JP2010171723A - 非接触型通信装置、その受信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】通信処理性能が低下することなく比較的小さな回路規模にて、ヌル点発生を抑止する。
【解決手段】検波回路4、増幅器5、コンパレータ6から成る受信装置に新たにカード位置検出部7を設けると共に、2値化回路であるコンパレータ6内に正帰還の抵抗R2と直列にスイッチSW1を設ける。カード位置検出部7において、検波回路4の出力をLPF8に入力してそのAC成分を除去し直流成分を得て、この直流成分電圧を所定の基準電圧Vref2と大小比較することで、スイッチSW1をON/OFFする信号を出力する。ICカードとの距離がVref2に対応する所定距離以下であるときは、スイッチSW1はON制御され、コンパレータ6のヒステリシスが働く。
【選択図】 図1

Description

本発明は、非接触ICカード等の非接触型情報媒体との近接無線通信を行う非接触型通信装置、その受信装置等に関する。
近年、電子マネーや電子乗車券などの分野において、非接触ICカードの普及が進んでいる。非接触ICカードシステムは、リーダ・ライタと非接触ICカードから構成され、リーダ・ライタから放射される磁界により非接触ICカードは内蔵するICを起動する。放射する磁界の振幅に変調をかけることによりリーダ・ライタから非接触ICカードへの通信を実現し、非接触ICカードからリーダ・ライタへの通信は、リーダ・ライタが放射する磁界に対して非接触ICカード内の負荷を切り替え、これをリーダ・ライタが検出することにより行われる(負荷変調)。
非接触ICカードとリーダ・ライタ間の通信は、通信可能である距離範囲内においても、リーダ・ライタと非接触ICカードの位置関係や両者のアンテナにおける共振周波数の関係などにより、通信不能となる領域(ヌル点)が発生することが知られている。特に、カードがアンテナと密着に近い状態にてヌル点が発生することがあるが、これは非接触ICカードの使用特性上、望ましくない。
一般にヌル現象を抑制する方式として、ヌル現象発生を検出(受信不能と判定)した際に、リーダ・ライタ側の送信回路の出力電力やインピーダンスを制御する方法が提案されている。これは、例えば、送信制御部のインピーダンスを切替えることで、ヌル点の発生位置を移動させて対策をしていた。しかし、この方式では、受信不能と判断した時点でインピーダンス切替えなどの制御を行なう為、通信処理シーケンスの途中でヌル点が発生した場合は、通信処理シーケンスを初めから再実行する必要があり、処理のオーバーヘッドが生じる為、通信処理性能が低下する問題があった。
上記問題に対して、(ヌル現象発生の検出とインピーダンス切替制御等による)処理のオーバーヘッド(通信処理性能の低下)が発生しない方式として、例えば特許文献1、2、3に記載の方式が提案されている。これらは、非接触ICカードが負荷変調を行う際に、振幅変調をリーダ・ライタにて検出することができない場合も、同時に位相にも変調がかかることから、これをリーダ・ライタにて検出することにより、ヌル点問題の発生を抑制しようとするものである(正常に受信(復調)処理が行えるようにするものである)。
特開2005−318385号公報 特開2006−344228号公報 特開2007−12076号公報
しかしながら、これら特許文献1〜3の全ての提案は、位相の検出を行うために、従来の振幅変調の復調手段とは別に、位相変調の検出手段を設け、これらの出力信号を合成することにより、復調出力を得ようとするものであり、回路規模や消費電力が増大する、と言う問題があった。
本発明の課題は、通信処理性能が低下することなく、比較的小さな回路規模で、ヌル点問題を解消して正常に通信できるようにする非接触型通信装置、その受信装置等を提供することである。
本発明の非接触型通信装置は、非接触型情報媒体による負荷変調信号を受信し、該受信信号の包絡線を検波出力する包絡線検波回路と、該包絡線検波出力を増幅する増幅器と、該増幅器出力を入力して2値化するコンパレータとを有する非接触型通信装置において、前記包絡線検波出力に基づいて前記非接触型情報媒体との距離が所定距離以下か否かを検出して、該検出結果により前記コンパレータのヒステリシス幅を制御する位置検出制御手段を備える。
例えば、前記コンパレータにおいて正帰還の抵抗と直列にスイッチを設け、前記位置検出制御手段は、前記非接触型情報媒体との距離が所定距離以下である場合には前記スイッチをON制御することで、コンパレータのヒステリシスが働くようにする。
上記非接触型通信装置は、特に非接触型通信装置のアンテナとICカードとの距離が近いときにコンパレータへの入力信号波形が大きく歪むことで、コンパレータ出力のデューティー比がズレることによって正しく復号できない、というヌル点問題を解消するものである。
その為に、上記位置検出手段を設け、コンパレータのヒステリシス幅を制御する。例えば、上記の通り、非接触型情報媒体との距離が所定距離以下である場合には、コンパレータのヒステリシスが働くように制御する。所定距離以下の領域のどこかで、コンパレータへの入力信号波形が大きく歪んでも、コンパレータのヒステリシスが働いていることから、コンパレータ出力のデューティー比がずれないようにでき、正しく復号できる。
また、例えば、前記位置検出制御手段の検出出力によって、更に、前記増幅器の利得を制御する。
これは、例えば、前記増幅器には、負帰還の2つの抵抗を並列に設けると共に該2つの抵抗の何れか一方に直列に接続される第2スイッチを設け、前記位置検出制御手段は、前記非接触型情報媒体との距離が所定距離以下である場合には前記第2スイッチもON制御することで、前記増幅器の利得を下げる。
コンパレータへの入力信号波形が非常に大きく歪んで、コンパレータのヒステリシスが働いていても正しく復号できない可能性がある場合でも、その前段の増幅器の利得を下げることにより入力信号波形の振幅を小さくすることで、コンパレータ出力のデューティー比がずれないようにでき、正しく復号できる。
本発明の非接触型通信装置、その受信装置等によれば、非接触ICカードシステムにおいて、通信処理性能が低下することなく、比較的小さな回路規模で、ヌル点問題の発生を抑止して正常に通信できるようにすることができる。
実施例1による非接触ICカード・リーダライタの構成図である。 検波回路への入力信号波形の一例である。 検波回路の出力波形(包絡線検波出力波形)の一例である。 包絡線検波出力の直流成分のアンテナ−ICカード間距離特性を示す図である。 包絡線検波出力のAC成分の振幅のアンテナ−ICカード間距離特性を示す図である。 包絡線検波出力のAC成分波形の一例を示す図である。 実施例2による非接触ICカード・リーダライタの構成図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
以下、実施例1、実施例2について説明する。
図1は、実施例1による非接触ICカード・リーダライタの構成図である。
尚、リーダライタの通信相手は、非接触ICカードのようなカード型の形態に限らず、例えばICカード機能内蔵の携帯電話やタグ型(ICタグ)あるいは腕時計型の形態等であってもよく、これらを総称して非接触型情報媒体と呼ぶものとする。また、これより、リーダライタも、非接触ICカード・リーダライタに限らないものであり、総称して非接触型通信装置と呼ぶものとする。但し、以下の説明では非接触ICカード、非接触ICカード・リーダライタを例にする。尚、非接触ICカードを省略してICカードという場合もある。
図1に示す実施例1の非接触ICカード・リーダライタは、制御部1、送信回路2、アンテナ3、及び復調部として検波回路4、増幅器5、コンパレータ6、及びカード位置検出部7等を有する。これら構成のうち、本例の特徴は主に、カード位置検出部7を設けた点と、コンパレータ6を所謂“ヒステリシスコンパレータ”として動作し得る構成とすると共にカード位置検出部7の出力に応じてON/OFFするスイッチSW1を設けたことで、コンパレータ6を“ヒステリシスコンパレータ”として動作させるモードとそうでないモードとに切り替えるようにした点である。
よって、これら以外の構成は、従来の構成と略同様であってよく、以下、簡単に説明する。
制御部1は、CPU/MPU等であり、非接触ICカードとのデータ送受信処理を制御する。すなわち、任意の送信データを送信回路2に送って、送信回路2及びアンテナ3によりICカードに送信データを無線送信させる。また、上記復調部によって得られる、ICカードからの応答データ(復調信号)を入力して、所定のデータ受信処理を実行する。
送信回路2は、制御部1から入力される送信データに伴って、磁界に変調をかけ、アンテナ3より放射することにより、送信データをICカードへ無線伝送する。
非接触ICカードからの応答は、送信回路2から無変調の磁界が出力されている状態で、非接触ICカードによる負荷変調を上記検波回路4で検出し(負荷変調信号の包絡線を検出する)、この包絡線検出信号を増幅器5で増幅した後、2値化回路としてのコンパレータ6で2値化して、制御部1に入力する。
非接触ICカードにより負荷変調された磁界の波形(検波回路4への入力信号波形)は、例えば、図2のようになる。尚、図2の波形は、実際には、例えば上記特許文献3の図15のように、上記送信回路2からの無変調信号(例えば周波数13.56MHzの搬送波)が負荷変調された波形となるが、図2においては搬送波は省略して示している。
検波回路4では、当該負荷変調された磁界波形の包絡線を検出する。よって、図2の例に対する検波回路4の出力波形(包絡線検波出力波形)は、図3のようになる。図3に示すように、検波回路4の出力波形は、図2に示す信号の包絡線を抽出した波形であり、図示の振幅VmのAC成分と、電圧VのDC成分とから成る。
上記包絡線のAC成分(振幅Vmの信号)が、増幅器5により増幅され、コンパレータ6において“1”、“0”の2値に変換されて制御部1において復号化されることにより、非接触ICカードからの応答データが再現される。
ここで、包絡線検波出力の直流成分Vdc(図3のVに相当)のリーダ・ライタアンテナ−ICカード間距離特性は、カード(メディア)にもよるが、例えば図4のようになる。
図4に示すようにICカードがアンテナ3に近接した状態において電圧が高くなっているのは、ICカードが近接することによりリーダ・ライタのアンテナ3との結合度が高くなり、結果として送信回路2の出力インピーダンスと不整合になるためである。
一方で、包絡線検波出力のAC成分の振幅Vm(その絶対値|Vm|)のアンテナ−ICカード間距離特性は、例えば図5のようになる。また、ヌル点における包絡線検波出力のAC成分波形の一例を図6に示す。
図5を見ると、一見、ICカードがアンテナに近接した状態においてもコンパレータ6にて2値化するのに十分な振幅があり、制御部1にて復号が可能であるように見える。しかしながら、包絡線検波信号は本来、矩形波に近い波形となるべきところが、ICカードがアンテナ3に近接した状態では図6のように大きく歪んだ波形となり、これがコンパレータ6へ入力されることからコンパレータ出力のデューティー比がずれ、結果として復号器(制御部1)にて正しく復号できない場合がある。
従来より、“ヌル点問題”が生じる原因としては、例えば特許文献1に記載のように、負荷変調の結果が負荷変調信号(包絡線検波信号)の振幅に現れないこと、すなわち上記AC成分の振幅Vmがほぼ0(ゼロ)(振幅変化を検出できない状態)になってしまうことが知られているが、これ以外でも上記の通り歪んだ波形となることでコンパレータ出力のデューティー比がズレることによって正しく復号できないことも、“ヌル点問題”(ヌル現象発生)の原因の一つとして知られている。
本手法は、包絡線検波信号が歪んだ波形となることで生じる“ヌル点問題”を解決するものである。
そこで、上記図1に示す本構成では、カード位置検出部7を設けたことにより、当該カード位置検出部7にてICカードが近接していることを検出し、コンパレータ6のヒステリシス幅を制御することにより、このような歪んだ波形が復調部に入力された場合でも、コンパレータ出力のデューティー比がずれないようにし、制御部1(復号器)にて正しく復号できるようにする。
以下、図1の構成に関して(特にカード位置検出部7とコンパレータ6に係わる構成に関して)、更に詳細に説明する。
まず、増幅器5は、図示のようなオペアンプM1を用いた一般的な増幅器の構成であってよい。すなわち、図示のように、オペアンプM1の−端子(反転入力端子)には検波回路4の出力がコンデンサC、抵抗R3を介して入力しており、また負帰還の抵抗R5が設けられている。また、オペアンプM1の+(プラス)端子には、抵抗R4を介して基準電圧Vref1が印加されている。この構成により、上記包絡線検波信号が所定の増幅率で増幅されて、コンパレータ6へ出力される。
コンパレータ6においては、そのオペアンプM2の−端子に上記増幅器5出力が抵抗6を介して入力される。また、オペアンプM2の+端子には、抵抗R1を介して上記基準電圧Vref1が印加され、正帰還の抵抗R2が設けられている。但し、この抵抗R2と直列にスイッチSW1(アナログスイッチ等)が設けられており、スイッチSW1がONの状態(接続状態)ではコンパレータ6のヒステリシスが働くことになるが、スイッチSW1がOFFの状態(開放状態)のときには、コンパレータ6のヒステリシスは無い状態となる。
ここで、例えば、コンパレータ6のスレッショルドレベルが、ヒステリシスが無い状態では図6に示すレベルAとなり、ヒステリシスが働く状態ではこのレベルAから図示の±Vhずれたレベル(図示のレベルB,C)となるように設定される。尚、厳密に言えば、レベルA自体も2つのレベルから成るが、この2つのレベルは殆ど同じ値であるので、ここでは1つのレベルとして扱うものとする。
上記スイッチSW1のON/OFFは、カード位置検出部7の出力により制御されるものである。本例では、カード位置検出部7の出力が‘1’(Hiレベル)のときにはスイッチSW1はON状態となり、‘0’(Lowレベル)のときにはスイッチSW1はOFF状態(開放状態)となる。
カード位置検出部7は、LPF(ローパスフィルタ)8、抵抗R7、オペアンプM3より成る。上記検波回路4の出力(包絡線検波出力)はLPF(ローパスフィルタ)8に入力される。LPF8では、この包絡線検波出力のAC成分を除去し、直流成分Vdcを出力する。LPF8の出力は抵抗R7を介してオペアンプM3の+端子に入力する。また、オペアンプM3の−端子には所定の基準電圧(閾値電圧)Vref2が印加されている。これより、オペアンプM3の出力は、その+端子の入力値(直流成分値)が閾値電圧値Vref2よりも高い場合にはHi、低い場合にはLowとなる。
ここで、包絡線検波出力の直流成分Vdcは、上述の通り、図4のような特性になることから、オペアンプM3の閾値電圧Vref2を適切な値に設定することにより(例えば図4に示す距離Pに対応する値に設定する)、ICカードがある距離よりも近接した状態において、オペアンプM3の出力がHiレベルになるようにすることが出来る。
すなわち、図4に示すように、包絡線検波出力の直流成分Vdcの値は、ICカードとアンテナ3との距離が近いほど大きくなる。よって、上記閾値電圧Vref2を例えば図4に示す距離Pに対応する値に設定した場合、これに対応するアンテナ3−ICカード間の距離(図示の距離P)よりも距離が短い領域(図上、Pの左側の領域)においては、オペアンプM3の出力がHiレベルとなる。一方、Pよりも距離が長い領域(図上、Pの右側の領域)においては、オペアンプM3の出力がLowレベルとなる。尚、閾値電圧Vref2の値(つまり距離P)は、設計者等が適宜決定すればよい。
このように、カード位置検出部7は、検波回路4の出力の直流成分を検出し、この直流成分電圧を、予め設定される所定の距離に対応する閾値電圧Vref2と大小比較することで、等価的にICカードの位置が所定距離P以下か否かを検出するものである。そして、この検出結果によりコンパレータ6のスイッチSW1をON/OFF制御するものである。
上記のように、カード位置検出部7の出力によりコンパレータ6のスイッチSW1を制御することにより、ICカードが所定距離Pより離れている状態(カード位置検出部7の出力がLowレベル)においては、スイッチSW1はOFF制御されて開放状態になっており、したがって、コンパレータ6のヒステリシスは無い状態となる。一方、ICカードが所定の距離Pよりもアンテナに近づくとカード位置検出部7の出力がHiレベルになり、スイッチSW1はON制御されて短絡状態になり、コンパレータ6のヒステリシスが働く(機能する)ようになる。
コンパレータ6のヒステリシスが働く時、コンパレータ6のヒステリシス幅Vhは、コンパレータ6のHiレベル出力電圧をVouthとすると、接続されている抵抗R1、R2の値より以下の式(1)のようになる。
設計者等は、この(1)式を考慮して、ヒステリシス幅Vhが適切と思われる値となるように抵抗R1、R2の抵抗値等を適宜決定すればよい。例えば、図6に示す波形に対して図示のようなヒステリシス幅Vhとなるように設定することで、コンパレータ6のヒステリシスが働くことにより、出力波形のデューティー比が崩れることなく、復号器(制御部1)にて正しく復号できるようになる。
また、上記従来のようにヌル点を検出してインピーダンスを制御する方法では、処理のオーバーヘッドが生じたが、上記手法では、ヌル点を検出してインピーダンスを変えるのではなく、ICカードがある距離よりも近接したら(ヌル点になる前に)スイッチSW1を切り替えるだけなので、処理のオーバーヘッドが生じることはない。
尚、コンパレータ6のヒステリシス幅Vhは、スイッチSW1がON制御されたときは上記(1)式に応じた値となるが、スイッチSW1がOFF制御されたときには実質的にヒステリシス幅Vh≒0に制御されることになる。これより、カード位置検出部7の出力によりコンパレータ6のヒステリシス幅が制御されるものと言える。
また、常にコンパレータ6のヒステリシスが働く状態としないのは、図5に示すように、ICカードとアンテナ3との距離が遠くなるに従って、包絡線検波出力のAC成分の振幅Vm(その絶対値|Vm|)が小さくなるからである(つまり、図6に示す波形の振幅が小さくなる)。つまり、ある程度以上距離が遠くなると、図6に示す波形の振幅のピークが上記レベルB,Cの閾値を越えない状態となる為、ある程度以上距離が遠い状態(図示の距離Pより右側の領域)においては、上記レベルB,Cの閾値ではなく、上記レベルAの閾値を適用させるようにしている。距離Pは、この様な事を考慮して、設計者等が適宜、適切と思われる値を決定して、これに応じた閾値電圧Vref2の値を設定すればよい。
また、上述してあるように、コンパレータ出力のデューティー比がずれるような波形の歪みが生じるのは、ICカードがアンテナ3に近い状態のときであるので、ある程度以上距離が遠い領域ではレベルAの閾値を用いても問題なく、正しく復号できる。
この様に、本手法によれば、非接触ICカードシステムにおいて、通信プロトコルに対するオーバーヘッドがなく、かつも比較的小さな回路規模にて、実質的にヌル現象(ヌル点発生)を抑制することが可能となり、ICカード−アンテナ3間の距離が通信可能範囲内であればどこでも、正常に通信できるようにすることができる。
以上、実施例1について説明した。
以下、実施例2について説明する。
実施例2では、カード位置検出部7の出力によって、コンパレータ6のヒステリシス幅だけでなく、前段の増幅器5の利得も制御することにより、ヌル現象(ヌル点発生)を抑制する効果を更に向上させることができる。これについて、以下、図7を用いて以下に説明する。
ここで、図7においては、図1に示す構成要素と略同一の構成要素には同一符号を付してあり、その説明は省略する。図示の通り、図7の実施例2の構成が図1に示す実施例1の構成と異なる点は、上記増幅器5の代わりに図示の増幅器10を設けて、カード位置検出部7の出力を、この増幅器10の利得の制御にも用いることである。
増幅器10は、上記増幅器5の構成に加えて、更に、上記負帰還の抵抗R5と並列に、抵抗R8及びスイッチSW2を設けた構成となっている。つまり、負帰還の2つの抵抗を並列に設けると共にこれら2つの抵抗の何れか一方に直列に接続されるスイッチSW2を設けた構成となっている。そして、カード位置検出部7の出力を、上記スイッチSW1の制御だけでなくスイッチSW2の制御にも用いる。すなわち、図7の構成においては、カード位置検出部7の出力は、コンパレータ6のヒステリシス幅を制御するスイッチSW1だけでなく、前段の増幅器10の帰還抵抗R8に直列に接続されるスイッチSW2の制御にも用いられる。
スイッチSW2は、上記スイッチSW1と同様に、カード位置検出部7の出力がHiレベルのときにはON(短絡状態)、LowレベルのときにはOFF(開放状態)となる。
よって、ICカードが所定距離Pより離れている状態(カード位置検出部7の出力がLoレベル)においては、スイッチSW2は開放状態になっており、したがって、増幅器10の利得はR5/R3となる。
一方、ICカードが所定距離Pよりもアンテナ3近づくと、カード位置検出部7の出力がHiレベルになり、スイッチSW2は短絡状態になる。よって、この時の増幅器10の利得Gは、以下の(2)式のようになる。
つまり、ICカードが所定距離Pよりもアンテナ3に近い状態では、増幅器10の利得は、カード位置検出部7の出力がLowレベルの時(所定距離Pより遠いとき)と比較して下がることになり、従ってコンパレータ6に入力される信号の振幅を下げることになる。
ここで、ICカードがアンテナ3に近接している状態では、図5に示すように包絡線検波出力のAC成分の振幅は十分大きく、増幅器10の利得を小さくしても問題ないが、実施例2の構成では近距離領域で増幅器10の利得を小さくすることで、以下に述べる効果が得られる。
すなわち、上記実施例2の構成は、実施例1によるコンパレータ6のヒステリシス幅の制御のみでは対応できないような歪んだ波形が入力されるような場合に特に有効である。
つまり、例えば図6に示す波形が更に歪んで、ピーク以外の部分(例えば図6に示すβの部分)でもレベルBやCの閾値を超えるような状況になった場合、本来であれば図6に示すピーク部分(例えばαで示す部分)で閾値越えを検出すべきところ、上記βの位置で閾値越えを検出してしまう(誤検出する)可能性がある。この為、コンパレータ6のヒステリシスが働く状態にしても、コンパレータ出力のデューティー比がずれ、結果として復号器(制御部1)にて正しく復号できない可能性がある。
これに対して、実施例2では、この波形の振幅を狭めることにより、ピーク以外の部分はレベルB,Cの閾値を超えないようにすることができる。
この様に、実施例2では、実施例1のヒステリシス幅制御に加えて、増幅器の利得も制御することにより、ヌル現象(ヌル点発生)を抑制する効果を更に向上させることができる。
以上説明したように、本発明により、簡易な構成にて、非接触ICカードとリーダ・ライタ間で、ヌル点のない品質の安定した通信が可能となる。
1 制御部
2 送信回路
3 アンテナ
4 検波回路
5 増幅器
6 コンパレータ
7 カード位置検出部
8 LPF(ローパスフィルタ)
M1,M2,M3 オペアンプ
R1、R2,R3,R4,R5,R6,R7 抵抗
SW1 スイッチ
C コンデンサ
10 増幅器
R8 抵抗
SW2 スイッチ

Claims (6)

  1. 非接触型情報媒体による負荷変調信号を受信し、該受信信号の包絡線を検波出力する包絡線検波回路と、該包絡線検波出力を増幅する増幅器と、該増幅器出力を入力して2値化するコンパレータとを有する非接触型通信装置において、
    前記包絡線検波出力に基づいて前記非接触型情報媒体との距離が所定距離以下か否かを検出して、該検出結果により前記コンパレータのヒステリシス幅を制御する位置検出制御手段を備えたことを特徴とする非接触型通信装置。
  2. 前記コンパレータにおいて正帰還の抵抗と直列にスイッチを設け、
    前記位置検出制御手段は、前記非接触型情報媒体との距離が所定距離以下である場合には前記スイッチをON制御することで、コンパレータのヒステリシスが働くようにすることを特徴とする請求項1記載の非接触型通信装置。
  3. 前記位置検出制御手段の検出出力によって、更に、前記増幅器の利得を制御することを特徴とする請求項1または2記載の非接触型通信装置。
  4. 前記増幅器には、負帰還の2つの抵抗を並列に設けると共に該2つの抵抗の何れか一方に直列に接続される第2スイッチを設け、
    前記位置検出制御手段は、前記非接触型情報媒体との距離が所定距離以下である場合には前記第2スイッチもON制御することで、前記増幅器の利得を下げることを特徴とする請求項3記載の非接触型通信装置。
  5. 前記位置検出制御手段は、前記包絡線検波出力の直流成分を検出し、この直流成分電圧を予め設定される所定の閾値電圧と大小比較することで、前記非接触型情報媒体との距離が所定距離以下か否かを検出することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の非接触型通信装置。
  6. 非接触型情報媒体による負荷変調信号の包絡線を検波出力する包絡線検波回路と、該包絡線検波出力を増幅する増幅器と、該増幅器出力を入力して2値化するコンパレータとを備える復調部を有する非接触型通信装置における該復調部であって、
    前記包絡線検波出力に基づいて前記非接触型情報媒体との距離が所定距離以下か否かを検出して、該検出結果により前記コンパレータのヒステリシス幅を制御する位置検出制御手段を備えたことを特徴とする非接触型通信装置の復調部。
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