JP2010174135A - ポリエステルフィルム - Google Patents

ポリエステルフィルム Download PDF

Info

Publication number
JP2010174135A
JP2010174135A JP2009018214A JP2009018214A JP2010174135A JP 2010174135 A JP2010174135 A JP 2010174135A JP 2009018214 A JP2009018214 A JP 2009018214A JP 2009018214 A JP2009018214 A JP 2009018214A JP 2010174135 A JP2010174135 A JP 2010174135A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester film
film
polyester
irradiation
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009018214A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomohisa Saito
智久 齋藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Plastics Inc
Original Assignee
Mitsubishi Plastics Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Plastics Inc filed Critical Mitsubishi Plastics Inc
Priority to JP2009018214A priority Critical patent/JP2010174135A/ja
Publication of JP2010174135A publication Critical patent/JP2010174135A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】インクジェット法による環境負荷、コストなどの問題を解決し、安価で簡便な紫外線照射によってカラーチェンジすることが可能であり、屋外向けの建材など様々な用途で紫外線強度測定に利用でき、また、電子部品におけるUV感光マーカーや光センサー技術としての用途への適用もできるポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】紫外線照射で可逆的に変色する有機フォトクロミック化合物を0.05〜1.00重量%含有することを特徴とするポリエステルフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、紫外線(以下、UVと略記することがある)照射で可逆的にカラ−チェンジを引き起こす有機フォトクロミック化合物を含むポリエステルフィルムであり、UV照射後に可視範囲でカラーチェンジの機能を有するポリエステルフィルムに関するものである。
近年、太陽電池や電子機器、さらには建材などの生活装飾品関連に至るまで多方面で機能性ポリエステルフィルムが使われている。これらの用途では安価で、環境に優しく、高機能性のポリエステルフィルムが望まれている。
既存のポリエステルフィルムでは、生活用品装飾における建材用途として、主流のインクジェット法によるプリントが施されたポリエステルフィルムが知られている。インクジェット法の問題点としては、様々なポリマーや顔料を多量に使用することから環境への負荷が大きい、また、汚染などのメンテナンスや設備投資費の大きさ、ランニングコスト、さらには、乾燥工程や、フィルム厚みの変化などの技術的な難点が挙げられる。
従来のインクジェット法ではなく、例えば、UV感光型のカラーチェンジ性能を有するポリエステルフィルムは、光触媒をコーティングした窓ガラスに貼ることで、紫外線強度測定の目安になること、また、同様の用途として、太陽電池における紫外線強度測定の目安になることなどから、その活用が期待されている。
さらなる例としては、電子部品におけるUV感光マーカーや光センサー技術としての用途可能性があるばかりではなく、UV感光着色技術を用いた美しい生活用品への応用の可能性もある。
そこで、ポリエステルフィルムに、ある種のUV感光着色機能を付与できたならば、インクジェット法に代わる新しい新規なポリエステルフィルムを提供することができる。
特開2007−146014号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、インクジェット法による環境負荷、コストなどの問題を解決し、安価で簡便な紫外線照射によってカラーチェンジすることが可能であり、屋外向けの建材など様々な用途で紫外線強度測定に利用でき、また、電子部品におけるUV感光マーカーや光センサー技術としての用途への適用もできるポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者は、上記実情に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を有するポリエステルフィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、紫外線照射で可逆的に変色する有機フォトクロミック化合物を0.05〜1.00重量%含有することを特徴とするポリエステルフィルムに存する。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明におけるポリエステルフィルムを構成する、ポリエステルフィルムは単層構成であっても多層構成であってもよく、2層、3層構成以外にも本発明の要旨を越えない限り、4層またはそれ以上の多層であってもよく、特に限定されるものではない。
本発明において使用するポリエステルは、ホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。ホモポリエステルからなる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート等が例示される。一方、共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、p−オキシ安息香酸など)等の一種または二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。
本発明のフィルム中には、易滑性の付与および各工程での傷発生防止を主たる目的として、粒子を配合することが好ましい。配合する粒子の種類は、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されているような耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
一方、使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
また、用いる粒子の平均粒径は、通常0.01〜3μm、好ましくは0.1〜2μmの範囲である。平均粒径が0.01μm未満の場合には、易滑性を十分に付与できなかったり、粒子が凝集して、分散性が不十分となり、フィルムの透明性を低下させたりする場合がある。一方、3μmを超える場合には、フィルムの表面粗度が粗くなりすぎて、後工程においてプリズム層や光拡散層等の機能層を形成させる場合等に不具合が生じる場合がある。
さらにポリエステル中の粒子含有量は、通常0.001〜5重量%、好ましくは0.005〜3重量%の範囲である。粒子含有量が0.001重量%未満の場合には、フィルムの易滑性が不十分な場合があり、一方、5重量%を超えて添加する場合には、フィルムの透明性が不十分な場合がある。
ポリエステル層中に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、各層を構成するポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化もしくはエステル交換反応終了後、添加するのが良い。
また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
なお、本発明におけるポリエステルフィルム中には、上述の粒子以外に必要に応じて従来公知の酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料等を添加することができる。
本発明におけるポリエステルフィルムの厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではないが、通常10〜350μm、好ましくは50〜250μmの範囲である。
次に本発明におけるポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。すなわち、先に述べたポリエステル原料を使用し、ダイから押し出された溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸するが、その場合、延伸温度は通常70〜170℃であり、延伸倍率は通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。そして、引き続き180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。
また、本発明のポリエステルフィルム製造に関しては、同時二軸延伸法を採用することもできる。同時二軸延伸法は、前記の未延伸シートを通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向に同時に延伸し配向させる方法であり、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。上述の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等、従来公知の延伸方式を採用することができる。
本発明において使用することのできる有機フォトクロミック化合物として、スピロピラン系化合物、スピロオキサジン系化合物、ジヒドロピレン系化合物、スピロチオピラン系化合物、1,4−2H−オキサジン、トリフェニルメタン系化合物、ビオロゲン系化合物、ナフトピラン系化合物、ベンゾピラン系化合物などの有機フォトクロミック物質が挙げられるが、これらの中でもスピロピラン系化合物、スピロオキサジン系化合物、ナフトピラン系化合物、ベンゾピラン系化合物が好ましい。
有機フォトクロミック化合物の具体例としては、1,3,3−トリメチルスピロ[インドリン−2,3’−(3H)−ナフト−(2,1−b)(1,4)−オキサジン]、6’−インドリノ−1,3,3−トリメチルスピロ[インドリン−2,3’−(3H)−ナフト−(2,1−b)(1,4)−オキサジン]、5−クロル−1,3,3−トリメチルスピロ[インドリン−2,3’−(3H)−ナフト−(2,1−b)(1,4)−オキサジン]、6’−ピペリジノ−1,3,3−トリメチルスピロ[インドリン−2,3’−(3H)−ナフト−(2,1−b)(1,4)−オキサジン]、1−ベンジル−3,3−ジメチルスピロ[インドリン−2,3’−(3H)−ナフト−(2,1−b)(1,4)−オキサジン]、1,3,5,6−テトラメチル−3−エチルスピロ[インドリン−2,3’−(3H)−ナフト−(2,1−b)(1,4)−オキサジン]、1,3,3,5,6−ペンタメチルスピロ[インドリン−2,3’−(3H)−ナフト−(2,1−b)(1,4)−オキサジン]、1,3,5,6−テトラメチル−3−エチルスピロ[インドリン−2,3’−(3H)−ピリド−(3,2−f)(1,4)−ベンゾオキサジン]、1,3’,3′−トリメチルスピロ(2H−1−ベンゾピラン−2,2’−インドリン)、1,3,3−トリフェニルスピロ[インドリン−2,3’−(3H)−ナフト−(2,1−b)−ピラン]、1−(2,3,4,5,6−ペンタメチルベンジル)−3,3−ジメチルスピロ[インドリン−2,3’−(3H)−ナフト−(2,1−b)−ピラン]、1−(2−ニトロベンジル)−3,3−ジメチルスピロ[インドリン−2,3’−(3H)−ナフト−(2,1−b)−ピラン]、2,2−ジフェニルナフト−(2,1−b)−ピラン、2,2−ジ(p−メトキシフェニル)ナフト−(2,1−b)−ピラン、スピロ[2H−クロメン−2,2’−トリシクロ[3.3.1.13.7]デカン]、スピロ[2H−ナフト−(2,1−b)−ピラン−2,2’−トリシクロ[3.3.1.13.7]デカン]、5,7−ジメチル−スピロ[2H−クロメン−2,2’−トリシクロ[3.3.1.13.7]デカン]、6−(4−メトキシフェニル)−9−メトキシ−スピロ[2H−ナフト−(1,2−b)−ピラン−2,2’−トリシクロ][3.3.1.13.7]デカン]、6−クロロ−スピロ[2H−ナフト−(1,2−b)−ピラン−2,2’−トリシクロ[3.3.1.13.7]デカン]等が挙げられる。
有機フォトクロミック化合物は、単独で使用することも可能であるが、変色機能を向上させることや耐光性を向上させることを目的として、高沸点タイプの溶媒、可塑剤、合成樹脂、ヒンダードアミン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物などの助剤を併用することが好ましい。これらの化合物は、フォトクロミック化合物と併用する材料として公知のものであり、芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート等が例示される。一方、共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、p-オキシ安息香酸など)等の一種または二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。
有機フォトクロミック化合物のフィルム中の含有量は、0.05〜1.0重量%の範囲である。含有量が0.05重量%未満では、フィルムの変色効果が劣る。一方、1.0重量%を超えて含有する場合、フィルム中での劣化物により、不具合が生じる。
次に本発明におけるUVで可逆的にカラ−チェンジを引き起こす有機フォトクロミック化合物のポリエステルへの練り込みについて説明する。それらの化合物はポリエステルレジンに練り込んだマスターバッチとして用いる方が好ましいが、ポリエステルレジンへのそれらの化合物の直接添加でもよい。
さらに本発明におけるUVによりカラーチェンジ性能を有するポリエステルフィルムについて、有機フォトクロミック化合物の練り込みの層構成について説明する。有機フォトクロミック化合物はポリエステルフィルムの表層、もしくは中間層どちらへの練り込みでも構わない。フィルム全体として、上記の含有量となるように表層あるいは中間層の含有量を調整すればよい。
本発明のUVによりカラーチェンジ性能を有するポリエステルフィルムによれば、有機フォトクロミック化合物を適量範囲内で表層でも中間層でもどちらに練り込んでも透明性が高い可逆的なカラーチェンジ性能を持つポリエステルフィルムを提供することができる。本発明のUVによりカラーチェンジ性能を有するポリエステルフィルムは、屋外向けの建材など様々な用途で、紫外線強度測定の目安になること、また、電子部品におけるUV感光マーカーや光センサー技術としての用途可能性があるばかりではなく、UV感光着色技術を用いた美しい生活用品への応用が期待できるため、その工業的価値は高い。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた測定法および評価方法は次のとおりである。
(1)ポリエステルフィルムの透過率測定
透明性の基準として、目視による透明性の評価と透過率測定が挙げられる。次のような基準で判断する。
・目視に関して
○:ほぼ透明である
△:透明であるが、少し桃色に着色している
×:黄色や赤色が強く曇っている
・透過率測定に関して
JIS − K7105に準じ、日本電色工業社製積分球式濁度計NDH−300Aによりフィルムの全光線透過率を測定した。一般的なポリエステルフィルムの透過率に対して、0.5〜1%の範囲内の透過率の低下を◎、1〜2%の範囲内の透過率の低下を○、2〜4%の範囲内の透過率の低下を△、4%を超える透過率の低下を×として評価した。
(2)ポリエステルフィルムのUV照射後の着色強度のコントラスト評価
輝度計を用いて、UV照射前のフィルムの非着色部分とUV照射後の着色部分のコントラスト比の評価を行った。具体的には、電通産業製フラットイルミネーター:HF−SL−A48LCFにサンプルを置き、さらに、コニカミノルタセンシング社製:CS−200を用い、測定視野角1°、サンプルと輝度計との距離を500mmとし、輝度値(cd/m)を測定した。なお、相対輝度(%)を下記式より求めた。
相対輝度=(UV未照射部分の測定値)÷(UV照射部分の測定値)×100
得られた相対輝度の値から下記基準で評価した。
◎:105を超える(強い着色)
○:102〜105(着色している)
△:101〜102(薄い着色)
×:101未満(ほとんど着色していない)
(3)ポリエステルフィルムのUV照射後の着色強度のL*a*b*色差評価
得られたUV照射後のポリエステルフィルムについて、色差計を用いて、UV照射前のフィルムの非着色部分とUV照射後の着色部分のL*a*b*色差の評価を行った。具体的には、JIS Z 8729に従い、コニカミノルタ製色彩色差計CR−410(サンプル径50mm)を用いて、UV照射部分と非照射部分のL*a*b*色差値を測定した。このとき、光源はC/D65で、背面を白色とし、反射法にて測定を行った。測定回数は3回行い、平均値を採用した。その後、ΔL*(照射部分のL*値−非照射部分L*値)、Δa*(照射部分のa*値−非照射部分a*値)、Δb*(照射部分のb*値−非照射部分b*値)をそれぞれ求め、ΔE値を算出し、評価した。
なお、ΔE値を下記式より求めた。
ΔE={(ΔL*)+(Δa*)+(Δb*)1/2
得られたΔEの値から下記基準で評価した。
◎:20.0を超える(強い着色)
○:10.0〜20.0(着色している)
△:5〜10.0(薄い着色)
×:5未満(ほとんど着色していない)
(4)ポリエステルフィルムのUV照射後の着色強度の目視評価
UVによる不可逆的なカラーチェンジ(着色)性能を有するポリエステルフィルムにおいて、本発明は将来的には工業的生産を目的としていて、目視で変化が見て取れる事が第一条件となるため、得られたUV照射後のポリエステルフィルムについて、目視による強度の判断を行った。次のような基準で判断する。
◎:強い着色
○:着色している
△:薄い着色
×:着色していない
実施例 1:
ポリエステルと有機フォトクロミック化合物であるフォトピアイエロー(株式会社松井色素化学工業所)を99.95:0.05の割合で混合した混合原料を中間層の原料として、表層のポリエステルと中間層の混合原料を1:9の割合で2台の押出機に各々を供給し、各々290℃で溶融した後、40℃に設定した冷却ロール上に、2種3層(表層/中間層/表層)の層構成で共押出し、冷却固化させて未延伸シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.4倍延伸した後、テンターに導き、横方向に120℃で4.0倍延伸し、225℃で熱処理を行った後、横方向に2%弛緩し、厚さ100μm(表層5μm、中間層90μm)の黄色透明ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、薄黄色透明なフィルムであった。そのポリエステルフィルムについて、高圧水銀灯によるUV(ウシオ電気株式会社:UVC−402/1HN:302/1MN:JC01)光照射(181mW/cm,10m/分,d=100mm)を行い、カラーチェンジ性能を評価したところ、黄色着色状態への変化は良好なものであった。得られたフィルムの相対輝度は107%、ΔEは15.4(L*=87.09,a*=−1.28,b*=12.94)であった。
実施例2:
原料と有機フォトクロミック化合物の比をそれぞれ99.0:1.0の割合で混合した混合原料を中間層の原料として用いること以外は実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、薄黄色透明なフィルムであった。そのポリエステルフィルムについて、実施例1と同様の方法でUV照射を行い、カラーチェンジ(着色)性能を評価したところ、黄色着色状態への変化は良好なものであった。薄黄色着色状態(強度)であり、透明性についても良好なものであった。得られたフィルムの相対輝度は106%、ΔEは23.0(L*=6.28,a*=−1.44,b*=23.80)であった。
比較例1:
原料と有機フォトクロミック化合物の比をそれぞれ99.97:0.03の割合で混合した混合原料を中間層の原料として用いて、ポリエステルフィルムを得るということ以外は実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、透明なフィルムであった。そのポリエステルフィルムについて、実施例1と同様の方法でUV照射行い、カラーチェンジ(着色)性能を評価したところ、黄色着色状態への変化は確認できなかった。得られたフィルムの相対輝度は101%未満であり、ΔEは1.2(L*=89.59,a*=2.30,b*=−1.35)であった。
比較例2:
原料と有機フォトクロミック化合物の比をそれぞれ98.5:1.5の割合で混合した混合原料を中間層の原料として用いて、ポリエステルフィルムを得るということ以外は実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、透明性が失われた黄色のフィルムであった。そのポリエステルフィルムについて、実施例1と同様の方法でUV照射を行い、カラーチェンジ(着色)性能を評価したところ、黄色着色状態への変化は顕著であった。得られたフィルムの相対輝度は106%、ΔEは23.0(L*=86.28,a*=−1.44,b*=23.80)であった。
Figure 2010174135
本発明のポリエステルフィルムは、屋外向けの建材など様々な用途で、紫外線強度測定の目安になること、また、電子部品におけるUV感光マーカーや光センサー技術としての用途可能性があるばかりではなく、UV感光着色技術を用いた美しい生活用品への応用が期待できる。

Claims (1)

  1. 紫外線照射で可逆的に変色する有機フォトクロミック化合物を0.05〜1.00重量%含有することを特徴とするポリエステルフィルム。
JP2009018214A 2009-01-29 2009-01-29 ポリエステルフィルム Pending JP2010174135A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009018214A JP2010174135A (ja) 2009-01-29 2009-01-29 ポリエステルフィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009018214A JP2010174135A (ja) 2009-01-29 2009-01-29 ポリエステルフィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010174135A true JP2010174135A (ja) 2010-08-12

Family

ID=42705411

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009018214A Pending JP2010174135A (ja) 2009-01-29 2009-01-29 ポリエステルフィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010174135A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010201716A (ja) * 2009-03-02 2010-09-16 Mitsubishi Plastics Inc 離型フィルム
CN111830550A (zh) * 2020-06-04 2020-10-27 中国科学院上海应用物理研究所 金属有机杂化晶格材料及其在辐照源检测中的应用
CN113754907A (zh) * 2021-08-13 2021-12-07 江苏双星彩塑新材料股份有限公司 一种光致变色聚酯薄膜及其制备方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6055038A (ja) * 1983-09-06 1985-03-29 Iic Kagaku Kogyo Kk ホトクロミック樹脂組成物
JPS61123835A (ja) * 1984-11-20 1986-06-11 Unitika Ltd 感光性樹脂組成物
JPH06282034A (ja) * 1993-03-30 1994-10-07 Toyobo Co Ltd フォトクロミック薄膜
WO2007031892A1 (en) * 2005-09-15 2007-03-22 Koninklijke Philips Electronics N.V. Optical filter
WO2007078529A1 (en) * 2005-12-21 2007-07-12 Transitions Optical, Inc. Photochromic indeno-fused naphthopyrans
JP2008108381A (ja) * 2006-10-26 2008-05-08 Lintec Corp 光記録媒体用多層構造体、その製造方法及び多層光記録媒体
WO2008111995A1 (en) * 2006-08-01 2008-09-18 Transitions Optical, Inc. Oriented polymeric sheets exhibiting dichroism and articles containing the same

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6055038A (ja) * 1983-09-06 1985-03-29 Iic Kagaku Kogyo Kk ホトクロミック樹脂組成物
JPS61123835A (ja) * 1984-11-20 1986-06-11 Unitika Ltd 感光性樹脂組成物
JPH06282034A (ja) * 1993-03-30 1994-10-07 Toyobo Co Ltd フォトクロミック薄膜
WO2007031892A1 (en) * 2005-09-15 2007-03-22 Koninklijke Philips Electronics N.V. Optical filter
WO2007078529A1 (en) * 2005-12-21 2007-07-12 Transitions Optical, Inc. Photochromic indeno-fused naphthopyrans
WO2008111995A1 (en) * 2006-08-01 2008-09-18 Transitions Optical, Inc. Oriented polymeric sheets exhibiting dichroism and articles containing the same
JP2008108381A (ja) * 2006-10-26 2008-05-08 Lintec Corp 光記録媒体用多層構造体、その製造方法及び多層光記録媒体

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010201716A (ja) * 2009-03-02 2010-09-16 Mitsubishi Plastics Inc 離型フィルム
CN111830550A (zh) * 2020-06-04 2020-10-27 中国科学院上海应用物理研究所 金属有机杂化晶格材料及其在辐照源检测中的应用
CN113754907A (zh) * 2021-08-13 2021-12-07 江苏双星彩塑新材料股份有限公司 一种光致变色聚酯薄膜及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3927585B2 (ja) 脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム及び反射板
JP2010174135A (ja) ポリエステルフィルム
JP2007130956A (ja) 光学用積層ポリエステルフィルム
JP5302756B2 (ja) ポリエステルフィルム
JP2007045024A (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP4334108B2 (ja) 窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルム
JP2010202749A (ja) 白色ポリエステルフィルム
JP5155906B2 (ja) 離型フィルム
JP2007130958A (ja) 光学用積層ポリエステルフィルム
JP5363830B2 (ja) 発光性ポリエステルフィルム
JP2010174086A (ja) 発光性ポリエステルフィルム
JP5342266B2 (ja) ポリエステルフィルム
JP5355136B2 (ja) ポリエステルフィルム
JP2010280198A (ja) ポリエステルフィルム
JP2010189557A (ja) ポリエステルフィルム
JP2011026363A (ja) ポリエステルフィルム
JP5388627B2 (ja) 塗布層を有するポリエステルフィルム
JP4804741B2 (ja) 脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム及び反射板
JP2014177521A (ja) 光学基材用粘着シート
JP4607553B2 (ja) 脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム及び反射板
JP2010180345A (ja) ポリエステルフィルム
JP2010180267A (ja) 発光性ポリエステルフィルム
JP5416865B2 (ja) ポリエステルフィルム
JP2006145569A (ja) 脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム及び反射板
JP4550787B2 (ja) 脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム及び反射板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111115

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120905

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120918

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121022

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121204

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130423