JP2010167941A - ハイブリッド車両の充電制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハイブリッド車両において、PM再生を好適なタイミングで実行する。
【解決手段】ハイブリッド車両は、内燃機関及び電動発電機の始動及び停止を切り替える始動停止スイッチと、外部電源による充電可能な蓄電手段と、排気中の粒子状物質を捕集するフィルタと、実行指令に応じて再生処理が実行されるように内燃機関を制御する再生処理手段とを備える。該ハイブリッド車両の充電を制御するための充電制御装置は、処理途中状態にあるか否かを判定する判定手段と、処理途中状態にある場合に、充電残量が処理途中状態にない場合における基準残量未満に設定された所定残量になるまで充電されるように蓄電手段を制御する充電制御手段とを備える。
【選択図】図3
【解決手段】ハイブリッド車両は、内燃機関及び電動発電機の始動及び停止を切り替える始動停止スイッチと、外部電源による充電可能な蓄電手段と、排気中の粒子状物質を捕集するフィルタと、実行指令に応じて再生処理が実行されるように内燃機関を制御する再生処理手段とを備える。該ハイブリッド車両の充電を制御するための充電制御装置は、処理途中状態にあるか否かを判定する判定手段と、処理途中状態にある場合に、充電残量が処理途中状態にない場合における基準残量未満に設定された所定残量になるまで充電されるように蓄電手段を制御する充電制御手段とを備える。
【選択図】図3
Description
本発明は、排気中の粒子状物質の捕捉及び再生が可能な、例えばディーゼル・パティキュレート・フィルタ等を備えたハイブリッド車両における充電制御装置に関する。
この種の充電制御装置が制御対象とするハイブリッド車両には、内燃機関の排気通路上に、排気中の粒子状物質を捕集するディーゼル・パティキュレート・フィルタ等を設けたディーゼルパティキュレート再生装置を有するものがある。尚、本明細書では以下、排気中の粒子状物質(PM:Particulate Matter)を単に「PM」と称し、ディーゼル・パティキュレート・フィルタを単に「DPF」と称する。
DPFでは、PMの堆積によって目詰まりが発生し、内燃機関等の動力性能が低下することを防ぐため、PMの捕集量に応じて堆積したPMを燃焼させるPM再生が行われる。具体的には、内燃機関の出力を増大させることで、フィルタが配置されている排気通路内の排気温度を上昇させることにより、堆積したPMが燃焼させられる。
特許文献1には、PM再生を行っている最中のエンジン出力を、通常のエンジンの動力を利用した走行時に比べて大きく設定することによって、より迅速に排気温度を上昇させ、PM再生を短期間に完了させる技術が開示されている。また、特許文献2には、バッテリに外部電源から電力を充電できるプラグインハイブリッド車両におけるPM再生技術が開示されている。
しかしながら、上記した特許文献1及び2に記載された技術では、ユーザの走行条件によっては、PM再生が完了するまでに非常に長い時間を有する場合が生じ得る。例えば、PM再生が実行されている途中で、ユーザがイグニッションキーをオフにすることで車両を停止した場合、PM再生も中断されてしまう。このような動作が繰り返されると、慢性的にフィルタにPMが堆積し、エンジンの動力性能を著しく低下させてしまうという問題点がある。特に、外部電源から充電可能なプラグインハイブリッド車両の場合、走行条件が一層複雑になるため、当該問題点は一層深刻なものとなる。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、PM再生を好適なタイミングで実行することが可能なハイブリッド車両における充電制御装置を提供することを課題とする。
本発明の充電制御装置は上記課題を解決するために、動力源として機能する内燃機関及び電動発電機における始動及び停止を切り替え可能な始動停止スイッチと、前記電動発電機による充電に加えて外部電源による充電が可能な蓄電手段と、前記内燃機関の排気に含まれる粒子状物質を捕集するフィルタと、実行指令に応じて前記捕集された粒子状物質を燃焼させる再生処理が前記フィルタ内で実行されるように前記内燃機関の燃焼を制御する再生処理手段とを備えるハイブリッド車両において、前記蓄積手段の充電を制御する充電制御装置であって、前記外部電源による充電が行われるのに先行して又は同時に、前記再生処理が実行されている最中に前記始動停止スイッチにより前記停止に切り替された処理途中状態にあるか否かを判定する判定手段と、前記処理途中状態にないと判定された場合に、前記蓄電手段の充電残量が予め設定された基準残量になるまで充電されるように前記蓄電手段を制御し、前記処理途中状態にあると判定された場合に、前記充電残量が前記基準残量未満に設定された所定残量になるまで充電されるように前記蓄電手段を制御する充電制御手段とを備える。
本発明における「内燃機関」とは、少なくとも一の気筒を有し、該気筒の各々における燃焼室においてガソリン、軽油或いはアルコール等の各種燃料が燃焼した際に発生する爆発力たる動力の少なくとも一部を、例えばピストン及びコネクティングロッド等の機械的な伝達経路を経て、例えばクランク軸等の出力軸を介してハイブリッド車両の車軸に出力可能な機関等を指し、例えば2サイクル或いは4サイクルレシプロエンジン等を指す。特にディーゼルの場合にPMの問題が顕著であり、本発明は一層有効である。
また、本発明に係るプラグインハイブリッド車両には、バッテリ等の蓄電手段に充電された電力を利用して作動する、例えば、モータ或いはモータジェネレータ等の形態を採り得る「電動発電機」(言い換えれば力行時に「電動機」として機能し且つ回生時に「発電機」として機能する装置)が備わる。この電動発電機は、内燃機関と共に動力源として機能し、例えばインバータや各種のPCU(Power Control Unit)等を介した、電流制御、電圧制御又は電力制御等各種の動力制御により、車軸に対し直接的に又は間接的に、バッテリ等各種蓄電手段からの放電電力に応じた動力を出力可能に構成される。尚、この内燃機関における、例えばクランクシャフト等の機関出力軸には、直接的に又は間接的に、ジェネレータ或いはモータジェネレータ等の形態を採り得る発電機が接続され、内燃機関の動力により適宜発電可能に構成されていてもよい。
「始動停止スイッチ」は、内燃機関及び電動発電機の始動及び停止を切り替えることができる。例えば、車両のソーク状態(即ち、電動発電機及び内燃機関のいずれもが停止した状態)への切り替えを行う、イグニッションスイッチである。
本発明に係るハイブリッド車両は、電動発電機の電源として機能し、外部電源から供給される外部電力による充電が可能な「蓄電手段」を備える。ここで、「外部電源」とは、例えば家庭に設置された設置型の又は可搬性を有する各種電源(好適な一形態として、例えば家庭用コンセント及び専用又は汎用の充電プラグ等を適宜含む)、或いは市街地又は郊外地に、専用又は汎用のインフラ設備等として設置された(好適な一形態として、例えばガソリンスタンドやそれに類するインフラ施設等に付設されていてもよい)各種電源等を指す。即ち、本発明に係るプラグインハイブリッド車両は、蓄電手段の充電状態をドライバの意思等に基づいて比較的自由に制御することが可能に構成されている。
「蓄電手段」は、この電動発電機の電源として機能し得るように構成された、例えばハイブリッドバッテリ等を含む。蓄電手段は、好適な一形態として、例えば本発明に係る電動発電機が電力回生手段として機能する場合等にはその回生電力により、また例えばプラグインハイブリッド車両が発電機を備える場合にはその発電電力により適宜に充電され得ると共に、外部電源から供給される外部電力(即ち、ハイブリッド車両内部で生成される電力とは異なる)を使用した通電により、適宜に充電がなされる構成を有する。
内燃機関の排気通路上には、「フィルタ」が配置されており、内燃機関の排気に含まれるPMを捕集する。即ち、内燃機関の燃焼室における燃焼の過程において、未燃状態の個体炭素粒子(例えば、スート(煤))、或いはそれに適宜HC、特に粘着性のSOF(Solvable Organic Fraction)等が付着すること等によって生成される各種の粒子状物質等を包括する概念としてのPMを捕捉可能な、例えばセラミックウォールフロー型、メタルフロースルー型又はメタルウォールフロー型等の諸形態を採り得るDPF等のフィルタが備わる。
再生処理手段は、実行指令に応じて捕集された粒子状物質を燃焼させる再生処理がフィルタ内で実行されるように前記内燃機関の燃焼を制御する。フィルタには、時間の経過に伴い、蓄積したPMが目詰まりを引き起こすことによって、内燃機関の動力性能が低下しないように、実行指令に応じて蓄積したPMを燃焼させる(即ち、PM再生を行う)。
以上のように構成されたハイブリッド車両において、充電制御装置の動作時には、先ず、「判定手段」は、外部電源による充電が行われるのに先行して(例えば、停止の際に)又は同時に(例えば、再度の或いは次の始動の際に)、再生処理が実行されている最中に始動停止スイッチにより停止に切り替された処理途中状態にあるか否かを判定する。再生処理の最中に始動停止スイッチが停止に切り換えられると、フィルタは、再生処理で燃焼されるはずのPMが中途半端に残存した状態、即ち、処理途中状態となる。この場合、再度、始動停止スイッチを始動にした際に、PM再生を再開する必要がある。
すると、「充電制御手段」は、処理途中状態にないと判定された場合に、蓄電手段の充電残量が予め設定された基準残量になるまで充電されるように蓄電手段を制御する。即ち、蓄電手段が外部電源によって物理的限界までフル充電されないように、充電完了後の蓄電手段の充電残量が基準残量以下に制限されるように蓄電手段を制御する。仮に蓄電手段が外部電源によってフル充電されてしまうと、再度始動停止スイッチを始動に切り替えた後に、内燃機関による動力によって電動発電機により回生された電力を蓄電手段に充電することができない。この場合、内燃機関による動力によって電動発電機で発生した電力は無駄に消費される或いは破棄される他なくなってしまう。そこで本発明では、外部電源による充電量を基準残量以下に制限することで、再度、始動停止スイッチを始動に切り替えた後に発生する電力を充電する余裕を、蓄電手段に予め確保している。そのため、再始動後の内燃機関及び電動発電機によって発生された電力は無駄に消費されることなく、蓄電手段に充電することで有効に利用することが可能になるので、ハイブリッド車両のエネルギー利用効率を高め、燃費を向上させることができる。
一方、「充電制御手段」は、処理途中状態にあると判定された場合に、充電残量が基準残量未満に設定された所定残量になるまで充電されるように蓄電手段を制御する。つまり、この場合、外部電源によって充電を完了させた際の蓄電手段の残量が、処理途中状態にないと判定された場合に比べて、少なくなるように制御される。処理途中状態にあると判定された場合、再度、始動停止スイッチがオンにされた後に、再生処理を再開する必要があるが、再生処理は、例えば内燃機関の出力値を通常走行時に比べて大きく設定することにより、内燃機関の排気温度を上昇させ、フィルタに蓄積したPMを燃焼させる。このように、処理途中状態にあると判定された場合は、処理途中状態にないと判定された場合に比べて再度始動停止スイッチがオンにされた後に内燃機関の出力値が、再生処理の実行に伴って大なり小なり大きくなる筈である。そのため、再度始動停止スイッチがオンにされた後に、内燃機関の駆動力によって電動発電機で回生する電力の量も多くなる筈である。そこで本発明では、処理途中状態にあると判定された場合には、充電制御手段は、外部電源によってフル充電された際の残量値を、基準残量から所定値に引き下げることにより、始動停止スイッチを再度始動した後に、蓄電手段により多くの電力を追加的に充電可能なように、予め多めに余裕を確保している。その結果、始動停止スイッチを再度始動した際にPM再生が再開された場合であっても、発生した電力を無駄に消費することなく、蓄電手段に充電することで効率的に利用することが可能となる。
以上、説明したように、本発明に係るハイブリッド車両の充電制御装置によれば、再始動時のフィルタのPM再生の要否によって、外部電源を用いた充電終了時の充電残量値を変更することで、再始動後に発生する電力の利用効率を高めることができる。その結果、高燃費のハイブリッド車両を実現することができる。
本発明の充電制御装置の一の態様では、前記フィルタの温度を特定する特定手段を更に備え、前記再生処理手段は、前記処理途中状態にあると判定された場合であって、前記特定された温度が第1基準温度以上である場合に、前記始動停止スイッチにより再び前記始動に切り替えられた際に、前記再生処理が実行されるように前記内燃機関の燃焼を制御する。
この態様によれば、充電制御装置はフィルタの温度を特定する特定手段を更に備える。具体的には、例えば、ECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る特定手段により、又はこれらに加えて若しくは代えてフィルタの温度を直接又は間接的に測定するための各種センサを備える特定手段により、フィルタの温度が特定される。
ここで、本態様発明に係る「特定」とは、特定対象又は特定対象と相関する物理量を所定の検出手段を介して直接的に又は間接的に検出すること、当該検出手段を介して直接的に又は間接的に検出された特定対象と相関する物理量に基づいて予め然るべき記憶手段等に記憶されたマップ等から該当する値を選択すること、この種の特定対象と相関する物理量又は選択された値等から、予め設定されたアルゴリズムや計算式に従って導出すること、或いはこのように検出、選択又は導出された値等を、例えば電気信号等の形で単に取得すること等を包括する広い概念である。
係る概念の範囲において、特定手段は如何にしてフィルタの温度を特定してもよく、例えば、フィルタに直接設置された、或いはフィルタに相前後して設置された、例えば温度センサ等の検出手段から、該当部位の温度を取得することによりこの種の特定が行われてもよいし、フィルタの温度を少なくとも実践上不足無い精度で代替的に表し得る各種の指標値(例えば、冷却水温等)が取得されることにより、実際の触媒温度の検出を経ることなくこの種の特定がなされてもよい。
本態様では特に、再生処理手段は、処理途中状態にあると判定された場合であって、特定された温度が第1基準温度以上である場合に、始動停止スイッチにより再び始動に切り替えられた際に、再生処理が実行されるように内燃機関の燃焼を制御する。つまり、フィルタの再生処理が始動停止スイッチの停止への切り替えによって中断され、且つ、再度始動に切り替える際に、フィルタの温度がある程度高い状態の場合は、始動停止スイッチにより再び始動に切り替えられた際に、迅速に再生処理が実行されるように内燃機関を制御する。仮に、再始動後、迅速に再生処理を実行しないと、時間の経過と共にフィルタの温度は低下してしまうため、再び低温状態からPMを燃焼可能な程度の温度まで加熱しなければならなくなってしまう。これは、高温状態からPMを燃焼可能な程度の温度まで加熱する場合に比べて余分にエネルギーを消費してしまい、ハイブリッド車両の燃費低下の原因となる。そこで、本態様では、フィルタがある程度高温(即ち、第1基準温度以上)である場合には、フィルタの温度が低下する前に迅速に再生処理を実行することで、ハイブリッド車両のエネルギー利用効率を向上させることができる。
上述の特定手段を備える態様では、前記ハイブリッド車両は、前記始動停止スイッチにより再び前記始動に切り替えられた際に、前記特定された温度が前記第1基準温度より低く設定された第2基準温度以下である場合に、前記ハイブリッド車両の走行状態が、前記電動発電機の動力を利用したEV走行になるように、前記内燃機関及び前記電動発電機を制御する動力源制御手段を更に備える。
この態様によれば、始動停止スイッチを再度始動に切り替える際にフィルタの温度が下がっている場合には、迅速に再生処理を開始するか否かに関わらず、消費エネルギーに差は殆ど生じない。従って、再始動後、迅速に内燃機関を始動する必要はなく、外部電源によって蓄電手段に充電された電力を用いてEV走行を行う。
本発明の充電制御装置の他の態様では、前記動力源制御手段は、前記蓄電手段の充電残量が閾値残量以下になったときに、前記ハイブリッド車両の走行状態が前記電動発電機の動力を利用したEV走行から、前記内燃機関の動力を利用したHV走行に移行するように前記内燃機関及び前記電動発電機を制御する。
この態様によれば、蓄電手段に充電した電力を利用してEV走行を行っている最中に、蓄電手段の残量が一定の閾値残量以下になった場合に、蓄電手段の充電残量を補充すべくHV走行に移行する。HV走行では内燃機関の動力は車両の走行に用いられる他、残ったエネルギーを電力として蓄電手段に充電することができる。
本発明の充電制御装置の他の態様では、前記始動停止スイッチにより前記始動に切り替えられたままである一走行サイクル毎に、前記内燃機関の駆動時間を記憶する記憶手段と、複数の前記駆動時間から平均駆動時間を算出する演算手段とを備え、前記充電制御手段は、前記平均稼働時間が、学習値として設定されている基準時間より小さい場合に、前記閾値残量を、増加させる。
この態様によれば、例えばECU等の各種処理ユニットに組み込まれたメモリ等の記憶手段には、一走行サイクル毎に、前記内燃機関の駆動時間が記憶されている。そして、演算手段は、記憶手段に記憶された複数の駆動時間データをもとに、一走行サイクル当たりの平均駆動時間を算出する。
本態様では特に、充電制御手段は、平均稼働時間が、学習値として設定されている基準時間より小さい場合に、閾値残量を、増加させる。つまり、1走行サイクルにおける平均駆動時間が短いと、1走行サイクル中にフィルタの再生処理を完了させるだけの十分な内燃機関の駆動時間を確保することができない可能性が高くなる。また、走行条件によっては、長い走行サイクルに渡って再生処理が実行されない場合も生じ得る。そこで、本態様では、内燃機関の平均駆動時間が所定の基準時間より短い場合には、EV走行からHV走行に移行するタイミングを決定する閾値残量が大きくなるように変更する。即ち、より早いタイミングで、内燃機関の駆動を伴うHV走行に移行することで、走行条件に関わらず、長い走行サイクルに渡って長期間再生処理が実行されない事態が生じることを防ぐことができる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
<発明の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照して、本発明の一実施形態に係るハイブリッド車両10の構成について説明する。ここに、図1は、ハイブリッド車両10の構成を概念的に表してなる模式的なブロック図である。
始めに、図1を参照して、本発明の一実施形態に係るハイブリッド車両10の構成について説明する。ここに、図1は、ハイブリッド車両10の構成を概念的に表してなる模式的なブロック図である。
図1において、ハイブリッド車両10は、減速機構11及び車輪12、並びにECU100、エンジン200、モータジェネレータMG1(以下、適宜「MG1」と略称する)、モータジェネレータMG2(以下、適宜「MG2」と略称する)、動力分割機構300、PCU500、バッテリ600、充電プラグ700及び切り替えスイッチ800を備えたハイブリッド車両の一例である。
減速機構11は、エンジン200及びモータジェネレータMG2から出力された動力に応じて回転可能に構成された、デファレンシャルギア(不図示)等を含んでなるギア機構であり、これら動力源の回転速度を所定の減速比に従って減速可能に構成されている。減速機構11の出力軸は、ハイブリッド車両10の車軸(符号省略)に連結されており、これら動力源の動力は、回転速度が減速された状態で当該車軸及び当該車軸に連結された、駆動輪としての車輪12に伝達されるように構成されている。
尚、減速機構11の構成は、エンジン200及びモータジェネレータMG2から供給される動力を、その動力に基づいた軸体の回転速度を減速しつつ車軸に伝達可能である限りにおいて何ら限定されず、単にデファレンシャルギア等を含んでなる構成を有していてもよいし、複数のクラッチ及びブレーキ並びに遊星歯車機構により構成される所謂リダクション機構として複数の変速比を得ることが可能に構成されていてもよい。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、ハイブリッド車両10の動作全体を制御することが可能に構成された電子制御ユニットである。ECU100は、ROMに格納された制御プログラムに従って、後述する各種制御を実行することが可能に構成されている。これらの各種の制御の物理的、機械的及び電気的な構成はこれに限定されるものではなく、例えばこれら各手段は、複数のECU、各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成されていてもよい。
エンジン200は、ハイブリッド車両10の主たる動力源として機能するように構成された、本発明に係る「内燃機関」の一例たるディーゼルエンジンであり、例えば燃焼室において空気を高温圧縮し、燃料を噴射することで自然発火を利用下燃焼による爆発力に応じて生じるピストン203の往復運動を、コネクティングロッドを介してクランクシャフトの回転運動に変換することが可能に構成されている。尚、燃料を燃焼室に噴射する形態は、例えば、フィードポンプ或いは他の低圧ポンプにより圧送される燃料の圧力を更に高圧ポンプによって昇圧せしめ、高温高圧の気筒201内部へ燃料を直接噴射することが可能に構成された、所謂、直噴インジェクタ等の形態を用いている。
本発明に係るハイブリッド車両10のエンジン200の排気管には、排気中の粒子状物質(以下、適宜PMという)を捕集するディーゼル・パティキュレート・フィルタ(以下、適宜DPFという)が備えられている。DPFは、本発明に係る「フィルタ」の一例であり、典型的には、金属製の筐体に、コージェライトやSiC等のセラミック製フィルタ担体225aが収容された構造を有する。
DPFでは、PMの堆積によって目詰まりが発生し、内燃機関等の動力性能が低下することを防ぐために、PMの捕集量に応じて堆積したPMを燃焼させるPM再生が、ECU100の制御に基づいて適宜行われる。尚、ECU100によるPM再生の制御については、後に詳述する。
尚、エンジン200の排気管には、燃料が燃焼する際に生じる排気中のCO、HC(主としてSOF)及びNO等を酸化することが可能に構成された触媒コンバータである酸化触媒224が併せて設けられていてもよい。
また、エンジン200の排気管には、DPFの上流側の排気圧Pdpf1を検出するための上流側圧力センサ、DPFの下流側の排気圧Pdpf2を検知するための下流側圧力センサ、及びDPFのフィルタ担体225aの代表部位の温度を、DPF温度Tdpfとして検出する温度センサが備えられている。これら各種センサは、各々がECU100と電気的に接続されており、当該各々により検出される各指標値(排気圧Pdpf1、Pdpf2、Tdpf)は、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
モータジェネレータMG1は、回生時には、バッテリ600を充電するための或いはモータジェネレータMG2に電力を供給するための発電機として機能し、本発明に係る「電動発電機」の一例を部分的に構成している。
更に、モータジェネレータMG2は、本発明に係る「電動発電機」の一例を部分的に構成し、力行時には、エンジン200の動力をアシストする電動機として、回生時には、バッテリ500を充電するための発電機として機能するように構成されている。
尚、これらモータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2は、例えば同期電動発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁石を有するロータと、回転磁界を形成する三相コイルが巻回されたステータとを備える。但し、他の形式のモータジェネレータであっても構わない。
動力分割機構300は、エンジン200の動力をMG1及び車軸へ分配することが可能に構成された遊星歯車機構である。尚、動力分割機構300の構成は公知の各種態様を採り得るため、ここではその詳細な説明を省略するが、簡略的に説明すると、動力分割機構300は、中心部に設けられたサンギアと、サンギアの外周に同心円状に設けられたリングギアと、サンギアとリングギアとの間に配置されてサンギアの外周を自転しつつ公転する複数のピニオンギアと、クランクシャフトの端部に結合され、各ピニオンギアの回転軸を軸支するプラネタリキャリアとを備える。
このサンギアは、サンギア軸を介してMG1のロータ(符合は省略)に結合され、リングギアは、リングギア軸を介してMG2の不図示のロータに結合されている。リングギア軸は、車軸と連結されており、MG2が発する動力は、リングギア軸を介して車軸へと伝達され、同様に車軸を介して伝達される車輪12からの駆動力は、リングギア軸を介してMG2に入力される。係る構成の下、動力分割機構300により、エンジン200が発する動力は、プラネタリキャリアとピニオンギアとによってサンギア及びリングギアに伝達され、エンジン200の動力が2系統に分割される。
PCU500は、バッテリ600から取り出した直流電力を交流電力に変換して、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2に供給すると共に、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2によって発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ600に供給することが可能に構成された不図示のインバータ等を含み、バッテリ600と各モータジェネレータとの間の電力の入出力を、或いは各モータジェネレータ相互間の電力の入出力(即ち、この場合、バッテリ600を介さずに各モータジェネレータ相互間で電力の授受が行われる)を制御することが可能に構成された電力制御ユニットである。PCU500は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100によってその動作が制御される構成となっている。
バッテリ600は、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2を力行するための電力に係る電力供給源として機能することが可能に構成された充電可能な蓄電池であり、本発明に係る「蓄電手段」の一例である。ここで、バッテリ600は、ハイブリッド車両10の車外に設置される外部電源20(即ち、本発明に係る「外部電源」の一例)により、適宜充電可能に構成されている。即ち、バッテリ600は、各モータジェネレータの発電作用により生じる電力の他に、外部電源20からの電力供給によっても充電される構成となっている。
バッテリ600にはSOCセンサ610が付設されている。SOCセンサ610は、バッテリ600のSOC(バッテリの充電状態の指標値であり、ここでは完全放電を0%、且つ満充電を100%等として規格化されてなる蓄電残量値であるとする)を検出可能なセンサである。SOCセンサ610は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたSOCは、ECU100により、一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
充電プラグ700は、切り替えスイッチ800の入力端子と電気的に接続されており、且つ外部電源20との電気的な接続を可能とする金属製のプラグである。尚、外部電源20は、例えば家庭用の100V電源であってもよいし、市街地や郊外の然るべきインフラ施設(例えば、ガソリンスタンドやサービスステーション)等にインフラ設備として設置されるものであってもよく、その物理的、機械的、機構的、電気的又は化学的態様は何ら限定されない趣旨である。
切り替えスイッチ800は、上述した一の入力端子と、バッテリ600と電気的に接続された出力端子A及び開放端子(即ち、電気的に中立な端子)である出力端子Bの二種類の出力端子を備えたスイッチング回路である。具体的には、切り替えスイッチ800は、充電プラグ700が外部電源20と接続された状態において、(1)入力端子と出力端子Aとが接続された場合に外部電源20から供給される外部電力によりバッテリ600に通電を行うことによりバッテリ600の充電がなされ、(2)入力端子と出力端子Bとが接続された場合に外部電力が消費されない構成となっている。
<実施形態の動作>
<PM再生制御>
PM再生制御は、ハイブリッド車両10がソーク状態にない状態にあるときに、DPFのPM再生を行う制御である。図2は、PM再生制御のフローチャートである。ここで、本願においてソーク状態とは、モータジェネレータMG2、モータジェネレータMG1及びエンジン200のいずれもが停止した状態を指す。ソーク状態への切り替えは、イグニッションスイッチ(図不示)のユーザによる切り替え動作によって行うことが可能に構成されている。尚、ECU100は、エンジン200及び各モータジェネレータの動作を制御する制御ユニットであり、ハイブリッド車両10がソーク状態にあるか否かについて、ECU100は簡便にその判別を行うことが可能である。例えば、ECU100は、エンジン200及び各モータジェネレータの回転速度がゼロであるか否か等に基づいて当該判別を行う。
<PM再生制御>
PM再生制御は、ハイブリッド車両10がソーク状態にない状態にあるときに、DPFのPM再生を行う制御である。図2は、PM再生制御のフローチャートである。ここで、本願においてソーク状態とは、モータジェネレータMG2、モータジェネレータMG1及びエンジン200のいずれもが停止した状態を指す。ソーク状態への切り替えは、イグニッションスイッチ(図不示)のユーザによる切り替え動作によって行うことが可能に構成されている。尚、ECU100は、エンジン200及び各モータジェネレータの動作を制御する制御ユニットであり、ハイブリッド車両10がソーク状態にあるか否かについて、ECU100は簡便にその判別を行うことが可能である。例えば、ECU100は、エンジン200及び各モータジェネレータの回転速度がゼロであるか否か等に基づいて当該判別を行う。
ECU100は一定又は不定の間隔で、排気圧Pdpf1と排気圧Pdpf2との差圧であるDPF前後差圧ΔPが、第1基準差圧値ΔP1より大きいか否かを判別する(ステップS101)。
ここで第1基準差圧値ΔP1は、エンジン200の動作性能の低下を回復させるために、DPFのPM再生を実行すべきか否かを判断するための境界値として規定される。つまり、DPF前後差圧ΔPが第1基準差圧値ΔP1より大きい場合、DPFの目詰まりによってエンジン200の動作性能の低下が、実験的、論理的又はシミュレーションによって推測され得る数値として、第1基準差圧値ΔP1は規定される。尚、第1基準差圧値ΔP1は、DPFの構成及び構造により定まる固有の排気抵抗に支配的に依存する値である。尚、第1基準差圧値ΔP1は、予めECU100のROMに格納されている。
DPF前後差圧ΔPが第1基準差圧値ΔP1以下である場合(ステップS101:NO)、DPFへのPMの蓄積が未だ少ないことから、PM再生を実行する必要はないとして、PM処理は実行されない。そして、一定又は不定の所定期間が経過したのち、再度ステップS101が実行される。
一方、DPF前後差圧ΔPが第1基準差圧値ΔP1より大きい場合(ステップS101:YES)、DPFのPM再生が実行される。ECU100は、PM再生を実行すべく、PM強制再生用のポスト噴射を実行し、排気管における排気温度を上昇させるべく、エンジン200を高負荷運転に切り替える(S102)。つまり、通常の走行状態に比べてエンジン200の出力が高くなるように、ECU100により、エンジン200が制御される。このように、エンジン200を高負荷運転に切り替えることによって、排気温度を迅速に上昇させ、DPFの温度をより迅速に上昇させることができる。その結果、PM再生が完了するまでを短縮することができるので、PM再生に要するエネルギーを少なく抑え、ハイブリッド車両10の燃費を向上させることができる。
ここで、PM再生が実行されている間、ECU100は、一定又は不定の期間毎にDPF前後差圧ΔPをモニタし、DPF前後差圧ΔPが第2基準差圧値ΔP2より大きいか否かを判別する(ステップS103)。
ここで第2基準差圧値ΔP2は、DPFに蓄積されたPMが十分燃焼されることによってPM再生が完了したか否かを判断するための境界値として規定される。尚、第2基準差圧値ΔP2も第1基準差圧値ΔP1と同様に、実験的、論理的又はシミュレーションによって推測され得る閾値値として規定され、予めECU100のROMに格納されている。尚、第2基準差圧値ΔP2は、DPFの構成及び構造により定まる固有の排気抵抗に支配的に依存する値である。つまり、ステップS103は、PM再生の最中にDPF前後差圧ΔPをモニタすることで、PM再生の進み具合を確認している。
DPF前後差圧ΔPが第2基準差圧値ΔP2未満である場合(ステップS103:NO)、DPFに蓄積されたPMは十分に燃焼されたものとして、PM再生は終了する。この場合、一定又は不定の所定期間が経過したのち、再度ステップS101が実行される。
一方、DPF前後差圧ΔPが第2基準差圧値ΔP2より大きい場合(ステップS103:YES)、DPFに蓄積されたPMが未だ十分に燃焼されていないとして、PM再生処理は継続される。
この場合、ECU100は更に、ハイブリッド車両10がソーク状態にあるか否かを判別する(ステップS104)。即ち、PM再生が実行されている最中に、ユーザが本発明における「始動停止スイッチ」の一例であるイグニッションスイッチを切り替えることによって、ソーク状態が発生したか否かを判断する。
ハイブリッド車両10がソーク状態にない場合(S104:NO)、PM再生はそのまま継続され、ステップS102からS104を、PM再生が完了するまで(即ち、DPF前後差圧ΔPが第2基準差圧値ΔP2未満になるまで)繰り返される。
一方、ハイブリッド車両10がソーク状態にある場合(S104:YES)、PM再生も中断される。即ち、ハイブリッド車両は、本発明における「処理途中状態」にある。この場合、次に説明する外部充電制御が実行される。
<外部充電制御>
図3は、外部充電制御処理のフローチャートである。外部充電制御は、PM再生の途中でソーク状態が生じた場合、即ち、処理途中状態において実行される。
図3は、外部充電制御処理のフローチャートである。外部充電制御は、PM再生の途中でソーク状態が生じた場合、即ち、処理途中状態において実行される。
ここで、ECU100のROMには、次回ソーク状態が解除された際(即ち、ユーザによって、再度イグニッションスイッチがオンに切り替えられた際)に、ハイブリッド車両10が正常に始動するために最低限必要なSOC値である、SOCminが格納されている。仮にソーク状態においてバッテリ600のSOCが、SOCminより少ない場合には、外部電源20(図1参照)を充電プラグ700(図1参照)に接続することによって、バッテリ600を充電することで、始動に必要な電力を確保することができる。尚、SOCminは、原則的にはハイブリッド車両10車両を始動するため必要なSOCの値として規定されるが、実際には始動条件や始動後の走行条件によって、バッテリ600に充電された電力の消費度が異なるので、始動するため必要な値より余裕を持たせて、やや大きい値に設定することが好ましい。本実施形態では、SOCminの初期値として、SOCmin1が設定されている。
尚、外部電源20による充電は、バッテリ600のSOCがSOCminより大きい場合であっても、バッテリ600の最大の充電残量であるSOCmaxを超えない限りにおいて可能である。本実施形態では、SOCmaxの初期値として、本発明における「基準残量」の一例であるSOCmax1が設定されている。
ECU100は、一定又は不定の間隔で、バッテリ600のSOCが、SOCmin1より小さいか否かを判別する(ステップS201)。
バッテリ600のSOCがSOCmin1以上である場合(ステップS201:NO)、バッテリ600には、ハイブリッド車両10の起動のために必要な電力が充電されているので、外部電源からの充電は必ずしも必要ではない。但し、ユーザの判断によって、バッテリ600の最大の充電残量であるSOCmaxを超えない限りにおいて、外部電源20から充電することも可能である。
一方、バッテリ600のSOCがSOCmin1より小さい場合(ステップS201:YES)、ハイブリッド車両10を起動するために必要な電力が残っていないとして、ソーク状態にある間に、バッテリ600に外部電源20から充電することが必要となる。この場合、更にDPF温度Tdpfが第1基準温度Tdpfth1よりも高いか否かが判別される(ステップS202)。
ここで、DPFの温度が高温である場合、次回ソーク状態を解除してPM再生を再開する際に、予め暖められているDPFを加熱すればよいので、PM再生が完了するまでの期間を短縮することができる。つまり、一度冷えたDPFを再度加熱してPM再生を行う場合に比べて、短期間でPM再生を完了させることができるので、ハイブリッド車両10のエネルギー効率を向上させることができるというメリットを得ることができる。従って、第1基準温度Tdpfth1は、このように次回PM再生を再開したときに、上述のメリットを得ることができるか否かという閾温度として、予め実験的、理論的又はシミュレーション的に規定され、固定値としてECU100のROMに予め格納されている。
DPF温度Tdpfが第1基準温度Tdpfth1より高い場合(ステップS202:YES)、バッテリ600にSOCmaxは、初期値であるSOCmax1より小さいSOCmax2に変更される(ステップS203)。即ち、SOCmax2は、本発明における「所定残量」の一例である。つまり、SOCmaxが引き下げられる。この場合、後述するように、次回ソーク状態が解除された場合に、ハイブリッド車両の始動後すぐにエンジン200を駆動することによって、PM再生が再開される。このとき、仮にソーク状態において初期値であるSOCmax1まで外部電源20から充電を行ってしまうと、始動後のエンジン200の動力によって発生した電力をバッテリ600に充電することができない。つまり、ソーク状態において、外部電源20からバッテリ600はすでにフル充電されているので、始動後、更に充電することができず、発生した電力を無駄に消費しなければなくなってしまう。そこで、DPF温度Tdpfが第1基準温度Tdpfth1より高い場合(ステップS202:YES)、SOCmaxをSOCmax2に引き下げることによって、始動後のエンジン200の駆動によって発生する電力を充電するだけの余裕を予め確保している。従って、SOCmax2は、次回ソーク状態が解除された場合にPM再生に要するであろう期間、エンジン200の単位時間当たりの発電量等を考慮して、PM再生の再開後にエンジン200の動力によって発生した電力を効率的にバッテリ600に充電できるように規定されることが好ましい。
一方、DPF温度Tdpfが第1基準温度Tdpfth1以下である場合(ステップS202:NO)、SOCmaxは初期値であるSOCmax1のままに保持される。
以上のように、条件によってSOCmaxの値が設定された後、ユーザの操作によって外部電源20を充電プラグ700に接続することにより、バッテリ600に充電が行われる(ステップS204)。尚、バッテリ600のSOCがSOCmin1以上である場合(ステップS201:NO)、外部電源20からの充電は必ずしも必要ではないので、ステップS204を省略してもよい。
<動力系始動制御>
続いて、図4を参照して、動力系始動制御について説明する。ここに、図4は、動力系始動制御のフローチャートである。動力系始動制御は、ソーク状態において外部電源20による充電が終了した後、再度ソーク状態が解除された場合に実行される。
続いて、図4を参照して、動力系始動制御について説明する。ここに、図4は、動力系始動制御のフローチャートである。動力系始動制御は、ソーク状態において外部電源20による充電が終了した後、再度ソーク状態が解除された場合に実行される。
ECU100は、一定又は不定の間隔で、バッテリ600のSOCmaxが、SOCmax2に等しいか否かを判別する(ステップS301)。つまり、ソーク状態にあったときに、SOCmaxがSOCmax2に設定されている場合(即ち、SOCがSOCmin1より小さく(ステップS201:YES)、且つ、DPF温度Tdpfが第1基準温度Tdpfth1より高い(ステップS202:YES)場合)であるか否かを判別する。
バッテリ600のSOCmaxがSOCmax2に等しい場合(ステップS301:YES)、ECU100は、ハイブリッド車両10の始動後迅速にPM再生を実行すべく、エンジン200を高負荷運転に切り替える(S302)。
また、PM再生の間にエンジン200の動力によって発生した電力は、バッテリ600に充電される。この場合、ソーク状態に外部電源20によってフル充電されたバッテリのSOCは、SOCmax1よりも小さいSOCmax2であるため、エンジン200の動力によって発生した電力は、無駄に消費されることなくバッテリ600に充電することが可能である。
ここで、PM再生が実行されている間、ECU100は、一定又は不定の期間毎にDPF前後差圧ΔPをモニタし、DPF前後差圧ΔPが第2基準差圧値ΔP2未満であるか否かを判別する(ステップS303)。第2基準差圧値ΔP2は、ステップS103において説明した通り、DPFに蓄積されたPM層225bが十分燃焼されることによってPM再生が完了したか否かを判断するための境界値として規定される。
DPF前後差圧ΔPが第2基準差圧値ΔP2より大きい場合(ステップS303:NO)、ECU100は更に、ハイブリッド車両10がソーク状態にあるか否かを判別する(ステップS304)。
ハイブリッド車両10がソーク状態にない場合(S304:NO)、PM再生はそのまま継続され、ステップS302からS304を、PM再生が完了するまで(即ち、DPF前後差圧ΔPが第2基準差圧値ΔP2以下になるまで)繰り返される。
一方、ハイブリッド車両10がソーク状態にある場合(S304:YES)、PM再生は再び中断され、再度、外部充電制御が実行される。
また、DPF前後差圧ΔPが第2基準差圧値ΔP2未満である場合(ステップS303:YES)、DPFに蓄積されたPMが十分に燃焼されたものとして、PM再生は終了する。
その後、ECU100はバッテリ600に蓄積された電力を用いてEV走行(即ち、エンジン100の動力を利用せず、モータジェネレータMG1及びMG2の動力で走行する走行)を行うよう、エンジン100、モータジェネレータMG1及びMG2を制御する(S305)。
EV走行を行っている間、ECU100は、一定又は不定の間隔で、バッテリ600のSOCが、SOCminより小さいか否かを判別する(ステップS306)。SOCが、SOCminより小さくない場合(ステップS306:NO)、EV走行を継続するために必要な電力がバッテリ600に残存しているとして、EV走行を継続する。一方、SOCが、SOCminより小さい場合(ステップS306:YES)、EV走行を継続するために必要な電力がバッテリ600に残存していないとして、HV走行(即ち、バッテリ600の残量に応じて、エンジンによる駆動と、モータジェネレータMG1及びMG2による駆動とを組み合わせる走行)に移行する(ステップS307)。
HV走行が行われている間は、PM再生制御が再び実行され、適宜PM再生が行われる。
<走行切替制御>
続いて、図5を参照して、走行切替制御について説明する。ここに、図5は、走行状態切替制御のフローチャートである。走行切替制御は、PM再生制御と同様に、ハイブリッド車両10がソーク状態にない状態にあるときに実行される。
続いて、図5を参照して、走行切替制御について説明する。ここに、図5は、走行状態切替制御のフローチャートである。走行切替制御は、PM再生制御と同様に、ハイブリッド車両10がソーク状態にない状態にあるときに実行される。
ECU100は、走行サイクル毎のエンジン100の平均稼働時間Tavgを算出する(ステップS401)。ECU100は、走行サイクル毎に、内部に組み込まれたメモリにエンジン100の稼働時間を記憶(即ち、学習)ができるように構成されている。ECU100がメモリ部にアクセスすることによって、過去の複数の走行サイクルにおけるエンジン100の稼働時間から、平均稼働時間Tavgを算出する。
次にECU100は、ステップS401で算出した平均値Tavgが、基準時間T1より小さいか否かを判別する(ステップS402)。ここで、基準時間T1は、原則としてPM再生を完了するために必要な時間として規定されており、本発明における「基準時間」の一例である。尚、基準時間はT1フィルタの種類によって個別に実験的、理論的又はシミュレーション的に規定され、予めROMに格納されている。
上述したように、PM再生はエンジン200の駆動によって排気温度を上昇させることによって実行されるため、走行サイクルにおけるエンジン100の平均稼働時間Tavgは、PM再生を実行することが可能な時間の長さに比例する。そのため、平均稼働時間Tavgが短くなるに従い、1走行サイクル中でPM再生を完了させることができる可能性は少なくなる。特にハイブリッド車両10の走行条件等によっては、長い期間(即ち、長い走行サイクルの間)PM再生を完了することができずに、エンジン100の動力性能が低下してしまうリスクが高まってしまう。
平均値Tavgが基準時間T1より小さい場合(ステップS402:YES)、SOCminを、初期値であるSOCmin1に比べて大きいSOCmin2に設定する(ステップS404)。つまり、つまり、SOCminが引き上げられる。SOCminは、EV走行からHV走行に移行する境界となるバッテリの600SOCであるから、このようにSOCminが引き上げられると、ハイブリッド車両10の始動後早いタイミングで、PM再生が実行可能なHV走行モードに移行することができる。その結果、1走行サイクル中において、HV走行モードが占める時間的な割合が大きくなるので、1走行サイクル中でPM再生を完了できる可能性を高めることができる。
一方、平均値Tavgが基準時間T1以上である場合(ステップS402:NO)、走行条件等によって長期間に渡り、PM再生が完了できないという事態が生じるリスクはもともと少ないとして、SOCminは初期値であるSOCmin1のままに保持される。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う内燃機関の充電制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
20…外部電源、100…ECU、200…エンジン、600…バッテリ、700…電源プラグ
Claims (5)
- 動力源として機能する内燃機関及び電動発電機における始動及び停止を切り替え可能な始動停止スイッチと、前記電動発電機による充電に加えて外部電源による充電が可能な蓄電手段と、前記内燃機関の排気に含まれる粒子状物質を捕集するフィルタと、実行指令に応じて前記捕集された粒子状物質を燃焼させる再生処理が前記フィルタ内で実行されるように前記内燃機関の燃焼を制御する再生処理手段とを備えるハイブリッド車両において、前記蓄積手段の充電を制御する充電制御装置であって、
前記外部電源による充電が行われるのに先行して又は同時に、前記再生処理が実行されている最中に前記始動停止スイッチにより前記停止に切り替された処理途中状態にあるか否かを判定する判定手段と、
前記処理途中状態にないと判定された場合に、前記蓄電手段の充電残量が予め設定された基準残量になるまで充電されるように前記蓄電手段を制御し、前記処理途中状態にあると判定された場合に、前記充電残量が前記基準残量未満に設定された所定残量になるまで充電されるように前記蓄電手段を制御する充電制御手段と
を備えることを特徴とするハイブリッド車両の充電制御装置。 - 前記フィルタの温度を特定する特定手段を更に備え、
前記再生処理手段は、
前記処理途中状態にあると判定された場合であって、前記特定された温度が第1基準温度以上である場合に、前記始動停止スイッチにより再び前記始動に切り替えられた際に、前記再生処理が実行されるように前記内燃機関の燃焼を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の充電制御装置。 - 前記ハイブリッド車両は、
前記始動停止スイッチにより再び前記始動に切り替えられた際に、前記特定された温度が前記第1基準温度より低く設定された第2基準温度以下である場合に、前記ハイブリッド車両の走行状態が、前記電動発電機の動力を利用したEV走行になるように、前記内燃機関及び前記電動発電機を制御する動力源制御手段を更に備える
ことを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド車両の充電制御装置。 - 前記動力源制御手段は、
前記蓄電手段の充電残量が閾値残量以下になったときに、前記ハイブリッド車両の走行状態が前記電動発電機の動力を利用したEV走行から、前記内燃機関の動力を利用したHV走行に移行するように前記内燃機関及び前記電動発電機を制御する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の充電制御装置。 - 前記始動停止スイッチにより前記始動に切り替えられたままである一走行サイクル毎に、前記内燃機関の駆動時間を記憶する記憶手段と、
複数の前記駆動時間から平均駆動時間を算出する演算手段と
を備え、
前記充電制御手段は、前記平均稼働時間が、学習値として設定されている基準時間より小さい場合に、前記閾値残量を、増加させることを特徴とする請求項は4に記載の充電制御装置。
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