JP2010176271A - タッチパネル及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明なパネル操作面に油脂や汗などの汚れが付着し難く、付着した汚れを容易に拭き取ることができるタッチパネル及びその製造方法を提供する。
【解決手段】タッチパネルには、臨界表面張力が大きくても25dyne/cm、又は水の接触角が小さくても100゜のフッ素系樹脂がパネル操作面に塗布されている。フッ素系樹脂は、炭素数1〜12のフルオロアルキル基及び/又はフルオロポリエーテル基及び/又はパーフルオロアルキル基及び/又はパーフルオロポリエーテル基を有し、且つ炭素−炭素二重結合を有するモノマーと、フッ素を含有しない炭素−炭素二重結合を有するモノマーとを共重合してなるフッ素系樹脂である。
【選択図】図1

Description

本発明は、対向して配置された一対の基板の入力エリア内で任意の接触点を2次元座標として検出することができるタッチパネル及びその製造方法に関する。
対向して配置された一対の基板を備え、基板間の入力エリア内で任意の接触点を2次元座標として検出するタッチパネルは、例えば、LCDやCRT等と共に一体的に組み立てられ、パソコン、FAX、カーナビ等のアプリケーションの入力デバイスとして用いられるコンポーネントである。一方の基板と他方の基板は、互いに直交する方向でそれぞれ一対の電極を有し、各一対の電極にFPC(Flexible Print Circuit)を介して電気が供給されることにより、指やペンなどで押された任意の点のX座標及びY座標が検出されるようになっている。
タッチパネルは、操作側の一方の基板のパネル操作面が指やペンなどで押圧されることにより、相対向する透明導電膜の電気的に接触した任意の接触点が2次元座標として検出されるようになっているため、パネル操作面としてのフィルム面に油脂や汗などの汚れが付着すると、タッチパネルの透明性を損ない、表示品質を低下させるという問題があった。特に、最近では、表示画面の小さい入力装置、例えば、スマートフォンなどの携帯情報端末にもタッチパネルが適用されつつあり、サイズの小さな文字や、高精細な写真などを鮮明に表示する必要から、透明なパネル操作面の防汚性の改善が求められている。しかしながら、パネル操作面に付着した汚れは目立ち易く、また、付着した汚れは拭き取り難く、パネル操作面の防汚性を高めることは容易ではなかった。
汚れの付着を防止するために、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)等のフッ素系樹脂を塗布することが考えられる。本発明に直接関係するものではないが、フッ素樹脂材料を剥離シート(フィルム)に適用したものとして、特許文献1に開示されているものが知られている。特許文献1の段落番号[0027]には、「剥離シートの基材上にコーティングして形成される剥離剤層は、表面張力が25dyne/cm以下、より好適には20dyne/cm以下、さらに好適には18dyne/cm以下の含フッ素モノマーを用いて得られる配合物の硬化体である。含フッ素モノマーの混合物を用いる場合には、全ての含フッ素モノマーが上記の表面張力を有することが好ましいが、混合物としての表面張力が上記の範囲内であってもよい」と記載されている。
特開2000−263714号公報
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)等は、フッ素系溶剤や有機溶剤に溶解しづらいため、微粉末化して溶剤に分散させたり、300℃以上の高温に加熱して溶解させたりする必要があり、透明性を必要とするタッチパネルには適さないものであった。
本発明は、上記した点に鑑み、パネル操作面にフッ素系樹脂を塗布した際に種々の支障を生じることなく、透明なパネル操作面に油脂や汗などの汚れが付着させづらく、付着した汚れを容易に拭き取ることができるタッチパネル及びその製造方法を提供する。
上記目的を達成するために、請求項1記載のタッチパネルは、臨界表面張力が、大きくても25dyne/cm、又は水の接触角が小さくても100゜のフッ素系樹脂がパネル操作面に塗布されている。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のタッチパネルにおいて、前記フッ素系樹脂は、炭素数1〜12のフルオロアルキル基及び/又はフルオロポリエーテル基及び/又はパーフルオロアルキル基及び/又はパーフルオロポリエーテル基を有し、且つ炭素−炭素二重結合を有するモノマーと、フッ素官能基を有しない炭素−炭素二重結合を有するモノマーとを共重合してなるフッ素樹脂である。
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のタッチパネルにおいて、前記フッ素系樹脂の塗布膜厚が0.01〜10μmである。
また、請求項4記載のタッチパネルの製造方法は、臨界表面張力が、大きくても25dyne/cm、又は水の接触角が小さくても100゜のフッ素系樹脂をパネル操作面に塗布することを含む。
また、請求項5記載の発明は、請求項4のタッチパネルの製造方法において、固形分濃度が、0.05〜5%であって、溶剤に溶解している溶液状態の前記フッ素系樹脂を用いる。
また、請求項6記載の発明は、請求項5記載のタッチパネルにおいて、前記溶剤は不燃性フッ素系溶剤である。
本発明によれば、臨界表面張力が大きくても25dyne/cm、又は水の接触角が小さくても100゜のフッ素系樹脂をタッチパネルの操作面に塗布するだけで、油脂や汗などの汚れの付着を防止でき、また、付着した汚れを容易に拭き取ることができ、タッチパネルの防汚性を高めることができる。
以下に本発明の実施の形態の具体例を図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明に係るタッチパネルの一実施形態を示すものである。図において、タッチパネル1は携帯情報端末の筐体20に組み込まれた状態が示されている。本実施形態のタッチパネル1は、スマートフォンや、PDAや、携帯電話などの携帯情報端末の表示パネル及び操作パネルとして適用されるものであり、液晶パネル(LCD)16の表面にスぺーサ15を介して支持されている樹脂プレート4と、樹脂プレート4の表面に接着されている下基板2と、下基板2に対向配置される操作側の上基板3と、下基板2の表面に電気的に接続している図示しないFPC(Flexible Print Circuit)と、を備えた抵抗膜式のタッチパネルである。
下基板2及び上基板3には、光透過率が高いことに加え、表面硬度が高く、適度な軟質性を有する樹脂材料としてのポリエチレンテレフタレート(PET)を好適に用いることができるが、これに限定されない。下基板2を、例えば厚さ0.7mm〜1.8mmのガラス基材とすることも可能である。後述する実施例1〜3及び比較例1〜5では、下基板部2にガラスが用いられ、上基板3にPETが用いられている。PETを用いた場合の基板厚みは、100〜200μmの厚みとすることができる。下基板2及び上基板3の対向面(内面)5,6には、ITO膜などの透明導電膜7,8が均一な厚さに形成されている。
透明導電膜7,8は、下基板2及び上基板3の対向面5,6の各一対の電極13,17(図3参照)が位置する部分と、各一対の電極13,17から延出する引き出し線14が、フォトリソグラフィにより除去されている。電極13,17と引き出し線14は、透明導電膜7,8が除去された後に、銀ペーストインキを印刷することにより形成されている。
各基板2,3の一対の電極13,17は、両基板2,3が上下に接着されたときに、互いに直交するように配置されている。一対の電極13,17は、透明導電膜7,8に電圧を印加して各一対の電極13,17の対向する方向に電位勾配を生じせしめるものであり、一方がアノード電極、他方がカソード電極である。個々の電極13,17は、電極層の外側に絶縁層を有している。電極13,17と引き出し線14の表面には、絶縁インキが印刷され、電極13,17と引き出し線14が外部から絶縁保護されると共に、マイグレーションが防止されるようになっている。
上基板3の外表面には、上基板3の擦傷性を高めるためのハードコート層9と、外表面への油脂や汗などの汚れの付着を防止するフッ素系樹脂コート層10とがコーティングされている。ハードコート層9は、UV硬化型アクリル樹脂単体又は微細シリカ粉末の混合物から構成されることができる。フッ素系樹脂コート層10は、ハードコート層9の上に所定の塗布膜厚でコーティングされており、上基板3のパネル操作面としての最外表面を形成している。フッ素系樹脂コート層10についての詳細は後述するが、ハードコート層9に対する密着性及び塗布特性の良い被膜が選択されている。
下基板2及び上基板3には、非入力エリアとしての絶縁性を有する額縁部分(図示せず)の内側で100μm程度のギャップを有するように、両面テープ11で貼り合わされている。額縁部分の内側の領域は、入力エリアとして機能している。なお、下基板2には、上下の基板2,3が不用意に接触して誤作動することを防止するために、高さ5〜10μm程度のドットスぺーサ12が所定の間隔を開けて多数設けられている。
次に、フッ素系樹脂コート層10について詳細に説明する。
フッ素系樹脂コート層10には、臨界表面張力が25dyne/cm以下又は水の接触角が100゜以上で、不燃性フッ素系溶剤に溶解するものが用いられる。フッ素樹脂とフッ素系溶剤の比率は5:95から0.05:99.95の範囲内にあり、フッ素樹脂の希薄な溶液が作製される。フッ素樹脂が5%を超えると、粘性が高くなり、塗布膜厚が厚くなると共に、膜厚のムラが目立つためであり、一方、フッ素樹脂が0.05%より少なくなると、膜厚が薄くなりすぎて効果が低下するためである。
塗布液の塗布膜厚は10μm未満が好適であり、0.01〜5μmがより好ましい。フッ素樹脂は、表面に薄く配列して、表面張力を低下させることで、パネル操作面の表面エネルギーを低下させ、パネル操作面に付着した汚れの親和力を弱めるものであるから、厚い膜は必要としない。すなわち、フッ素樹脂のフッ素側鎖がパネル操作面に配列できる膜厚であれば良く、0.01〜1μmでも効果を発揮することができる。
フッ素樹脂は炭素数1〜12のフルオロアルキル基及び/又はフルオロポリエーテル基及び/又はパーフルオロアルキル基及び/又はパーフルオロポリエーテル基を有し、且つ炭素−炭素二重結合を有するモノマーと、フッ素を含有しない炭素−炭素二重結合を有するモノマーとを共重合してなるフッ素樹脂である。具体的には、(1)フッ素系モノマーのトリフルオロエチルアクリレート、同メタクリレート、パーフルオロデシルエチルアクリレート、同メタクリレート、パーフルオロオクチルエチルアクリレート、同メタクリレート、パーフルオロブチルエチルアクリレート、同メタクリレート、パーフルオロエーテルアクリレート、同メタクリレート等のフッ素系アクリレート、同メタクリレート系モノマー及びトリフルオロメチルビニル、パーフルオロエチルビニル、パーフルオロエーテルビニル等のフッ素系ビニルモノマーと、(2)フッ素を含まないモノマー(非フッ素系)のアクリレート系モノマー、スチレン系モノマー、オレフィン系モノマー、ビニル系モノマー等を共重合して用いる。
図2には、フッ素樹脂コート剤(フッ素樹脂)の密着性及び防汚性付与メカニズムが示されている。フッ素系モノマーと非フッ素系モノマーとを共重合することにより、(1)透明性が増加し、(2)溶剤への溶解性が増し、(3)被着体への密着性が向上するという特徴を発現する。タッチパネル1の上基板3の外表面には、ハードコート層9が設けられているため、傷付きが防止されるようになっている。ハードコート層9は、一般にはアクリル系またはメタクリル系のUV硬化樹脂を含み、さらに、アンチグレア性を持たせる場合には、微細シリカ粉末などのフィラーが添加される。このハードコート層9表面において、本発明に係る共重合体が適度な密着性を発揮することが見いだされている。
即ち、フッ素系モノマー成分で撥水撥油機能を発揮させ、非フッ素系モノマー成分で基材のハードコート材料(アクリル、またはメタクリル樹脂成分)との親和性による密着性を発揮させることにより、一般にフッ素系樹脂が、付着しにくい材質への密着性を確保しつつ、フッ素の持つ防汚機能を付与する。
また、クリアフィルムの場合は、表面が平坦で、透明性が高いハードコート層が設けられており、汚れが付着し易く、また、目立ち易いため、これまで防汚性付与は困難とされていたが、本発明のフッ素樹脂を塗布して、透明な薄い膜を形成することにより、表面張力が25dyn/cm以下に低下し、油脂成分が付着しづらくなると共に、付着している油脂を簡単に拭き取ることができるようになる。これは、共重合した非フッ素系の官能基が、基材ハードコート面側に配列しアクリル、メタクリル官能基と親和する一方、フッ素系官能基は、表側に配列して、表層を覆い、表面張力を下げ、フッ素特有の汚染防止機能を発揮するためである。
不燃性フッ素系溶剤は、ハイドロフルオロエーテル、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロアルカン、ハイドロフルオロポリエーテル、ハイドロフルオロカーボン等、単独または混合して用いることができる。
フッ素系樹脂の塗布方法は、刷毛塗り、スピン塗工、スプレー塗工等の方法が可能であるが、これには限られない。溶液をガーゼ等に付けて、拭きのばして塗ることも有効である。この方法は、少量の溶液をガーゼにつけて、塗布面に溶液を付着させた後、乾燥した布で拭きのばす方法であり、乾燥は拭きのばす際に自然に溶剤が蒸発してしまうことにより完了する。この方法は、余分な液を拭き取るため、膜厚を非常に薄くすることができ、塗りムラ等を発生させず、特別な設備を必要とすることなく塗布することができる。
以下において、本発明の実施例及び比較例について説明する。作成した塗布液の特性評価項目として、塗布膜厚、水の接触角、臨界表面張力を測定すると共に、塗布ムラ、フッ素コート層密着性、指紋付着性、指紋拭き取り性を定性的に評価した。塗布ムラの評価では、塗布ムラがない場合○とし、塗布ムラが目立つ場合を×とした。フッ素コート層密着性の評価では、表面を布で擦った際に、フッ素コート層が剥離しない場合を○とし、フッ素コート層が剥離する場合を×とした。指紋付着性の評価では、フィルム表面に付着している指紋が目立たない場合を○とし、フィルム表面に付着している指紋が目立つ場合を×とした。指紋拭き取り性の評価では、フィルム表面に付着している指紋が消えるまでガーゼで拭き取る回数をカウントした。実施例1〜3及び比較例1〜5についての評価結果を表1に示す。
Figure 2010176271
(実施例1)
次に、タッチパネル1の製造方法について説明する。
先ず、図3(a)に示すように、樹脂プレート4(図1)の表面に接着されるガラス(下基板)2の接着面とは反対側の面(対向面5)に透明導電膜7(図1)を設け、両端に対向する一対の電極13を設け、電極13から引き出し線14を引き出して回路パターンを形成する。一対の電極13は、透明導電膜7に電圧を印加して一対の電極13の対向する方向に電位勾配を生じせしめるものである。図3(b)に示すように、透明なフィルム(上基板)3は、ガラス2と対向する対向面6に透明導電膜8(図1)を設け、ガラス2に設けた一対の電極13と直交するように、両端に対向する一対の電極17を設ける。
ガラス2及びフィルム3にそれぞれ設けられた各一対の電極13,17が直交するように、ガラス及びフィルムを貼り合わすために、図3(c)に示すような両面テープ11を用意し、ガラス2及びフィルム3に設けられた回路パターンの端部(ランド)18,19同士が接続できるように、両面テープ11に貫通孔22を設けて、ガラス2に接着する。図3(d)に示すように、貫通孔22に導電性接着剤23を充填して、両面テープ11を介してガラス2及びフィルム3を貼り合わせる。導電性接着剤23を加熱硬化した後、図3(e)に示すように、ガラス2にFPC24を取り付けてタッチパネル1を完成させる。
次に、パーフルオロヘキシルエチルアクリレート90質量%、メチルメタクリレート10質量%を共重合し、共重合されたものを不燃性溶剤のハイドロフルオロエーテルに0.5wt%の固形分濃度の溶液になるように溶解して、フッ素系樹脂の塗布液を作製する。この塗布液をガーゼに染み込ませて、フィルム3のハードコート層9の表面に1μmの塗布膜厚になるように塗布し、塗布液が乾燥する前に乾いたガーゼで拭き取る。そして、フィルム表面上に純水を垂らして、接触角を測定すると117゜であった。また、種々の表面張力を有する溶剤を用いて接触角を測定し、外挿して求めた臨界表面張力は14dyne/cmであった。塗布液の塗布ムラは無く、フッ素コート層に剥離は観察されなかった。
そして、フィルム表面に指紋を付着させて、付着した指紋を拭き取るテストを行ったところ、付着した指紋は目立たなく、かつ、1回の拭き取りで付着した指紋をほとんど拭き取ることができた。
(実施例2)
実施例1において、不燃性溶剤のハイドロフルオロエーテルに共重合体を溶解させた0.5wt%の固形分濃度を5wt%に変更し、フッ素系樹脂の塗布液を作製し、この塗布液をガーゼに染み込ませて、フィルム3のハードコート層9の表面に10μmの塗布膜厚になるように塗布した。実施例1と同様の方法で測定した接触角は120゜、臨界表面張力は13dyne/cmであった。塗布液の塗布ムラは無く、フッ素コート層に剥離は観察されなかった。フィルム表面に付着した指紋は目立たず、指紋は1回の拭き取りで拭き取ることができた。
(実施例3)
実施例1において、不燃性溶剤のハイドロフルオロエーテルに共重合体を溶解させた0.5wt%の固形分濃度を0.05wt%に変更し、フッ素系樹脂の塗布液を作製し、この塗布液をガーゼに染み込ませて、フィルム3のハードコート層9の表面に0.01μmの塗布膜厚になるように塗布した。実施例1と同様の方法で測定した接触角は103゜、臨界表面張力は23dyne/cmであった。塗布液の塗布ムラは無く、フッ素コート層に剥離は観察されず、フィルム表面に付着した指紋は目立たなかった。付着した指紋を拭き取るテストを行ったところ、1回の拭き取りでは指紋が残ったものの、2回の拭き取りでは付着した指紋を拭き取ることができた。
(比較例1)
実施例1のタッチパネルのフィルム表面に何ら処理を施す事無く、フィルム表面上に純水を垂らして接触角を測定すると75゜であった。臨界表面張力は37dyne/cmであった。また、指紋を付着させた後、指紋の拭き取りを行うと、汚れ(油脂)は周囲に広がり、5回の拭き取りを行っても汚れは残り、10回の拭き取りで汚れを落とすことができた。
(比較例2)
実施例1において、不燃性溶剤のハイドロフルオロエーテルに共重合体を溶解させた0.5wt%の固形分濃度を10wt%に変更し、フッ素系樹脂の塗布液を作製し、この塗布液をガーゼに染み込ませて、フィルム3のハードコート層9の表面に15μmの塗布膜厚になるように塗布した。水の接触角は120゜、臨界表面張力は13dyne/cmであった。フッ素コート層の剥離は観察されなかったが、塗布液は、白っぽく、塗布ムラがあった。タッチパネルの表面に白いムラがあることは、表面品位上好ましくないことである。フィルム表面に付着した指紋は目立たず、付着した指紋は1回の拭き取りで拭き取ることができた。
(比較例3)
実施例1において、不燃性溶剤のハイドロフルオロエーテルに共重合体を溶解させた0.5wt%の固形分濃度を0.03wt%に変更し、フッ素系樹脂の塗布液を作製し、この塗布液をガーゼに染み込ませて、フィルム3のハードコート層9の表面に0.006μmの塗布膜厚になるように塗布した。水の接触角は96゜、臨界表面張力は33dyne/cmであった。塗布ムラはなく、フッ素コート層の剥離は観察されなかったが、フィルム表面に付着した指紋が目立ち、付着した指紋を落とすのに8回の拭き取りが必要であった。
(比較例4)
実施例1において、フッ素系モノマーと非フッ素系モノマーとの成分比率を90:10から20:80に変更して、不燃性溶剤のハイドロフルオロエーテルに共重合体を溶解させた0.5wt%の固形分濃度の塗布液を作製し、この塗布液をガーゼに染み込ませて、フィルム3のハードコート層9の表面に1μmの塗布膜厚になるように塗布した。水の接触角は85゜、臨界表面張力は35dyne/cmであった。塗布ムラはなく、フッ素コート層の剥離は観察されなかったが、フィルム表面に付着した指紋が目立った。付着した指紋を落とすのに10回の拭き取りが必要であった。
(比較例5)
実施例1において、フッ素系モノマーと非フッ素系モノマーとの成分比率を90:10から100:0に変更して、0.5wt%の固形分濃度の塗布液を作製し、この塗布液をガーゼに染み込ませて、フィルム3のハードコート層9の表面に塗布した。この例では、塗布ムラが目立ち、フッ素コート層の剥離が観察され、フィルム表面に付着した指紋が目立つ結果となった。
したがって、実施例1〜3及び比較例1〜5の結果より、臨界表面張力が25dyne/cm以下又は水の接触角が100℃以上のフッ素系樹脂(塗布液)をタッチパネルの操作面に塗布することで、油脂や汗などの汚れの付着を防止でき、また、付着した汚れを容易に拭き取ることができ、タッチパネルの防汚性を高めることができる。また、タッチパネルを介して文字や写真を鮮明に表示することができ、高品位なタッチパネルを提供することができる。
以上、本発明をその好適な実施形態に関連して説明したが、後述する請求の範囲の開示から逸脱することなく様々な修正及び変更を為し得ることは、当業者に理解されるであろう。
本発明に係るタッチパネルの一実施形態を示す断面図である。 フッ素樹脂コート剤の密着性及び防汚性付与メカニズムを説明する説明図である。 タッチパネルの製造方法を説明する説明図である。
1 タッチパネル
2 下基板
3 上基板
9 ハードコート層
10 フッ素系樹脂コート層

Claims (6)

  1. 臨界表面張力が、大きくても25dyne/cm、又は水の接触角が小さくても100゜のフッ素系樹脂がパネル操作面に塗布されているタッチパネル。
  2. 前記フッ素系樹脂は、炭素数1〜12のフルオロアルキル基及び/又はフルオロポリエーテル基及び/又はパーフルオロアルキル基及び/又はパーフルオロポリエーテル基を有し、且つ炭素−炭素二重結合を有するモノマーと、フッ素官能基を有しない炭素−炭素二重結合を有するモノマーとを共重合してなるフッ素系樹脂である請求項1記載のタッチパネル。
  3. 前記フッ素系樹脂の塗布膜厚が0.01〜10μmである請求項1又は2に記載のタッチパネル。
  4. 臨界表面張力が、大きくても25dyne/cm、又は水の接触角が小さくても100゜のフッ素系樹脂をパネル操作面に塗布することを含むタッチパネルの製造方法。
  5. 固形分濃度が、0.05〜5%であって、溶剤に溶解している溶液状態の前記フッ素系樹脂を用いる請求項4のタッチパネルの製造方法。
  6. 前記溶剤は不燃性フッ素系溶剤である請求項5記載のタッチパネルの製造方法。
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