JP2010196220A - 低密度不織布 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、嵩高性、均一性及び熱寸法安定性に優れた低密度不織布を提供することである。
【解決手段】発泡性物質、繊維状物質、嵩高パルプを含む低密度不織布であり、発泡性物質、繊維状物質、嵩高パルプの総量に対して、発泡性物質を1〜20質量含有し、嵩高パルプを1〜40質量%含有することが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】発泡性物質、繊維状物質、嵩高パルプを含む低密度不織布であり、発泡性物質、繊維状物質、嵩高パルプの総量に対して、発泡性物質を1〜20質量含有し、嵩高パルプを1〜40質量%含有することが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、低密度不織布に関するものである。
近年、様々な分野で部材の軽量化が求められており、それに伴い、空隙が多い低密度不織布は、クッション材、断熱材や防音材としての利用が進んでいる。低密度不織布は、加工も容易なことから、その用途は拡大しており、更なる低密度化、機能化、また良好な加工特性が求められている。
不織布の製造において、乾式法で製造すると密度は低くなりやすい特徴を持つが、その反面、使用できる繊維の種類が限定される為、機能のバリエーションが制限されてしまったり、均一な地合いの不織布が得られにくいといった欠点がある。一方、抄紙技術を用いた湿式抄造法で製造された湿式不織布は、使用できる繊維の種類が多岐に渡ることから、様々な機能が付与できたり、均一な地合いの不織布を得やすいといった特徴を持つが、その反面、ペーパーライクで高密度になりやすいという欠点がある。
嵩高な不織布として、捲縮を有するくびれを含む不定形断面のビスコースレーヨン繊維を含む方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1に使用する特定形状のビスコースレーヨン繊維の繊度は、40〜160dtexと、繊度が極めて大きい範囲であり、乾式法による不織布製造に適したものである。従って、該繊維は湿式抄造法に適合することが難しく、その為、多様な種類の繊維組み合わせからなる多機能化に不適当で、更に均一性に劣るといった問題がある。
また、湿式不織布を低密度にする手段として、断面形状がH型である捲縮ポリエステル繊維を配合する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、断面形状がH型である捲縮ポリエステル繊維のみの効果では、得られる不織布の嵩密度は0.07g/cm3と依然高く、嵩高効果が未だ不十分である。また、コイル状の繊維が伸び縮みをする為、熱寸法安定性に欠け、加工の際に問題となる。
また、極細繊維、極細繊維よりも大きな平均直径を持つ骨格繊維、ならびに発泡性粒子からなる水性分散液を用いて湿式抄造法により抄造した不織布からなる濾材が開示されている(例えば、特許文献3参照)。この方法の場合、発泡性粒子の効果により、嵩高な不織布を得ることが可能となるが、発泡性粒子を効率良く不織布内に留めることが困難であったり、極細繊維として繊維径が1μm以下にフィブリル化された有機繊維を用いると、発泡性粒子の歩留まりは向上するが、フィブリル化した繊維同士が絡み合う為、発泡性粒子による低密度化が阻害されるといった課題がある。
また、カールドファイバーを含むパルプ繊維層に発泡性粒子を含有することを特徴とする低密度紙が開示されている(例えば、特許文献4参照)が、これは基本的には、パルプ繊維から構成された紙に関するものであり、パルプ繊維同士が水素結合によって強固に結合する為、得られる低密度紙の密度は0.10g/cm3と依然高く、嵩高効果が小さい問題がある。
また、熱融着繊維単独もしくは熱融着繊維と他の繊維から構成されたウェブ状繊維集合体に熱膨張性マイクロカプセルを散布し、熱処理して得られる不織布が公開されている(例えば、特許文献5参照)。特許文献5では、ある程度柔軟性に優れた不織布を得ることはできるが、熱膨張性カプセルをウェブ状繊維集合体に均一に散布することが困難な為、膨張が不均一になったり、不織布ウェブ状繊維集合体から熱膨張カプセルが粉落ちしやすいという問題もある。
本発明の目的は、嵩高性、均一性、熱寸法安定性に優れた低密度不織布を提供することである。
本発明者らは、この課題を解決するため鋭意研究を行った結果、以下の本発明を見出した。
すなわち、本発明は、発泡性物質、繊維状物質、嵩高パルプを含有してなる湿式抄造法により得られた低密度不織布に関するものである。
本発明において、発泡性物質、繊維状物質、嵩高パルプの総量に対して、発泡性物質を1〜20質量%含有する低密度不織布であることが好ましい。
本発明において、発泡性物質、繊維状物質、嵩高パルプの総量に対して、嵩高パルプを1〜40質量%含有する低密度不織布であることが好ましい。
本発明の低密度不織布は、発泡性物質と繊維状物質と嵩高パルプからなり、発泡性物質と嵩高パルプが、その他繊維状物質と共に低密度不織布中に均一に分布している。嵩高パルプを配合したことにより、不織布自身が嵩高くなると共に発泡性物質を効率良く不織布内に留めることができ、また、発泡済みの発泡性物質を不織布中に含むか、もしくは不織布中でそれが発泡することにより、更に嵩高く、空隙の多い低密度不織布を得ることができる。得られた低密度不織布は、軽量で加工や運搬も容易であり、かつ、多くの空隙を有することから、音、衝撃の吸収性、断熱性に優れる。本発明では、湿式抄造法によって様々な繊維を使用して所望の機能を付与することができる。また、嵩高パルプを配合することで、熱寸法安定性が良好で、高温下における使用もしくは加工にあたって有利である。
以下、本発明の低密度不織布を詳細に説明する。本発明の低密度不織布は、JIS P8118に基づいて測定した際の密度が0.005〜0.05g/cm3のものを言う。密度が0.005g/cm3未満の場合、強度やコシが弱くなり、用途が制限されることがある。また、密度が0.05g/cm3より大きい場合は、不織布内の空隙が少なくなる為、音、衝撃の吸収性、断熱性が劣ることがある。
本発明の低密度不織布に用いられる発泡性物質としては、カプセルの内包物が加熱によってガスとなり膨張することで、カプセルが発泡する熱膨張性マイクロカプセルや、自らが発生させたガスによって発泡する化学発泡剤などが挙げられる。発泡性物質の種類は、製造条件や必要特性、用途に合わせて適宜選択することができる。しかし、本発明の低密度不織布は比較的ポーラスな繊維集合体であることから、化学発泡剤などを用いた場合は生じたガスが繊維集合体の隙間から流出してしまうため不織布内に留まりにくく、十分な低密度効果が得られないことがある。一方、熱膨張性マイクロカプセルを使用した場合は、膨張した粒子が繊維集合体の繊維間の隙間を拡げるため、低密度効果が高い。従って、本発明の低密度不織布には熱膨張性マイクロカプセルを用いることが好ましい。また、抄造時に添加する発泡性物質は、未発泡のものでも既に発泡したものでも良い。ただし、未発泡のものを添加した場合は、乾燥工程、もしくは別途設けた発泡工程において発泡性物質を発泡させる必要がある。
また、熱膨張性マイクロカプセル等の熱応答性発泡物質を用いる場合、それぞれにおいて最も効率良く膨張する最大発泡温度なるものがあるが、抄造時のドライヤー温度や加工時の温度を考慮して最適な種類を選定するのが好ましい。なお、ここで言う最大発泡温度とは、熱機械分析装置(TMA)(TA instruments製、商品名:TMA2940)を用いて、直径7mm、深さ1mmの円筒形のアルミ製容器に入れた250μgの発泡性物質に、上方から0.1Nの力を加えた状態で5℃/minで80℃から220℃まで加熱した際、加圧端子の垂直方向における変位が最大になる温度のことである。
また、粒子状の発泡性物質を用いる場合、粒子径は3〜300μmが好ましい。粒子径が3μm未満の場合は、抄紙ワイヤーから抜け落ちやすくなり添加量に相応した効果が得られないことがあり、粒子径が300μmより大きい場合は、水中での粒子の分散が困難になることがある。また、発泡後の粒子径は10〜1000μmが好ましい。発泡後の粒子径が10μm未満の場合、粒子によって厚み方向に繊維を押し上げることが困難になる為、十分な効果が得られないことがあり、また、1000μmよりも大きい場合は、厚みが不均一になったり、表面の面質が悪くなることがある。なお、未発泡、及び発泡後の発泡性物質の粒子径は、粒度分布径測定器(HORIBA製、商品名:LA−910)を用い、体積平均粒子径を測定した。
発泡性物質、繊維状物質、嵩高パルプの総量に対して、発泡性物質の含有量は1〜20質量%が好ましく、更に好ましくは3〜10質量%である。1質量%未満では、十分な発泡性物質の効果が得られないことがあり、20質量%を超えると抄紙性が悪くなったり、均一な厚みが得られないことがある。本発明において、抄紙性とは、湿式抄造法において、湿潤状態の低密度不織布が抄造ワイヤーから離れる時に繊維が落ちたり、バラバラになったりしないことを言う。
発泡性物質はその粒子径や発泡特性に応じて、湿式抄造法により低密度不織布を得る際に凝集剤を用い凝集体を形成しても良い。また、発泡性物質は嵩高パルプもしくはその他の無機繊維や有機繊維と凝集体を形成しても良い。凝集剤は、高分子凝集剤、無機系凝集剤などがあるが、発泡性物質の成分や表面電荷を考慮して適宜選択することができる。凝集剤の添加量は、発泡性物質の種類や欲する凝集体の大きさによって変えると良い。凝集体の大きさをコントロールすることによって、粒子径が小さい発泡性物質でも抄紙ワイヤーから抜け落ちることなく抄造が可能となる。
本発明の低密度不織布に用いられる繊維状物質とは、ある程度以上のアスペクト比(繊維長/繊維径)を有する物質を言い、本発明の場合、アスペクト比が300〜3000の範囲が好ましく、より好ましくは700〜2000の範囲である。300未満の場合、繊維が屈曲しにくい為に繊維間の絡み合いが弱くなり、不織布の強度を向上させることができず、また、抄紙性が劣ることがある。一方、3000を超えて大きい場合、例えば、湿式抄造法により低密度不織布を製造した際に、地合いが不均一になることがある。
本発明の低密度不織布に用いられる繊維状物質の形態は、マルチフィラメント、モノフィラメント、フラットヤーン、ステープルファイバー等を用いることができる。このうち、抄紙性、均一性の点で、ステープルファイバーを用いることが好ましい。また、パルプ状、フィブリル状の繊維を用いることも可能だが、微細な繊維が密に絡み、発泡性物質や嵩高パルプによる低密度化の効果を妨げることがあるため、本発明の効果を阻害しない範囲であれば少量添加することができる。
繊維状物質には、有機繊維、無機繊維を用いることができる。有機繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びこれらのコポリマー等のポリエステル系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン系繊維、ポリアクリロニトリル、モダクリル等のアクリル系繊維、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12等のポリアミド系繊維、ポリビニルアルコール繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ウレタン繊維等の合成繊維、トリアセテート繊維、ジアセテート繊維等の半合成繊維、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン、ポリノジックレーヨン、リヨセル等の再生セルロース系繊維、コラーゲン、アルギン酸、キチン質などを溶液にしたものを紡糸した再生繊維を用いることができる。これらの繊維を構成するポリマーは、ホモポリマー、変性ポリマー、ブレンド、共重合体などの形でも利用でき、また、複数の成分からなる複合繊維を用いても良い。上記の繊維の他に、植物繊維として、ケナフ、竹、麻等のパルプ化していない天然繊維も利用できる。また、断面形状がT型、Y型、三角等の異形断面を有する繊維や、潜在捲縮繊維、機械捲縮繊維を適宜用いることができる。
一方、無機繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、岩石繊維(ロック・ファイバー)、チタニア、アルミナ、シリカ等の酸化物繊維を用いることができる。
また、針葉樹パルプ、広葉樹パルプなどの木材パルプや、藁パルプ、竹パルプ、ケナフパルプなどの木本類、草本類を含む非木材パルプ、更に、古紙、損紙などから得られるパルプ繊維やミクロフィブリル繊維を加えても良いが、これらのパルプ状繊維は比較的繊維間結合が強く、湿式抄造工程のプレスパートにおいて、不織布の構造が密になり、更に、乾燥後の水素結合により固く固着することで、発泡性物質や嵩高パルプによる低密度化の効果を妨げる可能性がある為、本発明の効果を阻害しない範囲であれば少量添加することができる。
繊維状物質の繊維径に特に制限は無いが、3〜50μmが好ましく、より好ましくは5〜25μmであり、更に好ましくは6〜20μmである。繊維径が3μmよりも細い繊維を用いた場合、十分な嵩高性が得られないことがある。一方、50μmを超えた太い繊維を用いた場合、地合いが不均一になることがある。
発泡性物質、繊維状物質、嵩高パルプの総量に対して、繊維状物質の含有量は40〜98質量%が好ましく、更に好ましくは75〜92質量%である。40質量%未満では、十分な強度、コシが得られないことがあり、一方、98質量%を超えると柔軟性が欠け、加工性が悪くなることがある。
本発明の低密度不織布に用いられる嵩高パルプとは、分子内架橋反応による化学結合によって、カールやねじれのような変化を固定化したパルプ繊維を指す。嵩高パルプはこのような繊維の形状の変化によって嵩高さを得ている。嵩高パルプは架橋処理によりセルロース分子の水酸基(−OH基)が減少する為、木材パルプや、非木材パルプ、ミクロフィブリル繊維等の繊維と比較すると繊維間結合が弱いが、高融点のポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン等の合成繊維、炭素繊維、ガラス繊維等の無機繊維や、パルプ化していないケナフ、竹、麻等天然繊維など繊維間結合を形成し難い繊維と共に混抄すると、嵩高パルプの繊維間結合によって抄紙性及び熱寸法安定性の向上を図ることができる。
更に、発泡性物質を用いて、湿式抄造法により低密度不織布を製造する場合、発泡性物質と繊維状物質とで抄造すると、不織布内に発泡性物質を効率良く留めることができない為、発泡性物質が流出し、結果として十分な低密度化が図れないことになる。一方、繊維状物質と発泡性物質に木材パルプ、非木材パルプ、ミクロフィブリル繊維等の微細繊維を配合することにより、不織布内に発泡性物質を効率良く留めることができるが、木材パルプ、非木材パルプ、ミクロフィブリル繊維等の微細繊維は繊維間結合が強い為に、発泡性カプセルの発泡膨張を抑制してしまい、結果として十分な低密度化が図れないことになる。発泡性物質と繊維状物質と嵩高パルプを用いて、湿式抄造法により得られた本発明の低密度不織布では、不織布内に効率良く発泡性物質が留まると共に、発泡性物質の発泡、膨張時に嵩高パルプの交絡が緩むことで効率的な発泡、膨張効果が発現し、更に嵩高パルプの嵩高効果により、抄紙性と嵩高性に優れた低密度不織布を得ることができる。
発泡性物質、繊維状物質、嵩高パルプの総量に対して、嵩高パルプの含有量は、1〜40質量%が好ましく、より好ましくは5〜15質量%である。1質量%未満では、抄紙性が劣ったり、低密度化の効果が不十分になることがある。一方、40質量%を超えると、強度、コシが弱くなりやすく、また、均一性が損なわれることがある。
本発明の低密度不織布の乾燥質量は、特に制限は無いが、40〜2000g/m2の範囲が好ましく、より好ましくは100〜1500g/m2である。40g/m2より軽いと十分な強度とコシが得られないことがあり、2000g/m2を超えると柔軟性や風合いの点で劣ることがある。
本発明の低密度不織布には、本発明の範囲を阻害しない範囲であれば、繊維状物質として、熱融着性バインダー有機繊維を用いることができる。熱融着性バインダー有機繊維を含有させて、熱融着性バインダー有機繊維の溶融温度以上に不織布の温度を上げる工程を製造工程に組み入れることで、低密度不織布の熱寸法安定性や機械的強度が向上する。ただし、熱融着性バインダー有機繊維の配合量が多すぎたり、熱融着性バインダー有機繊維の溶融温度よりも発泡性物質の発泡開始温度が低い場合、十分な強度が得られなかったり、発泡性物質の発泡、膨張効果が損なわれることがある。熱融着性バインダー有機繊維の溶融温度には特に制限は無いが、発泡性物質の発泡開始温度より低い方が好ましい。なお、ここで言う発泡開始温度とは、熱機械分析装置(TMA)(TA instruments製、商品名:TMA2940)を用いて、直径7mm、深さ1mmの円筒形のアルミ製容器に入れた250μgの発泡性物質に、上方から0.1Nの力を加えた状態で5℃/minで80℃から220℃まで加熱した際、加圧端子が垂直方向に変位を開始する温度のことである。
熱融着性バインダー有機繊維としては、単繊維の他、芯鞘繊維(コアシェルタイプ)、並列繊維(サイドバイサイドタイプ)などの複合繊維が挙げられる。複合繊維は、不織布表面に皮膜を形成しにくいので、機械的強度を向上させることができる。熱融着性バインダー有機繊維としては、例えばポリプロピレン(芯)と、ポリエチレン(鞘)の組み合わせ、ポリプロピレン(芯)とエチレンビニルアルコール(鞘)の組み合わせ、高融点ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の組み合わせが挙げられる。また、ポリエチレン等の低融点樹脂のみで構成される単繊維(全融タイプ)や、ポリビニルアルコール系のような熱水可溶性バインダーは、乾燥工程で皮膜を形成しやすいが、特性を阻害しない範囲であれば使用することができる。
次に、本発明の低密度不織布の製造法について説明を行う。本発明の低密度不織布は湿式抄造法で製造する。不織布を製造する方法としては湿式抄造法以外に、「不織布便覧」(1996年、株式会社不織布情報刊、p62〜70)で述べられているように、混開繊法、カーディング法、ランダムウエビング法、スパンボンド法、タテヨコ積層法などが挙げられているが、これらの方法は乾式法と呼ばれ、通常、繊維長50mm以上の長繊維や連続した糸状の繊維を主に加工する方法である。乾式法では、不織布の製造時に発泡性物質を不織布内に均一に分散させることが難しいだけでなく、不織布の高機能化のために、複数種類の繊維を使用するのが困難なことがある。
湿式抄造法の場合、発泡性物質を水中に懸濁、分散した状態で不織布を製造できることから、発泡性物質を均一に不織布内に分散することが可能であり、また、任意の種類の繊維状物質を水中に懸濁、分散することにより、複数種類の繊維状物質から構成される不織布を得ることができる。本発明においては、発泡性物質と繊維状物質と嵩高パルプとを水中に投入し、パルパー等の回転式の装置で、離解、混合する。また、各種繊維と発泡性物質を均一に分散する必要があることから、分散水に分散剤として界面活性剤を添加することが好ましい。界面活性剤は、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、両性に分類される。アニオン系界面活性剤としては、カルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステルなどが挙げられる。カチオン系界面活性剤としては、アミン塩、アンモニウム塩などが挙げられる。ノニオン系界面活性剤としてはエーテル型、エステル型、アミノエーテル型などが挙げられる。これらの中から繊維の分散性の良好なものを適宜選択し、用いれば良い。また、ここに記載していないものでも繊維の分散性の良好なものであれば問題ない。均一に混合分散した繊維の分散安定性を向上させる為に、例えばアニオン系ポリアクリルアミドやポリエチレンオキサイド等の水溶液を、繊維分散液または白水中に添加することによって、地合いが更に向上する。
このようにして、濃度0.1〜0.3質量%程度の繊維懸濁液(水性スラリー)を調製し、次いで、繊維懸濁液を用い、長網、短網、円網等の抄造ワイヤーを少なくとも一つ有する抄紙機で抄造し、余分な水分を吸引あるいはウェットプレスなどの方法で取り除いた後、乾燥させる。乾燥には、ヤンキードライヤー、シリンダードライヤー、エアドライヤー、赤外線ドライヤー、サクションドライヤー等の乾燥装置を用いることができる。乾燥温度は、発泡性物質の発泡開始温度や、その後の工程を考慮して適時決定すると良い。
未発泡の発泡性物質を添加した場合、発泡性物質の発泡は、乾燥の際のドライヤー工程で行っても良いが、乾燥後に発泡工程を設けても良く、製造条件やその後の加工条件によって適宜選択するのが好ましい。乾燥工程と発泡工程を分ける場合は、発泡性物質の発泡程度を制御するために、発泡性物質の発泡開始温度以下かつ水分が実質上完全に除去される温度にて乾燥を行うことが好ましい。
また、発泡性物質を不織布に付与させる方法としては、他の繊維状物質と共に分散、混合し、湿式抄造法にて混抄するのが好ましいが、他に発泡性物質を散布したり、含浸することによって、不織布に付与することも可能である。しかし、この場合、不織布内部に均一に分布し難い為、厚み・密度の不均一化の原因となることがある。
本発明の低密度不織布は、この他の繊維シート、織布、不織布、フィルム、膜などと積層することが可能である。また、本発明の低密度不織布同士の積層も可能である。
本発明の低密度不織布は、撥水剤、難燃剤、バインダーなどの薬品を添加し、所望の機能を付与することができる。これらの薬品は、抄造時、もしくは抄造、乾燥後に含浸、塗布するなどして、低密度不織布に付与することが可能である。
以下、実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部数や百分率は質量基準である。
実施例1
発泡性物質として用いた熱膨張性マイクロカプセル(積水化学工業製、商品名:ADVANCELL EMH203、粒子径38〜44μm、最大発泡温度約160℃)は1質量%で水に分散し、2種類の高分子系凝集剤(明成化学工業製、商品名:ファイレックスM、セラフィックスST)をカプセル質量に対し、それぞれ0.6質量%量添加して凝集体を形成させた。また、繊維状物質として、繊維径9μm×繊維長6mmのガラス繊維と繊維径11μm×繊維長5mmのポリエチレンテレフタレート(PET)/低融点PETの芯鞘繊維を用いた。ガラス繊維とPET/低融点PETの芯鞘繊維との割合は7:1とした。繊維状物質は、繊維状物質全量に対し1質量%のポリエチレングリコール脂肪酸エステル系非イオン性界面活性剤を加えた水中で分散した。嵩高パルプ(Weyerhaeuser製、商品名:TR−993)も、嵩高パルプ全量に対し1質量%のポリエチレングリコール脂肪酸エステル系非イオン性界面活性剤を加えた水中で分散した。これらは、発泡性物質:繊維状物質:嵩高パルプ=10:80:10となるよう混合し、固形分濃度を0.2質量%に調製して乾燥質量で200g/m2になるよう円網抄紙機で抄造した。乾燥はシリンダードライヤーにて130℃、2分間行い、不織布を得た。得られた不織布は、160℃の熱風乾燥機内で更に2分加熱し、熱膨張性マイクロカプセルを膨張させることで低密度不織布を得た。
発泡性物質として用いた熱膨張性マイクロカプセル(積水化学工業製、商品名:ADVANCELL EMH203、粒子径38〜44μm、最大発泡温度約160℃)は1質量%で水に分散し、2種類の高分子系凝集剤(明成化学工業製、商品名:ファイレックスM、セラフィックスST)をカプセル質量に対し、それぞれ0.6質量%量添加して凝集体を形成させた。また、繊維状物質として、繊維径9μm×繊維長6mmのガラス繊維と繊維径11μm×繊維長5mmのポリエチレンテレフタレート(PET)/低融点PETの芯鞘繊維を用いた。ガラス繊維とPET/低融点PETの芯鞘繊維との割合は7:1とした。繊維状物質は、繊維状物質全量に対し1質量%のポリエチレングリコール脂肪酸エステル系非イオン性界面活性剤を加えた水中で分散した。嵩高パルプ(Weyerhaeuser製、商品名:TR−993)も、嵩高パルプ全量に対し1質量%のポリエチレングリコール脂肪酸エステル系非イオン性界面活性剤を加えた水中で分散した。これらは、発泡性物質:繊維状物質:嵩高パルプ=10:80:10となるよう混合し、固形分濃度を0.2質量%に調製して乾燥質量で200g/m2になるよう円網抄紙機で抄造した。乾燥はシリンダードライヤーにて130℃、2分間行い、不織布を得た。得られた不織布は、160℃の熱風乾燥機内で更に2分加熱し、熱膨張性マイクロカプセルを膨張させることで低密度不織布を得た。
実施例2
発泡性物質:繊維状物質:嵩高パルプ=0.8:89.2:10とした以外は、実施例1と同様にして実施例2の低密度不織布を得た。
発泡性物質:繊維状物質:嵩高パルプ=0.8:89.2:10とした以外は、実施例1と同様にして実施例2の低密度不織布を得た。
実施例3
発泡性物質:繊維状物質:嵩高パルプ=1:89:10とした以外は、実施例1と同様にして実施例3の低密度不織布を得た。
発泡性物質:繊維状物質:嵩高パルプ=1:89:10とした以外は、実施例1と同様にして実施例3の低密度不織布を得た。
実施例4
発泡性物質:繊維状物質:嵩高パルプ=20:70:10とした以外は、実施例1と同様にして実施例4の低密度不織布を得た。
発泡性物質:繊維状物質:嵩高パルプ=20:70:10とした以外は、実施例1と同様にして実施例4の低密度不織布を得た。
実施例5
発泡性物質:繊維状物質:嵩高パルプ=23:67:10とした以外は、実施例1と同様にして実施例5の低密度不織布を得た。
発泡性物質:繊維状物質:嵩高パルプ=23:67:10とした以外は、実施例1と同様にして実施例5の低密度不織布を得た。
実施例6
発泡性物質:繊維状物質:嵩高パルプ=10:89.2:0.8とした以外は、実施例1と同様にして実施例6の低密度不織布を得た。
発泡性物質:繊維状物質:嵩高パルプ=10:89.2:0.8とした以外は、実施例1と同様にして実施例6の低密度不織布を得た。
実施例7
発泡性物質:繊維状物質:嵩高パルプ=10:89:1とした以外は、実施例1と同様にして実施例7の低密度不織布を得た。
発泡性物質:繊維状物質:嵩高パルプ=10:89:1とした以外は、実施例1と同様にして実施例7の低密度不織布を得た。
実施例8
発泡性物質:繊維状物質:嵩高パルプ=10:50:40とした以外は、実施例1と同様にして実施例8の低密度不織布を得た。
発泡性物質:繊維状物質:嵩高パルプ=10:50:40とした以外は、実施例1と同様にして実施例8の低密度不織布を得た。
実施例9
発泡性物質:繊維状物質:嵩高パルプ=10:45:45とした以外は、実施例1と同様にして実施例9の低密度不織布を得た。
発泡性物質:繊維状物質:嵩高パルプ=10:45:45とした以外は、実施例1と同様にして実施例9の低密度不織布を得た。
実施例10
繊維径11μm×繊維長5mmのポリエチレンテレフタレート(PET)/低融点PETの芯鞘繊維を繊維径9μm×繊維長6mmのガラス繊維に置き換えた他は、実施例1と同様にして実施例10の低密度不織布を得た。
繊維径11μm×繊維長5mmのポリエチレンテレフタレート(PET)/低融点PETの芯鞘繊維を繊維径9μm×繊維長6mmのガラス繊維に置き換えた他は、実施例1と同様にして実施例10の低密度不織布を得た。
実施例11
繊維状物質として繊維径9μm×繊維長6mmのガラス繊維の代わりに繊維径10μm×繊維長3mmのポリプロピレン繊維を用い、発泡性物質:繊維状物質:嵩高パルプ=10:80:10とした以外は、実施例1と同様にして実施例11の低密度不織布を得た。
繊維状物質として繊維径9μm×繊維長6mmのガラス繊維の代わりに繊維径10μm×繊維長3mmのポリプロピレン繊維を用い、発泡性物質:繊維状物質:嵩高パルプ=10:80:10とした以外は、実施例1と同様にして実施例11の低密度不織布を得た。
実施例12
繊維径9μm×繊維長6mmのガラス繊維のうち50質量%を、繊維径10μm×繊維長3mmのポリプロピレン繊維に置き換えた以外は、実施例1と同様にして実施例12の低密度不織布を得た。
繊維径9μm×繊維長6mmのガラス繊維のうち50質量%を、繊維径10μm×繊維長3mmのポリプロピレン繊維に置き換えた以外は、実施例1と同様にして実施例12の低密度不織布を得た。
実施例13
発泡性物質として用いた熱膨張性マイクロカプセルを、熱膨張性マイクロカプセル(積水化学工業製、商品名:ADVANCELL EMH−301、粒子径23〜29μm、最大発泡温度約160℃)に変更した以外は実施例1と同様にして実施例13の低密度不織布を得た。
発泡性物質として用いた熱膨張性マイクロカプセルを、熱膨張性マイクロカプセル(積水化学工業製、商品名:ADVANCELL EMH−301、粒子径23〜29μm、最大発泡温度約160℃)に変更した以外は実施例1と同様にして実施例13の低密度不織布を得た。
比較例1
発泡性物質:繊維状物質:嵩高パルプ=0:88:12とした以外は、実施例1と同様にして比較例1の低密度不織布を得た。
発泡性物質:繊維状物質:嵩高パルプ=0:88:12とした以外は、実施例1と同様にして比較例1の低密度不織布を得た。
比較例2
発泡性物質:繊維状物質:嵩高パルプ=12:88:0とした以外は、実施例1と同様にして比較例2の低密度不織布を得た。
発泡性物質:繊維状物質:嵩高パルプ=12:88:0とした以外は、実施例1と同様にして比較例2の低密度不織布を得た。
比較例3
嵩高パルプの代わりに未叩解のNBKP(濾水度600mlCSF)を用いた以外は実施例1と同様にして比較例3の低密度不織布を得た。
嵩高パルプの代わりに未叩解のNBKP(濾水度600mlCSF)を用いた以外は実施例1と同様にして比較例3の低密度不織布を得た。
比較例4
発泡性物質:繊維状物質:嵩高パルプ=20:0:80とした以外は実施例1と同様にして比較例4の低密度不織布を得た。
発泡性物質:繊維状物質:嵩高パルプ=20:0:80とした以外は実施例1と同様にして比較例4の低密度不織布を得た。
比較例5
発泡性物質:繊維状物質:嵩高パルプ=0:100:0とした以外は実施例1と同様にして比較例5の低密度不織布を得た。
発泡性物質:繊維状物質:嵩高パルプ=0:100:0とした以外は実施例1と同様にして比較例5の低密度不織布を得た。
上記の実施例1〜13、比較例1〜5で作製した低密度不織布について、下記の評価方法により評価し、その結果を表1に示した。
(1)密度の評価
測定方法
密度:JIS P8118に準ずる。
測定方法
密度:JIS P8118に準ずる。
(2)熱寸法安定性の評価
160℃、2分間の加熱処理(熱膨張性マイクロカプセルの発泡工程)を行っていない、抄造、乾燥後の不織布を100mm×100mmの大きさに切断する。これを160℃で2分間加熱し、この時の各辺の長さの平均(mm)を測定し、下記の式より寸法変化率を算出する。
寸法変化率(%)=160℃、2分間加熱後の各辺の長さの平均(mm)/100(mm)×100
160℃、2分間の加熱処理(熱膨張性マイクロカプセルの発泡工程)を行っていない、抄造、乾燥後の不織布を100mm×100mmの大きさに切断する。これを160℃で2分間加熱し、この時の各辺の長さの平均(mm)を測定し、下記の式より寸法変化率を算出する。
寸法変化率(%)=160℃、2分間加熱後の各辺の長さの平均(mm)/100(mm)×100
(3)抄紙性の評価
抄紙性は以下の4段階で評価した。
◎ 抄造ワイヤーからきれいに剥がれる。
○ 抄造ワイヤーに毛羽が数本残る。
△ 抄造ワイヤーに毛羽が若干残るが、問題ない範囲。
× 抄造ワイヤーに毛羽がかなり残る。
抄紙性は以下の4段階で評価した。
◎ 抄造ワイヤーからきれいに剥がれる。
○ 抄造ワイヤーに毛羽が数本残る。
△ 抄造ワイヤーに毛羽が若干残るが、問題ない範囲。
× 抄造ワイヤーに毛羽がかなり残る。
(4)コシの評価
20cm×20cmに切断した低密度不織布を曲げるなどして触り、コシを3段階で評価した。評価はモニター6名によって行われ、各人がそれぞれ評価した等級の最多数をその等級とした。
○ 適度な柔軟性とコシを有している。
△ やや柔らかいが問題ないレベルのコシを有している。
× かなり柔らかく、コシが弱い。もしくは硬すぎて風合いが劣る。
20cm×20cmに切断した低密度不織布を曲げるなどして触り、コシを3段階で評価した。評価はモニター6名によって行われ、各人がそれぞれ評価した等級の最多数をその等級とした。
○ 適度な柔軟性とコシを有している。
△ やや柔らかいが問題ないレベルのコシを有している。
× かなり柔らかく、コシが弱い。もしくは硬すぎて風合いが劣る。
(5)均一性の評価
300mm×200mmの試験片を採取し、JIS Z8703(試験場所の標準状態)に規定する温度20℃、相対温度65%の試験室に24時間放置し、水分平衡に調整後、各試験片において試験片の縁を50mmおきに20点、不織布厚み計(テクロック製)にて厚みを測定した(単位:mm)。得られた20点の厚みに関して標準偏差を算出し、下記の通り均一性を評価した。
○ 標準偏差0.2未満
△ 標準偏差0.2以上0.3未満
× 標準偏差0.3以上
300mm×200mmの試験片を採取し、JIS Z8703(試験場所の標準状態)に規定する温度20℃、相対温度65%の試験室に24時間放置し、水分平衡に調整後、各試験片において試験片の縁を50mmおきに20点、不織布厚み計(テクロック製)にて厚みを測定した(単位:mm)。得られた20点の厚みに関して標準偏差を算出し、下記の通り均一性を評価した。
○ 標準偏差0.2未満
△ 標準偏差0.2以上0.3未満
× 標準偏差0.3以上
表1から明らかなように、発泡性物質と嵩高パルプと繊維状物質とを混抄した実施例1〜13の低密度不織布は、嵩高性、均一性、熱寸法安定性に優れている。
これに対し、比較例1の低密度不織布では、発泡性物質を含有していない為、密度が高くなった。比較例2の低密度不織布では、嵩高パルプを含有していない為、密度が高く、均一性、熱寸法安定性も悪かった。また、嵩高パルプの代わりに未叩解パルプを使用した比較例3の低密度不織布では、未叩解パルプ繊維同士の結合が強く、発泡性物質による十分な低密度化の効果を得ることができなかった。比較例4の低密度不織布では、繊維状物質を含有していないため、コシが弱く、また、均一性も悪い。比較例5の低密度不織布では、発泡性物質及び嵩高パルプを含有していない為、密度が高くなり、また、抄紙性も悪かった。
発泡性物質と嵩高パルプと繊維状物質との総量に対して、発泡性物質の含有量が1質量%未満の実施例2の低密度不織布では、密度が僅かであるが高くなった。また、発泡性物質の含有量が20質量%より大きい実施例5の低密度不織布は、抄紙性と均一性が低下する傾向が見られた。
発泡性物質と嵩高パルプと繊維状物質との総量に対して、嵩高パルプの含有量が1質量%未満の実施例6の低密度不織布は、熱寸法安定性と抄紙性が僅かであるが低下した。また、嵩高パルプの含有量が40質量%より大きい実施例9の低密度不織布は、コシが弱くなる傾向と均一性がやや低下する傾向が見られた。
本発明の低密度不織布は、嵩高性、均一性、熱寸法安定性に優れると共に、複数の種類の繊維状物質を組み合わせたり、配合比率を変えることで、所望の特性を備えさせることができ、クッション材、断熱材、吸音材、フィルター材に用いることができ、各種補強材、建材、床材などへの応用が可能である。
Claims (3)
- 発泡性物質、繊維状物質、嵩高パルプを含有してなる湿式抄造法により得られた低密度不織布。
- 発泡性物質、繊維状物質、嵩高パルプの総量に対して、発泡性物質を1〜20質量%含有する請求項1記載の低密度不織布。
- 発泡性物質、繊維状物質、嵩高パルプの総量に対して、嵩高パルプを1〜40質量%含有する、請求項1または2に記載の低密度不織布。
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