JP2010192309A - シールド線の端末止水方法および端末止水部を備えたシールド線 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シールド線10の端末のシース14とシールド層13を皮剥してコア線12とドレン線11とを端末から露出させて引き出し、前記露出させたコア線12およびドレン線11の外周、あるいはシールド層13の外周に、エポキシ樹脂21粉末を固めて形成した1個のリング状固形防水剤を被せ、ついで、熱収縮チューブ30を加熱し、該加熱で熱収縮チューブ30を収縮すると共に、前記リング状固形防水剤を溶融し、流動させ、該状態で前記溶融したエポキシ樹脂21を硬化させ、前記シース端末から引き出したコア線およびドレン線の外周面、あるいはシース14端末から引き出したシールド層13とコア線12から前記シース14の外周面および皮剥端面にかけて、硬化させたエポキシ樹脂21を連続的に固着している。
【選択図】図1
Description
前記ドレン線3は多数本の導電性の素線からなり、絶縁被覆がされておらず、前記シールド層4と接触させている。
そのため、従来、シールド線の端末の皮剥端部で、シース5の端面からコア線2およびドレン線3の外周面にかけてペースト状のブチルゴムやシリコーンからなる止水材を取り付けて止水処理し、端末の皮剥位置からの浸水を防止している場合が多い。
前記露出させたコア線およびドレン線の外周、あるいはシールド層の外周に、エポキシ樹脂粉末を固めて形成した1個のリング状固形防水剤を被せると共に該リング状固形防水剤の端面を前記シースの皮剥端面に接触させ、
ついで、熱収縮チューブを前記リング状固形防水剤に被せた後に加熱し、該加熱で熱収縮チューブを収縮すると共に、前記リング状固形防水剤を溶融し、溶融したエポキシ樹脂を前記シールド線の内部の隙間およびシースの外周面と、露出させたコア線とドレン線の間の隙間、あるいはシールド層とコア線の隙間に流動させ、
該状態で前記溶融したエポキシ樹脂を硬化させ、前記シース端末から引き出したコア線およびドレン線の外周面、あるいはシース端末から引き出したシールド層とコア線から前記シースの外周面および皮剥端面にかけて、硬化させたエポキシ樹脂を連続的に固着していることを特徴とするシールド線の端末止水方法を提供している。
また、該リング状固形防水剤は、露出したコア線およびドレン線の長さは、150mm以下であるため、先端からリング状固形防水剤の中空部に通してもよい。
あるいは、リング状固形防水剤に軸線方向に貫通した切欠部分を設けておき、該切欠部分にコア線およびドレン線を通して軸直角方向の側方からリング状固形防水剤を取り付けてもよい。
このように、熱収縮チューブによりリング状固形防水剤の前後両側も覆うことにより、加熱時に溶解するエポキシ樹脂が熱収縮チューブ内に収まるようにしている。
前記熱収縮チューブとしては、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等からなる住友電工ファインポリマー(株)製のスミチューブが好適に用いられる。
前記シールド線は、自動車のエンジンルームを含む被水領域に好適に配索される。
被水領域に配線されたシールド線は、ドレン線の端末に端子が接続され、該シールド線の端末から引き出されるコア線端末に接続された端子と共に、前記被水領域に配置される機器に接続される。
例えば、ドレン線端末の端子を、他のコア線の端末に接続された端子と共に防水コネクタに挿入係止し、該防水コネクタをエンジンルームに搭載されるECUのコネクタ嵌合部等に嵌合している。
かつ、端末止水部では、エポキシ樹脂粉末を固めて形成したリング状固形防水剤をコア線およびドレン線に被せてシースの皮剥端面に接触させ、その後、熱収縮チューブを被せて加熱すると、熱収縮チューブの収縮とリング状固形防水剤のエポキシ樹脂の溶融とを同時に行うことができ、作業効率を高めることができる。さらに、止水部には熱収縮チューブを被せただけの状態となり、端末止水部での外径の肥大化を抑制することができる。
さらに、本発明では固形とした1つのリング状防水剤を用いているため、液状の止水剤を直接に塗布する場合と比較して取り扱いやすいものとなる。かつ、止水処理に従来用いられているシリコーンの吐出機等を必要とせず、設備費を削減することができる。
実施形態のシールド線10は自動車のエンジンルームの防水領域に配線され、該シールド線10の端末をコネクタに接続し、該コネクタを防水領域に配置するECU(図示せず)のコネクタ収容部に嵌合している。前記シールド線10には端末位置に止水部20を設けている。
前記ドレン線11は金属素線からなり、被覆層は備えていない。また、シールド層13は金属箔テープを巻き付けて形成している。なお、金属線の編チューブでもよい。
即ち、前記寸法L2の位置では引き出したドレン線11、コア線12の外周、前記寸法L3の位置ではシース14の外周に熱収縮チューブ30で囲んだ止水部20を設けている。
前記シースの皮剥端面14aに接すると共にコア線12およびドレン線11の隙間に充填されたエポキシ樹脂21a、シース内周面の隙間に充填されたエポキシ樹脂21b、シース外周面に充填されたエポキシ樹脂21cは連続した状態で固着している。
前記硬化したエポキシ樹脂21の外周は収縮した熱収縮チューブ30で密着して囲んでいる。
まず、シールド線10の端末でシース14およびシールド層13を前記寸法L1で剥離して、コア線12とドレン線11とを切断されたシース14の皮剥点Pより引き出す。
該リング状固形防水剤32の長さL4は10mmとし、外径はシース14の外径より1mm程度大きくしている。内径はドレン線11およびコア線12をまとめた外径に略等しくし、リング状固形防水剤32をドレン線11およびコア線12に被せた状態で密着し、自由に移動できない大きさとしている。
この加熱により熱収縮チューブ30は収縮すると共に、該熱収縮チューブ30内に収容している前記リング状固形防水剤32のエポキシ樹脂21が溶融する。
この状態で、シールド線10を水平状態に保持して静止しておく。該静止時間はエポキシ樹脂21が硬化するまでである。
第二実施形態では、シールド線10の端末で、シース14のみを皮剥して、コア線12を被覆したシールド層13をシース14の皮剥端面から露出させている。シールド層13は金属線を編組した編組タイプとし、該シールド層13の編組した金属線の端末をアース接続しており、ドレン線は備えていない。
前記第一実施形態ではシールド層13もシース14と共に剥離しているが、第二実施形態ではシールド機能を高めるために、シールド層13は剥離していない。他の構成は第一実施形態と同様である。
その後、熱収縮チューブ30が収縮すると共にリング状固形防水剤32が溶融する温度で加熱する。
前記加熱により、図4(C)に示すように、溶融したリング状固形防水剤32は露出させた編組タイプのシールド層13の網目に浸透し、シールド層13の止水機能も高めることができると共に、シールド層13によるシールド機能も高めることができる。
11 ドレン線
12 コア線
13 シールド層
14 シース
20 止水部
21 エポキシ樹脂
30 熱収縮チューブ
32 リング状固形防水剤
P 皮剥点
S 止水領域
Claims (3)
- シールド線の端末のシースとシールド層を皮剥してコア線とドレン線とを端末から露出させて引き出し、あるいはシースのみを皮剥してシールド層とコア線とを端末から露出させて引き出し、
前記露出させたコア線およびドレン線の外周、あるいはシールド層の外周に、エポキシ樹脂粉末を固めて形成した1個のリング状固形防水剤を被せると共に該リング状固形防水剤の端面を前記シースの皮剥端面に接触させ、
ついで、熱収縮チューブを前記リング状固形防水剤に被せた後に加熱し、該加熱で熱収縮チューブを収縮すると共に、前記リング状固形防水剤を溶融し、溶融したエポキシ樹脂を前記シールド線の内部の隙間およびシースの外周面と、露出させたコア線とドレン線の間の隙間あるいはシールド層とコア線の隙間に流動させ、
該状態で前記溶融したエポキシ樹脂を硬化させ、前記シース端末から引き出したコア線およびドレン線の外周面、あるいはシース端末から引き出したシールド層とコア線から前記シースの外周面および皮剥端面にかけて、硬化させたエポキシ樹脂を連続的に固着していることを特徴とするシールド線の端末止水方法。 - 請求項1に記載の方法で形成された端末止水部を備えたシールド線。
- 自動車のエンジンルームを含む被水領域に配索される請求項2に記載の端末止水部を備えたシールド線。
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