため、駆動部30A、30Bにおいて、傾斜ブロック34を部品共通化することができる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る2軸チルトステージについて説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る2軸チルトステージの模式的な平面図である。図7(a)、(b)は、それぞれ図2のC−C断面図およびD−D断面図である。
本実施形態の2軸チルトステージ2は、上記第1の実施形態の2軸チルトステージ1と同様に、例えば、光学機器の光軸調整、干渉計の光学素子の位置調整や露光装置のウエハの位置決めなどのため、ステージ面の2軸方向の傾斜角を高精度に調整する場合に好適となるものである。
2軸チルトステージ2の概略構成は、図6、図7(a)、(b)に示すように、上記第1の実施形態の2軸チルトステージ1の駆動部30A、30Bに代えて、駆動部30C、30D(傾斜駆動機構)を備える。以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
駆動部30Cは、上記第1の実施形態の駆動部30Aの駆動子33A、ナット板31A、および傾斜ブロック34に代えて、それぞれ駆動子33C、ナット板31、および傾斜ブロック34C(回動力伝達部)を備える。
駆動子33Cは、先端側に先端突起33cを有し、後端側の外周部にねじピッチがdの雄ねじ部33dが形成された棒状部材である。
ナット板31は、ナット板31Aの雄ねじ部33aを、駆動子33Cの雄ねじ部33dと螺合する雌ねじ部31dに代えたものである。
駆動部30Cのナット板31の雌ねじ部31dは、基準面11aに平行な平面内において、支点部20の中心Oを通り、直線Lと直交する直線Lに、雌ねじ部31dの中心軸線が同軸となる位置に設けられている。
つまみ32は、駆動子33Cをその中心軸回りに回転操作を行うため、円板の中心軸は、駆動子33Cの中心軸線と同軸に整列されている。
このような構成により、つまみ32を回転させると、ナット板31Cに螺合された駆動子33Cが回転角に応じて軸方向に螺進される。このため、駆動子33Cおよびナット板31は、駆動子33Cを直線L上で進退する直動運動を行うねじ送り機構を構成しており、つまみ32は回転操作部材を構成している。
また、駆動子33C、ナット板31、およびつまみ32は、基台11に設けられ、棒状の駆動子33Cを駆動子33Cの軸方向に進退させる直動部を構成している。
本実施形態では、つまみ32は駆動子33C直結されているため、つまみ32を一回転させると、駆動子33Cが、雄ねじ部33dのねじピッチdだけ進退するようになっている。以下では、ねじピッチdを駆動部30Cの送りピッチdと称する場合がある。
傾斜ブロック34Cは、図7(a)に示すように、上記第1の実施形態の駆動部30Aの傾斜ブロック34のV溝34bの傾斜角を角度φに代えたものであり、駆動部30Aの傾斜ブロック34と同様に、基準位置作用点qと、駆動部30Cによる回動軸である直線Lとの距離が、距離Dに設定されている。
このような傾斜角の基準位置において、V溝34bの延設方向は、駆動子33Cの進退方向、および被傾斜面12aに対して角度φだけ傾斜されている。
また、V溝34bの長さ、および傾斜ブロック34Cの下面12bからの高さは、傾斜台12の傾斜角を傾斜角の基準位置から±θの間で調整する際に駆動子33Cの先端突起33cが進退する全範囲内で、先端突起33cがV溝34bと当接可能であり、かつ、傾斜ブロック34Cの下端が、基台11の上面11bに干渉しない寸法に設定されている。
駆動部30Dは、上記第1の実施形態の駆動部30Bの駆動子33B、ナット板31B、および傾斜ブロック34に代えて、それぞれ駆動子33D、ナット板31、および傾斜ブロック34D(回動力伝達部)を備える。
駆動子33Dは、先端側に先端突起33cを有し、後端側の外周部にねじピッチがdの雄ねじ部33dが形成された棒状部材であり、駆動子33Cと長さのみが異なる部材である。
駆動部30Dのナット板31の雌ねじ部31dは、図6、図7(b)に示すように、雌ねじ部31dに雄ねじ部33dが螺合された駆動子33Dの中心軸線が、直線L、Lを含む平面上で、直線Lと距離Dだけ離間された平行線である直線Lと同軸の位置関係に支持できる位置に設けられている。
駆動部30Dのつまみ32は、駆動子33Dをその中心軸回りに回転させるため、円板の中心軸は、駆動子33Dの中心軸線と同軸に整列されている。
このような構成により、つまみ32を回転させると、ナット板31に螺合された駆動子33Dが回転角に応じて軸方向に螺進される。このため、駆動子33Dおよびナット板31は、駆動子33Dを直線L上で進退する直動運動を行うねじ送り機構を構成しており、つまみ32は回転操作部材を構成している。
また、駆動子33D、ナット板31、およびつまみ32は、基台11に設けられ、棒状の駆動子33Dを駆動子33Dの軸方向に進退させる直動部を構成している。また、駆動子33Dの送りピッチは、駆動子33Dの送りピッチdに一致している。
傾斜ブロック34Dは、図7(b)に示すように、上記第1の実施形態の駆動部30Bの傾斜ブロック34のV溝34bの傾斜角を角度φに代えたものであり、駆動部30Bの傾斜ブロック34と同様に、基準位置作用点pと、駆動部30Dによる回動軸である直線Lとの距離が、距離Dに設定されている。
このような傾斜角の基準位置において、V溝34bの延設方向は、駆動子33Dの進退方向、および被傾斜面12aに対して角度φだけ傾斜されている。
また、V溝34bの長さ、および傾斜ブロック34Dの下面12bからの高さは、傾斜台12の傾斜角を傾斜角の基準位置から±θの間で調整する際に駆動子33Dの先端突起33cが進退する全範囲内で、先端突起33cがV溝34bと当接可能であり、かつ、傾斜ブロック34Dの下端が、基台11の上面11bに干渉しない寸法に設定されている。
本実施形態では、傾斜ブロック34C、34DのV溝34bの傾斜角の角度φ、φは、V溝34bの延設方向の勾配であるtanφ、tanφの比率が、距離D、Dの比率に等しくなる関係、ずなわち、次式(8)を満足する関係に設定している。
ここで、勾配tanφ、tanφは、進退移動量を回動方向の移動量に変換する所定の変換比を構成している。
tanφ/tanφ=D/D ・・・(8)
次に、2軸チルトステージ2の動作について説明する。
2軸チルトステージ2は、上記に説明したように、駆動部30C、30Dの送りピッチがそれぞれねじピッチdであり、傾斜ブロック34C、34Dにおける傾斜ブロック34の傾斜角が角度φ、φである点が上記第1の実施形態の2軸チルトステージ1と異なり、基準位置作用点と各回動軸との距離の関係は2軸チルトステージ1と同様である。
したがって、2軸チルトステージ2は、駆動部30C、30Dの各つまみ32を回転させることで、2軸チルトステージ1と同様に、傾斜台12の2軸方向の傾斜角を変化させることができる(図4、図5(a)、(b)参照)。
ただし、各つまみ32をΔαだけ回転したときの、駆動子33C、33Dの進退移動の距離ΔD、ΔDは、次式で表される。
ΔD=ΔD=d・Δα/2π ・・・(9)
また、角度Δθ、Δθが微小角の場合には、距離ΔD、ΔDと角度Δθ、Δθとは、それぞれ次式の関係を満足する。
Δθ=(ΔD・tanφ)/D ・・・(10)
Δθ=(ΔD・tanφ)/D ・・・(11)
上記式(9)〜(11)を用いると、次式が成り立つ。
Δθ=(d/D)・(Δα/2π)・tanφ ・・・(12)
Δθ=(d/D)・(Δα/2π)・tanφ ・・・(13)
本実施形態では、上記式(8)が成り立つので、上記式(12)、(13)で表される角度ΔθとΔθとは等しくなる。すなわち、つまみ32の回転量Δαに対する傾斜角変化は、駆動部30C、30Dとの間で共通となり、単位調整量に対する傾斜角の変化量の大きさである調整感度が同一となる。
このため、操作者は、上記第1の実施形態と同様に、傾斜台12の傾斜方向によって、つまみ32の回転量の大きさを変えることなく傾斜角を変化させることができるので、傾斜方向によって、調整感度が異なる場合に比べて、操作性が向上する。
特に、高精度のチルト調整では、2軸回りの回動方向を頻繁に切り換えつつ、傾斜角の微動を試行錯誤しながら調整作業を行うため、調整作業が格段に容易となる。
また、本実施形態では、2つの傾斜駆動機構の間で、それぞれの回動軸と基準位置作用点との間の距離D、Dをどのように設定しても、これらの距離D、Dに応じて、式(8)を満たすように、回動力伝達部の変換比に相当するV溝34bの勾配tanφ、tanφを設定することで、調整感度を同一にできる。このため、駆動部30C、30Cの配置位置や、基台11および傾斜台12の形状や大きさが異なる場合でも、容易に調整感度を同一にすることができる。この結果、チルト調整する被検体の大きさや、2軸チルトステージ2の配置スペースの制約などの用途に合った大きさ、形状の2軸チルトステージ2を構成することができる。
また、本実施形態では、基台11および傾斜台12に対する、駆動部30C、30D、およびつまみ32の位置関係は、上記第1の実施形態とまったく同様なので、上記第1の実施形態とまったく同様に、操作性が向上し、しかも省スペースな装置とすることができる。
本実施形態の2軸チルトステージ2は、各調整部の単位調整量当たりの駆動子の進退量を一致させるとともに、2つの傾斜駆動機構における傾斜ブロックのガイド溝の延設方向の勾配の比率を、基準位置作用点の回動軸からの距離の比率に一致させた場合の例となっている。
このため、駆動部30C、30Dの直動部に用いるねじピッチが共通であるため、基準位置作用点の回動軸から距離の比率D/Dが種々変化された場合でも、雄ねじ部33d、雌ねじ部31のねじピッチとして、例えば、メートルねじなどの汎用的なねじピッチを採用することができるので、安価な構成とすることができる。
なお、上記の説明では、回動力伝達部が傾斜ブロックからなる場合の例で説明した。このような構成では、簡素な構成でありながら、所定の変換比や駆動子の進退方向などの設定が容易となる。
ただし、駆動子の進退移動量を、傾斜台を回動軸回りの回動方向の移動量に所定の変換比で変換し傾斜台に伝達することができれば、回動力伝達部は傾斜ブロックに限定されるものではない。
例えば、従節が傾斜台に連結または摺接されて作用点(基準位置作用点)を構成し、原節が駆動子の先端に連結されたリンク伝達機構などを基台に設けた構成としてもよい。
また、上記の説明では、2つの調整駆動機構の調整感度が同一である場合の例で説明したが、調整の操作性には大きな支障がない場合には、2つの傾斜駆動機構の間でわずかに調整感度が異なっていてもよい。このため、調整感度は略同一であればよい。
また、上記の説明では、直動部は、回転操作部材を手動で回転させる場合の例で説明したが、回転操作部材は、例えば、モータなどによって駆動される構成としてもよい。
また、上記の説明では、ねじ送り機構は、ナット板に設けられた雌ねじ部に駆動子の雄ねじ部が螺合された構成として説明したが、駆動子を螺進させるねじ機構が内蔵されたマイクロメータヘッドなどをナット板の位置に固定した構成としてもよい。
また、上記の説明では、傾斜角変化の基準位置の状態で、直動部の進退方向が、基台および傾斜台の対向方向と直交する方向とされた場合の例で説明したが、基台および傾斜台の対向方向側のスペースに余裕がある場合には、直動部の進退方向は、対向方向に沿う方向としてもよい。
例えば、上記第1の実施形態の構成において、傾斜ブロック34の傾斜角φ=0のV溝34bを有する構成とし、駆動子33A、33Bが、傾斜角の基準位置の状態において傾斜台12と直交する方向に進退するように配置してもよい。この場合でも、上記式(1)を満足させることで、2つの傾斜駆動機構の調整感度を一致させることができる。この変形例の場合、傾斜ブロック34は、所定の変換比が1である回動力伝達部を構成している。
また、上記の説明では、基台および傾斜台の形状は、一例として矩形板状として説明したが、基台および傾斜台は、これらの間に設けられる2つの傾斜駆動機構の各基準位置作用点が、各回動軸から異なる距離に設けることができる大きさや形状を有していれば、矩形板状には限定されない。例えば、正方形板、円板などであってもよい。
また、上記実施形態で説明したすべての構成要素は、本発明の技術的思想の範囲で適宜組み合わせて実施することができる。
例えば、上記第1および第2の実施形態を組み合わせて、2つの傾斜駆動機構が、各基準位置作用点の回動軸からの距離の比に応じて、各調整部の単位調整量当たりの駆動子の進退移動量、および各回動力伝達部の各所定の変換比を、それぞれ互いに異なる値に設定することで、傾斜台の2軸方向の傾斜角の調整感度が略同一となるようにした構成としてもよい。
1、2 2軸チルトステージ
11 基台
11a 基準面(傾斜の基準面)
12 傾斜台
20 支点部
30A、30B、30C、30D 駆動部(傾斜駆動機構)
31、31C、31D ナット板(直動部)
32 つまみ(回転操作部材)
33A、33B、33C、33D 駆動子(直動部)
34、34C、34D 傾斜ブロック(回動力伝達部)
34b V溝
d、d、d ねじピッチ
、D 距離(基準位置作用点の回動軸からの距離)
、L 直線(回動軸)
p、q 基準位置作用点
、q 作用点(回動力の伝達位置)
O 中心
40 コイルばね

Claims (8)

  1. 傾斜の基準面を有する基台と、該基台の前記基準面と反対側に対向して配置された傾斜台と、前記基台と前記傾斜台との間に設けられ前記傾斜台を前記基台に対して回動可能に支持する支点部と、前記傾斜台を前記支点部の中心を通る2つの回動軸回りにそれぞれ回動させて、前記基台に対する前記傾斜台の2軸方向の傾斜角を変化させる2つの傾斜駆動機構とを備える2軸チルトステージであって、
    前記傾斜駆動機構は、
    前記基台に設けられ、棒状の駆動子を該駆動子の軸方向に進退させる直動部と、
    該直動部の進退移動量を調整する調整部と、
    前記直動部の前記駆動子の先端の進退移動量を、前記回動軸回りの回動方向の移動量に所定の変換比で変換して前記傾斜台に伝達する回動力伝達部とを備え、
    前記2つの傾斜駆動機構の各回動力伝達部は、
    前記傾斜台の傾斜角変化の基準位置の状態における回動力の伝達位置である各基準位置作用点が、前記回動軸から互いに異なる距離だけ離間されるように設けられ、
    前記2つの傾斜駆動機構は、
    前記各基準位置作用点の前記回動軸からの距離の比に応じて、前記各調整部の単位調整量当たりの前記各駆動子の進退移動量、および前記各回動力伝達部の前記各所定の変換比の少なくともいずれかを、互いに異なる値に設定して、前記各調整部による前記傾斜台の2軸方向の傾斜角の調整感度が略同一となるようにしたことを特徴とする2軸チルトステージ。
  2. 前記2つの傾斜駆動機構の前記回動力伝達部は、
    前記駆動子の先端が摺接されるガイド溝を有し、該ガイド溝の延設方向が、前記駆動子の軸方向および前記傾斜台の被傾斜面に対して傾斜された傾斜ブロックからなることを特徴とする請求項1に記載の2軸チルトステージ。
  3. 前記各傾斜ブロックの前記ガイド溝の延設方向の勾配を互いに等しくすることで、前記各所定の変換比の大きさを一致させるともに、
    前記2つの傾斜駆動機構における前記調整部の単位調整量当たりの前記駆動子の進退移動量の比率を前記基準位置作用点の前記回動軸からの距離の比率に一致させたことを特徴とする請求項2に記載の2軸チルトステージ。
  4. 前記各調整部の単位調整量当たりの前記駆動子の進退移動量を一致させるとともに、
    前記2つの傾斜駆動機構における前記傾斜ブロックの前記ガイド溝の延設方向の勾配の比率を前記基準位置作用点の前記回動軸からの距離の比率に一致させたことを特徴とする請求項2に記載の2軸チルトステージ。
  5. 前記傾斜駆動機構の前記直動部は、
    前記駆動子が、前記基台および前記傾斜台に挟まれる位置に配置されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の2軸チルトステージ。
  6. 前記2つの傾斜駆動機構の前記各調整部は、
    回転操作によって前記直動部の進退量を調整する回転操作部材を備え、
    前記2つの傾斜駆動機構の前記各直動部は、
    前記回転操作部材の単位回転量に応じて、前記駆動子が一定の送りピッチでねじ送りされるねじ送り機構を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の2軸チルトステージ。
  7. 前記傾斜駆動機構の前記回転操作部材は、
    前記基台および前記傾斜台の側方に設けられたことを特徴とする請求項6に記載の2軸チルトステージ。
  8. 前記基台および前記傾斜台は、略矩形板状の部材からなり、
    前記2つの傾斜駆動機構の前記直動変換機構の前記駆動子の進退方向が、それぞれ前記基台および前記傾斜台の短辺に略沿う方向に設けられ、
    前記2つの傾斜駆動機構の前記回転操作部材が、それぞれ前記基台および前記傾斜台の一方の長辺側の側方に設けられたことを特徴とする請求項7に記載の2軸チルトステージ。
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